2016/08/06

飛べ!ドロハマキチョッキリ【HD動画&ハイスピード動画】



2016年6月上旬

コブオトシブミ♀が揺籃を作っている現場でお邪魔虫だったドロハマキチョッキリByctiscus puberulus)が短距離の飛翔を繰り返して離れて行きます。
木の葉や草から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で繰り返し撮ってみました。



電線で鳴く♪ハクセキレイ♀(野鳥)



2016年6月上旬

郊外の電線にハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)が止まって鳴いていました。
鳴きながら嘴を足元に電線に擦り付けています。
やがて隣の原っぱに飛び降りました。
私がカメラを向けると慌てて走り、飛んで逃げてしまいました。
最後の一瞬で背中の色からようやく♀と判明。



狩り直後に身繕いするユカタヤマシログモ(蜘蛛)



2015年10月下旬


ユカタヤマシログモの飼育記録#7


ユカタヤマシログモScytodes thoracica)が得意の吐糸攻撃で獲物を仕留めた直後は必ず身繕いします。
食前に歩脚や触肢の先を順番に舐めてきれいに掃除します。

獲物はオオヒメグモParasteatoda tepidariorum)幼体で、強力な粘着糸によって容器壁面に貼り付けにされて身動きが取れません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

記事を書く順番が前後してしまいましたが、時系列順で言うとシリーズ#4に続きます。



2016/08/05

コブオトシブミ♀の交尾拒否と脱糞



2016年6月上旬
▼前回の記事
コブオトシブミ♀が揺籃作りに失敗

コブオトシブミ♀(Phymatapoderus latipennis)は作りかけの揺籃(失敗作)を放棄したまま隣のアカソの葉へ移動してしまいました。
相変わらず♂が♀にマウントしたままなので交尾シーンを接写しようと試みたものの、風で葉が揺れるので撮り難くて仕方がありません。
そこで裏技として、カップルが乗ったアカソの葉を慎重にナイフで切り落とし、路上にそっと置きました。
初め♀♂は擬死状態(死んだふり)のようにじっとしていました。
(映像はここから。)
横からじっくり接写すると交尾器を結合していなかったので、♂の行動はライバル♂から配偶者♀を守るための交尾後ガードなのでしょう。
やがて♀が立ち上がり、動き始めました。(@0:14)
マウントしていた♂が慌てて体を左右に揺すったのは、♀に宥めの信号を送ってるのかもしれません。

♀は交尾を嫌がって立ち止まったまま体を激しく揺すり、交尾器を伸ばした♂を振り落とそうとしています。
♂はまるでロデオのように必死で♀にしがみついています(じゃじゃ馬馴らし)。
とても滑稽なシーンで、接写しながら笑いそうになりました。
♀は頭を下げ逆立ちすると後脚で♂を蹴落とそうとするも、脚が届きません。
遂に♀は抗議の脱糞をしました。
細長くて黒っぽい糞を排泄すると、自ら足で払い落としました。
♀は生殖口の直前に排泄口があるようです。

そのうち交尾器の結合が外れてしまいました。
♂は再チャレンジするも、♀がまたポロリと脱糞しました。(@3:39)
♀が向きを変え、背面からのアングルになりました。
そのおかげで、上翅中央付近に一対の瘤があることがよく見えます。
最後、コブオトシブミ♀はアカソの葉先から降りると、しつこい♂を背負ったまま路上を逃げ始めました。

コブオトシブミ♀は交尾相手を選り好み(配偶者選択)しているのでしょうか?

初めに♀がアカソの葉に低く伏せていたのも、交尾に非協力的な拒否行動だったのかもしれません。

私の頭の中では山口百惠がドスの効いた声で歌う「プレイバックPart2」が流れていました。

「気分次第で抱くだけ抱いて女はいつも待ってるなんて 坊や いったい何を教わって来たの 私だって 私だって 疲れるわ」

ところで、オトシブミやチョッキリの♂はどうやって交尾相手の♀を探し当てるのですかね?
♀が性フェロモンを放出しながら揺籃を作るのでしょうか?
それとも♀が揺籃を作り始めると傷つけられたホスト植物から独特の匂いが発せられ、それを頼りに♂が集まるのかな?


コブオトシブミ♀♂の交尾
コブオトシブミ♀の交尾拒否と脱糞

路上で吸水するイチモンジチョウ



2016年6月上旬

山裾にて正午過ぎ、沢の水で濡れている路上でイチモンジチョウLimenitis camilla)が水を飲みに来ていました。
翅を立てて(閉じて)吸水しています。
残念ながらすぐに飛び立ってしまいました。
映像の後半は1/4倍速のスローモーションでリプレイ。





2016/08/04

コブオトシブミ♀が揺籃作りに失敗



2016年6月上旬

山間部の道端に繁茂するアカソの群落でコブオトシブミ♀(Phymatapoderus latipennis)が葉を巻いて揺籃を作っていました。
現場は林縁の日陰で、アカソは葉柄が未だ赤く色づいていませんでした。

作りかけの揺籃を見ると、本で読んだコブオトシブミの特徴通り、葉の根本付近の裁断線は一本の直線状で主脈を切断しています。
裁断線の下の葉は適度に萎れかけ、巻き易くなっています。
ちなみに、コブオトシブミはヒメコブオトシブミと同種にまとめられたらしい。

コブオトシブミを観察するのは初めてなのに、いきなり難しい応用問題に出くわし、混乱しました。
フィールド観察ではよくあることです。
交尾中のコブオトシブミ♀♂と単独のコブオトシブミ個体が同じ揺籃に居たのです。
あぶれたコブオトシブミ♀は隣の葉に移動してしまいました。(@1:00)
(もし、あぶれ個体が♂なら♀を奪い合う喧嘩になるはず)
おまけに明らかに別種のチョッキリ類が同じ揺籃を徘徊していました。
後にドロハマキチョッキリByctiscus puberulus)と判明しますが、初めはもしかして、労働寄生つまり別種の作った揺籃に托卵する種(ヤドカリチョッキリまたはオオメイクビチョッキリ)かと疑い、緊張・興奮しました。
しかし、アカソをホストとする労働寄生種は知られていません。
作りかけの揺籃で異種遭遇しても、なぜか争いにはなりません。
頭をひねって見ていると、途中でドロハマキチョッキリは翅を開いて飛び去りました。(@2:13)
どうやら、ただの通りすがりだったのでしょう。




揺籃上に残ったのは、交尾中のコブオトシブミ♀♂1ペアだけになり、ようやく状況がシンプルになりました。
♀にマウントした♂がときどき体を左右に揺すっています。
揺籃を作りかけた葉裏に♀は静止して、葉脈を噛んでいるように見えます。

途中から揺籃作りを微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧ください。(@4:14〜)



ところが、コブオトシブミ♀はなぜか作りかけの揺籃を放棄して葉柄を登り、♂を背負ったまま隣のアカソの葉裏へ移動してしまいました。(@5:00)

こんな不細工な状態で揺籃が完成したとは思えません。
巻きかけた葉が戻ってしまいましたし、この揺籃は失敗作ですね。
昆虫の本能行動において「弘法も筆の誤り」というのはあり得ないと思っていたので、とても意外な展開でした。
分からないことばかりで混沌としています。
2匹の♀が同じ葉を材料に同時に揺籃を巻こうとして邪魔し合い、台無しになったのでしょうか?
コブオトシブミ♀やドロハマキチョッキリ♀による揺籃作りの成功例(正常例)の一部始終を観察してみないことには始まりません。

最後に失敗作の揺籃を採取し、その場で開いてみました。
ペリペリと糊を剥がすような感触がありました。
きつく巻いた葉の先に黄色い卵が一つ産み付けられていました。
産卵してから葉を巻き上げる途中で何か工程を失敗してしまったようです。
もし私が揺籃を採集しなくても、こんな不完全な揺籃では孵化した幼虫が正常に育つ可能性は低そうです。


つづく→コブオトシブミ♀の交尾拒否



さて、謎のドロハマキチョッキリはコブオトシブミの揺籃で一体何をしていたのでしょう?
♂が交尾相手の♀を探していたのかな?
それならアカソの群落ではなく、自身のホスト植物(カエデやイタドリなど)で探すべきでしょう。
労働寄生(托卵)の萌芽だとしたら非常に興味深いです。
しかし、たとえドロハマキチョッキリ♀が托卵に成功したとしても孵化した幼虫はイラクサ科の葉巻きをうまく消化したり解毒できず、生き残れないと思われます。
托卵行動が進化するにはまず、幼虫の消化・代謝機能が生理的に寄主転換の前適応する必要があります。

したがって、労働寄生はまず同種内で起こり、次にホスト植物がたまたま共通である別種の間で托卵するよう進化すると思われます。
闖入したドロハマキチョッキリの接写も採集も出来なかったので、性別は不明です。
スナップショット写真をよく見直すと、心眼では前胸下部に鋭い棘状の突起が見えた気がするので、♂かもしれません。
もう一つの特徴として、ドロハマキチョッキリ♂の口吻は長く、触角付着点あたりで湾曲するらしい。(『オトシブミハンドブック』p52より)


イタドリの葉と蓑虫:ニトベミノガ(蛾)幼虫



2016年6月上旬

峠道の道端でイタドリの葉先の裏に蓑虫がぶら下がっていました。
その形状から、おそらくニトベミノガMahasena aurea)の幼虫だと思います。
イタドリの葉には大きな食痕がありました。
枯れ葉(茶色)の蓑に生葉(緑色)の切れ端を追加しているので、保護色どころか却って目立っています。
採寸代わりにミノムシを手のひらに乗せてみました。

ニトベミノガの幼虫をイタドリで見つけたのはこれが二度目(4年ぶり)です。

▼関連記事
イタドリの葉を食すニトベミノガ幼虫(蓑虫)






2016/08/03

ヤドリバエの卵を付けたツマジロカメムシ



2016年6月上旬

山間部のガードレール脇に生えたタニウツギの灌木でツマジロカメムシMenida violacea)を見つけました。
葉上を歩き回り今にも飛び立ちそうな予感がしたので、飛翔シーンを撮ろうと粘ってみたものの、空振りに終わりました。

途中でクロオオアリ♀とニアミスしても互いに無関心でした。

背中の小楯板に目立つ白点は寄生者(ヤドリバエ類)に産み付けられた卵だと思われます。

身繕いで落としたくても足が届かない場所にあります。
ヤドリバエの幼虫が孵化して捕食寄生する様子を観察するのも面白そうですが、寄主となったカメムシ成虫を飼育法(餌は?)が分からないことには難しそうです。




イモカタバミの花蜜を吸うヒメシジミ♂



2016年6月上旬

民家の花壇に咲いたイモカタバミ(=フシネハナカタバミ)の群落でヒメシジミ♂(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。





2016/08/02

笹の葉裏にクロヒカゲ♀が産卵未遂?



2016年6月上旬

山間部の道端に茂る笹(種名不詳)の群落で夕方(午後16:41)にクロヒカゲ♀(Lethe diana)が飛び回っています。
葉表の縁に止まると、腹端だけを葉裏に押し付けてからすぐに飛び去りました。
これは産卵か?と思い、直後に笹の葉をめくって調べてみました。
ところが、なぜか卵が見つかりませんでした。
クロヒカゲ♀は腹端で探って食草の適否を調べただけで、結局は産卵未遂だったのでしょうか?

インターネット検索で調べたサイト(大阪市とその周辺の蝶)によると、本種は笹の葉裏に白くて丸い卵をひと粒ずつ産むらしい。


蝶が止まった笹の葉裏を調べても卵が見当たらない。
15cm定規を並べて置く




ゼニアオイの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2016年6月上旬

道端に咲いたゼニアオイの群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
体中が白い花粉まみれなのに、後脚の花粉籠は未だ空荷でした。

昨年の撮影と比べると花の色が違うのは、品種の違いですかね?

▼関連記事
ゼニアオイの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀



2016/08/01

キバネツノトンボ♀の飛翔準備



2016年6月上旬

花が散りかけたノイバラの群落を観察していると、見慣れない昆虫がパラパラと羽ばたきながら飛来し、高い枝の葉に止まりました。
その正体はキバネツノトンボ♀(Libelloides ramburi)でした。
風で揺れる葉をよじ登りながら羽ばたいています。
私はツノトンボについてまるで疎いのですが、アブラムシの群落などに産卵している可能性もありますかね?(キバネツノトンボは植物の茎や枝に白い卵を並べて産み付けるらしい。)
ちなみにキバネツノトンボの成虫も幼虫も肉食性らしい。

再び飛び立つ前の準備運動ではないかという予感がしたので、ひたすら愚直に長撮りしてみます。
公開した映像では動きのないシーンを編集でかなりカットしています。
ところが横の農道を車が通りかかった瞬間に驚いたキバネツノトンボが飛び立ってしまい、飛翔シーンを撮り損ねた上に見失ってしまいました。
あーあ…。

参考:『自然の観察事典30:アリジゴク観察事典:脈翅目のなかまたち』p34-35






オオダイコンソウの花蜜を吸うスジグロシロチョウの一種



2016年6月上旬

山間部の道端に咲いたオオダイコンソウの群落でスジグロシロチョウの一種が訪花していました。
スジグロシロチョウPieris melete)とエゾスジグロシロチョウPieris napi)のどちらなのか、見分けられません。
花に止まると翅を閉じて吸蜜しています。




2016/07/31

ウリハダカエデの葉を巻いたドロハマキチョッキリの揺籃



2016年6月上旬

山間部の道端に生えたウリハダカエデの枝先に、葉巻状の物体を見つけました。
複数の葉を巻いているので、ファウストハマキチョッキリではなくドロハマキチョッキリByctiscus puberulus)の揺籃でしょう。
完成した揺籃を切り落とすのではなく、切れ目を入れた葉柄でぶら下がったまま萎れて(枯れて)います。

飼育して確認したかったのですが、他のことで忙しく、とても手が回りませんでした。



空木を訪花した後で身繕いするウツギヒメハナバチ♀【ハイスピード動画】



2014年6月中旬

堤防で満開に咲いたウツギの花でウツギヒメハナバチの仲間(ウツギヒメハナバチ(Andrena prostomias)またはコガタウツギヒメハナバチ(Andrena tsukubana))が採餌しに来ていました。
最盛期のウツギは花粉の量が豊富なので、訪花する度に蜂は黄色い花粉まみれになります。
身繕いする蜂を240-fpsのハイスピード動画で接写してみました。
体毛に付着した花粉を前脚→中脚→後脚とリレー形式で移し、最後は後脚の花粉籠になすりつけて集めます。
また、次の花に飛ぶ前にとりあえず複眼に付いた花粉を拭い落とす必要があるようです。

初めの個体は、花弁に爪先でぶら下がった不安定な姿勢で化粧しています。
その場でときどき羽ばたいて花粉を翅から落としています。
最後は花から落下しました。(@2:13)

次の個体は葉の上に乗って念入りに化粧しています。

※ 実際の蜂はこのスローモーション映像の8倍の速さで身繕いしています。





壁を登って隙間に隠れるヤマトシミ【暗視映像】



2016年6月上旬

晩(午後18:10)に押入れ内の壁をヤマトシミCtenolepisma villosa)がウロウロと徘徊していました。
赤外線の暗視カメラで撮影してみます。
どんどん上に登り、天井付近の隙間に潜り込んで姿を消しました。
体が薄っぺらいので、こんな狭い隙間にも侵入できるのですね。
未採寸、未採集。

▼関連記事
ヤマトシミ♀の食事






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