2021/07/31

ヤマボウシの樹上でスズメ幼鳥に巣外給餌する親鳥(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後15:40頃・晴れ 

郊外の民家の庭に植栽されたヤマボウシに白い花が咲いていて、スズメPasser montanus)が賑やかに鳴く声が聞こえてきました。 
茂みの奥をそっと覗いてみると、成鳥だけでなく幼鳥も居たので、家族群が集まっているようです。 
つまり成鳥は親鳥なのでしょう。 
スズメの幼鳥は嘴が黄色く、頬の黒班が薄いので、見分けるのは簡単です。 
近くの営巣地(例えば民家の軒下など)から巣立ったばかりの幼鳥が庭木の中に隠れているのかな? 

スズメの親鳥がヤマボウシの枝から枝へと飛び移って餌を探しています。 
すると幼鳥が金魚のフンのように親鳥の後を追いかけます。 
どうやら親鳥が何か虫を捕らえたようです。 
それを見た幼鳥が慌てて下の枝(親鳥の横)に飛び降りると、翼を細かく震わせ餌乞い♪しました。 
親鳥から口移しで巣外給餌を受けたようですが、残念ながら枝葉の陰でしっかり見えませんでした。 
その後も幼鳥は親鳥の後をついて回ります。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 暗い茂みの奥の様子がよく見えるように、動画編集時に逆光補正を施しています。 
そのため、ヤマボウシの白い花(総苞片)がやや白飛び気味に見えるのは仕方がありません。 


どこか近くにスズメの巣があるようで、在巣の雛が一斉に餌乞い♪する鳴き声がときどき聞こえます。 
巣立った幼鳥の世話をする親鳥と在巣の雛に給餌する親鳥が分業しているのでしょう。 
もしや、このヤマボウシの樹上にスズメの巣があるのかと思って探したものの、見つかりませんでした。 
おそらく、この家の軒下などにスズメの巣があるのでしょう。 
実はこの全く同じヤマボウシの木で以前、野鳥の巣が作られていました。
▼関連記事(2年前の撮影) ヤマボウシ樹上に見つけたモズ?の古巣(野鳥)
その古巣は撤去されていて、今季はヤマボウシの樹上に鳥の巣はありません。
スズメ幼鳥
スズメ成鳥(親鳥)


2021/07/30

ピンクのルピナスの花で採餌するクロマルハナバチ♀【ハイスピード動画】

 

2021年5月下旬・午後17:10頃・晴れ 

原っぱに咲いたノボリフジ(別名ルピナス)の大群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。 
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を大量に付けて運んでいます。 
蝶形花を上手にこじ開けて集粉しています。

クロマルハナバチ♀は青いルピナスの花序で採餌することが多く、ピンクの花序での訪花シーンは初見です。 
関連記事(1年前の撮影)▶ 青いルピナスの花で採餌するクロマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

 

マルハナバチはピンクよりも青い花のほうが好みのような印象を受けますが、実際に虫の目にどう写っているのか、紫外線カメラで調べてみたいものです。
 

屋根裏の古巣を内見・掃除するムクドリ♀と軒下の巣口を拡張する♂【ハイスピード動画】(野鳥)

 

2021年5月上中下旬・午前7:10頃・晴れ
前回の記事:▶ 軒下の巣に飛び込むのを見られたくないムクドリ♀♂のホバリング【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥
軒下の巣穴に出入りするムクドリSturnus cineraceus)を記録するために240-fpsのハイスピード動画で長撮りしたら興味深い行動が写っていて、色々なことが分かってきました。 

じっと見ている私に対する警戒を少し解いてくれたのか、ムクドリの♀♂つがいは軒下に開いた穴に再び飛び込むようになりました。 
初めの個体は死角となる左下から飛び上がって穴に入りました。 
続けてもう1羽が右下から飛び上がって入巣しました。 
残念ながらムクドリの性別を外見で見分けられないのですが、その後の行動からおそらく♀、♂の順に入巣したと私は推察しています。 
(これ以降、ペアの個体を♀・♂と書き分けるのはあくまでも便宜的な記号で、実際の解剖学的な性別は逆かもしれません。) 
どちらも嘴に何も咥えていませんでした。 
巣材や獲物を搬入しなかったということは、営巣地候補となる屋根裏の物件を♀♂ペアが内見しているのでしょう。 

しばらくすると、♂と思われる個体が巣口からこっそり顔を出して外の様子を伺っています。(@0:25) 
私を警戒して出巣をためらっているのかな? 
すると驚いたことに、屋根裏の中からムクドリ♂は軒下の白い石膏ボードの縁を小さく黄色い嘴でちぎり取り始めました。(@0:51) 
巣穴に出入りしやすいように巣口を拡張しているようです。 
ギザギザだった縁を滑らかに加工しているのかもしれません。 
あるいは、しつこく巣を見上げている私に対する苛立ちが転移行動になった可能性も考えられます。(八つ当たり) 

♂が屋根裏で動いた拍子に、屋根裏から古い巣材の枯草が1本、落下しました。(@1:12) 
しばらくすると、ムクドリ♂がようやく巣穴から飛び出しました。(@1:30) 
ところが巣口から飛び降りるとすぐにホバリングし、戻ってきました。 
巣口の真下の雨樋パイプに着陸しました。 
雨樋パイプは水平ではなく斜めなので少し立ちにくそうですが、その上に立つと上手いこと巣口の中を覗き込めるのです。 
先に入った♀が屋根裏で長々と内見している間に♂は「早くここに決めてくれないかなー」と思いつつ巣口の下で待っているようです。(巣口をガード?) 

雨樋パイプの上で辺りをキョロキョロ見ていた♂が羽繕いで暇を潰し始めました。(@2:00) 
ときどき嘴を開閉しているのは、鳴いて巣内の♀に呼びかけているのかもしれません。(@2:40) 
無音なのは残念ですが、ハイスピード撮影時に録音できないのはカメラの仕様です。 

♀は屋根裏の掃除をしているようで、巣口からゴミが♂の頭に降り注ぎます。(@2:58) 
ようやく巣から飛び出した♀が 嘴に何かゴミを咥えていました。 (@3:05)
古い巣材やゴミを外に捨てに行ったようです。 

♀を見送って雨樋パイプの上に残った♂は、巣口の石膏ボードの縁を再び嘴で毟り取りました。(@3:20) 
破壊した石膏ボードの白い破片が嘴の先に付着したままなのが気になります。 
普通なら鳥は嘴に付いた異物をすぐに拭い取るはずです。 
なぜ巣口を拡張したゴミの破片をすぐに捨てないで咥えたままなのでしょうか? 
ゴミを巣口の真下に落とすと巣の位置が天敵にバレてしまう、と気を使っているのかもしれません。 
ゴミはなるべく巣から離れたところに捨てに行くのかな? 
次に♂は雨樋パイプからジャンプして巣穴に飛び込みました。(@3:55) 

巣材を搬入した♀(映像公開予定)は造巣に手間取っているのか、なかなか外に出て来ません。 
しばらくすると、屋根裏を内見していたムクドリ♂が巣口の右上角から顔を出しました。(@4:09) 
下界の様子を伺いながら、軒下の石膏ボードの縁を再度嘴でちまちまと千切り取っています。
巣口で破壊工作(拡張作業)していたムクドリ♂が巣内に一旦引っ込みました。 

ようやく♂が巣の外に飛び出したと思いきや、先ほどと同様に出巣直後にホバリングして戻り、雨樋パイプの上に止まり直しました。(@5:41) 
♀が巣作りしている間に、手持ち無沙汰な♂が巣口で暇をつぶしているようです。 
あるいは、せっかく見つけた巣を別のムクドリつがい)に乗っ取られないように見張ってる(守っている)のかもしれません。 

雨樋パイプ上の♂が軒下の巣穴を見上げて鳴いた(♀に呼びかけた@6:10)直後に、♀が巣から飛び出しました。(@6:20) 
続けて♂も雨樋パイプの上から羽ばたかずにストンと飛び降りました。(@6:50) 


※ 動画編集時に逆光補正を施しています。

2021/07/29

電柱の側面で日光浴するルリタテハの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月上旬・午後16:40頃・晴れ 

里山の林道で今季初見のルリタテハKaniska canace no-japonicum)と出会いました。 
山道の横に立つコンクリートの電柱に止まり、翅を全開にして日光浴しています。 
いつもは地面にペタッと止まるルリタテハがこのような垂直面に止まって休んでいるのは珍しいと思って撮り始めました。 
しかし後になって落ち着いて考えると、樹液を吸汁するためにルリタテハが木の幹に止まることはありますね。 
関連記事(7〜8年前の撮影)▶ 
今回もコンクリートの表面を舐めてミネラル摂取したかな?と思って映像を見直しても口吻は伸ばしていませんでした。 
やはりただの日光浴でしょう。 
何か小さな昆虫が近くを素早く飛んで横切ると、ルリタテハは反射的に飛び立ち、追いかけて行きました。 
どうやら縄張りの占有行動のようです。 
1/5倍速のスローモーションで飛び立ちをリプレイ。 

蝶道を忙しなく飛び回っていたルリタテハは、しばらくすると砂利道に着陸しました。 
再び翅を全開にして日光浴。 
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:27〜) 

実は山道で黒い蝶同士の激しい空中戦を何度も見かけたものの、動きが激し過ぎて動画に撮れませんでした。

日本庭園の小さな滝壺で水浴びするハシボソガラス(野鳥)

 

2021年5月中旬・午後15:30頃・晴れ 

日本庭園で巨石の段差を小さな滝が連続して流れ、下の池に注いでいます。 
その小さな滝壺でハシボソガラスCorvus corone)が行水していました。 
苔むした池畔を歩く別個体に気を取られた私は、水浴個体に気づくのが遅れてしまいました。 
水を浴びたカラスは滝壺から横の庭石に飛び乗ると、身震いして水気を切りました。 
羽繕いはしないでそのままどこかへ飛び去りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

もう1羽のハシボソガラスは池の岸に残り、餌を探し歩いています。

2021/07/28

深夜の畑で大喧嘩する発情期のネコ2匹【暗視映像】

 

2021年5月下旬・午後23:06〜23:27頃・晴れ・満月(月齢14.3 スーパームーン) 

春はネコの発情期で、夜な夜な騒々しい喧嘩が勃発します。 
赤外線の暗視カメラを持って、激しい鳴き声(唸り声)のする方へ慎重に忍び寄ってみました。 
郊外の畑で2頭のイエネコFelis silvestris catus)が対峙しているようです。 
満月の夜で、しかも外灯が畑を照らしているのですが、肉眼では暗過ぎてほとんどネコの姿が見えません。 
近づく私を警戒して、猫は喧嘩(唸り合い)を中断してしまいました。 
私の方を凝視している猫の目が2組、赤外線に反射してギラギラと光っています。 
私も足を止めじっと息を潜めて撮影を続けます。 
 素人目には2匹の体格差はそれほど無いように見えます。 

喧嘩の理由は縄張り争いなのか、それとも繁殖期の♀を巡る争いなのか、どちらでしょう? 
実は近くに♀が潜んでいたのかもしれませんが、私は気づきませんでした。 

2匹は畑の地面に座っていました。 
実は左のキジトラ♂と私は顔馴染みです。 
右に少し離れた相手は黒白猫かな? 鼻先も黒いです。 (暗視映像では色が分かりません。) 
キジトラは、耳を回して周囲の物音を油断なく聞いています。 
正対するのではなく、相手に対して直交する向きで座っています。 この姿勢を見ても、初めからキジトラは逃げ腰のように見えました。 

この動画は、ネコが私に対する警戒をようやく解いて、唸り声♪を再開したところから始まります。 
町の遠くで消防車のサイレン♪と鐘の音が鳴り響いています。 
こういうときイヌはサイレンにつられて野次馬のように遠吠えを始めますが、ネコはあまり気にしない様子です。 
サイレンが鳴り止むまで休戦状態かと思いきや、黒白猫が立ち上がって相手に少しだけ歩み寄り、再び座りました。(@1:40) 

唸り声を上げる鳴き声合戦は右の黒白猫が圧倒的に優勢で、左のキジトラはほとんど鳴いていません。 
次第に鳴き声の声量が上がってきました。 

黒白猫がキジトラにかなり近づいて、一触即発の状態になりました。 
地面に伏せたままのキジトラを間近で見下ろし、黒白猫は大声で唸りながら尻尾を左右にくねらせています。 
キジトラも耳は伏せてないので、未だ戦意は失っていないようです。 
なんとか唸り返しています。 
顔を突き合わせてメンチを切りながら、互いに鼻先の匂いを嗅ぎ合ったように見えました。 
黒白猫に比べてキジトラは迷彩効果が高く、仕草がよく見えません。 
キジトラが地面に伏せたままなのは弱気の証なのかな?
強い相手に会う 体を小さくし、うずくまる。耳をふせ、 しっぽを足の間にまきこみ、 たたかう気もちがないことをあらわす。 飼い主が、「ダメッ」と強くしかり、 手をあげると、にたような姿勢をとる。 強気のネコは、耳をあまりねかさない。 にげる気がなく、いつでもたたかう気もちだ。 (田中豊美『ネコ:みぢかなともだち』p20-21より引用)
遂に唸り合いがクライマックスに達し、取っ組み合いの激しい格闘が始まりました。(@4:25) 
2匹は絡み合ったまま左の茂みの方へ転がって行きました。 
茂みの陰から喧嘩の唸り声♪が続いています。 
私もそっと横にずれると、2匹のネコは畑の端の溝に転がり落ちたまま格闘していました。 
左右の位置が入れ替わっていました。

 少し休んでから黒白猫がキジトラに飛びついて、格闘を再開。(@5:11) 
顔馴染みの私が近くで観戦しているため、キジトラは気が散って喧嘩に集中できないのかもしれません。 
組み伏せられたキジトラが尻尾をパタパタ振っています。 
キジトラが寝技で反撃して素早く起き上がると、座って正面から黒白猫に対峙しました。 
2匹とも呼吸がかなり荒くなっています。 
今度はキジトラが黒白に飛びかかりました。 
黒白猫が一瞬私を見て集中力が途切れた隙を逃しませんでした。 
喧嘩慣れした黒白猫は、キジトラの首に噛みつこうとしているようです。 
仰向けになったキジトラは素人目には絶体絶命の不利な体勢に見えますが、足の爪で相手の顔を引っ掻いています。  
両者立ち上がってブレイク。(@5:55) 
激しい息遣いがリングサイドまで聞こえています。 
再び黒白猫がキジトラに飛びかかり、取っ組み合いになりました。 
ところが逃げ出したのは意外にも黒白猫でした。 
キジトラが追いかけ、少し離れた所で未だ格闘が続いています。 
黒白猫は立って対峙したまま、尻尾を左右に振っています。 
黒白猫の腹が激しく波打っています。 
唸りながら黒白猫も腰を落としました。
イライラしているとき バッタバッタと、左右に大きく、せわしなくふる。 イヌはうれしいとき、はげしくしっぽをふるが、 ネコは機嫌が悪い時、しっぽをふる。(同書p19より引用)
再び取っ組み合いになりました。(@6:54) 
キジトラが珍しく尻尾を左右に振り、私をチラッと見上げてから振り返って左へ走って逃げ出しました。 
黒白猫がすかさず追いかけます。 

この後の喧嘩は灌木や茂みの陰で行なわれ、残念ながらよく見えませんでした。 
取り敢えず唸り声がする方にカメラを向けて暗闇で動画を撮り続けます。 
ようやく猫の姿をカメラに捉えたものの、キジトラは更に左へ逃走。 
黒白が追いかけて行って、私は完全に見失いました。 
どうやらこの日の喧嘩が終わったようです。 

この時期は毎晩のように喧嘩していたのですが、この日を最後に静かになりました。 
縄張り争いの決着がついたのか、それとも春の発情期が終わったのでしょう。 

ネコは喧嘩が盛り上がると夢中になって、ヒトが近くに居てもあまり気にしなくなるようです。 
補助照明として普通の懐中電灯(白色光)を点灯したら猫は眩しがって闘争行動に影響する(逃げてしまう)気がします。 
今回は赤外線での暗視撮影にこだわりました。 
LED赤色灯なら大丈夫かもしれません。 

迫力の熱戦を観察できて、私も興奮しました。
今回の大喧嘩を振り返ると、キジトラは相手(黒白猫)の剣幕に終始タジタジで、ほとんど鳴いていませんでした。 
現場はキジトラ♂の縄張り(の近く)ですから、普通なら先住者効果でキジトラ♂が勝つはずです。 
しかし若い♂は体格も未だ少し劣り、経験不足で喧嘩が弱いのでしょう。 
去勢されていることも不利に働きそうです。 
(黒白猫も♂だと思うのですが、去勢されているかどうか不明です。) 
顔馴染みの私が間近で(砂かぶりで)観戦していることでキジトラは喧嘩に集中できなかった可能性も考えられます。 

帰ってから田中豊美『ネコ:みぢかなともだち』という本を読み返すと精密画が素晴らしく、猫の行動やボディランゲージについて非常に勉強になりました。
ネコの社会行動(1)くらしのなかのルール イヌの場合、おなかを見せることは、相手にしたがう気もちをあらわすが、ネコの場合は反抗のポーズ。 ネコはあまえるときには、手足をちぢめ、おなかを見せるが、反抗のときは、手足をのばし、つめをだす。 
ネコの社会行動(2)見知らぬネコとの出会い・ケンカ はじめて出会った♂どうしは、たいていケンカになる。なわばりあらそいのほか、繁殖期には、♀をめぐってのあらそいが多い。 高い場所にいるほうが、強気の態度をとる ♂どうしの出会い 相手をにらみ、毛をさか立てる。体を横にむけ、背をまるめ、うなり声をあげて、威かくしあう。 顔をつきあわせ、うなりあう、力がおなじくらいの♂どうし 首をねらってとびかかる。一方はあおむけになり、後ろ足ではげしくける。ころげまわり、ひっかきあい、とつぜんはなれ、またとびかかる。相手があきらめるまで、くりかえす。 にらみあい はげしくなきあう。ときどき静かにしているが、思いだしたように、またなきあう。 はげしくしっぽをふる よそからきたほうが、相手の目がそれたとき、ゆっくりとはなれていく。あとを追って、攻げきすることは少ない。もともと、そこにくらしているほうが、勝つことが多い。


※ 動画編集時に色調補正を施しています。
暗視カメラの補助照明として赤外線投光器を普段なら2台使うのですが、今回はあいにく充電切れで1台しか使えませんでした。 
そのため、被写体のネコまで赤外線が充分に届かず、暗闇で光る猫の目ぐらいしか写りませんでした。 
しかし、そこで諦めてはいけません。 失敗作と思っても、実は撮れている(ことが多い)のです。 
動画編集ソフトで色調補正することで暗視映像が見事に蘇り、暗がりの行動が見えるようになります。 
具体的な方法は色々あると思いますが、私が試行錯誤して編み出した手順は次の通りです。 
動画編集ソフトKdenliveを使い、equaliz0rというフィルターで動画の色調を正規化しました。 
これで暗い映像がかなり明るく増感されるのですが、副作用で色味がかなり不自然になってしまいます。 
そこで更にgreyscaleというフィルターを掛けて、白黒の動画に加工しました。 
どうせ暗視映像ですから、モノクロで充分です。 
画質がざらついて粗くなるのは仕方がありません。 
補正後も動画がときどきピンぼけになるのは、照明となる赤外線が光量不足でハンディカムのオートフォーカスAFが被写体を見失ったからです。 

 

軒下の巣に飛び込むのを見られたくないムクドリ♀♂のホバリング【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

 

2021年5月中旬・午前7:05頃・晴れ 

交差点に面した2階建て木造家屋の軒下の角を塞ぐボードが一部外れていて、長方形に開いた穴にムクドリ♀♂(Sturnus cineraceus)が出入りしていました。 
どうやら今季の営巣地を物色しているようです。 
巣穴から飛び出してくる瞬間をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。 
冒頭のシーンで古い巣材(枯草の破片)が巣穴から落ちています。 
おそらくこの屋根裏で毎年のようにムクドリが巣を作っているらしく、今は屋根裏をきれいに掃除しているところなのでしょう。 

巣から出てきたムクドリはすぐ横の交差点の電線に止まりました。 
♀♂つがいが同じ電線に少し離れて止まり、羽繕いを始めました。 

次に私がムクドリの入巣シーンを撮ろうとしたら、あからさまに警戒されてしまい、なかなか巣に飛び込んでくれなくなりました。 
営巣期の野鳥は巣の位置を天敵に知られたくないので、巣に入る瞬間を見られたくないのです。※ 
電線から飛び立っても軒先で軽くホバリング(停空飛翔)してから屋根に止まりました。 
240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみましょう。(@1:08〜) 
屋根から飛び降りても軒下の巣穴に入るのをためらい、その真下でホバリングしただけでまた屋根に戻りました。 
短時間でも見事なホバリングを披露してくれて、その飛行性能に惚れ惚れします。 


※ 少し離れた位置から望遠で撮影している私の姿がムクドリには丸見えなので、警戒されたのだろうと解釈しました。
それでも私がじっと動かずに撮影を続けると、やがてムクドリは警戒を解いて屋根裏の巣に再び出入りしてくれるようになりました。(映像公開予定)
別の解釈として、ムクドリ♀♂はこの営巣候補地を本当に見つけたばかりなのかもしれません。
もしかすると、人畜無害の私のことなど初めからムクドリの眼中にはなくて、ただ単に帰巣の飛行経路を練習していただけ、という可能性も考えられます。

2021/07/27

オオベニウツギ(斑入りタニウツギ)の花で採餌するセイヨウミツバチ♀

 

2021年5月下旬・午後17:25頃・晴れ 

道端の庭に植栽されたオオベニウツギ(斑入りタニウツギ)の灌木にピンクと白の花が満開に咲いていました。 
タニウツギと似ていますが、葉が白い斑入りの園芸品種です。 

セイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が花筒に潜り込む正当訪花を繰り返し、吸蜜していました。 
後脚の花粉籠は空荷です。 
 採餌シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

夕方の逆光を回避したくても他人の庭には入り込めませんから、撮影には苦労しました。 
斑入りの葉を動画で記録するのを忘れたので、静止画(写真)から作成したスライドショーを追加してみました。
関連記事(7年前の撮影:白い花粉まみれ)▶ タニウツギを訪花するセイヨウミツバチ♀

給餌後に雛の糞を巣から捨てるスズメの親鳥【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

 

2021年5月下旬・午前後15:33〜16:17・晴れ
前回の記事:▶ 巣に通い雛に給餌するスズメ親鳥♀♂【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)
道路標識の支柱パイプ内の巣で育つスズメPasser montanus)の雛鳥2羽は、親鳥からもらった餌を食べた後に巣内で排便します。 
そのままでは巣内環境が不潔になってしまいますし、糞の匂いで捕食者に見つかりやすくなります。 
雛が排泄した糞を外に捨てに行き、巣内の衛生環境を清潔に保つのは親鳥の役目です。 
これを排糞行動と言います。 
雛の糞を咥えて飛び去るまでの行動はほんの一瞬なので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:13〜0:56、1:06〜1:43および 1:55〜2:42) 
スズメの排糞行動は240-fpsのハイスピード動画でも撮れていました。(@2:48〜) 

給餌の直後に雛が巣内で方向転換して脱糞するシーンが一度だけしっかり写っていました。(@2:25) 
鳥の雛が総排泄孔から白い糞を排泄する瞬間を初めて観察することが出来ました。 
巣口で待っていた親鳥が、出したてホヤホヤの糞を雛から受け取ると、嘴に咥えて捨てに行きます。 
成鳥の糞とは違って雛の糞はゼラチン質に包まれていますから、親鳥が嘴で咥えても不潔ではありません。 
幼い雛の糞は親鳥が丸ごと食べてしまうそうです。(私は未見) 

雛の糞を咥えた親鳥は巣口から外へ一目散に飛び出します。 
つまり、雛の糞を咥えたままで親鳥が無駄に油を売ることはありません。
一方、雛が脱糞しなかった場合、給餌後の親鳥は巣口からパイプや標識の上に一旦飛び乗って寄り道することが多く、少し休んでから次の採餌へ向かいます。(前回の記事参照) 

出巣直後の親鳥が雛の糞を落として捨てる場所は、巣の近くの電線など大体決まっているようです。 
その下の路上にはスズメの雛の糞が大量に散乱することになります。 
残念ながら親鳥が電線から雛の糞を吐き出して捨てるシーンは撮り損ねたものの、雛の糞で汚れた嘴を足元の電線で拭ってから次の採餌のために飛び去りました。(@2:43) 

スズメの親鳥が留守の間に雛が巣内で排便することもあります。 
給餌後に親鳥は雛が目の前で脱糞しなくても巣内を点検し、糞を見つけるとパイプの奥に入って取りに行きます。 
暗い巣内でも親鳥が見つけやすいように雛の糞は白く進化したのかな?と考えたくなりますが、鳥の糞はもともと白い尿酸が多く含まれているのです。 
※ 動画編集時に逆光補正を施しています。 

雛の糞以外も食べ残しなどのゴミが巣内にあれば、同様に摘み上げて捨てに行きます。(@4:50) 
前回の給餌で右の雛に黒っぽい昆虫を与えたのですが、口に合わずに吐き出してしまったのです。(前回の動画参照@9:18) 
次の親鳥は給餌後に巣口に落ちていた食べ残しを拾って飛び去りました。 
その場で(巣口で)食べてしまっても良さそうなものですが、近くの歩道に降り立ってから食べました。 

前回の記事でも書いたように、この巣のスズメ雛鳥は採餌から戻って来た親鳥がパイプの上に着陸しただけでは餌乞いを始めることはほとんどありません。 
餌を運んできた親鳥の姿を直接見ないと餌乞いしないのです。 
ただ一度だけ、例外が動画に記録されていました。 
標識の裏を通って飛来した親鳥が白パイプ上に着地すると、その振動を感じた雛が親鳥の姿を見る前から餌乞いを開始したのです。(@4:32) 
交通量の多い車道の道端に営巣したので、巣内は車の騒音が反響して相当うるさいのかもしれません。 
たまたま車の通行が途切れたときに静かになり、パイプの振動を感知できるようになったのではないか?と推理してみました。 

2日後に現場を再訪すると、餌乞い♪する雛の鳴き声はなくなり、辺りは静まり返っていました。 
巣に出入りする親鳥もおらず、雛は全個体が無事に巣立ったようです。 
シリーズ完。

【追記】
スズメが営巣したパイプの直径を後日測りに行きました。
しかし、持参したミニ脚立の上に立ったぐらいでは巣口まで全然手が届きませんでした。
道路標識の支柱は丸いパイプを曲げただけの簡単な作りですから、太さは上から下まで同じはずです。
パイプの下部をノギスで測定すると直径(外径)9cmでした。
また、パイプの巣口は北北東の方角に開口していました。
雛の脱糞シーン

2021/07/26

ノボリフジの花蜜を吸うヒゲナガハナバチの一種♂

 

2021年5月下旬・午後17:00頃・晴れ 

原っぱに咲き乱れるノボリフジ(別名ルピナス)の大群落でヒゲナガハナバチの一種の雄蜂♂が訪花していました。 
シロスジヒゲナガハナバチ♂(Eucera spurcatipes)またはニッポンヒゲナガハナバチ♂(Eucera nipponensis)だと思うのですが、採集して前翅の翅脈を精査しないと見分けられません。 
マメ科の蝶形花に正当訪花を繰り返して吸蜜しています。 

吸蜜の合間に触角を脚で拭い、化粧(身繕い)しています。 
しかし頭楯が薄黄色の花粉で汚れている他、胸背にも薄黄色の花粉塊がべっとりと付着しています。 
これらの花粉はノボリフジの橙色の花粉とは明らかに異なります。 
別種の蜜源植物に訪花した際に付いた花粉でしょう。 

忙しなく飛び回る飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:40〜)

 

ミシシッピアカミミガメの甲羅干し:謎のバタ足と欠伸

 

2021年5月中旬・午後15:50頃・晴れ 

池の岩場でミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)が1匹だけ日光浴していました。 
平べったい石の上に乗った亀がなぜか後脚をばたつかせて宙を掻く動きを繰り返しています。 
池から岩場に自分で上陸したはずなので、座礁して石から降りれないのではなく、ただご機嫌に甲羅干ししているのだと思います。 
性別は♀ですかね?(自信なし) 
やがて周囲を見渡しながら欠伸しました。(@1:38) 
本種の欠伸シーンは初見です。

2021/07/25

ドウダンツツジの花で採餌するハキリバチの一種♀

 

2021年5月上旬・午後15:00頃・晴れ 

山麓の農村部で民家の庭に植栽されたドウダンツツジにハキリバチ科の一種が訪花していました。 
すぐに飛び去ってしまったので、一瞬の出会いを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:19〜) 
釣り鐘状の小さな花にぶら下がると、正当訪花で吸蜜しています。 
このとき腹部下面にスコパがちらっと見えたので、ハキリバチ科の♀と分かりました。 
隣の花には飛ばずに伝い歩きで移動しました。

巣に通い雛に給餌するスズメ親鳥♀♂【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後15:27〜16:13頃・晴れ
前回の記事:▶ 道路標識の支柱パイプ内の巣で鳴く♪スズメの雛鳥(野鳥)
道路標識の支柱パイプ(直径9cm)内の巣にスズメPasser montanus)の親鳥♀♂が数分間隔で交互に(?)飛来して、腹を空かせた雛鳥に給餌しています。 
スズメの性別は外見で見分けられず、親鳥を個体識別できていないのですが、2羽の成鳥が入れ替わるように続けて給餌に来たことから(@6:30)、親鳥は♀♂共働きしていることが分かりました。 
親鳥の帰巣ルートや給餌までの一連の行動が♀♂各個体ごとに決まったルーチンがあるようで、それでも母親と父親を見分けられるかもしれません。 

餌を運んできた親鳥が巣口に止まると、2羽の雛は直ちに餌乞いを始め、チュンチュンチュン♪とやかましく鳴き始めます。 
カラスの雛は親鳥が巣に止まった振動を感じて餌乞いを始めるのですが、今回のスズメの雛は、親鳥の姿を直接見ないと餌乞いを始めませんでした。 
水平パイプの上に親鳥がトンと着地しただけでは、雛は反応しませんでした。 
これがスズメの雛全般に当てはまることなのか、観察例の少ない私には未だ分かりません。
今回のスズメの雛はあまり空腹ではなかっただけかもしれません。
パイプに何か物が当たって振動するのが日常茶飯事だとしたら(例えば雨粒)、雛がそれに反応しなくなるのは当然です。

雛が大きく開けた口の中は赤く、黄色い嘴で縁取られています。 
これを見ると親鳥は給餌したくなる衝動に駆られるのだそうです。
巣内の兄弟姉妹よりも空腹を強くアピールしないと、親鳥から優先的に給餌してもらえませんから、雛も必死です。
狭い巣の中で雛が翼を広げてばたつかせているようです。 
この行動は、隣の兄弟姉妹を牽制して(翼で押しのけて)前に出る効果がありそうです。 
雛の口の中に親鳥は数回に分けて餌を口移しで与えます。 
卵から孵化して何日目の雛か不明ですが、巣口で親鳥と雛が並ぶと、体格はほぼ同じぐらいまで育っていました。 
なぜか左の個体に給餌する頻度が高いようでした。 
あまりにも雛ががっついて餌乞いするので、せっかく持ってきた餌を与える前にポロリと落としてしまうことがありました。 

巣内の雛が給餌の度に毎回前へ前へ出るので、巣内に敷き詰められた枯草などの巣材も前にずれてきたり、外に巣材の断片が1本ずつ落ちてしまうことがあります。 

肝心の給餌メニューは映像を見返してもよく分かりませんでした。 
昆虫などの獲物だけでなく、植物質の餌も与えているようです。 
穀物(草の種子)なのかな? 
穀類(粒々)に見えるのは、蚊などの大量の死骸かもしれません。 
白い幼虫(蛆虫?)のような餌を与えたシーンもありました。 

パイプの開放端に止まって口移しによる給餌が終わると、親鳥は水平のパイプの上に駆け上がるように登ってから道路標識の天辺に飛び上がることがあります。 
そこで少し休んだり嘴を足元の標識で拭ったりしてから、次の餌を探しに出かけます。 
ただし、親鳥が巣口から直接飛び去ることもたまにありました。 
給餌後は道路標識のすぐ横に立つ電柱の足場ボルトに飛び上がって休むこともありました。(@2:05) 
餌で汚れた嘴を足場ボルトに何度も擦り付けて拭っています。 

入巣の直前にも辺りを警戒し、標識の天辺やパイプの上に一旦止まってから巣口に向かうことが多いようです。 
ただし、寄り道しないで巣口に直接着陸することもありました。 

もしかすると近くで撮影している私の位置によって親鳥は行動を変えているのかもしれません。(警戒?) 
スズメはわざわざヒトの近くで営巣し、巣を守るガードマンとしてヒトを利用しています。
こうした野生動物をシナントロープと呼びます。
今回の営巣地も交通量の多い通りの道端で、歩道から巣内が丸見えでした。 
スズメやツバメ以外の野鳥なら、こんな目立つ所に営巣するなんてあり得ません。

スズメの給餌行動は毎回あっという間に終わってしまうので、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:07〜) 
スローモーションで見てまず感嘆したのは、帰巣した親鳥の無駄のない鮮やかな足さばきです。 
パイプの開放端に掛けた足を滑らせながら巣口に飛び降りて、中を覗き込みます。 
巣口にしがみつたアクロバチックな体勢で雛と対面し、すばやく給餌します。 
パイプの中は暗いはずなのに、どの雛に給餌するか親鳥はすばやく見極めていました。 
※ 動画編集時に逆光補正を施しています。 

最後の給餌シーンでは(@9:18)、せっかく大きな虫(黒い幼虫?)をもらったのに、味が気に入らなかったのか雛鳥は首を振って吐き出していました。 

今回は後半から一脚を使ったので、長時間の撮影でも疲労が少なく、手ブレをかなり抑えることができました。 
2羽の親鳥が給餌に来る時間間隔は測っていませんが、実は採餌場から帰巣する前に必ず近くの電線や電柱、ネットの上などに一度止まり、餌を咥えたまま辺りの安全を確かめていました。 
撮影者はそれを確認してから予め巣口に狙いを付けていたカメラの録画開始ボタンを押せば、給餌シーンを撮り逃がすことはほぼありません。
寄り道する親鳥の行動も動画で記録したかったのですが、カメラを振り回してしつこく撮り続けると警戒した親鳥が給餌しなくなるかもしれないと判断し、カメラは巣口を狙い続けることにしました。 

ランダムに記事を読む

  • ジョウビタキ♂(冬の野鳥)02/04/2020 - 0 Comments
  • 鼻息の荒い野生ニホンカモシカ13/01/2011 - 2 Comments
  • クルマバッタモドキ♀を捕まえた10/01/2011 - 0 Comments
  • コムクドリの家族群が脱糞し電線から飛び去る(野鳥)14/09/2018 - 0 Comments
  • 雪山のスギ林道で厳冬期も活動するニホンリス【トレイルカメラ】31/08/2023 - 0 Comments