2020/02/08

溜池の湧水が気になるダイサギ(野鳥)



2019年9月上旬・午後18:02

夕方の溜池でダイサギArdea alba)がゆっくりと歩いていました。
すると不思議なことに、ダイサギの足元から急に水が湧き出しました。
湧水が止んだ所にダイサギも興味を示して嘴を差し込んだものの、何も獲物は捕れませんでした。
すぐにまた同じ場所から水が勢いよく湧き出しました。
地下水が間欠的に湧き出しているのでしょうか?
この溜池は水量が少ない時期はドブのような悪臭がするぐらいで、水質はお世辞にも綺麗とは言えません。
したがって、もう一つ別な可能性も考えられます。
ヘドロのような泥底に溜まっていたメタンガスをダイサギが踏み抜いてしまい、大量の気泡となって噴出したのかもしれません。


※ 夕暮れ時に撮った薄暗い映像なので、動画編集時に彩度を少し上げています。


ダイサギ(野鳥)@溜池+渡渉+湧水?

用水路で連結打水産卵するミヤマアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午前11:20頃

川の本流に注ぐ浅い水路でミヤマアカネSympetrum pedemontanum elatum)の♀♂ペアが何組も産卵していました。
石垣で護岸された用水路の両側には雑草が繁茂しているため、水面に草が張り出して適度な日陰を作っています。
連結した♀♂ペアは、主に岸の水際で連結打水産卵を繰り返していました。
珍しく水路の中央部でも産卵したのは、橋の下で影になっていたからですかね?

ミヤマアカネ♀♂の連結打水産卵を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:24〜)
空中でホバリング(停空飛翔)してから狙いを定め、振り子のように♀を前方に振り出す勢いで産卵しています。
♀♂ペアの羽ばたく影が水面に写る様子や、打水産卵する度に水面に広がる波紋も美しいですね。
連結飛翔しながら落ち着き無くあちらこちらと産卵場所を変えていました。
スローモーションを見直すと、単純に「打水産卵」とは言い切れないことが分かりました。
水際に狙いを定めてもときどき狙いが外れてしまうのか、水中ではなく石垣護岸の陸地に打泥産卵したり、苔に産みつけたりすることもありました。
あるいは、♀は意図的に色々な場所に産卵してリスクを分散しているのかもしれません。

私が見た限り、この用水路内に小魚は居ないので、産卵直後に食卵されるおそれはなさそうです。
一方、すぐ近くで小魚が群れている支流では、産卵するミヤマアカネ♀♂はほとんど居ませんでした。

つづく→連結打水産卵するミヤマアカネ♀♂とあぶれ♂の攻防


▼関連記事(2年前の撮影)
ミヤマアカネ♀♂連結打水産卵からの♀単独打水産卵


ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵
ミヤマアカネ♀産卵地@用水路・全景
ミヤマアカネ♀産卵地@用水路・全景

2020/02/07

オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫の排便




オオエグリシャチホコ(蛾)の飼育記録#2



▼前回の記事
ニセアカシアの葉を食べるオオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫

2019年9月中旬・午後・室温24℃

オオエグリシャチホコPterostoma gigantinum)の終齢幼虫ニセアカシア(別名ハリエンジュ)の葉を食べながら脱糞する様子を接写してみました。

便意を催すと止まり木から尾脚を離し、腹端の肛門から排泄します。
直腸壁はきれいな緑色でした。
息んでいる間も離した尾脚がヒクヒク動いています。
最後は勢い良く黒い糞を飛ばしました。
便秘気味なのか、排便終了までかなり長引くことが多いです。
食草に霧吹きしたほうが良いかもしれません。

今まで私は色々な種類の幼虫(芋虫・毛虫)を飼育してきたのですが、どれもほぼ30分間隔で脱糞していました。
健康であれば時計のように規則正しく定期的に排泄するので、その瞬間を動画に撮るのも難しくはありません。
排便間隔が50分もかかった幼虫はオオエグリシャチホコが初めてです。

室温が低い訳でもないのに、なぜでしょう?
どうして消化の代謝が遅いのか、気になります。
ニセアカシアの葉は消化が悪いのか、それとも毒を僅かに含むのでしょうか?



オオエグリシャチホコ幼虫の下半身を接写していて特徴的なのは、「尾脚側面に朱色をともなう黒色班」です。(安田守『イモムシハンドブック2』p71より)

この個体ではなぜか朱色が無くて黒と黄色の模様です。
この不思議な斑紋はこれから更に変形して眼状紋へと進化するような気がするのですが、どうでしょうか?

つづく→#3:オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫がニセアカシアの葉を蚕食・脱糞【30倍速映像】



ミゾソバの花蜜を吸うコンボウヤセバチの一種♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午前10:50頃


▼前回の記事
ミゾソバの花蜜を吸うオオコンボウヤセバチ♀【ハイスピード動画】

ミゾソバの群落でコンボウヤセバチの一種♂も訪花していました。
雄蜂は産卵管が無いので、オオコンボウヤセバチGasteruption japonicum)とヒメコンボウヤセバチGasteruption breviterebrae)のどちらなのか私は見分け方を知りません。
腹部が長いのでオオコンボウヤセバチ♂ですかね?(間違っていたらご指摘願います。)
同じミゾソバ群落でオオコンボウヤセバチ♀も訪花していたのに、なぜか求愛などの配偶行動が見られませんでした。(ということは別種のヒメコンボウヤセバチ♂?)

長い腹部をゆっくり上下に動かしながら吸蜜しています。
花に止まっているときには翅を細長い腹部よりも下げた位置で重ねている(畳んでいる)のがコンボウヤセバチに特有で面白く思いました。
すぐ隣の花には飛ばずに歩いて移動することもあります。
実は動画の冒頭ではアメリカネナシカズラの花で吸蜜していたのに、途中からミゾソバに切り替えました。

ミゾソバの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜)
長い後脚を揃えて垂らしたまま飛んでいました。


【追記】
『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』という本の第14章 「蜂の採集と同定」によると、
 寄生バチは多くがあまり花に来ない。コンボウヤセバチ科やケンヒメバチ亜科のヒメバチのように比較的よく花に集まるグループや、山地のウドの花のように例外的に多くの寄生バチが集まる花もあるが、狩りバチやハナバチほどには花を見回っても採集できない。 (p292より引用)
これは全くの初耳でした。




コンボウヤセバチsp♂@ミゾソバ訪花吸蜜
コンボウヤセバチsp♂@ミゾソバ訪花+飛翔
コンボウヤセバチsp♂@アメリカネナシカズラ訪花吸蜜

2020/02/06

柳の樹上で脱糞するゴイサギ幼鳥(野鳥)



2019年9月上旬・午後18:12(日没時刻は18:02)

溜池の畔に生えた柳(樹種不詳)の樹上にゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥の群れが集まっていました。
そのうちの1羽を動画に撮っていると、ポトリと少量の糞を排泄しました。
その後はキョロキョロと池を見下ろしています。

※ 夕暮れに撮った薄暗い映像なので、動画編集時に彩度を少し上げています。


アメリカネナシカズラの花蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午後14:20頃および14:55頃

道端のクズ群落に寄生して蔓延るアメリカネナシカズラウラギンスジヒョウモン♀(Argyronome laodice japonica)が訪花していました。

半開きの翅を忙しなく開閉しながら吸蜜しています。
アメリカネナシカズラの細い蔓に沿って歩いて移動し、隣の花で吸蜜を続けます。
飛び立っても少し離れたアメリカネナシカズラに群落へ舞い戻り、訪花を再開します。
私が30分後に同じ場所に戻ってきたときも、おそらく同一個体と思われるウラギンスジヒョウモン♀が吸蜜していました。
よほど気に入ったようです。

花から飛び立つ狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:28〜)

この寄生植物の花蜜を吸うチョウの証拠動画をようやくしっかり撮ることが出来て、悲願達成です。

▼関連記事(いまいち撮り損ね)
寄生植物アメリカネナシカズラの花蜜を吸うヒメアカタテハ

ウラギンスジヒョウモン♀@アメリカネナシカズラ訪花吸蜜
ウラギンスジヒョウモン♀@アメリカネナシカズラ訪花吸蜜・全景
アメリカネナシカズラ花
アメリカネナシカズラ花・全景

2020/02/05

ミカドトックリバチ♀♂の交尾



2019年9月中旬・午後12:50頃

公園に植栽されたムクゲ(白八重の品種)の葉に乗ってミカドトックリバチ♀♂(Eumenes micado)が交尾していました。
やや小柄な雄蜂♂が♀の背後からマウントしています。
互いの腹部は交差しているものの、腹端の交尾器は結合していません。(未交尾状態)
少し離れた位置から撮っている私を警戒しているのか、なぜか進展がありません。

交尾中はミカドトックリバチの♀♂を同時に観察できる絶好の機会です。
よく見比べると、まず黄色い頭楯の形に明らかな性差がありました。
下に居る♀の頭楯は、メルセデス・ベンツのエンブレムのような、三菱のマークのような形状をしています。
一方、上に居る♂の頭楯は面積が広く形も複雑です。
♂は触角の先端が鈎状に曲がっていて茶色、触角第1節目(根元)の前面が黄色でした。
こうした性差は、今後フィールドで単独個体を撮影した際に性別を見分けるための手がかりとなりそうです。

(黄紋にはもちろん個体差があるかもしれません。)
図鑑を見ても雌雄の見分け方が記述されていないことが多いので、自分で調べるしかありません。


参考サイト:平群庵昆虫写真館「ミカドトックリバチ(2)

側面からも撮ろうとこっそり回り込んだのですが、手前に生えたムクゲの葉に隠れて体の黄斑がよく見えません。
ようやく♂が腹部を長く伸ばして♀の腹端に絡みつき始めました。
ところが♀は葉上で落ち着きなく向きを変えると、♂を背負ったまま飛び立ちました。
♀は交尾拒否しているのでしょうか?
飛び立つ瞬間を1/5倍速でスロー再生してみると、♀が主導権を握って先に羽ばたき始め、少し遅れて♂も羽ばたいていました。
どこに飛び去ったのか見失ってしまい、残念ながら交尾を最後まで見届けられませんでした。


ミカドトックリバチ♀♂@ムクゲ葉+交尾

ミカドトックリバチ♀♂:顔@ムクゲ葉+交尾
ムクゲ花(白八重)
ムクゲ花(白八重)・全景
ムクゲ(白八重)幹+葉

ニセアカシアの葉を食べるオオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫



2019年9月中旬

オオエグリシャチホコ(蛾)の飼育記録#1


トビイロスズメの幼虫と一緒に採集してきたニセアカシア(別名ハリエンジュ)の枝葉に見慣れない青虫が紛れ込んでいました。
マメ科のニセアカシアを食樹植物とするキタキチョウ幼虫か?と初めは思いました。
どうも違和感があるので調べてみると、オオエグリシャチホコPterostoma gigantinum)の幼虫と分かりました。
この時点で既に終齢であることが後に判明します。

飼育下でニセアカシアの小葉を食べるシーンを動画に撮ってみました。
前半は引きの絵で全身を撮り、後半はマクロレンズを装着して口元を接写しました。
葉縁を左右の脚で挟み、前進しながら葉を食べていきます。


つづく→#2:オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫の排便


オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫:側面@ニセアカシア葉+蚕食
オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫@ニセアカシア葉+蚕食macro
オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫:腹部側面@ニセアカシア葉柄
オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫:腹部腹面@ニセアカシア葉柄


2020/02/04

アレチウリの花で吸蜜するヒメスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・正午頃

川沿いの土手に蔓延るアレチウリの群落でヒメスズメバチVespa ducalis)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。
正当訪花で吸蜜しています。
近く(隣)の花には歩いて移動することもありました。

ニホンミツバチ♀も辺りを飛び回っていたのですが、ミツバチの訪花シーンは撮り損ねました。
ヒメスズメバチ♀はアシナガバチの巣を専門に襲うので、ミツバチを捕食することはないはずです。
(もしミツバチを狩るシーンを撮れたらスクープ映像?)

ヒメスズメバチ♀がアレチウリの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:22〜)
花蜜を吸った後に前脚で触角を拭ってから飛び立つこともありました。


▼関連記事(6年前の撮影)
アレチウリの花蜜を吸うヒメスズメバチ♂

ヒメスズメバチ♀@アレチウリ訪花吸蜜
ヒメスズメバチ♀@アレチウリ訪花吸蜜
ヒメスズメバチ♀@飛翔

ミヤマアカネ♀♂の交尾



2019年9月中旬・午前11:10頃

交尾中のミヤマアカネ♀♂(Sympetrum pedemontanum elatum)が川沿いのコンクリート護岸の斜面に止まっていました。
私が近づこうとすると警戒し、尾繋がりのまま少し飛んで移動しました。
(冒頭は飛翔シーンの1/5倍速スローモーション。)
交尾ペアは更に少し飛んで移動すると、水際に生えた垂直に伸びた枯れ茎に止まり直しました。

♀は腹端を♂の副性器に結合していて、2匹はトンボに特有のハート型の交尾姿勢になっています。(※追記参照)
♀は全体重を♂に預けていて、6本足で♂の腹部にしがみ付いています。
♂は交尾中も頭部をグリグリ動かして周囲を油断なく見回していました。

背後に見える小川には小魚の群れが泳いでいました。


※【追記】
昆虫学者はこれを環状交尾態と呼ぶ。
(『虫たちの謎めく生態:女性ナチュラリストによる新昆虫学』第10章:トンボのタンデム飛行は恋のさやあて p215より引用)



ミヤマアカネ♀♂:側面@交尾:枯茎
ミヤマアカネ♀♂:背面@交尾:枯茎
ミヤマアカネ♀♂@交尾:枯茎・全景

2020/02/03

田んぼの鳥害対策例:テグスを張り黒ビニールの旗を立てる(野鳥)



2019年9月上旬・午後17:30頃

稲穂が実る田んぼでは、スズメを始めとする種子食性の鳥類による食害を防ぐために、様々な対策が施されています。
広大な田園地帯の一角で、ちょっと不思議な鳥よけを見つけました。

水田の隅など畦道に刺した竹竿の先に黒いビニール片がくくりつけられ、風が吹くと旗のようになびいていました。
カラスの死骸を模した案山子のつもりですかね?
これまでも畑などで見かけたことがあります。

その竹竿や金属パイプを支柱として、テグス(黄色いナイロン糸)が縦横斜めに張り巡らされていました。
これはおそらく、鳥が田んぼ内に降り立つのを妨害するためでしょう。

稲作農家の人にテグスの設置目的を尋ねてみた訳ではないので、以上は私の推測です。
田んぼの全面にネット(網)を張るならともかく、こんな大雑把に糸を張り巡らせるだけで果たして鳥よけの効果があるのか、個人的には疑問でした。
後日、合鴨農法に関する本を読んでいたら、似たような対策法が書いてありました。
アイガモの雛を水田に放したら、天敵(捕食者)から雛を守るために田んぼを電気柵で囲い、更にカラスよけのテグスを張る必要があるそうです。

カラスは、空から下りてくるので、電気柵では防げないんだ。(中略)カラスには、いろんな対策法があるけれど、いまのところいちばん確実な方法はテグスだ。テグスというのは釣り糸のことだ。(中略)「4mもテグスの間隔があったらカラスが勝手に飛びこむよ〜」と思うかもしれないけれど、だいじょうぶだ。カラスが侵入したとしても、テグスを低く張っているので、飛び上がるときに羽をいためるんだ。カラスは羽や翼をいためることをきらっている。(中略)それでカラスは侵入したいけれど、しないんだ。 (古野隆雄『アイガモの絵本 (そだててあそぼう)』p17より引用)



この本は一見すると児童書や絵本のようですけど、内容はかなり実践的でとても参考になりました。
もしかして、今回私が見た田んぼは小規模にアイガモ農法を試していたのでしょうか?
しかし電気柵は設置されていませんでした。
この区画だけ田んぼの所有者が違うのかな?

撮影したのは鳥がそろそろ塒入りする夕方で、田んぼに鳥はもう来ていませんでした。
しかし2羽のハシボソガラスが近くの電線に止まって夕刻の田んぼを見下ろしていました。
来季はテグスの張られた田んぼに注目して、鳥が侵入するかどうか観察してみるつもりです。

カラスだけでなく体の小さなスズメに対しても効果があるのでしょうか?
機会があれば、「合鴨水稲同時作」を実践している田んぼも見学してみたいものです。


鳥よけ(野鳥):黒ビニール@水田隅+テグス
鳥よけ(野鳥):黒ビニール@水田隅+テグス
ハシボソガラス2(野鳥)@電線

ニセアカシアの葉を蚕食するトビイロスズメ(蛾)幼虫【30倍速映像】



2019年9月中旬


▼前回の記事
トビイロスズメ(蛾)の幼虫を見つけた!


トビイロスズメ(蛾)幼虫の飼育記録#2


飼育下でトビイロスズメClanis bilineata tsingtauica)の幼虫ニセアカシア(別名ハリエンジュ)の小葉を食べる様子を微速度撮影で記録してみました。
30倍速の早回し映像でご覧下さい。
(退屈な食休みのシーンは編集でカットしています。)

小枝の下側に腹脚でしがみついた幼虫は、葉の縁を左右の胸脚で挟んで前進しながら蚕食します。
食事中にも脱糞します。
小葉を完食すると、葉柄も食べ尽くしました。※
やがて小枝が丸坊主の状態になると、次の葉を求めて探索を始めました。

※ イモムシが食餌植物の葉柄も食べ尽す理由について、無駄無く食べているのだろうと私は思っただけで深く考えたことがありませんでした。
別件の調べ物でベルンド・ハインリッチ『生から死へ、死から生へ:生き物の葬儀屋たちの物語』という本を読んでいたら興味深い説(対捕食者戦略)が書いていました。

(スズメガの)幼虫のあまり動かない習性と動きの遅さも、一つの適応である。動かなければ動かないほど、這うのがゆっくりであればあるほど、動きを合図としてそのような獲物を情け容赦なく狩る捕食者たちに見られにくくなるだろう。(中略)芋虫は葉の端切れを残さないように食べるが、葉が残っていれば鳥たちに居場所の手がかりを与えるだろう。次の葉に這って行く前に、最初の葉の残りを葉柄のところでかみ切って、食べた跡を消し去る。 (p224-225より引用)


つづく→#3:眩しい朝日を避けるトビイロスズメ(蛾)幼虫【10倍速映像】





↑【おまけの映像】
オリジナル素材の10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。


2020/02/02

アリグモ♂とキンイロエビグモ幼体が出会うと…(蜘蛛)



2019年9月中旬・午後13:10頃

公園の東屋で休憩していると、梁を徘徊するアリグモ♂(Myrmarachne japonica)を見つけました。
梁の下面にぶら下がった体勢でも落ちません。
やがて梁の上面からモルタルの天井裏に跳び移りました。
天井裏を徘徊中にカメムシの幼虫(種名不詳)とニアミスしても、狩りは行わずに離れました。
カメムシも静止していたので、獲物と認識しなかったのかもしれません。
カメムシが天敵の捕食者に対して悪臭の忌避物質を放出したのかもしれませんが、私には悪臭が嗅ぎ取れませんでした。

次にアリグモ♂は東屋の天井裏で別種の徘徊性クモと遭遇しました。
撮影中の私は気づかなかったのですけど、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、白っぽい小さなクモが素早く走り去りました。
同定用の写真などは撮っていませんが、なんとなくキンイロエビグモPhilodromus auricomus)の幼体ですかね?
その動きに反応してアリグモ♂は向き直ったものの、追いかけて跳びついて狩ったりしませんでした。
カメムシの幼虫と再会しても、やはり無視しています。
再びキンイロエビグモ幼体?がアリグモ♂の近くを走り去りました。
アリグモ♂が慌てて向き直ったときにはもう間に合いませんでした。
残念ながらアリグモが野外で獲物を狩る瞬間は撮れませんでした。


アリグモ♂(蜘蛛)背面@東屋:梁
アリグモ♂(蜘蛛)側面@東屋:梁
アリグモ♂(蜘蛛)@東屋:モルタル天井

イチジクの熟果を食べるモンスズメバチ♀



2019年9月中旬・午後13:30頃

イチジク(無花果)の庭木でモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が熟果をかじっていました。

微小のショウジョウバエの一種も甘い匂いに誘われて集まっています。
モンスズメバチ♀が果実上で向きを変えると、ショウジョウバエは距離を取りつつ走って逃げ惑うものの、飛んで逃げることはありませんでした。
モンススメバチがわざわざ微小なショウジョウバエを狩ることはありませんし、いざとなったらスズメバチよりも遥かに敏捷に飛び立つことができるので、ショウジョウバエは余裕綽々です。
どうやら順番待ちをしているようです。

熟果の右上部分(果実の頂点)がまるで樹液酒場のようにプスプスと泡立っているのは、中の果肉が発酵してガスが発生しているのでしょうか?


モンスズメバチ♀@イチジク熟果吸汁

モンスズメバチ♀@イチジク熟果吸汁

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