2012/12/29

キイチゴの葉裏に産卵するセスジスカシバ♀(蛾)



2012年9月下旬

キイロスズメバチにそっくりのセスジスカシバ♀(Pennisetia fixseni fixseni)が道端に生い茂ったキイチゴの群落で飛び回っています。

本種の幼虫の食草は「バラ科:クマイチゴ、モミジイチゴ、ウラジロイチゴ」とされています。
ホバリング飛行で見定めた食草に着陸すると、♀は必ず葉の縁にお尻を向けて止まり葉裏に産卵します。
同一個体を追いかけて撮りました。









同じ日に撮った別個体の♀です。
キイチゴの葉表に止まって羽ばたきながら腹端を葉裏に擦りつけていました。
(実際の産卵シーンは撮れてないかもしれません。)
蛾が飛び去った後で、葉や茎に生えた鋭い棘の痛みを我慢しながら蛾が止まっていた葉っぱをめくってみました。
案の定、葉裏の縁に茶色(赤紫色?)の卵が1粒見つかりました。
その場で採寸してみると、楕円形をした卵の長径1.5mmは短径1mm。


この2頭の観察結果をつなぎ合わせると、食草の葉裏に卵を一個ずつ産み付けて回るようです。
次に機会があれば幼虫を飼育してみようと思います。



葉裏の上の方の縁に卵が1粒



敵(アリ&コモリグモ)から逃げるマミジロハエトリ♂【ハイスピード動画】



2012年9月中旬

庭を徘徊・跳躍するマミジロハエトリ♂(Evarcha albaria)をハイスピード動画に撮っていると、クロアリが繰り返し近寄って来ました。
もしかしたら狩りの瞬間が撮れるかな?と期待したものの、ハエトリグモがアリに飛びかかることはありませんでした。
マミジロハエトリの眼下をアリが通ると、明らかにクモは気づいているようですが襲わず見守るだけです。
アリの方から急接近すると向き直って威嚇姿勢を取り、最後は飛んで逃げました。
どうも力関係はアリ>マミジロハエトリ♂のようです。

最後に朽木の上を徘徊するシーンを撮っていたら、前方で潜んでいたコモリグモの一種(種名不詳)が突然襲いかかってきました。
マミジロハエトリは後方に飛び退り、間一髪で虎口を逃れました。
スリル満点!
食うか食われるかの厳しい世界ですから、ハエトリグモの動体視力と反射神経は凄いですね!


2012/12/28

ドクダミの花で回転集粉するオオマルハナバチ♀



2012年7月下旬

スギ植林の暗い林床に咲いたドクダミの群落でオオマルハナバチのワーカー♀が訪花していました。
蜂が花序を抱くように体をカールさせ、そのまま回ることで腹面に花粉を付着させるのです。
回転
集粉と呼ばれる独特の動きで、見るからに効率の良さそうな方法ですね。
回転の向きは右回りだったり左回りだったり、毎回まちまちです。
後脚の花粉籠には白い花粉団子が付いています。

いったん腹面の体毛で集粉してから身繕いで花粉籠に移します。

同じ日に別の場所で撮ったフタガタハラブトハナアブ♂もドクダミの花で同様に回転しながら採餌していたので驚きました。
ベーツ擬態をしているフタガタハラブトハナアブのモデルはオオマルハナバチではないかと思うのですが、まさか採餌行動まで似ているとは!

関連記事→「ドクダミの花を舐めるフタガタハラブトハナアブ♂

ちなみに回転集粉とは『日本の真社会性ハチ:全種・全亜種生態図鑑』で使われていた用語です。




ジガバチ♀がアメリカセンダングサに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端に咲いたアメリカセンダングサにジガバチの一種も訪花していました。
ヤマジガバチまたはサトジガバチでしょうか。
顔が黒いので♀のようです。
撮影後、同定用に採集を試みたもののネットイン失敗…。




コミスジがアメリカセンダングサに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端に咲いたアメリカセンダングサの花でコミスジNeptis sappho intermedia)も吸蜜していました。
秋の日差しを浴びて翅をゆっくり開閉しながら口吻を伸ばし蜜を吸っています。
途中で翅の裏面も見せてくれました。



2012/12/27

セスジハリバエがアメリカセンダングサに訪花



2012年9月下旬

大きくて派手な色のハエがアメリカセンダングサに次々と訪花し蜜や花粉を舐めていました。


調べてみると、どうやらダイミョウヒラタヤドリバエ(別名ダイミョウヒラタハナバエ;Phasia hemiptera)というカメムシに寄生するハエ(ヤドリバエ科)らしい。

もし違ってたらご指摘願います。
この個体は翅が透明なのが気になります…。


『一寸のハエにも五分の大和魂』画像掲示板にて問い合わせたところ、茨城@市毛さんより以下の回答を頂きました。

こちらは,ヤドリバエ科のセスジハリバエTachina nupta (=T. mikado)の可能性が高いです.
ダイミョウヒラタヤドリバエは下記のHPPhasia hemipteraを参考にしてください.

鱗翅目の幼虫に寄生するヤドリバエらしい。






キオビツチバチ♀がメハジキに訪花吸蜜



2012年9月下旬

キオビツチバチ♀(Scolia oculata)が道端の花で吸蜜していました。
白とピンクの見慣れない花です。
蜂の頭部が白い花粉で汚れています。
軽く飛んで隣の花に移動しながら熱心に食事を続けます。





全く知らない花だったので、なんとなく外来植物なのかな?と勝手に思いつつ植物の掲示板で問い合わせたところ、メハジキと教えてもらいました。

こんな形の葉っぱなのにまさかシソ科とは!



エントツドロバチ♀がアメリカセンダングサに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端に咲いたアメリカセンダングサエントツドロバチ♀(Orancistrocerus drewseni)も訪花していました。




2012/12/26

イチモンジセセリがアメリカセンダングサに訪花吸蜜



2012年9月下旬

イチモンジセセリParnara guttata)が道端のアメリカセンダングサの花蜜を吸っていました。
いつも翅を立てて止まります。





ハラアカヤドリハキリバチがカワミドリに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端に咲いたカワミドリの群落で寄主のオオハキリバチに混じってハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ、Euaspis basalis)が一匹だけ吸蜜していました。
この蜂が♀だとしたら、労働寄生する標的(寄主♀)を餌場で待ち伏せして営巣地まで追跡するのでしょうか?
ところが数で勝るオオハキリバチに邪魔されて、花からすぐに逃げてしまいました。

『カラー自然シリーズ49:ハチのかんさつ:竹づつにあつまるハチたち』p31によると、寄主のオオハキリバチとは異なり、労働寄生蜂ハラアカヤドリハキリバチには♀でも花粉を集める毛(スコパ)が腹部下面に生えていないらしい。


寄生性ハナバチ類は、幼虫の餌を造巣性のハナバチに頼る。もともと花粉運搬毛を欠いているからである。(『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p47より)


ヤブガラシに訪花するヒメスズメバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月下旬

ヤブガラシに訪花するヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)のワーカー♀が飛び立つ様子を220fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(複数個体)

同じ場所に通い、別の日にHD動画でも撮ってみました。
9月中旬


同じ巣から通って来ていると思われる姉妹の♀が忙しなく飛び回り、近くの花で吸蜜しています。






2012/12/25

オオハキリバチ♂がカワミドリに訪花吸蜜



2012年9月下旬

山道の脇に咲く紫色の花にオオハキリバチ♂(Megachile sculpturalis)が訪花していました。
複数個体の雄蜂♂を撮影。
初めて見る花でシソ科としか分からなかったのですが、植物の画像掲示板でカワミドリだろうと教えてもらいました。

これまでオオハキリバチの吸蜜を観察できた花はクズ、ラベンダーに続いてカワミドリが3つ目です。
よほど紫色の花が好きなのかな?


ヤガタハエトリ♂(蜘蛛)の徘徊・跳躍



2012年7月上旬

山中のスギの幹で徘徊・跳躍するヤガタハエトリPseudeuophrys erratica)またはイワテハエトリPseudeuophrys iwatensis)の♂です。

その場で方向転換しながらレンズを見上げる仕草が可愛いですね。
杉の樹脂に興味を示していました。
粘着性の強い樹脂に触れて捕らえられたら虫入り琥珀の化石みたいになるのでは?と半ば期待したものの、クモは何事もなかったように探索を続けます。

後半は住居網を見つけて侵入を試みました。
交尾相手♀を探していると思われますが、住居網の中には居なかったようです。

ハイスピード動画で撮ってみた同一個体の跳躍シーンはこちら







マガネアサヒハエトリ幼体(蜘蛛)



2012年9月中旬

参道のお地蔵さんで見つけたマガネアサヒハエトリPhintella arenicolor)の幼体です。

雨が降りそうで薄暗いですけど、大きな単眼が赤く光っています。
人懐こく手に乗ってくれました。
左の第3歩脚が根元から欠損していますけど、未だ幼体なので脱皮する度に少しずつ再生することでしょう。
          
一時捕獲して炭酸ガス麻酔下で接写してみました。

方眼紙に乗せて採寸すると、体長3.5mm。







クロアゲハ♀がタニウツギに訪花吸蜜



2012年6月中旬

カラスアゲハ♀(Papilio bianor)と思われるアゲハチョウ(春型)がタニウツギに訪花して蜜を吸っていました。
後翅の裏面に白い帯がないのでミヤマカラスアゲハではありません。
♂なら前翅表中央に性標があるはずです。




【追記】
YouTubeのコメント欄にて、横室稜さんよりクロアゲハ♀(Papilio protenor)だとご指摘を受けましたので、訂正します。


2012/12/24

虫カビに感染したフキバッタ♀死骸に交尾を試みる♂



2012年9月中旬

参道に立つお地蔵さんの衣装に交尾中のフキバッタの一種(種名不詳)が止まっていました。
ところが♂♀ペアの様子がおかしい。
♀は昆虫病原糸状菌(Entomophaga grylli ?)に冒されて死んだようで、干からびた腹部がちぎれています。
死んだ♀の背中に♂がマウントしていますが当然、交尾器は結合していません。
こちらは生きている証拠に、♂の触角に軽く触れたら反応しました。

病める時も健やかなる時も、死がふたりを分かつまで愛することを誓います。
美しい純愛の形と見るか、♂の悲しい性(さが)に涙するかは人それぞれでしょう。
例えばトノサマバッタの♂は♀に似た物なら何でも(黒っぽい角柱に対しても)誤認して飛びついてくるらしいので、このフキバッタ♂も♀の生死を問わず衝動的にマウントしてしまったのでしょう(死姦、屍姦?)。
このままマウントを続けたら間違いなく虫カビの胞子に接触感染してしまうはずです。
ミイラ取りがミイラになる様子を定点観察できたら面白そうと思ったのですが、翌日には♂の姿はありませんでした。

もし死ぬ前に次の♀と交尾できたら更に感染を広げることになります。
こうなると性病(性感染症)と同じですね。


【追記】
死骸を食べに来た可能性(共食い)もありそうです。





2012/12/23

カタグロチビドロバチ♀の営巣(その3:獲物の搬入ハイスピード動画&HD動画)



2012年9月中旬

丸太の既存孔(4×3mm)に営巣するカタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)の定点観察



午前中少し働いて(貯食活動)、暑い昼間は休憩し、涼しくなった夕方にまた働くという日周活動リズムは前回の定点観察と同じでした。
この資材置き場は軒下なので、もし雨が降っても小さな巣穴に浸水する心配は無さそうです。

この日は巣穴に出入りする蜂の様子を220fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
スローモーションにすれば空中搬入する獲物(蛾の幼虫)の正体を少しは見極められるかもしれません。
巣口のすぐ横に着陸すると、獲物を抱えたまま頭から巣に入ります。
獲物は黄緑色の青虫でした。
毒針による麻酔の効きが浅いのか、部分麻酔なのか、幼虫の後部が動いていました。
巣口から後ろ向きに出てくると、羽ばたいて次の狩りに出かけます。
次の空輸でも、大顎で咥えられている小さな芋虫が蜂の腹の下で動いています。
一つの育房に小さな獲物を何匹も貯食します。
次回は側面から接写してみるつもりです。

同じ日に撮ったHD動画も載せておきます。
画質が良くても一瞬の出来事なので、分かり難いかもしれませんね。

ハイスピード動画で撮るか、HD動画で撮るか、一長一短ですね。



つづく→その4

キイロスズメバチ♀がヤブガラシに訪花吸蜜



2012年9月中旬

ヤブガラシの花蜜目当てにキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が次々と飛来していました。


杉の枝で鳴くホオジロ幼鳥♪【野鳥】



2012年7月上旬

暗い杉林で枝に止まった鳥が鳴いていました。
ホオジロEmberiza cioides)の幼鳥ですかね?(自信なし)
周囲で盛んに鳴いている他の野鳥の声をじっと聞いています。
後半に一回欠伸をしました。@1:50
動きに乏しいので引きの絵にして撮影終了したら、直後に飛び立ちました。




リップシンクロ(地鳴きと嘴の動きが一致)した部分(@0:46)だけで声紋解析してみました。
前半のもう一箇所はヒヨドリの声とかぶったので解析には不向きです。
オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから、鋭くピッと一声鳴いた該当部分(1秒間)を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。



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