2020/02/15

砂場で砂を浴びるスズメ(野鳥)



2019年6月中旬・午後・晴れ

スズメPasser montanus)が公園の砂場に深い穴を掘って、中にすっぽり隠れるように砂浴びしていました。
撮影の途中から私はベンチに乗って見下ろすアングルを確保したのですが、スズメは砂浴びに夢中で逃げませんでした。

スズメが飛び去ってから砂場を調べると、まるでアリジゴクの巣穴のように、クレーターのような穴があちこちに多数開いていました。
しかし、いくら動画や写真に撮っても、スズメによる砂浴び跡の深さや立体感がどうも上手く伝わりません。
少子化でヒトの子供が公園の砂場で遊ぶ姿を滅多に見かけなくなりましたが、野鳥にとってお気に入りの砂浴び場なのでしょう。

古いハンディカムで慌てて動画を撮ったので、画質や手ブレ補正が酷いです。



▼関連記事(3週間前に撮影)
公園の砂場で砂浴びするスズメ(野鳥)



砂場@公園
スズメ(野鳥)砂浴び跡@砂場

連結打水産卵するミヤマアカネ♀♂とあぶれ♂の攻防



2019年9月中旬・午前11:25頃


▼前回の記事
用水路で連結打水産卵するミヤマアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

ミヤマアカネSympetrum pedemontanum elatum)は成熟すると体色が性的二型になります。
成熟♂はいわゆる「赤とんぼ」で赤色ですが、♀は地味な黄土色です。
フィールドでも♀♂がはっきり見分けられるので、様々な配偶行動の観察に適しています。

ミヤマアカネ♀♂が連結打水産卵を続けている水路の岸には、交尾相手を見つけられていない「あぶれ♂」が縄張りを張っていました。
岸で枯れた草の葉や穂先など見晴らしの良い場所に止まったあぶれ♂は、複眼が発達した頭部をグリグリ動かし、周囲を油断なく見張っています。
あぶれ♂がスクランブル(緊急発進)で迎撃に飛び立っても、大体同じ場所にすぐ舞い戻ります。
産卵ペアとあぶれ♂との攻防を、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
その後で等倍速(リアルタイム映像)でリプレイ。

しばらく様子を観察していると、あぶれ♂は産卵ペアを縄張りから追い払えていません。
産卵ペアは少し逃げるだけで平気で産卵を続けています。
尾繋がり状態になった♀の強奪は不可能なのでしょう。(尾繋がりは最強の交尾後ガード)
しかし産卵ペアが居なくなると、あぶれ♂の縄張りに平和が戻りました。
あぶれ♂は縄張り警戒中に何か動く物が視界に入るだけでどうしても反射的に飛び立つような体の仕組みになっている(♂の悲しいさが)だけのような印象を受けました。
素人目には、無駄に体力を消耗しているようで気の毒です。
あぶれ♂の縄張りの範囲を長時間きちんとマッピング調査すれば、何か面白いことが分かるかもしれません。

産卵を終了した♀♂がペアを解消した瞬間、あぶれ♂にも♀を得るチャンスが巡ってくるのですかね?
(それとも♀は一度しか交尾しないのか?)


ミヤマアカネあぶれ♂:側面@用水路:岸枯草:穂先
ミヤマアカネあぶれ♂:顔@用水路:岸枯草:穂先
ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵vsあぶれ♂@岸枯草:穂先
ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵vsあぶれ♂@岸枯草:穂先

2020/02/14

イチジクの熟果を食べるヒメスズメバチ♀



2019年9月中旬・午後13:40頃

民家の庭で育ったイチジク(無花果)の木に多数のスズメバチ類が続々と飛来し、熟した果実を食害した結果、辺りに甘い芳香が漂っています。
ここでヒメスズメバチVespa ducalis)のワーカー♀を見かけるのは初めてです。
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
果汁が滴りそうな瑞々しい果肉を舐めていました。

イチジクの発酵臭に誘われて小さなショウジョウバエの仲間も来ていました。
多数のショウジョウバエがイチジクの同じ熟果に群がっても、ヒメスズメバチは怒って追い払うこともなく無関心で食事を続けています。

複数個体を撮影。


ヒメスズメバチ♀@イチジク熟果食害
ヒメスズメバチ♀@イチジク熟果吸汁

ハツユキソウの葉裏に移動して日差しを避けるヒメアカタテハ



2019年9月中旬・午前10:20頃・晴れ

民家の花壇でハツユキソウという見慣れない園芸植物の白い斑入りの葉にヒメアカタテハVanessa cardui)が止まっていました。

初めは日の当たる葉表に止まり、閉じた翅を軽く開閉していました。
やがて落ち着くと翅をしっかり閉じてしまったので、日光浴の必要がないほど暑いのでしょう。
さらにハツユキソウの葉裏にくるっと回り込み、日陰に入りました。
よほど日向が暑かったようで、翅を閉じて休んでいます。
(気温を測るべきでしたね…。)
この個体が♀かどうか私にはヒメアカタテハの性別が見分けられないのですが、少なくとも産卵中ではありませんでした。



▼関連記事(3年前の撮影)
アカタテハ:初夏の避暑行動?


ヒメアカタテハ@ハツユキソウ葉表
ヒメアカタテハ@ハツユキソウ葉陰+休息


さて、園芸植物に疎い私はこの植物の名前を知りませんでした。
上位葉の全てに白い縁取り(斑入り)が入っています。
この時期には花が完全に散り終わっていて、緑色の実(蒴果)が付いていました。
ガーデニング関連の掲示板で問い合わせたところ、くれ子さんよりハツユキソウとの回答を頂きました。
クリスマスの時期に花屋に並ぶポインセチアと同属なのだそうです。
ヒメアカタテハ幼虫の食草はキク科植物ですから、トウダイグサ科のハツユキソウに来ていたのは、たまたま休息のため立ち寄っただけでしょう。
来年はハツユキソウの花や訪花昆虫を観察するつもりです。


ハツユキソウ:斑入りの上位葉+実(蒴果)
ハツユキソウ・全景
ハツユキソウ:下位葉は全体が緑色

2020/02/13

池のガマ群落に佇むゴイサギ幼鳥(野鳥)



2019年9月上旬・午後18:04(日没時刻は18:02)

日没直後の溜池で1羽のゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥(=別名ホシゴイ)がガマの群落で休んでいました。
岸の集まったゴイサギ幼鳥の群れ(映像公開予定)から少し離れ、池の中に倒伏したガマの茎に乗っています。
その場で方向転換する際に、軽く羽ばたいてバランスを保ちました。

近くでカワセミが鳴いています♪

※ 夕暮れに撮った薄暗い映像なので、動画編集時に彩度を少し上げました。


ゴイサギ幼鳥(野鳥)@溜池:ガマ群落

身繕いするコンボウヤセバチの一種♂【ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午前10:48


▼前回の記事
ミゾソバの花蜜を吸うコンボウヤセバチの一種♂【HD動画&ハイスピード動画】

川沿いの草むらでススキの葉に乗ってコンボウヤセバチの一種♂が身繕いしていました。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
前脚で触角や顔を丹念に拭っています。
特に左右の触角を前脚で撫で付けていました。
後半になると訪花中と同様に腹端を上下に振り動かし始めました。

化粧が済むと羽ばたいて飛び去りました。
高画質のHD動画でも身繕いシーンを記録したかったのですが、残念ながら逃げられました。

雄蜂♂には産卵管が無いので、オオコンボウヤセバチGasteruption japonicum)とヒメコンボウヤセバチGasteruption breviterebrae)のどちらなのか私は見分け方を知りません。
腹部が長いのでオオコンボウヤセバチ♂ですかね?(間違っていたらご指摘願います。)


2020/02/12

トビイロスズメ(蛾)幼虫の排便【10倍速映像】




トビイロスズメ(蛾)幼虫の飼育記録#4



▼前回の記事
眩しい朝日を避けるトビイロスズメ(蛾)幼虫【10倍速映像】


2019年9月中旬

トビイロスズメClanis bilineata tsingtauica)の幼虫が枝にしがみついたまま動かなくなりました。
脱皮前の眠状態に入ったのかと思い、微速度撮影で長時間監視してみました。
結局、脱皮はしなかったのですが、休息中の脱糞シーンをまとめてみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。(冒頭シーンだけリアルタイムの映像です。)
食べなくても頻繁に(約2時間おきに)排便します。

幼虫は尾脚および後方3対の腹脚だけでニセアカシアの小枝にしがみついています。
胸脚は完全に離していました。
尾脚を枝から離し、腹端を持ち上げて脱糞します。
黒くて固そうな糞を勢い良く後方に飛ばしました。
少し便秘気味かもしれません。

最後は覚醒した幼虫が小枝に沿って前進し、画角から消えました。


つづく→#5:トビイロスズメ(蛾)の幼虫を手に乗せてみる


トビイロスズメ(蛾)幼虫@ニセアカシア小枝+休息

アキノノゲシの花で採餌するシロスジフデアシハナバチ♀?



2019年9月中旬・午前10:55

川沿いに咲いたアキノノゲシの群落でハナバチが訪花していました。
忙しなく吸蜜する蜂をよく見ると、後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を満載した♀です。
秋によく見かける組み合わせです。
アキノノゲシの仲間を専門に訪花するシロスジフデアシハナバチ♀(Dasypoda japonica)ですかね?

ちなみに、アキノノゲシの花柄にはタイワンヒゲナガアブラムシUroleucon formosanum)と思われる赤いアブラムシのコロニーが形成されていました。


シロスジフデアシハナバチ♀?@アキノノゲシ訪花採餌
シロスジフデアシハナバチ♀?@アキノノゲシ訪花採餌
▼関連記事(5年前の撮影)おそらく今回とは別種のハナバチ
アキノノゲシの花蜜を吸うヒメハナバチの一種?



同定のため、撮影後に捕虫網で蜂を採集しました。
以下は標本の写真。
(機材のトラブルで今はマクロレンズが使えないので、後日に接写します。)
参考:『日本産ハナバチ図鑑』p264



2020/02/11

池のトンボを捕り損ねたハクセキレイ♂(野鳥)



2019年9月中旬・午前11:16

河川敷に掘られた人工池の畔をハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)が駆け回り、獲物となる虫を探していました。
ときどき素早く飛び立つと、フライングキャッチ(空中での狩り)を試みています。
前方のコンクリート護岸にトンボ(種名不詳)が着陸した途端にハクセキレイ♂が目ざとく駆け寄り、飛びかかりました。
1/5倍速のスローモーションでまずはご覧下さい。
トンボが岸から前に飛び立つのを予測してハクセキレイ♂が先回りするように襲いかかっている点が興味深く思いました。
しかしトンボの方が一枚上手で、素早く急上昇して見事に緊急避難。
残念ながらハクセキレイ♂は空中でトンボを捕まえることが出来ませんでした。(フライングキャッチ失敗)
一瞬の攻防でしたが、「生きるか死ぬか」という命がけの真剣勝負で見応えのある空中戦でした。

その後、ハクセキレイ♂は人工池の向こうに広がる芝生で餌を探し歩き始めました。


ハクセキレイ♂(野鳥)@河川敷:池畔+探餌徘徊

ニラの花蜜を吸うジャノメチョウ♀



2019年9月中旬・午前11:40頃

堤防沿いの民家の庭の片隅に咲いたニラの群落でジャノメチョウ♀(Minois dryas bipunctata)が訪花していました。
翅を開閉しながら長時間、吸蜜しています。
翅裏の地色が淡いので♀のようです。
翅の縁がかなり損傷した個体でした。
もしかすると、前翅翅頂付近の眼状紋を狙って鳥がつついた食痕(ビークマーク)かもしれません。
訪花中にジャノメチョウ♀の後翅にアリ(おそらくクロヤマアリのワーカー♀)が登ると、ピクッと羽ばたいて振り落とそうとしました。(@0:27)

ようやく飛んでくれたと思いきや、すぐに近くのニラ花序に止まり直し、吸蜜を続けます。
本種の訪花吸蜜シーンを初めて観察できて満足です。


ジャノメチョウ♀@ニラ訪花吸蜜

2020/02/10

眩しい朝日を避けるトビイロスズメ(蛾)幼虫【10倍速映像】






▼前回の記事
ニセアカシアの葉を蚕食するトビイロスズメ(蛾)幼虫【30倍速映像】


トビイロスズメ(蛾)幼虫の飼育記録#3


2019年9月中旬

飼育中のトビイロスズメClanis bilineata tsingtauica幼虫が食欲を失い、ニセアカシアの葉柄にしがみついて静止したままになりました。
脱皮前の眠なのかと予想し、微速度撮影で長撮り監視することにしました。
結局脱皮はしなかったものの、ちょっと面白い行動が記録されていたので、10倍速の早回し映像をご覧下さい。

窓際で飼っていたので、朝になると日光が当たるようになりました。
すると目覚めた幼虫は上体を起こし、徘徊運動を始めました。
少し前進すると、頭部を葉裏の主脈に押し当てるような姿勢でまた静止しました。
おそらく直射日光が眩しくて葉陰に移動したのでしょう。
これを「負の走光性」と言うのは大袈裟で、体温調節のためかもしれません。
朝になっても食欲は戻らず、ニセアカシアの葉に口を付けませんでした。

つづく→#4:トビイロスズメ(蛾)幼虫の排便【10倍速映像】


クルマバッタモドキが♀1♂2で交尾【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午後13:55頃

川沿いの堤防上の舗装路で3匹のクルマバッタモドキOedaleus infernalis)が身を寄せ合っていました。
すぐ横が河原の草むらになっています。

私が近寄っても3匹は全く動きません。
中央の大型の個体が♀で、その両側に♂が並んでいます。
腹端の交尾器が翅に隠れてよく見えないのですが、どうやら左側の♂Lと♀が交尾中でした。
クルマバッタモドキの交尾シーンは初見です。
それにしても、♀をめぐって2匹の♂同士が争わないのが不思議です。
もしクルマバッタモドキ♀が複数回交尾するとしたら、♂Rは順番待ちしているのでしょうか?
隙を見て♀と交尾するスニーカー戦略なのかな?
バッタの交尾は♂が♀の背中にマウントして行なうと思ったのですが、どうしてこの♀♂Lペアは横に寄り添っているのでしょう?



▼関連記事
コバネイナゴの交尾
褐色型トノサマバッタ♂♀の交尾

お邪魔虫♂Rが登場したせいで変則的な体位になったのでしょうか?


(クルマバッタモドキの)オスはメスを見つけるとすぐには背に乗らず、まずメスの機嫌を伺うようにしながら前羽を後ろ足でこすり発音し、メスがそのまま逃げなければ背に飛び乗ることが出来る。交尾する気がないメスは飛んでオスから逃げてしまう。背に乗ってからもしばらくはメスの機嫌を伺い続け、メスに気に入ってもらえた時点でやっと交尾が成立する。オスは腹部をS字状に曲げてメスの腹の先を掴み、交尾が行われる。 (wikipediaより引用)

この3匹を後方から観察すると、ちょっと面白い行動が見られました。
♂が♀に近い側の後脚を動かして発音しているようなのですが、風切り音のせいで私には鳴き声が聞き取れませんでした。
♀への求愛なのか、それともライバル♂への牽制なのかな?
♂Lは左後脚を欠損しているので、解釈に注意が必要です。

私が右足の靴をそっと近づけると、右側の♂Rが真っ先に逃げ出しました。
触っていないのに警戒し、跳んで逃げました。
その瞬間を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:23〜1:57)
一方、交尾中の♀♂Lカップルは靴で軽く触れても無反応でした。
更に指で♂Lに触れて♀♂逆向きにしても逃げませんでした。
しつこく触れると、ようやく跳んで逃げました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、触れられた♂Lが先に跳んで逃げ、続いて♀も跳びました。

時間に余裕があれば♀♂カップルの邪魔せずに交尾を最後まで見届けたかったのですが、先を急ぐ別の用事があったので、雑な撮影になってしまいました。
色々と手出しをしたのは、現場では日差しが強くて影になってしまう上に、長い翅に隠れて交尾器の結合の有無が最後までよく分からなかったからです。


クルマバッタモドキ♀1♂2背側@路上+交尾
クルマバッタモドキ♀1♂2側面@路上+交尾
クルマバッタモドキ♀♂背側@路上+交尾


2020/02/09

ウスバキトンボ♀の腹部奇形?



2019年9月中旬・午前10:53

川沿いの草むらでウスバキトンボ♀(Pantala flavescens)が枯れた草の茎に止まっていました。
静止姿勢がどうも奇妙で、腹部がやや反り返っている海老反り姿勢でした。
腹端がヒクヒク上下に動いています。
羽化直後あるいは羽化不全個体なのかと思ったのですが、この枯れた茎の下部にヤゴの抜け殻(羽化殻)は見つけられませんでした。
もし腹部の奇形(先天性の異常)なら、水質汚染などが疑われます。
この♀個体の腹部が背側に反り返ったままだと、♂との交尾および産卵行動に支障を来す可能性が高く、だとすれば次世代を残しにくいでしょう。

トンボは交尾の際に♀が細長い腹部を腹側に丸く曲げて尾繋がりした♂の副性器に腹端を結合する必要があるのです。


▼関連記事(1年前の撮影)
水たまりで単独打水産卵するウスバキトンボ♀?【HD動画&ハイスピード動画】

ウスバキトンボ♀:側面@枯草茎+腹部海老反り姿勢:奇形?
ウスバキトンボ♀:背面@枯草茎+腹部海老反り姿勢:奇形?

汗を舐めに飛来するウラギンシジミ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午後13:20頃・晴れ


▼前回の記事
探索飛翔を繰り返すウラギンシジミ♂の謎【HD動画&ハイスピード動画】


昼下がりの公園で遊歩道をウラギンシジミ♂(Curetis acuta paracuta)が低空で盛んに飛び回っています。
その目的が最初は分からなかったのですが、直前まで私が別の被写体を撮るために長時間立っていた場所に執着しているような飛び方だと気づきました。
どうやら急に居なくなった私を探し回っているようです。

林縁の遊歩道で縁石の横に私が戻ると案の定、ウラギンシジミ♂はすぐに舞い戻って来て私の足に着地しました。
汗の匂いに誘引されるのかな?
褐色の口吻を伸ばすと、半ズボンから露出した私の汗ばんだ脹脛を舐め始めました。
汗に含まれるミネラルを摂取(塩分補給)しに来たのでしょう。
後で図鑑で調べてみると、ウラギンシジミにはそのような習性があるそうです。


・花にはほとんど訪れず、腐果や獣糞などで吸汁するほか、湿った路上で吸水も行う。(『フィールドガイド日本のチョウ』p97より引用)
・花にはめったに訪れず、腐った果物、動物の死体、糞などに集まる。♂は、夏に湿地などで吸水する姿が見られる。(『ヤマケイポケットガイド9 チョウ・ガ』p63より引用)
・秋型の♂は道上におりて水を吸うことが多い。(『標準原色図鑑全集1 蝶・蛾』1987年 第22刷 p61より引用)


翅を閉じたまま一心不乱に汗を吸汁しています。
黒い触角の先端がオレンジ色でした。
右の脹脛を舐められる様子を自撮りする私はヨガのポーズのようなかなり窮屈な体勢を強いられるため、ウラギンシジミ♂の翅裏をしっかり横から撮れませんでした。

地面から私の脚を登って来たクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が触角でウラギンシジミ♂の翅に何度か触れたものの、獲物とは判断せずに歩き去りました。
その間もウラギンシジミはしぐま汁に夢中で、アリに対して無反応でした。

ウラギンシジミ♂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:10〜)
右の人差し指を近づけると、翅に触れる前にウラギンシジミ♂は警戒して準備運動なしで飛び去りました。
♂の翅表には鮮やかな橙色の斑紋があります。
ところが再び同じ場所に舞い戻って来ました。
すぐに口吻を伸ばして私の汗を再び舐め始めました。
私の汗の味がよほど気に入ってくれたようです。
初めて出会った美しいウラギンシジミ♂に舐めてもらえて光栄でした。

脹脛を舐められると撮影が大変なので、次は前面の脛を舐めてもらおうと脚を投げ出して路上に座りました(脹脛は隠れます)。
すると、写真には撮れたものの(下記参照)、動画モードに切り替える前に逃げてしまいました。
毛深い脛毛が嫌だったのかな?

また、汗ばんだ腕を差し出してもなぜか無関心でした。


▼関連記事(汗を舐める虫たち)

ヒトの汗を摂取するウラギンシジミ♂ 

汗を吸汁するコムラサキ♂:その1
サカハチチョウ夏型に汗を吸われる
汗を舐めるシタキモモブトスカシバ?(蛾)の停空飛翔【ハイスピード動画&HD動画】
汗を舐めるヒメジャノメ♂
汗を舐めるシロスジナガハナアブ♀
カメラを舐めるオオハナアブ♀
カメラのストラップをしゃぶるフキバッタ


ウラギンシジミ♂:翅裏@脹脛+汗吸汁
ウラギンシジミ♂@汗吸汁vsクロヤマアリ♀
ウラギンシジミ♂:翅表@脛+汗吸汁
ウラギンシジミ♂:翅裏@脛+汗吸汁


ランダムに記事を読む

  • カワラヒワが群れで桜の冬芽を採食(冬の野鳥)18/07/2017 - 0 Comments
  • ヤマキマダラヒカゲ♀20/03/2011 - 0 Comments
  • 垂直円網に横糸を張るオニグモ♀:15倍速動画30/09/2011 - 0 Comments
  • 警戒声♪を発しながら木の枝を折って威嚇するハシブトガラス(野鳥)16/09/2017 - 0 Comments
  • 巣材を集めるキイロスズメバチ♀26/03/2011 - 0 Comments