2010年11月上旬
草地でコバネイナゴ(Oxya yezoensis)のカップルが交尾していました。
ススキの茎に掴まり上向きに止まっています。
無粋にレンズを近づけると♀が嫌がり、茎の反対側にくるりと回り込んで穂先へゆっくり歩き出しました。
風に揺れて撮り難いので茎を手元にそっと引き寄せ向きを変えると、腹端の絡み合いがよく分かります。
ここぞとばかりに交尾器の結合部を接写しました。
撮りながら手乗りに挑戦。
穂をゆっくり抜き取ると、大人しく親指から甲へと乗り移ってくれました。
背後からマウントした♂が♀の顔に前脚を当て「だ~れだ?」と言っているようで微笑ましい。
地面に移し激写を続けると最後は草叢に跳んで逃げました。
気温13℃
【追記】
上村佳孝『昆虫の交尾は、味わい深い…。 (岩波科学ライブラリー)』によれば、
バッタもコオロギと同じ直翅類の一員だ。ところがバッタの交尾は、一見♀の上に♂が乗っかった「カブトムシタイプ」に見える。でもよく見ると、♂の腹部はS字を描き、その先端は♀の下側からかみ合っているのだ。
4億年の進化の時間のなか、昆虫の交尾姿勢はグループごとに多様化したが、「♂の交尾器の腹側は、♀の交尾器の背側にかみ合う」という原則は、多くのグループで維持されているのが、おもしろい。 (p12より引用)
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