2011/01/12

水滴を吐き戻すハクサンベッコウバエの謎



2009年10月中旬


板壁に下向きで止まったハクサンベッコウバエNeuroctena analisが身繕いしている姿を何気なく撮り始めたら、口吻を伸縮させながらしばらく水滴が滴り落ちそうになっていました。
これは何か意味がある行動なのだろうか。

  • ただの遊び? 
  • 反芻?
  • 水を飲み過ぎた? 
  • 吐き戻しと蒸散による頭部冷却?
 (『熱血昆虫記:虫たちの生き残り作戦』 どうぶつ社 p93)
しかしこの場所は日向ではなく、気温もそれ程高くなかったと思います。 



水滴が結局どうなったのか気になります(下に落ちたのか、それとも再び飲み込んだのか)。
しかし無理な体勢で接写を続けていたので残念ながら見逃してしまいました。
ハエは採集できずに逃げられました。
一寸のハエにも五分の大和魂」掲示板にて問い合わせたところ、この蝿はハクサンベッコウバエ(=エゾベッコウバエ)だろうとご教示いただきました。



【追記1】
裏庭観察記の動画ギャラリーで興味深い映像を見つけました。
コハナバチの気化冷却? [65KB-avi]
「コハナバチの一種が、口元に吐き戻した水分を溜めて、口吻を伸ばしていた。気化による冷却をしているのだろうか? 」

【追記2】
一寸のハエにも五分の大和魂」掲示板にて、同様の行動を観察された方の質問に対してアノニモミイアさんが次のように回答なさっていました。
このような単独での行動はハナバチやハエの仲間で時折観察されます.ずっと見ているとそのうちに飲み込んで,さらに再び出すことがあります.決して吐き出して捨ててしまうのではありません.想像ですが,おそらくそ嚢cropに飲み込んだ液体を,外気にさらして濃縮しているのだろうと思います.
(中略)
ハエなどはそ嚢に液体をいっぱい吸収すると,それをただちに中胃に送り出すのではないようですから,多くの栄養成分を得るためにそ嚢の中身を蒸発して,そ嚢の容積を有効につかっているのか,と思います.あくまでも想像ですから,事実とは信じないでください.




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