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2022/11/25

ヘクソカズラの花でオオフタオビドロバチが盗蜜?

 

2022年8月上旬・午前7:45頃・晴れ 

川沿いのコンクリート護岸に繁茂するヘクソカズラの蔓が隣接する遊歩道の路面にも這うように育っています。 
そこに朝からオオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatum)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
どうやら正当訪花せずに、花筒の外側から盗蜜しているようです。 
自ら口器で花筒を穿孔して盗蜜しているのか(一次盗蜜)、それとも既存の盗蜜痕に口吻を差し込んで吸蜜しているのか(二次盗蜜)、決定的な証拠映像を撮ることが出来ませんでした。 
撮影中にデジカメのメモリーカード容量を使い切ってしまったのです。 
私が慌てて交換している間に、オオフタオビドロバチは逃げてしまいました。 
痛恨のミスです…。

ヘクソカズラの群落で花筒をよく見ると、その多くに盗蜜痕があります。 
一次盗蜜者と思われるクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が何匹もヘクソカズラの花からせっせと穿孔盗蜜していました。 
過去に動画を撮影済みなので、今回は割愛します。
関連記事(5、9年前の撮影)▶  
ヘクソカズラの花蜜を盗むクロマルハナバチ♀ 
ヘクソカズラの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀

2021/11/12

ゴマの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年8月中旬・午後16:20頃・くもり 

ゴマ(胡麻)畑でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が何匹も忙しなく飛び回っていました。 
訪花シーンを注意深く観察すると、次から次へと白い花筒で毎回常に穿孔盗蜜していました。
花筒にまたがると、その根本に外側から口吻を突き刺して(噛み破って?)その穴から吸蜜するのです。 
蜂が飛び去った後の花筒には小さな穴(盗蜜痕)が残ります。(@3:05、3:15など)
花筒の入口から頭を突っ込んでも奥の蜜腺まで舌が届かないのでしょう。 
訪花を繰り返しても雄しべの葯に体が全く触れないので、後脚の花粉籠は空荷です。 
ゴマ農家にとって花から盗蜜するクロマルハナバチは害虫の扱いになります。 
しかし他の農作物では送粉している益虫ですし、簡単には決めつけられません。 

ちょっと面白いなと思ったのは、葉上の落花にクロマルハナバチ♀が誤ってしがみついたシーンです。 (@1:54)
蜂の重みで落花ごと落下しました。 
空中ですぐに体勢を立て直し、次の花へ向かいます。
落花にだまされかけてスルーしたのは(@1:31) 。

あまりにも忙しなく飛び回るので目が回りそうです。
盗蜜シーンおよび花から飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:37〜) 
複数個体を撮影。 
穿孔盗蜜の行動をスローモーションでじっくりご覧ください。 

クロマルハナバチ♀は二次盗蜜者であることの証拠映像も撮れました。 
ゴマ花筒の根本を大顎で食い破るのではなく、既に開いていた穴に黒い口吻を差し込んでいました。(@x:xx) 
ただし、1つの花筒で珍しく時間を掛けていたこともありました。 
身繕いなど休んでいただけかもしれませんが、このときが穿孔中だったのかもしれません。
肝心の口元がしっかり撮れず残念。 

茎の下部にはゴマの実がなっています。 
ゴマは茎の下から上へと順に花が咲いて実がつくようです。 
ゴマに正当訪花して授粉を助ける送粉者はミツバチでした。
関連記事(同日の撮影)▶ ゴマの花で採餌するセイヨウミツバチ♀
ところで、ゴマの葉腋にある黄色い点は何でしょう? 
まさか花外蜜腺? 
なんとなく、盗蜜のための蜜標になっているような気もしました。 


【追記】
小松貴『絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)』を読んで驚いたことの一つは、クロマルハナバチが環境省レッドリストの準絶滅危惧に指定されているという事実です。(p183)
山形県ではなんと、絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されていました。(公式のデータベースはこちら
私のフィールドでは平地を中心に平凡な普通種なのですが、恵まれた環境だと知りました。
ネオニコチノイド系の農薬(殺虫剤)の乱用が原因ではないかと個人的には疑っています。

2021/10/12

アベリアの花で盗蜜しながら花粉団子を運ぶクロマルハナバチ♀の謎

 

2021年7月中旬・午後16:20頃・晴れ
前回の記事:▶ アベリアの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

前回の記事ではとりあえず教科書通りの説明をするために、アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の花で盗蜜行動を繰り返すクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀の中でも後脚の花粉籠が空荷の個体を選んで動画にしました。 
盗蜜中は花の雄しべに体が全く触れませんから、集粉活動とは両立しません。 

ところが、同じアベリアの生垣で採餌するクロマルハナバチ♀の動画を撮りまくると、その中には後脚の花粉籠に少量の白い花粉団子を付けている個体が複数混じっていました。 
今回はそんな異例の個体ばかりを集めて動画にしました。 

前回帰巣した際に集めた花粉をしっかり育房に掻き落とさなかったのかな? 

おそらくクロマルハナバチ♀の中にも体格の個体差があって、小型のワーカー♀はアベリアの狭い花筒に潜り込んで普通に吸蜜できる(正当訪花)はずです。 
しかし今回の映像を見る限り、アベリアの花筒に絶対潜り込めないぐらい大きな個体ばかりです。
あるいはアベリアの花筒のサイズにも幅(変異)があって、少数ながらも極太の花筒でクロマルハナバチ♀は正当訪花できたのかもしれません。
また、クロマルハナバチ♀は巣に戻るまでの1回の採餌飛行の途中で(同じ種類の花の群落内で)採餌法を正当訪花⇔盗蜜と切り替えることがあると分かっています。 
しかし、今回はアベリアの生垣で正当訪花する個体を一度も見かけませんでした。(単に私が見落としただけかもしれません。) 

残る可能性として私が一番有望だと考えているのは、他種の植物に正当訪花して花粉を少し集めてからアベリアの群落に移って来た、という仮説です。 
今回の映像を見る限り、アベリアの花筒に絶対潜り込めないぐらい大きな個体ばかりなので、他の植物由来の花粉と考えるのが自然だと思います。
盗蜜しながら花粉団子を運ぶクロマルハナバチ♀個体を捕獲して、花粉籠から採取した花粉を顕微鏡で調べれば、どの植物由来の花粉か検証できそうです。 
ただしそのためには、近隣に咲くあらゆる植物の花粉の微細な形状を予め調べておく必要があり、大人の自由研究としてはなかなか大変そうです。 
しかも普通の光学顕微鏡ではなく走査型電子顕微鏡が必要となれば、素人には手が出せません。
やってみれば全てアベリアの花粉だったとあっさり判明するかもしれません。 

 

過去に紹介した記事の動画も見返すと、穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀の中に花粉団子を運ぶ個体が一部混じっていました。
関連記事(4年前の撮影)▶ アベリアの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀


2021/10/07

アベリアの花で穿孔盗蜜するハキリバチ♂【名前を教えて】

 

2021年7月中旬・午後16:25頃・晴れ 

民家の生垣に咲いたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)でハキリバチ科の一種の雄蜂♂が訪花していました。 
花筒に正当訪花せずに、盗蜜しています。
関連記事(4年前の撮影)▶ アベリアの花で盗蜜するクズハキリバチ♂
さて、このハナバチの名前は何でしょう? 
見るからにハキリバチ科の仲間です。 
腹部下面にスコパが無いので雄蜂♂だろうと判断しました。 
顔色を正面から見せてくれなかったのですが、横から見ると頭楯に白っぽい毛が密生しているようです。 
この蜂で一番興味深く、驚いたのは、前脚が異常に毛深いことです。(白い毛が密生) 
例えばミツバチ科の♀は後脚に花粉籠があります。 
一方、ハキリバチ科の♀は腹部下面に密生するスコパ(刷毛)に花粉を集めます。
前脚に花粉籠があるハナバチという存在を私は聞いたことがありません。 
実際にこの蜂が集めた花粉を前脚の毛束にまとめて運んでいたら大発見だったかもしれませんが、雄しべに体が触れない盗蜜行動を繰り返していますから、謎の花粉籠?は空荷です。
雄蜂♂なのだとしたら、花粉を採餌(集粉)しませんから、そもそも花粉籠は必要ありません。 
前脚の毛束から♀を誘引する性フェロモンを分泌するのかな? (※追記参照)
一部の蛾の♂は腹端に「ヘアペンシル」というフェロモン放出器官を持ちますが、それを連想しました。 
私はハキリバチの仲間を見分けるのが苦手です。
重い腰を上げて『日本産ハナバチ図鑑』を紐解いてみると、ヤマトハキリバチやムナカタハキリバチなどの雄蜂♂にそれらしき特徴があることを初めて知りました。
(ヤマトハキリバチの)♂の前脚は変形していて腿節外面は薄くヒレ状に張り出し下面は白色、脛節の先端から淡色で、第1〜3跗節は扁平で外面に跗節の幅と同じくらいの長さの毛の列がある。(p321より引用)
この奇妙な構造の解剖学的な正式名称(英語名)や機能については何も書いてありませんでした。 
残念ながら今回の個体はすぐに生垣の奥に飛び去ってしまい、採集のチャンスを逃しました。 
この蜂の名前を映像から見分けられる達人がいらっしゃいましたら教えて下さい。
そもそもハキリバチ科の仲間という私の予想が間違っているかもしれません。

ちなみに今回観察したアベリアの群落で正当訪花する送粉者はトラマルハナバチ♀だけで(映像公開予定?)、残りは盗蜜者ばかりでした。(セイヨウミツバチ♀、クロマルハナバチ♀、ハキリバチsp.♂)
関連記事(4年前の撮影:正当訪花)▶ アベリアの花で採餌するトラマルハナバチ♀


※【追記】

ハキリバチ科とは違いますが、北米産トモンハナバチの仲間による配偶行動を捉えた見事なスーパースロー映像がPBS Natureチャンネルで公開されました。

その雄蜂♂は♀にマウントして交尾を挑む前に前脚の毛束で♀の触角を交互に叩いていました。

おそらくそれが求愛行動になるのでしょう。

雄蜂♂だけが前脚に持つ毛束(性的二型)の役割についてヒントが得られました。

 


2021/10/02

アベリアの花で穿孔盗蜜するセイヨウミツバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後16:25頃・晴れ 

庭の生垣に植栽されたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀がブンブン♪羽音を立てて何匹も訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
小さなラッパ状の花筒にセイヨウミツバチ♀は正当訪花せずに毎回、穿孔盗蜜するので、後脚の花粉籠が空荷なのは当然です。 
セイヨウミツバチ♀は花の雄しべや雌しべに全く体が触れずに吸蜜するだけで、アベリアの受粉に全く役立っていません。

盗蜜シーンおよび花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:18〜) 
複数個体を撮影。

 

2021/09/29

アベリアの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後16:20頃・晴れ 

民家の庭の生垣として植栽されたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の白い花が満開に咲いています。 
そこにクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
複数個体がブンブン♪と羽音を立てて飛び回っています。 
吸蜜法をよく観察すると、花筒の入り口から顔を突っ込んで口吻を差し込んではいません。 
つまり、正当訪花する個体は1匹もいませんでした。 
ラッパ状の花筒の根元に外側から蜜腺を狙って口吻を突き刺す穿孔盗蜜を毎回繰り返していました。 
雄しべや雌しべに体が全く触れませんから、アベリアの花の受粉に寄与しません。 
したがって、クロマルハナバチ♀の後脚の花粉籠は当然ながら空荷でした。 
アベリアにしてみれば、せっかく送粉者への報酬として用意した花蜜が盗まれ損になります。 

クロマルハナバチの盗蜜行動自体は既にFHD動画で撮影済みです。
関連記事(4年前の撮影)▶ アベリアの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀
今回は240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:34〜) 
アベリアの花筒の根元には盗蜜痕が残り、傷口が薄い褐色に変色しています。 
花筒に小さな盗蜜痕が既にある場合、クロマルハナバチ♀は目敏く見つけてそこに口吻を差し込んでいます(二次盗蜜者)。 
無傷の花筒に一番乗りで盗蜜する場合は大顎で噛み傷を付けるのではないかと推察されるのですが、そのような一次盗蜜者の行動を私は未だしっかり観察できていません。 
隣の花へ移動する際は、わざわざ飛ばずに歩いて行きます。 
次の花へ向かう途中、空中でホバリングしながらなぜか左右の後脚を互いに擦り合わせていました。 

本当に面白いのは、この先の話です。 
つづく→


【追記】
石井博『花と昆虫のしたたかで素敵な関係 受粉にまつわる生態学』という本のp190に「アベリアの花のつけ根に穴を開けて強奪型の盗蜜をするクロマルハナバチ」と題した見事な生態写真が掲載されていました。
花の破壊を伴わないタイプの盗蜜行為を「窃盗型盗蜜(または泥棒型盗蜜)」というのに対し、花筒の横に顎(または嘴)を使って穴を開け、そこから花蜜を吸うタイプの盗蜜を「強盗型盗蜜(または略奪型盗蜜)」といいます。(p189より)

2021/07/01

桜の花を摘み取って盗蜜するスズメ(野鳥)

 

2021年4月中旬・午後16:15頃・晴れ 

公園で満開に咲いたソメイヨシノの老木でスズメPasser montanus)の群れが訪花していました。 
スズメは桜の花柄を嘴で摘むと千切り取り、花の根元の花蜜だけ吸って捨ててしまいます。 
桜からしてみれば授粉の報酬として用意した花蜜をスズメに一方的に盗まれるだけなので、大損害になります。 
桜吹雪は花弁が風で散るだけですが、スズメが狼藉を働いた後は桜の木の下に無傷の落花が(花柄ごと)散乱することになります。 

この有名な盗蜜シーンを撮りたくて長年狙ってきたのですが、警戒心が強いスズメはいつも逃げてしまいがちです。 
今回のスズメは人馴れしているのか、桜の木の下に居た私をあまり気にせず盗蜜に没頭していました。 
動画の後半は、スズメの盗蜜行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:19〜) 
2羽の個体を撮影した映像です。 

竹内将俊・飯嶋一浩・田村正人『桜をめぐる生きものたち』という書物によると、
桜が開花してまもなく、萼筒から切り落とされた花が目に付くようになる。満開になったソメイヨシノの下などは、かなりの数の花が落ちているのでお気づきの方もいるだろう。じつはこれ、スズメの仕業なのである。舌が短いスズメは花の正面から花蜜を吸うことが苦手である。そこで花蜜の溜まっている萼筒で花を切り取り、蜜を吸っては捨てるという行動を繰り返すのである。(p76より引用)
スズメの方は蜜を食べたいのだが、舌が短いので花を萼筒からちぎって、蜜を舐めては捨てるという行動を繰り返すことになる。桜にとっては将来実になる花をちぎって捨てるスズメは害鳥以外の何者でもない。 (同書p79より引用)

2020/11/28

ユリズイセンの花で盗蜜するコガタスズメバチ♀

 

2020年8月中旬・午後17:45頃・くもり
▼前回の記事 
ユリズイセンで正当訪花から盗蜜に切り替えるスズバチ
街中の道端の花壇に咲いたユリズイセン(=アルストロメリア)の群落でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が吸蜜のために訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
興味深いことに、正当訪花で吸蜜するのではなく、常に盗蜜していました。 
花筒の外側から花弁の根元の隙間を大顎でこじ開けて、蜜腺を直接舐めています。 
雄しべや雌しべに蜂の体が全く触れませんから受粉の助けにはならず、植物にとっては花蜜の盗られ損です。 
ユリズイセンの花筒はコガタスズメバチ♀が正当訪花で潜り込めないほど狭くはないと思うのですが、盗蜜行動の方が効率的だと学習してしまったのでしょう。 
スズメバチ類による盗蜜行動を観察したのは初めてで、ワクワクしました。 

激しい風揺れで撮影に苦労しましたが、後半は指で花を摘んで揺れないように押さえたら、ようやく安定して証拠映像を記録することが出来ました。 

実は、このコガタスズメバチ♀個体は、数m離れた大小2つの群落を交互に訪れていました。 
後半になると盗蜜による栄養補給が済んだようで、ユリズイセンの花には着陸しなくなりました。 
他の訪花昆虫が来るのを狙って(手頃な獲物を探し求めて)ユリズイセンの花壇を飛び回っているようです。(探餌飛翔) 
この群落に縄張りを張って、キアシナガバチ♀やスズバチをユリズイセンの花から追い払うのを見ています。(映像撮れず)

2020/11/21

ユリズイセンで正当訪花から盗蜜に切り替えるスズバチ

 

2020年8月中旬・午後17:45頃・くもり 

街中の道端の花壇に咲いたユリズイセン(=アルストロメリア)の群落でスズバチOreumenes decoratus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。  
初めは花筒の奥に潜り込む正当訪花で吸蜜していたのですが、隣の花では盗蜜行動に切り替えました。(訪花行動のスイッチ) 
花筒の外側で根元の隙間から蜜腺を舐める盗蜜行動をすると雄しべや雌しべに体が一切触れませんから、花の受粉に関与しません。 
ハナバチに限らず狩りバチでも機会があれば盗蜜行動するというのは、各個体が学習した成果なのでしょうか? 

ところが、盗蜜を始めたスズバチが、なぜか慌てたように落下してから飛び去りました。 
もしかすると、花筒の中に潜んでいた先客のアリに噛まれたのかもしれません(想像)。

2020/09/13

スイートピーの花で盗蜜するフタモンアシナガバチ♀



2020年7月上旬・午後15:15頃

民家の庭に咲いたスイートピーの群落でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀が訪花していました。

驚いたことに、スイートピーの蝶形花に正当訪花で吸蜜するのではなく、盗蜜行動をしていました。
花弁の根元、萼との境界付近を外側から長々と舐めています。
花弁の根元を食い破って(または口吻を突き刺して)蜜腺を外から直接舐める穿孔盗蜜だと思うのですけど、残念ながら肝心の口元がよく見えません。
アブラムシの甘露を舐めている可能性も頭によぎりましたが、スイートピーの群落にアブラムシのコロニーは見当たりませんでした。
スイートピーに花外蜜腺があるという話は聞いたことがありません。

やがてフタモンアシナガバチ♀はスイートピーの花から花へ次々に渡り歩き始め、ようやく蝶形花の開口部を見つけて潜り込みました。(正当訪花)
つまり、フタモンアシナガバチ♀はスイートピーで吸蜜するために盗蜜行動と正当訪花を自在に切り替えることが可能と分かりました。


▼関連記事(7年前の撮影)
ユリズイセンに訪花するフタモンアシナガバチ♀2つの採餌戦略(正当訪花/盗蜜)

最後は身繕いしてから飛び立ちました。
スイートピーのすぐ横には、狩蜂が大好きな蜜源植物として知られるノブドウの花も咲いているのに、なぜかこの蜂はスイートピーの花に夢中でした。



▼関連記事(6年前の撮影)
スイートピーの花蜜を吸うクマバチ♀

クマバチは盗蜜行動の常習犯なのですが、マメ科の蝶形花を攻略することに長けているので、正当訪花していました。


2020/09/10

ユリの花蜜を吸うコアシナガバチ♀



2020年7月上旬・午後15:30頃・くもり

民家の裏庭の花壇に咲いた黄色いユリ(園芸種)にコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀が訪花していました。
初めは正当訪花せず、花筒の外から根元を舐めていました。
盗蜜行動に見えたので、盗蜜マニアの私は慌てて動画を撮り始めたのです。※
しかし大顎を使った本格的な穿孔盗蜜ではなさそうです。
隣り合う花弁がぴったり閉じた隙間から微量の蜜が滲み出しているのでしょうか?
ユリの芳香に誘われてきた昆虫にとってユリの花は巨大過ぎるようで、花の入り口が見つからず迷子になっているだけかもしれません。

コアシナガバチ♀は飛び立つと、隣に咲いた別の品種のユリの花に移動しました。
ピンクの花弁の内側に赤い斑点を散りばめているので、カノコユリと似ていますが、おそらく外来の園芸品種でしょう。

ここでもコアシナガバチ♀は花筒の外側を徘徊して蜜腺を外から舐めたりしています。(盗蜜行動?)
イモムシを狩るための探餌徘徊ではなさそうです。

ようやく花弁の内側に回り込み、中に潜り込みました。(正当訪花)
花弁の表面には雨上がりの水滴が付着しているものの、蜂はその水を飲みませんでした。

花筒の一番奥ではなく、その少し上で花弁の内側をじっくり舐めているのが不思議でした。
ここにユリの蜜腺があるのですかね?

つづく→ユリの花に来たコアシナガバチ♀に噛み付くクロヤマアリ♀


※ ユリズイセン(=アルストロメリア)という園芸植物(ユリ科ではなくユリズイセン科)の花は、花筒の根元がだらしなく開いて隙間だらけのため、訪花するハチ類は盗蜜し放題になっています。


▼関連記事(7年前の撮影)
ユリズイセンを訪花するコアシナガバチ♀?
このときも盗蜜行動を疑ったのですが、しっかり観察できていません。
ちなみに、フタモンアシナガバチ♀がユリズイセンで盗蜜する様子は何度も現行犯で動画撮影できました。
一方、今回のユリの花筒は根元も花弁がぴったりと閉じているので、蜂による穿孔盗蜜を疑った次第です。




2020/09/06

キンギンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀



2020年6月中旬・午後13:20頃・くもり

農地を囲む防風林と用水路の間の林縁にひっそりと咲いたキンギンボク(別名ヒョウタンボク)キムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。

頭楯が黒い♀なのに、後脚の花粉籠は空荷でした。
もしやと思い訪花シーンをよく観察すると、吸蜜のために花筒の狭い入り口に顔を突っ込む正当訪花ではなく、毎回盗蜜していました。
未だ開花していない蕾からも穿孔盗蜜しています。
ハイスピード動画でも盗蜜行動をじっくり撮りたかったのですが、残念ながら薄暗い林縁だったので諦めました。(光量不足)


▼関連記事(1年前の撮影)
キンギンボクの花で採餌するクマバチ♀
当時はてっきり普通の正当訪花かと思い込んでいたのですけど、映像をしっかり見直すと、実はこのときも盗蜜していました。
たまにこういう新しい発見(解釈の訂正)があるので、動画に撮影済みの組み合わせでも飽きずに毎年一度は撮り直してみる価値がありそうです。

とにかく、一例を見ただけで何かを結論付けるのは危険です。

キンギンボクの送粉者を突き止めるのも今後の課題です。




2020/08/10

ナツグミの花で穿孔盗蜜するクマバチ



2020年5月上旬・午後12:02・晴れ

公園の庭に植栽されたナツグミに訪花するキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)を観察していたら、盗蜜行動を一度だけ動画に撮れました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、花筒の根元に外側から口吻を突き刺して教科書通りの(典型的な)穿孔盗蜜をしていました。
雄しべや雌しべに体が全く触れないので、ナツグミの授粉に寄与しません。
ナツグミの立場からすれば、花蜜の盗られ損になります。

映像からこの個体の性別をしっかり見分けられませんでした。
この日はなぜかクマバチの雄蜂♂ばかりがナツグミに訪花していたので、この個体もおそらく♂だと思います。
後脚の花粉籠は空荷でしたが、雄蜂♂なら花粉籠という構造そのものが無いので当然ですね。

正当訪花から盗蜜行動に採餌モードを切り替えたのか、それともこの個体は盗蜜ばかりするのか、追跡して調べたいところです。
残念ながら忙しなく飛び回るために、個体標識しないと見失ってしまいます。
クマバチは盗蜜行動の常習犯なので、正当訪花で舌が蜜腺に届くナツグミの花に対しても、たまに悪癖が出てしまうのでしょう。
生まれつき舌の長さが普通より短い(変異)個体なのかもしれません。



▼関連記事(同じ日に同じ場所で撮影)
ナツグミの花で吸蜜するクマバチ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】


2020/08/02

オドリコソウの花で盗蜜するオオマルハナバチ創設女王



2020年5月中旬・午後17:50頃・晴れ


▼前回の記事
オドリコソウの花で盗蜜するクロマルハナバチ創設女王【HD動画&ハイスピード動画】

用水路沿いの土手に咲いたオドリコソウの群落に訪花していたのはクロマルハナバチ♀がほとんどでしたが、1匹だけオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)も来ていました。
大型の個体ですし、時期的にワーカー♀ではなく創設女王でしょう。
山地性のオオマルハナバチがここ(平地)まで遠征してくる個体が少ないのは納得です。
(ちなみにここで優占していたクロマルハナバチは平地性。)

吸蜜シーンをよく見ると、オオマルハナバチ♀も正当訪花せずに穿孔盗蜜していました。
雄しべに体が触れませんから、後脚の花粉籠は当然ながら空荷です。

Newton special issue『植物の世界 第2号:ナチュラルヒストリーへの招待』を読むと、更に興味深いことが書いてありました。

オオマルハナバチはこの花(=オドリコソウ:しぐま註)を盗蜜者として訪れ、花冠筒部の前部に穴をあける。その際、腹部や背部が花冠の上唇の中に入り雌しべと雄しべの先にふれるのである。その行動は盗蜜に似ているが、実際にはオオマルハナバチはポリネーターの役割を果たすことになる。
オドリコソウの花は、盗蜜者をポリネーターとして利用できるような形態をもつにいたったのであるとも解釈できよう。(p118〜120より引用)


昆虫をあざむく花:盗蜜者をポリネーターとして利用するしくみをもつと思われるオドリコソウ (p121:図10Bより引用)

決定的瞬間を捉えた見事な生態写真も掲載されていて、専門家の鋭い観察眼と緻密な記述に舌を巻きました。
ところが、私が撮った動画に記録された盗蜜行動と比べてみると微妙に違います。
私が見たオオマルハナバチ♀は常にオドリコソウの花冠の下唇の下に潜り込みながら穿孔盗蜜しますから、上唇の中にある雄しべや雌しべに体は全く触れていません。
間違いなく純粋な盗蜜行動です。
個体差なのか、地域によって異なるのか、興味深いところです。

カースト(女王蜂とワーカー)の違いによる体格差で説明できるかもしれません。
私も未だこの1例しか見ていないので、今後の観察が楽しみです。

参考サイト(@福岡教育大学):シソ科の唇形花(オドリコソウとヤマハッカ)  ← 唇形花の構造の勉強になりました。




2020/08/01

ドウダンツツジの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀(二次盗蜜者?)



2019年5月中旬・午後12:45頃・

池の岸に植栽されたドウダンツツジの低木でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
小さな釣り鐘状の白い花に正当訪花を繰り返し、吸蜜しています。
後脚の花粉籠は空荷でした。

クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀もドウダンツツジの花筒の入り口から中に潜り込もうと苦労していますが(正当訪花)、結局入れず花蜜も舐めることが出来なかったようです。(@0:48〜1:10)
ドウダンツツジの花の入り口が外側に反り返っているのは物理的に侵入をブロックする「アリ返し」の役割があるのですかね?
体が小さくて移動距離が短い(飛べない)アリは、ドウダンツツジにとってあまり授粉の助けにならず、招かれざる客を排除したいのでしょう。

最後にもうひとつ、見逃せない事件が動画に記録されていました。
正当訪花を繰り返していた個体が最後に一度だけ採餌戦略を切り替えて盗蜜したのです。(@1:13)
ドウダンツツジの花をよく見ると古い穿孔跡が多数あり、白い花弁に褐色の傷跡が多数残っていました。
その穴に口吻を差し込んで吸蜜したので、この場合ミツバチは日和見主義的な二次盗蜜者(チャンスがあれば楽をして盗蜜したい)ということになります。

翌2020年こそはミツバチによる盗蜜行動について現行犯の証拠映像を撮りたいと思い、春が来るのを楽しみに待ち構えていました。
ところがドウダンツツジの開花が例年よりも早まったせいなのか、どうやら私はミツバチの活動を見落としてしまったようです…。
一時盗蜜者の正体を突き止めるのも、また来年の宿題に持ち越しです。

2020/07/30

オドリコソウの花で盗蜜するクロマルハナバチ創設女王【HD動画&ハイスピード動画】



2020年5月中旬・午後17:45〜18:00頃・晴れ

用水路沿いの土手に咲いたオドリコソウの群落でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が何匹も訪花していました。
大型の個体ですし、時期的にワーカー♀ではなく創設女王だと思います。
複数個体を撮影しても後脚の花粉籠は空荷でした。
もしやと思い、訪花シーンの口元をよく観察すると盗蜜していました。
シソ科の花は唇形花と呼ばれ、複雑な形状をしています。
クロマルハナバチ♀は花筒の外側から根元に口吻をグサッと突き刺して穿孔盗蜜していました。
雄しべに体が全く触れませんから、花粉を集めることはありませんし、オドリコソウの授粉を助けません。
開花前の蕾からもお構いなしに盗蜜することがありました。(@x:xx)
胸背に黄色い花粉が付着した個体も盗蜜しています。
オドリコソウの花筒の根元に盗蜜痕が見えます(穴だらけ)。

春に咲くオドリコソウの花から盗蜜するハチがいることを本で読んで知っていたのですが、ようやく実例を動画で記録できました。
私が以前に見たオドリコソウの群落は花に盗蜜痕があるのに、舌の長いトラマルハナバチ♀が正当訪花しているだけでした。(盗蜜者の正体が不明だったのです。)

▼関連記事(6年前の撮影)
オドリコソウの花蜜を吸うトラマルハナバチ♀
悲願のミッシングリンクがようやく撮れて感無量です。

例えば、田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』でオドリコソウを調べると

笠をかぶり手に扇を持って舞う姿にたとえられる花。笠の下には雄しべ雌しべの先が隠れている。花の形にぴたりと合うのはマルハナバチ類で、蜜を吸うためにはい込むと背が雄しべ雌しべに触れ、花粉で白く染まった状態で出てくる。より大きく口の短いクマバチは、花の背後に鋭い顎で穴を開けて蜜を吸うため、花粉は媒介しない。(クマバチは)花に馬乗りになって筒部に口を差しこみ、蜜を盗む。
花の底に蜜があり、笠の下には雄しべ雌しべがある。(p11より引用)


本書でオドリコソウの送粉者の例としてコマルハナバチを挙げています。
私はコマルハナバチによる正当訪花シーンは未見です。
本書で記述されたクマバチによる盗蜜行動と今回のクロマルハナバチによる盗蜜行動は細かい点で違います。
(今回のクロマルハナバチ♀はオドリコソウの花に馬乗りになっていません。)


クロマルハナバチ♀がオドリコソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:33〜4:31)
盗蜜中は羽ばたきを止めています。
次に来るだろうと予想した株を狙って撮り始めると、オドリコソウの花への着陸シーンが撮れました。
2匹のクロマルハナバチ女王が同じ株でニアミスすることがありました。(@2:50)

ちなみに、ピッキオ編『花のおもしろフィールド図鑑 春』でオドリコソウを調べると、

花のつけ根には蜜がたまっていてこれで昆虫をおびき寄せています。人間が花を取って吸ってみても甘いので、野山でおなかがすいたら試してみてはいかがでしょう。意外といける味にくせになること請け合いです。(中略)オドリコソウは日本在来の植物です。
白色の花は東日本に多く、西日本ではピンク色の花が多い。(p125より引用)


ここは東日本なのに、今回の群落では白い花もピンクの花も両方咲いていました。
私も真似してオドリコソウの花から盗蜜してみたくなりました。



2019/12/06

セイヨウニンジンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月上旬・午後

民家の裏庭に植栽されたセイヨウニンジンボクで今年もキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。

この組み合わせは既にこのブログで報告済みです。

▼関連記事(1年前の撮影)
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ
しかし当時は風が強くてセイヨウニンジンボクの花序が激しく揺れ、虫撮りには悪条件の日でした。
ということで、1年ぶりに同じ場所へ定点観察にやって来ました。
無風で快晴の撮影日和です。

セイヨウニンジンボクの花から花へ忙しなく飛び回るクマバチ♀の腹背は白い花粉で汚れているのに、後脚の花粉籠は空荷でした。
吸蜜シーンをよく見ると正当訪花ではなく、穿孔盗蜜していました!
花筒の根元を外側から噛んで穴を開け、そこから舌を差し込んで蜜腺を舐めているのです。
これは昨年の撮影で全く見落としていた点です。
盗蜜に専念すると、雄しべに触れないので集粉しません。
後脚の花粉籠が空荷なのも納得です。
植物にとっては、せっかく送粉者への報酬として用意した花蜜を盗まれてしまうのは損失になります。

クマバチ♀の盗蜜シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:42〜)

クマバチ♀の複数個体を撮影。
翅の破損具合が異なるので明らかに別個体と分かります。
連日の酷暑のせいか、どうも花の盛りは過ぎてしまったようです。
クマバチが訪花中に萎れかけた花弁がハラハラと舞い散る様子が写っています。
末期の花の雄しべにはもう花粉が残っていないのかもしれません。


花序に残った花が少なくなったおかげで穿孔盗蜜に気づくことが出来ました。
昨年の観察でクマバチ♀の盗蜜に気づかなかったのは、風揺れのせいだけでなく、花盛りで多数の花が花序に密生していて蜂の口元がよく見えなかったからでしょう。
あるいは、クマバチ♀は舌の長さに応じて採餌戦略(正当訪花と穿孔盗蜜)に個体差がある可能性も考えられます。


過去の記事を遡って再検討したところ、雄蜂♂もやはり盗蜜していました。
▼関連記事(別の場所で1年前に撮影)セイヨウニンジンボクの花で盗蜜するクマバチ♂【ハイスピード動画】




出来ればついでにセイヨウニンジンボクの花に残された盗蜜痕をじっくり調べたかったのですが、他人様の庭には勝手に入れないので諦めました。(撮影は公道から)

一方、同じ日に撮ったオオハキリバチ♂は盗蜜せずに正当訪花で吸蜜していました。

▼関連記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うオオハキリバチ♂

クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花採餌(盗蜜?)写真は背側からしか撮れず。
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花採餌(盗蜜?)

2019/11/02

オオバギボウシの花で盗蜜するクマバチ♀の脱糞【HD動画&ハイスピード動画】



2019年7月中旬

民家の軒下に咲いたオオバギボウシの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
しかし正当訪花せずに毎回、穿孔盗蜜を繰り返しています。
オオバギボウシの雄蕊には黄色い花粉を用意しているのに、クマバチ♀はその花粉に全く触れずに吸蜜だけしているのです。
集粉しないので後脚の花粉籠は空荷ですし、オオバギボウシは受粉を助けてもらえず花蜜の盗まれ損になってしまいます。
オオバギボウシの花筒が細長いために、舌の短いクマバチは正当訪花すると蜜腺に舌が届かないので、仕方がないのです。


▼関連記事(6年前の撮影)
オオバギボウシの花で盗蜜するクマバチ♀


一連の盗蜜行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:19〜)
最後に花から飛び立った後で、空中で液状便をピュッと脱糞した瞬間が偶然捉えられれていました!(@2:15)
クマバチの排泄シーンを見たのは9年ぶりです。


▼関連記事
巣口で脱糞するクマバチ


クマバチ♀@オオバギボウシ訪花+盗蜜
オオバギボウシ花
オオバギボウシ花
オオバギボウシ花:群落・全景

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