2022/07/23

晩春の河畔林を夜な夜な駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 河畔林の雪上を夜に駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

2022年5月中旬〜下旬 

河畔林のタヌキ溜め糞場rvを監視するトレイルカメラに夜な夜な登場する野ネズミ(ノネズミ)の記録です。 
様々なトラブルで調査に空白の期間が生じてしまいました。 
この時期は、ほぼ毎晩のように野ネズミが林床に現れました。 
問題は、春も後半になると(晩春)林床に下草が繁茂するようになったことです。 
特に画面右下および右中央にある黒々としたタヌキの溜め糞の周囲から草が多く生えています。 
カメラが林床を見下ろすアングルでは小さな野ネズミの活動が下草に隠れてしまいがちです。 
トレイルカメラの映像で野ネズミの巡回ルートが決まっているように見えるのは、下草でカメラの視界が遮られているせいだと思います。 
対策として、私が現場を訪れる度に、必要最小限の除草をしました。(画角内の邪魔な草や葉っぱだけをナイフで切って取り除く) 

シーン1:5/18・午後19:47 
赤外線の暗視映像で野ネズミの毛皮は黒く見え、目だけが爛々と白く光って見えます。 
ニセアカシア立木が並ぶ林縁を左へ走り去りました。 
途中で幹の根際を少しだけ登ったものの、すぐに林床に飛び降りました。
(木登りしたとは言えません。) 

シーン2:5/18・午後22:25 
林床に転がっている落枝の上を伝ってチョロチョロと渡ると、右の茂みの下に隠れてしまいました。 
タヌキの溜め糞そのものには用が無いようで、近づきません。 

シーン3:5/20・午後20:43 
左奥の立木を根際から登りかけたが、すぐに林床に飛び降りて左に走り去りました。(木登りしない。)
なぜ木登りの有無に拘っているかと言うと、アカネズミは木に登れず、やや小型のヒメネズミは木登りが得意とされているからです。 
今のところ本格的な木登りシーンが撮れてないので、ここの野ネズミはアカネズミなのかな? 
ニセアカシア立木の奥に川沿いの獣道があり、野ネズミも利用しているようです。 

シーン4:5/21・午前0:14 
林床で落枝の上を渡り、右へ移動して茂みの下に隠れてしまいました。 
前回と同じコースを辿り、タヌキの溜め糞には近寄りませんでした。 
晩秋の時期には果実をよく食べるタヌキの糞には種子が多く含まれていて、野ネズミはそれをよく採食していました。 
春になるとタヌキの採食メニューに果物は無くなり、糞に含まれる種子も無くなりますから、野ネズミが溜め糞に魅力を感じないのも当然です。 

シーン5:5/22・午前3:20 
立木の左奥を野ネズミがチョロチョロと徘徊しています。 
河畔林の暗闇を夜蛾が飛び回っていました。 

シーン6:5/22・午前3:31 
トレイルカメラの起動が間に合わず、登場シーンを撮り損ねました。 
野ネズミが落枝の上を駆けて行きます。 

シーン7:5/22・午後19:30 
立木の奥を左へ走り去りました。 


シーン8:5/23・午前0:09 
いつものように、ニセアカシア立木の奥を左へ。 

シーン9:5/23・午前3:06 
カメラの起動が間に合わず、林床を右下へ走る野ネズミがチラッと写りました。 

シーン10:5/23・午後21:25 
林床の落枝から右へ駆けていきました。 
その直後に面白い虫が登場したのですが、それについては記事を改めて書きます。 

シーン11:5/25・午前1:02 
左奥の立木の根際を左へ。 

シーン12:5/25・午前2:10 
落枝を渡って画面の下へ走り去りました。 

シーン13:5/25・午後22:45 
落枝を渡り、画面の下へ 


同一個体の野ネズミが同一ルートで夜な夜な巡回しているのですかね? 
この時期は複数の野ネズミが同時に写ることはありませんでした。


2022/07/22

止まり木で雪国のカワウ3羽が連続して脱糞(冬の野鳥)

 

2021年12月下旬・午後13:45頃・晴れ 

川岸に並ぶ倒木をカワウPhalacrocorax carbo hanedae)がお気に入りの止まり木として長年利用してきました。 
冬になって雪が積もると川の増水で流出(水没?)したのか、その倒木が減っていました。 
止まり木が減ったせいか、この日は4羽しかカワウが集まりませんでした。 
川幅をまたぐように川岸から2本のニセアカシアの木が倒れていて、晩秋にはカワウが鈴なりに並んで止まっていました。
ところが、その長い倒木に冠雪したせいか、なぜかカワウが1羽も止まっていませんでした。

撮影していると、並んでいる3羽のカワウが相次いで白い液状便を排泄しました。 
ここは水洗トイレになっていて、カワウの糞害問題は生じません。
よく晴れているのに、翼を広げて羽根を乾かす行動がなぜか見られません。 

2022/07/21

川沿いの獣道を夜中に通る夏毛のニホンノウサギ【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2022年5月中旬・午後23:10
前回の記事:▶ 雨夜の河畔林で跳ね回る夏毛のニホンノウサギ【暗視映像:トレイルカメラ】

河畔林のタヌキ溜め糞場rvを監視しているトレイルカメラに再び夏毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が写りました。 
冒頭でニセアカシア立木の奥で立ち止まっていました。 
下草を採食しているのかもしれませんが、残念ながらよく見えません。 
毎回ノウサギはタヌキの溜め糞に全く興味を示しません。 
やがてピョンピョンと右へ走り去りました。 
短い跳躍シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
※ 後半のスローモーションだけ動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しました。 

立木の奥は川沿いの獣道になっていて、今回ノウサギは上流へ向かって行きました。 
その獣道を利用する野生動物をしっかり撮影するために、逆のアングルで監視するトレイルカメラをもう1台設置すべきですね。 
少ない台数のカメラをやりくりするのは大変なのですが、後日試してみると…。 



2022/07/20

家庭菜園で回る鳥よけのレインボー風車(鳥害対策)

 

2021年6月中旬・午後15:30頃・くもり 

民家の家庭菜園でカラフルな風車が勢い良く回っていました。 
トマトを育てている畑のすぐ横の低い位置に設置されていたので、鳥害対策グッズの新商品なのでしょう。 
風が吹くと虹色の羽根が回り、鳥の目を幻惑する効果がありそう…かな? 
見慣れない物体が置いてあれば、鳥が警戒して近寄らなくなるのは当然です。 
しかし複数の鳥よけグッズを組み合わせないと、やがて鳥が慣れてしまって防鳥効果が薄れてしまうはずです。 
どうせならハイスピード動画でもレインボー風車の回転を撮れば良かったですね。 
先を急ぐ用事があったので、通りすがりにスナップショットの記録映像を撮っただけです。 

翌年にはこの家庭菜園でレインボー風車は使われなくなっていました。 
耐久性に問題があって壊れたのか、それとも私の予想通り防鳥効果が失われてしまったのでしょうか?


【追記】
そもそも野鳥がトマトを食害するのでしょうか?
私はそのような例を未だ一度も見たことがありません。
果菜類では、トマトが、ヒヨドリとカラスによって加害されます。(藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』p193より引用)

2022/07/19

春の河畔林でホンドタヌキが溜め糞場に排便する夜【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 春の河畔林で夜に溜め糞場の裏を素通りするホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】

2022年5月中旬・午前00:12 

河畔林の溜め糞場rvを監視している無人センサーカメラ(トレイルカメラ)で久しぶりにホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の脱糞シーンが撮れていました。 
冒頭から画角の右下隅で排便中でした。 
カメラをもっと下向きに設置しないとタヌキの全身像が写りません。 
(ニセアカシア立木の奥にある獣道の往来もついでに監視しようと欲を出して、カメラを少し上向きに設置したのでした。) 
タヌキが左手前に立ち去ると、黒い新鮮な糞が林床に追加されていました。 
この溜め糞場をタヌキはもう使わなくなってしまったのかと心配していたので、これで一安心。





【追記】
トレイルカメラの電池を交換するために現地入りすると、カメラを立木に固定するベルトにベッコウバエ♂(Dryomyza formosa)が止まっているのを見つけました。 
私が近づいたので、溜め糞から飛び立って避難したのでしょうか。
春にベッコウバエの成虫を見かけたのは初めてです。 
成虫で越冬するのかな?






 

2022/07/18

モンキチョウ♂2頭からの求愛を拒否して逃げ回る♀

 

2021年11月上旬・午後13:35頃・晴れ
前回の記事:▶ しつこく求愛中のモンキチョウ♀♂にモンシロチョウが乱入すると…

河川敷の草地で白い翅のモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)がムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の葉に止まっています。 
黄色い翅の♂が♀の正面に止まり、翅を小刻みに羽ばたいて熱烈に求愛していました。 
しかし♀は既に交尾済みのようで、新たな♂との交尾を拒否しています。 
♀が嫌がって飛び去ると、♂もすかさず飛んで♀を追いかけます。 
♀は近くのムラサキツメクサの葉に止まり直すと、改めて明確に交尾拒否姿勢をしています。
翅を開いて腹部を高々と持ち上げるのがシロチョウ科の♀に特有の交尾拒否行動です。 
新たに別個体の♂(黄色い翅)も飛来して、求愛行動に参戦しました。 
しつこいセクハラに堪りかねた♀は慌てて逃げ出し、♂2頭が追いかける展開になりました。 
計3頭のモンキチョウが低空で乱舞しています。 
三角関係という訳ではなく、この♀はもう♂と交尾したくないのです。

黄色い翅の♂は脈なしと諦めたのか♀を見失ったのか分かりませんが、白い翅の♀はなんとか♂を振り切りました。 
土手に咲いたカタバミに訪花すると、ようやく落ち着いて吸蜜を始めました。 
モンキチョウ♀1♂2の求愛および交尾拒否行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2022/07/17

オニグルミ堅果に残るアカネズミの食痕@河畔林

 

2022年5月中旬 

河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)の木の根際に転がっていたクルミの殻が気になって拾ってみました。 
オニグルミの堅果の側面2箇所(反対側)に丸い穴がくり抜かれていて、中身はすっかり食べられていました。 
これはフィールドサインの本でよく紹介されているアカネズミApodemus speciosus)の典型的な食痕です。 
熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』によると、
アカネズミの代表的なフィールドサインといえば、オニグルミの「2つ穴食痕」だ。両側の合わせ目上に2つの穴を空け、穴から中身をかき出して食べる。内部にはかき出した際についた門歯(切歯)のひっかき傷が残る。固い殻のある食べ物は共通してこの食べ方をするらしく、オニグルミだけではなく、サワグルミやウメの種子も同じような2つ穴食痕になる。(p132より引用)
フィールドサインに関する本を読んでいて気になるのは、ヒメネズミの食痕である可能性はないのか?という点です。 
アカネズミの食痕と言い切れるのでしょうか?
やや小型のヒメネズミはクルミの実に歯が立たないのかな? 
インターネットで検索すると、答えが見つかりました。
クルミの食痕ですが、リスはクルミを割って食べますが、アカネズミは穴を開けて食べるので区別できます。ヒメネズミは体が小さく力が弱いためか、クルミは堅いので、食べるのは難しいようです。また、経験の乏しい若いリスやネズミが食べたクルミは、削られた部分の割合が多くなっているので、経験豊富な大人が食べたものと区別できます。 縫合線上に2つの穴をあけるのが、(アカネズミの:しぐま註)効率の良い食べ方。(仙台市太白山自然観察の森情報誌『森のおくりもの』2011年2月号のPDFより引用)

このクルミの実は川の上流から漂着した可能性もありますが、発見現場の5m以内にオニグルミの木が自生していました。 
冬ごもりに備えて野ネズミが秋の間にクルミの実をせっせと貯食したのでしょう。 
実はここはタヌキの溜め糞場rvで、トレイルカメラを長期間設置していた場所です。 
夜な夜な撮れた暗視映像を見ていると、ニセアカシアの根元に野ネズミの巣穴(隠れ家、食堂)があるではないか?と推測していました。 
今回クルミの食べ残しが見つかったことで裏付けられました。
関連記事(1,6年前の撮影)▶  
トチノキの種子に残るアカネズミ?の食痕 
タヌキの溜め糞場にクルミの実を埋めて貯食する野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】


※ この動画はクルミの実を拾い直したtake2です。 
何気なく拾い「あっ! 野ネズミの食痕だ!」と気づいてから木の根元に戻し、改めて動画で記録しました。 
地面に元々置かれていたクルミの向きは少し変わってしまいましたが、下に掲載した全景写真に初めの状態が写っています。

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