2022/07/17

オニグルミ堅果に残るアカネズミの食痕@河畔林

 

2022年5月中旬 

河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)の木の根際に転がっていたクルミの殻が気になって拾ってみました。 
オニグルミの堅果の側面2箇所(反対側)に丸い穴がくり抜かれていて、中身はすっかり食べられていました。 
これはフィールドサインの本でよく紹介されているアカネズミApodemus speciosus)の典型的な食痕です。 
熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』によると、
アカネズミの代表的なフィールドサインといえば、オニグルミの「2つ穴食痕」だ。両側の合わせ目上に2つの穴を空け、穴から中身をかき出して食べる。内部にはかき出した際についた門歯(切歯)のひっかき傷が残る。固い殻のある食べ物は共通してこの食べ方をするらしく、オニグルミだけではなく、サワグルミやウメの種子も同じような2つ穴食痕になる。(p132より引用)
フィールドサインに関する本を読んでいて気になるのは、ヒメネズミの食痕である可能性はないのか?という点です。 
アカネズミの食痕と言い切れるのでしょうか?
やや小型のヒメネズミはクルミの実に歯が立たないのかな? 
インターネットで検索すると、答えが見つかりました。
クルミの食痕ですが、リスはクルミを割って食べますが、アカネズミは穴を開けて食べるので区別できます。ヒメネズミは体が小さく力が弱いためか、クルミは堅いので、食べるのは難しいようです。また、経験の乏しい若いリスやネズミが食べたクルミは、削られた部分の割合が多くなっているので、経験豊富な大人が食べたものと区別できます。 縫合線上に2つの穴をあけるのが、(アカネズミの:しぐま註)効率の良い食べ方。(仙台市太白山自然観察の森情報誌『森のおくりもの』2011年2月号のPDFより引用)

このクルミの実は川の上流から漂着した可能性もありますが、発見現場の5m以内にオニグルミの木が自生していました。 
冬ごもりに備えて野ネズミが秋の間にクルミの実をせっせと貯食したのでしょう。 
実はここはタヌキの溜め糞場rvで、トレイルカメラを長期間設置していた場所です。 
夜な夜な撮れた暗視映像を見ていると、ニセアカシアの根元に野ネズミの巣穴(隠れ家、食堂)があるではないか?と推測していました。 
今回クルミの食べ残しが見つかったことで裏付けられました。
関連記事(1,6年前の撮影)▶  
トチノキの種子に残るアカネズミ?の食痕 
タヌキの溜め糞場にクルミの実を埋めて貯食する野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】


※ この動画はクルミの実を拾い直したtake2です。 
何気なく拾い「あっ! 野ネズミの食痕だ!」と気づいてから木の根元に戻し、改めて動画で記録しました。 
地面に元々置かれていたクルミの向きは少し変わってしまいましたが、下に掲載した全景写真に初めの状態が写っています。

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