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2025/01/16

スギ林縁で追いかけっこ、横枝に飛びつきブランコ遊び、格闘を繰り返してはしゃぎ回るニホンザルの群れ

 

2023年12月中旬・午後15:30頃・くもり 

夕方の山麓を遊動するニホンザルMacaca fuscata fuscata)を追跡したら、スギの植林地まで来ました。 
おそらく猿たちは、ここを今晩眠るねぐらとするのでしょう。 
ところが、若いニホンザルたちはまだ遊び足りないようです。 
薄暗くなってきたスギ林縁ではしゃぎ回っています。 

林縁に立ち並ぶスギの横枝に掴まった子猿が、しなって揺れる枝の感覚を楽しんでいます。 
別の若い個体がキキキッ♪とかカカカッ♪などと鳴きながら激しく走り回り、追いかけっこが始まりました。 
せっかく山から降りてきて塒入りしたのに、塒のスギ林を再び離れ、急斜面の土手を登り返しています。 

追いかけられて逃げる個体が急斜面を林縁まで駆け下りると、スギの横枝に飛びつき、追手をかわしました(一時避難)。 
猿の体重でしなる枝を利用して、ターザンごっこのようなブランコ遊びをしてから地上に降りました。 
それを見た追手も同様にブランコ遊びをしました。 

土手に座って仲間が遊ぶ様子を見物している個体もいます。 
途中から別個体も走ってきて、ブランコ遊びに合流しました。 
追いかけっこしながらスギ林内に駆け込んでも、また走って土手まで戻ります。 
若いニホンザルたちは、スギ林縁の横枝を使ったブランコ遊びのスリルが大好きなようで、何度も飽きずに繰り返しています。 
土手のあちこちで追いかけっこが繰り広げられていて、どこを撮ったらよいのか目移りしてしまいます。 

いつもとは逆に、猿がスギ林縁から土手を少し駆け上がり、頭上のスギ横枝に飛びついてブランコ遊びをすることもありました。 (@2:00〜、@4:22〜)
このパターン(三角跳び?)は初めて見たかもしれません。 

土手からスギの枝葉に飛びつく際に、枝の選択や目測を誤ると、しなる枝とともに猿は地面に落ちて引きずられてしまいます。 (@3:25〜)
幸い怪我はなかったようですが、上手く遊ぶには反復学習が必要みたいです。 
スギの枝を掴み損ねた個体は、ブランコ遊びが上手くいかない苛立ちからか、腹立ち紛れにスギの枝葉に噛み付きました。 (@2:05〜)

土手を登る途中で立ち止まり、左足の裏についたゴミを手で払う個体がいました。 (@5:28〜)
スギの落ち葉を踏んでしまい、足裏に刺さったのかな? 
それを見ていた別個体が挑発するように、土手からスギ枝葉に飛びついて、相手の目の前でブランコ遊びを始めました。 
すぐに軽い取っ組み合いになり、2頭は暗いスギ林内へ走り去りました。 

逃げる相手に追いついて対峙しても、深刻な喧嘩にはならず、軽い小競り合いをするだけでした。 
(立ち止まって追手を待ち構えることもあります。)
腕を振ったり猫パンチをしたりして、相手を追い払いました。 
遊びの一環で、ふざけて軽く格闘しているだけのようです。 
格闘遊びの際に鳴き声はほとんど発してませんでした。

一連の遊びの行動は以前にも同じ地点で何回か観察しています。 
季節も時間帯も違いますが、おそらく同じ群れに代々伝わる遊びなのでしょう。 
猿のブランコ遊びを土手の上から見下ろすのではなく、土手の下から改めて撮影したかったので、今回ようやく目標を達成することができました。 

ニホンザルたちが大袈裟にはしゃぎ回ってスギの横枝を繰り返し揺らしてるのは、もしかすると、近くでしつこく撮影を続ける私に対する威嚇誇示(ディスプレイ)の意味合いもあったりするのでしょうか? 
なんとなく、私の目を意識して、私に見せつけているような気もしました。
塒のスギ林から私に早く立ち去って欲しいのかもしれません
ニホンザルの威嚇誇示と言えば、木揺すり(枝揺すり)が有名です。 
ヒトが近くに居るときしか、この飛びつきブランコ遊びをやらないとしたら、それはそれで面白いですね。
無人カメラを設置して、猿の行動を監視してみたいものです。

12月はニホンザルの交尾期なのに、今回はしゃぎ回っていたのは発情していない若い個体ばかりでした。 
顔や尻が真っ赤になっていないことから分かります。 
つまり、追いかけっこや小競り合いに見えたのも、交尾相手を巡るシリアスな喧嘩ではありません。 
一方、発情した成獣たちは求愛や交尾行動で忙しくて、遊ぶ暇もないのでしょう。 

※ 猿の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


余談ですが、動画の冒頭で聞こえる謎の鳴き声が気になります(@000〜0:50) 。
今まで聞いたことのない不思議な鳴き声を文字に表す(聞きなし)のは難しいのですけど、「Wrrrrrrrrreeee!」とか「Krrrrrrrrrrrreeeee!」「Grrrrrrrrrrrreeeee!」のように聞こえました。
途中で鈴を転がすような巻舌のような不思議な鳴き声です。 
後半は尻上がりに音程が上がりました。 

私の頭上のどこか樹上でニホンザルが鳴いているようですが、その姿を見つけられませんでした。(映像公開予定?)
眼の前で他のニホンザル個体による面白い行動が次々と展開されるので、辺りを見回して鳴き声の主を探すのも我慢して動画撮影を続けました。
後回しにするつもりでいたら、謎の鳴き声は止んでしまいました。

この鳴き声は、ニホンザルの繁殖期と何か関係があるのでしょうか? 
それとも、迷子になった子猿が不安になって母親を呼んでいるのかな? 
謎の鳴き声の意味をあれこれ調べてみたのですが、よく分かりません。
ここから先の解釈は、まったくの的外れかもしれませんが、個人的な備忘録として残しておきます。 

小田亮『サルのことば: 比較行動学からみた言語の進化 (生態学ライブラリー)』を読み返してみると、おそらく私が聞いた鳴き声は、ニホンザル♀による発情音、その中でもトーナルコールではないかと予想しました。 
私は目の前に居た別個体の動画撮影に集中していたために、樹上で鳴き声を発した個体を見ていませんが、おそらく意中の♂と接触する前の段階だったのでしょう。
 ニホンザルにとって秋は恋の季節である。1年のうち秋から冬にかけてしか発情しないニホンザルの♀は、この時期には顔を真っ赤にし、「クゥーァー」あるいは「ギャッギャッギャッ」という音声(発情音)をひっきりなしにあげている。(p89より引用)
発情している♀は顔を真っ赤にし、しきりに発情音をあげている。やがて♂が1頭近づいてくる、あるいは♀の方から接近していくのだが、そこですんなりと交尾に至るわけではない。交尾期以外は、オトナの♂と♀はめったに接近することはない。♀にとって、大きく力の強い♂は恐ろしい存在なのだ。しかしながら、性的欲求は♂に近づくことを求めている。(中略)馬乗りと馬乗りのあいだにも、ときには♀が逃げたり、グルーミングをしたりして、かなり時間が空くことがある。そのあいだ、♀は激しく発情音を発するのである。 
 ♀の発情音は、その音響的特徴によって大きくふたつに分けられる。耳で聞いただけでもだいたいの区別はつくのだが、周波数分析をしてみた(中略)。ひとつは、伊谷によって、<uyaa><ugyaa>などと記載されている、比較的長くて雑音の少ない音声であり、もうひとつは、<ka・ka・ka・ka...>と記載されている、短くて雑音成分の多い音声である。前者をトーナルコール、後者をアトーナルコールと呼ぶことにした。(中略)♂との接触前にはトーナルコールが期待値より多く発せられているのに対し、♂との接触後にはアトーナルコールの方が期待値より多くなっていた。どうやら交尾相手の♂との距離によって違う種類の発情音が使われているようだ。(p94〜95より引用)
ニホンザルが性的に活発なのは早朝だ。(p97より引用) 
・どうやら、♀は発情音(アトーナル:しぐま註)を発することで他個体の注意をひき、妨害行動を誘発することで♂をふるいにかけていると考えられる。(p98より引用) 
性的二型が大きな種において発情音が発達しているという結果は、まさに♀の発情音が♂間競争を煽っているということを裏付けているものである。(p103より引用)
 

1999年に出版されたこの本の内容は少し古いかもしれないので、AI Perplexityで質問した回答によれば、
ニホンザル♀のトーナルな交尾音は「ウァー」という尻上がりの声でビブレーション(振動)がかかっている。比較的明確な音程や調子を持つ音声です。 オスとの距離が遠いときは、トーナルな交尾音が多く使われる。

問題は、ニホンザル研究者が♀による発情音(トーナルコール)と呼んでいる鳴き声を実際に試聴して聴き比べたいのに、いくらネット検索しても見つからないことです。 
YouTubeや「動物行動の映像データベース」などに鳴いている様子の動画をニホンザル専門家がアップロードしてもらえると助かるのですが…。 
私の検索の仕方が下手なだけかもしれないので、音声ファイルまたは動画の在処をご存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えてください。 

仕方がないので、この動画に含まれる謎の鳴き声を後で声紋解析してみます。
上記書籍の図4-1(p96)に掲載されたアトーナルコールおよびトーナルコールのサウンドスペクトログラムと比べてみれば、分かるはずです。

もしも謎の鳴き声に関する私の解釈が正しければ、♀の発情音で誘引された他の♂たちが交尾の邪魔をして、それによって一連の騒動(はしゃぎ回りに見えた)が巻き起こったのかもしれません。
「カカカ…♪」という鳴き声は、威嚇や喧嘩の際に発するのかと私は今まで思っていました。
しかし、はしゃぎ回っていた個体は未発情の若い個体ばかりだったこと、交尾期前の夏にも同じブランコ遊びが見られたことが説明できなくなります。

野生ニホンザルの鳴き声が伴う行動を動画でしっかり記録して正しく解釈するのは、なかなか大変です。
理想的には、バウリンガル(犬用)やミャウリンガル(猫用)のように、ニホンザルのさまざまな鳴き声の意味や感情を音声翻訳してくれる機器や携帯電話アプリが登場することを期待します。

2025/01/03

ママコナの花で吸蜜中のミドリヒョウモン♀を追い払うアリ【ハイスピード動画】

 



2023年8月下旬・午前11:05頃・晴れ 

低山の尾根道に咲いたママコナの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)の吸蜜シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみたら、ちょっと面白い事件が起きていました。 
近づいてきたクロアリ(種名不詳)のワーカー♀がミドリヒョウモン♀の足(右中脚跗節)に噛み付いて、ママコナの花から追い払ったのです。
蜜源植物を防衛する占有行動でしょうか。
アリに足先を噛まれたミドリヒョウモン♀は、驚いて飛び去りました。

2024/12/01

落葉後の木を激しく揺すって威嚇誇示♪するニホンザル♂(木揺すり行動)

 

2023年12月中旬・午後15:05頃・くもり 

山麓を流れる水路沿いに遊動してきた2頭のニホンザルMacaca fuscata fuscata)のうち、先頭個体(発情した♂成獣)に注目して下さい。 
2頭は谷を渡る水路橋のたもとまでやって来ました。 
後続個体については別の記事しました。

先行♂個体は橋の下の谷を覗き込んで、群れの仲間の動向を気にしています。 
特に、この時期はニホンザルの交尾期ですから、♀成獣を探しているのかもしれません。 

先行する♂が谷の対岸から水路橋の手摺を伝い歩きでこちらにどんどん渡って来ます。 
このとき私は谷の此岸で突っ立ったまま撮影に集中していました。 
遊動中のニホンザルにしてみれば、私はまるで「この橋渡るべからず」と意地悪に通せんぼしているように見えたはずです。 
さあ、近づいてくるニホンザル♂はどうするでしょうか? 
「猿に道を譲ってあげたら良いのに」と言われそうですが、遊動する野生ニホンザルの群れを見つけた途端に私はその場にフリーズ(静止)し、心を無にして(気配を消して)撮影観察を始めたのです。 
今までの経験上、私が少しでも動くとニホンザルはてきめんに警戒して逃げ出してしまうはずです。 

先行する個体は、橋の手摺から横の落葉高木(樹種不明)にひょいと跳び移りました。 
このとき股間に紅潮した立派な睾丸が見えたことから、発情♂と判明。 
樹上で落葉後の枝を激しく揺すりながら大声で吠えました。 
猿が乗って激しく揺すっている枝がボキッと折れたら谷底に落ちるのではないかと心配になります。 
明らかに私の方を向きながら木揺すりしたことから、進路をふさぐ私に退いて欲しくて、威嚇してきたようです。 
橋の下の谷に散開して採食遊動している群れの仲間(特に発情♀)に向けての存在アピールも兼ねているのかもしれません。(ヒトに立ち向かう俺って勇敢だろ? 見て見て!) 
しかし木揺すり行動は過去にも見ていて想定の範囲内だったので、私は何も反応しませんでした。 
私はニホンザルとは決して目線を直接合わせず、少し俯いてカメラのバックモニターをひたすら注視していました。
私を追い払うどころか無視されたので、発情♂の威嚇誇示はわずか7秒間で終わりました。 

その木揺すりを見ていた群れの他のニホンザルたちの反応が気になります。
しかし、私は発情♂にズームインしてその行動を撮影するのに集中していたので、遠くに居る他個体の反応を同時に知ることが出来ませんでした。
後続の若い♀(跛行個体)は、木揺すりに驚いたり怯えたり感心するなどの反応を特に何も示しませんでした。

発情♂は樹上から再び水路橋の手摺に戻ろうとジャンプしたものの、着地に失敗してあやうく落ちかけました。(猿も木から落ちる?) 
手摺に無事登り直すと、伝い歩きで更に近づいて来ます。 
水路橋を渡り終えそうになると、発情♂はまたもや手摺から横の落葉性高木へと身軽に飛び移りました。 
そのまま木を下って地上に戻り、邪魔な私を無事に迂回できました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:46〜) 
この♂個体は右耳の耳介が無いことに気づきました。 
過去の喧嘩で食いちぎられたのかな? 

木揺すり威嚇誇示するニホンザルはいつも♂なのか?(男性ホルモンが関わる攻撃性なのか?)という疑問がわきました。
文献検索すると岡山県の餌付け群で長期観察した研究成果の学会発表がヒットしたので、ありがたく抄録を読んでみました。
中道正之; 山田一憲. ニホンザルの木ゆすり行動. In: 霊長類研究 Supplement 第 39 回日本霊長類学会大会. 日本霊長類学会, 2023. p. 34-34. 
♂の方が頻度が高いものの、♀も木揺すり行動をすることはあるそうです。

中心部オスは、交尾期だけでなく、非交尾期も木ゆすりを行ったが、音声を伴う木ゆすりは交尾期に多く、非交尾期では少なかった。他方、周辺部オスや集団外オスの木ゆすりは交尾期に集中し、しかも、音声を伴った木ゆすりの割合が中心部オスよりも有意に高かった。(中略)尚、28歳の高齢αオスは木ゆすりを全く行わず、目立つ攻撃行動もわずかであった。メスの木ゆすりのほとんどは、αメスとその娘たちによって、非交尾期に行われ、音声を伴うことはほとんどなかった。以上の結果から、目立つ攻撃行動をメスに行うことが困難であった周辺部オス、集団外オスは、音声を伴う木ゆすりを行うことで、メスに自身の存在を知らせ、引き付ける木ゆすりの効果(広告効果)をより高めていたと思われる。他方、中心部オスはメスに対する目立つ攻撃行動が可能だったので、音声を伴う木ゆすりの割合が低くなったと思われる。

下線部を元に素人が勝手に解釈すると、今回、交尾期に鳴きながら木揺すりした発情♂は、群れ内の順位が高くない個体(周辺部♂)で♀にアピールしていた、という可能性もありそうです。
しかし今回は明らかに対ヒト(観察者)の木揺すり威嚇行動に見えたので、ニホンザル同士のディスプレイに注目した研究結果を当てはめるのは不適切かもしれません。
ポイントとなるのは、猿は近くで観察する私のことなど実は眼中になくて木揺すり行動したのか?、という点です。
当地のニホンザルは餌付けしなくても、ときどき遭遇する私に少しずつ慣れてくれたので、私を無視して自由に振る舞ってくれたのなら観察しやすくて助かります。

この後も同じ群れで遊動するニホンザルが次々に水路橋を渡ってきたのですが(動画公開予定)、木揺すり威嚇した個体は他にいませんでした。
だとすれば、唯一木揺すりした♂個体はいわゆる「ボス猿」的なα♂だったのかもしれない、と考えたくなります。

2024/10/26

越冬用巣穴に籠城して巣口をガードするニホンアナグマと巣外をうろつく別個体の小競り合い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬・午前2:57〜3:17 

ニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用巣穴Lから深夜に1頭の個体aが顔を外に出したり引っ込めたりして周囲を警戒しています。 
激しい唸り声がしたので何事かと思ったら、左から別個体bがやって来ました。 
巣口Lのアクセストレンチで2頭が対峙しても、激しい喧嘩は勃発しませんでした。 
その後もアナグマbは緩慢な動きで巣口Lの周囲をうろついています。 

アナグマbが巣内に入れて欲しいのに、アナグマaが門衛のように巣口Lをがっちりガードして拒んでいるようにも見えてきます。 
アナグマbは越冬できる巣穴を探し歩いている余所者の個体なのでしょうか? 
巣外をうろつく個体bはα♀(右目<左目)のような気もするのですけど、はっきりしません。 
α♀(右目<左目)なら、力関係で一番上のはずだったのに、まさか縄張り争いに負けて越冬用巣穴から締め出されたのかな?

アナグマbが一旦セットから離れると、アナグマaが巣口Lから外に出て見送り、辺りを警戒しています。 
侵入者bを激しく追いかけてセット(越冬用営巣地)から真剣に追い払ったようには見えません。 
しばらくすると、アナグマbがまたこっそり戻ってきました。 
門衛aと巣口Lで並んでも喧嘩にはなりませんでした。 

アナグマbが立ち去る前に獣道で座り込んだのは、スクワットマーキング(匂い付け)の意味もあったのかもしれません。 
獣道を右上奥に立ち去ったのかと思いきや、獣道の途中で未練がましく佇んで侵入のチャンスを伺っているようです。 
その気配を感じているようで、門衛aは警戒を緩めずに、巣口Lをしっかりガードしています。 

戻ってきた侵入者bが再びセットを右から左に横切り、巣口Rに近づくと、またもや激しい唸り声が聞こえました。(@4:36〜) 
唸り声と言うかフガフガ♪というような鳴き声で、繁殖期の求愛声(ジェジェジェビーム♪)と似ている気もします。 
それを聞いたアナグマaは怖がって(警戒して?)巣口Lの奥に引っ込みました。 
おそらく、隣の巣穴Rの主が威嚇して侵入者bを追い払ったのでしょう。

侵入者bがセットから離れると、門衛aは巣口Lの外に出てきて周囲を警戒しますが、決して遠くまでは行きません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
素人目には、巣穴に入りたい個体と、入れたくない個体の静かな攻防戦に見えました。 
これがもし早春なら♂が♀の巣穴に求愛(夜這い)に来て拒まれたのだろうと解釈するのですが、撮影時期が初冬なので、いくらなんでも早すぎます。
越冬用の巣穴を巡ってアナグマ同士で争奪戦があるのでしょうか? 
もしかすると越冬用巣穴には定員があって、家族全員を収容できないのかもしれません。 
それならアナグマは穴掘りが得意ですから、越冬に備えて秋の間に巣穴を広く深く掘り広げる時間はいくらでもあったはずです。 
もしかすると、この越冬用巣穴は男子禁制なのかもしれません。

秋まで頻繁に見られた幼獣同士の格闘遊びの延長、あるいは誤認によるニアミス威嚇♪だった可能性もあって、よく分かりません。 
アナグマの個体識別をしっかりしないことには、解釈が難しいのです。 

これは何か重要な事件を記録した動画のような気がするのですが、別アングルで設置したトレイルカメラが不調で(電池切れ?)何も写っていないのは残念でした。 
2台の監視カメラで動画を撮れていれば、互いに補完し合って事件の全貌が掴めたはずです。 



2024/10/22

帆翔するトビと追い回すカラスとの激しい空中戦(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後16:30頃・くもり・日の入り時刻は午後17:16 

広大な田園地帯でトビMilvus migrans)が刈田から飛び立ちました。 
夕方は上昇気流が弱いようで、帆翔が安定せず、高度がなかなか上がりません。 
その様子を動画に撮り始めたら、カラス(種名不詳)の群れが嗄れ声を上げながら飛来しました。 
集団ねぐらに向かって飛んで行く途中のようです。 
カラスの群れはトビの下を通り過ぎたのですが、1羽のカラスがトビに対して単独でモビング(擬攻撃)を始めました。 
繁殖期ではないので、カラスの全個体がモビングに参加する訳ではなく、この辺りを縄張りとする個体だけが天敵の猛禽を追い払うようです。 

裏山の方へ飛んで逃げるトビをカラスが執拗に追い回しています。 
トビは右に左に旋回したり高度を上下に少し変えたりすることで、背後から迫るカラスの攻撃を上手くかわしています。 
カラスが一方的に攻撃するだけで、小回りの効かないトビは反撃しません。
そもそもトビは生きた獲物を狩る猛禽ではないのです。
逃げるトビの鳴き声は聞き取れませんでした。 
カラスはようやく諦めて飛び去りました。 
遠かったので、カラスの種類がハシボソガラスCorvus corone)かハシブトガラスCorvus macrorhynchos)か見分けが付きませんでした。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2024/10/11

越冬用営巣地に侵入したホンドタヌキに突進して追い払うニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月上旬・午後20:55頃


シーン1:12/4・午後20:53・気温-1℃(@0:00〜) 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)にある晩、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で現れました。 
画面の右に行きかけたタヌキが左を振り返ってじっと見ています。 

やがて、巣穴の主である丸々と太ったアナグマが左から登場しました。 
異種の2頭が少し離れて対峙しています。 
暗闇で互いに相手の姿をどのぐらい見えているのでしょう? 
視覚ではなく嗅覚で相手の存在を認識しているのかもしれません。 

巣穴の主であるアナグマの方がやはり強気で、侵入者タヌキに向かって突進しました。 
しかしアナグマは本気で喧嘩(格闘)するつもりはなくて、威嚇してタヌキを追い払うだけのつもりだったようです。(ブラフのブル・チャージ) 
アナグマの剣幕に驚いたタヌキは慌てて右へ逃走しましたが、アナグマはそのまま巣穴Rに入りました。 
タヌキに突撃しようとしたら、目の前に巣口Rが現れて減速したのかもしれません。 
アナグマは巣口Rの右で座って地面に尻を擦り付け、縄張りを主張する匂い付けを行ったようです(スクワットマーキング)。 
次に、タヌキが居た地点で残り香を嗅ぎ回っています。 
侵入者を深追いすることはありませんでした。 


シーン2:12/4・午後20:53(@1:00〜) 
アナグマがタヌキに向かって突進する様子は、別アングルでも同時に撮れていました。 
おそらくタヌキがセットに侵入した気配を感じて巣穴Lから外に出てきたのでしょう。 
あるいは、外出からセットにちょうど戻ってきたアナグマがタヌキと鉢合わせしたのかもしれません。)

アナグマの個体識別ができていませんが、ここで出産育児した♀(右目<左目)でないことは確かです。 
アナグマはタヌキに向かって黙って突進し、威嚇の鳴き声を発していませんでした。 (奇襲攻撃?)



シーン3:12/4・午後20:58・気温0℃(@1:26〜) 
4分後に何者かが画面の左端を左へ立ち去りました。 
さっき逃げたタヌキがこっそり戻って来たのかもしれません。 


【考察】
生活圏が重なるニホンアナグマとホンドタヌキは、この二次林や餌場、溜め糞場などで頻繁にニアミスして互いに顔馴染みのはずです。 
縄張り内をそれぞれ匂い付け(マーキング)しているので、その匂いでも互いに認識しているはずです。 
実際にニアミスしたシーンをしっかり撮れたのは初めてかもしれません。 


2024/10/08

越冬用巣穴で小競り合いの後にスクワットマーキングするニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月上旬 

シーン0:12/4・午後12:59・くもり(@0:00〜) 
シーン0:12/4・午後13:45・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の落葉した二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)を新旧2台旧機種のトレイルカメラで見張っています。 
画面の奥に見える常緑の低い茂みはヒメアオキの群落です。 


シーン1:12/7・午前2:03(@0:07〜) 
深夜に左からゆっくり登場したアナグマ♂aが巣口Lの手前でぼんやり佇んでいます。 
素人目には顔つきが♂に見える(鼻面が短い)のですけど、どうでしょうか? 
ようやく左に引き返したところで、奥のヒメアオキ群落の奥に侵入者(別個体♂b)の白く光る目が右に動いています。 
手前のミズキ灌木の陰でアナグマがガルルル…♪と鼻を鳴らすような唸り声を発しました。
(鳴き声の主が♂aとは限りません。) 

画面奥の常緑ヒメアオキの茂みの奥から右に回り込んで獣道を駆けてきたのは、アナグマ♂bでした。 
セットに接近してきた侵入者♂aを巣穴の主♀が追い払ったのだと思います。 
アナグマの♂が♀の巣穴に夜這い(求愛)をするには時期が早すぎます。 
初冬のこの時期は、越冬用の巣穴を奪い合う争いがあるのでしょうか? 
残念ながら、同じシーンを別アングルの監視カメラでは撮れていませんでした。 


シーン2:12/7・午前2:04(@0:59〜) 
セットに駆けつけたアナグマ♂bがそのまま左へ行く途中で、巣口LRの中間地点の地面にスクワットマーキングしました。 
匂い付けで縄張りを主張したことになります。 


シーン3:12/7・午前2:07(@1:13〜)
ところが、約2分半後に2頭のアナグマが前後して獣道を右上奥へノソノソ立ち去る姿が写っていました。 
この2頭は敵対関係ではないということは、当歳仔(とうさいご)の兄弟なのかな?と素人が勝手に想像しています。 
通りすがりにオニグルミ立木の横に2頭が続けてスクワットマーキングして行きました。 


シーン4:12/7・午前2:10(@1:28〜) 
約3分後にまた左からアナグマが登場しました。 
おそらく巣口Rから外に出てきて周囲の様子を窺っているのでしょう。 
この個体は顔つきが♀のように見えます。 
巣口Lで立ち止まり、立ったまま後足で痒い腹を掻きました。 
そのまま巣穴Lに入るのではないか?と予想したのですが、カメラの電池が消耗していててそこまで見届けられませんでした。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


最近も外出から戻った2頭のアナグマが巣口R付近で小競り合いしてから入巣Rする謎の行動が記録されていました。

夜の森で各々がうろついていて、たまたまセット付近でニアミス(鉢合わせ)したときに、視力が悪いアナグマはびっくりして喧嘩腰に誰何してしまうのかもしれません。(誤認闘争?) 


2024/10/02

越冬用巣穴に入る前に取っ組み合いをする2頭のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン0:11/23・午後12:14・気温26℃(@0:00〜) 
明るい時間帯に撮れた現場の状況です。 
平地で落葉した二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)をトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:11/27・午前0:44・気温0℃(@0:04〜) 
深夜に2頭のアナグマが前後してセットに現れました。 
巣口Rの匂いを嗅いでいた先行個体が振り返ると、後続個体がにじり寄ってから飛びかかりました。 
越冬巣穴を巡る縄張り争いが勃発したのでしょうか? 
小声で唸りながら格闘しています。 
ところが、すぐに取っ組み合いを止めて2頭が相次いで巣穴Rに潜り込んだので、幼獣同士による遊びの兄弟喧嘩ではないかと思います。 
(夏から秋にかけて、アナグマ幼獣同士の格闘遊びを散々見てきました。)
それまで一緒に採食に出かけていた兄弟(姉妹?)がセットに戻ってきて、誰が先に入巣Rするか、という幼稚ないざこざがあったのかもしれません。



越冬に備えて脂肪を蓄えているために体型が変わってしまって分かりにくいのですが、素人目には2頭ともずんぐりむっくりとした♂のように見えます。(自信なし) 
顔馴染みがある母親♀(右目<左目)でないことは確かです。 


シーン2:11/27・午前1:36(@0:46〜) 
(シーン1との関連や繋がりはなくて、おまけのような付け足しです。) 
約1時間後に出巣R直後と思われるアナグマが左へ立ち去り、しばらくすると、別個体(♀?)が巣口Rに顔を出して外の様子を警戒しています。 

計何頭のアナグマがこの営巣地で越冬するのか知りたいのですが、やはり個体識別がしっかりできないことには話になりません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→(今回のシーン1と2の間に起きた出来事)

2024/09/01

オオマルハナバチ♀の脚上げ威嚇反応

 



2023年11月上旬・午後15:00頃・くもり 

訪花吸蜜していたオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)がセイタカアワダチソウの花穂からなかなか飛び立たないので、衰弱して飛べないのかな?と心配になりました。 
寿命が近いワーカー♀なのかな?
体に寄生ダニなどは付着していませんでした。 

私が動画を撮りながら右手で捕まえようと蜂に軽く触れたら、その度に中脚および後脚を高々と持ち上げました。 
威嚇姿勢のようですが、毒針を伸ばして誇示することありませんでした。 
蜂がしがみついていた花穂の先をちぎり取り、なんとか蜂を手乗りさせることができました。 

この個体はとにかく動きが緩慢で、元気がありません。 
口元を見ても、私の皮膚から汗を舐めているようには見えませんでした。 

私が指先でオオマルハナバチ♀の体にそっと触れる度に、脚を1〜2本持ち上げます。 
体を傾けて、刺激された同側の脚をいつも上げるのが興味深いです。 
正面から触角に触れると、左右の中脚を同時に持ち上げて万歳の体勢になりました。 
「それ以上近づくなよ」という警告・威嚇の意思表示なのでしょう。 
脚に鋭い棘や爪、キック力がある訳でもないのに、敵に対してどれだけ威嚇・牽制の効果があるのか疑問です。
 (私にはハッタリで虚勢を張っているようにしか見えません。) 
私が面白がってしつこく反応を調べても、繰り返し刺激への馴化(慣れ)はなさそうです。 
苛立ったオオマルハナバチ♀が毒針で私の手を刺してくることはありませんでした。 
ちなみに、ハチとは進化的に離れた系統のコガネムシ類でも似たような脚上げ威嚇姿勢が見られます。

この個体は翅や体毛が全く擦り切れておらず、大型なので、ワーカー♀ではなく新女王なのかもしれません。 
一般的に、女王蜂の攻撃性が低いのは当然です。 
真社会性ハチの女王は次世代に子孫を残す使命がありますから、毒針を使って敵と戦うのではなく、極力逃げることを選択します。(逃げるが勝ち、三十六計逃げるに如かず) 
下手に敵と戦うと反撃を食らって死傷する可能性があるからです。 
もしも元気なワーカー♀を相手に同じ実験をしたら、怒った蜂に毒針で手を刺されていたかな? 

実験に満足した私は、蜂をセイタカアワダチソウの花穂に戻してやろうとしたのですが、なかなか上手く行きません。 
もたついている間に、オオマルハナバチ♀はブーン♪と羽音を立てて飛び去ってしまいました。 
私の体温で充分に温められたのか、飛び立つ前に胸部の飛翔筋を震わせる準備運動をしませんでした。 
しかし飛ぶ力は弱く、羽ばたきながら私の手から落ちてなんとかセイタカアワダチソウの茎に引っかかりました。 
再び自発的に飛んだものの、あまり遠くまで飛べませんでした。 
気温を測り忘れましたが、私の体感では寒さを全く感じませんでした。 

マルハナバチの経済学』という専門書のp264に「マルハナバチの巣内での諸行動」と題したイラストが掲載されています。 
その中に、「中後脚をあげるマルハナバチ独特の警戒姿勢」が示されていました。 
私の知る限り、この行動について書かれた本はこれだけです。 
同じイラストによると、マルハナバチの攻撃姿勢は更に独特で、なんと仰向けにひっくり返るのだそうです。 (おそらく、このとき毒針を見せつけるのでしょう。) 
私は未だ実際に見たことはないのですけど、マルハナバチの巣を手荒く暴いたときぐらいにしか攻撃姿勢は見られないのかもしれません。 

この行動を指す正式用語をどうしても知りたくて、Google Scholarで検索してみると、最近の研究論文を見つけました。 
全文が無料で公開されています。 
マルハナバチの脚上げ反応(万歳姿勢、ハイタッチ)が注目されるようになったのは、ごく最近のことなのだそうです。
disturbance leg-lift response (略してDLR)と名づけていますが、 disturbanceが日本語に訳しにくいです(撹乱?)。
「蜂にちょっかいかけると脚を高く上げる」というニュアンスです。
素人が勝手に「脚上げ威嚇反応」と名づけてみました。
専門家による用語の正式な和訳を見つけたら、訂正します。


【参考文献】 
Varnon, Christopher A., et al. "The disturbance leg-lift response (DLR): an undescribed behavior in bumble bees." PeerJ 9 (2021): e10997. 

Figure 1. The disturbance leg-lift response (DLR) of the bumble bee.  Artwork by Jennifer Salazar. Original reference photographs by Ivan Mikhaylov.

この論文はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているので、ありがたく原図1を借用させてもらいます。


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2024/08/28

晩秋に丸々と太ったニホンアナグマの幼獣同士が未明の営巣地で格闘遊び【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン1:11/8・午前3:34・気温11℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で、未明に2頭のアナグマa,bが頭を突き合わせるように向き合っていました。 
本格的な兄弟喧嘩ではなく、格闘遊びではしゃぎ回っているだけでした。 
冬越しに備えて丸々と肥えていますが、おそらく幼獣なのでしょう。(天高く穴熊肥ゆる秋)

1頭aが巣穴Rに入ると、3頭目cが右から登場しました。 
セットで対峙したb,cは突進してすれ違い、軽い格闘遊びが勃発しました。 
すぐに休戦して近寄ると、互いに肛門の匂いを嗅ぎ、相互毛繕いを始めました。 
入巣Rする個体bの肛門の匂いを、巣外に最後まで残った個体cが嗅いでいます。 
アナグマは肛門腺や臭腺で匂い付けしたり互いに個体識別していると考えられています。 
嗅覚によるコミュニケーションは、巣穴の中や夜の森など暗闇でこそ有効になります。
この点はアリと共通していて、興味深い収斂進化です。

行動がいかにも幼いので、今年ここで生まれた幼獣4頭のうちの3頭が大きく育ったのでしょう。 
観察歴の浅い私には、もはや外見で成獣との区別が付きません。 
母親♀は赤外線の暗視映像で見たときに左右の目の大きさが異なる(右目<左目)という分かりやすい特徴があるのですが、今回登場したアナグマは全て目の大きさが同じでした。
これから幼獣が格闘遊びや追いかけっこ遊びをしなくなったら、いよいよ私には成獣と見分けられなくなるでしょう。 


シーン2:11/8・午前3:40(@1:00〜) 
小雨が降っています。 
奥の二次林内で2頭のアナグマ(幼獣)が採餌しています。 
しばらくすると、画面の左下隅から別個体(3頭目)がノソノソと歩いて登場しました。(@1:45〜) 
セットで2頭が向かい合って対峙すると、軽い格闘遊びが勃発しました。 
深刻な縄張り争いではなさそうです。 


シーン3:11/8・午前3:40(@2:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
強い秋風が吹き荒れ、カメラを固定したミズキ立木が大きく揺れています。 
2頭の幼獣による格闘遊びが繰り広げられていますが、その間に鳴き声は聞き取れませんでした。 

左の死角に移動しても、踏まれた落枝が動くことで、アナグマの動きを推測できます。 
最後は左から来た1頭のアナグマが、獣道を辿って右へ向かいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2024/08/24

虫捕りに来たホンドタヌキを営巣地から追い払うニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午後17:05頃・気温15℃(日の入り時刻は午後16:40) 

日没後に2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が連れ立ってニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にやって来ました。 
林床に積もった落ち葉を踏みしめる足音を忍ばせながら、1頭のタヌキがアナグマの巣口Rの横を通り過ぎました。
しばらくすると(約15秒後)、アナグマが巣穴Rの奥から顔だけ覗かせて外の様子をうかがいました。 
このアナグマは左右の目の大きさが均等なので、ここで出産・育仔した母親♀ではない別個体です。 

その間に、もう1頭のタヌキは、別の巣穴L付近で何か小さな虫を捕食しようとしています。 
おそらく穴居性のカマドウマ幼虫だと思うのですが、アナグマの巣穴に居候している虫の大群がいて、それを狩ろうと様々な鳥獣が繰り返しやって来るのです。 (千客万来)
ここで虫がよく捕れることを学習した結果、採餌のためにタヌキが毎日巡回するルートにアナグマの巣口が含まれているのです。 

録画が一旦打ち切られ、次にトレイルカメラが起動したときには、巣口Lにタヌキの姿はなく、常緑のヒメアオキ群落の奥で右往左往していました。 
アナグマが巣穴Rから飛び出してきて、不届きな侵入者(タヌキ)を追い払ったようです。 
巣穴の主である丸々と太ったアナグマは、逃げた侵入者を深追いしたり吠えたりすることなく、静かに巣口Lでタヌキの残り香を嗅いでいました。 
これは赤外線カメラによる暗視映像で、暗闇で繰り広げられている事件だということを思い出してください。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
夏の間、この営巣地は長らくアナグマが不在でした
アナグマの空き巣に近所のタヌキが日夜やって来ては、巣口を点検したり虫を捕ったりしていました。
秋が深まると、越冬のためにアナグマが再び巣穴に住み着くようになったようです。

隣近所に住むホンドタヌキとニホンアナグマが営巣地でニアミスするシーンを録画できたのは、これが初めてかもしれません。 
図々しくセットに侵入したタヌキをアナグマが撃退する決定的瞬間を撮り損ねたのは残念です。 





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2024/07/29

秋の旧営巣地でニホンアナグマの幼獣2頭が取っ組み合いを長々と繰り広げる【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年10月下旬 

シーン0:10/20・午後14:16・気温31℃(@0:00〜) 
シーン0:10/23・午後13:36・気温18℃(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
新機種のトレイルカメラ2台を平地の二次林に設置し、ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を見張っています。 


シーン1:10/26・午後18:32・気温14℃(@0:08〜)日の入り時刻は午後16:51 
日没後の晩に 2頭のアナグマが現れました。 
巣口Lで対峙すると、1頭が跳ね回って相手を挑発しています。  
「一丁やるか?」と遊びに誘っているようで、2頭とも左に消えました。 
左の死角から鳴き声が聞こえてきます。 
いかにも幼い(遊びたい盛りの)行動から、おそらく幼獣の兄弟姉妹だと思うのですが、体つきがすっかり成長していて素人目には幼獣だと分からなくなりました。 


シーン2:10/26・午後18:35(@0:25〜) 
巣口LRの中間地点で寝技の取っ組み合い(格闘遊び)が繰り広げられています。 


シーン3:10/26・午後18:36(@1:25〜) 
疲れを知らない幼獣2頭による格闘戦が続いています。 
組み合ったまま地面をゴロゴロ転がりました。 
本気の喧嘩ではなく、仲良くふざけて遊んでいる印象です。 


シーン4:10/26・午後18:37(@2:25〜) 
しばらくすると、ようやく取っ組み合いを解消して1頭が離れ、セットを走り回ります。 
今度は追いかけっこ遊びに移行しました。 


シーン5:10/26・午後18:38(@2:56〜) 
再び組んずほぐれつの取っ組み合いが繰り広げられています。 
ときどき短い唸り声を上げたり、イヌのようにワンッ♪と鋭く鳴いたりしました。 
初めはふざけてレスリングしていたのが、だんだん本気になってきたのでしょうか? 
レンズに水滴が付いているのか、画面全体が曇っていて、はっきり見えないのが残念です。 


シーン6:10/26・午後18:39(@3:26〜) 
肉弾戦の遊びが続いています。 


シーン7:10/26・午後18:38・気温13℃(@3:26〜) 
別アングルで設置したトレイルカメラでも広角の監視映像が撮れていました。 
巣口LRの中間地点で2頭のアナグマ幼獣が延々と取っ組み合いをしています。 
ときどき唸り声が聞こえます。 
1頭が走って逃げ出すと、もう1頭が追いかけます。 
巣口Rの手前に戻ってくると、格闘遊びを再開。 
互いに向き合って、隙あらば相手を甘噛みしています。 
ワン♪、キャン♪のような短く鋭い鳴き声♪をときどき発します。 


シーン6:10/26・午後18:39(@3:26〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
2頭のアナグマが肉弾戦の遊びを止めると、走らずに左へノソノソと向かいました。 
疲れて休戦したのかな? 

すぐにまた小走りで戻ってきて、巣穴Lに続けて入りました。 
しばらくすると、1頭が後ろ向きで巣穴Lの外に出てきて、前足で地面を掻きました。 
またすぐに入巣L。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
アナグマの幼獣がセットに現れたのは久しぶりです。(夏以来です) 
長らく来なかったので、てっきり子離れ・分散したのかと思っていました。 
春にここで生まれた幼獣4頭のうち仲良しの2頭が旧営巣地に戻ってきて、取っ組み合いの遊びを長々と繰り広げていました。 
格闘遊びも追いかけっこ遊びも、夏にはアナグマの幼獣同士でよく見られた行動です。 
秋になって久しぶりに見ました。 

私は幼獣間の遊びだと解釈したのですが、もしも力比べで上下関係を決める真剣な闘争行動だとすると、話は変わってきます。 
越冬用の巣穴を巡る縄張り争いなのでしょうか? 
来季のヘルパー♂を決める争いなのかな? 
母親♀が育った幼獣を攻撃して縄張りから追い払う「子別れ」の行動ならもっと激しいはずです。 



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2024/07/23

秋の夕方にアナグマの空き巣を交互に調べる3頭の若いホンドタヌキ【トレイルカメラ】毛繕い、遊び

 



2023年10月中旬・午後16:25〜16:36・日の入り時刻は午後17:01 


シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで録画された現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:10/18・午後16:25(@0:08〜) 
夕方に1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)aがアナグマの巣口Rまで来ていて、念入りに匂いを嗅いでいました。 
その間に、左奥の二次林内からさらに別の2頭b,cが間隔を開けてセットにやって来ます。 
巣口Rで合流したのは、おそらく獲物となる穴居性の昆虫が居るかどうか、チェックしに来たのでしょう。 

2番目に来た個体bは♂だったようです。 
巣口Rの横に自生するマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の細い灌木の根元に排尿マーキングする際に、左後足を上げました。(@1:02〜) 


シーン2:10/18・午後16:26・気温18℃(@0:08〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラに続きが撮れていました。 

タヌキ♂bが地面の匂いを嗅ぎながら左から登場しました。 
続けて左下にちらっと写ったのは、巣口Rに向かう別個体cです。 
タヌキ♂bは、アナグマの巣口Lを塞いでいる細い木の根の匂いを嗅いでから、体をよじって自分の腰を舐めました。 

すれ違う際に2頭間で体格差がありました。(a>♂b) 
これは性差なのでしょうか? 
タヌキは♀の方が少し大柄だと言われています。

後から来たタヌキaも、アナグマの巣口Lに顔を突っ込んで点検しています。 
2頭とも、左に戻って行きました。 


シーン3:10/18・午後16:26(@2:06〜) 
別アングルの監視カメラ(旧機種)で続きをご覧ください。 
アナグマの巣穴Rの内部を内検していた個体が外に出て来て、左に向かいました。 
もう1頭のタヌキは巣口Rを覗き込んでいるだけです。 
3頭のタヌキが巣口Rに勢揃いすると、顔を突き合わせて軽く挨拶したり、対他毛繕いしたりしました。 

左から戻って来た個体がアナグマの巣穴Rに頭だけ突っ込みました。 
タヌキの3兄弟(姉妹)は、巣穴に居候している小さな虫(カマドウマの幼虫?)を捕食しているようです。 
巣穴の主であるアナグマは不在らしく、中から飛び出してきて訪問者を撃退することはありませんでした。 


シーン4:10/18・午後16:29・気温19℃(@3:06〜) 
アナグマの巣口Lを点検し終えた個体が左に行こうとしたら、背後の個体がじゃれつき(相手の背中に両方の前脚で乗った!)、小競り合いの末に相互毛繕いが始まりました。 
毛並みも茶色が濃くて若々しく、こうした遊び好きな行動からも、若いタヌキ(幼獣?)ではないかと思います。 

3頭目のタヌキが左下にちらっと登場しました。 


シーン5:10/18・午後16:28・気温19℃(@4:06〜) 
アナグマの巣口Rに戻った2頭のタヌキが並んで巣穴Rを覗き込んでいました。 
巣口Rに頭を突っ込んで、「頭隠して尻隠さず」状態になった個体の腰に別個体がふざけて跳び乗りました。 
(順番待ちで痺れを切らしたのかな?) 
そのまま背中をグイグイ押して遊びに誘い、左へ走り去りました。 
追いかけっこが始まるかと思いきや、迷惑そうに巣口Rから顔を出した個体は相手の挑発には乗らず、巣内の虫に夢中です。 
ようやく奥の林縁へ移動しました。 


シーン6:10/18・午後16:30・気温20℃(@5:06〜) 
アナグマの巣口Lに居た2頭の一方が、背中を伸ばすストレッチ運動をしてから手前に立ち去りました。 
もう1頭は、後脚を伸ばすストレッチ運動をしてから、左へ移動しました。 

画面にタヌキが写っていないときでも、セットに転がっている落枝が動いているので、タヌキがカメラの死角を歩き回って落枝を踏んでいることが想像できます。 
自宅の玄関先にこんな落枝が散乱していたら歩くのに邪魔ですし、我々ヒトの感覚ではきれいに片付けたくなります。
しかし、侵入者の接近を知らせる防犯装置として、アナグマは落枝をわざと放置している気がしてきました。


シーン7:10/18・午後16:36(@5:34〜) 
最後までアナグマの旧営巣地(セット)に残っていたタヌキ個体も、身震いしてから右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/07/09

池で溺れたノシメトンボ♂を捕食するクロゲンゴロウの群れ

 

2023年10月上旬・午後14:20頃・くもり時々晴れ(小雨)

山麓にある小さな池に久しぶりに来てみると、ガマなどの抽水植物が生えていて、水面で何かが暴れていました。 
よく見ると、溺れかけたノシメトンボ♂(Sympetrum infuscatum)の胸背に水面下でクロゲンゴロウCybister brevis)が食いついていました。 

すぐ隣りにあるもう一つの池で早春にクロゲンゴロウを見たのが生まれて初めてで、今回が二度目の出会いでした。 
捕食行動はもちろん初見で、興奮しながら長々と撮影しました。

そもそもノシメトンボ♂がなぜ池で溺れたのか謎です。 
寿命で弱っていたのか、それとも羽化直後なのかな? 
ノシメトンボ♀は水のある場所には産卵しないはずなのに、♂は水辺で交尾相手の♀を待ち伏せするとは思えません。

関連記事(3、4、7、9年前の撮影)▶  


見つけたときにはノシメトンボ♂はまだ生きていて、脚を動かしたり翅を力なく羽ばたかせたりして暴れていました。 
しかし、水中から空に飛び立つことは不可能で、もはや逃れることはできません。 

撮影中は気づかなかったのですけど、水面下に沈んだガマ(?)の枯れ葉にヤゴ(種名不詳)が捕まっていました。 
断末魔のノシメトンボ♂が水面で激しく羽ばたいて波紋が広がったので、ヤゴは水中に潜って逃げてしまいました。 
ヤゴも肉食性なのに、獲物の争奪戦に参戦しませんでした。 
丈夫な装甲に守られたクロゲンゴロウには勝ち目がないのでしょうか。 

しばらくすると、クロゲンゴロウaはトンボの右後翅を根元から食い千切りました。 
獲物から取り外した翅だけ抱えて持ち去ろうとしても、トンボの翅は浮力があるので、クロゲンゴロウは潜水できません。 
切除した翅の根元に付いた肉片を齧ってから手放しました。 
獲物の本体を見失ったようで、しばらく水中をうろうろと泳ぎ回っています。 

その間に別個体bのクロゲンゴロウが左から泳いで登場し、獲物に食いつきました。 
やはり獲物の胸背に背後から噛み付いています。 
細長い口吻を獲物に突き刺して体外消化するカメムシ目の水生昆虫と違って、ゲンゴロウの仲間は獲物を本当に齧って咀嚼して食べてしまいます。 

クロゲンゴロウbの背後から先客の個体aが戻ってきました。 
獲物をめぐる争奪戦が始まり、ぐるぐると水中を追い回しました。 
後脚を広げて互いに相手を蹴ろうとしても、流線型の体なので滑って打撃の効果はなく、獲物を独り占めするのは無理なようです。 
ようやく折り合いをつけると、仲良く並んで獲物の腹背の上部を齧り始めました。 
よく見ると、2匹が後脚を伸ばして互いに牽制しながら獲物の別々の部位を捕食しています。 

池に日光が射すと、クロゲンゴロウの鞘翅が光沢のある深緑色と判明しました。 
腹端(鞘翅の下)からときどき泡が出ているのは、呼吸のための気泡なのでしょう。 

餌食となったトンボは絶命したのか、暴れなくなりました。 
2匹のクロゲンゴロウが互いに逆方向から獲物に食いついています。 
1匹が獲物から一旦離れ、泳いで戻ってこようとすると、ライバルと争奪戦になりました。 
互いに干渉しないように位置取りする必要があります。 

クロゲンゴロウがノシメトンボ♂の胸部を食べ進んだ結果、その頭部が切り離されました。 
(断頭の瞬間を撮り損ねてしまいました。 )
強い風が吹くと、水面にぷかぷか浮いているノシメトンボ頭部が流されていきます。 
クロゲンゴロウは獲物の生首には見向きもしないで胴体にかじりついています。 
ノシメトンボの脚も胸部から食いちぎられて外れ、水中のガマ?枯れ葉の上に落ちていました。 

後半になって、3匹目のクロゲンゴロウcが獲物に集まっていたことに気づきました。 
ときどき三つ巴の争奪戦になります。 
1匹のクロゲンゴロウがライバルを出し抜いて獲物を持ち去ろうとしても、獲物の傷口から体液が水中に滲み出るので、その匂いをライバルが嗅ぎつけてしまうようです。 

水生昆虫に詳しい人なら、クロゲンゴロウの性別を外見で見分けられるのですかね? (教えて欲しいです。)
今回は捕食行動のみで、求愛や交尾などの配偶行動は全く見られませんでした。 

獲物が食べ尽くされるまで一部始終を微速度撮影したかったのですが、この日は三脚を持参していなくて残念でした。 
おまけに小雨がぱらつき始めてカメラが濡れそうになり、気が気ではありませんでした。
 
次回はトンボなどの生き餌を池に投入して溺れさせれば、暴れる動きに反応してゲンゴロウなどの捕食者が集まってくる様子を観察できるかもしれません。 
撮影後にクロゲンゴロウを捕獲しようか迷ったのですが、採集用の網も持ってきていませんでした。 
被っていた帽子で掬えば採れたかな?
レッドデータブックによれば、クロゲンゴロウは山形県で絶滅危惧種Ⅱ類(VU) に分類されているらしいので、採集禁止かもしれません。

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2024/06/26

クロツグミ♂の落ち葉めくりと縄張り争い@アナグマの旧営巣地【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年9月下旬〜10月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)がある二次林に、秋になると真っ黒な鳥クロツグミ♂(Turdus cardis)が採食に通って来るようになりました。 


シーン0:9/25・午後14:04および14:32(@0:00〜) 
 明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
新旧2台の自動センサーカメラで隣接する2つの古い巣穴LR見張っています。 
巣材(寝床)として落ち葉を掻き集めるアナグマが居なくなったので、二次林の林床には多数の落ち葉が散乱したままになっています。 


シーン1:9/30・午前6:28(@0:08〜) 
小雨が降る早朝にクロツグミ♂と思われる黒い小鳥aが広場に現れました。 
落ち葉をめくって虫を探しています。 
 そこへ左から別個体のクロツグミ♂bがホッピングでやって来ました。 
相手aの存在に気づくと、bがいきなり襲いかかり、狩場を巡る縄張り争いが勃発しました!!
2羽は対峙して羽ばたきながら交互に地上から少し飛び上がります。 
喧嘩にどうやって決着がついたのか分かりませんが、互いに少し離れました。 
右に行った個体は羽繕いし、左の個体はピョンピョン跳んで二次林内に入りました。 

この間、闘争の鳴き声は雨音にかき消されて(?)聞き取れませんでした。 
キョキョキョキョ♪(またはチュンチュン♪)という鳴き声がかすかに聞こえますが、画面内の2羽が発しているのかどうか不明です。 
(周囲にいる野次馬の鳥の鳴き声かもしれません。) 
日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』p51でクロツグミの鳴き声について調べると、 地鳴きは「キョキョキョ、チーなどと鳴く」と書いてありました。 


シーン2:10/10・午前6:54(@1:10〜) 
早朝の林内を小鳥が素早く飛び、林床を走り回って採食しています。 
真っ黒なクロツグミ♂が左から飛来し、アナグマの巣口Rの真上に伸びた細いマルバゴマギ灌木に止まりました。 
止まり木から地上に飛び降りると、巣口Rで落ち葉めくりを始めました。 


シーン3:10/11・午後17:05・気温15℃(@2:04〜)日の入り時刻は午後17:11。 
日没直前の薄暮に真っ黒なクロツグミ♂が落ち葉を嘴で弾き飛ばすようにめくりながら、アナグマの巣口Lにどんどん近づいています。 
後半はまるでトレイルカメラに気づいて警戒したかのように、物陰に隠れながらも落ち葉めくりを続けています。 
初めは2羽が一緒に来ていたのに、もう1羽は画角の右外に出てしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 【アフィリエイト】 


2024/06/08

唸ったり吠えたりしながら♪ニホンアナグマの幼獣2頭が昼間の旧営巣地で格闘遊び【トレイルカメラ】

 



2023年9月上旬・午後13:00頃・ くもり

アナグマ幼獣同士で遊び回る様子が久しぶりに撮れていました。

シーン0:8/25・午後・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで録画された現場の様子です。 
二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を新旧2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:9/2・午後12:49・気温34℃(@0:00〜) 
昼過ぎにアナグマが単独で右から登場すると、地面の匂いを嗅ぎながら右エリアをうろついています。 
何かに驚いたのか、弾かれるように巣口Lへ向かいました。 
逡巡したりフェイントをかけたりした末に、勢い良く巣穴Lに入りました。 
しばらくすると巣穴Lから外に出て、元気よく左へ向かいました。 
アナグマを単独で見たときに、もはや幼獣なのか成獣なのか見分けがつきにくくなりました。 
はしゃぎ回る動きが幼いので、幼獣だと思います。 
独り遊びではしゃいでいるというよりも、近くに遊び仲間の兄弟姉妹がいるような印象です。 


シーン2:9/2・午後12:49(@0:53〜) 
続きの展開が別アングルの監視カメラに録画されていました。 
巣口Rの広場で幼獣2頭が対峙しています。 
格闘遊びが始まりました。 
威嚇のふりをして相手に突っかかったり、目の前の落枝(蔓)を甘噛みしたり、でんぐり返しをしてみたり、もんどり打って巣口Rに転がり落ちたり、大騒ぎしています。 
アナグマ幼獣が暴れると、林床に積もった落ち葉が舞います。 
遊びの合間に、体の痒い部位を後足でボリボリ掻いています。 
巣穴Rに入ってしばし休戦していた幼獣個体が再び外に出くると、2頭は別れて右へ向かいます。 

1頭の幼獣が林床で採餌していると、カメラの死角からブルルル♪という馬の鼻息のような鳴き声が聞こえ、ビクッと振り返りました。(@1:50〜) 
アナグマ(遊び相手)の鳴き声だったのか、私には分かりません。 


シーン3:9/2・午後13:11・気温32℃(@1:53〜) 
約20分後、元気な幼獣2頭がいつの間にか戻ってきて、そのうち1頭が巣穴Lに飛び込んだようです。 (入巣Lの瞬間は撮れていません。) 
巣口Lの中と外で2頭が対峙してから、外へ出て格闘遊びが勃発。 
威嚇の鳴き声♪を軽く発しながらそのまま左へ向かうと、カメラの死角から犬のようにワンワン吠える喧嘩の鳴き声♪が聞こえました。 
キャンキャン♪という甲高い鳴き声ではなく、もう少し低音で、それ程やかましい大声ではありません。 
(実際に鳴いているシーンが別アングルのトレイルカメラに撮れていなかったのが残念です。)

しばらくすると、左から戻ってきた幼獣1頭aが獣道を右上奥に走り去りかけ、途中で立ち止まりました。 
セットに残った個体bがそれを見送ります。 


シーン4:9/2・午後13:12・気温33℃(@2:41〜) 
幼獣aの後を追って幼獣bも獣道を右上奥へ走り去りました。 
ちょっと引き返すと、地面の匂いを嗅ぎました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 




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