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2025/03/18

ニホンカモシカの溜め糞場を通り過ぎる早春のニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年4月上旬・午前1:10頃 

里山の雑木林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を旧機種のトレイルカメラで見張っています。 
画面の奥から手前に向かって斜面が登っていますが、画面中央に残された溜め糞の辺りは平坦になっています。 

深夜に1頭のニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)が画面の奥から手前に向かって獣道を歩いて来ました。 
鼻面が土で汚れて真っ黒です。 
カモシカの溜め糞の匂いを通りすがりに嗅いだものの、食糞することはありませんでした。 

牙が見えないので、♀だと思います。 
監視カメラが見下ろすアングルなので、腹面に乳首を確認できませんでした。 

落枝をまたいで手前の斜面を登ったようです。 

4月にイノシシが撮れたのも、カモシカの溜め糞場でイノシシが撮れたのも今回が初めてです。 
今季は記録的な暖冬でしたが、雪国でもイノシシは無事に冬を越せたようです。 
冬の雪山(積雪期)に近くの林道を掘り返して採食していたのは、この個体かもしれません。 


つづく→

2025/03/16

早春の山林でニホンカモシカの母子が溜め糞場を通過【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月上旬・午後18:45頃・日の入り時刻は午後18:09。 

里山の雑木林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
春になって雪解けすると、林床に新たな糞塊が出現しました。 
溜め糞場と言ってもカモシカは必ずしも一箇所で集中的に排便するのではなく、ある程度の広がりをもった範囲のあちこちに分散して糞塊が残されていました。 
そこで、監視カメラの位置を少し変更してみました。 
本当は複数のトレイルカメラを別アングルで設置して溜め糞場sr2の全体を同時に監視したいところですが、限られた台数の機材でやりくりしているので、仕方がありません。 

ここは山腹の傾斜が平らになった地点で、ちょっとした広場のようになっています。 
(夏になると落葉樹や下生えの葉が鬱蒼と生い茂った獣道になります。) 

日没後の晩に、カモシカの母子が現れました。 
左右に分かれて各自が林床の匂いを嗅ぎ回っています。 
左の個体が成獣♀、右の個体が角の短い幼獣でした。 
 画面中央の溜め糞には近寄らず、少し離れた位置から匂いを嗅いだだけで通り過ぎました。 
倒木をまたいで手前の斜面を登ってきます。 


つづく→

2025/03/15

死んだアナグマの旧営巣地を早春の夜に独りでうろつくホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

平地の二次林で死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)に夜な夜な現れる健常タヌキの動向をまとめました。 

シーン1:3/29・午後19:43(@0:00〜) 
早春の林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸が ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)に食べられ持ち去られた後も、監視カメラで見張っています。 
歩行が正常なタヌキが晩に画角を斜めに横切りました。 


シーン2:3/29・午後20:52・気温5℃(@0:11〜) 
死んだアナグマの営巣地(セット)にタヌキの健常個体が現れました。 
巣穴Rへは立ち寄らず、奥の二次林内に入ると餌を探してうろついています。 


シーン3:3/30・午前3:40・小雨・気温4℃(@0:43〜) 
日付が変わった未明に監視カメラが起動すると、夜霧がうっすらと立ち込めていました。 
タヌキの健常個体が慎重に左へ向かっています。 


シーン3:3/30・午前3:49・降雪・気温4℃(@1:09〜) 
軽い吹雪になりました。 
健常タヌキが獣道を左から右へゆっくり立ち去りました。 


シーン4:3/30・午前3:53・降雪・気温5℃(@1:33〜) 
右から来たタヌキが巣口Lの横を通って左へ向かいます。 


シーン5:3/31・午前2:34・降雪・気温5℃(@1:45〜) 
翌日も小雪がちらつく深夜に健常タヌキが登場しました。 
巣口Lの匂いを嗅いだだけで中には入らず、左に立ち去りました。

このとき巣穴Lの中には下半身が麻痺した「いざりタヌキ」が居るのではないか?と私は推測しているのですが(願望)、その跛行個体と挨拶したのかな? 


シーン6:3/31・午後19:59・気温5℃(@2:08〜) 
晩に健常個体が獣道から来て巣口Lの匂いを嗅ぎ回っています。 
巣口Lに顔を突っ込んだものの、中には入らず、手前に立ち去りました。 


シーン7:3/31・午後20:00・降雪・気温5℃(@2:52〜) 
別アングルに設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
健常タヌキが今度は巣口Rの匂いを嗅いでから、右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




2025/03/14

早春の休耕地にある営巣地に現れスクワットーマーキングするニホンアナグマ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月上旬

シーン0:3/27・午後15:47・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
休耕地にあるホンドタヌキの営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
最近では疥癬に罹ったホンドギツネが巣穴の一部を乗っ取ったようです。 
残雪がほとんど溶けて、枯れ草に覆われた原っぱが露出しました。 


シーン1:4/2・午前2:52・小雪?・気温1℃(@0:04〜) 
小雪がちらつく深夜に、左から久しぶり(1ヶ月ぶり)にニホンアナグマ♂(Meles anakuma)が現れ、巣口Mfの匂いを念入りに嗅いでいました。 
体型や顔つきから♂のアナグマだと分かります。 
その後は地面に尻を擦り付けるスクワットーマーキングを繰り返しながら、右に前進します。
匂い付けして縄張り宣言しているのです。 

春の繁殖期(交尾期)に備えて、アナグマの夜這い♂が早くも♀の巣穴を探しに来たようです。 

寒の戻りで小雪がちらついている(軽い吹雪)と思ったのですが、早春に咲くスギなど樹木の風媒花から花粉が夜も飛散している可能性もありますかね?
(現場の近くにスギ防風林があります。)
雪だとしても、地上にしっかり積もることはありませんでした。 

関連記事(同所同時期の撮影)▶ 春風で飛散するスギの花粉【トレイルカメラ】風媒花


シーン2:4/2・午前2:56(@1:04〜) 
3分半後に監視カメラが再び起動すると、アナグマ♂は巣口Rの匂いを嗅いでいました。 
枯草に覆われた地面のあちこちでスクワットーマーキングしながら手前の二次林へ向かってきます。 


【考察】 
近くの二次林にあるセット(営巣地)で越冬(冬眠)していたアナグマが死んでしまい、気落ちしていたのですが(アナグマ・ロス)、無事に春まで生き残った個体もいることが分かって安心しました。 
まさに自然淘汰の結果だと考えるしかありません。


つづく→

2025/03/13

倒木が散乱するスギ防風林で早春に縄張り争いするホンドタヌキの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬

シーン0:3/19・午後14:06・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
多数の風倒木が散乱している平地のスギ防風林で、根返りスギの根元に掘られた「根曲がり巣穴a」をトレイルカメラで監視しています。 
春の繁殖期に何か野生動物が住み着いてくれるでしょうか? 
林床にまだ少しだけ残雪があります。 


シーン1:3/25・午前1:36(@0:04〜) 
深夜に奥の真っ暗なスギ林の中から野生動物2頭が現れました。
その目が爛々と白く光り、カメラの方を向いています。 
左手前の獣道から別個体のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が偵察に行くと喧嘩になり、激しい追いかけっこが始まりました。 
唸り声やワンッ♪と軽く吠える声が聞こえます。 


シーン2:3/25・午前1:38(@0:36〜) 
2分後に画面左の獣道をタヌキが右奥に向かって回り込んで行きました。 
闇夜の林内で白く光る眼が動いています。 
しばらくすると、右下から別個体が登場。 
右から回り込んで奥へ立ち去りました。 

別アングルで設置した監視カメラにはなぜか今回の騒動が何も写っていませんでした。 



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
幼獣同士の追いかけっこ遊びならともかく、タヌキの成獣同士でこんな激しい争いを見るのは初めてです。 
もしかすると、この辺りは隣接する縄張りの境界で、紛争地帯なのかもしれません。
根曲がり巣穴aを巡る争いとは考えにくいので、繁殖期に特有の発情した♀を巡る♂同士の争いなのでしょうか? 
( 発情期でタヌキが荒ぶっている?)



つづく→

2025/03/11

死んだニホンアナグマから乗っ取った巣穴でホンドタヌキの群れが早春の夜に繰り広げるドラマ【トレイルカメラ:暗視映像】いざりタヌキ他

 



2024年3月下旬 

平地の二次林で死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を乗っ取ったホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)を自動撮影カメラで監視しています。 
今回は2日間で少なくとも計4頭のタヌキが登場します。 
♀♂ペアがこの巣穴の新しい主で、他には(交通事故で?)麻痺した下半身を引きずって歩く「いざりタヌキ」が登場します。 


シーン1:3/24・午後20:18・降雪・気温5℃(@0:00〜) 
小雪がちらつく晩に、2頭のタヌキabが巣口R付近に来ていました。
採餌から戻ってきた♀♂ペアでなのでしょうか? 
尻尾の黒斑で個体識別できるかな? 

多数の落枝で戸締まり(隠蔽)された巣口Rに1頭♀aが苦労して潜り込みました。 
2頭目♂bが巣口Rで順番待ちしていると、画面の右下から3頭目cがやって来ました。 
♂bに誰何されたcは、怯えたように腹這いの服従姿勢になりました。 
それを見た♂bはcを攻撃するでもなく左に引き返すと、巣口R横に左足を上げながら排尿マーキングしてから、入巣R。 
独り残されたcは欠伸してから立ち上がり、巣口Rに近づきました。 
その背後から4頭目の個体dが右下から登場。 
dは右後脚を引きずって歩く「いざりタヌキ」でした。 


シーン2:3/24・午後20:20・降雪(@1:00〜) 
「いざりタヌキ」はどこに行ったのか、姿が見えません。 
巣穴の主♀♂に入巣Rを許されたのでしょうか? 

出巣Rしたばかりの家主と思われるタヌキが単独で身震いしました。 
辺りを見回してから入巣R。 
しばらくすると、同じ巣穴Rからタヌキが外に出てきました。 
身震いしてから左の巣穴Lに向かい、匂いを嗅ぎました。 


シーン3:3/24・午後20:30・降雪・気温7℃(@1:39〜) 
10分後に2頭のタヌキが戻ってきて、夜の営巣地をうろついています。 
1頭は「いざりタヌキ」で、麻痺した右後脚を痛々しく跛行しています。 
もう1頭は林縁をうろつき、2つの巣口LRを順に点検して回ります。
この2頭で行動を共にしているということは、♀♂ペアなのかもしれません。 


シーン4:3/24・午後20:34・降雪・気温8℃(@2:39〜) 
3頭のタヌキが仲睦まじく顔を寄せ合い、巣口Rを覗き込んでいます。 
なんとなく、巣穴の主である♀♂ペアではなく、余所者の3兄弟っぽい気がするのですが、個体識別ができていません。 
1頭が(勇気を出して?)巣穴Rに入り、それを巣口Rで見守る2頭(どちらかが「いざりタヌキ」?)が対他毛繕いを始めました。 
家主のタヌキがせっかく落枝で戸締まりしても、同種のタヌキに対しては防犯効果が薄いようで、あっさり突破されてしまいます。 


シーン5:3/24・午後20:59・降雪・気温5℃(@3:39〜) 
25分後に監視カメラが起動すると、3頭の健常タヌキが写っていました。 
そのうちの1頭が入巣R。 
残りは1頭が巣口Rに留まり、もう1頭が奥の林内に立ち去りました。 


シーン6:3/24・午後21:00・降雪(@4:22〜) 
奥の林内を左から右へ白く光る眼がやって来ました。 
その正体はタヌキ♀でした。 
途中で立ち止まって林床に腰を低くかがめて放尿マーキングしたようです。 
排尿姿勢から♀と分かります。 
営巣地には近寄らず、そのまま右へ向かいました。 

健常タヌキ♀がマーキングしたシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@4:56〜) 


シーン7:3/24・午後22:26・降雪・気温2℃(@5:03〜) 
左から来たタヌキが手前に回り込んで巣口Rを見たものの、そのまま右へ立ち去りました。 
実は画面の右下済で、別個体のタヌキがじっと座り込んでいました。 
映像を早回しにすると、身動きしていることが分かります。 
カノッサの屈辱のように、入巣Rが許されるまでじっと待っているのでしょうか? 

その辺りで3日後の3/27にニホンアナグマの死骸を私が発見したのですが、3/24の時点でタヌキが死骸を見つけて食べ始めたのかどうか不明です。 
アナグマの死骸が残雪の下にまだ埋もれていたり、あるいはタヌキが別の場所から引きずって来た可能性があるからです。 


シーン8:3/25・午前2:10・降雪・気温2℃(@5:29〜) 
日付が変わった深夜になっても、小雪がちらついていました。 
健常タヌキが営巣地をうろつき、地面の匂いを嗅ぎ回っています。 


シーン9:3/25・午前3:02・降雪・気温1℃(@6:29〜) 
1頭のタヌキaが巣口Rを見下ろすように佇んでいます。 
実はもう1頭bが左の暗がりへ立ち去るところでした。 
さらにもう1頭のタヌキcが巣口Rから顔だけ出して振り返り、侵入者?aを警戒しています。 
巣口LRの中間地点でaが座り込み、辺りを警戒しています。 
苦労してようやく出巣Rしたタヌキcが巣外でaと挨拶を交わしました。 
cは「いざりタヌキ」でした。 
巣口Rのちょっとした崖(窪地、アナグマが掘ったアクセストレンチ)をよじ登るのにも苦労しています。
aと「いざりタヌキc」は♀♂ペアなのかもしれません。


シーン10:3/25・午前3:08・降雪・気温2℃(@7:29〜) 
5分後に監視カメラが起動すると、左端の暗がりを1頭のタヌキが左へ立ち去るところでした。 
そして営巣地には誰もいなくなりました。 
特に「いざりタヌキ」の行方が気になります。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
下半身を麻痺した「いざりタヌキ」も巣穴Rに出入りしていることが新たに分かりました。 
てっきり家主のタヌキ♀♂ペアに入巣を拒まれていると思っていたので、意外でした。 
もしかすると、家主の♀♂ペアが留守だったのでしょうか? 
巣穴Rの中は広くて、♀♂ペアと「いざりタヌキ」は別々の居住区に住んでいるのかもしれません。
♀♂ペアと血縁関係にあるヘルパーが一緒に住み着いている可能性もあり得ます。

「いざりタヌキ」は歩行スピードがきわめて遅く、採餌効率が悪いため、自然治癒で回復しなければ長生き出来そうにありません。 
この辺りに野犬はいませんが、例えばキツネやテン、イタチなどの小型(中型)肉食獣が手負いの「いざりタヌキ」と出会ったら、襲って捕食するでしょうか?

アナグマから乗っ取った巣穴を巡って、近隣から集まったタヌキ同士で何かすごく興味深い複雑なドラマが連日起こっているようです。 
早春はタヌキの発情期であることも複雑なドラマに関係がありそうです。 
しかし、タヌキの個体識別ができないことには深い解釈が出来ず、歯痒い限りです。 
今後AIや画像認識がさらに発達して、トレイルカメラの定点映像から自動的に野生動物の個体識別をしてくれる時代が到来するのを心待ちにしています。 
それまで私は定点監視の動画を撮り貯めておきます。


2025/03/09

早春の枯野でクズの蔓を咥えて引っ張るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

シーン0:3/19・午後13:16・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
雪解けが進む早春の休耕地で、ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の疥癬個体がホンドタヌキNyctereutes viverrinus)から乗っ取った営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:3/23・午前1:42・気温-4℃(@0:03〜) 
うっすらと夜霧が立ち込める深夜に、単独行動のタヌキが手前の枯野を左から右へ横切りました。 
画面右端に自生するオニグルミ灌木から垂れ下がっているクズの蔓の匂いを嗅ぐと、口に咥えてグイグイと引っ張り始めました。 
タヌキはここをよく往来するのに、こんな行動をしたのは初めてです。
木質化したクズの蔓を引きちぎって食べたところで消化できないはずですけど、このタヌキはよほど飢えているのか、それとも遊びの一種なのでしょうか? 
たまたま虫の居所が悪くて、クズの蔓に八つ当たりしたのかな?


続けてタヌキは巣口Rに向かい、顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
入巣Rしそうだったのですが、1分間の録画が終わってしまいました。 
キツネの巣穴に侵入して再び奪還するつもりなのか、それとも疥癬キツネに撃退されてしまうのか、見届けられずに残念です。 
来る繁殖期にキツネとタヌキが同じ巣穴を共有する(同じ穴の狢)ことはあり得るのでしょうか?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/03/07

死んだニホンアナグマから乗っ取った巣穴を巡るホンドタヌキ同士の争い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が死んだニホンアナグマMeles anakuma)から乗っ取った営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:3/25・午前1:50・気温1℃(@0:00〜) 
冒頭から2頭のタヌキが巣口R付近をうろついていました。 
(もしかすると、出巣Rした直後なのかもしれません。) 
左の個体aが、2つの巣口LRの中間地点で落枝の匂いを嗅いでから、自分の首筋を擦り付けました。(@0:16〜) 
何か気に入った匂いを自分の身にまとおうとする、「匂い付け」の行動なのでしょう。 
その様子を見ていた右の♂個体bが正面からゆっくり近づいて、互いに鼻先の匂いを嗅いでから、なぜか相手に襲いかかりました。 
喧嘩の鳴き声(唸り声)♪が聞こえます。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


襲いかかった♂個体bが相手aから離れて奥の林内に入り、ミズキ灌木の根本に排尿マーキングしました。 
このとき左後脚を持ち上げたので、性別が♂と判明。 
(冒頭のシーンで、♂bは侵入者aに気づいて出巣Rした直後だったようです。) 

巣外の騒ぎを聞きつけて、別個体cが巣穴Rから外に飛び出してきました。 
タヌキcがゆっくりaに近づいたものの、今度は喧嘩になりませんでした。 
次にcは♂bの方へ近づいて行きました。 
追い払うかどうか、反応が気になるところですが、1分間の録画が打ち切られてしまいました。 

真暗闇で相手が見えませんから、敵か味方(パートナー)か匂いで確認するしかないようです。 
巣穴を巡る縄張り争いなのか、♀を巡る争いなのか、何か小競り合いが生じているようです。 

aが縄張り内で匂い付けの行動をしたこと自体がbへの挑発行動とみなしたようです。 


シーン2:3/25・午前1:52(@1:00〜) 
右に居る2頭が、巣穴の現在の主である♀♂ペアのようです。 
そのうちの1頭♀cが巣穴Rに入りました。 
もう1頭♂bが巣口Rで身震いしてから、♀cの後に続いて入巣Rするかと思いきや、更に別個体dが右下隅の暗がりから登場しました。(@1:15〜) 
そのタヌキdは、麻痺した下半身を引きずって歩く個体でした。 


タヌキ♂bは、背後の「いざりタヌキd」を気にせずにそのまま入巣Rしました。 
巣口LRの中間地点に残った個体aは、巣口Rに近づくと、落葉したマルバゴマギ灌木の根元に首筋を擦り付けて再び匂い付けをしました。 
前回とは匂い付けした対象物が異なります。 
いざりタヌキdと対面しても、互いに知り合いのようで、タヌキcは無反応でした。 
cdは敵対しないので、血縁関係(別の♀♂つがいまたは兄弟姉妹?)なのでしょう。 

その後、いざりタヌキdが♂b♀cペアに入巣Rを許されたかどうか、非常に気になるのですが、残念ながら続きが録画されていません。 
(拒まれたと予想しています。)


【考察】 
2分間の動画で4頭のタヌキが登場する、目まぐるしい展開になりました。 
♂b♀cつがいが、この巣穴Rの新しい主のようです。 
そこへ余所者aが現れて、トラブルになったようです。 

早春はタヌキの繁殖期ですから、♀を巡る♂同士の争いなのか、それとも巣穴を巡る縄張り争いかもしれません。 
♀c♂bは自分の営巣地のあちこちに排尿マーキングして縄張り宣言をしているはずです。 
余所者タヌキaはそのマーキングの匂いを自分の体に擦りつけてから、巣穴に侵入してちゃっかり住み着く作戦だったのかもしれません。(化学擬態) 
ホンドギツネがホンドタヌキの巣穴を乗っ取る前にも、似たような行動が見られました。(タヌキがマーキングした地面に転げ回って匂い付け) 

余所者タヌキaの意図を♂bが見抜いたからこそ、aが縄張り内で匂い付けの行動をしたこと自体がbへの挑発行動とみなしたようです。 

麻痺した下半身を引きずって歩く(いざり歩く)タヌキdも心配です。 
どうやら顔見知りの家族群の中の1頭が(交通事故で?)半身不随になったようです。 
それとも、巣穴を巡る縄張り争いでタヌキ同士が死闘を繰り広げ、大怪我を負ったのでしょうか? 

この2日後(3/27)の晩からセットの端でニホンアナグマの死骸をタヌキが食べ始めました。 
その中の1頭が、「いざりタヌキ」でした。 



2025/03/06

深夜にケージに入って排泄、食餌するイエネコ(キジトラ♂)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年9月下旬・午前3:10頃 

飼い猫の夜の生活を観察するために、トレイルカメラを室内ケージの前に設置しました。 
買ったばかりのトレイルカメラで野生動物を撮る前に、使い方を室内で練習するという目的もあります。 

イエネコFelis silvestris catus)の種類は、去勢したキジトラ♂です。 
便意を催すと、真っ暗な室内でも自分でケージに入ってトイレの砂箱で用を足します。 
排泄後は、皿に入れておいたドライタイプのキャットフードをもりもり食べています。 
満ち足りると、立ち上がって方向転換し、背伸びのようなストレッチ運動をしてから立ち去りました。 
飼い猫はトレイルカメラの存在に気づいていないのか、まったく無視しています。 


※ 食餌の音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2025/03/05

巣口を塞いでいた邪魔な小枝を取り除くホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶ 外出前に巣口を念入りに隠蔽するホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】 


2024年3月下旬 

死んだニホンアナグマMeles anakuma)からホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が乗っ取った営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:3/24・午後21:30・小雪・気温4℃(@0:00〜) 
小雪がちらつく晩に、1頭のタヌキが現れました。 
周囲を警戒してから巣口Rに頭から潜り込みました。 
ところが坑道の途中でつっかえています。 
後ずさりで出てきたタヌキの口には少し太い小枝が咥えられていました。 
そのまま営巣地の右へと小枝を捨てに行きました。 

巣口の障害物を撤去した行動を1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:42〜) 
邪魔な小枝を捨てた後で空荷で戻って来るまで見届けたかったのですが、尻切れトンボで録画が打ち切られました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
タヌキのこんな行動を私は見たことがありませんでした。 
外出の際に落枝で巣口Rを厳重に戸締まりし過ぎたのかもしれません。 
この巣穴を掘ったアナグマよりも、タヌキの方が工夫や知性を感じてしまいました。 

この巣穴の新しい主となったタヌキが採餌から戻ってきたのだろうと私は思ったのですが、もしかすると、家主が留守中に余所者のタヌキが侵入を試みたのかもしれません。
だとすれば、落枝を何本も使って巣口を戸締まり・隠蔽した家主タヌキの作戦が見事に成功したことになります。
出没するタヌキの個体識別がしっかりできていないので、何とも言えません。



2025/03/03

外出前に巣口を念入りに隠蔽するホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

平地の二次林で死亡したニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に住み着いた(乗っ取った)ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の動向を自動撮影カメラで監視しています。 


シーン1:3/24・午後18:23・気温9℃(@0:00〜)日の入り時刻は午後17:58 
小雪がちらつく晩に、巣口L付近でタヌキの♀♂ペアがうろついていました。 
巣口Lの匂いを嗅いだだけで、2頭は相次いで巣穴Rに入りました。 タヌキが巣穴Lに入るのを一度も見たことがありません。 
巣穴Lは住心地が悪くて使われていないようです。 

巣穴Rを内見すると、また外に出てきました。 
タヌキの♀♂ペアは興奮したように(嬉しそうに?)、巣穴Rへの出入りを繰り返しています。 


シーン2:3/24・午後18:27(@0:38〜) 
タヌキの♀♂カップルは、相変わらず巣穴Rへの出入りを繰り返し、はしゃいでいます。 
やがて♀が出巣Rした後、身震いしてから林内へ入り、右へ立ち去りました。 
夜行性のタヌキは、これから♀♂ペアで一緒に採餌に出かけるのでしょう。 

外出する前に、後続の♂が興味深い行動をとりました。 
巣口Rを隠蔽するように周囲から落枝を咥えて集め、巣口Rに置いたのです。 
太い落枝と細い落枝を2本使って、外出前に巣口を隠蔽工作しました。 
しっかり戸締まりをして、留守中に外敵が侵入しにくくしているのでしょう。 
タヌキの知性を感じさせるこんな行動を見るのは初めてです。 

後続個体は更に、営巣地の端でミズキ灌木の根本に排尿して縄張り宣言しました。 
このとき左後足を軽く持ち上げたので、後続個体の性別が♂と判明しました。 
それでも戸締まりが不安になったようで、巣口Rに戻って複数の落枝をさらに組み上げました。 

その間に先行個体♀も画面の右下隅で小便でマーキングしたようですが、排尿姿勢がよく分かりませんでした。(@1:27〜) 
しかもその後、せっかく♂が戸締まりしたばかりの巣穴Rに、戻ってきた♀が潜り込んでしまいました。 


シーン3:3/24・午後18:28(@0:00〜) 
♀はすぐにまた巣穴Rの外に出てきて、いよいよ本当に右へ立ち去りました。 
後続の♂は再び巣口Rを落枝で念入りに隠蔽(戸締まり)してから、先行する♀の後を追って右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
タヌキはキツネやアナグマと違って、自分で巣穴を掘れませんから、巣穴はとても貴重な守るべき資源(不動産)です。
繁殖期が近づくと穴居性の野生動物の間で巣穴の熾烈な争奪戦があることを、今回の戸締まり行動は伺わせます。

留守中に巣穴が誰かに奪われるのが嫌なら、♀♂ペアが同時に外出しないで1頭ずつかわりばんこに外出すれば良いと思うのですが、タヌキはそうした解決法(留守番で巣穴を防衛)を取りません。
タヌキは生きた獲物を狩る訳ではないのに、どうして♀♂ペアが一緒に採餌したがるのか、そのメリットが私にはいまいち理解できません。
もしかすると、留守番要員として血縁関係のあるヘルパーが採用されるのかな?




2025/03/02

早春のスギ防風林で林床をうろつく野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月中旬〜下旬

シーン0:3/19・午後14:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で風倒木が何本も放置されていて、その「根返りスギ」の根元に掘られた野生動物の巣穴bをトレイルカメラで見張っています。 
早春の林床にまだ残雪があります。 

この時期に野ネズミ(ノネズミ)が活動するシーンをまとめました。 


シーン1:3/20・午後22:37(@0:04〜) 
晩遅くに野ネズミがスギ倒木の上に乗って左を見ていました。 
警戒が解けると、倒木上を右往左往してから、水平倒木の下をくぐって奥へ立ち去りました。 
巣穴bには興味を示さず、出入りすることもありませんでした。 


シーン2:3/19・午後14:06・晴れ(@0:33〜) 
根こそぎ倒れたスギの巻き添えを食って倒れた落葉性の灌木が毎年冬の積雪によって捻じ曲げられながらも、たくましく育ちました。 
その根元に掘られている巣穴aも別のトレイルカメラで監視しています。 
先ほどの巣穴bと、この「根曲がり巣穴a」は2〜3mぐらいしか離れておらず、内部でつながっているのかもしれません。 
地面はうっすらと残雪に覆われています。 


シーン3:3/20・午前2:57(@0:36〜) 
深夜に野ネズミが林床をウロチョロして餌を探しているようです。 


シーン4:3/24・午後19:07(@1:15〜) 
4日後の晩にも野ネズミが林床をうろついています。 
根曲がり巣穴aから外に出てきた直後という可能性もありそうです。


シーン5:3/24・午後19:52(@1:29〜) 
根曲がり巣穴aに入った野ネズミがちらっと写っていました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン6:3/24・午後23:09(@1:38〜) 
左から野ネズミが登場したものの、根曲がり巣穴aには興味がなさそうです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/02/25

下半身の麻痺が進むホンドタヌキがいざり歩き、死んだアナグマの骨をかじる【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

早春の林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸を自動撮影カメラで見張っていたのですが、夜の間にタヌキが死骸を持ち去ってしまいました。 


シーン1:3/28・午後18:59(@0:00〜)日の入り時刻は午後18:01 
翌日の晩にもホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で登場しました。 
食べ残しの細長い骨を齧っています。 
アナグマの骨にこびりついた肉片や骨髄をしがんでいるだけかと思いきや、骨を少しずつ噛み砕いて食べているようです。 

もしかすると画角の右外にアナグマ死骸の本体があって、それを解体しながら食べている可能性もありますが、私の想像(願望)でしかありません。 
昼間はカラスが来て死肉を食べているはずなので、アナグマの死骸がバラバラに散逸しつつあるのかもしれません。 


シーン2:3/28・午後19:01(@1:46〜) 
やがてタヌキは林床で立ち上がって左へ移動を始めたのですが、この個体は後脚の麻痺が進行していて、跛行というよりも「いざり歩き」していました。 
特に右後脚には力が入らないので、前脚2本の力で下半身を引きずって歩きます。 

初めにアナグマの死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅いでいます。 
連日の酷使により監視カメラの電池が消耗していて、短時間の暗視動画しか撮れなくなりました。 


シーン3:3/28・午後19:02・気温7℃(@2:00〜) 
アナグマの巣口Lを見張っていた監視カメラに続きが写っていました。 
死んだアナグマの営巣地(セット)を左から右へ、タヌキが下半身を引きずりながら痛々しく横切りました。 

健常個体が前夜に引きずって持ち去ったアナグマの死骸はこのカメラにも写っておらず、その行方は不明です。 
いざり歩きのタヌキがアナグマの死臭を辿っているとしたら、その先(休耕地にあるタヌキ営巣地方面?)に健常個体が持ち去ったのでしょうか。 

下半身に重傷を負っているのなら道中でアナグマの巣穴Lに入って安静にするかと思ったのですが、私の予想は外れ、夜の二次林で活発に活動しています。 
日々の餌を必死で探し歩かないと、餓死してしまうのでしょう。 


シーン4:3/29・午後18:27(@2:38〜)日の入り時刻は午後18:02。 
翌日も日没後に、下肢の麻痺が進行したタヌキがアナグマの死体があった現場に戻ってきました。 
左から来て、初めに死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅ぐと、よほど飢えているのか、林床の落ち葉を激しく首を振りながら食べています。 
早春にはまだ死肉食性の昆虫は来てないはずです。 


シーン5:3/29・午後18:28(@3:38〜) 
タヌキはいざりながら、立ち木の周囲をゆっくり回り込んで右下へ移動しました。 


シーン6:3/30・午前6:15(@4:38〜)日の出時刻は午前5:25。 
翌日の早朝にアナグマ死骸を監視するカメラが起動すると、 「いざりタヌキ」が左を向いて地面に座り込んでいました。 
麻痺した下肢を引きずって左へ移動。 

明るい昼間もここに来るようになりました。 
タヌキは本来は夜行性のはずですが、脚の悪いこの個体は終日餌を探し回らないといけないようです。 


シーン7:3/30・午後18:48(@5:00〜)日の入り時刻は午後18:03。 
日没後の晩に「いざりタヌキ」が左から来ていました。 
初めにアナグマの死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅ぐと、何かを拾い食いしたようです。 
虫かな? 

その後は木陰に座り込んだまま、ぎこちなく毛繕いをしているようですが、後ろ向きでよく見えません。 
また何かを咀嚼しました。

連続撮影するとまた監視カメラの電池が消耗して、短い暗視動画しか撮れなくなりました。 
やがて「いざりタヌキ」が右へ移動しようとしても、体が言うことを聞かないようです。 
諦めて、ブラブラと力の入らない右後脚(膝?)を舐めています。 


シーン8:3/31・午前8:08・晴れ・気温7℃(@7:53〜) 
翌朝、アナグマの旧営巣地に「いざりタヌキ」が来ていました。 
林縁を右から左へ横切ります。 後脚に力が入らず足腰が立たないので、ほとんど匍匐前進のように移動するしかありません。 


シーン9:3/31・午前10:19・晴れ・気温15℃(@8:36〜) 
「いざりタヌキ」は旧セットを通り抜ける獣道で横たわったまま、2時間以上もじっと動かなかったようです。 
動きがなければ、トレイルカメラの熱源動体検知センサーは反応しません。 
幸い晴れているので、寒くはなさそうです。 
横臥で日光浴しています。 
一瞬仰向けになると、麻痺した後足が見えました。
明るい昼間に見ると、毛並みが悪くなりボサボサです。 


シーン10:3/31・午前10:57・晴れ・気温18℃(@9:01〜) 
「いざりタヌキ」は力を振り絞って、左へ少しだけ移動していました。 
その後、安全な隠れ家として死んだアナグマの巣穴Lに入るかと予想したのですが、その様子は撮れていませんでした。 
下手に地中のトンネルに潜り込むと、二度と地上に戻れないぐらい足腰が弱っているのかもしれません。 


シーン11:3/31・午後19:08・(@9:19〜)日の入り時刻は午後18:04。 
日が暮れると、アナグマの死骸があった現場に「いざりタヌキ」がまた戻ってきました。 
足が悪くて、行動半径がとても狭いようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
一素人の診断ですが、このホンドタヌキ個体はおそらく夜道で車にはねられ、その怪我(脊髄損傷?)が元で下半身の麻痺が進行しているようです。 

あるいは、薬物による神経症状が疑われるでしょうか? 
アナグマがまず毒殺され、その死骸を食べたタヌキも残留毒物による急性中毒症状で下半身の麻痺が進行したのか?…などと根拠もないのに勝手に被害妄想を逞しくしてしまいます。 
冷静に考えれば、時間的な前後関係によりアナグマの死因とは関係なさそうです。
食べる物が乏しい早春にタヌキが例えば猛毒アルカロイドのコニインを含むドクニンジンの根を誤食してしまった場合、下肢から筋肉の麻痺が進行するかもしれません。(ミステリー小説で得た知識です。
帰化植物のドクニンジンが当地で自生しているかどうか、確認していません。
在来植物ではドクゼリやハシリドコロも根茎にコニインを含有しているそうです。(Gemini2.0による誤情報)

それとも、高齢化した飼い犬(老犬)のように、野生のタヌキも老化が進むと足腰が立たなくなるのでしょうか?
症状が回復する見込みはなさそうです。
近所に住むタヌキの健常個体が、この「いざりタヌキ」を労って給餌する行動は録画されていませんでした。

こういう「可哀想そうな野生動物の映像」を撮って公開すると、「傍観してないで一刻も早く保護して獣医に治療してもらうべきだ!」と怒る人が必ず出てきます。 
ライブカメラではないので、私は現場に設置した監視カメラをリアルタイムで見ている訳ではありません。
数日後に現場入りして、監視カメラで録画した動画を確認して初めて、ここで何が起きたかを知るのです。
つまり、どうしてもタイムラグが生じます。 
現場周辺を探しても、「いざりタヌキ」はどこに隠れているのか、その姿は見つかりませんでした。 
「いざりタヌキ」がよく現れる場所にドッグフードや飲み水などを給餌するべきでしょうか? 
一方で、野生動物の暮らし(生老病死)にヒトは一切介入するべきではない、というストイックな考え方もあります。 


つづく→

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