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2025/08/15

夜明け前に野鳥のコーラスを聞きながら水溜りの水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/28・午後13:15・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(新機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/29・午前4:00・気温17℃(@0:04〜)日の出時刻は午前4:16。 
夜明け前に水場に来たフクロウが周囲を警戒してから、歩いて入水しました。 
ときどき頭を下げて泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿なのでよく見えません。 

辺りはまだ真っ暗なのに、野鳥の早朝コーラスが始まっています。 
おそらくクロツグミ♂(Turdus cardis)などが、周囲の森で美声を競い合うようにさえずり、縄張り宣言しています。 


シーン2:6/29・午前4:03(@2:04〜) 
水溜まりに入ったまま右を向いていたフクロウが、右上へ飛び去りました。 


シーン3:6/30・午前4:04・気温17℃(@2:14〜)日の出時刻は午前4:17。 
翌日もほぼ同じ時刻(夜明け前)にフクロウが水場に来ていました。 
今回もフクロウは野鳥の早朝コーラスを聞きながら水を少し飲んだだけで、水浴びはしないで右に飛び去りました。 

周囲でヒヨドリHypsipetes amaurotis)がやかましく鳴いています。 


※ 鳥のコーラス♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
フクロウが水場で鳴くことは一度もなく、いつも静かに黙っています。 


つづく→ 


【アフィリエイト】 

2025/08/14

引っ越してきた翌日、ニホンアナグマ家族の晩の諸行動【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬・午後19:16〜23:39 

ニホンアナグマMeles anakuma))の母親♀が4頭の幼獣を連れて旧営巣地(セット)に転入してきた次の日の日没後(晩)の行動をまとめました。 
ちなみに、この日は東北地方南部に梅雨入りが宣言されました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/08/12

営巣地に近づくニホンイノシシに対するニホンアナグマ家族の警戒・避難行動【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/23・午後23:39(@0:00〜) 
二次林にある巣穴の外で深夜にのんびり活動していたニホンアナグマMeles anakuma)の家族(母親♀と4頭の幼獣)の様子がなぜか急変しました。 
母親♀が独りで左に走って行きました。 
2匹の幼獣a,bが続けざまに巣口Lに飛び込みました。 
母親♀が警戒声♪を発したのかどうか、私には聞き取れませんでした。 
右奥から幼獣cが戻ってきて、同じく巣穴Lに入りました。 
左から戻ってきた♀がセット(営巣地)を駆け回り、左へ突進しました。 
林床に散らばった4匹の幼獣たちを呼び集めている(点呼招集)のかと思ったのですが、このとき母親♀は、巣外に残ったままの幼獣に巣穴へ戻るよう促しませんでした。 
しかし、母親♀のただならぬ様子で緊急事態を察したのか、外に居た幼獣cもようやく自発的に入巣Lしました。 
最後に右からセットに戻ってきた幼獣dは、巣穴Lには入らず、呑気に左へ向かいました(母親と合流したいのかも)。 

巣口Lから別個体の幼獣が顔だけ出して外の様子を心配そうに伺っています。 
緊急時の対応を見ても、4匹の幼獣には明らかに性格の違いがあるようで、興味深く思いました。 


シーン2:6/23・午後23:39(@1:00〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
何者かがセットに接近するのを察知して警戒し、巣外で活動していたアナグマの家族が次々に2つの巣穴L、Rに潜り込んで避難しています。 

初めに巣口Rで警戒していた母親♀(右目<左目)が、なぜか警戒声も発さずに幼獣を放置したまま反対側に走り去りました。 
しかしすぐに駆け戻ってきて、慌てて巣穴Rに入りました。 
もうひとつの巣口L付近に居る幼獣は放ったらかしです。 
巣口Rから恐る恐る顔を出した母親♀(右目<左目)が、巣口Rで警戒しています。 
逃げ遅れた幼獣が1匹、母親♀がいる巣口Rに向かってゆっくり前進しています。 


シーン3:6/23・午後23:41(@2:00〜) アナグマの営巣地に深夜侵入したのはニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の母子でした。 
セットをうろつき、林床の匂いを嗅ぎ回っています。 
既報なので、10倍速の早回しでお届けします。 



この間、アナグマの家族は全員が巣内で籠城しているようです。 


シーン4:6/23・午後23:45・雨天(@2:16〜) 
しばらくセットに長居したイノシシの親子が立ち去った後、雨が降り出しました。 
ちなみに、この日は東北地方南部に梅雨入りが宣言されました。
巣口Rから外に出てきたと思われるアナグマ♀が、イノシシの残り香を嗅ぎ回り、辺りを警戒しています。 


シーン5:6/23・午後23:59・雨天(@3:16〜) 
アナグマの母親♀(右目<左目)が巣口LRの中間地点で警戒している間に、1匹の幼獣が不安そうに巣口Rから外に顔を出したものの、すぐに奥へ引っ込みました。 
母親♀が巣口Lの匂いを嗅いでから、中へ慎重に潜り込みました。 


シーン6:6/23・午後23:59・雨天(@3:42〜) 
別アングルの監視映像でも入巣Lシーンが撮れていました。
左から来が母親♀が巣口Lの匂いを嗅いでから入巣L。 

旧営巣地に転入してきたばかりのアナグマの家族にとって、激動の一日がようやく終わりました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
イノシシは肉食獣ではないので、アナグマの幼獣が捕食される心配はありません。 
しかし当地でイノシシはまだ個体数が少なく、山中でも滅多に遭遇できません。 
ましてや人里に隣接する平地の二次林で暮らすアナグマにとって、イノシシは初見の(未知の)怪獣だった可能性すらあります。 

営巣地(セット)にイノシシ2頭がズカズカと侵入したのに、アナグマの母親♀が縄張りから撃退したり幼獣を積極的に守ったりする行動をしなかったのが、とても意外でした。 
逃げ遅れた幼獣の首筋を咥えて強引に巣穴に連れ戻すかと期待したのですが、アナグマの母親♀はパニックのように右往左往したり、我先に巣穴Rに逃げ込んだりするだけで、素人目には全く頼りにならない体たらくでした。 
野生動物が子を守る母性本能というのは、ヒトが勝手に投影する幻想、願望、神話に過ぎないのでしょうか。
イノシシは肉食性ではないので、アナグマの幼獣が捕食される心配はありません。 
今回の侵入者は図体がでかくても危険性がないことをアナグマの母親♀は冷静に見切っていたのでしょうか。
今回アナグマの母親♀は、ただ己の保身に走ったようにも見えますが、幼獣に対して巣穴に籠城する避難行動の手本を示したと解釈することもできそうです。
もしもアナグマのヘルパー♂が母子と同居していれば、イノシシを撃退したり、幼獣を守ったりしたでしょうか?

♀が走り回ってカッ♪と鳴いたのが警戒声なのかな? 
アナグマが発する鳴き声のレパートリーの中で警戒声が分かっているのなら、録音した警戒声をスピーカーから再生すると、アナグマは巣穴に一目散に逃げ込むはずです。
ニホンアナグマに対して、そのようなプレイバック実験は行われていないようです。



2025/08/11

里山の獣道を通る夏毛のニホンノウサギ:6月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン0:6/21・午後12:55・気温32℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山でニホンカモシカCapricornis crispus)が通う溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 

現場は雑木とスギの混交林で、基本的には画面の左から右に向かって上り坂になっていますが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 

夏毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が登場したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/22・午後19:32・気温23℃(@0:03〜) 
晩に右の茂みを左から右へピョンピョン跳んで横切りました。 


シーン2:6/25・午後19:14・気温21℃(@0:10〜) 
3日後の晩にも同じルートでノウサギが現れました。 


シーン3:6/27・午前0:35・気温15℃(@0:16〜) 
2日後の深夜にもノウサギが獣道を左から右へ、ピョンピョン跳びながら斜面を登って行きました。 

新機種のトレイルカメラなのに、毎回なぜか起動が遅れています。 
もしかすると、左からではなく奥から来たニホンノウサギが左折して斜面を登ったのかもしれません。
ノウサギがカモシカの溜め糞場に立ち止まることは一度もありませんでした。

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:21〜) 
※ 後半は動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/08/08

山中の湿地の草むらで深夜に餌を探し歩くニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月下旬 

シーン0:6/19・午後13:07・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に湧き水が年中滲み出す湿地があり、浅い水溜りをトレイルカメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/22・午前0:14(@0:04〜) 
深夜に湿地帯の奥の草むらを謎の中型野生動物がうろついています。 
常に頭を下げて動き回り、下草が揺れています。 
ときどき顔を上げて警戒しています。 

少しずつ手前に近寄ってくれたものの、水溜りには来てくれませんでした。 
イタチならカエルやオタマジャクシを狩ろうと水辺に来るはずです。 


やや遠くて被写体の動きが緩慢なので、まずは5倍速の早回し映像をご覧ください。 
次は1.5倍に拡大した上でリプレイ。 
オリジナルの等倍速動画は、最後にお見せします。 
等倍速動画を先にすると、何を見せられているのかよく分からない視聴者が離脱しそうなので、説明のために順番を入れ替えました。
今回は早回しのダイジェストを先に見せていることになります。

おそらくニホンアナグマMeles anakuma)が採餌しているのでしょう。 
この地点でアナグマは初見です。 


シーン2:6/22・午前0:15(@0:04〜) 
アナグマが活動している林床で、ときどき下草や灌木が揺れています。 
水溜りで泥水を飲んだり浴びたりすることが目的ではなく、湿地帯で地面を掘り起こしてミミズを捕食しに来たのではないかと推測しています。 


つづく→

2025/08/04

トレイルカメラの近くでクモが網を張り撮影の邪魔をするトラブル【10倍速:暗視映像】

 

2024年6月中旬 

シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に湧き水が年中滲み出す湿地があり、浅い水溜りを水場として利用しに来る野生動物や野鳥を観察するために、旧機種の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/14・午後18:05〜(@0:06〜)日の入り時刻は午後19:06。 
夕方になって監視カメラが起動したのは、至近距離で小さなクモ(種名不詳)が垂直円網を張り始めたからでした。 
10倍速の早回し映像でお届けします。 
変温動物の動きには反応しないはずなのに、センサーの反応性を高感度に設定すると旧機種のトレイルカメラは誤作動してしまうようです。 

クモが巣を作ったのは湿地帯に隣接するスギ植林地の林縁で、スギの木の下に横枝や下生えなどを足場として利用しているようです。 
ピントが全然合っていませんが、クモは粘着性のある横糸を密に張りながら螺旋状に動き、次第に円網の中心に向かっています。 
円網の中心で放射状の縦糸が合流する中心部分をこしきと呼ぶのですが、風で揺れる甑が白くぼんやり見えています。 
横糸を張るクモの螺旋運動の半径がどんどん小さくなります。 

午後18:25には横糸を張り終えて円網が完成したようで、クモは甑に下向きで占座しました。 
垂直円網は風で絶え間なく揺れています。 
日没前の約20分間で横糸を張り終えたことになります。 

クモはなぜこの場所に造網したのでしょうか? 
現場は湿地帯に隣接するスギ植林地の林縁で、風通しは良さそうです。 
スギの木の下に横枝や下生えなどを足場として利用して網を張ったようです。 
夜に赤外線の暗視カメラが頻繁に起動しますが、可視光を発していませんから、走光性の虫は集まってこないはずです。 


シーン2:6/14・午後19:33(@1:24〜) 
辺りが完全に暗くなると、監視カメラが照射する赤外線を反射してクモの円網がとてもよく見えるようになりました。 
クモの巣がレースのように夜風に揺れて美しいのですが、奥の水場に来る被写体がほとんど見えなくなってしまいました。 


シーン3:6/15・午後19:19(@1:40〜)日の入り時刻は午後19:06。 
クモは基本的に毎晩、獲物捕獲装置としての円網を取り壊して張替えます。 
しかし翌日には、クモが網の横糸を張り直す行動がなぜか録画されていませんでした。 
夕方に無風だったのかな?
日没直後に監視カメラが起動したときには、新しく完成した円網が夜風に揺れていました。 
円網の位置が前日から少しだけずれています。 

水場に来たイノシシが立てる物音(泥浴び、ヌタ打ち?)がかすかに聞こえます。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの物音が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
昼間にトレイルカメラを設置したときにはクモの網が取り壊されていて無かったので、こんな撮影トラブルはまったく予想できませんでした。 
トレイルカメラのすぐ近くで網を張るクモは撮影の邪魔なので、次回からは造網の足場となりそうな、枯れた横枝や下生えをきれいに取り除きました。 
トレイルカメラの保守作業に通う間隔を開け過ぎてしまうと、こうした予想外のトラブルに対応できず、せっかく長期間設置しても狙った被写体がほとんど撮れていなくて悔しい思いをすることがあります。
夏は植物の成長が旺盛でレンズの手前に覆い被さってしまうことも多いので、特にローアングルでトレイルカメラを設置したときには下草を頻繁に刈る必要があります。

徘徊性のザトウムシ(クモの遠い親戚)にはまた別の問題があり、なぜかトレイルカメラのレンズの上に被さるように長時間居座って、撮影の邪魔をします。

2025/08/02

引っ越し翌日の深夜に雨が降り出したセットで暮らすニホンアナグマ家族【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬・午前0:06〜3:35 

ニホンアナグマMeles anakuma)の母子群が平地の二次林にある旧営巣地(セット)にある晩引っ越してきてから、日付が変わっても幼獣たちの興奮は冷めませんでした。 
本来アナグマは夜行性なので、特に夜ふかしをしている訳ではないのですが、2つの巣穴R、Lの中を調べたり、営巣地周辺を探索したり、兄弟姉妹で取っ組み合いをして遊んだりしています。 

母親♀は4匹の幼獣を1匹ずつ掴まえると毛繕いしてやっています。 
ときどき母親は営巣地を離れて独りで採食や巣材集めに出かけるようですが、幼獣たちはおとなしく巣穴周辺で留守番しています。 

午前2:47ぐらいから小雨が降り出しましたが、アナグマの家族は平気で巣外で活動しています。 


※ ときどき幼獣が吠える鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/08/01

山中の湿地帯を夜にうろつく夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/28・午後12:39・くもり(@0:00〜) 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン2:6/28・午後19:21(@0:04〜) 
晩に夏毛のホンドテンMartes melampus melampus)がやって来ました。 
尻尾の先端が白く足先が黒いのでキツネかと思いきや、全身像が写るとその正体はテンでした。 
夜の湿地帯をうろついて、おそらくヤチネズミやカエルなどの獲物を探しているのでしょう。 


関連記事(同所の撮影)▶  


ホンドテンが右奥の泥水溜りに向かうと、別アングルで設置したもう一台の監視カメラの赤外線LEDが点灯したのですが、何も写っていませんでした。 

結局、テンは水溜りの水を飲んだり浴びたりすることはありませんでした。


つづく→

2025/07/31

水浴びの好きなフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼下がりにたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の水浴シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/18・午後22:12(@0:04〜) 
ある晩に、画面左端にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰で、水場に降り立ったフクロウが羽ばたきました。 
しばらくすると、中洲にピョンと飛び移り、監視カメラをにらみつけました。 
再び左(死角)の水溜まりにピョンと入水し、行水を始めたようです。 


シーン2:6/20・午後19:54(@0:37〜) 
2日後の晩にもフクロウが水溜りの対岸に来ていました。 
周囲を見回して警戒しています。 
ときどきコウモリが飛来します。 

奥の水溜まりにピョンと入水すると、足を浸しました。 
その場でグルグル回りながら足踏みしているのは、泥底を深く掘り返しているのではないかと私は想像しています。 
水浴前にそんなことをしたら、底の泥が巻き上がって水が濁ってしまうはずですが、フクロウは気にしないようです(仕方がない?)。 

やがてフクロウは泥水で洗顔を始めました。 
水溜りに身を沈めたフクロウが周囲を見回したところで、90秒間の録画が終わってしまいました。 


シーン3:6/20・午後19:59(@2:08〜) 
左(死角)の水溜まりでフクロウが水浴していました。 
足踏みしながら顔を水面につけて素早く左右に振り、洗っています。 
我々ヒトと違って両手を使えない鳥の洗顔は、汚れを落とすのが大変そうです。 


シーン4:6/20・午後20:04(@2:56〜) 
いつの間にか対岸に上陸していたフクロウが監視カメラに背を向けていました。 
その場で軽く身震いしてから、奥に飛び去りました。 
他の種類の鳥と違ってフクロウでは水浴後の羽繕いを撮れたことがないのですが、水場ではなく、どこか安全な止まり木に移動してからやるのでしょうか。 


シーン5:6/20・午後21:02(@3:06〜) 
水溜りの中洲にフクロウが着地していました。 
羽毛がボサボサなのが気になります。
一部の羽根が擦り切れているように見えます。 
換羽期なのか、それともまさか幼鳥ですかね? 
フクロウ観察歴の浅い私にはよく分かりません。 

左にピョンと跳んで死角の水溜まりに入りました。 
水浴を済ませたフクロウが右にピョンと跳んで中洲に戻ってきました。 
軽く身震いしてから、右上へ音もなく飛び去りました。 


シーン6:6/20・午後21:14(@3:59〜) 
奥に設置した別の監視カメラの赤外線LEDが眩しく点灯しています。 
中洲の左端に来ていたフクロウの後ろ姿が写っています。 

やがて警戒を解くと、左の水溜まりに入水し、死角に消えました。 
水浴後に中洲にピョンと戻ってきたフクロウは身震いして周囲を見回してから、右上へ飛び立ちました。 


シーン7:6/20・午後21:34(@4:46〜) 
左の画角外の水溜まりで、フクロウが水浴びをしていました。 
珍しく歩いて中洲に上陸すると、身震いしてから奥に飛び去りました。 


シーン8:6/20・午後21:54(@5:37〜) 
フクロウが、中洲の左に着陸していました。 
周囲を見回して警戒してから、左の死角の水溜まりにピョンと入水。 


シーン9:6/20・午後21:56(@5:57〜)
行水を終えてさっぱりしたフクロウが、左の死角からピョンと跳んで中洲に上陸。 
周囲を警戒してから、再び左の死角の水溜まりに入りました。 


シーン10:6/20・午後22:05(@6:53〜)
中洲に降り立っていたフクロウが、周囲を見回してから左へピョンと2回跳んで入水すると、死角で行水を始めました。 
中洲にピョンと上陸すると、身震いして飛び立つ寸前に録画が終わってしまいました。 

どこか遠くでヨタカ♂(Caprimulgus indicus jotaka)がずっと鳴いていた♪のですが、YouTubeにアップロードした動画では再エンコードのせいか聞き取れないかもしれません。 

関連記事(9年前の撮影)▶ ヨタカ♂(野鳥)の鳴き声♪と声紋解析 


シーン11:6/20・午後22:17(@7:50〜)
再び中洲の左端に来ていたフクロウが、左の水溜まりにピョンと跳んで入水すると、チャプン♪と水音が聞こえます。 
死角で水浴を終えたフクロウは、再び中洲にぴょんと跳んで上陸。 
顔を素早く振って水気を切ると、水溜りの対岸に飛んで移動しました。 
飛び去る瞬間まで見届けられずに、録画終了。


※ 水音や羽ばたきなどが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
フクロウの個体識別ができていないのですけど、同一個体が通っているとすると、一晩でかなり頻繁に水浴していることになります。
きれい好きのフクロウは、「風呂キャンセル界隈」とは無縁のようです。
狩りをする度に汚れを落としに来るのでしょうか?


2025/07/29

営巣地に転入直後に巣材を集めて運び込むニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/11・午後13:26・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に2台の自動撮影カメラを設置して、定点監視しています。 

シーン1:6/22・午後22:50(@0:07〜) 
4匹の幼獣を引き連れて母親♀(右目<左目)が引っ越してきた直後です。 
1頭の幼獣が巣穴Rから外に出てくると、右へ駆け出しました。 

しばらくすると、母親♀が右から巣材を運びながら後ろ向きでセットに戻ってきました。 
どうやら転入直後に新鮮な巣材(寝床)が必要となり、早速集めてきたようです。 
林床の落ち葉を掻き集めながら、後ろ向きで帰巣Rしました。 
落枝を両手で持って効率よく(手際よく)落ち葉掻きしていたのは、果たして偶然でしょうか? 

その様子を付き添って見ていた幼獣も続けて入巣R。 


シーン2:6/22・午後22:54(@0:51〜)
広場の林縁近くに座って体を掻いていた母親♀の元に幼獣が歩み寄ると、幼獣に対他毛繕いしてやりました。 
母親♀は、別個体の幼獣bとすれ違いながら巣穴Rに入りました。 
幼獣2頭が巣外で取っ組み合いの遊びを始めました。 
その間、右上の林縁で別個体の幼獣が単独で採食しています。 

やがて、母親♀が巣内から顔を出すと、巣口Rに溜まっていた落ち葉を中に掻き入れました。(@1:35〜) 


シーン3:6/24・午前11:12:・くもり・気温24℃(@1:51〜) 
2日後の昼前にも巣材集めの行動が撮れていました。 
自然光下では、幼獣の毛皮は白っぽくクリーム色に見えます。 
その一方、成獣(母親♀)の毛皮は焦げ茶色です。 

巣口Lから母親♀が獣道を右上奥へ歩き出すと、1匹の幼獣がその後をついて行きます。 
母親♀が珍しく奥のヒメアオキ群落に分け入ると、落ち葉を掻き集め始めました。 

その間に3頭の幼獣は、帰巣Lしました。 


シーン4:6/24・午前11:14:・くもり(@1:51〜) 
続きが白黒映像に切り替わっていました。 
初夏の二次林は、林冠に葉が生い茂って昼間も日照が乏しいので、トレイルカメラが間違えてモノクロの暗視モードで起動してしまうことがあるのです。 

母親♀は後ろ向きで入巣Lしながら、前足で掻き集めた大量の落ち葉を搬入しています。 


シーン5:6/24・午前11:17:・くもり(@1:51〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フルカラーに戻っていました。 
(薄明薄暮で周囲環境の照度が閾値だと、白黒→フルカラー→白黒→…と交互に切り替わります。)

巣口Lにこぼれ落ちていた巣材の残りを、母親♀が巣内に掻き入れています。 
搬入した巣材には、枯れた落ち葉だけでなく、ヒメアオキの青々とした葉も含まれていました。 
もしかすると、常緑樹の葉には清々しいアロマ効果や防虫効果があるのかもしれません。 

再び母親♀が巣口Lに顔だけ出し、巣口Lに残っていたヒメアオキの枝葉を咥えて中に引き込みました。 


シーン5:6/24・午前11:21:・晴れ(@3:21〜) 
母親♀が巣穴Lから左外に出て次の巣材を集めに行くシーンは撮り損ねたようです。 
左から後ろ向きで巣穴Lに戻ってくると、掻き集めた新しい巣材を搬入しました。 
今回の巣材には広葉樹の緑の生葉が含まれていました。(マルバゴマギかな?) 
細長い落枝も構わず一緒に運び込んでいます。 

その間、幼獣たちは巣材搬入作業の邪魔にならないように、巣内に留まっていました。 


※ アナグマの鳴き声や巣材集めの物音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/07/28

アナグマの営巣地を深夜うろつくニホンイノシシの母子:疥癬個体?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月下旬

シーン0:6/11・午後13:26・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に2台のトレイルカメラを設置して、定点監視しています。


シーン1:6/23・午後23:41・気温24℃(@0:00〜) 
アナグマの家族(母親♀と4頭の幼獣)が引っ越してきた翌日の深夜に、なんとニホンイノシシSus scrofa leucomystax)がセットに登場しました。 


この地点(平地に点在する二次林)でイノシシが写ったのは初めてなので、驚きました。 
山から降りてきたのでしょうか。 
林床で餌を探し歩く際に落ち葉の匂いを嗅ぎ回る鼻息♪が聞こえます。 

この個体は、体毛が背中にしか残っておらず、背中に黒いたてがみが密生しています。 
夏毛に生え変わっている途中なのかと私は最初思ったのですが、イノシシは他の動物と違って、季節の変わり目に明瞭な換毛が起こることはないのだそうです。 
そして、体表の側面にシミのような斑点があります。 
赤外線による暗視映像ではよくわからないのですが、疥癬など抜け毛が激しい皮膚病の個体かもしれません。 
昼間の自然光下で症状をじっくり見たかったです。 





左の暗闇から大型の別個体がやって来て合流しました。(@0:23〜) 
おそらく母親♀と思われる大型個体には、体中に黒い毛が疎らに?生えています。 
小さい方のイノシシ(疥癬感染個体)は幼獣らしいと分かりましたが、脱毛のせいか体表にウリ(瓜)のような縦縞模様はありませんでした。 


そのイノシシ幼獣が、咳のようなクシャミのような音を発しました。(@0:29〜) 
アナグマ家族の濃厚な残り香が気になって、地面を嗅ぎ回っているだけかもしれません。 



シーン2:6/23・午後23:41・気温27℃(@0:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも、イノシシ母子の登場シーンが撮れていました。 

イノシシの親子(母子)が林床の匂いを嗅ぎ回っているときに、幼獣がクシャミ♪をしました。(@1:16〜) 
何か土埃でも吸ってしまったのでしょうか。 

獣道を通って右へ行く途中で、幼獣がアナグマの巣口Lを発見して立ち止まりました。 
しかし、あまり近寄ろうとしません。 
実はこのとき、アナグマの家族は巣穴Lの奥に立て籠もっていたのですが(映像公開予定)、巨大な侵入者を営巣地から撃退することはありませんでした。 
もしイノシシとアナグマが暗闇で対決したらどうなるのか、興味があります。 


シーン3:6/23・午後23:42(@2:07〜) 
ニホンイノシシの母子がアナグマのセットから立ち去った後も、右の死角から物音が続いています。 
イノシシの鼻息♪やパキッ♪と落枝を踏む音が聞こえました。 

画面右下に転がっている落枝が動いたと思ったら、イノシシの幼獣が戻ってきました。 
地表を鼻面で嗅ぎ回って餌を探しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
 イノシシ幼獣の皮膚病が疥癬だとしたら、その原因である寄生虫ヒゼンダニSarcoptes scabiei)がアナグマにも伝染するのではないかと心配です。 
採餌中に繰り返しているクシャミも土埃などを吸ってしまっただけなら良いのですが、何か病気の症状の一つだとしたら心配です。

近年報告例が増えているイノシシの感染症として、疥癬症がある。これはヒゼンダニが皮膚に寄生する皮膚病で、強いかゆみが起こり、皮膚がかさかさになる。感染した個体は体を擦り付けるので脱毛し、ひどい場合は全身がただれてしまう。症状が進んだときには、食欲が減退し、衰弱して死に至ることがある。イノシシの疥癬症は、飼育個体で発症が認められていたが、最近は中国・九州地方の野生個体にも認められており、更に広がりつつある。 (環境省のPDF資料より引用)



つづく→

2025/07/27

ニホンアナグマ♀が今季産まれた幼獣4頭を引き連れて旧営巣地に引っ越してきた!【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年6月下旬 

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を自動撮影カメラでしつこく監視してきたのは、越冬中に死んだ個体の次に誰か別の個体が引っ越してくるはずだと信じていたからです(願望)。 
今季はこの巣穴で出産、育児するアナグマ♀は居ませんでしたが、遂に執念が実りました。 


シーン1:6/22・午後22:48・気温22℃(@0:00〜) 
アナグマの幼獣3頭が巣口R付近で元気にはしゃぎ回っていました。 
初めての環境で興奮しているようです。 

すぐに母親♀が巣穴Rから外に出てきました。 
腹面に乳首があり、首筋(背中)には交尾痕があるので、成獣♀と分かります。 

この母親♀右目<左目は、今季も無事に別の巣穴で出産育児に成功していたことになります。 
幼獣が離乳し長距離を出歩けるようになったのを見計らって、旧営巣地に転入してきたのでしょう。 

母親は幼獣たちを巣内Rに招き入れました。 
しばらく母親♀が巣口Rの外に出てきて辺りを警戒しています。 
背後から幼獣1頭がついてきました。 

この時点(シーン1)では幼獣が3頭しか写っていません。 


シーン2:6/22・午後23:06(@0:48〜) 
右を見つめて警戒していた母親♀が身震いしてから、巣穴Rに戻りました。 


シーン3:6/22・午後23:39(@1:00〜) 
いつの間にか、アナグマの家族(母子)が巣外で散開していました。 
母親♀が連れて歩いている幼獣は3頭ではなく、4頭でした。 

巣口L付近で、母親♀は近くに居た幼獣の尻の辺りを舐めました。(対他毛繕い) 
母親♀は左へ採餌に出かけたのかな? 
幼獣3頭がセットに居残り探索する間、1頭は母親♀について行ったようです。 


シーン4:6/22・午後23:40・気温21℃(@2:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラで続きが写っていました。 
母親♀が画面の右端で採食していると、幼獣たちが興味津々で集まって来ます。 


シーン5:6/22・午後23:45(@3:00〜) 
巣口Lおよびその左で、幼獣3頭が探索したり遊んだりしています。 
1頭の幼獣が立ち止まって痒い体を掻きました。


シーン6:6/22・午後23:46(@4:00〜) 
幼獣2頭が巣口R付近でちょっと格闘遊びをしました。 
幼獣は足元がまだ覚束なくて、その片方が巣口Rに転がり落ちかけました。 
マルバゴマキの細根や落枝に体が引っかかって、なかなか抜け出せません。 

手前の林床で独りひたすら餌を探している個体がいます。 


シーン7:6/22・午後23:47(@5:00〜) 
右エリアで幼獣2頭がうろついています。 
獣道で、ある地点が気になるようで、落ち葉の匂いを嗅いだり、落枝を咥えて引っ張ったりしています。 


シーン8:6/22・午後23:49(@6:00〜) 
幼獣3頭と母親♀が手前からセットに戻ってきて、巣口Rに少しずつ近づきます。 


シーン9:6/22・午後23:51(@7:00〜) 
母親♀右目<左目が巣穴Lに入りかけたものの、なぜか止めて後退りで出てきました。
 (奥には「いざりタヌキ」の白骨死骸が転がっているのではないかと私は推測しています。) 

母親♀は左に移動し、幼獣2頭がセットをうろついています。 


シーン10:6/22・午後23:51(@8:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
幼獣2頭が巣口Rの横で取っ組み合いをして遊んでいます。 

その間、別個体の幼獣がマルバゴマギの根元にある野ネズミの巣穴の匂いを嗅いでいるようです。 

母親♀が幼獣の尻の辺りを舐めてやり(対他毛繕い)、巣穴Rに入りました。 
巣口Rが幼獣で混み合っていたのに、母親♀は幼獣を踏んづけながら入巣R。 
引っ越しで疲れ切った母親♀は巣内Rで寝るようです。

しかし4匹の幼獣はまだ遊び足りないようで、巣外をうろついています。 


シーン11:6/22・午後23:52(@9:00〜)
1匹の幼獣が右下エリアで独り採餌活動しています。 
頑張って地面を掘り返しているようです。 


シーン12:6/22・午後23:55(@10:00〜) 
うろついていた母親♀が右下エリアに座り込み、幼獣に毛繕いをしてやります。 


シーン13:6/22・午後23:55(@10:23〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
広場で格闘遊びしている2頭の幼獣を放っておいて、母親♀が左から右へノソノソと移動します。 
左端に座り込んで、幼獣に対他毛繕い。 

4頭目の幼獣が右から歩いてセットに戻ってきました。 


シーン14:6/22・午後23:57(@11:23〜) 
広場で三つ巴の格闘遊びが繰り広げられています。 
その間、左上エリアでは母親♀が幼獣と相互毛繕いしているようです。 (白い目が光って見えるだけ) 

セットに戻ってきた母親♀が、近くに居た幼獣を次々に掴まえて毛繕いしてやります。 


シーン15:6/22・午後23:59(@12:23〜) 
母子の相互毛繕いを別アングルで。 


シーン16:6/22・午後23:59(@12:57〜) 
母子の相互毛繕いのつづき。 
巣口Rの近くで独りで餌を探し回る幼獣がいます。 

他には、広場の奥でミズキの根元で木登りに挑戦している幼獣個体もいます。
根元の分岐を自力で乗り越えるのが楽しくて仕方がないようです。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
母親♀がカメラ目線になると、赤外線を反射する目のタペータムが左右非対称(右目<左目)の個体でした。 
この形質(特徴)は、前年にここで出産、育児した母親♀と同じです。 
長らく姿を見ていなかったのですが、存命で健在だったことが分かり、安堵しました。 
彼女が産んだ幼獣は全ての個体で目が左右均等なので、少なくとも優性遺伝(顕性遺伝)の異常ではないと言えます。 

母親♀右目<左目は、前年に続いて今季も幼獣4頭を無事に育て上げていたことになります。 
子連れの引っ越しにヘルパー♂は付き添わなかったようです。 

今季の母親♀がこの営巣地で出産したのではないと断言できる理由は、
  •  ♂の求愛および交尾を見ていない。 
  •  ♀の巣材集め行動を見ていない。 
  •  ♀が歩けない幼獣の首筋を咥えて連れ回すのを見ていない。 
  •  巣外での授乳シーンや対他毛繕いを見ていない。 


母親♀は少なくとも2つの巣穴を毎年交互に使い、出産と育児で使い分けているようです。
前年はここで出産し、離乳すると幼獣を連れてどこかに転出しました。 
今季はその逆パターンになります。
同じ巣穴に住み続けると、巣材に寄生虫が湧いてしまうのかもしれません。 

今季はこのまま越冬までアナグマ家族が住み続けてくれるでしょうか?
それまでタヌキの♀♂ペアが頻繁に巣穴を内検していたので、てっきりタヌキが巣穴を乗っ取るかと思いきや、予想外の展開になりました。 
アナグマ家族の転入後は、ニホンカモシカやイエネコなどがセットに近寄らなくなりました。 


2025/07/26

山林で溜め糞場の周辺を昼夜うろつくニホンカモシカ:6月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬 

シーン0:6/14・午後12:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山の雑木とスギの混交林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)の通う溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 
基本的に画面の左から右に向かって上り坂ですが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 
画面の手前から奥に向かう獣道と左右に通る獣道の交差点になっています。 


シーン1:6/15・午前1:27・気温19℃(@0:04〜) 
深夜にカモシカが獣道を右から来て手前に曲がりました。 
林床のあちこちに散乱する溜め糞の匂いを嗅ぎながら、左下手前へ歩き去りました。 
今回は溜め糞場sr2で排便しないで素通りました。 


シーン2:6/19・午前11:34・晴れ・気温28℃(@0:19〜) 
監視カメラの画角が急に変わったのは、前日に来たクマが手で叩き落とそうとしたからです。 



溜め糞場sr2を監視できなくなりましたが、昼前にカモシカがスギ立木の奥を右から左に横切りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:33〜)。 
藪の隙間から見えたのは、ニホンカモシカで間違いありません。 
ハリギリの巨大倒木の方に向かったようです。 
カモシカが溜め糞場の位置を変更したのかと思ったのですが、後に現場検証しても糞粒は見つかりませんでした。 


山中の水場に通うフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/19・午後20:31(@0:04〜) 
晩に水溜りの対岸に来ていたフクロウが、キョロキョロと首を回して周囲を警戒しています。 
ようやく警戒を解くと、左にピョンと跳んでから入水しました。 


シーン2:6/19・午後20:33(@0:42〜) 
左手前にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰にフクロウは隠れてしまいました。 
水浴びするのではなく、どうやら嘴を何度も水面に付けて、泥水を飲んでいるようです。 

やがて、音もなく羽ばたくと、右上へ飛び立ちました。(@1:29〜) 


シーン3:6/20・午後19:57(@1:36〜) 
翌日の晩にもフクロウが水溜りで足浴したまま、周囲を油断なく警戒しています。 
少し歩いて水溜まりの中を移動しました。 


シーン4:6/20・午後20:45(@2:07〜) 
対岸に降り立ったフクロウがカメラ目線で写っていました。 
キョロキョロと辺りを見回しています。 
左手前に少し飛んで、中洲へ移動しました。 
眼光鋭く水溜まりを凝視しているのは、水中のオタマジャクシや水生昆虫を狙っているのでしょうか? 
水面に浮かぶ落ち葉が風に吹かれて動いています。 


シーン5:6/20・午後20:47(@2:31〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フクロウは左端の死角で水浴?していました。 
何をしているのか不明ですが、尾羽根が上下に動いていることから、洗顔や飲水かもしれません。 


シーン6:6/20・午後22:13(@2:49〜) 
いつの間にかフクロウは中洲に来ていました。 
もしかすると、左の死角で水浴した直後なのかもしれません。 
顔を左右に素早く振って水気を切ってから(身震い)、右上に飛び去りました。 


シーン7:6/21・午前3:52(@3:05〜) 
日付が変わった未明に、フクロウが左端の中洲に来ていたました。 
対岸へピョンと跳んで移動すると、軽く身震いしてから振り返ってカメラを凝視。 
やがて右奥へ飛び去りました。 


シーン8:6/21・午後22:37(@3:27〜) 
同じ日の晩に、フクロウが中洲の水際に来ていました。 
そのまま手前に歩いて水に脚を浸しました。 
周囲を警戒してから、左上へ飛び去りました。 


シーン9:6/22・午前4:09(@4:04〜)日の出時刻は午前4:14。 
日の出直前の薄明に大きな鳥?が左から右に素早く飛んで横切りました。 
右から飛来して中洲に着陸したのはフクロウでした。 
これまでフクロウが水場から飛び去るシーンばかりでしたが、水場に飛来した瞬間を撮れたのは珍しいです。 

薄明の時間帯に来たのも初めてです。 
日長が最も長いこの時期には、夜行性のフクロウにとっては活動可能な時間が最短になります。 (2024年の夏至は6/21。) 

周囲を見回し、足元の泥濘を嘴でつついています。 
手前に歩いて水溜まりに入水したところで、90秒間の録画が打ち切られてしまいました。 

常連のフクロウと比べると、今回の個体は体格が心なしか小さい気がします。 
性的二型による体格差なのか、それとも別種のフクロウなのかな? 
いつも見慣れた赤外線の暗視映像(モノクロ)とは、とにかく印象が違います。 


2025/07/25

アナグマの空き巣を内見、排尿マーキングするホンドタヌキ♀♂:6月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後21:45頃・気温19℃ 

シーン1:6/16・午後21:42・気温19℃(@0:00〜) 
自動撮影カメラで見張っているニホンアナグマの旧営巣地(セット)に、♀♂ペアと思われる2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がやって来ました。 
アナグマの巣口Lに2頭が代わる代わる顔を突っ込んで匂いを嗅いでから、次は巣口Rに向かいます。 


シーン2:6/16・午後21:42・気温19℃(@0:14〜) 
別アングルで設置した監視カメラに続きが写っていました。 
先行個体aが巣穴Rに入ると、後続個体bも続けて潜り込みました。 
巣穴Rの内検を済ませると、bが頭から外に出てきました。 

巣口Rを塞ぐように伸びているマルバゴマキの根っこに、タヌキbは小便をかけて、マーキング(縄張り宣言)したようです。 
タヌキaが巣外に出てすぐ身震いすると、外で待っていたパートナーbも続けざまに身震いしました。 
親密な番つがい相手の行動を真似るミラーリングなのかな? 


シーン3:6/16・午後21:43(@1:02〜) 
再び巣口Lに戻っててきたタヌキの♀♂ペアが、連続して中に入りました。 
後続個体bは完全に中まで入らず、後退して外に出ました。 
獣道を左上奥へ立ち去りました。 


シーン4:6/16・午後21:43(@1:53〜) 
別アングルで設置した監視カメラに続きが撮れていました。 
後から巣穴Lから出て来た個体は、巣口Rに再度立ち寄って匂いを嗅いでから、パートナーの後を追って獣道を手前へ向かいます。 


つづく→

2025/07/24

飛びながら山中の水溜りに着水するコウモリの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 

夜な夜な飛来するコウモリの登場シーンを以下にまとめます。 
飛びながら夜蛾などの獲物を空中で捕食していると思うのですが、低く飛びながら、ときどき一瞬だけ着水するのが気になります。 


シーン1:6/19・午前0:46(@0:04〜) 
深夜に湿地帯の上空をグルグルと飛び回っています。 


シーン2:6/19・午後23:52(@0:14〜) 


シーン3:6/20・午前1:42(@0:31〜) 


シーン4:6/20・午後22:39(@1:07〜)


シーン5:6/22・午後21:27(@1:16〜) 


【考察】
トレイルカメラで撮れた暗視動画の25fpsのフレームレートでは、たとえスローモーションに加工しても、敏捷なコウモリが着水の瞬間に何をしているのか分かりません。
以下のような複数の可能性が考えられます。
  • 飛びながら水面に口を浸けて素早く水を飲んでいる飲水行動。
  • 飛びながら体を濡らす水浴行動。
  • 水面に浮かぶアメンボなどを飛びながら狩っている捕食行動。
フレームレートの高い上位機種のトレイルカメラは値段も張り、なかなか導入できません。


つづく→

カジカガエル♂の鳴き声♪(昼と夜)

 

2024年6月上旬〜中旬

シーン1:6/8・午後14:40・晴れ(@0:00〜) 
河原からフィリリリリ…♪という鈴の音のような高音の優しい鳴き声が聞こえてきました。 
まさかとは思いますが、カジカガエル♂(Buergeria buergeri)の鳴き声でしょうか。 
少なくとも2匹の♂が鳴き交わしている印象です。 
♂が縄張りを宣言し、交尾のため♀を呼び寄せる求愛の鳴き声なのだそうです。 
この辺りは川の上流域の後半で、流れは落ち着き、岸は丸みを帯びた石だらけです。 

オスは水辺にある石の上などに縄張りを形成し、繁殖音をあげる[2]。鳴くのは、繁殖期の4月から7月の夕方から明け方までである。和名の「河鹿」はこの鳴き声が雄鹿に似ていることが由来[3]。(wikipedia:カジカガエルより引用) 

姿を確認できていませんが、こんな街なかを流れる川にカジカガエルが生息しているとは予想外で驚きました。 
カジカガエルは、もっと上流域の渓流に住んでいるとばかり思い込んでいました。 
もしかすると、最近降った大雨のせいで増水した渓流のカジカガエルが流され、この地点に漂着したのでしょうか? 

しかも、カジカガエル♂が鳴くのは夜(夕方から明け方まで)とされているのに、今回は真っ昼間から鳴いていて、異例なことばかりです。 

慌てて動画で鳴き声を録音してみたのですが、周囲のノイズ(※)が耳障りです。 
(※ 風切り音、手前のヨシ原が風でざわざわ揺れる音と、土木工事する重機の騒音など) 

シーン2:6/16・午前2:45(@0:35〜) 
静かな深夜に現場を再訪して、美しい鳴き声を録音し直すべきだと思い立ちました。 
1週間も間隔が開いてしまうと、カジカガエルの繁殖期は下火になったのか、期待したほど鳴き声は聞こえませんでした。 
しかも、しばらくすると鳴き止んでしまいました。 
私が来た時間帯が遅過ぎたのかもしれません。 

深夜は深夜で、別のノイズが賑やかでした。 
街なかの川は、どうしても騒音だらけです。
(※ カルガモの鳴き声♪、オオヨシキリ♂の囀りさえずり♪、川のせせらぎ♪、空調エアコンの巨大な室外機のノイズ♪など )

赤外線でナイトビジョン(暗視動画)が撮れるハンディカムを持参したのですが、今回も石だらけの河原に降りてのカジカガエル探索はできませんでした。 
私が耳を澄ませて川沿いの遊歩道を歩いていたら(鳴き声によるラインセンサス)、野生動物が河川敷から草むらに慌てて逃げ込む物音がしました。 
タヌキなら良いのですが、ツキノワグマとニアミスする可能性もあり、私は怖気づいてしまいました。 

念のために護身用の熊よけスプレーを携帯していたのですが、無理せずに撤退しました。 

川沿いをラインセンサスしてみた結果、カジカガエル♂が鳴いているのはごく一部の区間だけのようです。 


【考察】 
カジカガエル♂が鳴いていない退屈な部分を動画編集でカットするべきか迷いました。 
ChatGPTに質問してみると、時間的に間隔を開けて鳴くという点が生態学的に重要な意味があるらしいので、そのまま公開することにしました。
実は**「間隔を開けて鳴く」という特徴そのものに意味がある**と考えられています。理由は以下の通り: 
🔍 生態学的な意味 縄張りアピール:  他のオスとの競合を避けるため、間を空けて鳴き、自分の存在を静かに示す。休まず連続して鳴くと疲労し捕食リスクも増すため、間隔をあけて持続する戦略と考えられています。 
メスへのアピールの工夫:  間隔を空けて鳴くことで「長時間、安定して鳴ける=体力があるオス」だと示せる場合があります(これを「スタミナのシグナル」と呼ぶ場合も)。 
渓流環境への適応:  水音のある場所で連続音だと埋もれてしまうため、「間を空けて、目立つように」鳴くとも考えられています。

今季はまるで中途半端な結果に終わりましたが、憧れだったカジカガエルを調べる糸口が得られたので、来年以降の宿題として持ち越します。 


【アフィリエイト】 

2025/07/23

ニホンカモシカが溜め糞場を素通りした後に林床をうろつく野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月中旬

シーン0:6/14・午後12:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山の雑木とスギの混交林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)の通う溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
基本的に画面の左から右に向かって上り坂ですが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 
画面の手前から奥に向かう獣道と左右に通る獣道の交差点になっています。 



シーン1:6/15・午前1:27・気温19℃(@0:04〜) 
深夜にカモシカが獣道を右から来て、林床に散乱する溜め糞の匂いを嗅ぎながら左下手前へ歩き去りました。 
今回は溜め糞場sr2で排泄しないで素通りました。 

しばらくすると、林床を左から野ネズミ(ノネズミ)が登場しました。 
この地点で野ネズミは初見ですし、ニホンカモシカとニアミスした事例も初めてです。 
野ネズミは獣道を辿って右へ向かっていましたが、途中で方向転換して手前へ。 
野ネズミの探餌徘徊を1.5倍に拡大した上で5倍速の早回し。(@0:42〜) 
等倍速。(@1:01〜) 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:29〜) 


野ネズミの動き(軌跡)を見る限り、カモシカの溜め糞に誘引されてはいないようです。 
タヌキの溜め糞なら、植物の種子が含まれていますし、糞虫などの虫を捕食するために野ネズミがやって来ることがあります。 
しかし、当地のカモシカ溜め糞場には分解者の虫がほとんど集まらず、カモシカの糞粒には種子も含まれていないため、野ネズミにも立ち寄る理由がないのでしょう。 




つづく→

2025/07/20

夜になってようやくアナグマの旧営巣地から立ち去るニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後19:25頃・気温25℃・日の入り時刻は午後19:06 

平地の二次林にあるニホンアナグマの旧営巣地(セット)に入り浸って夜まで寛いでいたニホンカモシカCapricornis crispus)がようやく立ち去りました。 
採餌活動に出かけるのでしょうか。 

別アングルに設置した監視カメラでも写っていました。 
アナグマの掘った2つの巣口R、Lの中間地点を通り、ミズキの左横から奥の林内へ、ゆっくり歩いて姿を消しました。 
途中で立ち止まって眼下腺マーキングまたは角研ぎをしているようですが、茂みの陰でよく見えません。 

この地点でカモシカの夜行性活動が記録されたのは初めてかもしれません。 




 

↑【おまけの動画】 
この地点で6/13に録画されたニホンカモシカの行動を時系列順に全てまとめ直しました。 
これまで行動別に動画を切り分けて紹介していたのですが、通して見ると印象が変わるかもしれません。

山中の水溜りで水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後21:25頃 

山中の湿地帯にある浅い水溜りに、ある晩フクロウStrix uralensis)が来ていました。 

足を水に浸したまま、何度も泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿でよく見えません。 
頭を下げて嘴が着水する度に、水面に波紋が広がります。 
(YouTubeに投稿したら、再エンコードされた動画では波紋が見にくく加工されてしまいました。)
顔を水面に付けながら激しく左右に振っていないので、洗顔の水浴行動とは違います。 


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