2019/09/21

日没後に塒のポプラ樹上から鳴く♪ノスリ親鳥(野鳥)



ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#14



▼前回の記事
立ち去る私を追いかけてニセアカシア樹上から鳴いて威嚇するノスリ親鳥(野鳥)

2019年6月上旬・午後19:10〜19:13(日の入り時刻は18:56)

6時間後。
日没直後にノスリButeo japonicus)の営巣地の対岸を再び通りかかりました。
(帰り道にどうしてもここを通らないといけないのです。)

営巣木の柳にズームインしても、巣内に動きはありませんでした。
雛は寝静まっているようです。
ノスリの親鳥が夜にどこで寝るのか興味があるのですが、巣内に姿は見えず、営巣木の天辺(樹冠)にも親鳥は止まっていませんでした。

私が立ち止まってノスリの巣を撮影していると、営巣木の左に聳え立つポプラ(=セイヨウハコヤナギ)高木の梢から聞き慣れたノスリ親鳥の警戒声が響き始めました。(@0:54〜)
甲高い声で悲しげにピーェー、ピーェー♪と間隔を開けつつ繰り返し鳴いています。

親鳥の少なくとも1羽は、やはりポプラ高木の樹冠に塒入りしていることが分かりました。
しかし倍率の弱いこのハンディカムではポプラ樹上にズームインしても親鳥のシルエットは見つけられません。
あくまでも鳴き声がする方角から判断しました。

6日前の夜明け前には、親鳥がこのポプラ樹冠から警戒声を発し、飛び立ちました。)

これ以上親鳥にストレスを与えないために、威嚇飛翔を始める前に退散しました。
私が現場を離れると親鳥は安心して鳴き止みました。
鳥が暗くなると目が見えなくなる(鳥目)というのは、嘘ですね。


※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
この動画はハンディカムで撮ったので画質も悪く、倍率も低いです。
いつものカメラは昼間に散々使い、バッテリー切れで使えませんでした。


つづく→#15:ニセアカシア樹上で頭を掻き羽繕いするノスリ親鳥(野鳥)



【追記】
1週間後、ここから数キロ離れた街なかで公園の街路樹を塒とするノスリを観察しました。
同一個体なのか不明です。

▼関連記事
交差点の電柱から飛んでムクドリの集団塒に戻るノスリ(野鳥)




マメガキの葉裏を徘徊するチャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫



2019年6月中旬

道端に植栽されたマメガキの木の葉の裏面にチャミノガEumeta minuscula)の蓑虫を2頭見つけました。
隣の葉に虫食い穴(食痕)が見えます。
新しい葉に移ってきたのかもしれません。
後半の個体は幼虫が葉裏を移動中でした。



チャミノガ幼虫は、名前の由来となったチャノキ(茶)以外にも様々な樹種の葉を食べる広食性です。
チャノキが自生できない雪国にも普通に分布しています。


▼関連記事
ニセアカシアの葉柄を徘徊するチャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫

チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫a@マメガキ葉裏
チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫b@マメガキ葉裏

草刈り後の原っぱでブタナの種子を食べるカワラヒワ(野鳥)



2019年6月中旬

街なかで道端の原っぱが草刈りされた直後にカワラヒワ♀♂(Carduelis sinica)の群れが来て採食していました。

白い綿毛の付いた種子を啄んでいます。
刈られた草の中に黄色い花も見えますし、キク科のタンポポやブタナでしょう。
落穂拾いするカワラヒワをよく見ると、冠毛は食べずに捨てて種子だけ食べているようです。
途中からスズメPasser montanus)も飛来し、仲間入りしました。


※ 動画編集したら、枯草が広がる原っぱは画面の情報量がきわめて多いためにビットレートが不足して画質が粗くなってしまいました。


▼関連記事
河川敷でブタナの種子を食べるカワラヒワ♂(野鳥)


【追記】
雑草の草刈りというヒトの行為とカワラヒワの関係を少し考えてみます。
カワラヒワにしてみれば、雑草の種子ができる前に草刈りされてしまえば困るでしょうが、単純に「環境破壊」とも言い切れません。
干し草は実が乾燥して食べやすくなるのかもしれません。
背の高いブタナの種子をカワラヒワが食べるにはいちいち長い茎を蹴倒して倒伏させる必要があるのですが、草刈りされた場所ではその必要がなくなり、楽に落穂拾いできます。
ヒトが定期的に介入(撹乱)して草刈りや野焼き(または大量の草食動物を放って牧畜)をしないと、日本の草原は維持できません。
日本の風土では草原を放置しておくと、やがて森林に遷移してしまうからです。
そうなってしまうと、種子食性のカワラヒワはそこに住めなくなってしまうでしょう。


カワラヒワ♂(野鳥)@草刈り後原っぱ+種子採食
カワラヒワ♂(野鳥)@草刈り後原っぱ+種子採食

2019/09/20

ツバメの高速低空飛翔【ハイスピード動画】(野鳥)



2019年6月中旬

ツバメHirundo rustica)が公園を低空で飛び回る様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
高速の燕返しがようやく撮れました。

ツバメが飛びながら小さな昆虫を空中で捕らえる妙技をハイスピード動画に撮ってみたいのですが、飛翔シーンをただ漫然と撮っているだけでは難しそうです。
蚊柱のような分かりやすいターゲットを狙って待ち構えていれば良いのかな?



つづく→地上で休み餌乞いするツバメの幼鳥(野鳥)

不規則網にかかったオカダンゴムシ♀を捕食するオオヒメグモ♀(蜘蛛)



2019年6月中旬

道端に積み上げられた巨大な庭石の間に張られた不規則網でオオヒメグモ♀(Parasteatoda tepidariorum)がオカダンゴムシ♀(Armadillidium vulgare)を捕食していました。

獲物は糸でラッピングされ不規則網の中央に吊り下げられています。
黄色い斑点があるので、♀のオカダンゴムシと分かります。
ダンゴムシは体を固く丸めて防御姿勢になっていますが、隙間をクモに咬まれて毒液・消化液を注入されてしまうと万事休すです。
既にダンゴムシは全く動かなくなっていました。


庭石を歩いてきたダンゴムシがオオヒメグモの張った粘着糸に触れてから不規則網に吊るされるまでの一部始終を見てみたかったです。

オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食macro
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食macro
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食
オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網@庭石・全景
オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網@庭石・全景

9日後に現場を再訪すると、オオヒメグモ♀の姿は見当たらなかったものの、不規則網に食べ残しのダンゴムシ死骸が残されていました。



オカダンゴムシ♀死骸@オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網:食べ残し
オカダンゴムシ♀死骸@オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網:食べ残し・全景

2019/09/19

雛に給餌し巣箱の外に糞を捨てるハシブトガラスの親鳥♀♂(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#19


2019年6月中旬・午後14:00頃

巣箱の中で留守番しているハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の雛2羽が羽繕いしています。
強風で雲の流れが早く、雛の羽根もなびいています。

やがて外から戻って来た親鳥が巣の右の鉄骨に着地しました。(@0:47)
喉袋が膨らんでいるので、餌を持ってきたようです。
餌乞いした雛に口移しで給餌しました。

つづけてもう1羽の親鳥も飛来し、同じく巣の右の鉄骨に着地。
食後の雛が向きを変えて排泄した糞を親鳥が嘴で咥えると、喉袋に入れて捨てに行きます。(排糞行動)
2羽の親鳥が同時に飛び去りました。
風が強いと親鳥の出巣は優雅で、フワリと飛び上がり滑空で鉄塔から離れて行きます。

つづく→#20:巣箱で育雛するハシブトガラス親鳥♀♂の活動【10倍速映像】




キリンソウの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2019年6月中旬

堤防に咲いたキリンソウの群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
吸蜜中の蜜蜂をよく見ると、後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を少量付けています。


セイヨウミツバチ♀@キリンソウ訪花採餌

2019/09/18

柳の灌木に潜むモズ♂幼鳥(野鳥)



2019年6月中旬・午後17:54
▼前回の記事
夕方に再会したモズ♀が柳の灌木で警戒声♪を発し脱糞(野鳥)

モズLanius bucephalus)の親鳥♀が私に対してキチキチキチ…♪と必死に警戒声を発し続けている横で、もう1羽の個体を見つけました。
黒い過眼線がある♂ですけど、嘴が黄色っぽいので幼鳥でした。
庭の隅に生えた柳の灌木の茂みの奥に身を潜めて黙っています。
巣立ったばかりの雛なのでしょう。
モズの幼鳥を見るのは初めてです。
凄い剣幕で警告してくる親鳥♀の振る舞いも、これで納得できました。
来年の繁殖期はモズの巣を見つけてみたいものです。



モズ♂幼鳥(野鳥)@柳灌木
モズ♂幼鳥(野鳥)@柳灌木・全景



【追記】
2019年12月中旬

冬になって完全に落葉しても、この柳の木に鳥の巣はありませんでした。
ところが数軒離れた別の民家の庭木(落葉性広葉樹)に鳥の古巣を見つけました。
これがモズの巣なのでしょうか?
もちろん全く関係ない野鳥の巣である可能性もあります。
春になったら樹種を確認するつもりです。
果たしてモズの番は来年も同じ営巣木を利用するでしょうか?

モズ?古巣(野鳥)@?樹上


室内に迷い込んで飛び回るヒメスズメバチ創設女王



2019年6月中旬・午後17:18

開け放しておいた窓からヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis)が迷い込み、室内を飛び回り始めました。
巨大な♀なので、この時期だと創設女王と思われます。
自分の営巣地または獲物となるアシナガバチの巣を探索中なのでしょう。
ハチが苦手なヒトには、重低音の羽音が恐ろしげに聞こえるかもしれません。

ヒメスズメバチの創設女王だと冷静に見分けられれば、無闇にパニックになる必要はありません。
日本産のスズメバチ類の中でもヒメスズメバチはヒトに対する攻撃性が最も低く、しかも創設女王はワーカー♀よりも穏健なので、この状況では刺される心配はありません。
こちらが大騒ぎしたり下手に手出しをしたりしないで、窓を大きく開け放つなど脱出路を確保してやれば、独りでに出ていってくれます。
室内を暗くして外の方が明るい状況にするのも有効です。

室内を探餌飛翔するヒメスズメバチの女王蜂は、白い壁に立て掛けておいた迷彩ブラインドの絵柄に興味を示したようです。
野外の茂みと誤認してくれたのなら、ブラインドとして優秀だとお墨付きをもらったことになりそうです。


ヒメスズメバチ創設女王@室内飛翔

2019/09/17

路上に座り込んで動かないドバト(野鳥)



2019年6月中旬〜下旬

ハトの群れがよく集まる公園でカワラバト(=ドバト;Columba livia)が歩道に座り込んでいました。
こんな所でまさか抱卵しているはずはありませんし、今まで見たことのない体勢です。
立ち上がりかけたのに座り直し、胸元の羽毛を膨らませています。
私が正面から長々と撮っても動じず、瞬きするだけでした。
撮りながら私が鳩の横をゆっくり歩くと、さすがに警戒して立ち上がりかけたものの、また座り直しました。
頑としてその場を動きたくない様子です。
別個体が近くを通り過ぎても気にしませんでした。

野鳥がここまで無防備にヒトの接近を許すというのは、ヒトを信頼しているとも言えますし、野生を忘れて堕落した姿と言えるかもしれません。
極度の疲労(消耗)または空腹状態なのでしょうか?
あるいは逆に、不健康な肥満体型なのかな?
昔この公園ではドバトの群れに無邪気に給餌するヒトがよく居たのですが、最近では鳩の餌を販売しなくなりました。
たまに餌を持参して鳩にばら撒いているヒトがいると、「生態系のバランスを乱す身勝手な行為だから止めるように」とたしなめられるようになりました。
そのために公園に集まるドバトの数もかつてより激減しています。


ドバトa(野鳥)@路上+座位休息
ドバトa(野鳥)@路上+座位休息

「座り込んでいる鳩は脚を負傷して立てない個体ではないのか?」という疑問が浮かんだので、13日後に現場を再訪して撮り直しました。
この日は小雨が降る中、2羽のドバトが前回同様に路上で座り込んでいました。
互いに近くに座り、90°に向き合っています。
鳩が小声で鳴く声が聞こえますけど、どの個体が鳴いているか不明です。
私が動画を撮りながら強引に近づいても、なかなか逃げません。
最後は嫌々ながらも立ち上がって歩き去りました。
つまり歩行機能は正常で、怪我をしている訳ではないと分かり安心しました。
足輪を装着していないので、鳩舎で飼われているレース鳩でもなさそうです。
私の穿った推測ですが、一部の賢いドバトによる物乞い作戦かもしれません。
鳩が歩道で座り込みしていると、哀れに思った通行人が餌を投げ与えたりしそうですから、それで味をしめた可能性が考えられます。
性別を見分けられないのが残念です。


ドバトbc(野鳥)@路上+座位休息

▼関連記事
山道でうずくまるキビタキ♀【野鳥】





↑【おまけの動画】
「鳩は近づいても逃げない」というのは、2019年M1王者ミルクボーイが漫才のネタにしていました。


2頭の♂に求愛されたヒメシジミ♀の交尾拒否行動



2019年6月中旬・午後15:41

川の堤防に咲いたキリンソウの群落でヒメシジミ♀(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。
翅を半開きにしたまま吸蜜している♀を撮っていると、後方より同種の♂aが飛来しました。(@0:15)
♂aは♀のすぐ近くの花上に翅を広げて止まりました。

♀は翅を軽く震わせながら♂に向き直り、♂と正面から顔を見合わせてお見合いする格好になりました。
これは、♂に背後を取らせないため(マウント回避)に♀がやる交尾拒否行動の一つなのかもしれません。
ヒメシジミ♀♂は触角で互いに触れ合っています。
この間も♀は口吻を伸ばして吸蜜を続け、一方の♂は口吻を伸ばしていません。
この♂aの求愛行動は、かなり紳士的ですね。
翅を広げて美しい青色の翅表を♀にアピール(誇示)しているだけです。

そこへもう1頭のヒメシジミ♂bが左から飛来しました。(@0:41)
ライバル♂aが居るので諦めて飛び去ったかと思いきや、すぐにまた左から飛来しました。
ここから先は、多数の蝶が入り乱れてちょっとした狂乱状態になりました。
1/5倍速のスローモーションによるリプレイをご覧下さい。(@1:19〜)

ヒメシジミ♂bは♀の斜め右後ろの花に止まり、すかさず腹端を曲げて伸ばし♀との交尾を試みます。
先を越されそうになった♂aが慌てて♀の翅にしがみついて邪魔をします(交尾干渉)。
そのまま♂aも♀の左側から近づき、腹端を曲げて交尾を試みました。
花上の♀が翅を小刻みに素早く開閉して羽ばたき、腹端を持ち上げ交尾拒否の姿勢になりました。
お邪魔虫のヒメウラナミジャノメ♀♂(Ypthima argus)が乱入してきました。
ヒメシジミ♀は明瞭な交尾拒否姿勢のまま吸蜜を続けています。(色気より食い気)
♂aの方が先に飛び去りました。
♀に振られた2頭のヒメシジミ♂abは諦め切れないのか、近くのススキの葉や枯草に止まって待機しています。

ヒメシジミは翅の色から性別の判定が容易なので、配偶行動を観察するのが面白い蝶です。

▼関連記事
ヒメシジミ♂の求愛と♀の拒絶 @2014年6月中旬
ヒメシジミの求愛飛翔、交尾拒否など @2013年6月中旬
ヒメシジミの求愛拒否@シロツメクサ花【ハイスピード動画&HD動画】 @2014年6月下旬(♀@半開きの翅を小刻みに震わせ&腹端を上げてる)
ヒメシジミの婚活(♀1♂3)@ウツギ花 @2014年6月中旬




ヒメシジミ♀@キリンソウ訪花吸蜜
ヒメシジミ♂@キリンソウ訪花吸蜜
ヒメシジミ♀@キリンソウ訪花吸蜜+交尾拒否+♂ab@求愛誇示
ヒメシジミ♀@キリンソウ訪花吸蜜+♂a@ススキ葉
ヒメシジミ♀@キリンソウ訪花吸蜜+♂a@ススキ葉

2019/09/16

立ち去る私を追いかけてニセアカシア樹上から鳴いて威嚇するノスリ親鳥(野鳥)



ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#13



▼前回の記事
昼間も巣に近い樹上で警戒声を発し偵察飛行を繰り返すノスリ親鳥♀♂(野鳥)

2019年6月上旬・午後12:56〜13:03

立ち去る私を追いかけるようにノスリButeo japonicus)の親鳥が鳴きながら飛んで来ました。
左翼の風切羽が無傷の個体です。
堤防のすぐ横のニセアカシア(別名ハリエンジュ)高木の樹冠に止まると、眼光鋭く私を見下ろしながら甲高い声でピーィ、ピーィ♪と繰り返し鳴き続けています。
鳴きながら尾羽根を左右に動かしているのは興奮の現れなのかな?
満開に咲いたニセアカシアの横枝の隙間から覗き込むようにして正面から私を睨みつけています。
すごい迫力!

右の方からもう1羽のつがいの鳴き声もかすかに聞こえてきました。
巣に戻った親鳥♀と鳴き交わしているのかな?と想像するものの、私には性別が見分けられません。
親鳥が巣に戻っているかどうか戻って確認したかったのですけど、これ以上親鳥を刺激するのは良くないと諦めました。

私が再び歩き始めると、ノスリ親鳥も鳴きながら飛び、別のニセアカシア樹冠に止まり直しました。
私が縄張りから完全に立ち去るまで確実に見届けるつもりのようです。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


私が猛禽類の観察に未熟で無知なせいで、育雛中の親鳥にストレスを与えていたようです。
氏原巨雄『オオタカ観察記』という名著を後日読んで、色々と反省させられました。

 オオタカの観察や撮影をする前には最低限、生態、習性の基本的な知識は持っていなければいけない。オオタカからの警戒、威嚇のサインを見落とさないように、常に神経を研ぎ澄ましている必要がある。例えば♀がなかなか巣に入らず、「ケッケッケッケッケッケッ」と大きな声で鳴いている。これは何かを警戒、威嚇していて、その対象が観察者や撮影者なのかもしれない。
 また、♂が観察者や撮影者の近くに来て黙って見張っていれば、それはヒナの安全を脅かすことがないかを見極めようとし、これ以上近づくな、近づくと襲うぞ!という無言のサインを送っていると思っていい。♂に見張らせること自体、ヒナや♀のための餌を捕る大切な時間を奪い、それがひいては繁殖の妨害につながる。 (p154-155より引用)


ノスリとオオタカは鳴き声が違うようですが、そういうことでしょう。
言い訳になりますが、猛禽類の中でもトビやノスリなどの普通種は露骨に人気が無いようで、写真集や観察記録の本が出版されていません。

そのため、初心者がなかなか勉強できないのです。
これからはブラインドを使った撮影を検討しないといけません。

つづく→#14:日没後に塒のポプラ樹上から鳴く♪ノスリ親鳥(野鳥)


ノスリ(野鳥)@ニセアカシア樹上a+警戒声♪
ノスリ(野鳥)@ニセアカシア樹上a
ノスリ(野鳥)@ニセアカシア樹上b+警戒声♪


ショウジョウバエを捕らえて巣に運ぶヨツボシオオアリ♀



2019年6月中旬

生ゴミを自然発酵させて堆肥にするコンポスト容器に集まったショウジョウバエの一種を捕らえたヨツボシオオアリCamponotus quadrinotatus)の小型ワーカー♀が巣に運ぼうとしています。
首元を咬まれながらも獲物は未だ生きていて、必死で逃れようと羽ばたいて暴れています。
マクロレンズを装着して接写しようか私が迷っているうちに、ヨツボシオオアリ♀は獲物もろともプラスチックの壁面から滑落してしまいました。


ショウジョウバエのような素早い虫をどうやって捕らえたのか、狩りの瞬間を見たかったです。

ヨツボシオオアリ♀@ショウジョウバエ捕食+運搬

2019/09/15

夕方に再会したモズ♀が柳の灌木で警戒声♪を発し脱糞(野鳥)



2019年6月中旬・午後17:50

▼前回の記事
縄張り内の電柱支線で警戒声♪を発するモズのつがい♂♀(野鳥)

5.5時間後。
同じ日の夕方になってから、田んぼに隣接する新興住宅地を再び通りかかると、柳の灌木に止まったモズ♀(Lanius bucephalus)がキチキチキチ…♪と鋭く鳴いていました。
嘴の動きと鳴き声が同期したので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。
お昼にモズの♀♂つがいと遭遇した地点のすぐ近くの庭なので、おそらくこの辺りを縄張りとする同一個体の♀なのでしょう。
私に対して警戒声を発し続けながら、少量の白い糞を排泄しました。(@1:14)

後半は私が少しだけ横にずれてみたものの、モズ♀は柳の茂みの奥に隠れているので、ピントが合いません。
最後は横の道を駆けてきた児童に驚いたモズ♀が少し飛んで更に奥の茂みに逃げてしまいました。


※ 夕暮れ時の薄暗い条件で撮影したので、画質がやや粗く、オートフォーカス(AF)のピントも甘いです。


モズ♀(野鳥)@柳灌木+警戒
モズ♀(野鳥)@柳灌木+警戒


モズ♀の警戒声を声紋解析してみる

いつものようにオリジナルのMP4動画ファイルから音声部をWAVファイルに抽出してから、なるべくノイズの少ない警戒声の部分を適当に切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
16kHz以上の高周波数はカメラの仕様で録音・圧縮する際にヒトの非可聴域としてカットされているのが残念です。
どうしても風切り音など周囲のノイズがあるのですが、キチキチキチ…♪という鋭い警戒声は一定の速いテンポで繰り返し発していることが分かります。



たまに、ヂュン♪という濁った短い鳴き声がキチキチキチ…♪という警戒声の合間に混じることがあります。
下のスペクトログラムでは、3秒および5.5秒から2回、ヂュン♪と短く鳴いています。



ところで、夕方には♂の姿を見かけませんでしたが、どこに居るのでしょう?
私は身動きせずに少し離れたところから撮り続けているだけなのに、モズ♀が警戒声を止めてくれないということは、近くにモズの巣がありそうです。
すると案の定…。


つづく→柳の灌木に潜むモズ♂幼鳥(野鳥)


タイサンボクの葉裏にぶら下がって動くニトベミノガ(蛾)の蓑虫



2019年6月中旬

民家の庭木に白い大きな花が咲いています。
うろ覚えでビワの花かと思ったのですが、調べてみるとタイサンボク(泰山木)という常緑樹でした。
ヤマケイポケットガイド5『庭木・街路樹』p223によると、栽培適地は東北南部以南とのこと。
山形県は分布の北限ということになります。
名前が分かるとあちこちでよく目につくようになりました。

タイサンボク樹冠部の葉裏にミノムシ(蓑虫)が2匹ぶら下がっていました。
蓑を作った材料の葉片が大きいので、おそらくニトベミノガMahasena aurea)の幼虫でしょう。

1匹目の個体は枯葉のみで蓑を作り、静止しています。
葉裏への接着点の近くに虫食い穴(食痕)がありました。

2匹目の個体は蓑に青葉の破片を2枚付けています。
葉先に食痕があり、葉裏をゆっくりと徘徊移動中でした。



▼関連記事(3年前の撮影)
イタドリの葉を食すニトベミノガ幼虫(蓑虫)
イタドリの葉と蓑虫:ニトベミノガ(蛾)幼虫

ニトベミノガ?(蛾)幼虫a:蓑虫@タイサンボク葉裏
ニトベミノガ?(蛾)幼虫a:蓑虫@タイサンボク葉裏
ニトベミノガ?(蛾)幼虫b:蓑虫@タイサンボク葉裏

タイサンボク花
タイサンボク花
タイサンボク蕾
タイサンボク幹

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