2016/11/19

ヒマワリ畑とスズメ(野鳥)の群れ



2016年8月上旬

河川敷に咲いたヒマワリ畑でスズメPasser montanus)の群れが飛び回っていました。
種子を採食しているのかと思いきや、未だ種は成熟していませんでした。
虫を捕食している個体も居そうです。
夏らしくてなかなかフォトジェニックな組み合わせだと思いました。

『ヒマワリはなぜ東を向くか』と題した新書がありますが、確かに大体どの花も東を向いていました。







早朝に塒から飛び立つアオサギ(野鳥)



2016年8月上旬

用水路沿いのハンノキ林にアオサギのコロニーがあります。

▼関連記事
アオサギ(野鳥)の群れが河畔林のコロニーで朝の羽繕い

夜明けに塒から飛び立ったアオサギArdea cinerea jouyi)が大声でギャーギャー♪鳴きながら、朝焼けが始まった空を背景に北西へ飛んで行きました。
採餌場へ向かっているのでしょう。
ビデオカメラ内蔵の時計が狂っていて、残念ながら時刻が分かりません…。

映像では一羽だけですが、コロニーからアオサギがばらばらに飛び立ちました。
また逆にどこからか飛来してコロニーや近くの池に急降下するアオサギも居ました。
夜間採餌していた個体が朝帰りしているのかもしれません。
夜が明ける前の暗い夜空でもよくアオサギが飛んでいるのですけど、暗視カメラの赤外線も到底届かず撮影は無理でした。
今まで見てきた集団塒をとる他の種類の野鳥(ハクセキレイ、カラス、ムクドリ、スズメ)と比べて、アオサギの群れはどうも行動の統一性に欠けます。
コロニーを作るのに個人主義が強い印象。

『日本動物大百科3:鳥類I』p48によると、

本種(アオサギ)は基本的には昼行性と考えられるが、夜間飛びながら鳴いている声を聞くこともあり、夜も動きまわる場合があるようである。それが個体差によるものか、採食場所やねぐらの条件によるものか、注意して調べていく必要があろう。



アオサギのコロニー(鷺山)にもっと近づいて暮らしぶりをじっくり撮影してみたいものです。
しかしアオサギはおそろしく警戒心が強いので、おそらくブラインドが必要になるでしょう。




メマツヨイグサの花粉は糸を引いて粘る



2016年8月上旬

▼前回の記事



ピッキオ著『花のおもしろフィールド図鑑 夏』p161に興味深い記述が書いてありました。

夜行性のスズメガに花粉を運んでもらうことが多いのですが、スズメガの体は鱗粉でおおわれて花粉がつきにくくなっています。そのため、マツヨイグサの花粉は糸でつながっていて、ちょっとでも引っかかると一度にたくさん運んでもらえるという仕組みになっています。


夜に咲いているメマツヨイグサOenothera biennis)の花で早速、試してみました。
雄しべに指で触れると確かに花粉が粘り、糸を引きました。
面白いですね!



▼関連記事メマツヨイグサの粘る花粉を舐めるホソヒラタアブ♂


【追記】メマツヨイグサの英名について

YouTubeでは動画の説明を英語で書くようにしているのですが、メマツヨイグサの英名はsundropではなくevening primroseではないかとsquito94氏から御指摘を受けました。
日本の生物の和名と学名が決まってから、それに対応する適切な英名を探すのにいつも苦労します。
この記事を書く際は英語版wikipediaを参照したのですが、その冒頭でOenothera biennis を指す複数の英名が列挙されていた中にsun dropも含まれていたのです。
Oenothera biennis (common evening-primrose,[2] evening star, sun drop, weedy evening primrose, German rampion, hog weed, King's cure-all, or fever-plant.[3])
さて、浅井康宏『緑の侵入者たち―帰化植物のはなし (朝日選書)』という本を読んでいたら、ちょうど私が求めていた解説を見つけました。
和名のマツヨイグサやツキミソウは、文字どおり夕暮れに咲くところから生まれた名である。英語では、「夕暮れのサクラソウ」の意味のイブニング・プリムローズ(Evening primrose)、ドイツ語では「夜のろうそく」の意味のナハトケルツェ(Nachtkerze)といわれる。ところがマツヨイグサ属は、夜咲くものばかりとは限らず、なかには昼間咲く種類もある。ヨーロッパやアメリカでは、昼咲き系のものをサン・ドロップ(Sun-drop)といい、鮮黄色の花が太陽のもとで鮮やかに開いている様子は、なるほど「太陽のしずく」の表現にぴったりである。(p205~206より引用)


メマツヨイグサの花は夜に咲きますから、どうやら英語版wikipediaの情報が間違っていたようです。(英名にsun dropを含めるべきではない)
YouTubeの記述を訂正しておきました。


2016/11/18

浅い池の泥で虫を捕食するセグロセキレイ若鳥(野鳥)



2016年8月上旬・午前7:52〜7:58

溜池でセグロセキレイMotacilla grandis)の若鳥と思われる個体が採餌していました。
池の中央も水深が浅く、今にも干上がりそうです。
セグロセキレイは水辺の泥を歩き回り、何か虫を捕食しています。
後半は近くで頻りに鳴いているアオサギの声が聞こえてきます。

灰色の斑模様なので、セグロセキレイ/ハクセキレイで迷いました。
若鳥なのか、♀なのかな?
白変種というほど白くありません。



ネムノキの開葉運動【微速度撮影】



2016年8月上旬・午前3:40〜6:01

夜間に蒸散を防ぐために閉じていたネムノキAlbizia julibrissin)の葉が夜明けとともに開いていく様子を微速度撮影してみます。
夕方に就眠運動を記録したのと同じ灌木aを反対側から(堤防の東側の枝を)撮影します。

現場に着いてすぐ、未だ暗いうちに赤外線の暗視カメラで閉じた葉の状態を動画に撮っておきます。(午前3:40)
快晴で満天の星空が広がっています。



20秒間隔のインターバル撮影を2時間20分間行いました。
撮影対象の枝の東側に三脚を立てると朝日で影になってしまうので、南側に三脚を据えました。
早朝は完全な無風なので、微速度撮影には最適です。
途中でカメラのバッテリーを交換する羽目になったのは反省です。
バッテリーを十分に充電した状態で撮影を始めるべきでした。
連続写真にEXIFから時刻を焼き込んでから15fpsで動画に変換しました。
ただただ真っ暗なだけの前半部はカットして、2時間分(午前4:00〜6:01)の写真を使いました。
早回し映像にすると、明るくなるにつれてみるみる内に葉が開いている様子がよく分かります。



土手の斜面の上部に生えたネムノキの方が早く朝日を浴びることになります。
上の方の枝から日光を浴び始め、下の枝にはなかなか日が当たりません。
隣で白い花が咲いているネムノキにはマメ科特有の実がついていました。



午前4:02には空がやや明るくなり、星がほとんど見えなくなりました。
ちなみに、この日の公式な日の出時刻は午前4:45
実際は裏山から日が昇るので、もう少し遅くなります。
午前5:02にようやく東の山の稜線から日が昇りました。
照度計がバッテリートラブルのため使えないのが残念。

以下は現場の気象データ。
午前3:39の気温は25℃、湿度52%。
午前3:56の気温は21.6℃、湿度66%。
午前4:15の気温は19.7℃、湿度73%。
午前4:55の気温は18.7℃、湿度80%。
午前5:02の気温は18.9℃、湿度80%。


植物学の用語に私は疎いのですけど、この現象を展葉と呼ぶのは違うらしい。
展葉てんようとは、畳まれて発芽した葉が開くこと。





2016/11/17

アオサギ(野鳥)の飛翔、着水と漁失敗【HD動画&ハイスピード動画】



2016年8月上旬・午前8:00頃

溜池に流れ込む用水路に一羽のアオサギArdea cinerea)が飛来しました。
着水寸前にグヮッ♪と一声鳴きました。(他個体の鳴き声かもしれません)

すぐにカメラに気づいて飛び立つだろうと予想し、240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。

アオサギは浅い用水路を渡渉しながら獲物に狙いを定めると、嘴を一閃しました。
しかし獲物に逃げられたようで、捕食に失敗しました。
水中に嘴を突き刺した瞬間につんのめり、バランスを取るために不格好に翼を広げています。
漁の技量が未熟なので、なんとなく若鳥のような気がしました。
成鳥ならこんなヘマはしないのでは?

つづけて飛び立ちのシーンもハイスピード動画にばっちり撮れました!
用水路の上流に少し飛んだだけで、すぐに着水しました。
低速の低空飛翔中に翼上面の羽毛(初列雨覆と大雨覆)が逆立つようになびく様子が非常に印象的です。
着陸寸前のストール(失速)で翼の上面に乱流が発生したのがよく分かりますね。
最後は水辺のヨシ原の死角に隠れてしまい、残念でした。

※ 全編、動画編集時に自動色調補正を施しています。



イエユウレイグモ♀(蜘蛛)の卵嚢ガード



2016年7月下旬

物置部屋の扉の陰の床上でイエユウレイグモ♀(Pholcus phalangioides)が不規則網を張り卵塊を抱えて守っていました。
照明で照らしながらマクロ動画に記録しました。

眩しい光を浴びてもクモに動きは無く、逃げたりしませんでした。

母クモを刺激すると卵嚢を抱えたまま網を揺する振身威嚇するかどうか、試してみればよかったですね。
私が下手に手を出すと♀はこの営巣地から逃去しそうな気がして、躊躇してしまいました。

もうひとつ心残りは、卵嚢ガード中に給餌したときの母クモの行動を観察できなかったことです。(卵嚢を一時的に保管して獲物を捕食するらしい。)
これは来期以降の宿題になります。

幼体が孵化する様子を観察したかったのですが、この時期は他に色々と手を広げ過ぎてしまい余力がありませんでした。
(カメラがもう一台あれば…。)



2016/11/16

オオヨシキリ(野鳥)の喧嘩と溜池で獲物の捕食



2016年8月上旬・午前7:44

朝、溜池の岸辺に広がるヨシ原で2羽のオオヨシキリAcrocephalus arundinaceus)が喧嘩していました。
縄張り争いなのかな?
あわや接近戦というときにジュジュッ♪と鳴きました。

喧嘩に負けた方が飛び去り、勝者が居残って獲物の探索を始めました。
やがて水面の獲物(水生昆虫?)を素早く捕食しました!(@0:59)
巣で待つ雛鳥に給餌するのではなく、すぐその場で自分で食べました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





ヒメバチの探索飛翔【名前を教えて】



2016年7月下旬

峠道の草むらで(標高〜640m)ヒメバチ科の一種がゆっくり飛び回っていました。
産卵管が見えないので♂…とは限らない?
現場ではアゲハヒメバチかと思ったのですが、ブログの写真を見直すと全然違いました。

▼関連記事
蜂蜜を舐めるアゲハヒメバチ♀
細長い腹部の赤と黒の配色がジガバチと似ている気がしました。
擬態しているのかな?
ヒメバチ科の中でもアメバチの仲間ですかね?
ネット検索で似た蜂を見つけましたが名前は分からず仕舞い。(参考ブログ12

ホバリング(停空飛翔)を披露してくれた後で、ようやく草むらに着陸しました。
ビデオカメラを近づけたら再び飛び立ちました。
ホバリングでゆっくり飛ぶ様が印象的です。
♀なら寄主を♂なら交尾相手の♀を探索しているのでしょう。
ミゾソバ?の葉先に興味を示し(?)、ホバリングしました。

※ 薄暗い日陰で撮ったやや不鮮明な映像だったので、編集時に自動色調補正を施しています。

蜂を同定するため、ありあわせのビニール袋を被せて採集しました。
葉上で身繕いしていたのですけど、撮影よりも採集を優先。
以下は標本写真。

自然乾燥させただけなのに、細長い腹部が左右から潰されたようにぺしゃんこになりました。

背面
側面
胸部側面
腹部側面
単眼
胸背
胸部側面
腹面
右前翅の翅脈
右後翅の翅脈

2016/11/15

夜明け前に地鳴き♪を始めたモズ(野鳥)



2016年8月上旬・午前4:15

夜明け前に湿地帯の灌木でモズLanius bucephalus)が朝一番の地鳴きを始めました。
姿は見当たりませんが、私に対する警戒声なのかキチキチキチ…♪と鋭く鳴いています。
さえずりではないので、♂とは限りませんね。
空はきれいな朝焼けで、気温19.7℃、湿度73%。
遠くでは外灯の水銀灯が未だ点いています。
赤外線の暗視カメラで撮影。

ちなみにこの日の公式な日の出時刻は午前4:45。
実際は裏山から日が昇るため、もう少し遅くなります。


真夜中にメマツヨイグサの花蜜を吸うヨトウガの一種【蛾:暗視映像】



2016年8月上旬・深夜3:00過ぎ

真夜中に平地の道端に咲いたメマツヨイグサの花にヤガ科の蛾(ヨトウガの一種?)が乗っていました。
吸蜜中というよりも寝ているのかな?と思い、赤外線の暗視カメラを近づけると、蛾は翅を細かく震わせていました。

補助照明の白色LEDを点灯すると覚醒し、翅を更に激しく震わせ始めました。
飛んで逃げるための準備運動かもしれません。
口吻の状態を確認したくて撮影アングルを変えてもよく分かりません。
花の中央から引き抜いたときには口吻が伸びていました。
蛾は向きを変えると花弁の裏側に素早く回り込んだり、すぐにまた戻ったりする行動を繰り返しました。
眩しい光を嫌ったように見えました。
私がしつこく接写すると、最後は飛んで逃げました。
飛ぶというよりもほとんど落下しただけです。
夜に例えばコウモリに捕食されそうになったらこんな感じで逃げるのですかね?

残念ながら同定用のストロボ写真は撮れませんでした。
映像だけで蛾の名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。
候補としてはヒメサビスジヨトウAthetis stellata)やシロテンウスグロヨトウAthetis albisignata)辺りではないかと思っています。


【追記】
加藤真『夜の送粉共生系』によると、

蛾媒の花は、色は白か淡色、夜間に開花し、通常甘い匂いを発散させ、細長い花筒(または距)に薄い糖濃度の花蜜を分泌する。 (『花の自然史:美しさの進化学』第6章:p81より引用)



2016/11/14

アオサギ(野鳥)の群れが河畔林のコロニーで朝の羽繕い



2016年8月上旬・午前6:20頃

河畔林のハンノキ樹冠にアオサギArdea cinerea jouyi)のコロニーを見つけました。
一羽ずつ離れて止まり、のんびり羽繕いしています。
長い首を曲げて胸元の羽毛を整えています。
嘴を体に刺しこんだ姿勢で寝ている個体が1羽居ます。
梢でバサバサと翼を運動している個体も居ます。
保護色ではなく白っぽいので、とにかく樹上で目立ちます。
なんとなく巣立ち前の幼鳥が混じっているような気がしました。
アオサギ幼鳥の見分け方は?

横にパンしながら撮ると、計7羽のアオサギが写っています。
実際にはもっと多くの個体が梢に隠れていそうです。
枝の死角にアオサギの巣がありそうな気がするのですが、うまく撮れずにもどかしい限りです。
ドローンを飛ばせば接近して上空から撮れるのかなー?と無い物ねだりしてみる。
(騒音を出さずに静かに飛ぶドローンがあれば欲しい)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



『日本動物大百科3:野鳥I』p48によると、
ほかのサギ類と混群で営巣することもあるが、本種(アオサギ)だけでコロニーをつくることの方がふつうである。(中略)集団繁殖地は局所的で、本州では山形県、新潟県、福井県など日本海側に多い。


手前の柳の樹冠に居る左の個体は寝ている?

軒下の巣で扇風行動するコガタスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2016年7月下旬・午後15:51〜15:58

農村部の民家の軒下(西向き)にコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣を見つけました。
外皮は屋根の垂木に吊り下げられていました。
古釘や錆びてグニャグニャの針金にも固定されているのは最近本で読んだ通りでした。

(コガタスズメバチの)巣の多くは上部および背面で建物に付着しており、クギや電線などの突起物を利用して作られることが多い。(『都市のスズメバチ』p40より)

外皮下面に開いた巣口の奥に門衛や内役ワーカーの姿が見えます。

帰巣したワーカー♀が一度巣内に入ってからすぐ出てくると、巣口のすぐ横の外皮上で扇風行動を始めました。
頭は巣口とは逆を向いているので、外気を巣内に送り込んで換気しているようです。
なぜかすぐに扇風行動を止めてしまい、巣内に戻りました。
気温を測ると31℃でした。

巣に出入りする蜂を撮っていると、さっきと同じ手順で扇風行動が始まりました。
帰巣したワーカーが一旦巣内に入ってからすぐに外皮に出て来て、巣口のすぐ上で扇風行動を開始。
扇風行動があまり長続きせずにすぐ止めて入巣するのも同じでした。

再び始めた扇風行動を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:57〜5:58)
外皮に掴まったまま激しく羽ばたく様子がよく見えます。
しばらくすると扇風を止め、方向転換すると巣内に戻りました。
扇風役を務める個体はどのような判断で扇風を止めるのですかね?
単に疲れたから?
それとも巣内から「涼しくなったからもういいよ」との信号が発せられるのでしょうか?
扇風行動の前後で巣内温度が実際にどれぐらい下がるのか測定してみたいものです。

扇風役が巣に戻った直後に別個体のワーカー♀が帰巣しました。
背面からでは口元が見えないので、狩りの帰りか巣材集めの帰りなのか不明です。



つづく→コガタスズメバチ♀2匹同時の扇風行動


2016/11/13

ケヤキ並木に塒入りするスズメ(野鳥)の群れ



2016年7月下旬・午後18:26〜18:57

ムクドリの大群を追いかけて塒入りを観察していると、面白いことに気づきました。
前の晩にムクドリが塒入りした同じケヤキ並木に、この日はスズメPasser montanus)の群れが就塒したのです。
葉の生い茂ったケヤキの樹冠にスズメが数羽ずつ飛び込んだ後も、しばらくは賑やかに鳴きながら枝から枝へ飛んで移動しています。
背後でハシボソガラスが鳴いています。
ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後18:49。

一方、少し遅れて飛来したムクドリの大群は運動場の反対側にあるヒマラヤスギの並木に塒入りしました。(→関連記事
ここで幾つか不思議に思うことがありました。

第一の疑問は、前の晩に使った塒からスズメをムクドリが追い払わなかったことです。
一説によるとムクドリの大群が夕方に飛び回る就塒前群飛は塒の周辺から天敵を追い払う威嚇の効果があるらしいのに、先客のスズメは全く動じずにケヤキ並木を占領していました。
体格でもムクドリが大きいですし、群れの数でもムクドリがスズメを圧倒しています。
それなのにムクドリは実力行使せず、まるでスズメに遠慮したかのように集団塒を臨機応変に変更したのが興味深く思いました。
鳥の世界で集団塒の占有権は単純に早い者勝ちなのかな?


あるいは次のような少し込み入った仮説も考えられます。
安全性などを総合した塒の価値としての順位はケヤキ<ヒマラヤスギで、前日の晩は例えばカラスがヒマラヤスギを占領した(←この点は未確認)ためにムクドリは仕方なく次善のケヤキを選んだ。
強さの序列はスズメ<ムクドリ<カラスと仮定しても不自然ではないでしょう。
翌日はカラスがどこかへ行ったのでムクドリが安心してヒマラヤスギに就塒することができて、空いたケヤキ並木に弱いスズメが塒入りした、と考えれば一応矛盾なく説明できます。


もしかするとスズメの存在はあまり関係なくて、ムクドリの集団塒は毎晩偶発的に決まるのでしょうか?
ムクドリは必ずしも毎晩同じ塒を使わないようです。
まさか大群で飛びながらリーダー格の個体による「鶴の一声」で群れの意思決定がなされるとは思えません。

第二の疑問は、なぜスズメとムクドリは同じ集団塒で混群になろうとしないのですかね?
塒内での位置を上手く棲み分けできれば、夜間に天敵を発見する探知能力が増すと思うのですが。

更に毎晩継続してムクドリの集団就塒を観察すれば何か分かったかもしれません。
しかし私も忙しくなり、この件はひとまず打ち切りました。
秋になってから観察を再開します。


ネムノキの葉が夜に閉じる就眠運動【微速度撮影】その3:全景



2016年7月下旬

堤防に自生するネムノキAlbizia julibrissin)の小葉が晩に閉じる就眠運動を動画に記録しようと、あの手この手で試行錯誤しています。
この日は新兵器を実戦投入します。
タイムラプス撮影専用のカメラ(Brinno TLC200)を購入したのです。


通常のカメラによる微速度撮影(連載記事その2参照)と同時並行でやります。
少し離れた場所に生えた別の灌木bを選んで三脚を立てました。
なぜか咲いている花が少ない木でした。
三脚の影が被写体に落ちないように注意しました。
明るいうちにまず、葉の開いた状態をハンディカムの動画で記録しておきます。
この冒頭部(〜0:34)のみ動画編集時に自動色調補正を施しています。

日没前後の約2時間半(午後17:16〜19:43)、20秒間隔のインターバル撮影しました。
連続写真に日時と時刻を焼き込む設定にしました。
撮影終了後は15fpsの設定でAVI動画に変換しました。
やや引きの絵(全景)にしてみたら、葉の就眠運動はいまいち分かり難くなってしまいました。
(Night Sceneモードで撮れば少しはましだったかな?)
完全に暗くなってから(微速度撮影終了後)、葉の閉じた状態を赤外線の暗視カメラで記録しました。



ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後18:51。
実際はそれよりも早く裏山に日が沈んで暗くなります。

次は、夜明けにネムノキの葉が開く運動を撮影してみます。

つづく→ネムノキの開葉運動【微速度撮影】




クロマルハナバチ♀とオオマルハナバチ♀が同じラムズイヤーの花壇で採餌



2016年7月中旬

用水路沿いの花壇に咲いたラムズイヤークロマルハナバチBombus ignitus)とオオマルハナバチBombus hypocrita)のワーカー♀が訪花していました。

この近縁2種は標高によって棲み分けているはずなのに、同所性に採餌しているのは珍しいかもしれません。
丁度この辺りが棲み分けの境界なのかな?
このラムズイヤーの花壇を定点観察してきて、2種それぞれを別の日に撮ったことはあるのですが、同時に撮れたのは初めてです。


オオマルハナバチ♀
クロマルハナバチ♀




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