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2025/12/24

生ゴミに集まるコウカアブ♂の群飛【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月下旬・午前10:05頃・晴れ 

山麓の農村部で道端に開放型のコンポスト(堆肥)があり、そこにハエ類が群がっていました。 
民家の裏庭の片隅に枯れ草を積み上げ、その上に家庭の台所から出た生ゴミがまとめて捨てられていたのです。 
コンポスト容器を使わず、剥き出しのままです。 
隣にある家庭菜園は、野生動物が侵入しないように電気柵で囲われていました。(害獣対策) 

キンバエLucilia caesar)やニクバエの仲間が生ゴミに来て吸汁しているのは別に普通です。 
それよりも、低空でブンブン飛び回っている多数の黒い昆虫が気になりました。 
おそらくコウカアブ♂(Ptecticus tenebrifer)だと思います。 
他に候補となる種類もいるのですが、動画撮影を優先した私は、同定用の写真を撮るのを忘れてしまいました。 

コウカアブ?の群れは低空で激しく飛び回るものの、いつまで経っても生ゴミには決して着陸しませんでした。 
この行動はおそらく♂の群飛で、生ゴミに吸汁・産卵しに来る♀と交尾しようと待ち伏せしているのだろうと想像しました。 
だとしても、ユスリカの蚊柱とは違い、この状態を「レックを形成している」とは言えません。 
レックの定義をwikipediaで確認してみましょう。
資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。このような行動をする雄たちをレック (lek) という。
生ゴミはコウカアブにとって食料および産卵場所として価値の高い資源だからです。 


関連記事(2ヶ月前、1、4年前の撮影@林内の堆肥)▶  


生ゴミの野菜屑をよく見ると、腐りかけのニンジン(人参)バナナの皮、萎びたナス(茄子)などが含まれていました。 
黄色くて表面がブツブツしている謎の野菜が気になりました。 
トウモロコシにしては変だな?と首をひねりながら撮ったのですが、熟して開裂したゴーヤ(別名ツルレイシ)の果実だと後になって知りました。 
ゴーヤと言えば、果皮が緑色の状態しか当時は知りませんでした。 
生ゴミ(野菜くず)の中でゴーヤの熟果だけがハエ類に人気がなく、滅多に留まらなかったのが不思議です。
しかし黄色くなって捨てられたゴーヤを裏返せば、熟した果肉の内側にウジ虫が湧いているのかもしれません。 


コウカアブ♂?の高速群飛を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜) 
秋晴れで陽射しが強いので、絶好のハイスピード動画撮影日和です。 
コウカアブ♂?は低空で素早く飛び回るだけでなく、空中でホバリング(停飛、停空飛翔)しながら方向転換したり、小回りがききます。 
高速で飛びながらときどき空中で互いに衝突していました。 
おそらく♂が交尾相手の♀を待ち伏せしている探雌飛翔なのでしょう。 
生ゴミの上空に縄張りを張ってライバル♂を追い払っているのかもしれませんが(縄張り占有飛翔)、ライバルの数が多過ぎます。 
キンバエやニクバエなど他種のハエを生ゴミから追い払うことは滅多にありませんでした。(@4:34〜4:40) 
※ コウカアブ♂が積極的に追い払ったのではなく、ハエが近寄ってきたコウカアブ♂を警戒して逃げただけのように見えます。
高速で飛び回っているので、対向する相手を避けきれずに正面衝突してしまうだけかもしれません。 

後半は、やや引きの絵(広角)でハイスピード動画を撮りました。(@4:51〜)

ときどき赤トンボ(種名不詳)が飛来したものの、生ゴミ付近には着陸しないで飛び去りました。(@6:30〜6:50) 
トンボが空中でハエやコウカアブを狩って捕食するかと期待したのですが、ハエ類の方が飛翔能力が高く、逃げられてしまうのでしょう。 


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2025/11/30

ツキノワグマの糞に産卵するコウカアブ♀

 

2024年9月上旬・午後14:10頃・くもり 

平地の農道からヨシ原・湿地帯へ降りるスロープの端に巨大な黒い獣糞が残されていました。 
15cmの白いプラスチックの定規を並べて置いて、獣糞を採寸しました。 
山から降りてきたツキノワグマUrsus thibetanus)がこんな所で脱糞したとは驚きです。 
糞をほぐして、何を食べていたのか調べるべきでしたね。 

触角が短く全身が真っ黒なコウカアブPtecticus tenebrifer)が獣糞の縁をせかせかと歩き回っています。
(コウカアブは)腐食物に集まる。かつては便所に普通に見られたが、水洗トイレが普及し減少。(『ハエハンドブック』p70より引用)
どうやらコウカアブ♀は産卵に適した位置を探して歩いているようですが、獣糞の上には決して乗らないのが不思議です。 
下が地面ではなくコンクリートの路面なので、昼間の直射日光に照らされた獣糞は乾燥が進んでいます。 
おそらく獣糞の路面に接した縁だけが、適度な湿り気が残っているのでしょう。 
やがてコウカアブ♀が腹端を曲げて獣糞の縁に何度か触れたので、おそらく産卵したようです。 
産卵シーンを側面からしっかり撮りたいのですが、私がいくら粘っても、糞塊の反対側から回り込んでも上手く撮れませんでした。 
私が獣糞に近づいただけでも、コウカアブ♀は警戒するのかもしれません。 

獣糞の表面は乾きかけていて艶があります。 
白い糸くずのような物が獣糞に付着しているのは、キンバエやコウカアブの卵や幼虫なのでしょうか? 
マクロレンズで接写すべきでしたが、少なくとも動いてはいないようなので、蛆虫ではなさそうです。
クマの消化管から排泄された体内寄生虫(ぎょう虫など)なのかな?

コウカアブの他には、キンバエLucilia caesar)の仲間が数匹、獣糞に飛来していました。 

近くで別の用事を済ませた私が30分後にまた様子を見に戻って来ると、相変わらずキンバエ類が獣糞に居座っていた一方で、コウカアブは糞塊から少し離れた路上に居ました。 


※ 動画素材の順序を編集時に変更しました。 


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2025/11/28

ナガボノシロワレモコウの花粉を舐めに来たホソヒラタアブ♀とツマグロキンバエの小競り合い【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月上旬・午後14:40頃・晴れ 

平地の湿地帯の端に咲いたナガボノシロワレモコウの群落でホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
左右の複眼が中央(頭頂)で接していないので、♀と分かります。 

翅を半開きにしたまま口吻を伸縮させて雄しべの葯を舐めています。 
ナガボノシロワレモコウの蜜腺はもっと奥にあるはずなので、ホソヒラタアブ♀は吸蜜している訳ではないようです。 
花穂から飛び立っても少し離れた空中でちょっとホバリング(停空飛翔)しただけで、すぐに元の花穂に着陸して食事を再開しました。 

ホソヒラタアブ♀の停飛を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:18〜) 
なぜかナガボノシロワレモコウの花穂にチョンチョンと脚先で触れるだけで、なかなかしっかり着地しようとしません。 
花穂が風で揺れて着陸しにくい訳でもなく、無風でした。
足先の感覚器で花の味見をしているのかな? 

よく見ると、この花序には先客のツマグロキンバエStomorhina obsoleta)が訪花していました。 
ナガボノシロワレモコウの花穂は長いので、同じ花穂でも少し離れた位置に留まれば2匹とも平和に摂食できると思うのですけど、ライバルの訪花昆虫を蜜源植物から追い払おうとする占有行動なのでしょうか? 
ホソヒラタアブ♀の度重なる挑発に苛立ったのか、ついにツマグロキンバエがホソヒラタアブに突進して追い払いました。 
しばらく撮り続けても、飛び去ったホソヒラタアブは戻って来ませんでした。 
体長では劣るのに、ツマグロキンバエはホソヒラタアブよりも蜜源植物を巡る争い(占有行動)に勝ったことになり、興味深い事件でした。 
小競り合いしている暇があったら、隣に咲いたナガボノシロワレモコウの花穂にさっさと移動すれば良いのに…と思ってしまいます。

ホソヒラタアブ♀は一体なぜ自分から挑発しておいて、ツマグロキンバエを恐れたのでしょうか? 
ツマグロキンバエはアブに寄生するハエではありません。 
ハエやアブを専門に狩る天敵の狩蜂に誤認したのなら、挑発しないで逃げるべきでしょう。 
ツマグロキンバエについて調べてみると、幼虫の生態についてはほとんど解明されていないらしく、好蟻性が疑われているそうです。 



実はこの後、スズバチもナガボノシロワレモコウに訪花していたのですけど、撮り損ねてしまいました。 


2025/11/06

倒伏したコシアブラ大木の花蜜を吸うフタガタハラブトハナアブ♀

 

2024年8月上旬・午後12:30頃・晴れ 

里山の混交林で倒れたコシアブラの大木にフタガタハラブトハナアブ♀(Mallota eristaliformis)が訪花していました。 
口吻を伸ばして、花蜜や花粉を次々と舐めて回ります。 

本種はマルハナバチにベーツ擬態していると言われているのですが、当地で擬態のモデルとなる全身が黄色いマルハナバチはコマルハナバチ♂など毒針を持たない雄蜂♂なので、果たしてベーツ擬態が成立するのか(進化し得るのか)疑問です。 
毒針を持つ♀で黄色いミヤママルハナバチ♀は、当地では個体数がとても少ないのです。 

後半はミツバチのワーカー♀もちらっと登場しました。 
腹部が明るい褐色なのでセイヨウミツバチ♀っぽいのですが、もしかするとニホンミツバチの腹部が強い日差しで透けて明るく見えているだけかもしれません。 

コシアブラの散形花序が込み入っているため、カメラのピントを小さな虫に合わせるのに苦労します。 


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2025/10/28

ニホンイタチの死骸:2024年

2024年8月上下旬 

溜池の横を通る農道脇の草むらにニホンイタチMustela itatsi)の死骸が転がっていました。 
夏の炎天下に放置されて強い腐臭がするものの、半ば干からびた状態です。 
ホンドテンに比べるとかなり小さいです。

尻尾の先にニクバエ
尻尾の先にニクバエ
15cm定規を並べて採寸

車にはねられたロードキルなのでしょうか?
素人目には目立った外傷や出血などは認められません。
死んだイタチの尻尾の先にニクバエの一種が1匹だけ留まっていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を食べたり持ち去ったりしなかったのが不思議です。

ニホンイタチの死骸をビニール袋に入れて、一度は持ち帰りました。
ところが忙しさにかまけて、死骸を解剖して性別や死因、胃内容物などを調べる余力がありませんでした。 
5日後に裏面の写真だけ撮って捨てました。
地面に横たわっていた右面は腐敗(生物分解)が早く進行し、肋骨や頭骨(頭蓋骨)が露出していました。
足の裏が黒くない点が、テンとの識別ポイントです。

15cm定規を並べて撮る






関連記事(2、7年前の撮影)▶  



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2025/10/25

オモダカの花蜜を吸い飛び回るホソヒラタアブの一種♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年7月下旬・午後13:45頃・くもり 

今年はアイガモ・ロボットが水田の除草になぜか失敗したようです。 


それでも除草剤(農薬)を撒かずに見守っている(放置している)ところに、米農家の気骨を感じました。 
(除草に失敗したときの収量データを取ろうという農学者魂?) 
これで懲りずに水田自動抑草ロボットの改良を進めて欲しいものです。 


田んぼの中にびっしり生えた雑草に混じって、抽水植物のオモダカが白い花を咲かせています。 
雄花にホソヒラタアブ♂(Episyrphus balteatus)またはその仲間が訪花していました。 
ホソヒメヒラタアブ? 
この組み合わせは初見です。 
左右の複眼が発達し中央(頭頂部)で接していたので、♂のようです。 

ホバリング(停空飛翔)しながら吸蜜するのではなく、雄花の雄しべの葯に留まって口吻を伸ばし、蜜腺や花粉を舐めています。 
翅を半開きにしたまま花の上を歩いて移動し、色んな角度から吸蜜しています。 
訪花中は横縞模様のある腹部を上下に動かしています。 
少し飛んで横の花に移動し、吸蜜を続けます。 

ハナアブの他に、得体のしれない微小な昆虫が何匹もオモダカに訪花していました。 
撮影中は全く気づかなかったので、次回はマクロレンズで接写してみるつもりです。 
この微小な虫って何でしたっけ?(度忘れしてしまいました。) 

オモダカの横に生えたイネの葉には、害虫によって食い荒らされた食痕(虫食い跡)が残されています。 
米農家はこの食痕を見ただけで、きっと害虫の正体を推理できるのでしょう。 
(ご存知の方は教えてください。) 

ハナアブ♂がオモダカの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:27〜) 
後半は風で花が大きく揺れて飛び立ちました。 
隣の花も激しく揺れて着地できず、どこかに飛び去りました。 


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2025/10/19

獲物を待ち伏せ中に身繕いするヒメキンイシアブが飛び立つまで【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年7月中旬・午後14:20頃・くもり 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道で、見慣れないアブを見つけました。 
ユキツバキの群落に混じって生えているオオバクロモジ灌木の葉に乗っています。 
撮った写真をGoogleレンズで画像検索してもらうと、ヒメキンイシアブChoerades japonica)と正体が判明しました。 
いつもお世話になっている「ムシヒキアブ図鑑サイト」に掲載された標本写真を参照すると、ヒメキンイシアブは複眼の形状に性差はないようです。 
腹部に黄色と黒の鮮やかな横縞模様があるのは、「24時間戦える勇気のしるし」ではなくて、ハチに似せた警告色(またはベーツ擬態)なのでしょう。 
私も初めは黒い蜂かと思いました。

どうやら獲物を待ち伏せしているようで、辺りをキョロキョロと油断なく見回しています。 
6本足で葉の上に立ったまま一歩も動かないのですが、待ち伏せ中はトンボのように首をグリグリ動かすだけでなく、全身を少しねじって、何か虫が飛来する度に向き直ることもありました。 

ときどき前脚で顔(複眼)を拭ったり、左右の前脚を互いに擦り合わせたりして、身繕い(化粧)しています。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:19〜) 
いきなり左へ飛び去り、戻ってきませんでした。 
狩りの成否は不明です。


【追記】 
この個体の性別が私には分からないのですが、♂だとすると、縄張りを張って♀を待ち伏せしていたのかもしれません。



2025/10/03

ヤマザクラの樹洞の縁に産卵するフタガタハラブトハナアブ♀

 

2024年7月中旬・午前11:10頃・くもり 

低山の樹林帯を抜ける山道の横に立派なヤマザクラの老木があり、幹に開口した小さな樹洞(開口部の直径は約2cm)の手前でフタガタハラブトハナアブ♀(Mallota eristaliformis)がホバリング(停空飛翔)していました。 
樹洞の縁に停まると、樹皮に腹端を何度も接触させています。 
このとき卵を産み付けているのでしょう。 
飛び立っても少しホバリングするだけで、同じ地点に着陸し直し、産卵を繰り返しています。 

夏の樹林帯は、林冠の葉が鬱蒼と茂って昼間でもかなり薄暗いです。 
初めは黄色い蜂に見えたので、てっきりマルハナバチ類の雄蜂♂が帰巣したか、あるいは交尾のために他のコロニーの樹洞巣に飛来した(探雌飛翔)のかと思いました。 
動画とは別に同定用に撮ったストロボ写真を見直すと、マルハナバチにベーツ擬態したフタガタハラブトハナアブ♀と判明しました。



産卵直後の写真を見ても、卵は微小なのか、どこか分かりません。


樹洞開口部の直径は約2cm。



このハナアブの詳しい生態や生活史を知らなかったのですが、Perplexity AIに問い合わせると、蜂の巣に寄生するのではなく、ファイトテルマに産卵するらしい。
フタガタハラブトハナアブ(Mallota eristaliformis)の雌は、主に樹木の洞(クヌギ等)の水の溜まった部分に産卵します。幼虫はその洞の水中に存在する腐植質(腐った植物片など)を食べて育ちます。

【参考サイト】 


ちなみに、樹洞、葉腋、食中植物の壺など植物上に保持される小さな水たまりは「ファイトテルマータ」(複数形:Phytotelmata、単数形は「ファイトテルマ」Phytotelma)と呼ばれ、そこだけで興味深いミニ生態系になっています。 

ヤマザクラの細い横枝が根元から折れた後に傷口が腐り、樹洞が形成されたのでしょう。
樹洞入口の右上部分には白い糸が密に張り巡らされています。
樹皮の欠片(木屑)や虫の糞?が大量に付着しているので、クモの網ではなくて蛾の幼虫が絹糸を紡いだ巣のようです。
今回見つけた小さな樹洞の奥がどうなっているのか調べていませんが、横向きに開口しているので、中に雨水が溜まっているとは思えません。 
それでもフタガタハラブトハナアブの幼虫は、樹洞内部の湿って腐った木屑などを食べて育つのでしょう。 

今回フタガタハラブトハナアブ♀は樹洞の縁に産卵したので、幼虫は孵化直後に自ら樹洞内の水溜り(ファイトテルマータ)など餌がある安全な場所を求めて移動しなくてはなりません。 
1齢幼虫にそのような運動能力があるのであれば、♀成虫はファイトテルマータに近づきすぎてうっかり溺死するリスクを回避できそうです。 
フタガタハラブトハナアブ♀が産卵のために樹洞内に侵入しなかったのは、暗闇では目が見えず、中に潜む捕食者に襲われても逃げ遅れるからだろうと推測しました。 


※ オリジナルの映像があまりにも暗かったので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 羽音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


この小さな樹洞に小鳥や小動物が出入りしていそうな気がします。
しかしトレイルカメラを設置して確かめたくても、他のプロジェクトもいくつか同時進行しているために機材の数が足りず、後回しになっています。 


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2025/09/26

アズマモグラの腐乱死骸を食べ尽くすウジ虫

 

2024年7月上旬・午前10:40頃・晴れ 

山麓の遊歩道で小動物の腐乱死体を見つけました。 
死骸の前足に鋭い爪が発達していることから、おそらくアズマモグラMogera imaizumii)だろうと推測しました。 
腐敗と生物分解が進み、毛皮はもはや残っていません。 
皮膚も溶けかけたような状態です。 
 
なぜか頭部が失われた死骸には夥しい数の白い蛆虫(ハエの老熟幼虫)が蠢いていて、腐肉や内臓をほぼ食べ尽くしたようです。 
モグラの背骨と肋骨が見えます。 
小さな骨片が散乱しているのは、虫が運び去ろうとしたのかな?

小さなハエ(種名不詳)の成虫や微小な赤アリ(種名不詳)も腐乱死体に群がっていました。 
 死臭に誘引されたエンマムシの仲間が画面の上部から歩いて来て、そのまま死骸の下に潜り込みました。 

現場は地面がアスファルトではなくコンクリートで舗装されていました。 
動物の死骸を食べてくれる掃除屋たち(シデムシなど)は普通、死骸を見つけたら迅速に地中に埋めるはずですが、ここでは固いコンクリートに阻まれたようです。 
夏の舗装路に放置された死骸はあっという間に干からびてしまう(乾燥ミイラ化)ことが多いのですけど、今回はなんとか生物分解されたようです。 
あと数日できれいに白骨化するはずです。


【追記】
このは No.1 食べるって楽しい!』というナチュラリスト向けのムック本(季刊?)を読んでいたら、今泉忠明『モグラたちの地中生活』と題した章があり、モグラの天敵について詳しく書いてありました。
彼らの天敵は、フクロウやオコジョ、イイズナ、キツネ、アナグマ、ノスリなどかなり多い。オコジョやイイズナは穴に侵入してモグラを襲う。アナグマやキツネはトンネルを掘り開き、ノスリはトンネル内で採食中のモグラを地表から攻撃する。フクロウのペリット()にモグラの毛や顎の骨などが含まれていることがあるのだが、どのように地中のモグラを捕らえるのか長く謎だった。モグラは夜間、地上でバッタやコオロギなどを食べており、このときに狙われる (p35より引用)
アナグマがモグラを捕食するとは初耳で、とても意外でした。
下線部についても知りませんでした。
休耕地などにトレイルカメラを設置したら、モグラが地表で採食するシーンをいつか撮れるかな?


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2025/09/25

里山で獣糞に群がるセンチコガネ、ムネアカオオアリ♀とハエ

2024年6月下旬 

里山にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2の定点観察をするために、ほぼ廃道の細い山道を登ってくると、獣道との交差点に新たな溜め糞場が作られていました。 
6月下旬に初めて見つけたときは、未消化の種子が含まれていました。 
小枝の先でつついて匂いを嗅ぐと、強い刺激臭がしました。 
初めて嗅ぐ匂いでしたが、これが本で読んだ「アナグマの糞に特有の黄土色の絵の具の匂い」なのかな? 
アナグマも木の実を食べて種子散布に寄与することがあるそうです。

現場では気づかなかったのですが、撮った写真にスジアカハシリグモDolomedes silvicola)が写っていました。
溜め糞に集まって来る虫を狩るために待ち伏せしていたのか、あるいはたまたま通りかかっただけかもしれません。


スジアカハシリグモが溜め糞に来ていました。




ホンドタヌキの溜め糞場にしては、残された糞が軟便(下痢便)でした。 
アナグマとタヌキの2種類が同じ溜め糞場を共有している可能性も充分あり得ます。
溜め糞場に通ってくるタヌキがたまたま腹を下していた可能性もあるので、トレイルカメラでしっかり突き止めたいところです。
しかし、周囲に太い立木が無くてトレイルカメラを設置しにくかったので諦めました。 
(本気で調べるなら三脚を立ててでも設置すべきなのですが、他のプロジェクトで使っているトレイルカメラをこっちに回す余裕がなくて後回し。)


 

2024年7月上旬・午前10:55頃・くもり 

約1週間後(7月上旬)に現場を再訪すると、今回も黒っぽい軟便が枯れたササの葉の上に残されていました。 
これだけ見るとアナグマの溜め糞かな?と思うのですが、カメラを右にパンすると固形の黒い糞塊(やや古い)も残されていて、タヌキの溜め糞っぽいです。 

うんちレストランの常連客である、センチコガネPhelotrupes laevistriatus)、ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀、キンバエ(種名不詳)が1匹ずつ来ていました。 
小型の地味なハエ類も数種類来ていましたが、真面目に検討していません。  

センチコガネが糞塊に潜り込もうとしたところで、カメラの電池が切れてしまいました。






後日に定点観察すると、この地点の溜め糞は消失しました。
ここで排便しなくなったようです。


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2025/09/21

アンズ落果の周囲を昼間に飛び回るコウカアブ?の群れ【トレイルカメラ】

 

2024年7月上旬〜中旬

シーン0:7/5(@0:00〜) 
アンズ(杏)の木の下で拾い集めた落果を1箇所にまとめて置き、自動センサーカメラで見張っています。 

明るい昼間はスズメバチ類がアンズの熟果を食べに来るのではないかと期待したのですが、予想は外れました。 


シーン1:7/7(@0:03〜) 
数匹の黒くてやや大きな昆虫が低く飛び回っています。 
しばらくすると、近くの下草に留まりました。 
おそらくコウカアブPtecticus tenebrifer)ではないかと推測しています。 


シーン2:7/8(@0:41〜) 
アンズ落果の表面には、微小なアリやショウジョウバエの他に、ハネカクシらしき黒っぽい甲虫もうろついていました。 
ハネカクシは肉食性で、腐果に発生するウジ虫(ハエの幼虫)などを捕食しているはずです。 
ハネカクシ同士が互いに出会うと、尻尾をくねらせて牽制していました。 

 一方コウカアブ?は、落果の山の周囲を飛び回るだけなので、熟果の吸汁が目的ではないようです。 
コウカアブ2〜3匹の飛翔を群飛と呼ぶには個体数が少な過ぎます。 
おそらくアンズ落果に産卵に来る♀と交尾しようと♂たちが待ち伏せしているのでしょう。 
周囲で飛び回る者には何にでも反応して即座に飛び立って追いかける(迎撃)ので、縄張りの占有行動に見えます。 
実際に同種のライバル♂を追い払っているかどうかまでは、映像では分かりませんでした。 

関連記事(1、4年前の撮影)▶  


シーン3:7/9(@2:29〜) 


シーン4:7/11・午前後(@3:40〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

昆虫は変温動物ですから、本来トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずです。 
風揺れなどのせいで監視カメラが頻繁に誤作動して、たまたま撮れたのでしょう。 

2025/08/22

ヒメアオキの果実に形成された虫こぶ(アオキミフクレフシ)から羽化したアオキミタマバエ♀♂

 

2024年5月上旬 

里山で林内の低層に自生する常緑のヒメアオキ群落に果実が赤く色づき始めました。 
ほとんどの果実が寄生されているようで、いびつな形状の虫こぶ(虫瘤、虫えい)が形成されています。 
虫えいの和名は「植物名+部位+形+フシ」を付ける原則があるのに、ヒメアオキの果実にできる虫こぶの名前は「ヒメアオキミフクレフシ」ではなくて、アオキ属全体の果実虫こぶとして「アオキミフクレフシ」でまとめられるて呼ばれているのだそうです。 
そもそもヒメアオキとアオキは別種に別れてはおらず、変種の扱いです。
(日本の太平洋側の暖温帯林下に自生するアオキの日本海側多雪地帯型の変種がヒメアオキ。)

この虫こぶを数個採集し、家に持ち帰りました。 
採集時の動画を撮り忘れたので、動画の冒頭はスライドショーで写真を見せます。
100円ショップで買えるプラスチック製のピルケースは、採集した虫や抜け殻、果実、虫こぶなどの小物を収納するのに重宝しています。 


『虫こぶハンドブック』でアオキミフクレフシについて調べると
寄主:アオキ(ヒメアオキ) 
形成者:アオキミタマバエ Asphondylia aucubae 
形状:果実が変形する虫えい。内部は数個の虫室があり、1幼虫を含む。南日本で正常果より小さく、北日本やヒメアオキではやや大きくなる傾向がある。虫えい化した果実の方が、枝に残ることが多い。 
生活史:6月に羽化し、幼果に産卵。1齢幼虫で虫えい内越冬。 (p53 より引用)


2日後に様子を見ると、ピルケース内でアオキミタマバエAsphondylia aucubae)の成虫♀♂が羽化していました。 
慌ててカメラにマクロレンズを装着し、動画で記録しました。
ピルケースの1区画のサイズは、2.0 x 1.8 x 1.5 cm。
アオキミタマバエはプラスチックのつるつるした垂直壁面をよじ登れないようですが、蓋を開けると、次々に飛んで逃げてしまいます。 
虫こぶ(ヒメアオキミフクレフシ)の表面に仰向けになって落ちたときに羽根がへばりつき、動けなくなっている個体がいました。 

アオキミタマバエの性別の見分け方をよく知らないのですが、きっと腹部が太い個体が♀で、細い個体が♂なのでしょう。 
複眼の形状に性的二型はありませんでした。 
羽化直後に交尾している♀♂ペアはいませんでした。 
アオキミタマバエに二次寄生した寄生蜂などは羽化していませんでした。



文献検索してみると、山形大学の研究グループによる面白そうな論文がヒットしました。
山口良彦; 林田光祐. アオキミタマバエによる虫えい形成がヒメアオキの実生更新に及ぼす影響. 日本森林学会誌, 2009, 91.3: 159-167. 

抄録 
東北日本海側のコナラ林において, 常緑低木ヒメアオキの果実の成熟から実生の定着までの繁殖過程とそれに対する三つの生物間相互作用の影響を調べ, 虫えい形成者による散布前捕食の相対的な重要性について評価した。0.25 haの調査区内のすべての果実を調べたところ, アオキミタマバエの寄生による虫えい形成果の割合が1998年生で57%, 1999年生で77%と高い値を示した。虫えい形成果の種子含有率は1∼2割であり, 散布前捕食が種子生産を大きく減少させていた。一方, 健全果は渡り途中のヒヨドリによってごく短期間にほぼ完全に消費され, 種子が散布された。野ねずみによる種子の摂食は確認されたが, 播種した種子の消失率は1割以下であり, 散布後の種子捕食圧は強くなかったと推察される。発芽率は8割以上と高く, 実生の生存率も低くなかった。以上のことから, 本調査地のヒメアオキ個体群では, 虫えい形成者による果実への寄生が実生更新の重大な阻害要因であることが示唆される。 




2024年5月下旬 
平地のスギ防風林でもヒメアオキの群落を見つけたので、熟果を探してみました。 
赤く熟した果実は全て歪に変形している虫こぶ(アオキミフクレフシ)ばかりで、寄生率が非常に高いことが分かります。 
果皮に張りがなくて皺くちゃの虫こぶはもう古いのかな? 
黒い穴はアオキミタマバエ成虫の羽化孔で、ひとつの果実から数匹が羽化したことが分かります。 
しかし、付近にアオキミタマバエを見つけられませんでした。 
私の悪い癖で、接写しながらカメラを忙しなく動かしてしまい、動画酔いしそうです。 
仕方がないので、1/2倍速のスローモーションでお見せします。 

鳥や動物による種子散布を調査する準備段階として様々な植物の種子を集めているのですが、ヒメアオキの種子を採取するために寄生されていない熟果(正常果)をいくら探しても今季は見つけられませんでした。 
ヒヨドリなど果実食性の鳥がヒメアオキの正常果を片っ端から選択的に食べてしまうのだそうです。 
ちなみに、虫こぶ(アオキミフクレフシ)の中では種子が正常に形成されません。
いずれフィールドにトレイルカメラを設置して、鳥がヒメアオキの実を食べに来る決定的な証拠映像を撮影してみたいものです。 
虫こぶ(アオキミフクレフシ)を忌避して正常果を選り好みする様子を実際に観察するのが次の目標です。 


※ Perplexity AIと問答を繰り返して、勉強しながらこの記事を書きました。


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2025/05/17

羽ばたきを続けながら草を舐めるビロウドツリアブ♀【ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の麓の入山口付近で、ビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が低く飛び回っていました。 
緑の草の葉(イネ科:種名不詳)の表面を口吻で舐めています。 
朝露の残りを吸水しているのかと思ったのですが、日向に生えた草は乾いて見えます。 
草を舐めている間も猛烈な勢いで羽ばたき続けているのですが、 足で草に止まっている(着地)ので、ホバリング(停空飛翔)ではありません。 
カロリーの浪費だと思うのですけど、アイドリング運転のように、いつでも即座に飛び立てるようにしているのでしょう。 

少し飛んで移動し、あちこち味見して回ります。 
 同一個体を追いかけたら、次は水溜りの中に浸った枯れ草を延々と舐め始めました。 
動画を公開する順番と逆になりましたが、初めからビロウドツリアブ♀は枯れ草を選んでいた訳ではないことを記録しておきます。 



2025/04/26

キリウジガガンボ♀♂の交尾と連結飛翔【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午前10:40頃・くもり 

早春の田んぼで私が農道を歩いていると、前方で交尾していたキリウジガガンボ♀♂(Tipula aino)がおどろいて少しだけ飛び、横の刈田に逃げ込みました。 
互いに反対向きで交尾器を連結したまま、翅を横に広げて、稲ワラの上に静止していました。 
左の個体が♂で、右の個体が♀です。 (体格は♂<♀) 

交尾中の♀♂ペアが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:21〜) 
私が靴の爪先で蹴る素振りをしたら、右の♀が先に反応して飛び立ち、♂を引き連れて飛び去りました。

2025/04/22

モミジイチゴの花で採餌するハキリバチの一種

 

 2024年4月下旬・午後13:15頃・くもり 

里山の林道に沿って咲いたモミジイチゴの群落でハキリバチの一種(種名不詳)が訪花していました。 
腹部下面のスコパに橙色の花粉を付けています。 
モミジイチゴの白い花は下向きに咲くので、下から見上げるように撮影します。 

※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


ハキリバチ♀が居なくなった後で撮った写真を拡大すると、小さな黒っぽい虫がモミジイチゴの花に多数群がっていました。 
腹部が大きく膨らんでいて、♀のようです。
なんとなく双翅目だと思うのですが、何科の仲間か教えてもらえると助かります。
採集してしっかり接写しないと、見分けるのは無理ですかね?



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2025/04/04

湿地に産卵するキリウジガガンボ♀

 

2024年4月中旬・午後14:00頃・晴れ 

山麓の林道で沢の水がわだちを流れ、溝状の浅い水溜りができていました。 
そこでキリウジガガンボ♀(Tipula aino)が産卵していました。 
産卵中は羽ばたいておらず、長い足をリズミカルに屈伸させて、腹端の産卵管を湿地のあちこちにチョンチョンと挿し込んでいます。 
このとき卵を1粒ずつ産み付けているのでしょう。 
少し飛んで移動すると、別の地点で産卵を再開します。 
複数個体を見かけましたが、動画は同一個体を撮り続けたつもりです。 

キリウジガガンボ♀の産卵行動を1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:35〜) 
腹端をよく見ると、産卵管は1対の細い針状で、左右に開閉していました。 
その短い産卵管を地面にグサグサと突き刺しています。 

水田に産卵された場合、キリウジガガンボの幼虫はイネの害虫とされているので、対策のため生活史について詳しく調べられています。 



てっきりキリウジガガンボは成虫で越冬するのかと思っていたのですが、越冬態は幼虫なのだそうです。
春に蛹化すると、わずか3日後に成虫が羽化するらしい。
つまり、今回の♀個体は第一化の成虫が早くも♂との交尾を済ませて産卵していることになります。

2025/04/01

フッキソウの花蜜を吸うビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午前11:45頃・くもり 

里山の急峻な山道を登っていると、白い可憐な花が咲いている大群落がありました。 
ヒトリシズカの花も点在していたのですが、それとは別種です。 
写真に撮って画像検索(Googleレンズ)してみると、フッキソウと判明。 







これがヒトリシズカの花。



フッキソウの大群落でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が訪花していました。 
フッキソウ穂状花序の細長い花筒の入口に口吻の先端がなかなか差し込めずに、何度もやり直しています。 

ビロウドツリアブ♀は吸蜜中も高速で羽ばたき続けていますが、花に足を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)とは言えません。 
素人目にはエネルギー効率が悪過ぎる気がするのですけど、捕食者に襲われたときにいつでも飛び立てるように、常にアイドリングしているのでしょう。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:14〜) 




ところで、冒頭で鳴いてる(さえずり? )鳥の種類は何だろう?


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2025/03/27

吸水(ミネラル摂取)後にホバリングしながら空中で排泄するビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の麓でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が低く飛び回っていました。 
入山口付近で沢の水が流れ出るわだちの泥濘の上をホバリングしながら低く飛び、濡れた枯草や草の根などあちこちに着地しては口吻で味見しています。 
やがて気に入った場所が見つかると、1箇所に留まって吸水を始めました。 

地面に倒伏した枯草に止まり、濡れた表面を口吻の先で舐めています。 
口吻の先端が枯草から外れると、再び探り当てようとするので、ビロウドツリアブ♀が自発的に舐めている行動で間違いありません。
吸水およびミネラル摂取の行動と思われますが、水たまりの泥を直接舐めないのはなぜでしょうか? 
枯草の繊維が毛細管現象で泥水を吸い上げてくれ、濾過した水を飲めるのかもしれません。 
ビロウドツリアブ♀は大量の水を飲んでいるはずですが、吸水中に余分な水分を腹端から排泄(排尿)することは一度もありませんでした。 

ビロウドツリアブの口吻は黒くて細長い(真っ直ぐ)のですが、その先端部をよく観察すると、左右二股の先割れ状態になっていることに気づきました。
吸水しながら、この口吻先端部を頻りに開閉しています。 (I⇔Y⇔T) 
こんな口吻の動きを他の昆虫で見たことが一度もありません。

チョウ類の場合は、泥などを舐めている(mud-puddling)のは主に♂です。 
性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウム塩やアンモニア塩など)を摂取していると考えられてます。 
しかし、今回のビロウドツリアブは、左右の複眼が離れている♀でした。 

蛭川憲男『水場に集まる生きものたち: 里山から高原、山地の自然』という本には、吸水するビロードツリアブの写真は掲載されていませんでした。 
しかし、長野市松代町の水場で1994年〜2004年に観察された計72種類の虫をまとめた中に、ビロードツリアブが含まれていました。(p21「表2:水場へ集まったチョウ類以外の生きもの」) 

インターネットで検索すると、ビロウドツリアブの吸水行動を写真に撮ったブログがいくつかヒットしました。 
関連記事()▶  
ビロウドツリアブ♂吸水20200319 @KONASUKEの部屋 
ビロードツリアブの吸水行動 @居眠り蛸の自然観察 

しかし、ビロウドツリアブの性別を♀と見分けた上で記述している例や、口吻の先端部が開閉していることを記述したブログは見つかりませんでした。 

ビロウドツリアブ♀は吸水中も休むことなく高速で羽ばたき続けていますが、枯草に足を掛けているので、ホバリングではありません。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみても(@2:22〜)、ビロウドツリアブ♀の羽ばたきが高速過ぎて、ほとんど止まって見えます。 
これはストロボ効果と呼ばれる現象です。 
ビロウドツリアブは同じ枯草にしがみついたまま、ゆっくり向きを変えながら吸水しています。 
おかげで私が動かなくても、色んな角度から吸水シーンを撮影することが出来ました。 

ときどき別種のハナアブやハエ?など他の昆虫が飛来して、吸水するビロウドツリアブ♀に興味を示し、ニアミスすることがありました。(@17:26〜、@25:30〜) 
しかし、ビロウドツリアブ♀はほぼ無反応で、一心不乱に吸水を続けています。

長々と吸水してからようやく満足したのか、ビロウドツリアブが飛び立ちました。 
後脚だけ後ろ向きで、残りの4本脚は前方に揃えて飛んでいます。 
離陸直後に、ホバリング(停空飛翔)しながら空中で脱糞しました! 
黄色く濁った液体を1滴ポトリと排泄しました。 
ビロウドツリアブの体と比べると、結構大きな水滴でした。 
執念の長撮りが報われた瞬間です。 

その後は低空ホバリングで高度を保ちながら、段階的に方向転換して(ヨー回転)周囲を見回しています。 
ところが、ビロウドツリアブ♀は先ほどと全く同じ枯草に止まり直して、羽ばたきを止めずに吸水を再開しました。 
よっぽど、この枯草のミネラル含有量が多くて気に入ったのでしょう。 

素人目には羽ばたくカロリー消費がおそろしく無駄だと思うのですが、不安定な足場で体勢を保つには、羽ばたき続けないといけないのでしょう。 
天敵(捕食者)に襲撃されそうになったら直ちに飛んで逃げられるように、準備運動(アイドリングの羽ばたき)を怠らないようにしているのかもしれません。 
もうひとつ別の解釈を思いつきました。 
高速羽ばたきによる下向きの強風(ダウンウォッシュ、downwash)で濡れた枯草からの蒸発を促進し、毛細管現象による泥水の吸い上げを促進していたのかもしれません。 

ビロウドツリアブの吸水行動を初めて観察できて、感動しました。
ハイスピード動画のパートが第三者(視聴者)にはいくらなんでも長過ぎるかもしれません。
思い入れが強い私は、いくらでも見てられます。
編集でカットするのが忍びなくて、そのままお届けします。
愚直に長撮りしたおかげで、吸水後に排泄する決定的瞬間も記録することが出来ました。


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