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2019/04/19

連結打水産卵する2組のアキアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬・午後12:17

土の農道の轍にできた水溜りで、おそらくアキアカネSympetrum frequens)と思われる赤トンボが盛んに産卵していました。
尾繋がりで連結した2組の♀♂2ペアが互いに競うように近くで連結打水産卵しています。
水溜りの中央部ではなく、浅い岸辺付近を好んで水面を♀の腹端で打つように産卵します。
狙いが外れて水溜りの外の泥に産卵することも多々ありました。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@00:49〜)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ネイチャーガイド『日本のトンボ』という図鑑でアキアカネの産卵行動について調べると、
交尾後のペアは連結態で湿地や水たまりを訪れ、泥や水面を腹端で連続的に打って産卵する。(中略)個体数が多いときには、しばしば集団での産卵もみられる。(中略)生殖活動は午前中から正午過ぎに集中する。 (p389より引用)
今回の撮影時刻も確かに正午過ぎ(午後12:17)でした。



アキアカネ?♀♂:2ペア@連結打水産卵@水溜り
アキアカネ?♀♂:2ペア@連結打水産卵@水溜り

2019/04/16

アキアカネ♀♂の交尾



2018年10月中旬・午前10:54

稲刈りが済んだ田んぼの横を私が通りかかると、交尾態の赤トンボが飛来し、刈田に着陸しました。
そのまま地上で交尾を続けています。
♀の腹端と結合している♂副性器の辺りがヒクヒク動いていました。
♂は交尾中も油断なく辺りを見回していて、ときどき頭部がグリグリと動いています。
一方、首根っこを♂に掴まれている♀は頭部を自由に動かせないようです。

背側から撮った後に、しっかり同定するために胸部側面の斑紋を撮ろうと私が回り込んだら、逃げられてしまいました。
残念!
おそらくアキアカネSympetrum frequens)だと思うのですが、どうでしょう?

赤トンボの交尾を撮れたのは、意外にもこれが初めてかもしれません。
図鑑『日本のトンボ』でアキアカネの習性を調べると、

生殖活動は午前中から正午過ぎに集中する。
成熟♂は朝方に草地や樹上で探雌飛翔するほか、日中は水辺の植物や地面に止まって縄張り占有し、♀を見つけると捕えて交尾する。(p389より引用)

ということは、私は午前中にもっとフィールドに出掛けるべきですね。
確かに今回の撮影時刻も午前11時頃でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アキアカネ?♀♂@刈田+連結交尾

2019/04/10

ナツアカネ♂の縄張り占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月中旬

湿地帯の端に生えた柳の灌木にナツアカネSympetrum darwinianum)の成熟♂が止まっていました。
翅を深く下ろして休んでいる間も大きな複眼で上空を油断なく見張っていて、頭部全体がグリグリと動きます。
どうやらこの止まり木を中心とした縄張りを張っているようで、飛び立ってもすぐにまた同じ場所に舞い戻ってきます。

昆虫の飛翔シーンを撮る際に私はよく物を投げつけて強引に飛び立たせることがあるのですが、今回は赤トンボが自発的に飛び立つまで辛抱強く待ちます。

止まり木に離着陸を繰り返す様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:16〜)
スローモーションで見ると、ナツアカネ♂は頭部が動いて狙いを定めてから、そちらの方向へ飛び立っています。
飛行中は畳んでいた脚を広げて着地します。



▼関連記事(4年前の撮影) 
稲穂に離着陸するナツアカネ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

ナツアカネ♂が毎回飛び立った理由は、もっと引きの映像で記録しないとよく分かりません。
交尾相手となる♀が飛来するのを待ち構えているはずなので、それらしき飛影が上空を横切ったのを見てスクランブル発信したのかもしれません。
冒頭のシーンでは止まり木に戻ってきたナツアカネ♂が口をモグモグと動かしていました。
おそらく微小の昆虫を空中で捕獲し、すぐに食べてしまったのでしょう。
捕食(らしき)シーンが撮れたのはこの1回だけでした。

wikipediaの解説によると、

(ナツアカネの)成熟した雄は水域近くに縄張りを持つようになるが、本種は明確な縄張りの範囲を持たず、すぐに場所を変える。

図鑑『ネイチャーガイド日本のトンボ』でナツアカネの項目を参照すると、

成熟♂は水辺の植物に静止して♀を待ち、他の♂が近づくと追尾するが、はっきりした縄張り性はみられない。 (p375より引用)




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


余談ですが、赤とんぼが止まった小枝の又の部分にイラガの空き繭が見えます。
繭の上端部に丸い穴が開いているのは羽化した跡です。



撮影地点は池や川の畔ではなく柳の林縁で、ナツアカネ♂は舗装された歩道の方を向いて止まっていました。
近くに♀が産卵できるような水はありませんでした。
ただし、私が座るためにキャンプ用の銀マット(クッション)を近くの歩道に広げていたので、それが反射してトンボの目には産卵可能な水溜りに見えた可能性があります。
トンボが誤認したとしたらそれはそれで面白いので、改めて検討(実験)してみます。


ナツアカネ♂:側面@銀マット


2019/01/09

水たまりで単独打水産卵するウスバキトンボ♀?【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

砂利が敷かれた農道の轍に水溜りができていて、そこで単独打水産卵しているトンボ♀が居ました。
いわゆる「赤トンボ」ではなくて、黄色っぽい体色です。
水で濡れた腹端が白く光って見えます。

動画を優先したのでトンボの種類を同定できる高画質の写真は撮れておらず、採集もできませんでした。
なんとなく、ウスバキトンボ♀(Pantala flavescens)ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

図鑑『日本のトンボ』でウスバキトンボの産卵を調べると、

交尾後は連結態のまま広範囲に飛び回り、間欠的に打水産卵する。♀は単独でも産卵し、♂が警護飛翔を行うこともある。(p451より引用)

ウスバキトンボだとすると、今季に世代交代をしながら北上してきたのでしょう。
南方性のトンボですから、ここ北国では幼虫(ヤゴ)が卵から孵化しても越冬できず死滅してしまいます。

ウスバキトンボ?♀の単独打水産卵を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:16〜)
飛行中は脚を畳んで体に引き付け、空気抵抗を減らしています。
ホバリング(停空飛翔)で狙いを定めると、羽ばたきを一瞬止めて自由落下でスーッと高度を下げます。
墜落しないように再び羽ばたき始めると同時に腹端が下がり、その勢いで水面を叩いて腹端から産卵します。
浅い水溜りに打水産卵する度に水面に波紋が広がります。
水溜りの岸辺に近い浅い所を狙って産卵しているような印象を受けました。
決して深い中央部では産卵していません。

♀が単独で産卵中に近くで警護しているはずの♂が見当たらないのも不思議です。
撮影中は気付かなかったのですが、もしかすると水溜りの奥の草に止まっている赤っぽくて細長い物体(ピンぼけ)がウスバキトンボ♂ですかね?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2019/01/03

シャグマユリの花から離着陸を繰り返して縄張り占有するアキアカネ成熟♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

農村部の物置小屋の前に咲いたトリトマ(別名シャグマユリ)の花穂の天辺にアキアカネSympetrum frequens)成熟♂が止まっていました。
腹部が赤く色づいて「赤とんぼ」になっているのは性的に成熟した証です。
花穂からときどき飛び立っても、またすぐに舞い戻って来ます。
見晴らしの良いここを縄張りの拠点として、交尾相手の♀や獲物が飛来するのを待ち構えているようです。


(アキアカネの)成熟♂は朝方に草地や樹上で探雌飛翔するほか、日中は水辺の植物や地面に止まって縄張り占有し、♀を見つけると捕えて交尾する。(『日本のトンボ』p389より引用)

止まったまま時間が経っても、翅を深く下げた休息姿勢になりません。
翅を水平よりやや持ち上げた姿勢のままで、いつでも飛び立てる臨戦状態を保っています。
大きな複眼のある頭部がときどきグリグリと動き、辺りを油断なく見張っています。

ちなみに、ときどきバーン!と聞こえるのは、銃声ではなく近くの田んぼに設置されたスズメ追いの爆裂音です。

▼関連記事
収穫前の田んぼからスズメ(野鳥)を追い払う爆音機♪
この爆裂音が鳴ってもアキアカネ♂は驚いて逃げたりしませんでした。
もうすっかり慣れてしまって気にならないのか、それともトンボは聴覚があまり発達していないのでしょうか。

アキアカネ♂の離着陸や飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:11〜)
離陸シーンでは、前方に飛び出すだけでなく、いきなり急上昇することも斜め後方に飛び上がることもありました。
縄張りを軽く一回りした後、シャグマユリの花穂に近づいてホバリング(停空飛翔)しながら畳んでいた脚を広げて着陸します。
花穂に止まる向きが決まっているせいか、着陸時はいつも同じ方向からアプローチしています。
戻ってきたアキアカネ♂をよく見ても、獲物は何も捕らえていません。

渡辺守『トンボの生態学』によると、

ノシメトンボの採餌飛翔の経路は、静止場所の上空を通過しようとする小昆虫に向かってほぼ一直線に飛翔し、捕獲成功の有無にかかわらず空中で反転し、もとの静止場所に戻ってくるという8の字型である。(p48より引用)

今回のアキアカネ♂の行動も採餌飛翔(捕獲失敗)の繰り返しなのかもしれませんが、もう少し引きの絵で撮らないと飛翔経路が8の字型になっているかどうか分かりませんね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

余談ですが、この園芸植物の「トリトマ」という呼称は旧属名から来ているらしいので、そのうち使われなくなりそうです。
現在の分類体系ではユリ科Tritoma属ではなくツルボラン科Kniphofia属とのこと。


アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有

2018/11/16

夜明けの山中を群れで飛ぶ謎のヤンマ【暗視動画&HD動画&ハイスピード動画】



2018年8月中旬・午前4:49〜5:18(日の出時刻は4:51)

里山で定点観察しているコナラの樹液酒場を夜明け直前に観察していたら、耳元で聞こえる昆虫の羽音が気になりました。
樹液目当てに飛来したスズメガ類がホバリング(停空飛翔)しているのかと初めは想像したのですが、振り返ってみるとその正体は意外にもトンボでした。
丑三つ時の里山に登ってきた今回の定点観察で一番興奮した収穫はこれでした。
通い慣れたフィールドも、時間帯を変えてみると新たな発見がありますね。

暗がりで目を凝らすと大型のトンボなので、おそらくヤンマの仲間でしょう。
まずは赤外線の暗視カメラで撮ってみました。
「群飛」と呼べるほどではありませんが、複数個体が代わる代わる飛来し、林縁のコナラ樹液酒場のすぐ横をひたすら往復しています。
撮影地点は林道の横の崖を少し登ったところです。
斜面の山側は雑木林で少し藪になっているのですが、トンボは林の奥には行かずに、開けた谷側(林道沿い)を好んで飛んでいるようです。

コナラの樹液酒場に群がる小さなショウジョウバエなどを捕食しに来たのでしょうか?
それとも樹液とは無関係で、明け方に林縁を飛んで往復する習性があるのかもしれません。
現場の近くに沢や水場はありませんでした。

東の空に太陽が昇り少し明るくなったので、通常のHD動画に切り替えました。(@1:32〜)
実際は未だ暗いのですけど、動画編集時に自動色調補正を施して、無理やり明るく加工しています。

明け方の雑木林の林縁を飛んで往復するヤンマ類を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:59〜)
どこに置きピンするか難しいのですが、適当です。
光量不足でかなり粗い画質です。
スローモーションで見れば、暗くて羽ばたきは分からなくともトンボであることは確実です。


井上清、谷幸三『トンボのすべて 第2版改訂版』によると、

これらの種はおもに日中は藪陰などで眠っていて、夕方薄暗くなりかけ、気温が下がり始めると飛び出します。これを黄昏飛翔(たそがれひしょう)と言います。この時間帯に飛ぶ小昆虫を摂食するためですが、交尾する種もあります。黄昏飛翔は夜明け前の薄暗い時間帯にも見られます。
 黄昏飛翔は大空を駆けめぐる種ばかりでなく、低いところを忙しく飛び回る種にも見られます。カトリヤンマは昼間は藪陰で眠っていて、夕方になると木立に囲まれた農家の庭先や軒先などに出てきて忙しく低く飛び回って蚊を食べます。ミルンヤンマは丘陵地の道路の上を低く飛ぶのが見られます。アメイロトンボやオオメトンボ、コフキオオメトンボなどは暗い池の上を低く飛び、産卵に訪れる♀を待ちます。(p91より引用)



帰宅後に、黄昏飛行するトンボを図鑑『日本のトンボ』で検討してみました。


カトリヤンマは、東北地方ではほぼ絶滅している。
マルタンヤンマは山形県には分布しない。
今のところ有望な候補としては、ミルンヤンマとコシボソヤンマが考えられます。
特に、ミルンヤンマは過去にこの里山の麓で撮影しています。

▼関連記事
ミルンヤンマ♂

生態学の基本的な用語に「ニッチ」という考え方があります。
生き物は環境を空間的に細分化して住み分けているだけでなく、時間的にも住み分けて共存しているのです。
里山の全く同じ場所を昼行性の昆虫、夜行性の昆虫、薄明薄暮性の昆虫が住み分けています。

薄暗がりを飛び回るトンボをストロボ写真に撮って同定する芸当は私には無理そうです。(ピントを素早く合わせられない)
捕虫網を持参して採集し、謎のトンボの正体を突き止めるのが、来季の宿題です。
もし樹液酒場に集まるハエなどを目当てにトンボが飛来したのであれば、捕食の瞬間を動画に撮りたいところです。
しかし私は、トンボが嗅覚に優れているという話を聞いたことがありません。
トンボは、樹液の発酵臭と獲物の多さを関連付けて学習、記憶することが可能なのでしょうか?



午前5:16に測った現地の気温は21℃でした。

ちなみに月齢は1.7とほぼ新月の状態で月の出は午前6:37でした。
したがって、撮影時刻に月明かりはありません。


【追記】
渡辺守『トンボの生態学 (ナチュラルヒストリーシリーズ) 』という分厚い専門書を拾い読みしてみたところ、残念ながら「黄昏飛行」を特別に扱った章はありませんでした。
むしろ筆者は少し否定的なニュアンスで書いていたのが印象的でした。
前に読んだ井上清、谷幸三『トンボのすべて』と見解の違いがあるようです。

成虫が夜間に活動する種も存在し、ときどき灯火採集の光に引き寄せられている例があったという。確かに、海や大きな湖で、夜間に航行中の船舶の明かりに飛び込んできた個体は長距離を飛翔中といえ、実際に夜に「渡りをする種」も存在する。しかし、偏光に対する感受性が強く、黎明薄暮時にも採餌活動ができるからといって、月光を利用した採餌活動を主たる栄養源にしている種が存在すると結論づけるには無理があろう。夜間の活動は特殊例といわざるをえない。大多数の種は昼行性であり、それぞれの種で、独自の日周活動パターンをもっていると考えるべきである。 (p77〜78より引用)


2018/11/15

池で縄張り占有飛翔するギンヤンマ♂



2018年8月下旬

池でギンヤンマ♂(Anax parthenope julius)が縄張り占有飛翔していました。
一瞬の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
水面近くを低く飛ぶトンボを試しに流し撮りしてみたら、意外と上手く撮れ、ギンヤンマ♂と判別できました。

この池はアオコが発生して緑色に濁っており、水質は決して良くありません。
この程度の池でもギンヤンマが暮らしているのですね。

(ギンヤンマの)成熟♂は日中、池沼の上を飛んで縄張り占有し、他の♂が侵入すると激しく追い払う。(中略)朝夕の薄暮時には摂食飛翔を行う。(『日本のトンボ』p207より引用)


チゴハヤブサ親鳥に餌乞い♪し、ヤンマを給餌してもらう幼鳥(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)

チゴハヤブサFalco subbuteo)の止まり木に更に少し近づいたのですが、相変わらず逆光で後ろ姿です。

飛んで来る親鳥の姿を見つけた3羽の幼鳥が嬉しそうに餌乞いを始めました。
近づいた甲斐あって、キーキーキー♪という幼鳥の甲高い鳴き声が聞こえるようになりました。
ヒノキ横枝の止まり木で幼鳥が方向転換してくれたおかげで、赤褐色の脛毛をかろうじて確認できました。
これでようやくチゴハヤブサと判明したのです。

飛来した親鳥が止まり木の下段に着陸すると、その右で待っていた幼鳥aが慌てて駆け寄り、巣外給餌を受けました。(@0:16)
私がこれまで観察してきた他の種類の幼鳥とは異なり、幼鳥が餌乞いする際に両翼を持ち上げる仕草をしないのが興味深く思いました。
シルエットから獲物は今回も大きなトンボで、おそらくヤンマの一種でしょう。
幼鳥aは足で獲物を押さえつけ、早速食べ始めました。
トンボの透明な翅を毟り取って捨て、肉を食べています。
さっきから幼鳥aばかりが続けざまに給餌を受けているのは親鳥の依怙贔屓にように思えますけど、兄弟の中で一番空腹な個体なのでしょう。
止まり木の上段に居る2羽の幼鳥b,cは、下段で給餌を受ける兄弟の幼鳥aをキーキー♪鳴きながら見下ろしているだけで、獲物を奪い取りには行きませんでした。

そこへ別個体が左から鳴きながら飛来しました。(@0:49)
ヒノキの梢をかすめるように高速で飛びましたが、止まり木のチゴハヤブサ家族群4羽に威嚇され、そのまま逃げたようです。
もう1羽の親鳥が家族の様子を見に来たのでしょうか?

幼鳥aはヤンマの胴体を美味そうに飲み込み、翅は下に捨てました。
食後も満足せず、左隣りで待っている親鳥に対してすぐに鳴いて♪おかわりを催促しています。
幼鳥aは餌乞いの合間に足元の枝で嘴を拭いました。

再び別個体が高速で飛来しました。(@2:03)
枯枝の上段と下段の間を猛スピードで通過しました。
親鳥かと思ったのですが、これは縄張り争いのような、威嚇の誇示行動なのでしょうか?
止まり木の家族群4羽は一瞬だけ警戒して迎撃態勢になりました。
このときに発したキーキーキー♪という警戒声は幼鳥の甘えるような餌乞いよりもテンポが早くて切迫しています。

やがて、止まり木の上段から一羽が急に左へ飛び去りました(@2:38)。
餌乞いしていたのでてっきり幼鳥だと思っていたのに、これで分からなくなりました。
(飛び去る様子をスロー再生しても、素人目には成鳥には見えません。)
巣立ち雛(幼鳥)の中でも発育の度合いに個体差があるのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→止まり木の周囲で飛行訓練を繰り返すチゴハヤブサ幼鳥の群れ(野鳥)

【追記】
チゴハヤブサはこの辺りに多いドバトを襲って捕食するのではないかと予想したのですが、私が観察した捕食シーンや幼鳥への給餌メニューはいつも昆虫、特にトンボでした。
平凡社『日本動物大百科3鳥類I』でチゴハヤブサの習性を調べると、

食物としてはトンボやセミなどの飛翔性昆虫からスズメ、メジロ、ツバメなどの小鳥類、ヒヨドリやイカルなどの中型の鳥まで、すぐれた飛翔力をいかして空中で捕食する。 (p172より引用)




2018/11/11

チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
親鳥に巣外給餌してもらい食後に脱糞するチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)

チゴハヤブサFalco subbuteo)の止まり木に少し近づいてから撮影を再開。
相変わらず逆光のアングルでシルエットしか写っていませんが、幼鳥への巣外給餌を再び観察することができました。

ヒノキ横枝の下段に居る幼鳥aの右に再び親鳥が飛来し、狩ってきた獲物を幼鳥に与えました。(撮り損ね)
獲物はどうやらオニヤンマやギンヤンマなど大型のトンボのようです。
翅をむしったり肉をついばんだりする幼鳥の横(右)で親鳥が見守っています。
獲物を平らげた育ち盛りの幼鳥aが食べ残しを下に落とし、物足りないようで隣の親鳥におかわりを求めました。
餌乞いの鳴き声は周囲の喧騒で聞き取れませんでした。
催促された親鳥は、すぐにまた採餌に出かけました。(@0:55)

その間に新しい個体が飛来し、横枝の上段に居る幼鳥bのすぐ左に並んで止まりました。(@0:20)
幼鳥bに巣外給餌しなかったので、これは親鳥ではなく幼鳥cなのかもしれません。
逆光で羽根の色が全く分からないので、成鳥か幼鳥か見分けられないのです。
これで計4羽の家族群となりました。
親鳥の♀♂つがいは体の大きさで性別が見分けられるらしいのですが(♀>♂)、観察を始めたばかりで慣れていない私には未だよく分かりません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→チゴハヤブサ親鳥に餌乞い♪し、ヤンマを給餌してもらう幼鳥(野鳥)



【追記】
平凡社『日本動物大百科3鳥類I』でチゴハヤブサの習性を調べると、
巣立ちして間もないヒナは親の姿を見つけると「キーキー」と鋭い声でくりかえし鳴いては食物を催促する。その後、1ヶ月から1ヶ月半ぐらい親鳥から給餌を受け、10月ごろ独り立ちする。 (p172より引用)



2018/10/07

止まり木から飛び立つ未成熟オオシオカラトンボ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

山麓の用水路沿いでオオシオカラトンボOrthetrum triangulare melania)の未成熟♂が枯れた小枝の先に止まっていました。
翅を深く下げて休息中です。
頭部をグリグリ動かして、大きな複眼で辺りを油断なく見回しています。
体色は♀と同じですが、腹端が大きく膨らんでいないので未成熟♂ですね。

▼関連記事
飛べ!オオシオカラトンボ♂【HD動画&ハイスピード動画】


飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
物を投げつけて飛び立たせたら、同じ小枝には戻って来ませんでした。
離陸直後に脚を胴体に引き付けて畳み、空気抵抗を減らしています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





2018/09/01

飛べ!オオシオカラトンボ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬

オオシオカラトンボ♂(Orthetrum triangulare melania)が水たまりのある農道脇の草むら(枯れ茎など)に止まっていました。
枯れ茎のてっぺん付近に止まり、翅を深く下げて休んでいます。
大きな複眼の付いた頭部が時々ぐりぐりと動いています。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:15〜)

井上清、谷幸三『トンボのすべて(第2改訂版)』によれば、

トンボは前翅と後翅を互い違いに上げ下げできるので、真っ直ぐに飛べるし、またヘリコプターのように空中の同じところでじっと飛び続けること(ホバリングといいます)もできます。止まっていて急に飛び立つときには、両方の翅を一緒に打ち下ろし、高速度で逃げたり餌を追いかけたりもできます。(p90より引用)


飛び立っても大体同じ場所に止まるので、縄張りがありそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事
止まり木から飛び立つ未成熟オオシオカラトンボ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】


オオシオカラトンボ♂@枯茎

2018/05/20

ノシメトンボ♀♂の交尾と連結打空産卵



2016年9月下旬

稲穂が実る田んぼでノシメトンボ♀♂(Sympetrum infuscatum)が尾繋がり状態で飛びながら卵をばらまいていました(連結打空産卵)。
タンデムで停空飛翔(ホバリング)し、卵をほぼ同じ地点に何度も繰り返し産み落としています。
飛翔中は空気抵抗を減らすために、脚を体に引き寄せていることが分かります。
稲穂に別の♀♂カップルが止まって交尾しています。

稲田のあちこちでノシメトンボ♀♂が何組も同様に産卵していました。

図鑑『日本のトンボ』によると
(ノシメトンボは)連結産卵から♀単独での産卵に移行することも多く、♂が近くを飛んで警護する
らしいのですが、単独産卵は未だ見たことがありません。

▼関連記事(丁度2年前に撮った映像は短いので、撮り直しました。)
ノシメトンボの連結打空産卵

ノシメトンボ♀♂@飛翔+連結打空産卵
ノシメトンボ♀♂@飛翔+連結打空産卵+交尾

2018/04/16

交尾しないニホンカワトンボ♀♂の謎



2016年6月上旬

用水路沿いの草むらでニホンカワトンボ♀♂(Mnais costalis)が同じ笹の葉で隣り合うように止まっていました。
同じ方向を向いて止まっています。
橙色翅型の成熟♂が翅を開閉したのは♀へのアピールでしょうか。
しかし冒頭で一度やっただけで止めてしまいました。
無色翅型の♀は翅を閉じたまま静止しています。

目の前に居る♀に対して♂が求愛交尾を始めないのは不思議でなりません。
「据え膳食わぬは男の恥」じゃないの?
図鑑『日本のトンボ』でニホンカワトンボの配偶行動について調べると、

橙色翅型の♂は水辺の植物や石に止まって縄張り占有し、近づく♂を激しく追い払う。♀が現れると目の前でホバリングして求愛した後、連結して移精、交尾を行う。(p37より引用)

右側に居る♀は性的に未熟なのか、それとも未成熟な透明翅型♂(♀に擬態したスニーカー♂[間男]※)なのでしょうか?
右側の個体の腹端の形状は、閉じた翅に隠れて分かりづらいものの、素人目には♀だと思います。

※ サテライト
[英satellite]
【同】衛星雄
なわばり防衛や求愛などを行わず,他の雄の繁殖努力に便乗して,あるいはその隙をついて繁殖を行う雄個体.ただしこの語の用法は研究者によってかなり異なる.例えば,ブルーギル・サンフィッシュの繁殖戦略を研究したM.Grossは,水草の陰に潜んでいて,産卵放精中のペアを見つけると突進して放精する小形雄をスニーカー(sneaker),そのような行動をスニーキング(sneaking)とよび,その後成長して雌擬態によって繁殖中のペアに近づくようになったものをサテライトとよんで区別した.しかし,両者を特に区別せず用いたり,またギンザケにおける同様な雄をジャック(jack)とよび,またブルーヘッドベラやササノハベラの一次雄が雌とペア産卵している二次雄のところに突進する行動をストリーキング(streaking)とよぶなど,対象動物によって固有の用語をあてることも多い. (岩波『生物学辞典 第4版』より引用)
カワトンボ科カワトンボ属に関して、ここ東北地方はニホンカワトンボの単独生息域であり、橙色翅型♂、無色翅型♂および無色翅型♀の組み合わせが同所的に見られるそうです。(図鑑『日本のトンボ』p41より)

もしかすると、交尾、産卵も済ませた♀♂ペアが別れて休んでいるのかな? (しかし、♂は用済みの♀をすぐに縄張りから追い払いそうな気がします。)

直後に私は別の被写体に気を取られてしまい、気になる♀♂ペアのその後の顛末を見届けられませんでした。



▼関連記事 
ニホンカワトンボの情事
この動画を見直すと、今回見た行動は交尾直後の束の間の休息だったのかもしれません。


2018/04/15

睡蓮の葉で翅を開閉誇示するハグロトンボ♂



2017年7月下旬

白いスイレンの花が咲いていた池でハグロトンボ♀(Calopteryx atrata)が葉に止まって翅を開閉していました。
ハグロトンボが地上で翅を繰り返し開閉するのは、縄張りを主張する誇示行動なのだそうです。
ちょっとフォトジェニックな映像になりました。
一向に飛び立つ気配がありません。

『日本のトンボ』でハグロトンボの習性を調べると、
成熟♂は日中、川辺の植物や石に静止して縄張り占有する。気温の高い日には、時おり翅をパッと開く。 (p47より引用)

▼関連記事
ハスの葉で翅を開閉誇示するハグロトンボ♀




2018/04/04

ミヤマアカネ♀♂連結打水産卵からの♀単独打水産卵



2017年9月上旬・午後12:13〜12:16

正午過ぎに街中の側溝でミヤマアカネ♀♂(Sympetrum pedemontanum elatum)が連結飛翔しながら連続で打水産卵していました。
用水路を流れる水深はかなり浅かったです。
産卵地点は流れの中央ではなく、コンクリートの護岸付近のようです。(死角でうまく撮れず)
本種は卵で越冬するそうです。

しかし、こんな水草も生えていない殺風景なコンクリート三面張りの水路に産卵しても、無事に孵化してヤゴが育つとは思えません。
冬は融雪溝として使われるため水量が激増し、大量の雪が連日投下されるからです。

やがて、この♀♂ペアは尾繋がりを解消してしまいました。
私が近づいたから焦って連結が外れてしまったのかと申し訳なく思ったのですけど、後に本種の産卵習性を知るとどうやら自然に別れたようです。
驚いたことにミヤマアカネ♀は単独でも産卵を続け、♂はその近くでホバリング(停空飛翔)しながら警護していました。
本種は分かりやすい性的二形(雌雄異型)なので、観察しやすくて助かります。
成熟した♂は目にも鮮やかな「赤とんぼ」ですが、♀は地味な黄色っぽい体色です。

その後、♀だけが近くの路上で暫し休息(日光浴?)しました。
私が♀の写真を連写している間に♂の姿を見失ってしまいました。
次の♀を探しに行ったのかもしれません。


図鑑『日本のトンボ (ネイチャーガイド)』でミヤマアカネについて調べると、まさに観察した通りの産卵行動が書いてありました。

交尾後のペアは連結態のまま浅い流れを訪れ、水面や泥面を腹端で打って産卵する。♂の警護飛翔を伴い、♀が単独で産卵することもある。飛翔中は翅の模様がちらつくように目立つ。(p405より引用)

wikipediaでも同様の記述でした。

産卵は打水産卵または打泥産卵で、緩やかで浅い流れの上を通常は雌雄が連結して行う。流速が早い場所、水深の深い場所は産卵には適していないようである。産卵の途中で「キ」の字に連なったまま植物などにつかまり休息することも多い。その後連結を解いて雌の単独で産卵に移行することもあり、その場合は短時間ではあるが雄が上空で警護飛翔をする。


ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵
ミヤマアカネ♂@用水路+警護飛翔
ミヤマアカネ♀@路上+休息:産卵直後

2018/02/04

連結飛翔で水辺の産卵地を探すアオイトトンボ♀♂



2016年9月下旬
▼前回の記事(同日同所で撮った別のペア)
アオイトトンボ♀♂がサジオモダカ?の茎に連結産卵

平地にある水深の浅い沼(湿地)でアオイトトンボ♀♂(Lestes sponsa)が連結状態(尾繋がり)で飛び回っていました。
ところが、このペアは抽水植物を転々と移動しても一向に♀が産卵を始めません。
素人目に見ても産卵に適しているようには思えない(例えば茎が固そうな)植物に止まってばかりいます。
もし連結飛行が完全に♂のリードによってなされるのであれば、産卵地選定のセンスが無い(経験の浅い?)♂に思えてきました。
♀はこんな♂と別れたがっているのでは…?
産卵する気がない♀というのは、卵巣が未成熟な個体とか、逆に卵を産み尽くした個体なのでしょうか?
あるいは、交尾前のペアである可能性もありますかね?



2018/01/25

アオイトトンボ♀♂がサジオモダカ?の茎に連結産卵



2016年9月下旬

平地の浅い沼(湿地)でアオイトトンボ♀♂(Lestes sponsa)が連結状態(尾繋がり)で飛び回っていました。



初めはヨシの枯れた茎に連結状態で止まっていました。
休んでいる♀を急かすように♂が羽ばたいて、離陸を促しています。
ペアが連結飛翔で移動すると、サジオモダカと思しき抽水植物の茎に掴まりました。
アオイトトンボ♀は腹端を植物体に押し当てると、尖った産卵管を刺し込み、産卵を始めました。
茎に産卵管を軽く押し当てた状態で錐揉みするように左右にねじるような動きをして穿孔しています。
その間、アオイトトンボは♀♂ともに翅は半開きでした。
産卵を済ませると♀が主導して飛び立ちました。
(飛び立ちのシーンをスロー再生で見直すと、やはり♂が先に羽ばたきを始め♀をリードしていました。)

浅い水から生えている注水植物の茎から茎へ点々と移動しながら産卵を続けます。

しっかり同定するために胸部の斑紋を真横から撮りたいところです。
しかし意外に至近距離だったので、私が下手に動くと飛んで逃げられてしまいそうな気がしました。
仕方なく、我慢して産卵行動の動画撮影を優先しました。
遅ればせながらネイチャーガイド『日本のトンボ』という図鑑を手に入れたおかげで、苦手なトンボの名前調べも捗るようになりました。

やはり、収録種数の少ないミニ図鑑を何冊持っていても、埒が明かないですね。



産卵していた植物の名前も調べるのに苦労しました。
ただでさえ挺水植物の知識も図鑑も無い上に、花も咲いていないのでは、難問過ぎます。
ネットであちこち調べ回り、なんとなくサジオモダカかな?と思うものの、あまり自信がありません。
花期に現場を再訪して、しっかり突き止めるつもりです。

アオイトトンボ♀が後半に産卵した細い茎の植物は、ミクリじゃないし、何ですかね?(@3:09〜)
卵を産み付ける植物の種類は特に選り好みしないようです。

普段ヒトがあまり踏み込まない湿地帯に長靴を履いて出かけると、何かしらの新しい発見がありますね。

水深は浅く、長靴のくるぶしぐらいでした。
水面に油が浮いていて、お世辞にも水質はあまり綺麗とは言えませんでした。


アオイトトンボ♀♂@サジオモダカ?茎+連結産卵
この挺水植物の名前は?

サジオモダカ?・全景(水面に油が浮いている)
サジオモダカ?葉
サジオモダカ?(この粒々が蕾なのか実なのか、よく分かりません)

2018/01/09

クロイトトンボの産卵連結飛翔で主導権を握るのは♀【ハイスピード動画】



2017年8月上旬
▼前回の記事
連結態でスイレンの葉裏に産卵するクロイトトンボ

睡蓮池で尾繋がり状態(連結態)のクロイトトンボ♀♂(Cercion calamorum calamorum)ペアは頻繁に産卵ポイントを変えていました。
卵塊として産みつけるのではなく、おそらく1粒ずつあるいは少数の卵を浮葉植物の組織内に埋め込むのでしょう。
飛び立つ際に♀♂どちらが主導権を握っているのでしょうか?
240-fpsのハイスピード動画で連結飛翔を撮ってみました。(@0:15〜)

スローモーションで確認すると、決して♂が♀の首根っこを掴んで無理やり引き回している訳ではないと判明しました。
♀が産卵を終えたり場所が気に入らなかったりしたことで先に離陸を開始すると、僅かに遅れて♂も追従して飛び立っています。
必ず♀が先に飛び立ち、♂も瞬時に反応して追随するのです。
お手数ですがYouTubeの再生速度を0.25倍速のスローモーションに切り替えてご覧頂くと、よく分かるはずです(リアルタイムに対して1/32倍速の映像となります)。
クロイトトンボの♀♂カップルは亭主関白というよりもかかあ天下でした。
産卵のための飛翔ですから♀が主導権を握るのは別に不思議なことではありませんが、スーパースローの映像で突き止められたのは嬉しいことです。

ただし、一度だけ例外がありました。(@3:29〜4:17)
珍しく♂が先に飛び立とうとしたものの、♀はピクッとしただけで産卵を続けます。
結局はタンデムで飛び立ちました。(改めて♀が先行離陸)

最後の例はまた興味深いです(@4:20〜)。

♀が腹端で睡蓮の葉を探りながら軽く羽ばたいても、♂は無反応で飛び立ちませんでした。
♀の羽ばたきが激しくなり♀の脚が睡蓮の葉から完全に離れると(離陸)初めて♂が羽ばたき始めました。

イトトンボの連結飛翔をハイスピード動画で撮るのは意外にも今回が初めてでした。
タンデム(連結態)でパラパラと羽ばたくペアの影が美しいですね。
離陸後はどこへ向かって飛び(方向転換)、どこに着陸するのか、その主導権も♀が握っているのか、それとも♂が力強く♀をリードしているのか、気になるところです。

しかし、映像ではよく分かりませんでした。
♀が先に産卵地点に着陸する場合が多いようです。
連結飛翔中は一心同体に見えますが、どのように意思疎通をしているのですかね?

プロペラではなくトンボの羽ばたきを模倣したドローンを作り、列車のように何台も連結して飛ばしたら面白そうです。


腹部背面は黒いが、♂の腹端は水色。



2018/01/07

連結態でスイレンの葉裏に産卵するクロイトトンボ



2017年8月上旬

平地の睡蓮池で尾繋がりの状態で産卵中のクロイトトンボ♀♂(Cercion calamorum calamorum)を見つけました。
体色は背側が黒っぽいものの性的二型で、前の♂が水色(白い粉を吹いた青色)、後ろの♀が黄色でした。
♀は腹端でスイレンの葉表を腹端で探り、葉の縁や裂け目(虫食い穴)から水を探り当てると葉裏に産卵しているようです。
頻繁に飛んで場所を変え、あちこちに産卵しています。

植物組織内に産卵管を差し込むのか、葉裏の表面に貼り付けるだけなのか、映像だけからは分かりません。
図鑑の記述によれば、植物組織内に産卵するのだそうです。
水中には小魚が泳いでいるのが実際に見えますから、卵を捕食されないように植物組織の中に隠すように産卵するのでしょう。

『日本のトンボ(ネイチャーガイド)』でクロイトトンボの項を参照すると、

交尾を終えたペアは、おもに連結態で水面付近の植物組織内に産卵し、潜水産卵も観察される。♀単独でも産卵する。(p127より引用)



なるべく同一ペアをひたすら追いかけて撮影するようにしました。
ときどき単独♂が飛来するものの、♀の奪い合いにはならず、連結ペアは産卵場所を変えるだけでした。
尾繋がりで連結していれば♂の配偶者ガードは完璧なのでしょう。
映像の最後は、スイレンの葉で翅を休めているあぶれ♂です。

クロイトトンボを観察したのは未だこれが2回目であまり馴染みがないのですが、採集しなくてもなんとか写真同定できました。

▼関連記事(2年前の撮影)
クロイトトンボ♀♂の交尾

つづく→連結飛翔のハイスピード動画

スイレン葉で休む単独♂。腹端の上付属器が「ハ」の字状に開いているのがクロイトトンボ♂の特徴。

2017/12/23

コシアキトンボ♂の縄張り占有飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月上旬

お堀の池でコシアキトンボ♂(Pseudothemis zonata)が水面近くを飛んでいました。
一匹の動きを追ってみると、池の中央の上空を飛ぶのではなく、石垣の護岸に沿って繰り返し往復しています。
縄張りをパトロールしているのでしょう。

図鑑『日本のトンボ (ネイチャーガイド)』に書いてある通りでした。

(コシアキトンボ)♂の縄張り争い(Territorial conflict): 成熟♂は池の岸に沿って往復飛翔し、縄張り占有する。♂同士が出会うと激しい争いが繰り広げられる。 (p425より引用)


平凡社『世界大百科事典』でコシアキトンボを調べてみると、

6月中に羽化し,7〜8月には平地の木陰のある比較的有機物に富んだ池沼の水面上を飛び回る。成熟した雄は水面に近く飛翔(ひしよう)するが,未熟な雄はより上空8mくらいまでの空間を,未熟な雌はそれより上空にいることが多い。


途中から飛翔ルートの水面に置きピンをして待ち伏せ、240-fpsのハイスピード動画で飛翔シーンを撮ってみました。(@2:08〜4:23)
スローモーションにすると羽ばたきや滑空、旋回する様子がよく分かります。
実は翅をほとんど動かさずに滑空している時間が多いようです。

一度だけ、縄張り争いの片鱗が撮れました。(@2:29〜2:38)
一匹が急旋回したと思ったら、もう一匹の♂が左から飛来しました。
縄張りの主は慌てて侵入者を追撃するも、すぐに画角の外に出てしまいました。

ときどき水面をアメンボが横切るものの、コシアキトンボがアメンボを襲って狩ることはありませんでした。
(飛翔昆虫を狩るシーンも未見です)

後半は岸に沿ってもう少し先に進んでから、隣の縄張りに居る別個体♂を通常のHD動画で撮影しました。(@4:24〜6:58)
短時間の観察ですが、岸辺の歩道に立つ道路標識の白いポールを縄張り境界の目印にしてコシアキトンボ♂は引き返している印象を受けました。
前半に撮った個体では、護岸から少し生えたメヒシバの穂を目印にしていたのかもしれません。
(私が突っ立っていることで警戒され、飛翔ルートに影響した可能性もありそうです。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


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