2013/08/24
オオバギボウシの花で盗蜜するクマバチ♀
2013年7月上旬
民家の庭先に咲いたオオバギボウシの群落にキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
よく見ると、このクマバチは白い花の細長い(狭い)筒の中に頭を決して突っ込まずに、花筒の根元を外から食い破って蜜腺を舐めていました。
このような採餌行動は穿孔盗蜜と呼ばれ、花の授粉に寄与しません。
花粉に触れないため、この個体の後脚にある花粉籠は空っぽでした。
花弁の盗蜜跡を調べて写真に撮れば良かったですね…。
関連記事→「クマバチ♀の盗蜜行動@タニウツギ」
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訪花
カッコウ♂の縄張り争い?【野鳥】
2013年7月上旬
この日も早朝から、電線に止まったカッコウ♂(Cuculus canorus)が鳴いています。
後で新聞で調べてみると、撮影時刻はちょうど日の出の頃でした。(AM 4:25 〜)
前回の撮影よりも近くに止まってくれたので、いっそう大きく見えます。
初めは後ろ向きでしたが尾羽根を左右に振り振りし、やがてこちらへ向き直りました。
電線から脱糞。
横を向いて何かを睨んでいたカッコウ♂が、急に鳴きながら飛び立ちました。
引きの絵にすると元の電線のすぐ横に止まっています。
急旋回して止まり直したのか、別個体と入れ替わったのでしょうか?
脱糞の直後にまた飛び立ちました。
鳴きながらこちらへ向かって来ます。
飛び立ちの瞬間を1/4倍速のスローモーションにてリプレイ。
数分後に再び電線に止まりました。
尾羽根を左右に振り振りしたり、キョロキョロと辺りを見渡しています。
いきなり方向転換すると飛び立ち、鳴きながらこちらへ向かって来ました。
慌てたような鳴き声が木霊のように聞こえます。
今回見られた一連の行動は♀に対するアピールで一種のディスプレー飛翔(求愛飛翔)なのかと考えたりもしたのですが、図鑑やネット情報で調べてもそのような記述は見当たりません。
片方(一羽)の行動しか見れていないのでもどかしいのですが、おそらく♂同士の縄張り争いの喧嘩だろうと想像しました。
それなら♂が激しくさえずってアピールしそうなものです。
しかし不思議なことに、電線に止まっている間はカッコー、カッコー♪という鳴き声をあまり発しませんでした。
(隠し撮りしたつもりでしたが、警戒されたかな?)
カッコウといえば「静かな湖畔の森の影から♪」で始まるのどかな童謡や輪唱で有名ですけど、郭公の世界も色々と大変なようです。
「カッコウ 喧嘩」を検索ワードに調べてみると、「カッコウの実態」と題したブログ記事が見つかりました。
二羽来て,電線上で鳴き合っています。そのうち激しく喧嘩を始めました。どうも縄張り争いの様です。 電線上で羽根を逆立てたりして威嚇攻撃し合っていたかと思うと,飛びながら空中戦です。飛びながらもカッコウ・カッコウと鳴くこと(こころなしか忙しないかんじがします)を知りました。威嚇のような声も出しています。
カッコウ♂の争いの鳴き声を声紋解析してみる
オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出しました。
急に飛び立って鳴いた部分を3箇所切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
鳴き声が周囲に木霊しているのか、もう一羽の鳴き声と混じっている可能性もあります。
羽ばたきの音も入っているかもしれません。
欲を言えば、同一個体が普通に(リラックスして)カッコー、カッコー♪と鳴いている声も録音できたら声紋を比較できたのですけど、残念でした。
5日前に同じ電線で撮ったカッコウ♂のさえずりの声紋はこちらです。
この一帯を縄張りとしている同一個体♂かもしれません。
【追記】
『アユの話』p48によると、
カッコウの仲間は、“一つの谷には一つがいしかいない“といわれるように、ひろいなわばりをもつ。
『カラー自然シリーズ68:カッコウ』p6によると、
♀より先に高原に渡ってきた♂は、広い空間をなわばりにします。そして、遠くまでひびきわたる声で自分のなわばりを主張します。広いなわばりのなかには、カッコウの♀が托卵をするための小鳥たちがすんでいます。梢の上で見張る♂は、ほかの♂がなわばりに近づくと、たとえ遠くであっても、飛んでいって追いはらいます。♂が、なわばりを確保したころ、南の国から♀たちが渡ってきます。なわばりのなかに♀が姿をみせると、つがいになるために、♂が♀を追いまわします。
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば、
かつては柳の茂る川辺の草原などで、三つどもえで追いかけ合うカッコウの姿が見られたものだった。托卵相手の巣を確保し、同じ巣に複数のカッコウの卵が入るのを防ぐ縄張り争いだった。最近は追いかけ合うほどのカッコウはいなくなってしまった。(p124より引用)
2013/08/23
ヒメクモバチ♀cが泥巣から羽化脱出する瞬間
2013年7月上旬・室温25℃
ヒメクモバチ羽化の飼育記録2
外は朝から雨が降ったり止んだりで蒸し暑い梅雨空です。
前回のヒメクモバチ♂b(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)が羽化して2日後、3匹目の新成虫が泥巣から羽化脱出してきました。
今回は動画の長撮りで記録してみました。
早回し映像ではなく等倍速(リアルタイム)です。
脱出開始時刻は07:48:54頃、微小の穴が開き始めました。
ちなみに一昨日の♂bが脱出を始めた時刻は07:57:16で、ほぼ一定しています。
どうやら朝に羽化する傾向があるようです。
ここ数日間、監視のため泥巣をLEDリングライトで煌々と照らし続けていたにも関わらず、朝に羽化するという固有の日周リズムを蜂が保っているという事は、泥巣の育房内は暗黒なのでしょう。
(明るさではなく気温の上下で大体の時間帯を知るのかもしれません。)
脱獄が完了した新成虫♀cは泥巣上を少し歩き回り、触角を掃除しています。
網室内の蜂を捕獲してみると体長も大きく顔が黒いので♀と判明。
やはり雄性先熟でした。
体長の性差(♂<♀)を反映して、今回の脱出口はこれまで2つの穴よりも一回り大きいです。
泥巣に開いた3つの脱出口の位置関係を見ると、育房が端から順に増築されたことを示唆しています。
さて、記録された映像をよく見てみましょう。
乾いた土壁を軟らかくするために蜂が中から水や唾液を吐き戻して濡らしているのだとしたら、泥巣を外から見て穴が開く部分が黒っぽく変色するはずです。
しかしそのような変化は見られず、単純に蜂が大顎で少しずつ土壁を削って脱出口を広げているようです。
これで私の予想は当たり、本に書いてあった説に対する反例が得られた!と思い、撮影の苦労も忘れて快哉を叫びました。
ヒメベッコウの成虫が壺から出てくる際、口から水を吐き出して、泥を柔らかくし、壁を破る。(『ファーブル写真昆虫記2:つぼをつくるかりうど』p40より)ところが更に観察を続けると、事はそれほど単純ではありませんでした…。
ヒメクモバチ♀cの標本写真。
つづく→「ヒメクモバチ♂eが泥巣から羽化脱出する瞬間」
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発生
2013/08/22
ヒメクモバチ♂bが泥巣から羽化脱出する瞬間【微速度撮影】
ヒメクモバチ羽化の飼育記録1
ヒメクモバチ♀(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)による造巣を観察してから6日後、営巣地を再訪して泥巣をタニウツギの葉ごと採集してきました。
この日は母蜂に出会えず。
泥巣のまま飼育して室内で羽化させてみます。
『ファーブル写真昆虫記2:つぼをつくるかりうど』p40に驚くべきことが書かれていました。
でも、果たして本当でしょうか?
第一級の資料となる素晴らしい生態写真集ですが、この記述を読んでみた第一印象は眉唾だと思いました。
本にはヒメクモバチが脱出口から上半身を乗り出した写真が掲載されています。
しかし、私が知りたいのはその直前です。
自分の目で実際に見てみるまではちょっと信じられません。
幼虫時代に獲物として与えられた僅か一匹のクモから摂取した水分で事足りるでしょうか?
昆虫は羽化の際、翅脈に体液を送り込んで翅を伸ばし終わると、余った体液を肛門から排泄します。
ヒメクモバチもこの蛹便を利用して泥巣を中から濡らすというのなら私にも分かります。
しかし羽化した新成虫は体が充分固まるまで数日間、育房内に留まると考えられます。
ヒメクモバチは羽化液の排泄を我慢して脱獄するときまで体内に水分を蓄えておき、それを口から吐き戻すのでしょうか?
もちろん本当なら、それはそれで非常に面白い行動です。
ずっと気になっていたのでこの点を解明すべく、ヒメクモバチの新成虫が泥巣から脱出する瞬間をなんとか映像に記録したいと考えました。
羽化の前兆や脱出時刻、脱獄に要する時間などが分からないので、まずはインターバル撮影で監視してみます。
2008年7月の観察では、同じくタニウツギの葉裏に作られたヒメクモバチの泥巣を採集してから15日目以降、成虫が続々と羽化し始めました。
2009年にはススキの葉裏から泥巣を採取し、育房から取り出した蜂の子を幼虫から成虫になるまで飼育しています。
育房内で蜂の子が育って羽化するまでの期間の目安がこれで分かりました。
2013年7月上旬
さて、採集から10日後の早朝、一匹の成虫aが羽化していることに気付きました。
中央の育房に脱出孔が一つ開いています。
黒い小蜂が網室のネットに止まっていたのですが、不手際で逃げられてしまいました。
残念ながら性別を確認していません。
慌てて微速度撮影の準備に取り掛かりました。
するとほどなく、2匹目の蜂が羽化してきました。
10秒間隔のインターバル撮影した30枚の連続写真(07:54 am - 07:59 am)を素材に早回し映像(スライドショー)を制作しました。
うっかり室温を測り忘れましたが、外は雨が降ったり止んだりで非常に湿度が高く蒸し暑い日でした。
AM 07:57:16 先に羽化した育房aの隣に微小の脱出口が開き始めました。
AM 07:57:46 穴から蜂の顔が覗きました。
AM 07:58:36 一気に脱出した蜂は、泥巣の上にしばらく止まっています。
羽化した蜂は絹糸で紡いだ薄い繭をまず食い破り、続いて乾いた土壁に脱出口を開けたようです。
映像では泥巣の中から脱出口を水分で濡らしているようには見えませんが、私の先入観によるものかもしれません。
穴を開け始めてから1分もかからずに脱出完了することが分かりましたけど、10秒インターバル撮影では間隔が開き過ぎてもどかしいです。
残念ながら決定的瞬間が記録されているとは言えません。
コマ撮り間の映ってない最後の一瞬で唾液で土壁を湿らせて脱出した可能性は否定できません。
とても小さな蜂なので、泥巣を中から大顎でガリガリ齧る音は特に聞き取れませんでした。
2番目に羽化した蜂は顔が白く腹端に白点があることから馴染みのナミヒメクモバチ♂(Auplopus carbonarius)と判明しました。
羽化した♂bは泥巣上を歩き回り始めました。
多くのカリバチは雄性先熟です。
先に羽化した♂が交尾相手の♀が羽化してくるのを外で待つ戦略なのでしょう。
今度は無事に捕獲成功!
ヒメクモバチ♂bの標本写真。
これから羽化してくる育房はまだ残っているので、今度はインターバル撮影ではなくて動画で記録することにします。
つづく→「ヒメクモバチ♀cが泥巣から羽化脱出する瞬間」
ヒメクモバチ♀(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)による造巣を観察してから6日後、営巣地を再訪して泥巣をタニウツギの葉ごと採集してきました。
この日は母蜂に出会えず。
泥巣のまま飼育して室内で羽化させてみます。
『ファーブル写真昆虫記2:つぼをつくるかりうど』p40に驚くべきことが書かれていました。
ヒメベッコウの成虫が壺から出てくる際、口から水を吐き出して、泥を柔らかくし、壁を破る。すごーい、これは見てみたい!
でも、果たして本当でしょうか?
第一級の資料となる素晴らしい生態写真集ですが、この記述を読んでみた第一印象は眉唾だと思いました。
本にはヒメクモバチが脱出口から上半身を乗り出した写真が掲載されています。
しかし、私が知りたいのはその直前です。
自分の目で実際に見てみるまではちょっと信じられません。
幼虫時代に獲物として与えられた僅か一匹のクモから摂取した水分で事足りるでしょうか?
昆虫は羽化の際、翅脈に体液を送り込んで翅を伸ばし終わると、余った体液を肛門から排泄します。
ヒメクモバチもこの蛹便を利用して泥巣を中から濡らすというのなら私にも分かります。
しかし羽化した新成虫は体が充分固まるまで数日間、育房内に留まると考えられます。
ヒメクモバチは羽化液の排泄を我慢して脱獄するときまで体内に水分を蓄えておき、それを口から吐き戻すのでしょうか?
もちろん本当なら、それはそれで非常に面白い行動です。
ずっと気になっていたのでこの点を解明すべく、ヒメクモバチの新成虫が泥巣から脱出する瞬間をなんとか映像に記録したいと考えました。
羽化の前兆や脱出時刻、脱獄に要する時間などが分からないので、まずはインターバル撮影で監視してみます。
2008年7月の観察では、同じくタニウツギの葉裏に作られたヒメクモバチの泥巣を採集してから15日目以降、成虫が続々と羽化し始めました。
2009年にはススキの葉裏から泥巣を採取し、育房から取り出した蜂の子を幼虫から成虫になるまで飼育しています。
育房内で蜂の子が育って羽化するまでの期間の目安がこれで分かりました。
2013年7月上旬
さて、採集から10日後の早朝、一匹の成虫aが羽化していることに気付きました。
中央の育房に脱出孔が一つ開いています。
黒い小蜂が網室のネットに止まっていたのですが、不手際で逃げられてしまいました。
残念ながら性別を確認していません。
慌てて微速度撮影の準備に取り掛かりました。
するとほどなく、2匹目の蜂が羽化してきました。
10秒間隔のインターバル撮影した30枚の連続写真(07:54 am - 07:59 am)を素材に早回し映像(スライドショー)を制作しました。
うっかり室温を測り忘れましたが、外は雨が降ったり止んだりで非常に湿度が高く蒸し暑い日でした。
AM 07:57:16 先に羽化した育房aの隣に微小の脱出口が開き始めました。
AM 07:57:46 穴から蜂の顔が覗きました。
AM 07:58:36 一気に脱出した蜂は、泥巣の上にしばらく止まっています。
羽化した蜂は絹糸で紡いだ薄い繭をまず食い破り、続いて乾いた土壁に脱出口を開けたようです。
映像では泥巣の中から脱出口を水分で濡らしているようには見えませんが、私の先入観によるものかもしれません。
穴を開け始めてから1分もかからずに脱出完了することが分かりましたけど、10秒インターバル撮影では間隔が開き過ぎてもどかしいです。
残念ながら決定的瞬間が記録されているとは言えません。
コマ撮り間の映ってない最後の一瞬で唾液で土壁を湿らせて脱出した可能性は否定できません。
とても小さな蜂なので、泥巣を中から大顎でガリガリ齧る音は特に聞き取れませんでした。
2番目に羽化した蜂は顔が白く腹端に白点があることから馴染みのナミヒメクモバチ♂(Auplopus carbonarius)と判明しました。
羽化した♂bは泥巣上を歩き回り始めました。
多くのカリバチは雄性先熟です。
先に羽化した♂が交尾相手の♀が羽化してくるのを外で待つ戦略なのでしょう。
今度は無事に捕獲成功!
ヒメクモバチ♂bの標本写真。
これから羽化してくる育房はまだ残っているので、今度はインターバル撮影ではなくて動画で記録することにします。
つづく→「ヒメクモバチ♀cが泥巣から羽化脱出する瞬間」
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微速度撮影
ニホンザル母の子猿運搬法(おんぶ)色々
2013年7月上旬
里山の広場で野生ニホンザル(Macaca fuscata)の群れに遭遇しました。
こんな登山客の多いルートにも猿が出没するとは知りませんでした。
私がよく見ている山域の群れとは別の群れのようです。
個体識別は出来ていないものの、猿の顔つきも心なしか馴染みがありません。
それでも多少ヒト馴れしている印象。
白っぽい夏毛のせいか冬毛のニホンザルよりもやせ細って見えます。
広場を横切り、林縁で各自が採食しながら群れは少しずつ遊動して行きます。
採食メニューは不明。
子猿の面倒を見ている成獣は乳首が長いので♂ではなく母猿(少なくとも♀)と分かります。
子猿を運ぶやり方には色々あるようです。
(1)母猿の腹に子猿がしがみ付いて運ばれるタイプ。
授乳からそのまま遊動に移ったのでしょうか。
体重の軽い幼い子猿がこのタイプのような気がします。
(2)子猿を腰に乗せて運ぶタイプ。
子猿が後ろ向きで運ばれることもあります。
(3)子猿を肩に乗せて運ぶタイプ。
これのバリエーションとして、母猿の肩に横向きにしがみ付いて運ばれる子猿が居ました。
こんな変な運搬姿勢は今まで見たことがありません。
移動中にずり落ちたのかな?
それとも子猿の気まぐれや個性なのでしょうか?
とりあえず、子猿の年齢を見分けられるようになりたいものです。
【追記】
『生き物をめぐる4つの「なぜ」』p156-157によると、
ニホンザルの赤ん坊は、生まれたときから両手と両脚の指で母親の腹に掴まって運ばれます。しかし、最初のうちはまだ握力が弱いので、母親が片手を添えてやらなければなりません。すると、母親は三本脚で歩くことになります。
母猿の腰に乗って運ばれる子猿 |
母猿の腹にしがみ付いて運ばれる子猿 |
母猿の肩に横向きにしがみ付いて運ばれる子猿 |
2013/08/21
飛べ!ダイミョウセセリ【ハイスピード動画】
2013年6月上旬
ダイミョウセセリ(Daimio tethys)が山中で木の葉や草の葉から機敏に飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
葉上で近づくアリを嫌って飛び去ることもありました。
蝶にしては1/8倍速のスローモーションでも相当速い羽ばたきです。
多くの場合、飛び立ってもすぐに元居た葉あるいは近くの葉に戻りました。
もしかすると縄張りを張っていて、近づくチョウに対してスクランブル発進(即時迎撃)していたのかも…と想像しました。
私には性別を見分けられませんが、交尾相手が飛来するのを待っているのかな?
同じ日に山道のあちこちで複数個体を撮影。
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電線に止まったカッコウ♂の羽繕いと鳴き声♪(野鳥)
2013年7月上旬
カッコウ♂(Cuculus canorus)が早朝から鳴いている姿をようやく望遠で隠し撮りすることができました。
初めて撮れた印象は「大きな鳥だな〜!」というものでした。
この辺りは水田と芦原が広がっていてオオヨシキリにとって格好の営巣地となっています。
しかし近年は宅地造成で埋め立てが進み、営巣地が圧迫されています。
カッコウはこのオオヨシキリの巣に托卵を企んでいるのでしょう。
電線に止まり、黙って首だけキョロキョロと動かしています。
ときどき羽根をかすかに広げるような仕草は、今にも飛び立とう飛び立とうと葛藤しているのか、それとも朝露で濡れた羽根を乾かすためでしょうか?
ようやくカッコー、カッコー♪と囀り始めました。
後半は羽繕いや脱糞(@5:53)も見られました。
カッコウ♂の鳴き声を声紋解析してみる
少し遠くて音量が小さいのですが、動画ファイルから音声を抽出し、鳴き声のスペクトログラムを描いてみました。
2013/08/20
ヒメギフチョウの蛹は腹部しか動かせない
2013年6月中旬
ヒメギフチョウの飼育記録10
このヒメギフチョウ(Luehdorfia puziloi inexpecta)飼育個体bは、前蛹から脱皮して帯蛹となる際に帯糸が外れて落下してしまいました。
前回の記事はこちら→「ヒメギフチョウの蛹化【微速度撮影】」そのままプラスチックの飼育容器の底(隅)に腹面の一部が固着しています。
蛹化の8日後、綿棒で触れると腹部だけ動かしました。
もう休眠しているのかいまいち反応が悪く、硬い蛹をかなり執拗につつかないと身動きしません。
蛹に手を触れると腹部をぴくぴく動かすことがあるが、他の部分は全く動かない。(『日本の昆虫1:ギフチョウ』p34より)
いよいよ最大の難関である越冬飼育に挑戦です。
来春まで温度および湿度を適切に管理して蛹を冬越しさせなければいけません。
他の3匹(蛹a, c, d)はまとめて別の容器に保管しました。
乾燥し過ぎは良くないらしいので、軽く霧吹きしてやりました。
ところがたちまち容器内にカビが生えてしまい台無しになりました…。
加湿の加減が難しいですね。
蛹bは今のところ無事ですけど、果たして無事に成虫が羽化してくれるでしょうか。
つづく…?
プラスチック容器に固着 |
蛹化の際の脱皮殻 |
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チョウ・ガ(鱗翅目),
発生
イワガラミに訪花するクロマルハナバチ♀
2013年6月下旬
建物の外壁を伝って伸びたイワガラミにクロマルハナバチ(Bombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠に白く大きな花粉団子を付けています。
むせ返るような強い芳香がイワガラミの白い花から辺りに漂っています。
ミツバチも訪花していました。
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ハチ・アリ(膜翅目),
訪花
2013/08/19
ヘビイチゴの果実で争うナガカメムシ科幼虫の群れ
2013年7月上旬
ヘビイチゴの群落で赤い果実に見慣れないカメムシを何匹も見つけました。
体長が不揃いですけど、未だ幼虫なのか性差なのか、カメムシに疎い私には分かりません。
全て同種のカメムシでしょうか?
未採集、未採寸。
ヘビイチゴの痩果をめぐって数匹が激しく喧嘩しています。
赤く熟した果実に口吻を突き刺して甘い汁※を吸いたいのだと思いますが、餌資源の占有行動でしょうか。
(※ ヘビイチゴの実は我々ヒトが食べても甘くありません。)
吸汁しながらお山の大将のように、下から登ってくるライバルの接近を長い後脚で妨げたり(牽制)払い除けたりしています。
最終的には体の大きい個体がやはり有利のようです。
群落内でヘビイチゴの果実は幾つも実っているのに、なぜ特定の果実で争いになるのか不思議でなりません。
一番熟して大きな果実の争奪戦でしょうか。
株によっては果実にカメムシが一匹しか来ておらず、その個体はのんびり平和に吸汁しています。
争いが落ち着くと、同じ果実上でも互いに少し離れて吸汁するようになりました。
(完全に独占することを諦めた?)
それでも果実の天辺は優位の個体が占めており、劣位の個体は実の辺縁部に甘んじています。
いつもお世話になっているカメムシBBSに問い合わせたところ、kameotakuさんより以下の回答を頂きました。
ナガカメムシ科の幼虫ですね。種名まではわかりません幼虫同士の喧嘩だとすると、配偶者獲得のためではなく単に食料を独り占めしたいようです。(当てずっぽうでアムールシロヘリナガ?)
動画像では終齢幼虫も混じってましたので、飼育すれば羽化するかもですね。
私も、地面に落ちたクワの実を巡ってオオモンシロナガ成虫・幼虫・ダンゴムシの三者が争っているのを見たことがあります。
カメムシの飼育は未経験ですけど、もしヘビイチゴの実と一緒に幼虫を採集したら、同定可能な成虫まで勝手に育ってくれますかね?
もし次に機会があれば試してみようと思います。
関連記事→「アキノキリンソウの花蜜を吸うアムールシロヘリナガカメムシ」
動きが激しく、なかなか良い写真が撮れませんでした。 |
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食事,
闘争
水溜まりで遊ぶハシボソガラス(野鳥)
2013年7月上旬
住宅展示場の裏庭に前夜の雨で大きな水溜まりが出来ました。
そこへハシボソガラス(Corvus corone)の群れ(3羽)がやって来ました。
小石や枝を拾い上げたり仲間と奪い合ったりして長時間遊んでいます。
水深はカラスの足首ぐらいあります。
嘴をつっこんで、水を飲んでいるかと思いきや小枝を拾い上げました。
(ハト以外の鳥は嘴で水をすくってから上を向かないと飲み込めないはず。参考サイト→「ハトの水飲み」)
水溜まりで草を毟っているのは餌となる虫を探してるのかな?
水中から拾い上げたゴムの切れ端を、2羽で引っ張り合い喧嘩を始めました。
岸の小石を拾い上げて遊んでいると、これも取り合いになりました。
とにかく一羽が何かを見つけて拾い上げると、仲間は気になってすぐに近寄ってきて取り合いになります。
そのくせ奪った物にすぐ興味を失います。
ヒトの子供が遊ぶ様子と大差なく、とても微笑ましい光景でした。
この日「カラスの行水」は見られませんでした。
2013/08/18
獣糞を吸汁するハラビロヘリカメムシ
2013年7月上旬
林道の真ん中にタヌキの溜め糞と思われる獣糞が落ちていて、そこにハエとカメムシが集まっていました。
ハラビロヘリカメムシ(Homoeocerus dilatatus)だと思うのですがどうでしょう?※
真っ黒の糞は未だ新鮮で、やや臭気がありました。
消化されずに排泄された植物の種子がゴロゴロと混じっています。
カメムシ類が汚物や獣糞で吸汁する光景は今まで見たことがなく、衝撃的でした。※※
このカメムシは糞の中に混ざった未消化の植物の種子が目当てではなく、明らかに糞そのものから吸汁しています。
側面から口吻を接写して確認しました。
それとも小さな(草の)種子を摂食吸汁しているのでしょうか?
どうやったら実証できるか考えてみました。
タヌキの食性の調査法の一つとして、採取した溜め糞をザルで水洗いし未消化の種子を得る方法があります。
得られた種子をついでにカメムシに与えてみて、糞汁と比べどちらを好んで口を付けるかどうか調べてみれば…?
まー、「言うは易し」で究極の3K調査ですけど。
ハラビロヘリカメムシは獣糞の上を歩いて移動すると、ここぞという所で口吻を差し込んでいます。
映像では動きのあるシーンを中心にまとめましたが、実際は静止している時間が長いです。
よく見ると赤い触角が印象的。
複眼の間に単眼が2個しか見えません。
昆虫の単眼は3つあるのが普通だと思っていたので、気になりました。
カメムシに何か細長いゴミが付いているのかと思ったら、小さな蓑虫のような物がカメムシの体表を移動しています。
寄生性、吸血性の虫なら面白いのですけど、正体不明です。
ちなみに途中で聞こえる「キンミー、キンミー♪」という甲高い鳴き声の主はサシバという猛禽類の野鳥だと思います。(@0:55〜1:05)
すぐ近くの樹上に止まって鳴いていました。
そちらも気になったのですが、カメムシの撮影を優先しました。
※ 【追記】
いつもお世話になっているカメムシBBSに投稿したところ、kameotakuさんより以下のコメントを頂きました。
動画拝見しました。確かに口吻立てて、吸汁してますね。 初めて見ました、驚きです! アップ画像で触角2,3節が扁平なのが良くわかります。 (ホシハラビロではなく)ハラビロヘリの方ですね。 頭から胸背辺りを這い回っているミノムシ?も微笑ましいです。
※※ 南十字星さんよりカメムシBBSにて次のコメントを頂きました。
タイで犬糞から吸汁しているキンカメムシの一種を見たことがあります。めちゃ暑い日でした。またやはりタイで、人糞を入れたPITにカメムシ科の一種が多数集まっていたこともありました。注意して見ればけっこうあるのかもしれません。
胸背に蓑虫? |
【追記2】
『カメムシ:おもしろ生態と上手なつきあい方』p31によると、野生動物の糞を吸う変わった食性をもつカメムシとして、ヘリカメムシ科のホシハラビロヘリカメムシが紹介されていました。
普段は、マメ科植物のフジ、クズ、ヌスビトハギなどをはじめ、畑のダイズにもよく見かける種である。(中略)唾液と混ぜながら吸収しやすい状態にして多少乾いた糞でも口吻を差し込むのである。
関連記事(10年後に撮影)▶ ホンドタヌキの溜め糞に集まり吸汁するハラビロヘリカメムシ
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セミ・カメムシ・サシガメ(半翅目),
フィールドサイン,
食糞性
泥巣に出入りするヒメクモバチ♀の飛翔【ハイスピード動画】
2013年6月中旬
前回の記事はこちら→「タニウツギの葉裏に泥巣を作るヒメクモバチ♀」
ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)の造巣行動は数年前から定点観察で散々動画に記録してきたので、今回は目先の変わったことを試します。
巣材の泥玉を集めて泥巣に出入りする母蜂の飛翔シーン(離着陸)を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
撮影時間は16:22 pm - 17:00 pmの約38分間。
ヒメクモバチは巣材の泥玉を大体決まった場所から集めて来ることが分かっています。
しかし飛び去った蜂の姿をすぐに見失ってしまい、どこの採土場や水場に通っているのか突き止められませんでした。
左手に飛び去った後に右へ飛んで行く姿(右往左往)がハイスピード動画に捉えられていたので(@9:30)、水場は左側に採土場は右側にあるのかもしれません。
泥巣、水場、採土場が三角形の位置関係にあるようです。
地面から削り取った土と吐き戻した水を大顎で捏ねて泥玉を作るのです。
採土の前に水を毎回飲みに行く訳ではありません。
関連記事→「ヒメベッコウの採土と泥玉作り1」、「ヒメベッコウの採土と泥玉作り2」
※ 飲水シーンの映像はパート2の方がよく撮れています。
この母蜂の帰巣シーンは葉表に着陸してから葉裏に回り込んで泥巣を見つける例がほとんどでした。
葉裏に回り込む向きも決まっているようです。
稀に葉裏にいきなり着地することもあります。
効率の良い帰巣ルートを学習しつつあるのかと思ったのですが、水場と採土場の位置関係でこうなったのでしょう。
時には空荷で帰巣することもあり、泥巣を点検してからすぐに外出します。
ヒメクモバチ♀は腹部を強く曲げて腹端背面を左官屋のコテのように使って泥玉を伸ばしていきます。
その素早い動きも1/8倍速のスローモーションで見るとよく分かります。
興味のある方は映像の冒頭部をご覧下さい
せっかくなので、ブログ限定でノーカット版も掲載しておきます。
巣作りの過程もスローモーションになっています。
後日、泥巣を採集して飼育を始めました。
つづく
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