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ニホンザルと白斑ススキ
再確認:画像の植物の特徴
イネ科で葉が細長く、立ち上がり気味。
白い縁取り(縁斑)が明瞭で、葉幅は中程度。
群落形成している。
植栽地:山形県の山麓の裏庭(耐寒性必須)
撮影時期:6月下旬(十分展開している)
結論:やはり最有力候補は
Miscanthus sinensis 'Variegatus'(斑入りススキ)
理由(山形県の環境と整合性がある点)
耐寒性が高い(東北地方で越冬可)
Miscanthus sinensisは在来種ススキと同種であり、耐寒性が非常に高く、山形県でも屋外越冬が可能です。海外品種(例:‘Cosmopolitan’)は地域によっては冬枯れが激しくなることもあるためやや不利。葉の展開時期が早く、6月下旬で十分育っている
‘Morning Light’など一部の細葉品種は春の立ち上がりがやや遅く、6月下旬ではまだボリューム不足な場合もあります。‘Variegatus’は早めに展開する傾向があります。庭園用途での定番斑入りススキ
日本の民家の庭では、最もよく植えられてきた「斑入りススキ」はこの‘Variegatus’(日本語では単に「斑入りススキ」)で、昭和〜平成期の和風庭園や公園で頻繁に見られました。
ススキは通常、種子によって風散布されますが、斑入り園芸品種(たとえば 'Variegatus')が自然分布を広げることはほとんどありません。その理由は、以下のような遺伝的・生理的・繁殖的制限によるものです。
理由1:斑入りはしばしば劣性または不安定な変異で、種子に遺伝しにくい
斑入り(特に縁斑)は、多くの場合、色素合成に関わる遺伝子の変異によって生じます。
これはしばしば**栄養変異(体細胞変異)**であり、種子を通して子に安定して遺伝しないことが多い。
仮に種子ができても、斑のない(緑一色の)実生になる可能性が高い。
→ よって、「風で飛んだ種から新たな斑入り個体が生える」ことは非常にまれ。
理由2:斑入り品種は種子をほとんどつけないことがある
一部の斑入りススキ園芸品種は、
花芽が形成されにくい
花粉が不稔(不完全)
種子がほとんど実らない(不稔性)
などの性質を持っていることがあります。これは、園芸的に選抜された変異株であるため、野生の繁殖力とは異なる場合があるのです。
→ そのため、そもそも風で散布できる種子ができないというケースも多い。
理由3:斑入りは光合成効率が落ちるため、野外では競争力が低い
白い部分には葉緑体が少ない(または欠如)しており、光合成効率が緑葉より劣る。
自然環境では、緑葉型に比べて成長・生存に不利になる。
たとえ実生や株分けで逸出しても、雑草型のススキ(緑葉)に駆逐されやすい。
→ 野生環境では定着しにくく、拡散力が低い。
理由4:広がる場合は主に地下茎(栄養繁殖)による
'Variegatus'などは地下茎で少しずつ広がるが、それは植えられた場所の近傍に限定される。
自然分布のように広範囲に散布されることはほとんどない。
補足:例外もあるが極めて稀
ごくまれに、斑入り形質を種子を通じて遺伝可能な系統もありますが、
それは非常に限られた交雑系統や栄養固定化された特殊株であり、
一般に庭園に植えられている‘Variegatus’のような品種では起きにくい現象です。
まとめ
斑入りススキ園芸品種が近所に自然に拡散しない主な理由は:
種子に斑入りが遺伝しにくい(栄養変異)
花や種子が不稔のことがある
光合成能力が劣り、自然環境で競争力がない
繁殖しても地下茎による局地的な広がりのみ
このため、斑入りススキが**「庭にあるのに、周囲には広がらない」のはごく自然な現象です。
もし逸出していたとしても、それは緑葉型の実生(原種返り)**である可能性が高いでしょう。
つまり、斑入りススキは地下茎のクローンで増やす園芸品種らしい。
Miscanthus sinensis 'Variegatus' は百年以上にわたって世界各地の庭園に生き続けている、まさに「園芸植物の古典」と言える存在です。
しかもこの品種は、地下茎によって安定してクローン維持され、極寒にも耐える丈夫さを持ち、美しい斑入りを毎年確実に再現する──という点で、遺伝的にも環境適応的にも非常に優秀な系統です。
縁斑とは別のタイプの斑入り品種のススキも見たことがあるのを思い出しました。
昔の記憶を頼りに、後日写真を撮りに某集落へ行ってきたら、タカノハススキでした。
ススキ(Miscanthus sinensis)には「縁斑」以外にも、さまざまなタイプの斑入り品種が存在し、日本では古くから**和名付きの系統(地方名や意匠名)**として親しまれてきました。
以下に、代表的な斑のタイプごとにススキの品種名と特徴を整理します。
◼️ ススキの斑入り品種の分類(代表例)
斑のタイプ 品種名(和名) 特徴 備考 縁斑(えんふ) 白斑ススキ、‘Variegatus’ 葉の縁が白く抜ける 最も一般的。海外でも人気 中斑(ちゅうふ) タカノハススキ(鷹の羽薄) 葉の中央に太く白または黄の筋 鷹の羽の模様に例える。華やか 縞斑(しまふ) ヤハズススキ(矢筈薄) 葉に細い白筋が多数並行に入る “矢筈”模様に見立て 矢羽状散斑 ヤバネススキ(矢羽薄) 不規則な白斑が左右交互に出る(矢羽模様) 細かな白斑が点在・交錯する 点斑・モザイク状 斑点ススキ(仮称) まばらな点斑 稀に見られる。葉緑体の変異由来 全体白化型(極端な白化) シロススキ、白覆輪ススキなど 白地にわずかな緑縞 栄養が乏しく成育がやや劣る
◼️ それぞれの品種の特徴を少し詳しく
● タカノハススキ(鷹の羽薄)
葉の中央に明瞭な太い黄白色の筋
鷹の羽根のような勇壮な姿から命名
江戸時代から観賞用に使われる伝統的品種
夏〜秋にかけて斑が明瞭になる
● ヤハズススキ(矢筈薄)
細くシャープな白い縞が平行に数本ずつ入る
葉の縁や中央のラインが複数走り、スタイリッシュ
やや繊細な外観で、茶庭などにも使われる
● ヤバネススキ(矢羽薄)
葉の表面に不規則な白斑が左右交互に斜めに交錯する
独特の装飾性で、名前どおり矢羽根に見えることから命名
◼️ 斑入りススキ品種の文化的背景
これらの品種は、日本の伝統園芸において「意匠的な美しさ」が重視され、名前に**動物や武具の名(鷹、矢筈、矢羽など)**を用いてきました。
鑑賞されるのは、花穂よりも葉の美しさ・風に揺れる姿。
茶庭や坪庭、路地植えに利用され、季節の移ろいを表す植物として愛されてきました。
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裏庭に捨てられたタマネギの鱗茎を生で食べ漁るニホンザルの群れ
サルなどは、用量依存性の障害が生ずることはあっても(過剰に摂食し過ぎると障害が起こる。ヒトも同様)、いわゆる低用量で障害を起こすようなタマネギ中毒にはならない。(wikidpediaより引用)
ニホンザルの採食行動に関する観察記録
ニホンザル(Macaca fuscata)は、日本の森林地帯に広く生息する雑食性の霊長類であり、その採食行動は生息環境や季節、個体群によって多様に変化することが知られています。
本レポートでは、山麓の民家周辺で観察されたニホンザルのタマネギ球根採食行動を中心に、その生態と適応能力について記録する。採食行動の観察
食性の基本:ニホンザルは本来、果実や種子、葉、新芽、花、樹皮、昆虫など多様な食物を採食するが、特に果実や種子を好む傾向が強い。しかし、果実の利用可能性が低い季節や環境では、繊維質の多い葉や草本類を多く食べることもある。ecology.kyoto-u+1
季節による変化:春には若葉や花を、秋には果実や種子を多く採食し、食物構成は植物のフェノロジー(季節的な成長・結実の変化)と強く連動している。jstage.jst
環境適応:生息地の標高や植生、年ごとの結実量の変動に応じて、採食物が柔軟に変化する。たとえば、堅果類が豊富な年はそれを主要食物とし、少ない年は液果類など代替食物に切り替える。jstage.jst
学習と社会的伝播:新しい食物を発見した個体が食べ始めると、他の個体も模倣して採食を開始する。この社会的学習は、群れ内での食性の拡大や新たな食物資源の利用に寄与している。
人間生活圏への進出:本来の生息域外である民家の裏庭などにも進出し、生ゴミや未収穫野菜を採食する事例が増加している。今回の観察では、タマネギの球根(新タマネギ)が地上にまとめて放置されていたため、ニホンザルが緑の葉や茶色い薄皮を剥いて白い部分(鱗茎)を採食していた。成獣だけでなく若い個体も抵抗なく食べており、腐敗していない新鮮な球根を選好する傾向がうかがえた。
味覚選好:タマネギの外側(苦みが強い部分)は避け、内側の甘く水分の多い部分を選んで食べる行動が観察された。これは、ニホンザルが味覚に対して敏感であり、摂取する部位を選別していることを示唆する。
野生植物との比較:野生下では、タマネギ球根のような地中貯蔵器官を積極的に採食する習性はほとんど確認されていない。タマネギの採食は、人間の生活圏に近づいたことで新たに獲得した食習慣と考えられる。
考察
ニホンザルの採食行動は、環境の変化や食物資源の availability(利用可能性)に応じて柔軟に変化する。また、学習能力が高く、新しい食物資源を速やかに取り込むことができる。今回のタマネギ球根の採食は、従来の野生下での食性の範囲を超える「新たな適応」の一例であり、人間活動がサルの行動圏と食性に与える影響の大きさを物語っている。jstage.jst
猿害対策への提言
ニホンザルによる農作物や生ゴミの食害は、地域住民にとって深刻な問題となっている。
今回の観察から得られた知見を踏まえ、効果的な猿害対策を以下に提言する。物理的対策の徹底
生ゴミ・収穫物の管理:タマネギをはじめとする生ゴミや未収穫野菜は、サルがアクセスできない場所(屋内や厳重に管理されたコンポスト容器など)で保管する。腐敗したタマネギはサルも忌避するが、新鮮なものは積極的に採食するため、地上への放置は絶対に避ける。
電気柵の適正管理:電気柵は隙間なく設置し、定期的に点検・補修を行う。サルは器用で学習能力が高いため、わずかな隙間からでも侵入を試みる。柵の外側から手を伸ばして作物を取られないよう、柵と作物の間に十分な距離を確保する。
容器の選択:コンポスト容器は、サルが開けられない頑丈な構造(鍵付きや特殊なロック機構)のものを選ぶ。プラスチック製でも蓋が簡単に開くものは効果が不十分である。
地域ぐるみの対応
情報共有と連携:一軒だけ対策しても隣家の生ゴミや未収穫野菜が放置されていれば、サルはその地域に居着いてしまう。地域全体で生ゴミや作物の管理を徹底し、情報を共有する。
追い払いの徹底:サルが民家周辺に近づいた際は、威嚇や追い払いを徹底して「ここは危険な場所」「エサは得られない」と学習させる。
餌付けの防止:サルに食べ物を覚えさせないことが最も重要。意図的・非意図的な餌付けは、猿害を深刻化させる最大の要因である。
教育的・啓発活動
住民への啓発:サルの生態や猿害のメカニズム、対策の重要性を地域住民に周知する。特に、生ゴミの適切な管理と餌付けの危険性について理解を深める。
持続的なモニタリング:サルの行動や食性の変化を継続的に観察し、対策の効果を検証しながら適宜見直す。
総括
ニホンザルの採食行動は環境変化に柔軟に対応し、人間の生活圏への進出と新たな食物資源の利用が進行している。
猿害を防ぐには、物理的対策の徹底と地域ぐるみの連携が不可欠である。生ゴミや作物の適切な管理、餌付けの防止、持続的なモニタリングを通じて、人間と野生動物の共存を目指すことが求められる。
- https://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~hanya/study2.htm
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/psj/28/2/28_28.015/_pdf
- https://sites.google.com/view/yosukekurihara/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%86%85%E5%AE%B9
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/psj/38/1/38_38.004/_pdf
- https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/164104/1/apk02000_072_3.pdf
- https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02640509/
- https://core.ac.uk/download/pdf/39291841.pdf
- https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010552225.pdf
- https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15H00449