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2025/11/15

アナグマの巣口に忍び寄る夏のハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月下旬・午前4:50頃・気温22℃・日の出時刻は午前5:03 

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が未明に登場しました。 
忍び足で左から来たハクビシンは、巣口Lの匂いを嗅いだだけで、獣道を左に引き返して行きました。 

素人目には、股間に白い睾丸が見えるような気がするのですけど、♂なのかな?

実は、監視カメラに野生動物が写ったのは5日ぶりです。 
どうやらアナグマの母子は他所で暮らしているようです。 


つづく→

2025/11/14

取っ組み合いや追いかけっこをして遊ぶニホンアナグマの母子【トレイルカメラ】

 



2024年8月下旬 

シーン1:8/23・午前11:40・晴れ・気温33℃(@0:00〜) 
昼前に二次林の営巣地(セット)で2頭のニホンアナグマMeles anakuma)が取っ組み合いをして遊んでいます。 
その2頭とは、毛皮が焦げ茶色の母親♀とクリーム色の当歳仔の幼獣でした。 
離乳してだいぶ経つので、母親♀の乳房は小さくなり、見えにくくなっています。 

楽しそうな騒ぎを聞きつけて、別個体の幼獣bが巣穴Lから外に出てきました。 
格闘遊びの流れで幼獣aは巣穴Rに潜り込みました。 
幼獣bも母親♀を遊びに誘い、一緒に左へ走り去りました。 


シーン2:8/23・午前11:40・晴れ・気温32℃(@1:00〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
一緒に遊んでいた幼獣が巣穴Lに籠城したので、母親♀が巣口Rに戻ると、別個体の幼獣が突っかかってきました。 
独り取り残された幼獣は、つまらなそうに巣口Lを前脚の爪で引っ掻いています。


シーン3:8/23・午前11:41・晴れ・気温34℃(@2:00〜) 
母親♀に幼獣がはしゃいで飛びかかりました。 
これは遊びに誘うための挑発です。 
誘いに乗って母親♀が右に駆け出すと、幼獣が追いかけ、今度は追いかけっこ遊びが勃発しました。 

別個体の幼獣が巣穴Lから顔を出しましたが、塹壕のように奥に引っ込みました。 

しばらくすると、母子がくんずほぐれつの格闘遊びを繰り広げながらセットに戻ってきました。 
走り回ってから、株立ちミズキを挟んで母子が対峙。 
木登り遊びにもなっています。


シーン4:8/23・午前11:42・晴れ(@3:00〜) 
母子のレスリングごっこが未だ続いています。 
途中で短い鳴き声が聞こえました。 

別個体の幼獣が参戦したそうに巣穴Lから外にノコノコ出てきました。 
合流して三つ巴の格闘遊びが始まるかと思いきや、巣穴Lから来た幼獣はおとなしく巣穴Rに入ってしまいました。 
最後にまた巣穴Rから外に出てきたところで、録画が終わりました。


 【考察】 
アナグマはとても子煩悩で、母親♀が子供と一緒によく遊んでやります。 
前回、母子で格闘遊びをしたのは夜でしたが、今回は明るい昼間に開催されました。 



ところで、このアナグマ家族には幼獣がもう1頭いるはずなのに、一体どこに居るのでしょう? 
幼獣は2頭しか姿が見えず、1頭が行方不明です。 
無事だとよいのですけど、巣穴の奥で寝ているのかな? 
これから幼獣は1匹ずつ子別れ・独立するのでしょうか。


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/11/13

ニホンイノシシ♀と幼獣5頭の家族群が鳴きながら夏の山林を移動【トレイルカメラ】

 



2024年8月下旬 

シーン0:8/23・午後12:45・くもり(@0:00〜) 
里山の混交林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っています。 
画面の左下から右上へと山の斜面を登る途中で、平坦になった区間に溜め糞場sr2があります。 

新たな試みとして、最近ミズナラの幹に岩塩プレートを設置してみました。 
野生動物が舐めに来る塩場になるでしょうか? 


シーン1:8/28・午後16:56(@0:03〜) 
夕方にニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がミズナラの木の下に来ていました。 
岩塩から垂れた塩水で濡れている根元の匂いを嗅いで警戒したのか、左に迂回しながら奥の茂みへと向かいました。 
このとき重低音でブー♪と鳴きました。 
その後もブーと鳴く声♪がときどき聞こえます。 

母親♀の後からウリ坊(縦縞模様の幼獣)が5頭ついて歩きます。 
迂回した母親♀とは違って、後続のイノシシ幼獣の多くはショートカットしてカモシカの溜め糞場sr2を横切りました。 

イノシシの目線より上にある岩塩プレートの存在には誰も気づかなかったようです。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
重低音のブーブーという鳴き声は、おそらく母親♀が発しているコンタクトコールと思われます。
後続の幼獣たちが迷子にならないように、自分の位置を知らせているのでしょう。
擬人化(翻訳)すると、「ここにいるよ、ついておいで」と呼びかけているのでしょう。
まだ幼いウリ坊の鳴き声は、もう少し高音になりそうです。
つまり、イノシシの母子が「鳴き交わしている」と表現すると正しくないでしょう。

この点について、ChatGPTとブレインストーミングしました。


つづく→

2025/11/12

山の獣道を駆け下りてカモシカの溜め糞場を素通りする2頭のニホンザル【トレイルカメラ】

 

2024年8月中旬・午後15:00頃・晴れ 

里山の混交林でニホンカモシカの溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っていると、昼間にニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが通りかかりました。 
写っていたのは2頭だけですが、この地点でニホンザルは初見です。

後続個体(子猿)は、緩斜面の獣道を右から左へ駆け下りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

逆方向から来たので、ミズナラの幹に固定した岩塩プレートの存在には気づきようがありません。 
遊動するニホンザル達は、カモシカの溜め糞にも興味を示しませんでした。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/11/11

協力して巣穴を掘り広げるニホンアナグマの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬 

シーン0:8/6・午後12:49・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:8/6・午後13:20・晴れ(@0:03〜) 
平地の二次林にある、ニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が住む営巣地(セット)を自動撮影カメラを無人センサーカメラ2台で見張っています。 


シーン1:8/14・午前4:17(@0:05〜) 
未明の巣口Lで2頭のアナグマが一緒に穴掘りをしていました。 


シーン2:8/14・午前4:17(1:05〜)
別アングルの監視カメラでしっかり撮れていました。 
腹面に乳首が見える母親♀が巣穴Lを拡張しようと穴掘りしています。 
奥の獣道付近で幼獣2頭が仰向けで毛繕いしたり探餌徘徊したりしています。 
そのうちの1頭(幼獣)が巣口Lに来て、母親♀の穴掘り作業を邪魔し始めました。 
母親♀の真似をして穴掘りをやってみたいのか、構って欲しいのでしょう。
母親♀の隙を見て巣穴Lに潜り込むと幼獣が穴掘りを始めました。 
巣口Lは狭いので、母親♀は幼獣に穴掘り作業を譲りました。 
と思いきや、一息ついてから再び母親♀は穴掘り作業に戻りました。 

腐葉土となった古い巣材を土と一緒に巣内から前脚で掻き出して、後退しながら左のアクセストレンチに捨てています。 


シーン3:8/14・午前4:18(2:05〜)
見事な連携で親子(母子)が穴掘り作業を続けています。 
アクセストレンチLにずっと転がったままになっている邪魔な倒木を撤去しようとしても、幼獣には重くて手に負えないようです。 
落枝が何かに引っかかっているのかもしれませんが、グイグイ引っ張っても少し横にずれただけで、諦めました。 


シーン4:8/14・午前4:19(3:05〜)
母親♀の背後で幼獣が穴掘り作業の補助をしています。 
巣口Lに転がっている邪魔な落枝をどかそうとするものの、前脚の力ではほとんど動かせません。 
落枝が重過ぎるというよりも、周囲のマルバゴマキ灌木に引っかかっているせいです。 
なんとか落枝を斜めにずらして作業を続けます。 


シーン5:8/14・午前4:20(4:05〜)
メインの穴掘り担当が途中で幼獣に入れ替わりました。 
幼獣が入巣Lすると、母親♀は左に待避して小休止。 


シーン6:8/14・午前4:20(4:55〜)
母親♀が後退しながら前脚で土砂を巣外に掻き出すと、横で見ていた幼獣が今度は巣内Lに入りました。 
幼獣も穴掘りの真似事をやりたいようですが、まだ上手くできないようです。 
すぐにまた役割をスイッチして、母親♀が穴掘りを再開。 
幼獣は土砂を手前のアクセストレンチに掻き出そうと試み、このとき邪魔な倒木(落枝)にぶつかって斜めにずれました。 
邪魔な落枝を意図的に撤去したとは言えないかもしれません。 

幼獣に穴掘りを任せた母親♀は身震いして毛皮についた土を落としてから、独りで獣道を右へ歩き出しました。 


シーン7:8/14・午前4:20(5:55〜)日の出時刻は午前4:50。 
巣口Lに独り取り残された幼獣が、母親♀の行方を探し求めて獣道の奥を見つめています。 
ようやく幼獣も獣道を右に歩き出しましたが、楽しかった穴掘り作業を止めるのが名残惜しいのか、途中で何度も立ち止まっています。 
そしてセットには誰も居なくなりました。 
空腹になって採餌に出かけたのか、それとも巣穴Lのメンテナンス作業はもう充分だと母親♀は判断したのかもしれません。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ニホンアナグマの母子による初めての協同作業が録画されていました。
交互に巣内に入って土を外に掻き出しています。
やる気に満ち溢れた見習いの幼獣に母親♀が穴掘り作業の実地訓練(研修)を施しているようでした。

この頼もしい幼獣個体の性別を見分けられないのが残念です。 
素人目には幼獣の股間になんとなく睾丸や陰茎があるような気がするのですが、定かではありません。 
この幼獣が♂だとすれば、来季のヘルパー♂として有望な候補です。 

アナグマは不審者が勝手に巣穴に侵入しないように防犯の戸締まりとして意図的に倒木を巣口に放置しているのかと思っていたのですが、明らかに穴掘り作業の邪魔になっていました。
今回は幼獣がなんとか少しだけ邪魔な落枝をずらすことができました。


2025/11/10

ホンドタヌキが通る獣道にバナナの果実を置いてみると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬〜9月上旬

シーン0:8/18・午後13:03・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:8/18・午後13:37・晴れ(@0:09〜) 
平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)に自動撮影カメラを設置して見張っています。 

この日は安売りしていたバナナを行動食として現場に持参しました。 
しかし、実割れしていた1本のバナナにショウジョウバエ♀がたかって産卵していたので、食べる気が失せました。
幼虫(蛆虫)が孵化しているかもしれないからです。
ただ捨てるのももったいないので、試しに給餌してみることにしました。 
巣穴LRの横を通る獣道(地面)にただ置いただけです。 
バナナと15cm定規を並べた写真を含むスライドショーを動画の冒頭に示します。 

給餌したバナナに対するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の反応を以下にまとめました。 


シーン1:8/19・午前5:21・気温22℃(@0:13〜)日の出時刻は午前4:55。 
早朝に2頭のタヌキがやって来ました。 
奥の林内をうろついて餌を探しているようです。 


シーン2:8/19・午前5:23(@0:13〜) 
まだ暗いのにフルカラーでの録画に切り替わりました。 
画質がとても粗いのですが、1頭のタヌキがアナグマの巣口Lの匂いを念入りに嗅いでいます。 
手前の獣道を右に歩き出したところで、地面に置かれたバナナの熟果に気づきました。 
甘い芳香がするはずなのに、初めての物体にかなり警戒しているようです。 
おそらく当地のタヌキは、バナナの果実を見たことも食べたこともないのでしょう。


シーン3:8/19・午前5:24・気温21℃(@0:55〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
モノクロの暗視映像ですが、しっかりタヌキの行動が撮れています。 
ところが痛恨のミスで、こちらのアングルでは給餌したバナナがしっかり写っていません。 
見知らぬバナナの出現に警戒したタヌキは、巣口Rに回り込んでから再び左から恐る恐る戻ってきました。 
慎重にバナナに近づいて匂いを嗅いだものの、まだ食べようとしません。 


シーン4:8/19・午後16:27・気温31℃(@1:37〜)
タヌキが次に登場したのは、11時間後です。 
この時点でもバナナは手つかずで残されていました。 
鼻先を上げて頻りに風の匂いを嗅ぎながら辺りをうろついていたタヌキがバナナに近づいたものの、ぷいと顔を背けて素通りしました。 

別個体のタヌキが右から登場し、2頭の幼獣は手前に立ち去りました。 


シーン5:8/19・午後16:27・気温30℃(@2:04〜)
別アングルの監視映像でも撮れていました。 
2頭のタヌキは左奥へ走り去りました。 


シーン6:8/20・午前4:23・気温24℃(@2:28〜) 
約12時間後、日付が変わった未明にもタヌキが通りかかりました。
バナナには見向きもしないで、獣道を左から右へ向かいました。 


シーン7:8/20・午前4:23・気温24℃(@2:32〜)
別アングルの監視映像に切り替えます。 獣道に置かれたバナナは手つかずのままです。 


シーン8:9/1・午後19:59・気温26℃(@2:44〜) 
12日後の晩に、タヌキが単独で登場。 
セットの匂いをあちこち嗅ぎ回ってから獣道を右へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→ 


【考察】
てっきり雑食性のタヌキかアナグマがバナナを見つけたらすぐに持ち去るかその場で食べてしまうだろうと予想していたのですが、外れました。
何かの罠だと警戒しているのか、タヌキはバナナの匂いを嗅いだだけで、味見すらしませんでした。
当地のタヌキは、バナナの果実を見たことも食べたこともないはずです。
当地のタヌキは食べる餌に関してかなり保守的で、冒険しないのでしょうか。
それとも、熟したバナナの匂いがタヌキは嫌いなのかもしれません。
皮を剥いたバナナを給餌すれば食べてくれたかな?
野生動物を餌付けするつもりはないので、バナナを与えたのはこの1回だけです。



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2025/11/09

ニホンカモシカ排尿姿勢の性差【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬 

シーン0:8/10・午後12:46・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っています。
基本的に画面の左下から右上に向かって山の斜面が登っているのですが、溜め糞場sr2の付近だけ平坦な地形になっています。 

カモシカの登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:8/20・午前4:04(@0:03〜)・日の出時刻は午前4:56。 
未明にカモシカが溜め糞場sr2に来ていました。 
後脚をガニ股にして腰を深く下ろし、♀特有の排尿姿勢です。 

立ち上がると、目の前に自生する細いエゾユズリハ灌木の枝葉に顔を擦りつけてました。 
眼下腺からの分泌物で縄張り宣言のマーキング(匂い付け)をしたのです。 

次にその場で左を向くと、獣道上でポロポロと糞粒を排泄し始めました。 
排尿直後の濡れた落ち葉を蹄で踏んでもカモシカには心理的な抵抗があまりなさそうです。 
排尿と排便が連続しておらず、わざわざ姿勢を変えたのが興味深いです。 
カモシカ♀はカメラ目線のまま排便を続けるのですが、最後まで見届ける前に1分間の録画時間が終わりました。 

ニホンカモシカ♀の大小便を1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:03〜)。 
股間から滴り落ちる尿が白く光って見えるような気がしたのですが、白黒のざらついた画質なので、ただのノイズかもしれません。
排尿中の後ろ姿を見下ろすアングルで撮影しているので、小便がしっかり撮れていないのは仕方がありません。 
それに対して、排便は横向きでしてくれたので、糞粒が肛門から次々に出る様子がしっかり見えます。 


シーン2:8/20・午前4:06(@2:03〜) 
大小便を済ませたカモシカ♀は、さっきマーキングしたエゾユズリハの茂みの奥へゆっくり歩き去りました。 

ミズナラの幹にくくりつけてある岩塩プレートには、カモシカ♀は暗闇で気づいてくれなかったようです。 




シーン3:8/20・午前4:11(@2:23〜) 4分30秒後に、別個体のカモシカが溜め糞場sr2に来ていました。 
腰を浅く屈めて小便していたので、♂と分かります。 
股間の外性器は確認できませんでした。 

カモシカ♂は排尿しただけで、獣道を左に立ち去りました。 
この個体も岩塩プレートには気づいていないのか、全く興味を示しませんでした。 

ニホンカモシカ♂の小便を1.5倍に拡大した上でリプレイ(@2:51〜)。 
こちらは明らかに、滴り落ちる小便が白く光って見えます。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
溜め糞場sr2でカモシカ♀と♂の排尿行動が続けて録画されていました。 
カモシカ関連の本に書いてあったように、排尿姿勢に性差があるようです。(ただし、例外もあるそうです。) 
フィールドで出会うカモシカの雌雄を外見から見分けるのは至難の業です。
幼獣を連れていれば、授乳していなくても母親♀だろうと推測できます。
交尾以外では、排尿時が性別判定できる数少ないチャンスです。
排尿姿勢に注目すれば単独個体でも雌雄を見分けられる、という利点があります。

相次いで登場したカモシカ♀♂2頭はどういう関係なのでしょう? 
母子が互いに少し離れて夜の森を採食行動しているのかもしれませんが、後続の♂はもう立派な角が生えていて、幼獣と呼べるほど幼くありません。 

実はカモシカに舐めてもらうことを期待して岩塩プレートを設置したのですが、夜の暗闇では見えていないのか、2頭ともに素通りしました。 
トイレ(溜め糞場sr2)では何かを口にする(食事する)気になれないのかもしれません。 

当地でカモシカ溜め糞の分解速度がきわめて遅いのはなぜか? 
 専門の糞虫が絶滅してしまっている? 

免田隆大; 安田雅俊. 九州山地の哺乳類糞塊から採取された糞虫について. 熊本野生生物研究会誌, 2012, 7: 41-42. PDF全文論文あり 

スギ林床やカラマツ林床は、落ち葉の組成に問題があって分解を阻害している? 
カラマツ@wiki カラマツ林ではしばしば落ち葉が厚く堆積して、その落葉の分解速度は広葉樹林と比べても遅く[34]、しばしば土壌を酸性に導くことも問題となる[35]。林内が明るいものの、厚い葉の堆積によって林床の植生の発達が悪いことがしばしばみられることから[35]、カラマツには何らかのアレロパシーがあると見られている[36]。フェノール類に着目した研究では降雨時のカラマツ樹幹を流れるフェノール類はアレロパシーを起こすのに十分な濃度だという報告がある[37]。 


つづく→

2025/11/08

ニホンアナグマの巣穴から出て深夜の森で餌を探しに行く野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬・午前0:58・気温25℃ 
深夜に幼獣と思われるニホンアナグマMeles anakuma)が営巣地(セット)を独りでうろついています。 
居なくなってからしばらくすると、アナグマの巣口Rから野ネズミ(ノネズミ)がチョロチョロと外に出てきました。 
奥の林内へ餌を探しに出かけたようです。 
もしかして、アナグマの巣穴に野ネズミがこっそり居候しているのでしょうか? 
巣坑の一部だけを共有しているのかもしれません。 




つづく→

2025/11/07

ニホンアナグマの営巣地で大はしゃぎするホンドタヌキの幼獣たち【トレイルカメラ】

 



2024年8月中旬 

シーン1:8/13・午前7:30・気温25℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に朝からホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の家族がやって来ました。
おそらく幼獣と思われる2頭が左右の巣穴L、Rに顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
勇敢な幼獣個体が巣穴Lに頭から潜り込み、すぐに頭から外に出てきました。 (巣L内で方向転換したことになります。) 
同一個体が巣穴Rにも入りかけたものの、奥の林内から別個体の幼獣タヌキが来た物音に警戒して止めてしまいました。 
幼獣3頭同士で追いかけっこ遊びが勃発し、セットを元気に駆け回ります。 


シーン2:8/13・午前7:31・くもり・気温24℃(@1:00〜)
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
こちらはフルカラーで録画されていますが、二次林内は薄暗いです。 
アナグマ巣口Lを覗き込んでいたのは親子(成獣と幼獣)でした。 親ダヌキ(性別不明)が先導して獣道を右に立ち去ると、幼獣3頭が後に続きます。 
幼獣たちは巣口Lの匂いを嗅いだり、走り回ってオニグルミ立木の回りを一周したり、追いかけっこ遊びしたりと元気いっぱいです。
獣道を走って右往左往しています。 


シーン3:8/13・午前7:32・くもり(@2:00〜)
しばらくすると、奥の林内からタヌキが続々とやって来ます。 
個体識別できていないので重複してるかもしれませんが、計7頭?ものタヌキが登場しました。 


シーン4:8/13・午前7:32・くもり(@3:00〜)
手前ではしゃぎ回っている幼獣たちの他に、常緑のヒメアオキ群落の奥の林内で徘徊する個体が見えます。 


シーン5:8/13・午前7:33・くもり(@4:00〜)
モノクロ映像ですが、毛皮の色が濃い個体が成獣(親)のようです。 
元気に遊び回る4頭の幼獣を成獣1頭(親タヌキ?)が引率しています。 


シーン6:8/13・午前7:33・くもり(@5:00〜) 
別アングルのフルカラー映像に切り替えます。 
タヌキの幼獣は興奮したように2つの巣口L、Rを往復し、内見しています。 


シーン7:8/13・午前7:34・くもり(@6:00〜) 
5頭の幼獣たちは興奮してセットや獣道をひたすら走り回っています。 
ときどき小声でキャンキャン吠えたりしています。 



※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
近所の休耕地にホンドタヌキの営巣地があるのですが、今季はタヌキの当歳仔が5頭生まれたようです。 
ニホンアナグマの母子家族が留守中に、親タヌキに引率されて遊びに来たタヌキの幼獣たちが我が物顔でセットを走り回ったり、巣穴を内見したりしています。 

アナグマもタヌキも幼獣が追いかけっこをして遊ぶのは同じです。
しかし、アナグマと違ってタヌキの幼獣は取っ組み合いの格闘遊びはしないようです。 
隣近所で暮らすアナグマとタヌキの幼獣同士が一緒に遊ぶことはさすがにないようで、まだ見たことがありません。 


2025/11/06

岩塩を幹に固定したベルトが気になるニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年8月中旬

シーン0:8/10・午後12:46・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の針広混交林にあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場sr2をトレイルカメラで見張っています。 
新たな試みとして、ミズナラの幹にピンク色のヒマラヤ岩塩プレートを設置してあります。 
果たして、野生動物が舐めに通う塩場になるでしょうか? 

ニホンリスSciurus lis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:8/11・午前9:57(@0:04〜) 
リスがミズナラの根元から幹を登って岩塩プレートに興味を示したものの、舐めたかどうか不明です。 
監視カメラを意識して警戒しているのか、それともたまたまなのか分かりませんが、ニホンリスは幹の裏面を素早く登り下りすることが多いようです。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:31〜) 


シーン2:8/12・午前6:50(@0:42〜) 
翌日の朝、ニホンリスがミズナラの幹を登り、隣のスギに移動すると幹を下りました。 
林床に着くと獣道を左にピョンピョン跳ぶように走り去りました。

しばらく後に奥の樹冠に現れたのが、別個体のリスなのか野鳥なのか不明です。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:25〜) 


シーン3:8/12・午前10:30(@0:42〜) 
3時間40分後にリスが再登場。 
ミズナラ幹の裏側から幹の右側に出てくると、ゆっくり木登りしました。 
しばらくすると、スギの幹を降りて林床に飛び降りたようです。 


シーン4:8/20・午前5:58(@2:45〜)日の出時刻は午前4:56。 
8日後の早朝にリスが久しぶりに来てくれました。 
ミズナラの幹の裏面に止まっていて、フサフサした尻尾だけが見えます。 
岩塩プレートを舐めているのかもしれませんが、しっかりと口元が見えず残念…。 
岩塩を固定した2本のベルトに沿ってミズナラ幹の右側に移動すると、ベルトの匂いを嗅いでいます。 


シーン5:8/20・午前6:02(@3:37〜) 
ニホンリスはミズナラ幹に下向きにしがみ付き、依然としてベルトに興味津々でその匂いを嗅ぎ回っています。 

幹に下向きでしがみついてたリスがくるっと上向きになったところで1分間の録画終了。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@4:37〜) 




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
岩塩プレートを設置して以来、明らかにリスの登場頻度が増えました。
ニホンリスは昼行性なので、夜には決して現れません。 

岩塩プレートそのものよりも、それを固定したベルトにリスが興味を示すとは意外でした。
もしかすると、ベルトと幹の間の隙間に隠れている虫を探して捕食しているのかもしれません。 
あるいは、岩塩から溶け出した塩分がベルトに染み込んでいて、舐めると塩っぱいのかもしれません。 
だとすれば、ベルトに沿って岩塩を中心に塩味が濃度勾配になっているはずです。 
丁度よい塩梅の位置でベルトを舐めているのだとしたら面白いですね。 

ベルト(ストラップ)をリスが舐めるだけなら構わないのですが、鋭い門歯で噛み切られると困ります。 
もしもクルミやドングリの堅果やヒマワリの種子をベルトに挟み込んでやれば、リスが見つけて持ち去ってくれるかな? 


つづく→


【アフィリエイト】

2025/11/05

初めて巣穴を掘る練習を始めたニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年8月中旬

シーン1:8/13・午前11:32・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
平地の二次林にある営巣地(セット)で昼前にニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族がぞろぞろと左へ移動しています。
先頭の母親♀が巣口Lを点検してから、頭を中に突っ込んで巣穴Lの拡張工事を始めました。 


シーン2:8/13・午前11:33・くもり・気温28℃(@0:53〜)
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
母親♀が巣穴Lの奥から土と一緒に古くなった巣材を前脚で巣外に掻き出しました。 
巣材(寝床)として運び込まれていた植物の枯れ葉や生葉は、腐葉土と化しています。 
寄生虫が沸かないように、古くなった寝床は外に捨ててしまうのでしょう。 
湿った巣材をときどき外で虫干しするという話をアナグマ関連の本で読んだことがあるのですけど、私はまだそのような行動を実際に観察したことがありません。
私が観察しているニホンアナグマは、一度外に出した巣材を中に戻すことはありません。 

その様子を横で見守っていた幼獣の1頭が仰向けで毛繕いを始めました。 
他の幼獣2頭は、思い思いに林床をうろついて餌を探しています。 

独りで毛繕いをしていた幼獣が、穴掘り中の母親♀の背後から巣口Lに近づいて、ちょっかいをかけています。 
手伝いしたくなったのか、母親♀が巣穴Lから掘り出した排土を幼獣がリレー形式で外に掻き出し始めました。 


シーン3:8/13・午前11:34・くもり(@1:53〜)
母親♀の穴掘りに興味を示していた幼獣が、いつの間にか作業を引き継いだようです。 
この幼獣aの性別は不明ですが、来季にヘルパー♂を務める素質がありそうです。 
別個体の幼獣bが巣口Lに近寄ると、穴掘りしていた幼獣aは奥に潜り込んでしまいました。 
幼獣bも真似して穴掘りに参加したくなったのか、巣口Lの縁の土を前脚で引っ掻いて崩し始めました。 

これまで幼獣は母親♀の穴掘り作業を邪魔するだけでしたが、自分でも穴掘りを始めたのは今季初です。 

穴掘り作業を幼獣に任せた母親♀は、獣道をノソノソと歩いてヒメアオキの群落を突っ切り、採餌に出かけたようです。 
幼獣1頭cも母親♀について行きます。 


シーン4:8/14・午前4:15・気温24℃(@2:53〜)日の出時刻は午前4:50。 
日付が変わった未明にも、幼獣の奇妙な穴掘り行動が記録されていました。 

アナグマの母親♀が獣道で座り込んで、体を掻いたり仰向けになって毛繕いしたりしています。 

幼獣が頭だけ巣穴Lの外に出し、巣口Lの縁を前脚で削り取っています。 
アナグマでこんな穴掘り法を今まで見たことがありません。 
なぜか小声でキャンキャン♪吠えながら、作業しています。 
遊んでいた幼獣が巣口Lでひっくり返ってしまい、なかなか起き上がれずに悪戦苦闘しているだけかもしれません。 
巣口Lを塞いでいた落枝の端を弄んだりしています。 

ようやく幼獣が巣穴Lから外に勢い良く飛び出すと、母親♀の隣へ行きました。 
母親♀が対他毛繕いしかけたものの、幼獣は嫌がって獣道を右へ走り去りました。 


【考察】
ニホンアナグマの母親♀から幼獣(当歳仔)に穴掘り役が初めてスイッチした貴重な記録かもしれません。
 
今季アナグマの母親♀が4頭産んだ幼獣のうち1頭が死亡したのですが、もしも巣穴L内で死んだとすると、そのまま埋葬している可能性もありそうです。 


林内に捨てられたキャットフードの空き袋に残る歯型の謎【フィールドサイン】

2024年9月上旬 

平地の二次林で用水路の岸に捨てられていた不燃ゴミが気になりました。 
キャットフード「銀のスプーン:まぐろ」の空き袋が落ちていたのです。 
調べてみると、飼い主(ヒト)がハサミできれいに開封した後に、何者かが空き袋を真ん中からビリビリに破いて中に残った汁を舐めたようです。 
動物の歯型というよりも、鳥が鋭い嘴でつついて引き裂いた跡かもしれません。



こんな辺鄙な所にヒトがわざわざゴミを1個だけ捨てに来るとは思えませんし、住宅地から風で飛ばされてきたのなら、防風林の林縁で見つかるはずです。 
トレイルカメラを設置すると、現場は野生動物の獣道になっています。 
おそらくキャットフードの強烈な残り香に惹かれて、野生動物やカラスがゴミ捨て場から空き袋を持ってきたのだろうと想像できました。 
この二次林にはイエネコだけでなく、タヌキやキツネなど残飯を荒らす野生動物も往来することが分かっています。 

もちろん、写真に撮ってから不燃ゴミを持ち帰って適切に捨てました。 
放置しておけば、プラスチックのゴミは永遠に分解されず林内に残ったままです。
野山にゴミを撒き散らす野生動物やカラスはけしからん!とは必ずしも言い切れません。 
元々は近隣住民のゴミの捨て方に問題があるのが元凶だからです。


2025/11/04

溜め糞場の近くで夏の早朝に立ったまま休むニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 


2024年8月中旬 

シーン0:8/10・午後12:46・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2をトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:8/19・午前5:54(@0:03〜)・日の出時刻は午前4:55 
早朝に、獣道の奥の茂みの中にカモシカが佇んでいます。 
後ろ姿ですが、ときどき耳を動かしたり顔の向きを変えたりするだけで、その場に立ち尽くしています。 
基本的に画面の左から右に向かって斜面が登っているのですが、この辺りだけ平坦になっている地形なのです。 

もしかして、立ったまま反芻や排便をしていたのでしょうか? 
手前の生えたスギの横枝が邪魔で、カモシカの肛門が見えませんでした。 
後で思うと、糞粒の有無を現場検証すべきでしたね。 


※ 動きのない退屈なパートは、5倍速の早回し映像でお届けします。 
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2025/11/03

真夏の深夜にホンドタヌキが口にくわえて運ぶ動物の正体は?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2024年8月中旬・午前0:02頃・気温26℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の巣口Lを塞ぐ落枝に野ネズミ(ノネズミ)がしがみついていました。 
細長い落枝を伝って上の方まで器用に登れたらヒメネズミApodemus argenteus)(Microtus montebelli)と確定するのですが、しばらくすると巣穴Lに潜り込みました。 
どうやらアナグマの母子家族は留守のようです。 

そんなことよりも、その間に興味深い事件が起こっていました。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の成獣が単独でアナグマの営巣地(セット)を横切りました。 
暗闇でタヌキは野ネズミに気づかずに通り過ぎました。 
そのタヌキは口に何か獲物(中型の哺乳類)を咥えていて、獣道を右に運んで行きました。 
近所の休耕地にタヌキの巣穴があるので、そこを目指しているようで。 
獲物は未だ生きていて、途中で暴れました。 
1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:48〜) 
それでも獲物の正体は不明です。
たまたま手前に写っている野ネズミよりも明らかに大きな動物をタヌキは運んでいます。 
雑食性のタヌキはキツネのように生きた獲物(哺乳類)を狩って捕食することは滅多にありません。 
虫や小動物(両生類や爬虫類など)を捕食する他、たまに動物の死骸を見つけて食べるぐらいです。 

獲物の候補として唯一考えられるとしたら、ニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)の幼獣かもしれません。 
生後間もないノウサギの幼獣は、捕食者に襲われそうになっても逃げずにフリーズするだけなのだそうです。 
山形県で8月中旬のノウサギ幼獣は、生後数週から1か月程度の成長段階にあり、概ね独立し始めるタイミングですが、まだ親のテリトリー内で保護されている個体も多い時期です。 
この時期の幼獣は外敵に対して無防備なので、ホンドタヌキに捕食される可能性はあります。 

しかしタヌキの習性として、狩った獲物を生きたまま巣穴に持ち帰ることは考えにくいです。 
キツネの場合は、親が獲物を生きたまま巣穴に持ち帰り、キツネの幼獣に狩りの練習をさせるそうです。 
しかしタヌキの親はそのような狩猟教育をしません。 

以上のような消去法により、今回の親タヌキが運んでいた動物は、獲物ではなく我が子(当歳仔の幼獣)だったのかもしれません。 
首筋を咥えられて運ばれている途中にタヌキ幼獣が暴れたのでしょう。 
この時期のタヌキ幼獣(当歳仔)はもう自力で歩けるぐらいに成長しているはずですが、遠出して歩けなくなったり迷子になったりして、巣穴に連れ戻されるところなのかもしれません。 

別アングルに設置した監視カメラでも運搬シーンが撮れていれば、タヌキが運ぶ獲物?の正体がしっかり写っていたかもしれず、残念でなりません。 
タヌキの営巣地に設置したトレイルカメラはとっくに撤去しています。(草丈高い雑草が生い茂り、ほとんど何も写らないため。)

関連記事(2ヶ月前の撮影:獲物はおそらく野ネズミ)▶ 獲物を口に咥えて夜の獣道を運ぶホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】 


今回も記事を書く上でPerplexityAIとのブレインストーミングが役立ちました。


2025/11/02

岩塩に興味を示すツキノワグマ【トレイルカメラ】

 



2024年8月中旬 

シーン0:8/10・午後12:46・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っています。 

ミズナラの幹にプレート状のヒマラヤ岩塩(155×100×25mm、870g)をベルトで固定して、野生動物の塩場を作ってみました。 
ツキノワグマUrsus thibetanus)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:8/15・午前4:46(@0:03〜)日の出時刻は午前4:51。 
まだ薄暗い夜明け直前に、真っ黒なクマが獣道を手前から来たようです。 
ミズナラの木の下に佇んで根元の匂いを嗅いでから、右折して獣道の斜面を登って行きます。 
岩塩はクマの目線よりも少し高い位置に設置したので、気づかなかったのかな? 


シーン2:8/20・午前7:30(@0:22〜) 
5日後は明るい朝にツキノワグマが登場しました。 
個体識別ができていないので、同一個体が通っているのかどうか不明です。
ミズナラの根元で林床を舐めているようです。 
もしかすると、岩塩プレートから雨で滴り落ちた塩水が下の落ち葉に染み込み、その塩味にクマが気づいたのかもしれません。

クマはふと見上げると、岩塩プレートに気づきました。 
鼻を近づけて匂いを嗅いだものの、岩塩を舐めて味見をしたかどうか不明です。
岩塩プレートを幹に固定するストラップが気になって、匂いを嗅いでいます。 
その間、尻餅をついたように座り込んでいました。 
再び首を伸ばして岩塩プレートの匂いを嗅ぎ、立ち上がりかけたところで、1分間の録画が終わりました。 


シーン3:8/20・午前7:31(@1:22〜) 
続けて監視カメラが起動すると、ミズナラ奥の獣道を右に立ち去りかけていたクマが、なぜか思い返して方向転換しました。 
手前に歩いてくる途中で、アカマツの幹に固定してあるカメラをちらっと見上げました。 

クマはしばらくアカマツの根元で何かしているようです。 
画面の下端にクマの黒い尻尾?がちらっと写った後で、クマの鼻息が至近距離から聞こえました。 
おそらく後足で立ち上がって、トレイルカメラの匂いを嗅いだのでしょう。 
幸い熊の怪力でカメラを壊されずに済みました。 
私の残り香を嗅ぎ取って、「これは人間が仕掛けた罠だ!」とクマが不審に思ったのだとしたら、知恵比べが必要になりそうです。


岩塩への反応を1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:54〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ クマの鼻息が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 


【アフィリエイト】 

2025/11/01

ニホンアナグマ母子家族(幼獣3頭)の暮らし:8月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬〜中旬

シーン0:8/6(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が住む営巣地(セット)を無人センサーカメラ2台で見張っています。
面白い行動は個別の記事ですでに紹介したので、今回の動画は残り物です。 
ノソノソと営巣地(セット)をうろつくシーンは、5倍速の早回し映像でお届けします。 
3頭の幼獣たちは相変わらず暇さえあれば、くんずほぐれつの取っ組み合いをしたり追いかけっこをしたりして遊んでいます。 


シーン1:8/7(@0:35〜) 
余談ですが、昼間にアオゲラPicus awokera awokera)が甲高い声でピュー、ピュー♪(またはピョー、ピョー♪)と鳴く声がかすかに聞こえます。(@4:20〜、4:31〜) 
この奇妙な鳴き声の主がAIに相談しても長らく分からず、私には馴染みの薄い鹿なのかと思ったぐらいです。 
野鳥の鳴き声図鑑のCDを聞いたりして、ようやく正体を突き止めることができました。 
アオゲラは幹を嘴で素早く叩くドラミングで縄張り宣言する以外にも、地鳴きの一つとしてピョー、ピョー♪という声を発するだそうです。 
アカゲラの地鳴きとは全く違うのが興味深いです。 


シーン2:8/13(@5:11〜) 

シーン3:8/14(@6:11〜) 

シーン4:8/17(@11:06〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



2025/10/31

アナグマの営巣地を1〜2頭で昼夜うろつくホンドタヌキ:8月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/6・午後12:49・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:8/6・午後13:20・晴れ(@0:03〜) 
平地の二次林で営巣するニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴を2台のトレイルカメラで見張っています。 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が往来するシーンを以下にまとめました。 


シーン1:8/7(@0:05〜) 

シーン2:8/9(@0:31〜) 

シーン3:8/10(@1:07〜) 

シーン4:8/11(@1:10〜) 

シーン5:8/12(@1:40〜) 
2頭で来たタヌキの後続個体が、獣道の横に生えたオニグルミ立木の根元の匂いを嗅ぎ、排尿マーキングしました。(@2:50〜) 
後足を上げながら小便したので、♂と判明。 
マーキング直後は獣道を元気に走り去りました。 


若いタヌキが巣口Rの匂いを嗅いでから侵入しようとするものの、巣口Rを塞ぐ落枝や根っこが邪魔をしています。(@3:00〜) 
明らかに巣穴への侵入抑止効果があるようです。 
アナグマが意図的にそのような戸締まりをしているとしたら、興味深い話です。 
以前、タヌキが主にこの巣穴を使っていた時期には、タヌキが外出時に落枝を置いて戸締まり(隠蔽)したことがありました。 

関連記事()▶  


シーン6:8/13(@3:42〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】 
タヌキが単独でまたは2頭が連れ立ってアナグマの営巣地(セット)に代わる代わるやって来ます。 


2025/10/30

カモシカの溜め糞場がある林床で餌を探す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬・午後22:30頃 

ニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2がある里山の混交林である晩、野ネズミ(ノネズミ)が林床をウロチョロと横切りました。 
餌を探し歩いているようです。 

もしも岩塩プレートが気になってミズナラの幹に登ったりしたら、木登りが得意なヒメネズミApodemus argenteus)ということになります。 
しかし今回の野ネズミは、気づかなかったのか、それとも木登りができないアカネズミApodemus speciosus)なのか、とにかく林床で活動しているだけでした。 


つづく→

2025/10/29

真夏の水溜りで一緒に水を飲むニホンカモシカの母子【トレイルカメラ】

 



2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
シーン0:8/1・午後12:23・晴れ・気温33℃(@0:03〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
点在する水溜りS、Nに来る生き物を2台の自動撮影カメラでそれぞれ監視しています。 
この期間に登場したニホンカモシカCapricornis crispus)の母子をまとめてみました。 


シーン1:8/2・午前10:23・晴れ(天気雨)・気温27℃(@0:07〜)
水溜まりSの左端でカモシカの母子が仲良く並んで水を飲んでいました。 
奥にいる個体が幼獣で、手前が母親♀です。 

水を飲み終えると、左の死角に立ち去りました。 
カメラの画角をもっと左にずらして設置すべきでしたね。 
晴れていても小雨がぱらついているようで、水溜りの水面に波紋がポツポツと広がります。 


シーン2:8/19・午前11:09・晴れ・気温28℃(@0:24〜) 
17日後にも子連れのカモシカ♀が水場に現れました。 
真夏の日差しが強いせいで、木漏れ日と木陰のコントラストが大きいです。 
連日の日照りで泥水溜りSがかなり干上がり、小さくなっています。 

今回もカモシカの母子が岸辺に仲良く横に並んで、泥水を飲んでいました。 
途中から警戒を解いたのか、もう少し画角の右に来てくれました。 
上空を飛ぶヘリコプターの騒音を気にしながら、水場にしばらく佇んでいます。 
苦労して泥濘を右に横切りました。 

湿地帯の泥濘からひょろひょろと生えた細い灌木(樹種不明)の葉裏の匂いをカモシカ♀が嗅ぎ、顔の眼下腺を擦り付けました。(@1:34〜) 
 角がまだ生えていない当歳仔の幼獣は、同じ枝先の匂いを嗅いだものの、自らは眼下腺マーキングをしませんでした。 

カモシカ母子はカメラのすぐ前を通って、右へ立ち去りました。 
後に現場検証すると、泥濘に深く潜ったカモシカ母子の蹄跡がくっきり残されていました。 


シーン3:8/19・午前11:13・晴れ・気温28℃(@2:11〜) 
2分後に、同一個体のカモシカ幼獣が、少し離れた水溜りNにも水を飲みに来ていました。 
こっちの水溜りNでの飲水シーンは初見です。 
当歳仔のカモシカが水溜りNの深みに足を踏み入れると、メタンガスの泡がブクブクと立ち昇ります。
カモシカ幼獣は右前脚で水底の泥を激しく掻きました。 (@2:22〜)
ただの幼児らしい水遊びなのか、それとも水溜りの底を深く掘っているのかな? 
泥で濁った水を平気で飲んでいます。 

やがて身を翻して左に走り去りました。 
先行する母親♀からはぐれないように、慌てて追いかけて行ったのでしょう。 


※ 水音や泥濘を歩く音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/10/28

里山の獣道を通る夏毛のニホンノウサギ:8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬 

シーン0:8/1・午後15:01・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でニホンカモシカCapricornis crispus)が通う溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っています。 
現場は雑木とスギの混交林で、基本的には画面の左から右に向かって上り坂になっていますが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 


シーン1:8/1・午後19:20頃(@0:03〜) 
1羽のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)がカモシカの溜め糞場で立ち止まり、匂いを嗅いだり辺りをキョロキョロ見回したりしていました。 
まさかノウサギもここで脱糞するのでしょうか? 
(後日の現場検証でノウサギの糞は見つからず。) 

やがてピョンピョン跳びながら、斜面の獣道を右へ駆け上がりました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:27〜)。 
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

私がミズナラの幹に設置した岩塩プレートには気づかなかったようです。 
ノウサギの目線よりも高いので、もし塩を舐めたければ後足で立ち上がらなければなりません。 


つづく→

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