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2025/07/12

アナグマの旧営巣地に座り込んで休むニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬 

シーン1:6/13・午後14:07・晴れ・気温31℃(@0:00〜) 
平地の二次林で昼間から空咳をしていたニホンカモシカCapricornis crispus)がニホンアナグマの巣口Rをゆっくり跨いで地面の匂いを確かめてから、巣口Rに座り込みました。 
 座ったまま右上奥の林内を眺めています。 
後ろ姿で口元が見えないので、反芻しているかどうか不明です。 

林床に疎らに生えている下草の匂いを嗅いだものの、食べなかったようです。 


シーン2:6/13・午後14:39・晴れ・気温30℃(@0:48〜) 
約30分後、長い座位休息の後にカモシカがようやく立ち上がり、ストレッチ運動をしていました。 
トレイルカメラの特性上、動きが乏しいと画角内に居座っていても録画されません。 
おそらくカモシカは昼寝していたと思われますが、反芻かもしれません。 


シーン3:6/13・午後17:33・晴れ?・気温28℃(@0:54〜) 
二次林は林冠に葉が生い茂っているため、夕方の早い時刻からかなり薄暗くなります。 

アナグマの旧営巣地(セット)の右端にカモシカが座り込んでいました。 
下半身しか写っていませんが、呼吸しているだけで座ったままじっとしています。 


つづく→

2025/07/11

山中の水溜りを深夜に泳いで渡るニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月中旬・午前2:50頃 

山中の泥水溜りを自動撮影カメラで見張っていると、深夜にニホンイタチMustela itatsi)が対岸に現れました。 
この地点でイタチは初見です。 

迷わず入水すると、泳いで近道しました。 
水面に浮かぶ物体(落枝?)に興味を示したものの、食べ物ではないと悟ると、そのまま通り過ぎました。 
その泥水溜りでオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)を狩って捕食するかと期待したのですが、そそくさと水場から立ち去りました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:20〜) 
イタチは水に入って泳ぐのを苦にしませんが、さすがにこれを水浴とは呼べないでしょう。




つづく→

2025/07/10

平地の二次林で長々と毛繕いするニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬・午後14:05頃・晴れ 

平地の二次林に現れたニホンカモシカCapricornis crispus)が立ち止まって首をひねり、左脇腹(腰?)の辺りを頻りに舐めています。 
吸血性昆虫に刺されて痒いのでしょうか? 
その後も舌をペロペロと出し入れしています。 
まだ痒いのか、再び毛繕いを始めましたが、1分間の録画が打ち切られてしまいました。 


2025/07/09

アナグマ空巣の横で新たに穴を掘るホンドタヌキの謎【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/11・午後13:26・くもり・気温35℃(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり・気温37℃(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林で越冬中に死んだニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張り続けています。 
地中に2つの巣穴L、Rが掘られていますが、内部でつながってはいないようです。 


シーン1:6/12・午前4:44・気温15℃(@0:07〜)日の出時刻は4:13。 
早朝で日が昇っているのに、木の葉が生い茂る初夏の二次林内はかなり薄暗いです。 

単独でセットに現れたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が、通りすがりにアナグマの巣口Lのすぐ左の地点の匂いを嗅ぐと、なぜか前足で地面を掘り始めました。 
巣口Lを拡張する土木工事(造巣行動)とは違うようです。 
タヌキはどうやら、何か地中に隠れた虫や野ネズミ(ノネズミ)などを狩ろうとしているようです。 

一旦アクセストレンチを降りて巣口Lの匂いを嗅いでから、穴掘り作業を再開しました。 
巣口Lの横にマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の灌木が自生しているのですが、その邪魔な根っこをタヌキは掘り返そうとしているのかな? 


シーン2:6/12・午前4:45・気温16℃(@1:07〜)
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
タヌキが巣口Lの横で穴を掘り、その合間に巣口Lに顔を突っ込んで匂いを嗅ぎました。 


シーン3:6/12・午前4:46・気温16℃(@2:07〜)
トレイルカメラはセンサーで熱源の動きを検知すると起動するのですが、そのとき周囲の照度を測り、自然光で撮るか赤外線を照射しながら暗視動画に撮るかを二択で決めます。 
その閾値になる薄明薄暮の時間帯だと、かなり薄暗いフルカラー録画になったり、赤外線の暗視モードで録画したりと、トレイルカメラの挙動が交互に変わります。 
トレイルカメラの同じ機種でどの個体でも同じ症状が出るので、これはトレイルカメラの欠陥(不良品)やシステムのバグではなく、仕組み上、仕方がないようです。 
私としては、動物の行動がモノクロでも明瞭に写って欲しいので、充分に明るくなるまでは薄明薄暮でもきれいに写る暗視モードで統一してくれた方がありがたいです。 


タヌキの顔が穴掘り作業で汚れて、すっかり真っ黒になりました。
前足を使って黒土を後方に掻き出し、勢い良く跳ね除けます。 


シーン4:6/12・午前4:47・気温17℃(@3:07〜)
次に監視カメラが起動したときにはフルカラー録画に戻りましたが、辺りはまだ薄暗いです。 

タヌキは穴掘り作業を中断すると鼻面を上げて、周囲のマルバゴマキの枝葉やブラブラ垂れ下がっている枯れ枝の匂いを嗅いでいます。 
獣道を少しうろついてから、穴掘り地点に戻って来ました。 

遠くからキジ♂(Phasianus versicolor)がケンケーン♪と鳴く声が聞こえてきました。(@3:53〜) 


シーン5:6/12・午前4:48・気温17℃(@4:07〜) 
別アングルのモノクロ映像に切り替えます。 
穴掘りを止めて左の獣道に消えたタヌキが、すぐに戻ってきて穴掘り地点の匂いを嗅ぎ回っています。 

このカメラでも、遠くのキジ♂が早朝からケンケーン♪と縄張り宣言する鳴き声が録音されていました。(@4:40〜) 


シーン6:6/12・午前4:49(@4:56〜)
別アングルのモノクロ映像に切り替えます。 
タヌキがカメラを見上げてから、左に立ち去りました。 
タヌキが新たに地面を掘った跡は、アナグマのアクセストレンチLを変形・整備したようにも見えます。 


シーン7:6/12・午前4:49(@5:09〜) 
フルカラー録画に戻りましたが、早朝の二次林内は依然として薄暗いです。 
タヌキはもう一つの巣口Rにも立ち寄り、マルバゴマギ根元に開口した野ネズミ巣穴の匂いを嗅いでから、セットを右へ立ち去りました。 



※ キジの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
タヌキの本格的な穴掘り作業を撮影できたのは、これが初めてです。 
せっかくアナグマが作ったアクセストレンチの斜面を崩して、特定の地点を深く掘り進めていました。 
しかし穴掘りのスペシャリストであるアナグマほど、タヌキは穴掘りが上手くないようです。 
前足の爪もアナグマの方が鋭く発達しています。 

後日私が現場入りした際に、巣口Lから伸びるアクセストレンチが新たに形成されたと思ったのですが、監視カメラの映像を確認すると、タヌキの仕業でした。 
以下に写真を掲載しますが、昼間も薄暗い林内でストロボを焚くと、新しく掘られた穴の立体感や遠近感がいまいち失われてしまいます。







結局タヌキは、野ネズミや虫などの獲物を何も捕れなかったようです。
 「大山鳴動して鼠一匹」という諺よりも効率(コスパ)が悪い採餌行動でした。 
その後もホンドタヌキがこの巣穴Lに転入(引っ越し)することもありませんでした。


つづく→

2025/07/08

平地の二次林で空咳をするニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬・午後14:07・晴れ
平地の二次林で最近暮らすようになったニホンカモシカCapricornis crispus)がニホンアナグマの旧営巣地(セット)で頭を下げて地面の匂いを嗅ぐと、コホッコホッ♪と乾いた咳をしました。 

別アングルに設置した監視カメラでも空咳のシーンが撮れていました。(@0:13〜) 
アナグマの巣口Rを見下ろしながら、空咳をしています。 
その後はペロペロと舌舐めずり。 
「咳をしても独り」という尾崎放哉が詠んだ有名な自由律俳句を思い出します。 
最近この巣穴に出入りしているアナグマやタヌキの残り香を嗅ぎつけてむせたのではなく、呼吸系の疾患かもしれません。 


※ カモシカの咳が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
野生のニホンカモシカで空咳をしている個体を観察したのは、今回が初めてです。 
興味深い症例なので、まずGemini AIに相談してみた回答を掲載します。
野生のニホンカモシカで咳をしている個体を見かけられたとのこと、ご心配ですね。カモシカが咳をする原因は、いくつか考えられます。 考えられる咳の原因 感染症: パラポックスウイルス感染症: ニホンカモシカでは、口唇や眼瞼周囲に発疹ができ、咳やくしゃみなどの呼吸器症状を伴うことがあります。特に、過去に国内で発生した事例があり、注意が必要です。 他のウイルス性・細菌性感染症: パラポックスウイルス以外にも、様々なウイルスや細菌が原因で呼吸器系の感染症を起こす可能性があります。 肺虫症: 肺に寄生虫が寄生することで、咳や呼吸困難などの症状が現れることがあります。 環境要因: 大気汚染: スモッグや排気ガスなど、大気汚染物質を吸い込むことで、呼吸器系が刺激され、咳が出ることがあります。 花粉症: 春先など、特定の時期に花粉を吸い込むことで、アレルギー反応を起こし、咳が出ることがあります。 異物混入: 草や木の枝などを誤って吸い込んでしまい、咳が出る場合があります。 その他: ストレス: 環境の変化や他の個体との争いなど、ストレスによって免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる可能性があります。 老衰: 高齢個体では、呼吸器系の機能が低下し、咳が出やすくなることがあります。
AIの回答はもっともらしくても出典や情報源を示してくれないことが多いので、どこまで信用できるのか、素人には判断できません。 

次にカモシカに関する専門書籍を紐解いてみました。 
大町山岳博物館『カモシカ:氷河期を生きた動物』は出版が1991年で古い本ですが、死んだニホンカモシカ(野生または飼育個体)を計474件も病理解剖した結果がカラーの病理写真とともに詳細にまとめられていて、貴重な資料になっています。 
カモシカの呼吸器系疾患として、以下の病名が列挙されていました。
肺炎(繊維素性胸膜肺炎、誤嚥性肺炎、気管支肺炎、線維性肺炎、化膿性肺炎、ウイルス性肺炎、外因性肺炎、他)、肺充血、肺水腫、感冒、熱射病、日射病、肺出血、胸膜炎、肺壊疽 (p102 表17より引用)
肺炎は呼吸器系の病気の中で最も生じやすい病気で、特に幼獣にとって重要である。(中略)肺炎にかかったカモシカは発熱し、呼吸があらく早くなり、呼吸困難の状態を示す。体力が弱り下痢を併発するものもいる。また、生前はそれと分からず、死亡後の検査で肺炎と診断される場合もある。(中略)肺炎は微生物による感染のほか、寒さやストレスによる体力の低下、異物を吸いこんだり他の病気に併発して発病したりする。幼獣は、成獣に比べ外界の変化に対して抵抗力が弱いから、肺炎にかかりやすいのも当然である。 (p106-107より引用)
他には、肺虫症の症例が多かったそうです。
肺虫は宿主であるカモシカを死に至らせない程度に肺の一部に宿借りし、自分たちの「種」を保存している。肺虫病変は年齢を問わず、検索したカモシカの70%以上に観察された。(p115より引用)
トレイルカメラの映像や空咳の音声だけから呼吸器系疾患の診断をするのは無理ですが、専門書で得た知識を念頭に入れつつ経過を見守るしかありません。 
ただの一時的な軽い症状で、心配いらないかもしれません。
上記AIの回答は、明らかに本書または同一著者(大町山岳博物館館長の千葉彬司 氏)による関連文献を学習した内容が含まれているようで、それほど的外れなハルシネーションはなさそうです。


2025/07/07

山中の水溜りでヌタ打ちするニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。
野生動物や野鳥が来て水場として利用する、湧き水や雨水が溜まった水溜りを2台の自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/19・午後21:41(@0:07〜) 
晩にニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が単独で水場に現れ、浅い水溜りSに入っていました。 
鼻面で泥を掘り起こしながら前進しています。 
イノシシ観察歴の浅い私には股間を見ても外性器が分からず、腹面に乳首も見当たりませんでした。 
牙が小さいので♀でしょうか。 

身震いして顔の泥を軽く落としてから、右上奥にある別の泥水溜まりNへと移動しました。 
その動きに反応して、別アングルで設置した監視カメラが起動しました。 
イノシシは警戒心が強いので、トレイルカメラの存在に気づくとすぐに逃げてしまうと思っていたのですが、今回は別に気にしていないようです。 
トレイルカメラに慣れてくれたのかな? 

鼻面で浅い水溜まりの底の泥を掘り返して深くすると、腹面全体を泥水に浸して、気持ち良さそうにしばらくじっとしています。 
立ち上がると、身震いして軽く泥を落とし、左奥の岸に上陸しました。 


シーン2:6/19・午後21:40(@1:37〜) 
別アングル(反対側)に設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
右から来たイノシシが泥水溜まりNに入っていました。 
鼻面を使って水底の泥濘を掘り起こし、水溜りを深く広くしています。 
水底を掘る時は、目に泥が入らないようにつぶっています。 
ヌタ場作りの土木工事が終わるとして向きを変え、ほぼ全身を泥濘に浸しました。 
背中だけは泥で濡らしませんでした。 
鳥の水浴とは違って、背中に泥水を積極的にかけることはしませんでした。 
泥濘の中でもっと激しく転げ回るかと期待したのですけど、意外におとなしかったです。 
立ち上がると身震いしてから、右へ歩いて上陸。 


シーン3:6/19・午後21:42(@2:37〜)
泥浴びを終えたイノシシが、左の緩斜面を登って林道の方へ立ち去りました。 

ヌタ打ち直後はもっと激しく身震いして全身の泥を周囲にぶち撒けて行くと思っていたのですが、私の予想は外れました。 

トレイルカメラ1台が照射する赤外線では遠くまで充分な光量が届かず、暗くて粗い映像です。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ ヌタ打ちの水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
悲願だったイノシシのヌタ打ち(泥浴び)シーンがようやく撮れて、感無量です。 
録画時間を60秒間から90秒間に延長しておいてよかったです。 
手前Sよりも奥の水溜りNの方が水底を深く掘れて、イノシシが泥浴びしやすいのでしょう。 
あるいは泥質に微妙な違いがあるのかもしれません。 
水飲み場Sとヌタ打ち場Nを使い分けている可能性もあります。

イノシシは、水溜りが浅くなったら定期的に浚渫工事をしてくれる生態系エンジニアとしての役割を果たしていると言えそうです。
ここは元々、山の湧き水が滲み出してくるただの湿地帯だったのに、イノシシが掘り返してくれるおかげで水溜りが常設され、他の生き物も水を飲んだり浴びたり産卵したりできる貴重なマイクロハビタットになったのかもしれません。



つづく→

2025/07/06

平地の二次林でミズキの幹やマルバゴマキの葉裏に眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬

シーン1:6/13・午後14:02・晴れ・気温30℃(@0:00〜) 
平地の二次林で死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)を見張る監視カメラにニホンカモシカCapricornis crispus)が写りました。 
山から降りてきてこの森に迷い込み、もはやすっかり住み着いたようです。

右からゆっくり歩いてきて立ちどまり、ミズキの幹の匂いを嗅いでから複数本に眼下腺からの分泌物を擦りつけてマーキングしました。 
顔だけでなく、顎の下もゴシゴシと木の幹に擦り付けました。 
ときどき短い尻尾がピコピコと左右に動いています。 
匂い付けをした後はペロペロと舌舐めずりしています。 

ニホンザルが木揺すりディスプレイの際に折ったミズキの落枝が途中で引っかかっていて、カモシカの通行の邪魔になっていますけど、カモシカは強引に通り抜けました。 


シーン2:6/13・午後14:06・晴れ(@1:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
ニホンカモシカはゆっくりと前進して、巣口Rから右に伸びるマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の細い灌木の幹および葉裏にすりすりと顔の眼下腺を擦りつけてマーキングしました。 
このとき、マルバゴマキの葉を食べることはありませんでした。 


シーン3:6/14・午後15:26・晴れ・気温30℃(@1:53〜) 
翌日も午後に同一個体と思われるカモシカがやって来ました。 
巣口LRの中間地点で立ちどまり、巣口Rから生えた細いマルバゴマキ灌木の葉裏に眼下腺の分泌物を擦りつけました。 
縄張り宣言の匂い付けを正面からしっかり撮れました。 
マルバゴマキの葉を食べなかったのは、前日と同じです。 
初夏の強い日差しが射して、逆光になっています。 

獣道を通って左に立ち去る際に、左後脚の付け根(鼠径部?)に黒斑を認めました。 
今後、個体識別に使える特徴かもしれません。 


シーン4:6/14・午後15:26・晴れ・気温30℃(@1:53〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
 巣口Rから生えた細いマルバゴマギ灌木の葉裏に眼下腺マーキングしてから、カモシカは獣道を通って右上奥へ立ち去ります。 
通りすがりにミズキ立木の幹に右脇腹をわざと擦り付けて行ったように見えました。


2025/07/05

山林の湿地帯を夜にうろつき急に逃げるヤチネズミ?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬

シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、野生動物や野鳥が水場として利用する泥水溜りを2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンを以下にまとめました。 
湿地帯ということでヤチネズミCraseomys andersoni)だと嬉しいのですが、私には見分けが付きません。 
ただのアカネズミやヒメネズミかもしれません。 


シーン1:6/7・午後22:20(@0:07〜) 
晩に浅い水溜りの対岸の草むらを1匹のヤチネズミ?がチョロチョロと左へ向かいました。 
餌を探し歩いているのでしょう。


シーン2:6/9・午前0:07(@0:31〜) 
2日後の深夜、対岸右に来ていた野ネズミが監視カメラの起動に気づくと、カメラ目線でフリーズしています。 
突然、左に向かって走り出して草むらに消えました。 
ときどきピョンピョン跳ねながら、全力疾走で必死に逃げています。 
もしかすると、トレイルカメラに怯えたのではなくて、この水場によく現れるフクロウに狩られないように逃走したのではないかと推測しています。 


つづく→

2025/07/04

アナグマの空き巣に昼も夜も訪れ内見を繰り返すホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬

シーン0:5/30・午前10:57・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
 死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)がある平地の二次林をトレイルカメラで見張っています。 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の出没したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/1・午後20:43・気温16℃(@0:07〜) 
左から来たタヌキが林内に入ると、通りすがりに下草に小便でマーキングしました。 
排尿時に左後脚を上げたので、♂と判明。 


シーン2:6/1・午後22:24・気温14℃(@0:22〜) 
巣穴Lを内見すると、身震いしてから左下へ立ち去りました。 


シーン3:6/1・午後22:24・気温15℃(@1:04〜) 
別アングルの監視カメラでも同時に撮れていました。 


シーン4:6/3・午後21:56・気温15℃(@1:45〜) 
2日後の晩にもタヌキが巣穴Lを内見してから、身震いし、痒い体を掻きました。 


シーン5:6/3・午後21:57(@2:29〜) 
つづき。 
巣口Rの匂いを嗅いでから、右へ立ち去りました。 


シーン6:6/5・午後19:32・気温16℃(@2:38〜) 
2日後の晩。 
カメラの起動が遅れ、右へ立ち去るタヌキの尻尾がちらっと写っただけでした。 


シーン7:6/5・午後21:45・気温15℃(@2:45〜) 
約2時間15分後に、タヌキが巣穴Lを内見してから後ろ向きで外に出てくると、左へ向かいました。 


シーン8:6/5・午後21:45・気温13℃(@3:16〜) 
別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
二次林内の獣道を右へ歩き去るタヌキの後ろ姿が写っています。 


シーン9:6/5・午後22:58・気温13℃(@3:22〜) 
13分後にセットに現れたタヌキは、巣口Rを覗き込んでから、右上奥の林内へ。 


シーン10:6/8・午前4:57・気温11℃(@3:40〜)日の出時刻は午前4:13。 
3日後の日の出後の薄暗い早朝に、獣道を右から来たタヌキが巣穴Lに入りました。 


シーン11:6/8・午前5:00・気温11℃(@3:53〜) 
つづき。
巣穴Lの内見を済ませて外に出てきたタヌキが巣口Lにしばらく佇み、右を凝視しています。 
巣口Rを跨いで、そのまま右へ立ち去りました。 


シーン12:6/8・午後23:54・気温15℃(@4:07〜) 
同じ日の深夜にタヌキが獣道を右から来てセットをうろついています。 


シーン13:6/8・午後23:55・気温17℃(@4:27〜) 
つづきが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣口Rに座り込んで毛繕いしてから、慎重に巣穴Rに潜り込みました。 
アナグマは不在なのか、それとも「同じ穴のむじな」の状況なのかな? 


シーン14:6/9・午後20:26・気温19℃(@5:22〜) 
翌日の晩にタヌキが獣道を右から登場。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、左へ向かいます。 

6/8にニホンザルが折った落枝が監視カメラの目の前で灌木に引っかかっていて、非常に目障りです。 


シーン15:6/9・午後20:27・気温20℃(@6:05〜) 
つづけてタヌキが迷わず巣穴Rにするりと潜り込みました。 


シーン16:6/9・午後20:29(@6:18〜) 
2分後に別個体のタヌキが獣道を右から左奥へ横切りました。 


シーン17:6/9・午後20:29(@6:27〜) 
おそらく巣穴Rの内見を済ませた個体(シーン15)が、外に出てきたのだと思います。 
巣口Lを覗き込んでから、(パートナーの後を追って)左下手前へ。 


シーン18:6/9・午後20:29・気温19℃(@6:44〜) 
左から来たタヌキがそのまま入巣R。 


【考察】 
ホンドタヌキたちは通りかかる度に、アナグマの空き巣L、Rへの侵入(内見)を頻繁に繰り返しています。 
巣穴Lの方をかなり気にして調べています。
しかし、必ずしも巣穴を乗っ取るための偵察や準備行動とは限りません。 
昨秋のタヌキは、巣穴L、Rにしょっちゅう潜り込んでは穴居性の昆虫(カマドウマなど)を捕食していたのですけど、この時期にはまた別の獲物がいるのかもしれません。 


2025/07/03

山中の水溜りに夜な夜な飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に開けた湿地帯があり、野生動物や野鳥が水場として利用する泥水溜りを2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

コウモリの登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/10・午前0:24(@0:08〜) 
深夜にコウモリが低空で何度も水溜まりの上を旋回しています。 



シーン2:6/12・午後20:44(@0:48〜) 
2日後の晩にもコウモリが飛来しました。 
ときどき水溜りの水面を掠めるように低く飛んでいるのは、その一瞬で泥水を飲んでいるのでしょうか? 
それとも、体を濡らす水浴行動なのかな? 


シーン3:6/12・午後21:25(@1:02〜) 
約40分後にも水場に飛来したコウモリが写りました。 


シーン4:6/12・午後21:26(@1:10〜) 
つづき

シーン5:6/13・午後22:26(@1:17〜) 
翌日の晩にもコウモリが水溜りに飛んできました。 


コウモリの飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:26〜) 
ツバメのように水面スレスレを繰り返し飛んで、夜蛾などの虫を空中で捕食しているのかな? 
山中の別の水場よりも、コウモリの着水頻度が低い気がします。 
一瞬でも着水したら水面に波紋が広がるはずですが、カメラのアングルの問題で波紋が見えにくいだけかもしれません。
水面のアメンボをコウモリが飛びながら一瞬で狩っているのだとしたら、凄すぎます。
この問題を解明するためには、今使っているトレイルカメラの録画フレームレートが25fpsでは低すぎます。
60fpsの暗視動画が撮れる最高機種のトレイルカメラがあるらしいと最近知ったのですけど、高嶺の花です。

つづく→

2025/07/02

溜め糞場の近くで小便するニホンカモシカ♀【トレイルカメラ】

 



2024年6月上旬〜中旬 

ニホンカモシカCapricornis crispus)が山林に残した溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:6/6・午前4:45・晴れ・気温10℃(@0:00〜)日の出時刻は午前4:14。 
充分に明るくなった早朝に、カモシカが獣道を右から左へノソノソ歩いて横切り、緩斜面を下って行きます。 
周囲でカラスの鳴く声♪ が聞こえます。

カモシカは溜め糞場を素通りしたと思いきや、画面の左端で立ち止まりました。 
臀部しか見えませんが、腰を深く屈めたので♀が排尿したようです。 
もしもカモシカがこの決まった地点で毎回排尿マーキングするのなら、監視カメラの画角をもう少しだけ左に向けるべきかもしれません。 


シーン2:6/13・午前5:22・晴れ・気温18℃(@0:23〜)日の出時刻は午前4:13。 
ちょうど1週間後にも、早朝にカモシカが左から現れました。 
カメラの方をちょっと気にしてから、獣道を左から右へ慎重に横切り、斜面を登って行きます。 
何かに警戒しているような、断続的で慎重な足取りでした。(隠密行動?) 

カモシカの個体識別が出来ていませんが、同一個体が獣道を往復しているのかな? 


※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/07/01

山中の水溜りで水を飲み、水底の泥濘を掘り返すニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に開けた湿地帯があり、野生動物や野鳥が来る水場として利用する泥水溜りを2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

ニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の登場シーンを以下にまとめます。 


シーン1:6/7・午後23:17(@0:07〜) 
深夜にイノシシが単独で手前から来て、泥濘の中を歩いて左奥の泥水溜りに向かっています。 
尻尾を左右に振りながら歩くイノシシのお尻が見えています。 
イノシシの接近に反応して、別アングルの監視カメラが起動しました。 
意外にも、このイノシシ個体はそれに対して無反応でした。 

ちなみに、画面内で白く光る4点は、空中に張り巡らされたクモの巣の粘球が4個、赤外線を反射しているのでしょう。 


シーン2:6/7・午後23:17(@0:34〜) 
別アングルの監視カメラで続きが近くから撮れていました。 
泥水溜りの対岸に現れたイノシシが前脚だけ入水し、水面に鼻面を付けていました。 
おそらく泥水を飲んでいるのでしょう。 

喉の乾きを癒やしてから顔を上げると、なぜか顎の下に枯れ草?がぶら下がっています。 
牙が小さいことから、♀のようです。 

イノシシ♀が対岸を左に向かって歩き出したところで、録画終了。 
トレイルカメラの存在を気にしている素振りはありません。 

今回もなぜか泥浴び(ヌタ打ち)をしてくれませんでした。 
 90秒間に録画時間を延長すべき。 


シーン3:6/7・午後23:18(@1:33〜) 
広角の監視カメラの映像に戻ります。 
シダなど下草が生い茂っている奥の緩斜面を少し登ると、イノシシ♀は切株の横で立ち止まりました。 
どうやら切り株に体を擦りつけているような気がします。 
トレイルカメラの照射する赤外線が遠くてあまり届かず、画面が暗くてよく見えません。 
後日に現場検証しても、切株に泥汚れや体毛の付着物などは見当たりませんでした。 
もしも同じ切り株でマーキング行動が繰り返されるのなら、そこにも監視カメラを設置しようかと思ったのですが、これっきりでした。

イノシシ♀はそのまま緩斜面をゆっくり登ると、奥を左右に通っている林道に達したようです。 


シーン4:6/10・午前0:10(@2:34〜) 
3日後の深夜にも、イノシシが湿地帯の水場に現れました。 
水溜りから泥水を飲んでいる後ろ姿が写っています。 
その動きに反応して、別アングルに設置した監視カメラも起動しました。 

水溜まりの泥濘を鼻面で掘り返しているのは、泥遊びなのでしょうか? 
(ヌタ打ちしたくて水溜りの底を鼻面で少し掘ってみたものの、水深が足りないときづいたようです。)
湿地帯を横切り、右へ向かいます。 
実は画角の右外に、もう一つの水溜りがあるのです。 


シーン5:6/10・午前0:11(@2:34〜) 
泥水溜りの近くに設置した監視カメラでも、一連の行動がしっかり撮れていました。 
前回と同一個体の♀なのかな? 

対岸の右で泥水を飲んでいる間は、(眠そうに? 気持ち良さそうに?)半目になっています。 
対岸を左に向かって歩く途中で、鼻面で水溜まりの底を掘り返しました。 
横向きになったときに、腹面に乳首がちらっと見えたので、やはり♀だったようです。 
低音でブーブーと唸り声を発しました。 

コウモリが左から飛来したものの、水溜りに着水しませんでした。 
イノシシはコウモリにまったく無関心でした。

今度こそイノシシ♀が泥浴びするかと期待したものの、湿地帯を奥へと遠ざかってしまいます。 
実は右奥にあるもう一つの泥水溜りの方が少し深くて、泥浴び(ヌタ打ち)に適しているようです。 
もしかすると、飲水用とヌタ打ち用で、2つの水溜まりをイノシシは使い分けているのかもしれません。 
どうしてもイノシシのヌタ打ち行動を撮りたいので、奥の水溜りにも監視カメラを設置すべきですね。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/06/30

昼間の旧営巣地でニホンアナグマが警戒する相手とは?【トレイルカメラ】

 



2024年6月上旬〜中旬 

シーン1:6/6・午前9:31・晴れ・気温19℃(@0:00〜) 
平地の二次林で落葉樹の葉が生い茂り、林冠がほとんど隙間なく閉ざされました。 
晴れた昼間でも林内は薄暗く、木漏れ日が美しいです。 

旧営巣地(セット)にニホンアナグマMeles anakuma)が現れ、巣口Lで佇みながら、ヒメアオキ群落の奥を凝視しています。 
巣穴Lに逃げ込みかけたものの、立ち止まって警戒しています。 
ようやく警戒を解くと左へ移動しました。 


シーン2:6/6・午前9:31・晴れ・気温19℃(@0:27〜)
続きが別アングルの監視カメラに録画されていました。 
アナグマはもう一つの巣穴Rに迷いなく潜り込むと、籠城を決め込みました。 
その後で巣穴Rから外に出てくるシーンはなぜか撮れていません。


シーン3:6/8・午後16:02・晴れ・気温26℃(@0:34〜) 
2日後の午後に、アナグマが巣口Rに来ていました。 
巣穴Rに一旦潜り込んでから、しばらくすると巣口Rから顔を出して周囲を警戒しています。 

その後で巣穴Rから外に出てくるシーンはなぜか撮れていません。 


シーン4:6/11・午前10:55・晴れ・気温25℃(@1:06〜) 
3日後の昼前に、アナグマが巣口Rから身を乗り出して、左上奥の林内を油断なく見つめています。 


シーン5:6/11・午前10:57・晴れ・気温27℃(@2:06〜) 
つづきです。 
相変わらずアナグマが巣口Rに身を伏せて、奥の林内を凝視しています。 
侵入者が接近する物音などは何も聞こえませんが、アナグマは侵入者に向かって突進して追い払うべきか、何度も逡巡している様子が見て取れます。 


シーン6:6/11・午前10:59・晴れ・気温28℃(@3:06〜) 
更につづきです。 
アナグマは身震いしてから巣穴Rに入るかと思いきや、腹這いになって見張りを続けています。 
巣穴Rに籠城しようか、何度も迷っていますが、なんとか巣外に留まりました。 

撮れた映像はここまでです。 
この後何があったのか、顛末が気になります。 


【考察】 
近所のアナグマが旧営巣に本格的に引っ越してきた訳ではないのですが、立ち寄った際にたまたま何か危険が迫ると、勝手知ったる巣穴を一時的な避難所として利用しているようです。 

アナグマがこれほど怖がっている相手は一体何だったのでしょう? 
記録されていた警戒行動は、いずれも明るい昼間だけでした。 
つまり、警戒対象の侵入者は昼行性と思われます。 
最近この二次林によく出没するニホンカモシカが旧営巣地(セット)の近くで採食していたのではないかと想像しているのですけど、映像に写らないことには何とも言えません。 
平地にカモシカが現れるのは珍しいので、ここに住むアナグマにとっては馴染みがない相手(謎の巨大な怪物!)です。 


つづく→

2025/06/29

カモシカの溜め糞場を素通りする夏毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月上旬 

シーン0:6/6・午前4:47・晴れ・気温13℃(@0:00〜) 
明るい早朝にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山でニホンカモシカ♀♂(Capricornis crispus)が通う溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 
雑木とスギの混交林で、基本的には画面の左から右に向かって上り坂になっていますが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 


シーン1:6/6・午後19:23・気温17℃(@0:04〜) 
晩に獣道を左から右へ夏毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)がピョンピョン跳んで横切りました。 
スギ・ミズナラ立木の根元で立ち止まり、スギ落枝の匂いを嗅いでから、軽快に跳んで通り過ぎました。 
カモシカのカモシカの溜め糞には全く興味を示しません。 


つづく→

2025/06/28

アナグマの空き巣に幼獣を連れて引っ越しする野ネズミ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬・午前0:25頃 

シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)がある平地の二次林をトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:6/7・午前0:27・気温15℃(@0:04〜) 
深夜に1匹の野ネズミ(ノネズミ)がアナグマの巣穴Rから外に出てきて、林床を右へ駆け出しました。 
しばらくすると野ネズミが右から戻って来て、巣穴Rに駆け込みました。 
なぜかその後も野ネズミは何度も往復しています。 

その間、コウモリが飛来し、セットの上空を飛び回っていました。 
コウモリが飛翔中に発するエコロケーションのための超音波は、種類にもよりますが20kHz~100kHz程度の周波数帯です。 
一方、野ネズミの中でもアカネズミやヒメネズミは、コミュニケーションや警戒、求愛などの際に20kHz~50kHz程度の超音波を発することが知られています。 
ネズミ類の可聴域は一般的に「200Hz~68kHz」とされていて、最も聴感度が高いのは「20kHz~50kHz」の範囲です。 
したがって、野ネズミはコウモリの発する超音波を充分聞き取ることが可能だと考えられています。 

さて、野ネズミは一体何のために往復していたのでしょう? 
映像を1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:50〜) 
巣穴Rから右に向かう際、野ネズミは空荷でした。 
逆に右から巣穴Rに向かう際、野ネズミは口に何か咥えて運んでいるようです。 
秋なら野ネズミは越冬に備えて餌を巣穴に貯食しますが、撮影時期が6月上旬なので、産まれた幼獣を咥えて新しい巣穴へ引っ越しているのではないかと推測してみました。 
もしも引っ越しの場合、幼獣を咥えて運ぶのは母親♀の担当で、野ネズミの♂は子育てには一切関与しないそうです。 
実は前年にも別な場所に設置したトレイルカメラで野ネズミの引越しらしき行動が撮れていました。 



しかし、Perplexity AIに相談してみると、4月や6月でも野ネズミ(アカネズミやヒメネズミ)は餌を貯食する可能性があり、幼獣をつれた引越行動とは言い切れないのだそうです。 
また、巣材の搬入など別な可能性もあります。 
つまり、野ネズミが何を運んでいたのか映像で口元をしっかり確認しない限り、正しく解釈することはできません。 
問題は、私が使っているトレイルカメラが撮る動画のフレームレートが25fpsと低いことです。 
野生動物の動きが早いとぶれてしまい、スロー再生してもしっかり見えないのが不満です。 
フレームレート60fpsの暗視動画が撮れる最高級の機種(2020 Browning パトリオットなど)もあるらしいのですが、値段が10倍もするのでは、手軽に導入することができません。

子連れで夜逃げをする野ネズミとコウモリが超音波で鳴き交わしていたら面白いのですが、バットディテクターを導入して調べてみたいものです。


つづく→

2025/06/27

鼻息を荒らげながら山林を走り去るニホンカモシカ

 

2024年6月上旬・午後13:55頃・くもり 

私が里山で林道を静かに歩いていると、横のスギ植林地から鋭い鼻息が聞こえました。 
立ち止まって周囲を探すと、ニホンカモシカCapricornis crispus)が藪の影に隠れて私を見ていました。 
カメラを向けた途端に横向きだったカモシカが後ろ向きになり、走って逃げ出しました。 
フシュ、フシュ♪と鼻息を荒らげて威嚇を繰り返しながら、山林を下って行きます。 

逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:10〜)

2025/06/25

アナグマの空き巣を鳴きながらうろつき、巣穴の内見と匂い付けするホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬 

シーン0:5/30・午前10:57・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:04〜) 
明るい日中に平地の二次林でたまたま撮れた現場の様子です。 
死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:6/6・午後21:13・気温17℃(@0:07〜) 
晩に♀♂ペアと思われる2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が一緒に来ていました。 
先頭個体♀が巣口Lを点検してから身震いしました。 
その間、後続個体♂が巣穴Rに顔を突っ込んで内検しています。 
♂が巣外に出て左へ向かい、巣口Lで♀と合流しました。 

耳を澄ませると、タヌキが小声でクゥーン♪と甲高く鳴く声が何度も聞こえます。 


シーン2:6/6・午後21:12・気温16℃(@0:24〜) 
別アングルでの監視カメラで続きが撮れていました。 
タヌキの♀♂ペアが左から相次いで来ました。 
まず先頭個体♀が匂いを嗅いでから入巣L。 
次に後続個体♂が巣口Lの左手前のマルバゴマギ灌木の根元に生えた下草に通りすがりに排尿マーキングしました。 
右後脚を上げて小便したので♂と判明。 
匂い付けしてから♀に続いて入巣L。 
何度もクゥーン♪と甲高く鳴いていました。 



シーン2:6/6・午後21:14・(@0:40〜) 
約1分後にタヌキの♀♂ペアが巣穴Lから外に出てきていました。 
身震いしてから2頭が連れ立って獣道を左へ戻ります。 

何度もクゥーン♪と鳴きながら、セットをうろつき、ようやく左奥へ立ち去りました。 


シーン3:6/6・午後21:14・(@1:29〜) 
別アングルの監視カメラの映像に戻ります。 
タヌキ♀が巣口Rを点検中に、パートナーの♂が巣口Rに自生するマルバゴマギ灌木の根元に排尿マーキングしていました。 
♂も巣口Rの匂いを嗅いで点検している間に、先行する♀がさっさと左へ立ち去ってしまいます。 


※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
セットをうろつきながらタヌキは何度もクゥーン♪と甲高く鳴いていますが、口を動かさないので、♀♂どちらの個体が発しているのか見分けられませんでした。 
繁殖期(交尾期)の過ぎた初夏にもタヌキが頻繁に鳴くとは知りませんでした。 
この鳴き声には一体どういう意味があるのでしょう? 

6月上旬という時期は、ホンドタヌキが出産するにはやや遅いらしいのですが、このペアは出産する巣穴を探しているのですかね? 
それとも、今季産まれた幼獣を連れて引っ越してくる巣穴を物色しているのかもしれません。 
最近ではニホンアナグマもこの旧営巣地に出没するようになったので、小便で匂い付けして縄張りを宣言することを忘れません。

巣穴Lの奥には「いざりタヌキ」の餓死した死骸が転がっていると予想しているのですが、他のタヌキが出入りするようになったので、どうやら腐敗が収まったようです。 



2025/06/24

雨夜に山道をうろつく野ネズミ#2【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬 

シーン0:5/24・午後12:03(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場ltrを自動センサーカメラで監視しています。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギ植林地、画面の奥が雑木林になっています。 
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は平坦な地形です。 

二夜連続で登場した野ネズミ(ノネズミ)の様子を以下にまとめました。 


シーン1:6/3・午前0:08・雨天(@0:04〜) 
雨が降る深夜に野ネズミがタヌキの溜め糞ltrから右へ離れて行きました。 


シーン2:6/4・午後21:55(@0:18〜) 
翌日の晩にも野ネズミが現れました。 
ピョンピョン跳ねるように左奥の茂みへ立ち去りました。 


※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/06/22

旧営巣地を昼も夜もうろつくニホンアナグマ:6月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を見張る自動撮影カメラに写ったアナグマの登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/7・午後23:52・気温15℃(@0:00〜) 
深夜にセットをアナグマがうろついています。 
後ろ姿の股間に立派な睾丸が見えたので、♂と判明しました。 
左に歩きながら巣口Lの手前で尻を擦りつけ、匂い付けしました。(縄張り宣言のスクワットマーキング) 


シーン2:6/9・午前10:42・気温21℃・晴れ(@0:18〜) 
2日後の日中に獣道を右からやって来て左に立ち去りました。 


シーン3:6/11・午前10:16・晴れ・気温24℃(@0:28〜) 
さらに2日後の日中に、アナグマが身震いしてから、巣穴Rに入りました。 
長らく空き巣状態だったのですが、遂に引っ越して(住み着いて)くれるかな? 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


動画を編集したときには、♂のシーンをまとめたつもりだったのですが、改めて見直すとシーン2と3に登場した個体の性別がいまいち自信ありません。(♀っぽい?) 


2025/06/21

山中の水溜りで泥水を飲むニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬 

シーン0:6/4・午後13:38・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
 山林内に広がる湿地帯や湧き水が溜まった泥水溜りを自動センサーカメラで見張っています。 
左右の水溜りを同時に監視してみたいという目論見で、湿地帯を広角で狙うようにスギの幹にカメラを固定しました。 


シーン1:6/6・午前2:40(@0:04〜) 
夜になると画面の右上からスギの枝葉が垂れ下がり、カメラの赤外線を至近距離でギラギラと反射して目障りですね。 
明るい昼間は横枝に張りがあるのですが、毎晩暗くなると横枝が少し垂れ下がってしまうのです。 
カメラの画角を決めた昼間には、そこまで予測できませんでした。 

奥を左右に通る林道からニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が草に覆われた緩斜面を降りて来ました。 
浅い水溜まりに口を付けて、泥水を飲み始めました。 
喉の乾きを癒やすと、イノシシは手前に向かって泥濘をゆっくり歩き始めました。 
ところが、監視カメラの存在に気づいたようで、慌てて左に走って逃げました。 
安物のトレイルカメラだと、夜に赤外線LEDがうっすらと赤く光って(可視光)しまうのです。 
トレイルカメラがかすかに発する電子音のノイズが耳障りなのかもしれません。 
イノシシは警戒心が非常に強く、なかなか泥浴び(ヌタ打ち)をしてくれません。 


シーン2:6/6・午前2:51(@0:40〜) 
10分後に、別個体らしいイノシシが水場に現れました。 
赤外線を反射して白く光るスギの枝葉が目障りで、肝心の暗所にいる被写体がよく見えなくなってしまうので、画面の右端を編集でカットしました。 

2頭目のイノシシは泥水溜りの対岸を左に歩き去り、泥水を飲んだり浴びたりすることはありませんでした。 
やや遠くて監視カメラの赤外線が届かず、はっきり見えないのですが、まるでカバのようなシルエットです。 


※ 水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

後日に現場入りすると、画角の左外にホオノキの大木が立っていて、その手前の泥濘に蹄の跡がくっきりと残っていました。 
私はカモシカとイノシシの蹄跡をいまいち見分けられないのですが、トレイルカメラの記録と併せて考えると、イノシシが歩いた跡(フィールドサイン)だと分かりました。

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