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2025/08/01

山中の湿地帯を夜にうろつく夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/28・午後12:39・くもり(@0:00〜) 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン2:6/28・午後19:21(@0:04〜) 
晩に夏毛のホンドテンMartes melampus melampus)がやって来ました。 
尻尾の先端が白く足先が黒いのでキツネかと思いきや、全身像が写るとその正体はテンでした。 
夜の湿地帯をうろついて、おそらくヤチネズミやカエルなどの獲物を探しているのでしょう。 


関連記事(同所の撮影)▶  


ホンドテンが右奥の泥水溜りに向かうと、別アングルで設置したもう一台の監視カメラの赤外線LEDが点灯したのですが、何も写っていませんでした。 

結局、テンは水溜りの水を飲んだり浴びたりすることはありませんでした。


つづく→

2025/07/31

仰向けで毛繕いするニホンアナグマ♀:母親【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶ 営巣地に転入直後に巣材を集めて運び込むニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】 


2024年6月下旬・午後15:06・小雨・気温21℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)幼獣たちは巣内で疲れて寝ているようです。 
母親♀が独りで巣口Rの横に座り込んでいました。 
林床で仰向けになると、毛繕いを始めました。 
ときどき体の痒い部分をボリボリ掻いています。 

最後は奥の林内へノソノソと歩き去りました。 


つづく→

2025/07/30

子連れのニホンカモシカ♀が雨の日に山中の湿地帯を迂回し、灌木に眼下腺でマーキング【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
山中で湧き水が滲み出す湿地帯を自動で見張っています。 


シーン2:6/23・午後6:57・雨天(@0:04〜) 
雨がしっかり降り続く朝にニホンカモシカCapricornis crispus)の母子が左奥のスギ植林地から湿地帯に現れました。 

幼獣が手前で立ち止まって頭を下げ、下生えを採食しているようです。 
水を飲みたいのなら、水溜りまで来るはずです。 

母親♀は湿地帯には立ち寄らず、迂回するように灌木の間の獣道を通って奥へ向かいます。 
置いていかれそうになった幼獣は、慌てて母親の後を走って追いかけます。 

灌木の葉裏に眼下腺を擦りつけてマーキングしていた母親に幼獣が追いつきました。 
母親♀が先行し、幼獣が元気に走って追いかけます。 
ニホンカモシカ♀の縄張り宣言行動を1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:42〜)。 
後に現場検証しても、カモシカ♀が眼下腺分泌物で匂い付けした灌木の樹種は分かりませんでした。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/07/29

営巣地に転入直後に巣材を集めて運び込むニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/11・午後13:26・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に2台の自動撮影カメラを設置して、定点監視しています。 

シーン1:6/22・午後22:50(@0:07〜) 
4匹の幼獣を引き連れて母親♀(右目<左目)が引っ越してきた直後です。 
1頭の幼獣が巣穴Rから外に出てくると、右へ駆け出しました。 

しばらくすると、母親♀が右から巣材を運びながら後ろ向きでセットに戻ってきました。 
どうやら転入直後に新鮮な巣材(寝床)が必要となり、早速集めてきたようです。 
林床の落ち葉を掻き集めながら、後ろ向きで帰巣Rしました。 
落枝を両手で持って効率よく(手際よく)落ち葉掻きしていたのは、果たして偶然でしょうか? 

その様子を付き添って見ていた幼獣も続けて入巣R。 


シーン2:6/22・午後22:54(@0:51〜)
広場の林縁近くに座って体を掻いていた母親♀の元に幼獣が歩み寄ると、幼獣に対他毛繕いしてやりました。 
母親♀は、別個体の幼獣bとすれ違いながら巣穴Rに入りました。 
幼獣2頭が巣外で取っ組み合いの遊びを始めました。 
その間、右上の林縁で別個体の幼獣が単独で採食しています。 

やがて、母親♀が巣内から顔を出すと、巣口Rに溜まっていた落ち葉を中に掻き入れました。(@1:35〜) 


シーン3:6/24・午前11:12:・くもり・気温24℃(@1:51〜) 
2日後の昼前にも巣材集めの行動が撮れていました。 
自然光下では、幼獣の毛皮は白っぽくクリーム色に見えます。 
その一方、成獣(母親♀)の毛皮は焦げ茶色です。 

巣口Lから母親♀が獣道を右上奥へ歩き出すと、1匹の幼獣がその後をついて行きます。 
母親♀が珍しく奥のヒメアオキ群落に分け入ると、落ち葉を掻き集め始めました。 

その間に3頭の幼獣は、帰巣Lしました。 


シーン4:6/24・午前11:14:・くもり(@1:51〜) 
続きが白黒映像に切り替わっていました。 
初夏の二次林は、林冠に葉が生い茂って昼間も日照が乏しいので、トレイルカメラが間違えてモノクロの暗視モードで起動してしまうことがあるのです。 

母親♀は後ろ向きで入巣Lしながら、前足で掻き集めた大量の落ち葉を搬入しています。 


シーン5:6/24・午前11:17:・くもり(@1:51〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フルカラーに戻っていました。 
(薄明薄暮で周囲環境の照度が閾値だと、白黒→フルカラー→白黒→…と交互に切り替わります。)

巣口Lにこぼれ落ちていた巣材の残りを、母親♀が巣内に掻き入れています。 
搬入した巣材には、枯れた落ち葉だけでなく、ヒメアオキの青々とした葉も含まれていました。 
もしかすると、常緑樹の葉には清々しいアロマ効果や防虫効果があるのかもしれません。 

再び母親♀が巣口Lに顔だけ出し、巣口Lに残っていたヒメアオキの枝葉を咥えて中に引き込みました。 


シーン5:6/24・午前11:21:・晴れ(@3:21〜) 
母親♀が巣穴Lから左外に出て次の巣材を集めに行くシーンは撮り損ねたようです。 
左から後ろ向きで巣穴Lに戻ってくると、掻き集めた新しい巣材を搬入しました。 
今回の巣材には広葉樹の緑の生葉が含まれていました。(マルバゴマギかな?) 
細長い落枝も構わず一緒に運び込んでいます。 

その間、幼獣たちは巣材搬入作業の邪魔にならないように、巣内に留まっていました。 


※ アナグマの鳴き声や巣材集めの物音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/07/28

アナグマの営巣地を深夜うろつくニホンイノシシの母子:疥癬個体?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月下旬

シーン0:6/11・午後13:26・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に2台のトレイルカメラを設置して、定点監視しています。


シーン1:6/23・午後23:41・気温24℃(@0:00〜) 
アナグマの家族(母親♀と4頭の幼獣)が引っ越してきた翌日の深夜に、なんとニホンイノシシSus scrofa leucomystax)がセットに登場しました。 


この地点(平地に点在する二次林)でイノシシが写ったのは初めてなので、驚きました。 
山から降りてきたのでしょうか。 
林床で餌を探し歩く際に落ち葉の匂いを嗅ぎ回る鼻息♪が聞こえます。 

この個体は、体毛が背中にしか残っておらず、背中に黒いたてがみが密生しています。 
夏毛に生え変わっている途中なのかと私は最初思ったのですが、イノシシは他の動物と違って、季節の変わり目に明瞭な換毛が起こることはないのだそうです。 
そして、体表の側面にシミのような斑点があります。 
赤外線による暗視映像ではよくわからないのですが、疥癬など抜け毛が激しい皮膚病の個体かもしれません。 
昼間の自然光下で症状をじっくり見たかったです。 





左の暗闇から大型の別個体がやって来て合流しました。(@0:23〜) 
おそらく母親♀と思われる大型個体には、体中に黒い毛が疎らに?生えています。 
小さい方のイノシシ(疥癬感染個体)は幼獣らしいと分かりましたが、脱毛のせいか体表にウリ(瓜)のような縦縞模様はありませんでした。 


そのイノシシ幼獣が、咳のようなクシャミのような音を発しました。(@0:29〜) 
アナグマ家族の濃厚な残り香が気になって、地面を嗅ぎ回っているだけかもしれません。 



シーン2:6/23・午後23:41・気温27℃(@0:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも、イノシシ母子の登場シーンが撮れていました。 

イノシシの親子(母子)が林床の匂いを嗅ぎ回っているときに、幼獣がクシャミ♪をしました。(@1:16〜) 
何か土埃でも吸ってしまったのでしょうか。 

獣道を通って右へ行く途中で、幼獣がアナグマの巣口Lを発見して立ち止まりました。 
しかし、あまり近寄ろうとしません。 
実はこのとき、アナグマの家族は巣穴Lの奥に立て籠もっていたのですが(映像公開予定)、巨大な侵入者を撃退することはありませんでした。 
もしイノシシとアナグマが暗闇で対決したらどうなるのか、興味があります。 


シーン3:6/23・午後23:42(@2:07〜) 
ニホンイノシシの母子がアナグマのセットから立ち去った後も、右の死角から物音が続いています。 
イノシシの鼻息♪やパキッ♪と落枝を踏む音が聞こえました。 

画面右下に転がっている落枝が動いたと思ったら、イノシシの幼獣が戻ってきました。 
地表を鼻面で嗅ぎ回って餌を探しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
 イノシシ幼獣の皮膚病が疥癬だとしたら、その原因である寄生虫ヒゼンダニSarcoptes scabiei)がアナグマにも伝染するのではないかと心配です。 
採餌中に繰り返しているクシャミも土埃などを吸ってしまっただけなら良いのですが、何か病気の症状の一つだとしたら心配です。

近年報告例が増えているイノシシの感染症として、疥癬症がある。これはヒゼンダニが皮膚に寄生する皮膚病で、強いかゆみが起こり、皮膚がかさかさになる。感染した個体は体を擦り付けるので脱毛し、ひどい場合は全身がただれてしまう。症状が進んだときには、食欲が減退し、衰弱して死に至ることがある。イノシシの疥癬症は、飼育個体で発症が認められていたが、最近は中国・九州地方の野生個体にも認められており、更に広がりつつある。 (環境省のPDF資料より引用)



つづく→

2025/07/27

ニホンアナグマ♀が今季産まれた幼獣4頭を引き連れて旧営巣地に引っ越してきた!【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年6月下旬 

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を自動撮影カメラでしつこく監視してきたのは、越冬中に死んだ個体の次に誰か別の個体が引っ越してくるはずだと信じていたからです(願望)。 
今季はこの巣穴で出産、育児するアナグマ♀は居ませんでしたが、遂に執念が実りました。 


シーン1:6/22・午後22:48・気温22℃(@0:00〜) 
アナグマの幼獣3頭が巣口R付近で元気にはしゃぎ回っていました。 
初めての環境で興奮しているようです。 

すぐに母親♀が巣穴Rから外に出てきました。 
腹面に乳首があり、首筋(背中)には交尾痕があるので、成獣♀と分かります。 

この母親♀右目<左目は、今季も無事に別の巣穴で出産育児に成功していたことになります。 
幼獣が離乳し長距離を出歩けるようになったのを見計らって、旧営巣地に転入してきたのでしょう。 

母親は幼獣たちを巣内Rに招き入れました。 
しばらく母親♀が巣口Rの外に出てきて辺りを警戒しています。 
背後から幼獣1頭がついてきました。 

この時点(シーン1)では幼獣が3頭しか写っていません。 


シーン2:6/22・午後23:06(@0:48〜) 
右を見つめて警戒していた母親♀が身震いしてから、巣穴Rに戻りました。 


シーン3:6/22・午後23:39(@1:00〜) 
いつの間にか、アナグマの家族(母子)が巣外で散開していました。 
母親♀が連れて歩いている幼獣は3頭ではなく、4頭でした。 

巣口L付近で、母親♀は近くに居た幼獣の尻の辺りを舐めました。(対他毛繕い) 
母親♀は左へ採餌に出かけたのかな? 
幼獣3頭がセットに居残り探索する間、1頭は母親♀について行ったようです。 


シーン4:6/22・午後23:40・気温21℃(@2:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラで続きが写っていました。 
母親♀が画面の右端で採食していると、幼獣たちが興味津々で集まって来ます。 


シーン5:6/22・午後23:45(@3:00〜) 
巣口Lおよびその左で、幼獣3頭が探索したり遊んだりしています。 
1頭の幼獣が立ち止まって痒い体を掻きました。


シーン6:6/22・午後23:46(@4:00〜) 
幼獣2頭が巣口R付近でちょっと格闘遊びをしました。 
幼獣は足元がまだ覚束なくて、その片方が巣口Rに転がり落ちかけました。 
マルバゴマキの細根や落枝に体が引っかかって、なかなか抜け出せません。 

手前の林床で独りひたすら餌を探している個体がいます。 


シーン7:6/22・午後23:47(@5:00〜) 
右エリアで幼獣2頭がうろついています。 
獣道で、ある地点が気になるようで、落ち葉の匂いを嗅いだり、落枝を咥えて引っ張ったりしています。 


シーン8:6/22・午後23:49(@6:00〜) 
幼獣3頭と母親♀が手前からセットに戻ってきて、巣口Rに少しずつ近づきます。 


シーン9:6/22・午後23:51(@7:00〜) 
母親♀右目<左目が巣穴Lに入りかけたものの、なぜか止めて後退りで出てきました。
 (奥には「いざりタヌキ」の白骨死骸が転がっているのではないかと私は推測しています。) 

母親♀は左に移動し、幼獣2頭がセットをうろついています。 


シーン10:6/22・午後23:51(@8:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
幼獣2頭が巣口Rの横で取っ組み合いをして遊んでいます。 

その間、別個体の幼獣がマルバゴマギの根元にある野ネズミの巣穴の匂いを嗅いでいるようです。 

母親♀が幼獣の尻の辺りを舐めてやり(対他毛繕い)、巣穴Rに入りました。 
巣口Rが幼獣で混み合っていたのに、母親♀は幼獣を踏んづけながら入巣R。 
引っ越しで疲れ切った母親♀は巣内Rで寝るようです。

しかし4匹の幼獣はまだ遊び足りないようで、巣外をうろついています。 


シーン11:6/22・午後23:52(@9:00〜)
1匹の幼獣が右下エリアで独り採餌活動しています。 
頑張って地面を掘り返しているようです。 


シーン12:6/22・午後23:55(@10:00〜) 
うろついていた母親♀が右下エリアに座り込み、幼獣に毛繕いをしてやります。 


シーン13:6/22・午後23:55(@10:23〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
広場で格闘遊びしている2頭の幼獣を放っておいて、母親♀が左から右へノソノソと移動します。 
左端に座り込んで、幼獣に対他毛繕い。 

4頭目の幼獣が右から歩いてセットに戻ってきました。 


シーン14:6/22・午後23:57(@11:23〜) 
広場で三つ巴の格闘遊びが繰り広げられています。 
その間、左上エリアでは母親♀が幼獣と相互毛繕いしているようです。 (白い目が光って見えるだけ) 

セットに戻ってきた母親♀が、近くに居た幼獣を次々に掴まえて毛繕いしてやります。 


シーン15:6/22・午後23:59(@12:23〜) 
母子の相互毛繕いを別アングルで。 


シーン16:6/22・午後23:59(@12:57〜) 
母子の相互毛繕いのつづき。 
巣口Rの近くで独りで餌を探し回る幼獣がいます。 

他には、広場の奥でミズキの根元で木登りに挑戦している幼獣個体もいます。
根元の分岐を自力で乗り越えるのが楽しくて仕方がないようです。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
母親♀がカメラ目線になると、赤外線を反射する目のタペータムが左右非対称(右目<左目)の個体でした。 
この形質(特徴)は、前年にここで出産、育児した母親♀と同じです。 
長らく姿を見ていなかったのですが、存命で健在だったことが分かり、安堵しました。 
彼女が産んだ幼獣は全ての個体で目が左右均等なので、少なくとも優性遺伝(顕性遺伝)の異常ではないと言えます。 

母親♀右目<左目は、前年に続いて今季も幼獣4頭を無事に育て上げていたことになります。 
子連れの引っ越しにヘルパー♂は付き添わなかったようです。 

今季の母親♀がこの営巣地で出産したのではないと断言できる理由は、
  •  ♂の求愛および交尾を見ていない。 
  •  ♀の巣材集め行動を見ていない。 
  •  ♀が歩けない幼獣の首筋を咥えて連れ回すのを見ていない。 
  •  巣外での授乳シーンや対他毛繕いを見ていない。 


母親♀は少なくとも2つの巣穴を毎年交互に使い、出産と育児で使い分けているようです。
前年はここで出産し、離乳すると幼獣を連れてどこかに転出しました。 
今季はその逆パターンになります。
同じ巣穴に住み続けると、巣材に寄生虫が湧いてしまうのかもしれません。 

今季はこのまま越冬までアナグマ家族が住み続けてくれるでしょうか?
それまでタヌキの♀♂ペアが頻繁に巣穴を内検していたので、てっきりタヌキが巣穴を乗っ取るかと思いきや、予想外の展開になりました。 
アナグマ家族の転入後は、ニホンカモシカやイエネコなどがセットに近寄らなくなりました。 


2025/07/26

山林で溜め糞場の周辺を昼夜うろつくニホンカモシカ:6月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬 

シーン0:6/14・午後12:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山の雑木とスギの混交林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)の通う溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 
基本的に画面の左から右に向かって上り坂ですが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 
画面の手前から奥に向かう獣道と左右に通る獣道の交差点になっています。 


シーン1:6/15・午前1:27・気温19℃(@0:04〜) 
深夜にカモシカが獣道を右から来て手前に曲がりました。 
林床のあちこちに散乱する溜め糞の匂いを嗅ぎながら、左下手前へ歩き去りました。 
今回は溜め糞場sr2で排便しないで素通りました。 


シーン2:6/19・午前11:34・晴れ・気温28℃(@0:19〜) 
監視カメラの画角が急に変わったのは、前日に来たクマが手で叩き落とそうとしたからです。 



溜め糞場sr2を監視できなくなりましたが、昼前にカモシカがスギ立木の奥を右から左に横切りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:33〜)。 
藪の隙間から見えたのは、ニホンカモシカで間違いありません。 
ハリギリの巨大倒木の方に向かったようです。 
カモシカが溜め糞場の位置を変更したのかと思ったのですが、後に現場検証しても糞粒は見つかりませんでした。 


つづく→

空のマヨネーズ容器に残る歯型の謎【フィールドサイン】

2024年6月中旬 

フィールド調査のついでに、平地のスギ防風林に散乱する不燃ゴミを拾って帰ります。 
林内には野生動物たちが長年通った獣道が何本も作られています。
発泡スチロールの破片などの他に、林床に転がっていたプラスチックの透明な容器が気になり、写真を撮りました。
この特徴的な形は、明らかにマヨネーズのプラスチック容器です。 
よく見ると、容器にはAJINOMOTOのロゴがあります。 
中身は空っぽなのに、動物の噛み跡が付いてボロボロになっています。 
マヨネーズの主成分は油なので、いかにも野生動物(タヌキやキツネなど)が好みそうです。 
美味しそうな匂いに惹かれてゴミ捨て場から持ち去り、獣道の途中で捨てた後も幼獣などが繰り返し遊び道具にしたようです。 
ちなみに以前、林内で見つけたポテトチップスの空き袋も同じ理由でしょう。(写真を撮り忘れました。) 

専門家は容器に残る歯型を調べれば、動物の種類を推定できるのかもしれません。 
ゴミの表面に唾液が残っていれば、DNAで鑑定できそうです。 

田舎の林内には多数の不燃ゴミが放置されています。 
私は初め、誰かが不法投棄したのかと憤慨していました。 
しかしトレイルカメラなどを使って野生動物の観察を進めるにつれて、実はタヌキなどが気になるゴミを拾ってきて林内に捨てている場合もあると分かりました。 
山林にゴミを撒き散らすタヌキはけしからん!とは必ずしも言い切れません。 
元々は近隣住民のゴミの捨て方に問題があるのが元凶です。 
ゴミ捨て場を荒らすカラスの問題と同じで、ゴミ収集車が来るまで、鍵付きの頑丈なゴミ捨て小屋にしまっておけば解決するでしょう。 

私は野生動物が好きなので、ゴミ問題で悪者扱いされないように、微力ながら少しでも環境美化に務めることにしています。 
一番の理由は、せっかく撮れた野生動物の生態動画の背景にゴミが写っていると興ざめだからです。 
野外に放置されたプラスチックのごみはいつまで経っても自然に分解されず、粉々になったマイクロプラスチックは深刻な環境汚染をもたらします。
プラスチックのゴミを誤食した野生動物が健康を害する可能性もあります。


関連記事(1年前の撮影)▶ 獣道に片方だけ捨てられた古い長靴の謎


【アフィリエイト】

2025/07/25

アナグマの空き巣を内見、排尿マーキングするホンドタヌキ♀♂:6月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後21:45頃・気温19℃ 

シーン1:6/16・午後21:42・気温19℃(@0:00〜) 
自動撮影カメラで見張っているニホンアナグマの旧営巣地(セット)に、♀♂ペアと思われる2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がやって来ました。 
アナグマの巣口Lに2頭が代わる代わる顔を突っ込んで匂いを嗅いでから、次は巣口Rに向かいます。 


シーン2:6/16・午後21:42・気温19℃(@0:14〜) 
別アングルで設置した監視カメラに続きが写っていました。 
先行個体aが巣穴Rに入ると、後続個体bも続けて潜り込みました。 
巣穴Rの内検を済ませると、bが頭から外に出てきました。 

巣口Rを塞ぐように伸びているマルバゴマキの根っこに、タヌキbは小便をかけて、マーキング(縄張り宣言)したようです。 
タヌキaが巣外に出てすぐ身震いすると、外で待っていたパートナーbも続けざまに身震いしました。 
親密な番つがい相手の行動を真似るミラーリングなのかな? 


シーン3:6/16・午後21:43(@1:02〜) 
再び巣口Lに戻っててきたタヌキの♀♂ペアが、連続して中に入りました。 
後続個体bは完全に中まで入らず、後退して外に出ました。 
獣道を左上奥へ立ち去りました。 


シーン4:6/16・午後21:43(@1:53〜) 
別アングルで設置した監視カメラに続きが撮れていました。 
後から巣穴Lから出て来た個体は、巣口Rに再度立ち寄って匂いを嗅いでから、パートナーの後を追って獣道を手前へ向かいます。 


つづく→

2025/07/24

飛びながら山中の水溜りに着水するコウモリの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 

夜な夜な飛来するコウモリの登場シーンを以下にまとめます。 
飛びながら夜蛾などの獲物を空中で捕食していると思うのですが、低く飛びながら、ときどき一瞬だけ着水するのが気になります。 


シーン1:6/19・午前0:46(@0:04〜) 
深夜に湿地帯の上空をグルグルと飛び回っています。 


シーン2:6/19・午後23:52(@0:14〜) 


シーン3:6/20・午前1:42(@0:31〜) 


シーン4:6/20・午後22:39(@1:07〜)


シーン5:6/22・午後21:27(@1:16〜) 


【考察】
トレイルカメラで撮れた暗視動画の25fpsのフレームレートでは、たとえスローモーションに加工しても、敏捷なコウモリが着水の瞬間に何をしているのか分かりません。
以下のような複数の可能性が考えられます。
  • 飛びながら水面に口を浸けて素早く水を飲んでいる飲水行動。
  • 飛びながら体を濡らす水浴行動。
  • 水面に浮かぶアメンボなどを飛びながら狩っている捕食行動。
フレームレートの高い上位機種のトレイルカメラは値段も張り、なかなか導入できません。


つづく→

2025/07/23

ニホンカモシカが溜め糞場を素通りした後に林床をうろつく野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月中旬

シーン0:6/14・午後12:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山の雑木とスギの混交林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)の通う溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
基本的に画面の左から右に向かって上り坂ですが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 
画面の手前から奥に向かう獣道と左右に通る獣道の交差点になっています。 



シーン1:6/15・午前1:27・気温19℃(@0:04〜) 
深夜にカモシカが獣道を右から来て、林床に散乱する溜め糞の匂いを嗅ぎながら左下手前へ歩き去りました。 
今回は溜め糞場sr2で排泄しないで素通りました。 

しばらくすると、林床を左から野ネズミ(ノネズミ)が登場しました。 
この地点で野ネズミは初見ですし、ニホンカモシカとニアミスした事例も初めてです。 
野ネズミは獣道を辿って右へ向かっていましたが、途中で方向転換して手前へ。 
野ネズミの探餌徘徊を1.5倍に拡大した上で5倍速の早回し。(@0:42〜) 
等倍速。(@1:01〜) 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:29〜) 


野ネズミの動き(軌跡)を見る限り、カモシカの溜め糞に誘引されてはいないようです。 
タヌキの溜め糞なら、植物の種子が含まれていますし、糞虫などの虫を捕食するために野ネズミがやって来ることがあります。 
しかし、当地のカモシカ溜め糞場には分解者の虫がほとんど集まらず、カモシカの糞粒には種子も含まれていないため、野ネズミにも立ち寄る理由がないのでしょう。 




つづく→

2025/07/22

呼吸困難のニホンカモシカ|努力呼吸【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬・午後12:00頃・晴れ・気温29℃ 

翌日も正午にニホンカモシカCapricornis crispus)が平地の二次林にあるニホンアナグマの旧営巣地(セット)に歩いてやって来ました。 
アナグマの2つの巣口L、Rの間を通り抜け、巣口Rに回り込むと、前日と同じ位置に座り込みました。
休息場所としてすっかり気に入ったようです。 

木陰で前足を畳んで座った直後に、首を伸ばして頭を大きく上下に振る謎の行動を繰り返しました。 
深呼吸しているのでしょうか。
巣口Rの匂いが気になって、大きく吸い込んでいるのかと思ったのですが、フレーメン反応しているようには見えませんません。 
終わるとペロペロと舌舐めずりしました。 

前日のような乾いた空咳はしてないものの、呼吸が苦しいのかもしれません。 
コロナウイルスなど感染症による肺炎で呼吸困難なのでしょうか? 
他の原因としては、山から平地に降りてきた際に交通事故で車とぶつかり、外傷性の気胸で呼吸困難になっているのかもしれません。 


【考察】 
今回の記事を書くために、ChatGPTとブレインストーミングして診断してもらいました。 


座った後に首を伸ばし、鼻から荒く吸気するのは呼吸困難の兆候で、特に努力性呼吸(苦しさから意識的に吸おうとする)です。

咳だけでなく「座った直後に症状が強くなる」のは、胸腔内圧変化によって苦しさが増す肺疾患の典型パターンです。

頭の上下動は、気道開通性を改善しようとする無意識的な補助動作であり、人でいうオーソプネア(起座呼吸)に類似します。


謎の深呼吸が努力呼吸らしいと分かったのは大きな収穫です。

しかし、なぜ息が苦しいのに、カモシカは口呼吸ではなく鼻呼吸を続けているのでしょうか?


■ 鼻呼吸にこだわった理由について

動物は通常、口呼吸よりも鼻呼吸を優先します。これは:


鼻腔が加湿・加温・濾過の役割を果たすため(特に乾燥時や気温が高いときに重要)


口呼吸は**異常時(熱中症、重度の呼吸困難、ストレス)**に限られる


カモシカが一生懸命鼻で吸おうとするが、吸い切れずに口を軽く開けていたという描写は、呼吸補助筋を使って努力呼吸していた状態と合致します。


逆に明らかな喘鳴や開口呼吸がなかったことは、気道閉塞よりも、胸郭や肺自体の一過性の問題(外傷性、あるいは感染性)を示唆します。


気温が高くなるとカモシカも口呼吸するのでは? 
少し古い資料ですが、以下の記述を見つけました。 
カモシカの場合、皮膚に汗を出す汗腺がないので、体温の調節は犬と同じように口からの呼吸でする。夏に体重が減少した主な要因は、8月の気温が30度を上回ることにより、体温を調節するための呼吸に多くのエネルギーが消費された結果ではないかと考えられる。(大町山岳博物館編『カモシカ:氷河期を生きた動物』p98より一部引用。) 

今回の動画撮影時の気温は30℃でしたが、カモシカは体温調節のための荒い口呼吸(パンティング)をしませんでした。

 

喘鳴がないということは、気道が完全に閉塞しているわけではなく、部分的な炎症や軽度の呼吸困難が関与している可能性が高いです。これを踏まえて、以下の疾患が引き続き有力です:

マイコプラズマ性肺炎(特に乾いた咳と呼吸困難)

肺虫症(線虫)(特に進行の初期段階)

軽度の気道刺激(花粉や粉塵など)

今回の症状は「呼吸器感染症または軽度の外傷(肺損傷)による一過性の呼吸障害」が最も可能性が高いように思われます。寄生虫性疾患の可能性も否定できません。 気胸であっても軽症であれば行動は維持されますが、野外で2日連続で見られること自体が**「体調不良で行動範囲が狭くなっている」サイン**とも受け取れます。 

喘鳴が聞こえなかったとのことですが、トレイルカメラの集音能力によっては聞こえないだけの可能性があります。 

気胸(pneumothorax)とは、肺から漏れた空気が胸腔にたまることで、肺が圧迫されて十分に膨らめなくなる状態です。これにより、呼吸困難や呼吸音の変化、乾いた咳などの症状が出ます。

■ 野生動物における気胸の原因
① 外傷性気胸(traumatic pneumothorax)
これは外傷によって肺や胸壁が損傷されることで起きるもので、野生動物では比較的あり得るパターンです。

車との衝突:ニホンカモシカは時に道路に出てくることがあり、自動車事故により胸部を打撲することで、肺に損傷が生じ、気胸になる可能性があります。

転倒や落下:山地斜面で滑落した場合なども胸部外傷の原因になります。

狩猟や銃創の名残(過去の違法行為含む):ごく稀ですが、弾丸や鋭利な外傷が過去にあった個体では慢性化した気胸のリスクも考えられます。

② 自然発生性気胸(spontaneous pneumothorax)
健康そうに見える動物でも、肺の嚢胞(ブラ)が破裂したりして起こる場合もありますが、野生動物ではあまり報告されていません。

 

③ 他個体との闘争

オス同士の縄張り争いは繁殖期(秋)に多いですが、5月〜7月の滞在中に他個体が侵入して体当たりや角突きなどの接触があれば、胸部に外傷を負った可能性は否定できません。 



現場は平地なので、滑落事故はありえません。
そもそも山地性のニホンカモシカが、平地のパッチ状の二次林で見かけること自体がとても珍しいので注目しています。
同一個体と思われるカモシカが、5月中旬から7月中旬までこの二次林を縄張りとして留まっていたようです。


チャットのやり取り(テキスト情報)だけでAIがここまで診断できるとは驚きです。
もし内容にハルシネーション(生成AI特有の自信満々の知ったかぶり)がありましたら、ご指摘ください。
ただし、ChatGPTは私の動画を直接視聴した上で解析・診断している訳ではないという点に注意が必要です。




↑【おまけの動画】 
この地点で6/14に録画されたニホンカモシカの行動を時系列順に全てまとめ直しました。 
これまでカモシカの行動別に動画を細かく切り分けて紹介していたのですが、通して見ると印象が変わるかもしれません。

近隣の田畑への食害が心配になりますけど、カモシカは草本よりも木本植物の葉の方が好きですから、餌の豊富な初夏にわざわざ森から出て農作物を食害することはことはないでしょう。

ニホンアナグマの家族が旧営巣地(セット)に転入して賑やかになると、カモシカはほとんど寄り付かなくなってしまいました。


つづく→

2025/07/21

初夏のリンゴ園で未熟な果実を食べるニホンザル♀

 



2024年6月中旬・午前10:55頃・晴れ 

山麓の果樹園に侵入したニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)がリンゴの木陰に座り込んで、何か緑色の固形物を食べていました。 
手前の草が邪魔でよく見えないのですが、おそらくリンゴの果実が未熟なまま自然に落ちた生理的落果でしょう。 

このニホンザル個体は、胸に赤い乳首がありますから、出産・授乳経験のある成獣♀です。 
私が隠し撮りしていることに気づくと、警戒して立ち上がり、左に移動して茂みに陰に隠れてしまいました。 


最後に、Perplexity AIに問い合わせた回答を引用しておきます。
この時期には、リンゴの木で「生理的落果」と呼ばれる自然な落果が起こります。これは、開花後20~40日頃(多くは6月上旬~中旬)に見られる現象で、未熟な青い果実が地面に落ちることが普通にあります。 したがって、6月中旬にリンゴ園の地面に未熟な青いリンゴの果実が落ちている状況は十分に考えられます。このため、ニホンザルが園内で食べていた果実が、落下した未熟リンゴであった可能性は高いです。
ニホンザルは未熟で青いリンゴのような渋い果実も食べることがあります。 ニホンザルは人間とは異なり、苦味や渋味に対して鈍感であることが複数の飼育・観察記録から示されています。たとえば、人間には渋くて生食できない渋柿を、ニホンザルは好んで食べるという事例が報告されています。 野生下でも、ニホンザルは利用可能な果実や種子を選好する傾向があり、果実の質よりも入手しやすさが食物選択に大きく影響する場合があります。したがって、他に食べやすい果実が少ない時期や、目の前に未熟果が豊富にある場合、渋みがあっても食べることが十分に考えられます。 ニホンザルはもともと雑食性で、季節によってさまざまな植物の部位や未熟な果実も食べることが知られています。 よって、未熟で甘みが少なく渋いリンゴの落果であっても、ニホンザルが食べることは十分にあり得ます。

2025/07/20

夜になってようやくアナグマの旧営巣地から立ち去るニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後19:25頃・気温25℃・日の入り時刻は午後19:06 

平地の二次林にあるニホンアナグマの旧営巣地(セット)に入り浸って夜まで寛いでいたニホンカモシカCapricornis crispus)がようやく立ち去りました。 
採餌活動に出かけるのでしょうか。 

別アングルに設置した監視カメラでも写っていました。 
アナグマの掘った2つの巣口R、Lの中間地点を通り、ミズキの左横から奥の林内へ、ゆっくり歩いて姿を消しました。 
途中で立ち止まって眼下腺マーキングまたは角研ぎをしているようですが、茂みの陰でよく見えません。 

この地点でカモシカの夜行性活動が記録されたのは初めてかもしれません。 




 

↑【おまけの動画】 
この地点で6/13に録画されたニホンカモシカの行動を時系列順に全てまとめ直しました。 
これまで行動別に動画を切り分けて紹介していたのですが、通して見ると印象が変わるかもしれません。

2025/07/19

旧営巣地に戻って毛繕いしたり巣穴を内見したりするニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/11・午後13:26・くもり・気温35℃(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり・気温37℃(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)をトレイルカメラでしつこく見張り続けています。 


シーン1:6/19・午後14:28・晴れ・気温28℃(@0:07〜) 
久しぶりにアナグマがセットに戻ってきました。 
林縁で白昼堂々、仰向けになり痒い体をボリボリ掻いていました。 
腹面に乳房が見えたので、♀と判明しました。 
当然ながら、股間に睾丸や陰茎はありません。 

起き上がると、今度は腰の毛皮を舐めました。 
また後足や前足で体をあちこち掻いています。 

今季はこの巣穴ではなく、他所で出産したようです。 


シーン2:6/19・午後15:27・晴れ・気温28℃(@1:08〜) 
1時間後に、セットから左に立ち去るアナグマの尻尾がちらっと写っていました。 


シーン3:6/21・午前10:52・くもり・気温23℃(@1:14〜) 
2日後の昼間にもニホンアナグマ♀がセットに登場しました。 
右から歩いて来て、そのまま巣穴Rの中に潜り込みました。 
横から腹面に乳首がちらっと見えたので、♀と判明。 
外に出て来るシーンがなぜか撮れていません。

先にネタバレしてしまうと、当歳仔の幼獣たちを引き連れてここに引っ越してくる(転入)前に、母親♀が最後の内検に来ていたようです。 




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2025/07/18

アナグマの旧営巣地で立ったり座ったりを繰り返して休むニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬 

シーン1:6/13・午後14:03・晴れ・気温30℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマの旧営巣地(セット)に来たニホンカモシカCapricornis crispus)が、突っ立ったままアナグマの巣口Lを見下ろし、その場から動こうとしません。 
かと言って、あまり警戒しているようにも見えません。 
 「カモシカの寒立ち」というマタギ(東北地方の猟師)の用語があり、カモシカが冬季に山地の高いところで長時間雪中に立ちつくす様を表しています。 

関連記事(2、10、12年前の撮影)▶  

初夏の季節に林内でぼーっと立ち尽くしているのは、暑さにへばっているのでしょうか? 
横顔しか見えませんが、鼻面の黒い領域に白い線が走っています。 
個体識別に使える特徴なら嬉しいのですが。 


シーン2:6/13・午後19:20・気温26℃(@0:26〜) 
同じ日の晩に、画面の右端で長々と座位休息していたカモシカが立ち上がったまま動こうとしません。 
後足しか見えないので、もしかしたら灌木の葉を採食しているのかもしれません。 


シーン3:6/14・午後12:30・晴れ・気温30℃(@0:39〜) 
翌日も同一個体と思われるカモシカが、アナグマの巣口Rを向いて座り込んでいます。 
うつらうつらと居眠り(昼寝)をしているようです。 
頭が左にガクッと大きく傾いた拍子に目が覚め、立ち上がりました。 
結局、カモシカの反芻行動は録画されていませんでした。 

右へ少し移動しただけで、立ち止まりました。 
地面の匂いを嗅いでから、また少し右へ前進。 
前日の晩と同じ地点で長時間佇んでいます。 
その辺りに自生しているマルバゴマギ灌木の葉にカモシカの採食痕があるかどうか、現場検証すべきでしたね。 


シーン4:6/14・午後12:31・晴れ(@1:28〜)
セットの右端で立っていたカモシカは、やがてその場に再び座り込んでしまいました。 
昼間は暑くて動きたくないのか、それとも体調が悪いのかもしれません。 


シーン5:6/14・午後13:10・晴れ(@1:56〜)
約40分後、カモシカが立ち上がった動きに反応して、監視カメラが起動しました。 
しかしその場に突っ立ったまま、しばらく動きません。 
最後に再び座り込んだどころで、録画が打ち切られました。 


【考察】 
このニホンカモシカ個体にとって、アナグマの旧営巣地が安心してリラックスできるお気に入りの休息場所になったようです。 
立ったり座ったりを繰り返して、ひたすら休息を取っています。 

長時間突っ立っている間に、カモシカは一度も排泄行動をしませんでした。 
ちゃんと食事をしているのか心配になります。 
やはり呼吸器系の疾患(ときどき空咳と呼吸困難の症状)で体調が悪いのでしょうか? 

もちろん、素人には病気だと決めつけられません。
こうした怠惰で平和な暮らしが、初夏のカモシカにとって普通の日常なのかもしれません。


2025/07/17

初夏のリンゴ園でシロツメクサの葉を食べるニホンザルの群れ

 

2024年6月中旬・午前11:00頃・晴れ 

山麓でリンゴを栽培する果樹園に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが侵入していました。 
なるべく気づかれないようにそっと近づいて観察すると、散開した群れは下草のシロツメクサをムシャムシャと採食していました。 

果樹園では、被覆植物(カバープランツ)や「コンパニオン・プランツ」としてシロツメクサを意図的に播種しているのだそうです。 
マメ科植物ですから、根粒菌による窒素固定を利用した土壌改良や肥沃度向上が期待できます。 



ニホンザルは、草食獣のように頭を下げて口で直接採食するのではなく、必ず手を使ってシロツメクサを口に運んでいます。 
地面に座り手を使って採食することで、目線をあまり下げずに済み(上半身を立てたまま)、危険な捕食者や外敵の接近をいち早く察知することができそうです。 

しかも、ニホンザルはシロツメクサの花は避けて、葉のついた茎だけを選んで次々と手でむしり取って食べていました。 (部位選択的採食)
なんとなく花の方が蜜が含まれていて甘そうなのに、ニホンザルにとっては美味しくないのでしょう。 
あるいは栄養に乏しかったり、消化が悪かったりするのかもしれません。 
猿は両手を交互に使って採食していましたが、まじめに(定量的に)調べれば個体によって利き手(の傾向)がありそうです。 

群れには子連れの母猿も混じっていました。 
当歳仔の子猿(新生児)は、まだ離乳前のようで、シロツメクサをまったく食べませんでした。 
座ってシロツメクサを採食する母猿の背中によじ登ったり飛び降りたりして遊んでいます。 
枝葉の隙間から隠し撮りしている私に気づいた母親♀が子猿を抱き寄せて、左の木陰に逃げ込みました。

果樹園に侵入したニホンザルはヒトに対する警戒心を高めているようで、特に成獣個体は私に気づくとさりげなく死角に隠れてしまいます。 
一方、若い子猿はヒトに対する恐れを知らないのか、原っぱで独り堂々と、シロツメクサの葉を食べ漁っていました。 
クローバーの茎を手でブチッとむしり取るには、結構力を要するようです。 

最後に、ニホンザルの群れが居なくなった後で、リンゴ園の全景をスナップショットのように撮りました。 
雪国のリンゴ園では、冬の間は電気柵が積雪で潰れないように撤去しています。 
この時期(6月中旬)のリンゴ園はまだ電気柵で囲い直していないため、サルは侵入し放題です。 
ちなみに、1週間後に同じリンゴ園を再び訪れたときには、電気柵でしっかり取り囲まれていました。 


今回Perplexity AIを使った調べ物をしていて初めて知ったのですが、シロツメクサは家畜の牧草としてよく使われるのに、その全草にはシアン配糖体(青酸配糖体)という微量の毒が含まれていることがあるそうです。
ただし、シロツメクサの青酸配糖体の含有量は通常は低く、大量に摂取した場合や極端なストレス条件下(霜害、踏圧、過剰な若葉など)でない限り、家畜の健康被害はほとんどないそうです


2025/07/16

アナグマの旧営巣地で昼寝の後に角を研ぐニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 


2024年6月中旬・午後14:40頃・晴れ・気温30℃ 

昼下がりにニホンアナグマの旧営巣地(セット)で巣口Rの横に座ったまま30分以上も休んでから、ようやくニホンカモシカCapricornis crispus)が立ち上がりました。
脚を伸ばすストレッチ運動をしています。 

この個体は空咳をしていたので体調が悪いのかと心配でしたが、30分間という座位休息の時間は、カモシカにしては別にそれほど長い訳ではありません。

オニグルミの手前に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の細い灌木に角をゴシゴシと擦りつけて研ぎ始めました。 
これも縄張り宣言のマーキング行動なのでしょう。 
トレイルカメラで撮れたのは初めてです。



その後は満足そうにペロペロと舌舐めずりしています。 
カモシカは向きを変えると、平地の二次林で獣道を通って左に立ち去りました。 


【考察】
ゴマキの仲間には名前の通り、ゴマ(胡麻)のような香ばしい芳香があります。
今のところ、ニホンカモシカはマルバゴマキの葉を食べることは一度もありません。
しかし、眼下腺の分泌物をマルバゴマキの枝に擦りつけて匂い付けしたり、角を研いで(幹に擦り傷を付けて)マーキングしたりするので、もしかするとカモシカはマルバゴマキの芳香が好きなのかな?と思いました。

Perplexity AIにカモシカの角研ぎ行動について疑問を投げかけてみました。

ニホンカモシカの角研ぎ行動について、現時点で明確な結論は出ていませんが、観察や研究から次のようなことが分かっています。

角を鋭く研いでいるのか?
「武器として使用するために先端を尖らせる」といった説もありますが、実際の角研ぎの場面を見ると、先端よりも根元の方を木にこすりつけていることが多いと報告されています。老獣では根元部分が角研ぎによってえぐれていることも観察されています。したがって、「角の先端を鋭く研ぐ」ことが主目的とは言い難いです。

マーキングが目的ではないのか?
角研ぎの後で眼下腺から液を出して縄張りを主張するマーキング行動が見られることから、角研ぎ自体がマーキングの一環である可能性が高いと考えられています。

角が痒いときに掻いている可能性は?
カモシカの角は、骨の芯をケラチンの鞘が覆う構造で、角自体には神経や感覚器はありません。したがって、完成した角が「痒くなる」ことは基本的にありません。

 

まとめると、ニホンカモシカの角研ぎは「角を鋭く研ぐ」ことが主目的ではなく、むしろマーキングや社会的アピールの意味合いが強いと考えられています。また、痒みを取るための行動である可能性は低いです。


2025/07/15

獲物を口に咥えて夜の獣道を運ぶホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後22:08・気温23℃ 

平地の二次林でニホンアナグマの旧営巣地(セット)に、ある晩ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で通りかかりました。 
アナグマの巣口Lの横を素通りして、獣道を足早に立ち去りました。 

1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、口に何か黒っぽい物を咥えて運んでいました! 
初めて撮れた行動です。
この時期は親タヌキが幼獣を運搬している(引っ越し)可能性もありますが、素人目には幼獣ではなく野ネズミ(ノネズミ)などの小動物を獲物として狩ってきたように見えます。 
近くの休耕地にある巣穴に運んで、幼獣に給餌するのでしょう。 
獲物としては、アカネズミ、ヒメネズミ、ハタネズミなどが考えられます。 
あるいは、小動物の死骸を拾ってきたのかもしれません。 


【追記】
今回登場した個体が親ダヌキではなくヘルパーという可能性もあり得るのですけど、「オッカムの剃刀」という原則に従って、当面は難しいことを考えないようにします。

ちなみに、翌2025年にはヘルパーの存在が確定しました。(映像公開予定)


2025/07/14

山中の湿地帯で下生えを採食に来たニホンカモシカがトレイルカメラに興味津々【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月中旬・午後19:50頃 

山中の湿地帯にある水場を2台の自動撮影カメラで見張っていると、ある晩に左から来た謎の獣がカメラの至近距離に写っていました。 
初めは頭を下げて泥濘の匂いを嗅いでいるようでしたが(下生えを採食?)、右に数歩前進してからようやく頭を上げると、ようやく角が見えてニホンカモシカCapricornis crispus)と判明。 
この地点でカモシカは初見です。 

木の幹に付いている異物の存在に気づいたようで、鼻を近づけてトレイルカメラの匂いを念入りに嗅いでいます。 
カモシカの鼻息♪がフンフンと聞こえます。 
ホオノキの幹に監視カメラを設置した高さは地上90cmでした。 

これほど至近距離からカモシカの顔を撮れたのは初めてかもしれません。 
至近距離でもピンぼけにならず、眼下腺の膨らみもしっかり撮れていました。 
無人カメラならではの迫力のある映像になりました。 
角輪を数えれば、ニホンカモシカの年齢を推定できるかもしれません。
ヤブ蚊がカモシカの毛皮の上スレスレを飛び回っています。 

カモシカが右に立ち去ると、対面に設置したもう1台の監視カメラが起動しました。 
別アングルの映像に切り替えると、カモシカが立ち止まってカメラを見つめていました。 
やがて警戒を解くと、獣道をゆっくり左に歩いて行きます。 

画面の左端で立ちどまり、頭を下げました。 
おそらく湿地帯に生える下生えを採食しているようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



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