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2026/05/18

朽ちた木片を味見するニホンザル幼獣の謎

 

2024年9月中旬・午前11:45頃・晴れ 

用水路の岸に座ったニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)が空を見上げながら、痒い右腿を右手で掻いています。 
その背後から2頭の子猿が現れました。 

1匹の子猿が朽木の欠片を拾い上げ、口に咥えて齧りました。
食べられる餌ではないはずですが、横に居る母親は子猿の異食を制止したり叱ったりしませんでした。 
子猿が朽木の欠片を本当に咀嚼してすべて飲み込んだらびっくりしますが、すぐに吐き出したので、乳歯が生えた幼獣による「歯固め」的な行動ですかね? 


【考察】 
ChatGPTに相談してみました。 

Q1: ニホンザルの乳歯はいつから生えてくるか? 

A1: ニホンザル(ニホンザル)の乳歯は、かなり早い時期から生え始めます。 研究では、最初の乳切歯(前歯)は生後1か月未満で萌出し始める個体も多く、だいたい生後数週間〜1か月頃には前歯が見え始めます。乳歯列全体は、生後約1年までにほぼ完成します。([J-STAGE][1]) 萌出順序はおおむね: 1. 下・上の乳中切歯 2. 側切歯 3. 犬歯・第1乳臼歯 4. 第2乳臼歯 という流れです。([J-STAGE][1]) 野外観察でも、春生まれの子ザルは初夏には小さな前歯が見え始め、秋にはかなり乳歯がそろってきます。永久歯への交換は1歳以降から始まります。 [1]: 


Q2: ヒトの赤ちゃんでは歯が生え始めると、何かを噛みたくなるのでオシャブリを与えたりするが、ニホンザルでも同様か? 9月中旬の野外観察で、ニホンザルの幼獣が朽木の欠片を拾って噛んでいた。横に居た母親はそれを見ても叱ったり制止したりしなかった。朽木の欠片に栄養価があるようには思えないので、乳歯が生えた幼獣による「歯固め」の行動と解釈してみたのだが、どうだろうか。 


A2: 十分あり得る解釈です。少なくとも、「栄養摂取そのもの」よりも、口腔感覚・咀嚼練習・探索行動として木片を噛んでいた可能性は高いと思われます。

ヒト乳児の「歯固め」と完全に同じ概念として確立しているわけではありませんが、霊長類の幼獣では、歯の萌出期にさまざまな物体を口に入れたり噛んだりする行動がよく見られます。ニホンザルでも、

  • 木片

  • 樹皮

  • 小枝

  • 母親の毛

  • 自分の手足

などを口でいじる行動は普通に観察されます。

特に、あなたの観察のように、

  • 「朽木片そのものに明確な栄養価がなさそう」

  • 「飲み込むより噛むこと自体が目的に見える」

  • 「母親が制止しない」

  • 「乳歯萌出期と時期的に一致する」

という条件なら、「歯の違和感を和らげる」「咀嚼運動の練習」「感覚探索」の複合的行動として解釈するのは自然です。

また、ニホンザル幼獣は離乳前後に“mouth-oriented exploration(口を使った探索)”が非常に多く、ヒト乳児の oral exploratory behavior に近い側面があります。霊長類では手で触るだけでなく、口で材質・硬さ・味・温度を確かめる行動が発達初期に重要だからです。

一方で、慎重に言えば、「歯固め目的だった」と断定するのは難しいです。野外では次のような別解釈も残ります。

  • 単なる遊び

  • 採食の模倣

  • 将来的な採食技術の練習

  • 微量の菌類・昆虫・樹液を舐めていた

  • 感覚刺激そのものを楽しんでいた

特に朽木は、昆虫幼虫・菌糸・腐植臭など情報量が多い素材なので、幼獣にとって興味対象になりやすいです。

したがって、行動記述としては、

乳歯萌出期の幼獣による oral exploratory behavior

possible teething-related chewing behavior

くらいの慎重な表現が学術的には安全だと思います。

もし映像があるなら、

  • 実際に咀嚼していたのか

  • 舐めるだけだったのか

  • 飲み込んだか

  • 何分くらい続いたか

  • 反復したか

  • 同齢個体にも見られたか

などを確認すると、解釈の精度がかなり上がります。

2026/05/17

発情しそうなホンドタヌキ♀の体に尿をかけて匂い付けする♂【トレイルカメラ:暗視映像】アロマーキング

 



2025年2月下旬・午後18:05頃・気温7℃・日の入り時刻は午後17:34

落葉した二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

日が暮れた晩に、タヌキの♀♂ペアが巣口Rに来ていました。 
体格のやや大きな個体が♂です。 
手前の♂が隣りにいた♀の体に排尿マーキングしました。 
左後脚を上げて♀に小便をかけたのです。 
初めて見る行動でびっくりしました。 
♂がマーキングしたかった細い落葉灌木の近くに♀が居て、どくのを待つのが面倒だったから?などと思ったりもしたのですが、発情期に特有の匂い付けだと分かってきます。 

再び♂が♀の背後から腰の辺りに排尿マーキング。 
さっきとは逆の右後脚を上げて小便しました。 
一夫一妻制のタヌキ♂が、発情しそうなパートナー♀を自分のものだと強く主張しているのです。 
「俺の匂いに染めたい!」ということなのでしょう。
♀はパートナー♂から尿をかけられても嫌がらず、腰を落として雪面に座ったままおとなしくしています。 
ホンドタヌキ♂による♀へのアロマーキングを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:00〜2:00) 

次に♂は、♀に対他毛繕いしました。 
腰の辺りの毛皮を舐めています。 

やがて、タヌキの♀♂ペアは右を凝視・警戒してから、相次いで右に立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2026/05/16

涸れた水路の底を探索して遊ぶニホンザル(アルビノ子猿と遊び友達)

 

2024年9月中旬・午前11:50頃・晴れ 

秋になると収穫前に田んぼの水を抜くので、山麓を流れる農業用水路には水が流れなくなります。 
その用水路沿いで野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 

アルビノの子猿と同世代の健常個体が水路の護岸の縁を歩いて、どんどん私の方へ近づいて来ます。 
それまで私はかなり時間をかけてニホンザルの群れに接近したので、餌付けをしなくても、すっかり人馴れしてくれました。 


アルビノ個体は私を迂回するためか、梯子を伝って涸れ水路の中に降りました。 
遊び仲間も合流して、アスレチックのように梯子を昇降したり鎖をよじ登って対岸に渡ったりしました。 

猿が岸壁登攀に使った鎖について説明します。
この水路は岸壁が垂直で深いので(深さ170cm、幅250cm)、水が滔々と流れているときは危険です。 
万一ヒトが誤って水路に落ちた場合に、溺死事故を防ぐための安全対策がいくつも施されています。 
自力で脱出できるように、岸壁のところどころに梯子が設置されています。 
他には、プラスチックの大きな「浮き」が鎖で両岸から吊り下げられており、水路を流されてきたヒトが掴まれるようになっています。(そのような浮きが水路内に等間隔で設置されています。) 

しばらくすると、同じ2頭が対岸からぐるっと回り込んで再び此岸に戻ってきました。(@1:18〜) 
水路の設備を使ったアスレチック遊びがかなり気に入ったようです。 
先を争うように赤い梯子を再び降りて、涸れ水路の底を探索しています。 
わずかに残った水溜りに口を直接付けて水を飲みました。 

水が抜かれた水路の底には、藻が溜まってヌルヌルしています。 
アルビノ個体は、このヌルヌルが足の裏に付く感触を嫌がっているようです。 

遊び仲間と別れた後も、アルビノ子猿が単独で再び梯子を下りました。 
頭を下にして、真っ逆さまに梯子を下ります。 
このときちらっと股間が見えて(@2:21〜)、どうやら♀のようです。 

アルビノ個体は水路の底で左足裏をなるべく濡らしたくないのか、苔むしたコンクリート岸壁の斜めになった所を歩こうとするものの、苔でスリップしてしまいます。 
対岸の底部付近に付着した緑の苔を左手でむしり取りましたが、食べませんでした。 
水溜りからすくい取った藻?も、匂いを嗅いだだけで捨てました。 
苔や藻を食べたいのではなくて、(水生)昆虫を捕食したくて探しているのかもしれません。


【考察】 
ニホンザルのアルビノはメラニン色素が欠乏しているため、体毛が純白なだけでなく、虹彩の色も薄い青色でした。
アルビノ個体の視覚特性は、とても興味深いテーマです。


ChatGPTによると、
アルビノではメラニンが欠如するため、視覚系にいくつかの構造的問題が生じます。

(a) 網膜・中心窩の発達不全
中心窩の形成が不完全になりやすい
→ 視力低下
→ 錐体の密度や配置も最適化されない
(b) 視神経の配線異常
視交叉での神経線維の交叉比率が変化
→ 両眼視・空間認識に影響
(c) 眼内の散乱光の増加
虹彩や網膜色素上皮の色素が薄い
→ 迷光が増える
→ コントラスト低下


Q1: 特に(b)「視神経の配線異常」が興味深い先天的症状です。 そうなる理由は?

アルビノ個体の木登りや梯子の昇降を観察できたが、「両眼視(立体視)が低下し距離感が掴めていない」という印象はなくて、同世代の正常個体の行動と遜色なかった。

特に、アルビノ子猿が水路の底から脱出するためにジャンプして鎖を手で掴むシーンでは、鎖との距離を正しく把握していることが分かります。


A1: 観察されている「行動上はほぼ正常に見える」という点は、実はアルビノ(アルビノ)の視覚特性と矛盾しません。ポイントは、“配線の偏りがある=機能が著しく破綻する”ではないという点です。


視神経の「配線異常」とは何か

通常、霊長類(ニホンザルを含む)では

  • 右視野 → 左脳

  • 左視野 → 右脳

というように、視神経は視交叉で一部が交叉し、一部が同側に残ることでバランスが取れています。

アルビノではメラニン欠如の影響で、この発生過程が変化し、

  • 交叉する線維の割合が増える(過剰交叉)

という傾向が知られています。


なぜメラニンが関係するのか

これは単なる「色素の問題」ではなく、発生生物学的な現象です。

  • メラニンを作る細胞(メラノサイト)やその前駆細胞は
    → 眼の発生過程で軸索誘導(どこへ伸びるか)に関わるシグナルと関係しています

  • 色素上皮(RPE)の正常な分化が
    → 網膜神経節細胞の軸索がどちらへ向かうかの判断に影響

そのため、メラニンが欠けると
→ 軸索が「本来とは違う割合で」交叉してしまう


ではなぜ行動は正常に見えるのか

ここが重要な点で、いくつか理由があります。

1. “ズレ”はあるが、完全な破綻ではない

過剰交叉といっても

  • すべてが異常になるわけではない

  • 視野のマッピングは歪むが消えるわけではない

つまり、
「多少ゆがんだ地図」であっても実用は可能です。


2. 脳の可塑性(補正能力)

若齢個体であれば特に、

  • 視覚野が入力に合わせて再編成される

  • 左右の情報の統合方法を学習的に補正する

その結果、

  • 両眼視の精度は理論上低下していても

  • 行動レベルではかなり補償される


3. 木登りは“視覚だけ”に依存しない

樹上移動や梯子の昇降では

  • 手足の触覚・把握感覚

  • 関節位置感覚(固有受容)

  • 過去の運動経験

が大きく関与します。

つまり、
純粋な立体視(両眼視差)への依存は思ったほど高くない


4. 必要な距離スケールの問題

今回のような行動は

  • 手の届く範囲(数十cmスケール)

での判断が中心です。

この距離では

  • 両眼視差だけでなく

  • 運動視差(頭を動かしたときの見え方の変化)

  • ピント調節

など複数の手がかりが使えます。


5. 個体差が大きい

アルビノといっても

  • 視神経の交叉異常の程度

  • 中心窩の発達

  • 眼振の有無

にはかなり幅があります。

したがって、

  • 行動で違和感がほとんどない個体も普通に存在する


観察結果との整合

あなたの観察した

  • 梯子の昇降がスムーズ

  • 距離判断に違和感がない

という点は、

  • 軽度〜中等度の配線偏位

  • 脳による補償が十分働いている

という状態と非常によく一致します。


まとめ

  • アルビノでは視神経の交叉比率が偏る(発生学的要因)

  • しかしそれは「機能喪失」ではなく「幾何的な歪み」に近い

  • 脳の可塑性と多感覚統合により、行動レベルではかなり補償される

  • そのため、木登りなどでは正常個体と見分けがつかないことも十分あり得る


もし今後さらに観察できるなら、

  • 細い枝先でのジャンプやリーチ動作

  • 強い逆光条件での行動

あたりを見ると、視覚的制約がより現れやすい場面かもしれません。


Q2: 網膜のメラニンが不足すると、なぜ視神経の軸索誘導に影響するのか?


A2: 結論から言うと、アルビノ(アルビノ)で見られる視神経の過剰交叉は、「メラニンそのものがガイド役をしている」わけではなく、メラニンを作る細胞=網膜色素上皮(RPE)の分化状態が乱れることで、軸索誘導に必要な“分子環境”が変わってしまうために起こります。

少し分解して説明します。


1. RPEは“色をつける組織”以上の役割を持つ

網膜の外側にあるRPEは、

  • メラニンを含む(光吸収)

  • 視細胞の維持・栄養供給

  • 発生期におけるシグナル供給

といった役割を担います。

特に発生段階では、RPEは

  • 網膜神経節細胞(将来の視神経になる細胞)が
    どの性質を持つか(どこへ投射するか)

に影響を与える“パターン形成の中心”です。


2. メラニン欠如は「RPEの機能低下」の指標

アルビノでは、

  • チロシナーゼなどの異常によりメラニンが作れない
    → その結果

  • RPEの成熟・分化が不完全になる

ここが本質で、

「メラニンがない」=「RPEの発生プログラムがずれている」

という関係です。


3. 軸索誘導に関わるシグナルが変わる

視神経の軸索は、発生時に

  • 視交叉で交叉するか/しないか
    を決める必要があります。

この判断には、

  • Eph/ephrin 系(反発シグナル)

  • Zic2 などの転写因子

  • Shh(ソニックヘッジホッグ)などのモルフォゲン

といった分子群が関与します。

RPEの異常はこれらの発現パターンに影響し、

  • 本来「同側に残るべき軸索」が
    交叉側として“誤認”される

結果として過剰交叉が生じます。


4. 「鼻側/耳側」の境界がずれる

通常、網膜には

  • 鼻側(交叉する領域)

  • 耳側(交叉しない領域)

という機能的な区分があります。

アルビノでは、

  • この境界の位置や細胞の性質が変化
    耳側の一部が“鼻側的な性質”を帯びる

ため、交叉線維が増えます。


5. なぜメラニン系がそんな影響を持つのか

これは発生学的に見ると、

  • メラニン合成経路(チロシン代謝)は
    → 神経発生に関わるシグナル経路と部分的に重なっている

  • メラノサイト系と神経堤細胞系は起源的に近い

といった背景があります。

そのため、

色素の異常が“神経配線の異常”として現れる
という、一見遠い現象が結びつきます。


まとめ

  • 問題の本質は「色がないこと」ではなく
    → RPEの分化異常

  • RPEは発生期に網膜神経の性質決定に関与する

  • その結果、軸索誘導シグナルが変化し
    → 視神経の過剰交叉が起こる



Q3: アルビノが発生プログラムの比較的上流の異常(細胞分化の異常)とは知りませんでした。だとすれば、アルビノ個体の体内で、実は他の部位でも微細な先天的異常が生じてるのではないか? 


A3: その理解はかなり本質を突いています。アルビノ(アルビノ)は「色がないだけ」に見えて、実際にはメラニン合成とそれに関わる細胞(とくにメラノサイトやRPE)の発生・分化系に関わる変化なので、影響は眼以外にも及び得ます。

ただし重要なのは、
“全身に広範な異常が出る”タイプの疾患ではなく、影響はかなり系統的に偏るという点です。


どこに影響が出やすいか

1. 眼(最も顕著)

すでに話題に出た通りで、

  • 網膜色素上皮(RPE)の機能低下

  • 中心窩低形成

  • 視神経の過剰交叉

など、発生レベルの影響がまとまって現れます。
これはアルビノの中核的特徴です。


2. 皮膚・被毛

  • メラノサイト自体は存在するが、メラニン合成ができない/弱い

  • 紫外線防御が弱い

ここは“色素機能の欠如”がそのまま表に出る領域です。


3. 内耳(重要だが見えにくい)

メラニン系細胞は内耳にも存在し、

  • **血管条(stria vascularis)**という構造の機能維持に関与

そのため種やタイプによっては

  • 軽度〜中等度の聴覚異常

が出ることがあります(ただし霊長類では必ずしも顕著ではない)。


一方で「広く全身に異常が出る」わけではない理由

ここが誤解されやすい点です。

アルビノの多くは、

  • チロシナーゼなどメラニン合成経路の酵素異常

が原因で、

  • 細胞そのものが作れないわけではない

  • 多くの組織の基本的な発生プログラムは正常に進む

つまり、

「特定の細胞系統の機能が抜ける」タイプの異常であって、
全身の発生が広く崩れるタイプではないのです。


ただし例外:症候群型

アルビノの中には、

  • ヘルマンスキー・パドラック症候群

  • チェディアック・東症候群

のように、

  • リソソーム関連小器官の異常
    → 免疫・血小板・肺などにも影響

という全身性の異常を伴うタイプもあります。

ただし、野外で見られるアルビノ個体(ニホンザルを含む)は、多くの場合こうした重篤な症候群ではなく、

  • 眼+色素系に主に限局したタイプ

であることが多いです。


観察個体についての解釈

あなたの観察では

  • 木登り・梯子昇降が正常

  • 採食も問題なし

とのことなので、

  • 神経筋系・運動制御に明らかな異常はない

  • 重篤な全身性症候群の可能性は低い

と考えるのが自然です。

一方で、

  • 視覚系(特に高精細視や強光下)

  • 紫外線耐性

といった部分では、外見以上に差がある可能性は高いです。


まとめ

  • アルビノは発生プログラムの上流に関わるが
    → 影響は「メラニン関連細胞系」に比較的限定される

  • 眼・皮膚・内耳などには微細〜中等度の異常が出うる

  • しかし多くの器官系は正常に発達する

  • 行動がほぼ正常に見えるのはこのため


このタイプの個体は、「ぱっと見の正常さ」と「感覚系の微妙な制約」のギャップが大きいので、野外観察としては非常に興味深い対象です。


Q4: 当地は雪国なので、網膜の色素が薄いアルビノ個体は冬の晴れた日に雪盲や白内障になるリスクが高いのでは? 老いたアルビノ個体を野外で見かけないのは、寿命が短いということか?


A4: 結論から言うと、「雪国ではアルビノ(アルビノ)個体の寿命が短くなりやすい可能性」は十分考えられますが、野外で老齢個体を見かけない理由をそれだけで断定するのは難しい、というのが妥当な整理です。いくつか要因が重なっているはずです。


1. ご指摘の通り:強光・紫外線リスク

雪面環境では

  • 可視光の強い反射

  • 紫外線(特にUV-B)の増加

があり、網膜色素上皮や虹彩の色素が薄い個体では

  • まぶしさ(羞明)

  • コントラスト低下

  • 角膜・水晶体への慢性的なダメージ(白内障リスクの上昇)

が起きやすいのは確かです。

ただし「雪盲(急性の光角膜炎)」は主に角膜の問題で、慢性的な視機能低下とはやや別系統です。とはいえ、総合的には視覚環境としてかなり不利です。


2. 視覚低下が生存に与える影響

ニホンザル(ニホンザル)では

  • 採食(特に選択的採食)

  • 社会的シグナルの読み取り

  • 危険回避

に視覚が関与します。

アルビノ個体では

  • 高コントラスト条件(雪+晴天)での視認性低下

  • 遠距離の識別能力の低下

が蓄積的に効いて、

  • 採食効率の低下

  • 事故リスクの増加

につながり、生涯生存率を下げる方向には働くと考えられます。


3. ただし「それだけで淘汰される」ほど単純ではない

重要なのはここです。

あなたの観察のように

  • 木登り・移動が正常

  • 近距離採食が成立

している場合、

  • 若齢〜成獣初期までは普通に生存できる

可能性が高いです。

つまり、

  • 致命的なハンディではないが、長期的には効いてくるタイプの不利

です。


4. 老齢個体が見えにくい別の理由

(a) そもそも頻度が極めて低い

アルビノは出生頻度が低いため、

  • サンプル数が少ない
    → 老齢個体に出会う確率はさらに低い


(b) 外見上の識別が難しくなる可能性

完全なアルビノであっても、

  • 汚れ・日焼け・被毛の変化

  • 観察条件(距離・光)

によって識別しにくくなることがあります。


(c) 社会的要因

霊長類では

  • 社会順位

  • 他個体との関係

も生存に影響します。

アルビノが

  • 目立つ外見

  • 視覚的シグナルの差

によって微妙な不利を受ける可能性も否定できません(ただし強い証拠は多くない)。


5. 現実的な解釈

総合すると、

  • 雪国の強光環境はアルビノにとって確実に不利

  • その影響は急性ではなく「累積的」

  • 結果として平均寿命が短くなる可能性はある

ただし、

  • 観察されない理由は
    → 低頻度+検出バイアス+複合的な生存不利
    の組み合わせ

と考えるのが妥当です。


まとめ

  • アルビノは雪面反射環境で視覚的に不利なのは確か

  • それが長期的に生存率を下げる可能性は高い

  • ただし老齢個体が見られない理由は単一ではなく、複数要因の重なりと考えるべき


もし継続観察できるなら、

  • 冬季の活動時間帯(直射光を避けるか)

  • 晴天 vs 曇天での行動差

を追うと、この仮説の検証にかなり迫れると思います。


Q5: 当地で暮らすニホンザルの個体群には昔から「白猿」が目撃されていて、地元のヒトは神聖視しています。出生頻度は低いかもしれないが、いつの時代も群れの中にほぼ確実にアルビノが混じって居るという感じです。真のアルビノとは限らず、白化個体が含まれているかもしれない。アルビノや白化という先天的な異常がメンデル型の劣性遺伝だとすると、ヘテロのキャリアが多い(他の地域から遺伝的に隔離された)個体群なのかもしれない。


A5: その推測は方向としてかなり筋が通っています。整理すると、観察事実(「ほぼ常に白い個体がいる」)を説明するには、いくつかの遺伝学的シナリオが考えられます。


1. 単純な劣性遺伝モデルで考える

アルビノ(アルビノ)の多くは、

  • 常染色体劣性(aaで発現)

です。

この場合、集団内のアレル頻度を

  • 正常:A

  • アルビノ:a(頻度 q)

とすると、ハーディ・ワインベルグ平衡では

  • アルビノ個体の頻度:q²

  • キャリア(ヘテロ):2q(1−q)

になります。


2. 「常に見かける」ために必要な条件

仮に

  • 100頭規模の群れで

  • ほぼ常に1頭は白い個体がいる

とすると、かなりラフに言って

  • q² ≈ 1%(= 0.01)程度
    → q ≈ 0.1

となり、

  • キャリア頻度は約18%(2q(1−q) ≈ 0.18)

これは野生動物としてはかなり高い値です。


3. そのような高頻度が成立する理由

(a) 遺伝的隔離(ご指摘の仮説)

  • 山地で群れが半閉鎖的

  • 個体の移出入が少ない

→ 特定アレルが局所的に高頻度化

これは非常に有力な説明です。


(b) 創始者効果(Founder effect)

過去に

  • 少数個体から集団が形成された

  • その中にキャリアが含まれていた

→ 現在まで高頻度で維持


(c) 近交(inbreeding)

  • 血縁個体同士の交配が増える
    → 劣性形質の発現確率が上がる


(d) 表現型の混在(重要)

あなたが指摘している通り、

  • 真のアルビノだけでなく

  • 白化(leucism)や部分白化

が含まれている可能性があります。

ここはかなり効いてきます。

  • 白化は別の遺伝機構(メラノサイトの分布異常など)

  • 眼の色素が正常な場合もある

→ 見た目「白いサル」の頻度は
純粋なアルビノよりかなり高くなる


4. 文化的バイアスも無視できない

「白猿」として認識される場合、

  • 観察者の記憶に強く残る

  • 情報が世代を超えて語り継がれる

結果として

  • 実際の頻度以上に「常にいる」と感じる

可能性もあります。

ただしあなたのように継続観察している場合、これは副次的要因でしょう。


5. 選択圧の観点

通常、アルビノは

  • 視覚・紫外線耐性などで不利

ですが、それでも維持される場合:

  • 不利が「致命的ではない」

  • 中立的に近い(少なくとも若齢期は)

  • 社会的排除が弱い

などが考えられます。


まとめ

あなたの仮説を整理すると:

  • 劣性遺伝で説明可能

  • 頻繁に見られるなら
    → キャリア頻度が高い必要がある

  • その背景として

    • 遺伝的隔離

    • 創始者効果

    • 近交
      が有力

  • さらに
    → 白化個体の混在が見かけの頻度を押し上げている可能性が高い


もし踏み込むなら、識別のポイントとして:

  • 眼の色(赤〜淡色ならアルビノの可能性)

  • 体の一部だけ白いか(白化の可能性)

を記録していくと、この個体群の遺伝的構造にかなり迫れるはずです。

この手の「局所的に高頻度な珍形質」は、野外個体群の進化を考えるうえで非常に面白い題材です。


Q6: 猿害対策で、里に出没するニホンザルを猟師が駆除(射殺)することが、かつては多かった。これは私の想像だが、白猿(アルビノ個体)は目立つものの神聖視されているため、駆除を免れる事例が繰り返され、淘汰圧に影響したのではないか。


A6: その仮説は「あり得るが、単独で頻度を押し上げる主因になるかは慎重に見た方がいい」という位置づけです。仕組みとしては筋が通っています。


1. どういう形で効きうるか(理屈)

ニホンザル(ニホンザル)のように人為的駆除が強い個体群では、

  • 目立つ個体ほど発見・捕獲されやすい(通常は不利)

  • しかし「白猿」を忌避・保護する文化がある場合
    その個体だけ捕獲圧が弱まる

結果として

  • 表現型(白い個体)の生存率が相対的に高くなる

  • とくに繁殖年齢まで生き残る確率が上がる

これは**人為的な“正の選択(保護)”**として働きえます。


2. ただし遺伝子頻度への効き方は限定的

ここが重要です。アルビノ(アルビノ)が劣性(aa)だとすると、

  • 保護されるのは aa個体だけ

  • 集団内の多くは キャリア(Aa) で、見た目は通常個体

したがって、

  • aアレル全体の頻度を上げるには
    → Aa個体の生存・繁殖にも影響する必要がある

白猿保護は主にaa個体にしか作用しないため、

  • 効果は「あるが、強力ではない」
    というのが理論的な評価です。


3. それでも無視できない条件

次の条件が揃うと、影響は現実的になります。

(a) 駆除圧が強い

  • 通常個体が高頻度で除去される
    生き残る個体の違いが遺伝に効きやすい

(b) 白猿が意図的に見逃される

  • 明確な文化的規範がある
    → 偶然ではなく一貫した選択になる

(c) 生存後に繁殖できる

  • 群れ内で排除されない

  • 繁殖機会が確保される


4. 他の要因との“合成効果”が現実的

あなたが前に挙げた

  • 地理的隔離

  • 創始者効果

  • 近交

  • 白化個体の混在

に加えて、

  • 人為的保護(文化的選択)

が重なると、

局所的に「白い個体がいつもいる」状態は十分説明できます。

単独要因というより、

「弱い選択圧が複数重なって効いている」

という見方が一番自然です。


5. むしろ面白い点

この仮説の興味深いところは、

  • 通常:目立つ形質は捕食・捕獲で不利

  • このケース:文化によって逆転する可能性

つまり、

  • 文化が遺伝子頻度に影響する(遺伝–文化相互作用)

の一例になりうる点です。


まとめ

  • 白猿が駆除を免れるなら、生存率は相対的に上がる

  • ただし劣性形質なので、それ単独で頻度を大きく上げる力は限定的

  • 地理的隔離や近交などと組み合わさると、現象全体を説明しやすい

  • 「文化による選択圧」としては十分に現実的な仮説


もし検証に近づけるなら、

  • 過去の駆除記録(白個体の扱い)

  • 白個体の年齢構成(成獣まで生きているか)

  • 群れ間移動の有無

あたりが手がかりになります。これは野外観察と民俗情報がきれいに接続する、かなり面白いテーマです。


Q7: 近交弱勢で衰退しつつあることが分かっているニホンザルの個体群がいたら、他の地域から♂を人為的に導入する施策を行うことが望ましいのか? 国内外来種の問題とどう整合すればよいか?


A7: 結論から言うと、近交弱勢が実証され、自然分散では回復が見込めない場合に限って、他地域からの雄導入(いわゆる genetic rescue)を検討する価値はあるが、国内外来種リスクとの整合はかなり厳密な条件付きになります。野生のニホンザルでは、安易な移植はむしろ問題を増やす可能性があります。


1. まず前提:自然回復が最優先

ニホンザルは通常、

  • 若い雄が出生群を離れて他群へ移入する

という分散があるため、本来はこれが**遺伝子流動(gene flow)**を担います。
したがって最初にやるべきは

  • 分断の原因(道路・市街地・捕獲圧など)を緩和

  • コリドー(移動経路)を確保

です。これで回復するなら人為導入は不要です。


2. 人為導入が正当化される条件

それでも改善しない場合に限り、次の条件を満たすなら検討対象になります。

  • 小集団で近交係数の上昇・繁殖成功の低下が確認されている

  • 周辺からの自然移入がほぼ起きない(地理的に孤立)

  • 絶滅リスクが現実的に高い

  • その個体群を保全する明確な理由(地域固有性・生態系上の役割など)がある

この枠組みは、野生動物管理でいう「遺伝的救済」に相当します。


3. 国内外来種との整合(ここが核心)

同じ種でも地域が違えば、

  • 遺伝的系統

  • 病原体相

  • 生態的適応

が異なります。無計画に導入すると

(a) 遺伝子撹乱(outbreeding)

  • 局所適応の破壊

  • 不適合な遺伝子組み合わせの出現

(b) 疾病の持ち込み

  • 新規病原体の侵入

  • 既存個体群の崩壊リスク

(c) 行動・人馴れの差

  • 農作物被害の悪化

  • 管理難易度の上昇

つまり、国内外来種問題と本質的に地続きです。


4. 現実的な折衷案(ガイドライン的発想)

人為導入をやるなら、少なくとも以下が必要です:

① 遺伝的に近い供給源を選ぶ

  • 同一の地域集団(できれば隣接個体群)

  • 系統解析(mtDNA・核DNA)で距離を確認

② 少数の雄に限定

  • 雄は自然でも移出入する性
    → 社会構造への影響が小さい
    → 遺伝子流入を最小限で確保

③ 健康・病原体スクリーニング

  • 結核・寄生虫・ウイルス等のチェック

④ 段階的導入+モニタリング

  • 一度に多数入れない

  • 繁殖成功・行動変化・遺伝構造を追跡


5. 重要な視点:守るべきものは何か

ここを曖昧にすると判断を誤ります。

  • 個体群の存続を優先するのか

  • 地域固有の遺伝的特徴を守るのか

両者はしばしばトレードオフです。

極端に言えば:

  • 絶滅寸前 → 遺伝的純度を多少犠牲にしても救う

  • まだ余裕あり → 人為介入は控える

という判断になります。


6. あなたの事例への当てはめ

これまでの話(白猿が継続的に見られる集団)からすると、

  • 完全な崩壊状態ではなさそう

  • むしろある程度の個体数と再生産が維持されている

可能性が高いです。

この場合、

  • 近交弱勢が「実測データで確認される」までは
    人為導入は見送るのが原則

になります。


まとめ

  • 雄導入は理論的には有効(genetic rescue)

  • しかし国内外来種問題と表裏一体でリスクが大きい

  • 実施は「孤立・近交弱勢・絶滅リスク」が揃った場合に限定

  • その際も遺伝的近縁個体から少数を慎重に導入

  • 多くの場合はまず「自然分散の回復」が優先


このテーマは、生態学・遺伝学・地域社会の価値観が交差する典型例です。現場ごとに最適解が変わるので、もし実際に検討対象の個体群があるなら、その規模や孤立度、被害状況などをもう少し具体的に見ていくと判断の精度が上がります。


Q8:ヒトでもアルビノ個体は視神経の配線に異常が生じるのか?


A8: はい。ヒトでもアルビノ(アルビノ)では視神経の配線に特徴的な異常(過剰交叉)が生じることがよく知られています。


何が起きているのか

通常のヒト(ヒト)では、視交叉で

  • 網膜の鼻側から来た線維 → 反対側へ交叉

  • 耳側から来た線維 → 同じ側に残る

というバランスになっています。

アルビノではこのバランスが崩れ、

  • 本来は同側に残るはずの線維の一部まで交叉してしまう(過剰交叉)

という状態になります。


なぜ起きるのか(要点)

原因は単なる「色の欠如」ではなく、発生過程でのシグナル異常です。

  • 網膜色素上皮(RPE)のメラニンが不足

  • それに伴い、軸索誘導に関わる分子環境が変化
    → 視神経線維が「どちらへ進むか」の判断がずれる


どの程度の影響が出るか

この配線異常は多くの症例で確認されますが、影響の出方は幅があります。

よく見られる関連所見は:

  • 立体視(精密な両眼視差)の低下

  • 眼振(無意識の眼球運動)

  • 視力低下(中心窩低形成を伴うことが多い)

ただし重要なのは、

  • 両眼視そのものが完全に失われるわけではない

  • 日常行動(歩行・階段昇降など)は通常問題なく行える

という点です。


あなたの観察との関係

ニホンザルで見られた

  • 距離感に違和感がない

  • 樹上移動がスムーズ

という印象は、ヒトのアルビノでもよくある状況と対応しています。

つまり、

  • 配線には偏りがある

  • しかし脳がその入力に適応する

  • さらに触覚・運動感覚などが補助する

ことで、行動レベルではほぼ正常に見えることが十分あり得ます。


まとめ

  • ヒトでもアルビノでは視神経の過剰交叉が生じる

  • これは発生段階でのメラニン欠如に起因する

  • 視覚機能には影響が出るが、行動上は大きく補償されることが多い


霊長類で共通して見られる現象なので、今回の野外観察はヒトのケースともかなり整合的な内容と言えます。

2026/05/15

スギ防風林で溜め糞場の雪かき後に排便するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月下旬・午後19:25頃・気温-3℃ 

雪深いスギ防風林にあるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場wbcを自動センサーカメラで見張っています。 

ある晩に単独で登場したタヌキは、鼻先に雪をつけていました。 
あざとい個体ですね。 

新雪に埋もれた溜め糞場の匂いを嗅ぎまわり、雪面を前足で掘り始めました。 
雪面に露出した糞塊もあるのに、なぜか違う場所を掘っています。 
溜め糞場での雪かきは初見の行動です。 
浅く掘った穴に跨って、排便しました。 
自分が何度も繰り返し排泄している、お気に入りの地点があるのもしれません。 

後半はクゥーン♪と小声で鳴きました。 


つづく→

ホンドタヌキの帰巣を見届けた後で巣口に降り立つ雪国のハシブトガラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年2月下旬・午前10:40頃・降雪・気温3℃ 

小雪がちらつく日中に、外出から戻ったホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が二次林内の巣穴Rに潜り込みました。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が澄んだ声でカーカー♪鳴く声が断続的に聞こえます。 
しばらくすると、ようやく1羽のハシブトガラスが(勇気を出して?)飛来し、巣口Rの雪面に着地しました。 
その後の展開が気になりますけど、ここで1分間の録画が終わっていました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/05/14

晩冬に防風林を横切りスギの木に登るニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2025年2月下旬 ・午前10:20頃および午後13:10頃・晴れ

雪国のスギ(杉)防風林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の通う溜め糞場WBCを自動撮影カメラで見張っています。 
ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の登場シーンをまとめました。 
この地点でニホンザルが写ったのは初めてです。

晴れて気温が上がるとスギ林の雪面は溶けて、腐れ雪(湿雪)になっています。 
獣道を通って奥から次々にニホンザルの群れがやって来ました。 
タヌキの溜め糞は雪の下に埋もれていて、サルは興味を示しませんでした。 

ある子猿は、口に何か丸い餌を咥えたまま運んで来ました。 
白い雪が付着していて、餌の正体は不明です。 
何かの果実でしょうか? 

元気いっぱいの子猿たちは、助走をつけたままスギの幹に跳びついて、よじ登りました。 
子猿の木登りシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@x:xx〜) 
監視カメラに興味を示したのかと思いきや、どうも違うようです。 
雪面に落ちた影の動きを見ると、樹上のニホンザルは、何か採食しているようです。 
もしかすると、スギ林に隣接する落葉灌木からぶら下がった蔓植物キカラスウリの熟した瓢果をニホンザルは食べたのかもしれません。 

関連記事(同所同時期の撮影)▶ 雪国の森で厳冬期も樹上にぶら下がっているキカラスウリの熟果 


顔が紅潮した成獣♀の1頭は、黒い首輪を装着していました。 
この首輪装着個体は、同じ日の午後にもう一度登場します。

後半は、子猿がスギの木に登った後で、小声で甲高く鳴く声が聞こえます。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/05/13

晴れた昼間に雪原の巣穴入口で日光浴するホンドタヌキ:2月中旬【トレイルカメラ】

 



2025年2月中旬・午後13:55頃・晴れ 

雪深い休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地をトレイルカメラで見張っています。 

晴れた日中に巣穴から外に出てきたタヌキが巣口でフニュー♪と甲高い声で鳴きました。 
日が高く昇ると、雪面からの照り返しで眩しく、画面は白飛びしてしまいます。 

タヌキはしばらく日光浴を楽しんでから、その場で自分の尻尾を毛繕い。 
最後は巣穴に潜り込む尻尾がチラッと見えました。 

監視カメラが記録した気温は46℃まで上昇したと表示されていますが、もちろんそんなはずはありません。 
直射日光と雪面からの照り返しを浴びて、トレイルカメラの表面温度が過熱したのでしょう。 
危険なレベルの温度ですが、幸い故障せずに済みました。 

タヌキも晴天の雪原で日光浴したくても、眩しくてたまらないのではないでしょうか。
夜行性の動物は、夜の暗闇で乏しい光で効率よく見るために、目の中にタペータム(輝板)という組織があります。
タペータムが仇となって雪目(雪眼炎)にならないような仕組みが、雪国の夜行性動物にはあるのでしょうか?




※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/05/12

晩冬のスギ林でタヌキの溜め糞場の匂いを嗅いでから往来する雪国のホンドギツネ【トレイルカメラ】

 



2025年2月下旬

シーン0:2/16・午後15:15・晴れ・気温23℃(@0:00〜) 
雪が積もったスギ防風林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場wbcを自動撮影カメラで見張っています。 

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:2/26・午前7:41・くもり・気温2℃(@0:05〜) 
奥から来た冬毛のキツネが、タヌキの溜め糞の匂いを嗅いでから、左下手前に立ち去りました。 
尻尾の毛がフサフサした健常個体です。 
タヌキに対抗して、キツネが同じ場所に糞尿を排泄することはありませんでした。 

スギ林床の雪面は凍っていて、キツネが歩いても足跡は残りません。


シーン2:2/26・午前7:50・くもり・気温2℃(@0:18〜) 
9分後に、同一個体と思われるキツネが、左から戻って来ました。 
今回はタヌキの溜め糞に興味を示さず、横を素通りしました。 
タヌキがよく通う獣道を辿って、右上奥へ向かいます。 


つづく→

2026/05/11

雪原の営巣地で朝に日光浴する合間に巣口の雪かきをするホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ】

 



2025年2月中旬・午前8:10〜8:30頃

雪深い休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の家族が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:2/15・午前8:09・晴れ・気温7℃(@0:00〜) 
おそらく出巣直後と思われる♀♂ペアが、前足で巣口の雪かきをしています。 
外に出てくると、身震いしました。 


シーン2:2/15・午前8:11・晴れ(@1:00〜)
タヌキのペアが巣口で互いに逆方向(左右)を向いて佇んでいます。 
周囲を警戒しつつ、日向ぼっこしているのでしょう。 
やがて右の個体が欠伸をしましたが、口から出る白い湯気は見えませんでした。 (気温が高かったせいでしょう。) 
逆方向を向いているパートナーに欠伸は伝染しませんでした。 

しばらくすると、左の個体が身震いしました。 


シーン3:2/15・午前8:13・晴れ(@2:01〜)
休憩が終わり、玄関(巣口)の雪かきを再開。 
前足で積雪を後方に勢い良く跳ね上げています。 
除雪作業の合間に身震いしました。 


シーン4:2/15・午前8:16・晴れ(@3:01〜)
ペアのうち1頭が雪原を右下手前へ歩き出しました。 
凍った雪面には新雪がうっすらと積もっていて、タヌキが歩くと足跡が残ります。 
林縁で立ち止まって振り返っても、パートナーは付いて来ません。 


シーン5:2/15・午前8:18・晴れ(@4:02〜)
結局、先行個体(体格の大きな♂)は右下の林縁から巣穴に戻って来ました。 
♂が外出に誘っているのに、この日の♀は出不精なのでしょう。 
♂が巣口に顔を突っ込んで念入りに匂いを嗅いだものの、中には入りませんでした。 
そのまま後ろ向きで外に出てくると、ペアが巣口で並びました。 
タヌキは言葉を交わせないのに、パートナーの意図をどうやって汲み取るのですかね? 


シーン5:2/15・午前8:20・晴れ(@5:03〜) 
巣口で日光浴していた個体が毛繕いを始めました。 
ペアが巣口で身を寄せ合っていますが、互いに逆方向を向いています。 


シーン6:2/15・午前8:22・晴れ(@6:03〜)
ペアの片方が巣口に潜り込んで雪かきしている最中に、外で待っている個体が欠伸しました。 

♂が巣外に出て身震いし、♀の尻の匂いを嗅ぎました。 
♀の発情状態を確認してるようです。 
(残念ながら、尻切れトンボで録画が打ち切られました。) 


シーン7:2/15・午前8:26・晴れ(@7:04〜)
 ♂が再び巣口の窪みに入り、雪かき作業を再開。 
♀は横で佇んでいるだけです。 
♂もすぐにさぼって、並んで日光浴を始めました。 


シーン8:2/15・午前8:27・晴れ(@8:05〜)
♂が完全に巣穴に潜り込んだようです。 
雪かきを♂に任せて巣口で待機していた♀もようやく入巣。 


つづく→

2026/05/10

マンサクの樹上で虫を捕食するニホンザルの若いアルビノ

 

2024年9月中旬・午前11:35頃・晴れ 

山麓を遊動するニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れの中に若い白猿を見つけました。 
体毛が純白で瞳の色素が薄いので(青い瞳)、白変種ではなく、アルビノと思われます。 
顔や手足の皮膚が露出している部分は、血色の良いピンク色でした。 
群れの中でひときわ目立つので、しばらくこの個体に注目して観察することにします。 

林縁に自生するマンサクの灌木に駆け寄ると、一気によじ登りました。 
横枝の先まで登ると、私を凝視しています。 
高い樹上という安全地帯からなら、ヒトも怖くないようです。 

葉裏に隠れていた何かの虫を見つけて、直接食べました。 
白猿の口の端が緑色の汁で汚れたので、イモムシ(鱗翅目の幼虫)を捕食したのではないかと推測しています。 
この成功体験に味をしめた白猿は、マンサクの細い枝を手で引き寄せると、葉をかき分けたり裏返したりして、マンサクの葉裏を丹念に調べています。 
「二匹目のどじょう」ならぬ「二匹目のイモムシ」を狙っているようです。 
マンサクの葉も少しだけ齧って食べたようにも見えましたが、どうでしょうか。 


つづく→


【考察】 
マンサクの葉に居た虫の正体について、私には心当たりがありません。
かなり昔に、クスサンという蛾の幼虫が食樹でもないのにマンサクの枝で右往左往していたのを観察したことがあるぐらいです。

関連記事(16年前の撮影)▶ マンサクの枝先にクスサン幼虫(蛾) 

ChatGPTに色々と質問してみました。 

Q1: 9月中旬に山形県の山麓でニホンザルがマンサクの樹上に登り、採食していた。緑の葉を少し齧っていたが、枝葉をめくって何か葉裏に隠れている虫を丹念に探していた。マンサクの葉によく集まる、アブラムシなどの虫は知られているか?

A1: 結論から言うと、マンサク(マンサク)の葉に「特定の有名なアブラムシが大発生する」というような、よく知られた関係はあまり報告されていません。少なくとも、サクラとサクラアブラムシのような典型的な“強い対応関係”は知られていない樹種です。

ただし、今回の観察内容(葉をめくって裏面を丹念に探す)から考えると、サルが狙っていたのはかなり典型的に次のような小動物群です。

葉裏で見つかりやすい餌候補

  • アブラムシ類(アブラムシ)

  • カイガラムシ類(カイガラムシ)

  • ハダニ類(ハダニ)

  • 小型のガやハムシ類の幼虫

これらは特定の樹種に厳密に依存しない“広食性”の種も多く、マンサクにも状況次第で普通に付きます。特に山麓のような環境では、周囲の植生や季節条件によって一時的に個体数が増えることは十分あり得ます。

マンサクに関する補足

マンサクはタンニンなどを多く含むため、一般に「食害を強く受けにくい側の樹種」とされることが多く、
→ その結果として

  • 大型で目立つ食害(葉を食い尽くすような昆虫)は少なめ

  • 代わりに、葉裏に付く微小な吸汁性昆虫は見逃されやすい

という傾向があります。

ニホンザルの行動との対応

ニホンザル(ニホンザル)が見せた

  • 葉をめくる

  • 1枚ずつ確認する

  • 少量ずつ採る

という行動は、既知の採食行動の中では**「葉上・葉裏の小型無脊椎動物の採食」**とよく一致します。
特に初秋(9月中旬)は、夏に増えたアブラムシやダニ類がまだ残っている時期なので、タイミングとしても自然です。


まとめると、

  • マンサクに特異的な“有名なアブラムシ”は特に知られていない

  • しかし葉裏には一般的な小型吸汁性昆虫が付きうる

  • 観察されたサルの行動は、それらを狙った採食として非常に妥当

もし可能であれば、同じ場所でマンサクの葉裏を実際にめくってみると、かなりの確率で何らかの微小動物(あるいはその痕跡)が確認できると思います。


Q2: ニホンザルは生きたイモムシ(鱗翅目の幼虫)を捕食するか? 

A2: 結論から言うと、ニホンザル(ニホンザル)は生きたイモムシ(鱗翅目幼虫)を捕食します。頻度は高くありませんが、行動としては十分に知られている範囲です。

どの程度一般的か

ニホンザルは雑食性で、

  • 果実・種子・芽・樹皮

  • 昆虫・クモなどの無脊椎動物

を利用します。昆虫食は主食ではないものの、

  • とくに若齢個体やメスで観察例が多い

  • タンパク質補給として利用される

と考えられています。


イモムシに対する採食行動

イモムシ(鱗翅目幼虫)は

  • 動きが遅い

  • つかみやすい

  • 栄養価(特にタンパク質・脂質)が高い

ため、見つければ捕食対象になります。

実際の行動はあなたの観察とよく一致していて、

  • 葉をめくる

  • 枝葉を丁寧に探る

  • 見つけたらその場で口に運ぶ

という**“探索型の昆虫採食”**が見られます。


注意点:すべてのイモムシを食べるわけではない

ただし重要なのは、

  • 有毒・刺激毛を持つ種(ドクガ類など)

  • 強い化学防御を持つ種

回避される傾向があることです。

したがって、

  • 「無差別に捕食する」のではなく

  • 選択的に食べている

可能性が高いです。


あなたの観察との整合

前に述べられていた

  • マンサクの葉をめくって探す行動

は、

  • アブラムシなどの小型吸汁昆虫

  • あるいは小型のイモムシ

のどちらにも当てはまりますが、

  • 「丹念に探す」「やや大きめの餌を想定できる動き」

という点からは、**単なる微小昆虫よりイモムシのような“目に見える獲物”**を探していた可能性も十分あります。


まとめ

  • ニホンザルは生きたイモムシを捕食する

  • ただし主食ではなく、機会的・選択的な利用

  • 葉をめくる探索行動は典型的な昆虫採食の一形態

  • 有毒種は回避する可能性が高い


もし再観察できるなら、

  • 採食直後の咀嚼時間(イモムシは比較的長い)

  • 手でつまんでいるか、直接口で取るか

などを見ると、餌のサイズや種類の推定精度が上がります。



Q3: マンサク樹上で採食していたニホンザル個体は若いアルビノだった。瞳の色素も薄かった。アルビノ個体の色覚は正常なのか?

A3:結論から言うと、ニホンザル(ニホンザル)のような霊長類で見られるアルビノ(アルビノ)個体では、色覚は「完全に正常」とは言いにくく、多くの場合で何らかの低下や異常を伴うと考えられます。

ポイントは「色覚そのもの(錐体の機能)」と「それを支える眼全体の構造・光学条件」を分けて考えることです。


1. 錐体の種類そのものは保たれることが多い

ニホンザルはヒトと同じく三色型色覚(L・M・Sの3種類の錐体)を持ちます。
アルビノでも錐体の種類自体が消失するわけではないので、

  • 理論上は三色型色覚の“回路”は残っている

と考えられます。


2. しかしメラニン欠如による二次的影響が大きい

アルビノではメラニンが欠如するため、視覚系にいくつかの構造的問題が生じます。

(a) 網膜・中心窩の発達不全

  • 中心窩の形成が不完全になりやすい
    → 視力低下
    → 錐体の密度や配置も最適化されない

(b) 視神経の配線異常

  • 視交叉での神経線維の交叉比率が変化
    → 両眼視・空間認識に影響

(c) 眼内の散乱光の増加

  • 虹彩や網膜色素上皮の色素が薄い
    → 迷光が増える
    → コントラスト低下


3. 色覚への具体的な影響

これらの結果として、

  • 色の弁別能力(特に微妙な差)は低下しやすい

  • 明るい環境ではまぶしさ(羞明)が強く、視覚情報の質が落ちる

  • コントラスト感度の低下により、色の識別が間接的に悪化

つまり、
「三色型ではあるが、実用的な色覚性能は低下している可能性が高い」
という状態です。


4. 行動観察との関係

今回の観察のように

  • 葉をめくる

  • 近距離で丹念に探す

という採食は、

  • 色覚よりも近距離視・動き検出・触覚的探索に依存する側面が強い

ため、アルビノでも十分成立します。むしろ

  • 視力低下を補うために探索行動が丁寧になる

可能性もあります。


まとめ

  • アルビノ個体でも三色型色覚の基本構造は残る

  • ただしメラニン欠如に伴う眼の発達異常により
    → 色の識別能力は通常個体より低い可能性が高い

  • 近距離での昆虫採食のような行動には大きな支障は出にくい


もしその個体を継続観察できるなら、

  • 強い直射日光下での行動(目を細める・日陰を好むか)

  • 採食時の距離(顔をどれくらい近づけるか)

などを見ると、視覚特性との関連がもう少し見えてくると思います。







【アフィリエイト】 

2026/05/09

林内の越冬用巣穴に来て鳴く雪国のホンドタヌキ:1月下旬〜2月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2025年1月下旬〜2月上旬〜中旬 

シーン0:1/20(@0:00〜) 
雪深い落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 
巣穴Lは深雪の下にすっかり埋もれてしまい、どうやら使われていないようです。 
もう一つの巣穴Rの入口はまだ辛うじて開口しています。 

厳冬期に往来するタヌキの記録をまとめました。 
特筆すべき行動は個別の記事にしたので、残り物になります。 

大雪が積もったので、灌木の幹に固定してある監視カメラの高さが地面(雪面)に対して相対的に下がり、赤外線の暗視モードでもタヌキに存在を気づかれやすくなり、露骨に警戒されるようになりました。 
私がときどき現場入りする度に、カメラの固定位置を幹の上にどんどんずらしたのですが、記録的な積雪量にとても追いつきません。


シーン1:1/21(@0:48〜) 

シーン2:1/22(@1:07〜) 

シーン3:1/23(@1:34〜) 
夜霧が立ち込める未明にタヌキが登場しました。 

シーン4:1/25(@1:59〜) 

シーン5:1/27(@2:32〜) 
放射冷却現象で冷え込み、雪面がガリガリに硬く凍っています。 


シーン6:2/2(@2:53〜) 
巣口Rの匂いをしばらく嗅いでいましたが、中に入れたかどうか不明です。 


シーン7:2/10(@3:17〜) 
更にドカ雪が積もって、営巣地の景色が一変しました。 

雪が降り続く晩にペアで来たタヌキが巣口Rの近くで並んで佇み、顔を寄せ合っています。 
相互毛繕いを始めました。 
やがてペアの片方が右に立ち去り、残った個体は巣穴Rに入りました。 
巣穴Rで少なくとも2頭のタヌキが越冬していることが、監視カメラの映像でようやく確かめられました。 

巣口Rに独り佇むタヌキがクゥーンと小声で甲高く鳴きました。(@5:37〜) 
深雪をラッセルしながら右から来たペアが巣口Rを素通りして、左へ向かいました。 
後続個体は、巣口Rをちょっと覗き込んでから、先行個体の作ったラッセル跡を辿って左に進みます。 


シーン8:2/11(@6:44〜) 
右から独りで来たタヌキが巣口Rでクゥーン♪と呼びかけるように鳴くことが多いです。 
パートナーが留守で心配しているのかな?と(擬人化して)想像しているのですが、タヌキの個体識別できていないので定かではありません。 

シーン9:2/12(@8:55〜) 
未明に右から左へ巣口Rを通り過ぎました。 

シーン10:2/13(@9:34〜) 
みぞれが降る未明に左から来た単独タヌキが巣穴Rに入りました。 

シーン11:2/14(@9:52〜) 
珍しく明るい時間帯(夕方)にタヌキが写りました。 
おそらく巣穴Rから出た直後で、右に向かいます。 
右の死角からクゥーン♪と鳴く声が聞こえました。 

右から来たペアが、巣穴Rの状態を点検してから、左に立ち去りました。 
後続個体(♀?)はしばらく名残惜しそうに巣穴Rに留まっていましたが、尻尾を高々と上げたまま、左へ歩いて行きます。 
林床の雪面は溶けかけた湿雪で、歩きにくそうです。 

しばらくすると、なんと3頭目のタヌキが巣口Rから顔を出して、さっきの訪問者を見送りました。 

その日の深夜には、独りで左へ立ち去るタヌキが写っていました。 

シーン12:2/15(@12:04〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2026/05/08

ホンドタヌキの巣穴がある雪原を昼夜うろつくホンドギツネ:2月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月中旬

シーン0:2/16・午後14:30・くもり(@0:00〜) 
雪深い休耕地でホンドタヌキの家族が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:2/16・午後21:35・気温0℃(@0:03〜) 
尻尾がフサフサした個体が晩に現れ、タヌキ営巣地の雪原を横切りました。 
雪面は凍っていて、キツネが歩いても足跡が残りません。 
タヌキの巣口に立ち寄るかと思いきや、避けるように戻って行きました。 

余談ですが、レンズの至近距離にいつの間にか細い糸が張り巡らされていて、それが夜風に揺れています。 
変温動物のクモは休眠越冬しているはずなのに、厳冬期の夜にクモの糸が写るのは意外でした。 
どうやら、晴れて気温が上がる昼間にクモが覚醒して活動していたようです。 


シーン2:2/18・午前11:58・降雪・気温2℃(@0:24〜) 
なんと真っ昼間から、冬毛のキツネが登場しました。 
今回も尻尾がフサフサした健常個体です。 
雪が降る中、左から来たキツネが、なぜか突然、手前に向かって走り出しました。 
手前にある落葉二次林内に何か獲物でも見つけたのでしょうか? 
新雪にキツネの足跡が残ったものの、白飛びしていて見えにくいです。 


つづく→

2026/05/07

雪原の巣穴に出入りする1〜3頭のホンドタヌキ:1月下旬〜2月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2025年1月下旬〜2月中旬 

シーン0:1/20・午後12:59・晴れ(@0:00〜) 
雪深い休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
昼間に晴れると雪原からの反射が眩しくて(白飛びして)、足跡などは見えません。 


シーン1:1/21(@0:07〜) 
夜になると、赤外線の暗視カメラで雪原の足跡がしっかり見えるようになります。 
巣口から四方八方に足跡が伸びている(放射状に6本の獣道)ことが分かります。 


シーン2:1/22(@0:15〜) 


シーン3:2/1(@0:24〜) 
新雪が積もった雪原には足跡が一つも付いていません。 
静かな晩に相次いで登場した3頭のタヌキが、新雪の下に完全に埋もれてしまった巣口を素通りしています。 

3頭のタヌキが行動を共にしているのは珍しいです。 
親子なのかな? 
それとも、発情の近い♀を♂がストーカーしているのでしょうか。 


シーン4:2/8・午前後・気温(@1:04〜) 
いつの間にか、監視カメラの画角が斜めにずれていました。 
奥に見える地平線は本来、水平になっているはずです。 
営巣地は深い新雪で覆われ、動物の足跡が完全に消えています。 

雪が激しく降りしきる深夜に、巣穴からタヌキのペアが外に出てきました。 
(そもそも、大雪が降る前に巣ごもりする際の入巣シーンがなぜか撮れていません。) 
先行個体が雪原をラッセルしながら右に立ち去りました。 
しばらくすると、後続個体がパートナーのラッセル跡を忠実に辿って外出します。 
それでも深雪ラッセルの苦行を強いられます。 
このペアが帰巣するシーンも撮れていません。 


シーン5:2/10(@1:48〜) 
2日後の小雪がちらつく晩も、ペアで巣穴から外出します。 
再び営巣地は新雪で覆われ、雪原の足跡がすっかり消えていました。 
先行個体が雪原をラッセルしながら、珍しく左下手前に立ち去ります。 
しばらく巣口で油を売っていた後続個体が、ようやく外出しました。 
先行個体のラッセル跡を忠実に辿っても、深雪に難儀しています。

2.5時間後に先行個体が帰巣しました。 
出かける際に作ったラッセル跡を忠実に辿って巣口まで辿り着きました。 
2頭が通った後なので、帰路にラッセルは不要で、かなり楽に歩けます。 
巣口の匂いを嗅ぎ、周囲を警戒しています。 
後続個体の帰りを待っているのかな? 

5.5分後に後続個体が同じラッセル跡の獣道を辿って易々と帰巣しました。 
出迎える先行個体はおらず、すでに巣内に入った後でした。 

アニマルトラッキング(動物痕跡学)の本に書いてある通り、タヌキが雪面を歩くと、左右2列の足跡が付くことが実際に映像を見るとよく分かります。 
尻尾の先で雪面を擦りながら歩いています。 
それに対してキツネは肩幅が狭いのか、1列の足跡しか付かないので、足跡の付き方から見分けられます。 

この個体も入巣シーンを撮らせてくれませんでした。
もしかすると、タヌキは暗闇で怪しく光る(赤外線を照射する)監視カメラの存在に気づいていて、起動中は入巣しないように用心しているのかな? 
(使用中のトレイルカメラは、1分間の録画をした後に少なくとも5秒間休止してから、待機モードに戻ります。) 


シーン6:2/11(@3:21〜) 
翌日も晩にタヌキが活動していました。 


シーン7:2/12(@3:31〜) 
巣口を中心に、複数の古い足跡が雪原に縦横無尽に残っています。 
どうも、監視カメラの撮り損ねが多いようです。 
低温でアルカリ電池の電圧が低下しているのでしょう。 
それとも、冬毛で覆われたタヌキの毛皮の断熱性能が高くて、トレイルカメラのセンサーが熱源の動きを検知できないのでしょうか。 

タヌキのペアが晩の早い時刻に巣穴から出かけて行きます。 
新雪はそれほど積もっていなくて、ラッセルは不要でした。 

後続個体は出かけるのが億劫なのか、巣口にしばらく留まっています。 
その間に、周囲を見回したり身震いしたり、欠伸したり。 
痺れを切らした先行個体が右から戻ってきて、後続個体を迎えに来ました。 
一緒に出かけようと誘ってるようです。 
戻ってきた先行個体が、巣口で居座るパートナーの横を通り過ぎる際には、尻尾を高々と持ち上げました。 
どういう意味のボディ・ランゲージなのでしょう?
性フェロモンで誘っているのではないかと、勝手に想像しました。
それでも後続個体は外出を渋り、一歩も動かずに巣口の匂いを嗅いでいます。 

この後どうなったのでしょうか。
後続個体も重い腰を上げて渋々外出したのか、それとも巣穴に籠もってしまって、先行個体だけが独りで外出する羽目になったのか、監視カメラの映像からは不明です。 

1.5時間後にタヌキが営巣地を右から左へ横切りました。 
(余所者の個体かも?) 


シーン8:2/13(@5:30〜)日の出時刻は午前6:29。 
まだ薄暗い日の出前に、外出から戻ったタヌキが巣穴に入りました。
(タヌキは基本的に夜行性なので、「朝帰り」の意味合いがヒトとは違います。) 

17.5時間後の深夜に監視カメラが起動すると、早朝に帰巣したタヌキの足跡が雪原にしっかり残っています。 
右からタヌキが新雪の雪原をラッセルしながら営巣地にやって来ました。 
雪原に開口した巣口を真っ直ぐに目指しています。 
巣口の匂いを嗅いだものの、中には入らず右へ引き返しました。 
余所者のタヌキだったのかな? 


シーン9:2/14(@6:31〜) 
雪が激しく降る未明に、タヌキが単独で営巣地の雪原をうろついています。 
ようやく巣穴に入ったのに、ちょっと内見しただけで、すぐに後ろ向きで外に出てきました。 
その後も雪原を行ったり来たりしています。 

珍しく明るい夕方に巣穴から出てきたと思われるタヌキが、雪原をゆっくり歩いて右へ向かいました。 
溶けかけた湿雪(腐れ雪)に足がズボズボ潜って歩きにくそうです。 


シーン10:2/15(@9:03〜)日の入り時刻は午後17:21。 
雪明りのため、日没後もしばらくは明るいです。 
タヌキのペアが巣穴から外に出てきました。
巣口で身震いしたり、ストレッチ運動(前脚を揃えて前に伸ばし背中を弓なりに伸ばす)をしたりするのが、お出かけ前のルーチンです。 
雪面は硬く締まっているようで、タヌキが歩いても足跡が残りません。 

しばらくすると、3頭目の個体が巣穴から外出しました。 


シーン11:2/16(@9:54〜)日の出時刻は午前6:25。 
まだ真っ暗な未明に、タヌキのペアが相次いで採餌から営巣地に戻って来ました。 
雪面はガリガリに凍結しています。 
巣口で合流すると、待っていた先行個体が巣穴に潜り込みました。 
後続個体も入巣しかけたところで、録画終了。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
個体識別が出来ていないので、登場したタヌキ(巣穴に同居しているタヌキ)は3頭以上いるかもしれません。 
タイトルはあくまでも、動画で同時に撮れた個体数が最大で3頭だった、という意味です。 

今季は記録的な積雪量になりました。
深雪を掻き分けるようにラッセルしたり、凍結した雪面を歩いたり、雪国のホンドタヌキは厳冬期も逞しく活動しています。


2026/05/06

芝生の庭で取っ組み合いをして遊ぶニホンザルの幼獣

 

2024年11月中旬・午後13:30頃・晴れ 

山麓にある芝生が敷かれた広い庭でニホンザルMacaca fuscata fuscata)の幼獣2頭が格闘遊びを繰り広げていました。 
相手を組み伏せても甘噛みするだけで、本気の闘争(喧嘩)ではありません。 
そのまま追いかけっこ遊びに移行し、画角から消えました。 
やや遠いせいか、鳴き声は聞き取れませんでした。

2026/05/05

林内の深雪に埋もれた巣口で野ネズミを狩ろうと突進するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月中旬・午後23:00頃・気温-1℃ 

大雪が積もり、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する落葉二次林内の巣穴Rがすっかり埋もれてしまったようです。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

晩遅くに右から単独で来たタヌキが、巣口Rの雪面に突然飛びかかりました。 
おそらく、雪の下に野ネズミ(ノネズミ)が動く気配を感じて、狩ろうとしたのでしょう。 
キツネやテンの狩りのように、前脚を揃えて飛びつきました。 

関連記事(2ヶ月、1年前の撮影)▶  


1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:18〜) 
モナカ状に表面だけ硬く凍った雪面で後足が踏ん張れず、踏み抜いてしまってバランスを崩し、狩りは失敗に終わりました。 

その後、タヌキはすごすごと右に立ち去りました。 

在巣のタヌキ個体を脅かして立ち退かせ、巣穴を乗っ取ろうとしている?という可能性も思いつきましたが、穿ち過ぎの解釈でしょう。 


2026/05/04

休耕地の雪原を夜に跳ね回り、座って毛繕いする冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年2月中旬

シーン0:1/20・午後12:59・晴れ(@0:00〜) 
大雪の積もった休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 

冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が登場したシーンをまとめました。 


シーン1:2/13・午前4:07・みぞれ・気温-1℃(@0:05〜) 
奥に見える地平線(農道)は水平なのですが、灌木に固定してあるトレイルカメラがいつの間にか斜めにずれてしまいました。 

厳冬期のみぞれが降る未明に、雪原を右下から右上奥へ走り去るノウサギの後ろ姿が写っていました。 
途中で止まって、雪面に座り込みました。 
方向転換して右から左奥へ雪原を横切りました。 
奥の農道に達したようですが、もはやトレイルカメラの赤外線が届きません。 


シーン2:2/15・午後22:00・気温-4℃(@0:32〜) 
2日後の晩にもノウサギが登場。 
凍結した雪原を左から来て、タヌキが越冬する巣口の横で立ち止まりました。 
雪面の匂いを嗅ぐと、左に引き返しました。 

左端の雪原で立ち止まると、座って毛繕い。 
舌で毛皮を舐めています。 
なかなか立ち去りませんでした。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
意外にも、この地点でノウサギが写ったのは初めてです。 
ときどき雪面に足跡を見かけるのですが、餌となる植物が少なくて捕食圧が高いのかもしれません。
この辺りでは、キツネ、テン、イタチ、フクロウなどの天敵が暮らしています。 

ニホンノウサギがホンドタヌキの巣穴に興味を示したり潜り込んだりすることはありませんでした。


つづく→

2026/05/03

林内で越冬するホンドタヌキの営巣地で霧の立ち込める晩に吠えたのは誰?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月上旬・午後23:35頃・気温-8℃ 

雪国の落葉した二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

霧の立ち込める深夜に、左奥の暗闇で白く光る目が動いています。 
キョン、キョン♪と甲高く鋭く鳴く声が聞こえました。 
次は、唸るような吐息のような鳴き声も聞こえました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
全身像が写らなかったので、鳴き声の主は想像するしかありません。 
タヌキが越冬する巣穴の近くなので、監視カメラに写る確率が一番高いのはホンドタヌキです。 
発情期が近いので、タヌキ同士の小競り合いが増えているのではないかと想像しています。 



しかし、コンコン♪と鳴いたのだとしたら、ホンドギツネかもしれません。 

渡邉智之『きみの町にもきっといる。となりのホンドギツネ 命のつながり』によれば、
キツネの声は大きく2つに区別できるとしています。その1つは、おたがいの位置を確かめ合うための声であり、遠いときには大きく「クォクォクォーン」といったように、近くでは「ウォウォウォーン」などと小さく鳴くものです。2つ目は、おたがいの強さを競い合うときに出す声で、強さを示したい方は「ガッガッ」とか、「ゲッゲッ」などと、どなるような声が力強く短く繰り返されます。一方で、弱いことを伝える方は、「ミーミー」とやさしくなだめるような声を出したり、「キーキー」といった叫びにも似た金切り声を出したりします。さらにこれら2つの種類とは異なるものに、女の人の叫び声のように「ギャーン」とも聞こえる声があり、交尾をする時期によく聞かれますが、その意味はあまりよくわかっていない

難しい応用問題が出題されて五里霧中です。 
クリアな映像でタヌキやキツネが鳴いている映像を少しずつ地道に撮り貯めるしかありません。 
ホンドギツネがギャーン♪と鳴く声は、翌年の冬にようやく撮影できました。(映像公開予定)



ニホンザルの採食行動を真似て、ミズヒキの実(赤マンマ)を採取してみる

 



2024年10月上旬〜中旬〜下旬 

トレイルカメラで撮れた映像はやや遠かったので、ミズヒキに馴染みのない視聴者には猿が何をしているのか分かりにくかったかもしれません。 
ミズヒキの穂を私が手でしごいて実(赤マンマ)を採取する様子を実演してみました。 
昔は幼少期の「ままごと」でよく集めたものです。 
「アカマンマ」と称して、ミズヒキやイヌタデの実をお椀一杯に集めればお赤飯(の真似事)になるのです。 
田舎の子供は今でもやっているのかな? 



シーン1:10/17・午後14:35頃・くもり(@0:00〜) 
裏庭に咲いていたミズヒキで試してみます。 
左手でミズヒキの茎を摘み、下から上に果穂をしごいて痩果を採集します。 
 ゆっくりしごかないと、プチプチと音を立てて弾け飛んでしまう実も多く、無駄が多いことが分かりました。 


シーン2:10/21・午後12:45頃・晴れ(@0:44〜) 
二次林の林床に咲いていたミズヒキでも実演してみました。 


シーン3:10/10・午後12:45頃・気温14℃(@1:30〜) 
里山の湧水湿地帯に設置したトレイルカメラで撮れた映像を再掲します。 
ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが左から遊動してきました。
一部の個体が、水溜りの岸辺に自生するミズヒキの茎を手でしごいて痩果を食べていました。 
手を使わず、穂花を口に咥えながらしごいて直接食べることもありました。 

初めは1.5倍に拡大した映像をお見せします。 
次に等倍のオリジナル動画でリプレイ。 


【考察】 
ミズヒキにとってみれば、種子捕食者の採食行動は災難でしかありませんが、収穫の際に痩果がこぼれ落ちて種子散布にわずかながらも寄与しているかもしれません。 
Perplexity AIで調べてみると、ミズヒキ種子の散布形式は意外にも付着散布でした。

ミズヒキ(Persicaria filiformis)の痩果は、主に動物付着散布(エピズォオコリー)です。wikipedia+1

散布の仕組み

成熟した痩果は宿存する花被片に包まれ、花柱が残存して先端が鉤状(カギ状)に曲がります。この鉤状花柱が動物の毛、羽、または人の衣服に絡みつき、運ばれて離脱します。kotobank+1
果実はレンズ状(長さ約2.5mm)で小型・軽量、柄の関節から簡単に落ちる構造も付着散布に適しています。matsue-hana+1

補足

  • 水辺に生育するため水流散布の可能性もありますが、主文献では動物付着が強調されます。wikipedia

  • タデ科イヌタデ属の多くが同様の鉤状構造で付着散布に適応しています。kotobank


念のためにChatGPTにも問い合わせてみた(セカンド・オピニオン)回答がこちら。

ミズヒキ(ミズヒキ(Persicaria filiformis))の痩果は、主に**付着散布(epizoochory)**によって運ばれます。

仕組み

ミズヒキの果実(痩果)は非常に小さいですが、外側に**かぎ状の突起(微細な刺状構造)**を持っています。これが重要です。

  • 動物の体毛(哺乳類)や羽毛(鳥類)

  • 人の衣服

などに引っかかることで、親株から離れた場所へ運ばれます。

特徴的な点

  • いわゆる「ひっつき虫」の一種だが、
    オナモミやヌスビトハギのような大型で目立つ構造ではなく、
    非常に小さく、気づかれにくいのが特徴です。

  • 林縁や林内の獣道沿いに多いのは、こうした動物依存の散布様式と整合的です。

補足

タデ科の仲間には風散布や水散布も見られますが、ミズヒキは形態的に見て風で遠距離に飛ぶ構造はなく、基本はこの付着散布が中心と考えられています。


キンミズヒキ(バラ科)の実が「ひっつき虫」のように付着散布されるのは経験から知っていたのですけど、ミズヒキ(タデ科)もそうだとは気づきませんでした。 

野山を遊動するニホンザルの毛皮にミズヒキの痩果が付着し、互いに毛繕いしながら食べたはずです。 
その味を知った猿たちはやがて、自生しているミズヒキの穂から痩果を直接採食するようになったのかもしれません。 


2026/05/02

初冬の山で落葉性灌木の葉を食べ歩くニホンカモシカ♀

 



2024年12月上旬・午後14:50頃・くもり 

冬枯れの進む里山で遭遇したニホンカモシカ♀(Capricornis crispus)が落葉性灌木の葉を食べ歩くシーンをまとめました。 
紅葉や黄葉が進行中ですが、完全に枯れた葉は食べず、緑の葉をちびちびと食べています。 
採食メニューの樹種が私には見分けられなかったのが残念です。 
なんとなく、ミツバアケビの葉を食べたかな?と思うのですけど、どうでしょうか。

2026/05/01

林内の越冬用巣穴に近づく侵入個体に大声で吠えて追い払う雪国のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月上旬 

二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 


シーン1:2/10・午後21:06・気温-1℃(@0:00〜) 
大雪が積もった巣口Rが画面の右に写っています。 
ある晩、巣穴の主が右から来た侵入個体に大声で吠えて♪威嚇しました。 
鳴き声を言葉で書き記すのが難しいのですが、グヮーッ♪とかグルルルァー♪とか、今まで聞いたことのない鳴き声でした。 
巣口Rから手前に向かって深雪をラッセルしながら迂回して来た個体は、主のパートナーが侵入者を追い払いに行ったのかな? 


【考察】
タヌキ同士の巣穴を巡る小競り合いは初見です。 
「同じ穴のむじな」に対して寛容なアナグマとは大違いですね。 
今季は積雪量がとにかく多くて、タヌキが外出中に巣口が雪の下に埋もれてしまったりするので、厳冬期に巣穴を確保するのは死活問題なのでしょう。 

この営巣地にはもう一つ別な巣穴Lがあるのに、そこを掘って使うという知恵がタヌキにはないようです。 
アナグマよりも穴掘り能力が劣るタヌキは、自力で越冬用巣穴を整備できないのかもしれません。 

あるいは別の解釈として、発情期の近い♀に2頭の♂がつきまとっていたのかもしれません(セクハラ)。 
パートナー♂があぶれ♂を追い払ったのでしょうか。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


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