2018/03/03

コガタスズメバチの巣:朝の活動



枯木に営巣したコガタスズメバチの定点観察#4

前回の記事→#3

2016年7月中旬・午前7:18

3日ぶりの定点観察。
朝からコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が飛んで巣に出入りしたり、口元に巣材を咥えた個体が外皮をウロウロしたりしています。
少しずつ大きくなった巣の外皮にマーブル模様が入って美しいですね。
白い部分の巣材はどこから調達した樹皮のパルプなのか、気になります。

つづく→#5





マミガサキアザミを訪花するカラスアゲハ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

用水路と杉林に挟まれた農道に咲いたマミガサキアザミの群落でカラスアゲハ♂(Papilio dehaanii dehaanii)が訪花していました。
吸蜜中は翅を止めるときもあれば、小刻みな羽ばたきを続けることもあります。
蝶道のように繰り返し往復し、同じマミガサキアザミの花に何度も舞い戻ります。
草むらに隠れた背丈の低いマミガサキアザミの花で一心不乱に吸蜜することもありました。

後半は、花から花へ飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@2:14〜)
力強く羽ばたくとふわりと浮遊して次の花へ飛んで行く姿が、スローモーションで見ると優雅ですね。


つづく→カラスアゲハ♂の日光浴



初め私は、このアザミの仲間の種類を知りませんでした。
2週間後に現場を再訪すると、農道一帯がきれいさっぱり草刈りされていて落胆しました。
林縁に辛うじて残されたアザミを一株、根元近くから採集して持ち帰りました。

  • 花の総苞は粘着しない。
  • 葉は互生で、あまり棘がなくて、触れてもさほど痛くない。
  • 葉の基部は茎を抱いている。
  • 根生葉は無い。
これらの特徴をじっくり検討した結果、山形県特産のマミガサキアザミと判明しました。
どの植物図鑑にも載っていなかった謎がようやく解けました。

以前に撮ったアザミの名前もこれでようやく知れてすっきりしました。

▼関連記事
マミガサキアザミの花蜜を吸うトラマルハナバチ♀



2018/03/02

ハチミツソウの花蜜を吸うオオフタオビドロバチ



2017年8月下旬

農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でオオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatum)が訪花していました。
忙しなく飛び回り、吸蜜しています。

約1時間あけて複数個体(2匹)を撮影。
性別は?



2018/03/01

柳の葉を蚕食するセグロシャチホコ♂(蛾)終齢幼虫



2017年8月下旬

湿地帯に自生する柳の灌木で毛虫を見つけました。

派手な色彩で、背中に瘤があります。
てっきりドクガの仲間かと思いきや、帰ってから調べてみるとシャチホコガ科セグロシャチホコ♂(Clostera anastomosis orientalis)の終齢幼虫でした。
柳の細長い葉をもりもりと食べ進みます。
食樹の葉から枝に移りかけたものの、結局は食事を再開。

この幼虫を飼育するために、柳の小枝ごと切り取って採集しました。
ノギスで採寸すると体長25mm。
(資料によると、終齢の体長は35mmらしい)
この時点で性別を見分けられた訳ではありませんが、飼育下で後日♂成虫が羽化してきました。

私は柳の種類を見分けるのがいつまで経っても苦手です。
なんとなく、これはカワヤナギまたはオノエヤナギですかね?
お勧めの良い図鑑をご存知でしたら教えてください。
ヤナギ属の検索表サイトを見つけたので、今度は自力で同定してみます。

つづく→繭を紡ぐセグロシャチホコ♂(蛾)終齢幼虫



2018/02/28

コバネイナゴ♀@スイバの葉



2016年9月下旬

猫の額ほどの広さの原っぱ(休耕地)のスイバの葉でコバネイナゴOxya yezoensis)を発見。

遠目からは葉に口を付けているように見えました。
コバネイナゴはイネ科植物を食べるはずなので、「蓼食う虫も好き好き」という諺を実写で撮れたらスクープか!と思いカメラを向けました。

しかし、ただ休んでいた(日光浴?)だけかもしれません。
先を急ぐ用事があった私はじっくり粘れず、スイバ(タデ科)の葉を食べる摂食シーンは結局撮れませんでした。
左側の後脚が何か事故で根元から欠損していますね。

腹端の形状で性別を見分けられる筈なのですが、未だマスターしていません。
交尾中の写真と腹端を見比べたところ、この個体はおそらく♀だろうと分かりました。



コバネイナゴ♀-L3@スイバの葉

ハチミツソウの花で採餌するスミゾメハキリバチ♀



2017年8月下旬

用水路沿いに咲いたハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落で全身真っ黒なハキリバチ、スミゾメハキリバチ♀(Megachile willughbiella sumizome)が訪花していました。
吸蜜しながら集めた橙色の花粉を腹部下面のスコパに付けて運んでいます。

本種はムナカタハキリバチ(Megachile willughbiella munakatai)の亜種なのだそうです。



この個体は直後に蜜源植物を切り替えました。
▼関連記事キンミズヒキの花で採餌するスミゾメハキリバチ♀

スミゾメハキリバチ♀:側面@ハチミツソウ訪花採餌
スミゾメハキリバチ♀:背面@ハチミツソウ訪花採餌

2018/02/27

巣の外皮を増築するコガタスズメバチ♀



枯木に営巣したコガタスズメバチの定点観察#3



▼前回の記事→#2

2016年7月上旬・正午前後

3日ぶりの定点観察。
枯れ枝の先端近くに作られた巣でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が巣口の下の外皮ポケットを増築していました。
外で巣材を集めてきた個体はなぜか帰巣するといつも巣内に一旦入ります。
すぐに外皮の増築を始めれば良いのにと、いつも不思議です。
女王蜂に帰巣の挨拶をするのか、幼虫との栄養交換で空腹を満たすのか、巣内で巣材のパルプをじっくり噛みほぐすのか、考えても分かりません。
いつか巣内を直接に観察して突き止めたいものです。
しばらくすると巣材を咥えたワーカー♀が巣内から出てきて外皮上を歩き回ります。
増築が必要な場所を決めると、2匹が並んで作業を始めました。

途中で一匹が場所を変え、外皮の上部(裏側)も増築するようになりました。

その間に、胸背が黄色い花粉で汚れた個体が巣に出入りしています。
このワーカー♀黄は前回#1も居たので、個体識別できて好都合です。
自分で身繕いしても胸背の汚れは前脚で掻き落とすことができず、ワーカー♀同士で相互身繕いする習性も無いのでしょう。
このワーカー♀黄は造巣作業には従事せずに、幼虫のための獲物を狩る専門の係なのかもしれません。
ただし私が見ている限りでは、いつも手ぶらで帰巣していました。

撮影中、近所で誰かが草刈機を使って除草作業をしています。
凄まじい騒音ですが、コガタスズメバチのコロニーは別に苛立っている素振りはありませんでした。


つづく→#4


左の個体は巣材のパルプ団子を咥えている。
コガタスズメバチ♀2匹で外皮の増築
胸背が黄色い花粉で汚れているコガタスズメバチ♀個体が帰巣
前回より巣の外皮が全体的に少し大きくなっています。



ユリズイセンを訪花するオナガアゲハ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

農村部の道端に咲いたユリズイセン(アルストロメリア)の群落でオナガアゲハ♂(Papilio macilentus)が忙しなく訪花していました。
吸蜜中も半開きにした翅を細かく羽ばたいています。

花から花へ飛び立つ瞬間を狙って、後半は240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:25〜)
スローモーションで見ると、後翅の前縁に♂の特徴(性標)である白帯がよく目立ちます。


ユリズイセンの花の形状と長い雄しべ、雌しべから考えると、ユリズイセンの送粉者は大型のアゲハチョウ類なのかもしれません。(※追記参照)

▼関連記事:ユリズイセンの花蜜を吸うキアゲハ


※【追記】
 チョウ媒の花に、形状がラッパ状か漏斗状で、葯や柱頭が外に向かって大きく飛び出しているものが多いのも、蝶を送粉者としてターゲットにした戦略として理解できます。蝶のもつストロー状の口吻は、一般にハチ目やハエ目に比べてずっと長いので、ラッパ状や漏斗状の花の奥で花蜜を分泌し、葯や柱頭を外に向かって突き出すことで、蝶の体に葯や柱頭が触れやすくなると考えられるからです。花粉に粘着性があるのも、蝶の体に葯や柱頭が少ししか触れなくても花粉の受け渡しが行なわれるための適応と考えられます。花蜜の濃度がやや薄いのは、蝶の口吻では、濃度が高く年度の高い花蜜は吸いにくいためです。 (p63より引用)
こうした特徴は全てユリズイセンの花に当てはまりますから、赤色系の花をもつユリズイセンはチョウ媒でしょう。
ただし、ユリズイセンは球根で増えるので、必ずしも受粉して種子を作る必要はありません。

2018/02/26

人懐こく挨拶しに来るハシボソガラス(野鳥)



2017年5月上旬

郊外にある町工場は休日休業で静まり返っていました。
その敷地内で見つけたハシボソガラスCorvus corone)が水溜りの横で鳴いていました。
嗄れ声で鳴き喚きながらなぜか私に向かってどんどん歩いて来ます。

ヒトを恐れない巣立ち雛(幼鳥)だとしたら幼鳥を守るために今にも親鳥が私の背後から襲ってきそうな状況です。
撮りながら私はかなり焦り、「来るな、来るな…」と内心で祈りました。
しかし、口の中が黒いので成鳥と判明。(幼鳥は口の中が赤いのです。)
繁殖に未だ参加できない若鳥なのでしょう。

私に対して威嚇しているつもりなのですかね?
(「なんだよ、こっち見てんじゃねーよ! あっち行けよ!」と虚勢を張る血気盛んな若鳥?)
撮影を始める直前まで水溜りで水を飲んでいた気がするのですけど、定かではありません。

やたらと人懐こい人馴れした個体と解釈することもできそうです。
もしかすると、普段は工場のヒトに餌付けされているのかもしれません。
私に対して給餌を催促する鳴き声にしては、カラス幼鳥による餌乞いとは鳴き方も翼の動かし方も明らかに違いました。


つづく→水溜りの水を飲む2羽のハシボソガラス(野鳥)



ハチミツソウの花蜜を吸うキタテハ



2017年8月下旬

農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。
翅を開閉しながら吸蜜しています。



2018/02/25

巣からゴミ捨てに出るコガタスズメバチ♀



枯木に営巣したコガタスズメバチの定点観察#2

▼前回の記事→#1

2016年7月上旬

コガタスズメバチVespa analis insularis)コロニーの活動を動画で記録していると、ちょっと面白いシーンが撮れていました。

外役に飛び出すワーカー♀が珍しく大顎に何か白い物体を咥えていました。(@0:35)
出巣のついでにゴミを捨てに行くのでしょう。
謎の白い物体は何でしょうか?
幼虫の死骸には見えませんし、成虫が羽化した後の育房から白い繭キャップを千切り取った破片ではないかと想像しています。

つづく→#3:巣の外皮を増築するコガタスズメバチ



向日葵の花とスズメ(野鳥)



2017年8月下旬・午後17:30頃

夕立が降った後の雨上がり。
家庭菜園の一角に咲いたヒマワリ(向日葵)の群落でスズメPasser montanus)が集まっていました。
ヒマワリの巨大な葉っぱの下で雨宿りしていたのか?…とちょっと思いましたが、たぶんスズメは夏の雨に濡れても平気でしょうね。

ヒマワリの花の中央部をつついていますが、種子は未だ熟していないと思います。
小さな虫を捕食していたのかな?

頬の黒斑が薄い幼鳥が群れには多く混じっていました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

▼関連記事 (こんなシーンをスズメでも撮ってみたいと常々思っているのです)
ヒマワリの花から種子を啄むカワラヒワ(野鳥)

2年前の夏にひまわり畑で見たスズメも種子を食べてはいませんでした。

▼関連記事
ヒマワリの花とスズメ(野鳥)
種子食シーンを狙うとしたら、やはり秋になってから意識的に探さないといけないのでしょう。



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