2021/07/17

ドウダンツツジの花で採餌するムナカタハキリバチ♀(=スミゾメハキリバチ)

 

2021年5月上旬・午後15:20頃・晴れ 

農村部の民家の生垣に植栽されたドウダンツツジに白い花が咲いています。 
そこに真っ黒なムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)が訪花していました。 
正当訪花で吸蜜を繰り返しています。 
花から飛び立ったときに腹部下面に橙色のスコパが見えました。 

この組み合わせは初見です。 
そもそも、ムナカタハキリバチ(=スミゾメハキリバチ)を春のこんな早い時期に見かけたのは初めてかもしれません。
念のために『日本産ハナバチ図鑑』で調べてみると、ムナカタハキリバチの発生期は「本州〜九州では地域により5〜8月」と書いてありました。(p323より引用)

実は複数のハナバチ類がドウダンツツジの花の周囲を忙しなく飛び回っていたのに、あまりにも動きが高速過ぎてほとんど撮れませんでした。 
この動画も1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:50〜)、冒頭で別個体のムナカタハキリバチ♀および別種のハナバチ(マメコバチ♂?)も飛び回っていました。 

※ ハチの羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

春風に吹かれて飛ぶセイヨウタンポポの綿毛:種子の風散布

 

2021年5月上旬・午後14:30頃・晴れ 

田園地帯の農業用水路沿いに咲いたセイヨウタンポポの群落から白い冠毛の付いた種子が強風に乗ってパラシュートのように飛散していました。 
タンポポ種子の風散布を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:31〜) 

ハイスピード動画でも撮ってみたいのですが、風は予測不能で今回は無理でした。 

2021/07/16

マメコバチ♂の探雌飛翔と♀の交尾拒否

 

2021年4月下旬・午後14:45頃・晴れ 

リンゴ園でマメコバチ♀(Osmia cornifrons)の訪花シーンを撮影していると、面白い行動が見れました。 
萎れかけたリンゴの花で♀が長々と吸蜜していると、同種の♂が左から飛来しました。 
全身がスリムな♂は黒っぽくて触角が長いです。 
マメコバチには儀式的な求愛行動が無いのか、♂はいきなり♀の背面に飛びかかり、交尾を挑みました。 
しかし不意をつかれた♀が後脚を上に高々と持ち上げて交尾拒否の姿勢になりました。 
♂はすぐに諦めて紳士的に飛び去りました。 
♂を振った♀は、次の花へ飛んで移動しました。 このとき腹部下面のスコパに花粉を満載にしているのが見えました。 
交尾拒否行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:00〜) 

おそらくマメコバチの♀は羽化直後に一度しか♂と交尾しないのかもしれません。 
既交尾♀は営巣活動および採餌活動に忙しく、♂からの執拗な性的ハラスメントは迷惑でしかないでしょう。 
そのコストを軽減するために、交尾拒否行動が進化したと思われます。

動画の後半は、♂の探雌飛翔を引きの絵で撮ったものです。 
リンゴの花の周囲をあまりにも高速で飛び回るので、肉眼ではとても追い切れません。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみて初めてマメコバチ♂の探雌飛翔が写っていると知ったのです。

日没後の枯れヨシ原で行動を共にするアオサギのペア(野鳥)

 

2021年5月上旬・午後18:45頃・くもり(日没時刻は18:33) 

日が暮れてから採餌場から飛来した2羽のアオサギArdea cinerea jouyi)が、枯れたヨシ原が広がる湿地帯に着陸しました。 
行動を共にしている2羽はつがいなのかな? 
薄暗い枯れヨシ原で採食したり羽繕いしたりしています。 

カメラを向けている私に気づくと、左の個体が警戒して飛び立ちました。 
流し撮りすると、低空で少し飛んだだけで枯れヨシ原に再び着陸したようです。 
続けて右の個体も飛び立ち、仲間と同じ場所へ移動しました。
合流した際に小声でガーガー♪鳴いています。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

この辺りのアオサギは河畔林の樹上にねぐら入りするのではないかと予想しているものの、今回も見失ってしまい確かめられませんでした。

2021/07/15

山桜の花で吸蜜ホバリングするビロウドツリアブ【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月上旬・午後16:20頃・晴れ 

里山の林道沿いに自生する山桜の灌木に咲いた花に数匹のビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

桜の花から花へ忙しなく飛び回り、花蜜を吸っています。 
山桜の花に着陸して吸蜜しながらも高速の羽ばたきを止めません。 
吸蜜中は花に軽く脚を掛けているので、厳密には吸蜜ホバリングとは呼べませんね。 
蜜量が多い花を見つけると、長居して吸蜜を続けます。 
それでも羽ばたきのアイドリングを止めようとしません。 

ビロウドツリアブの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:16〜) 
スーパースローで見ると、新たな発見がいくつもありました。

次の花へ狙いを定めて向かう際に、空中で停飛しながら段階的に方向転換する様がドローンのようで面白いですね。 

山桜の花から垂直離陸しながら空中で左右の足を擦り合わせていました。(@2:19) 
花の手前でホバリングしながら両足を擦り合わせることもあります。 

ホバリング中に前脚と中脚を畳んで体に引き付けているのは、空気抵抗を減らす体勢なのでしょう。 
一方、後脚をホバリング中に左右に(斜め後方に)大きく伸ばしているのが不思議です。 
空中姿勢のバランスを保つためかな? 

双翅目なのに翅が4枚あるように、しかも高速で羽ばたく翅が止まって見えるのは、ストロボ効果(ワゴンホイール効果)による錯覚です。 
翅の振動数が丁度240fpsの倍数なのでしょう。 
スーパースローでもビロウドツリアブの平均棍が全く見えませんでした。 
高速で振動しているのかな? 

ビロウドツリアブの長い口吻の先端は意外にもしなやかでした。
自由自在に曲がり、花の蜜腺を探り当てます。 
たまに狙いを外して口吻が花弁に軽くぶつかったときに、口吻の先が2つ?に裂けるのが見えました。(@5:50、6:05) 

吸蜜中に花に掛けた足をよく見ると、前脚と中脚を踏みしめていました。 
口吻で蜜腺を探り当てられるように、雄しべを足で掻き分けているのかな? 

今回の撮影は後半から一脚を使ってみました。 
三脚よりも虫の動きに柔軟に対応できますし、かなりクローズアップしても手ブレが抑えられます。 


山に咲いていたから単純にヤマザクラかと思ったのですけど、真面目に検討していません。 
平地に咲くソメイヨシノより遅い開花です。 
若葉はほとんど開いておらず、わずかに開いた若葉は緑色でした。 
平地より少し遅れて里山のソメイヨシノが開花しただけのような気もしてきました。 
ソメイヨシノの苗木を誰かが山道に植栽した可能性は? 
野鳥がソメイヨシノの種子を散布したのかもしれません。




春の山で虫のようにさえずる♪ヤブサメ♂(野鳥)鳴き声の声紋解析

 

2021年5月上旬・午後17:20頃・くもり 

里山の尾根道を夕方に歩いていると、横の藪の奥からシシシシシ…♪と単調な鳴き声が聞こえてきました。 
キリギリスの鳴き声かと思いがちですが、雪国の春にキリギリスの成虫が居るはずがありません。 
この鳴き声はおそらくヤブサメ♂(Urosphena squameiceps)の囀りさえずりでしょう。 
どこに隠れているのか、残念ながら姿は撮れませんでした。 
実は撮影中にカメラのバッテリーが切れてしまい、慌てて交換しているときに地味な鳥を藪の奥にちらっと見かけたものの、それっきり逃げられました。
▼関連記事(9年前の撮影) 虫を運ぶヤブサメ(野鳥)と鳴き声♪(地鳴きとさえずり)
遠くからウグイスの鳴き声も聞こえています。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
 (ヤブサメの)さえずりは鳥というよりは虫の声に似ている。徐々に尻上がりで大きな音量で鳴くことから、虫の鳴き声と区別できる。(『日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』p52より引用)


ヤブサメ♂の囀りを声紋解析してみる 

オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出し、音声編集アプリAudacityでバックグランドのノイズを低減してから囀りの部分を6箇所切り出しました。 
それを元に描いたスペクトログラムがこちらです。 
いつも6回続けて鳴いては休んでいることが分かりました。

   

最後に、音声全体のスペクトログラムも載せておきます。
囀りの間隔はばらつきがあります。

 

2021/07/14

ハルザキヤマガラシの花で採餌するニホンミツバチ♀

 

2021年5月上旬・午後14:25頃・晴れ 

田園地帯の農道沿いに咲いたハルザキヤマガラシの群落でニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
吸蜜するニホンミツバチ♀の後脚を見ると、花粉籠は空荷でした。

ヤマアカガエル幼生の群れと触れ合う

 

2021年4月中旬・午後16:50頃・くもり 


里山の緩斜面に2つ並んでいる繁殖池のうち、低い所にあって浅い池Lの記録です。 
残雪があった頃は雪解け水で満水となり2つの池は細い流れで繋がっていたのですが、春になって雪が完全になくなると独立した池になりました。 

池LでもヤマアカガエルRana ornativentris)の幼生が既に孵化していて、多数の黒いオタマジャクシが浅瀬で遊泳しています。 
岸辺に産卵したゼラチン質の卵塊が全く残っていませんでした。 
おそらく幼生が最初の餌として食べ尽くしたのでしょう。※
その後は池の底に堆積した泥に含まれる有機物を食べているようです。 
上の池Hと異なり、この池Lは浅いのでガマなどの抽水植物がこれから生えてきます。 

私が右手の指をそっと水中に入れるとオタマジャクシは慌てて逃げ回るものの、泳力が未発達のようで触れることが可能でした。
その気になれば手掴みできそうです。 
浅い池で生まれたオタマジャクシは特に、鳥や野生動物によって次々に捕食されてしまうのではないかと心配です。
池畔に無人の監視カメラを設置すれば、そうした捕食シーンが撮れるかな?

※ 【参考サイト】徹底解説 オタマジャクシの餌は何が良いか?によると、
オタマジャクシを卵から育てる場合、まだ十分に泳げないような最初の段階の餌は、卵を包んでいたゼリー状の紐になります。この卵の紐の残骸は、すぐに食べつくされて無くなるので、捨ててはいけません。


いつかその様子を微速度撮影してみたいものです。

卵塊から飼育する必要がありそうですね。



つづく→池の水面に繰り返し浮上するヤマアカガエル幼生の群れ


 

2021/07/13

リンゴ園でヨシ筒の巣に出入りするマメコバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年4月下旬・午後14:55頃・晴れ 

リンゴ園では花の授粉を媒介してくれるマメコバチOsmia cornifrons)のために専用の巣箱を設置しています。 
ヨシの茎を斜めに刈って束ねたものをリンゴの木の下に大量に積んでおくだけで、借坑性のマメコバチ♀が茎の中に潜り込んでそれぞれ巣を作るのです。 
借坑性の狩蜂などを調べるのに仕掛ける竹筒トラップと同じ原理で(参考サイト:日本竹筒ハチ図鑑)、マメコバチのような小型の蜂には直径の細い茎の植物を用意する必要があるのです。 
私は以前からマメコバチの営巣習性に興味があったのですが、ようやく絶好の観察ポイントを見つけました。 
公道のすぐ横にある小規模なリンゴ園で、敷地に立ち入らなくても通りすがりにマメコバチの巣箱を撮影可能です。 
このリンゴ園では小さな三角屋根で巣箱を覆っていました。 

腹部下面のスコパに黄色い花粉を満載したマメコバチ♀が飛来し、帰巣しました。 
必ずしも切り口がきれいなヨシの茎を選んで営巣している訳ではないようです。 
ヨシの茎が大量に並んでいるのに、帰巣時に迷子になることはありませんでした。 
既に自分の巣の位置はしっかり正確に記憶しているようです。 
次の採餌のために出巣した直後も、巣の位置を改めて記憶するための定位飛行をしませんでした。 

マメコバチ♀の出入りを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみましょう。(@0:49〜) 
先ほど帰巣した♀がしばらくすると、後退しながら巣口に出て来ました。 
細いヨシの茎内でマメコバチ♀は方向転換できないことが分かりました。 
集めてきた花粉や花蜜を育房内に貯食する作業に時間がかかったようです。 
定位飛行なしで次の採餌に飛び去りました。 
しばらくすると、別個体の♀がスコパに花粉を満載して別のヨシ筒に帰巣しました。

この日は晴天でリンゴの白い花が満開に咲いているのに(花の盛りが過ぎて少し萎れかけ)、巣箱の周囲で飛び回るマメコバチの数が素人目に少ない気がしました。 
リンゴの果樹1本に対しては、これぐらい少数のマメコバチ♀でも充分なのかな? 
最近は異常気象で暖冬の年があったり大雪の年があったりと不安定です。 
春になってもリンゴの開花とマメコバチの羽化のタイミングがなかなか同期しなくなっているのではないかと心配です。 
果樹園で同じヨシ筒の束や巣箱を何年も続けて使っているとマメコバチに寄生する虫(ダニなど)が増えるらしいので、その影響でマメコバチが減っている可能性も考えられます。 
ヨシの束の間をゆっくりと徘徊している数匹の微小なアリ(種名不詳)も気になります。 
 

ノイバラ?の若葉を採食していたニホンカモシカと隠れんぼ

 

2021年5月上旬・午後17:50頃・くもり 

カタクリの花を眺めながら里山のつづら折れを夕方に下山していたら、山腹の空き地でニホンカモシカCapricornis crispus)を見つけました。 
芽吹き始めた木イチゴ(ノイバラ?)の若葉を採食していたようです。 
私は動きを止めて採食シーンをじっくり動画撮影しようとしたのですが、カモシカは私に気づくと神経質になり、食餌を止めてしまいました。 
カモシカは斜面の上から敵に見下されると不安なのでしょう。 

正面から私を見上げてじっと見つめています。 
角や耳介に目立った傷はなく、個体識別できそうな特徴はありません。 
しばらくすると頭を下げて、ノイバラ?の葉を口でむしり取ってモグモグしています。 

てっきりカモシカは視力が悪いと私は思い込んでいたのですが、意外とそうでもなさそうです。 
このとき私はグレー(灰色)のポロシャツを着ていたので、薄暗い夕方でも目立っていたのでしょう。 
もし私が迷彩服を着ていたら、反応が変わっていたかもしれません。

やがてカモシカは鼻腔を大きく開いてフシュフシュ♪と鋭い鼻息を吐き、私に対して威嚇し始めました。  
左前足を前方に蹴り上げながら鼻息を吐きましたが、蹄を踏み鳴らすことはありませんでした。

それでも私が全く動じないので、苛立ったカモシカは跳ねるように少し逃げました。 
藪の背後に隠れると立ち止まって鼻息威嚇を続けます。 
私の視線を嫌がって藪の陰に隠れよう隠れようとする度にしつこい私が横に少しずれて撮影アングルを確保します。 
野生のカモシカとまるで隠れんぼをしているようです。 
遂にニホンカモシカは鼻息を荒げながら走り去りました。 
棘だらけの木イチゴの藪に覆われた斜面を跳ねるように駆け降りて行くと、鼻息威嚇♪が次第に遠ざかります。

2021/07/12

リンゴの花で吸蜜するマメコバチ♂

 

2021年4月下旬・午後14:30頃・晴れ 

満開に咲いたリンゴの果樹で、おそらくマメコバチ♂(Osmia cornifrons)と思しき蜂が訪花していました。 
触角がやや長く、全身が真っ黒な蜂です。 
白っぽい体毛が生えています。


花から飛び立つ瞬間を 1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
残念ながら顔の正面(頭楯)は見せてくれませんでした。

 採集もしてないのに、この蜂がなぜマメコバチ♂だと思ったかと言うと、リンゴに訪花中のマメコバチ♀に飛びかかって交尾を挑む瞬間を動画に撮れたからです。
関連記事(同日の撮影)▶ マメコバチ♂の探雌飛翔と♀の交尾拒否
 
リンゴ園でマメコバチ♂は交尾相手の探索(探雌飛翔)に忙しく、吸蜜シーンを撮れたのはこの一度きりでした。
♀と違って雄蜂♂は集粉しませんから、ハキリバチ科でも腹部下面にスコパ(花粉刷毛)はありません。 
 

繁殖期でも夕方のキジ♂は鳴かなくなる(野鳥)

 

2021年4月下旬・午後18:00頃・くもり(日の入り時刻は午後18:27)
前回の記事(16日前の撮影):▶ キジ♂が刈田で追手をまいて行方をくらます2つの方法(野鳥)
日没前の薄暗い刈田で顔馴染みのキジ♂(Phasianus versicolor)とまた出会いました。 
 刈田は未だ田起こし(耕耘)される前の状態ですが、水入れに備えて畦がきれいに整形されています。 
 私が近づくとキジ♂は足早に隣接する枯れヨシ原の方へ逃げて行きます。 
明らかに私を怖がって(嫌がって)避けているのです。 
このヨシ原は、隣接する田んぼを縄張りとするキジの隠れ家になっています。 
しかし、この時期のヨシは未だ枯れたままで芽吹いておらず、(地味な♀ならともかく)派手な羽毛のキジ♂は隠れる場所がありません。 

やがてヨシ原の手前にある農道で立ち止まりました。 
背伸びをして遠くを見張り、辺りをキョロキョロ見回しています。 
全身の羽毛を膨らませて身震い。(@3:36) 
警戒を解くと、地面を少し啄みました。 
採食と言うよりも、嘴を枯草で拭っただけの印象です。 
いつまでも立ち去らない私に対する苛立ちから来る転移行動なのかな? 

いよいよ辺りが薄暗くなってきました。 
私もカメラを持つ腕が疲れてきましたが、手持ち夜景モードで長撮りを続けます。 
キジ♂が小声でつぶやくように鳴いているようにも見えますが、遠くて聞き取れません。 
農道でじっと佇んでいたキジ♂がようやく歩行を再開。 
用水路を飛び越えて枯れヨシ原に移動しました。 
ここが夜のねぐらなのか?と思いきや、採食しながらまた戻って来ました。 
立ち止まって羽繕いを開始。(@8:21) 

畦道から刈田に降りると田んぼを歩いて横断します。 
次の畦道を乗り越えて、奥の刈田に降りました。 
畦道の死角に隠れるのは、しつこい私を撒くためにこの♂個体がよくやる得意の作戦です。 
私は撮影アングルを求めて急行したのですが、キジ♂を見失ってしまいました。 
前回と同じく、畦道の陰に入ると全力疾走で助走してから低く飛んで逃げたのでしょう。 
緩急をつけた見事な逃げっぷりです。 
今回もキジ♂のねぐら入りを見届けることができませんでした。 

「長撮りしても一度も鳴かなかった」という事実をお伝えするために、動画素材をほぼ無編集でお届けしました。 
繁殖期なのに撮影中のキジ♂が母衣打ちを全くしないのが不思議でした。 
昼間なら定期的にケンケーン♪と鳴いて縄張り宣言しているはずです。 
農道で立ち尽くすキジ♂をじっと観察していると、そのボディランゲージから母衣打ちしたい気分が高まってきて「今に鳴くぞ、鳴くぞ…ほら鳴いた」と分かるのです。
しかし夕暮れ時になるとキジ♂は全く鳴かなくなると分かりました。 
体内時計に支配されているのか、それとも照度が下がると、鳴きたい気分が失せるのでしょう。
翌朝までゆっくり休んで体力回復に務めます。 
私の予想では、おそらく夕方になるとキジ♀がまず活動を止めるため、♂も♀を自分の縄張りに誘う母衣打ちをしなくなるのだろう、と考えています。 
隣の縄張りのキジ♂と紳士協定を交わして、夜は無駄に鳴かないようにしているようです。 

それに対して例えばオオヨシキリは昼行性なのに、夜もヨシ原でひっきりなしに♂が囀りさえずり続けます。 
オオヨシキリの♂は大変ですね。

2021/07/11

リンゴの花で採餌するマメコバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年4月下旬・午後14:40頃・晴れ 

リンゴ園でハキリバチ科の仲間が何匹も忙しなく訪花していました。 
映像の後半は、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:00〜) 
スコパに橙色の花粉を付けて運んでいます。 
この蜂が果樹園でミツバチよりも効率よく授粉を媒介することで有名なマメコバチ♀(Osmia cornifrons)なのかな? 
頭楯に突起が生えていました。(@1:40)
この小規模なリンゴ園でも刈り取ったヨシの茎を大量に束ねてリンゴの木の下に置いてあり、借坑性のマメコバチに巣を提供していました。(映像公開予定) 
リンゴの花が満開の時期に来てみたものの、思ったほどマメコバチ♀の数は多くありませんでした。 (見に来るのが少し遅かった?)

蜂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:33〜) 
ところが、うっかりしたのかマメコバチ♀はリンゴの花から滑落してしまいました。 
空中ですぐに体勢を立て直すと、ホバリングしてから隣の花にしがみつきました。

送電塔の巣箱を使わず天辺に作った巣で抱卵するハシブトガラス♀(野鳥)

 

2021年4月下旬・午後16:20頃・晴れ 

高圧線の送電塔#KN7に営巣するハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の♀♂つがいに注目して毎年調べています。
関連記事のまとめ(2年前の撮影)▶ 送電塔#KN7の巣箱に営巣したハシブトガラスの観察記録:2019年
この鉄塔の中段に設置された巣箱で2019年は雛を育て上げました。 
カラスが巣作りしても感電事故を起こさない安全な場所に電力会社が巣箱を予め設置したのです。 
翌2020年はコロナ禍が始まったせいで、私は定点観察に通えませんでした。 
繁殖期が終わってから送電塔#KN7を見に行くと、巣箱は空っぽで、その代わりに送電塔の天辺に新たな巣が作られていました。 

2021年の繁殖期はどうでしょうか?
久しぶりに様子を見に来ると、やはり鉄塔の天辺に多数の枝を組み上げた巣がありました。 
カラスのつがいが巣作りしても繁殖のため実際に使うかどうかは別問題です。 
(カラスは縄張り内に複数の巣を試作することがあります。) 
初めは空き巣に見えたので、ハシブトガラスの♀♂ペアはこの営巣地を見捨ててしまったのかと落胆しました。 
ところが念のために望遠で巣をしばらく動画撮影してみると、黒い物体が巣の上から少しだけ覗いていて、ときどき身動きしていました。 
親鳥♀が巣内でこっそり抱卵していたのです。 
抱卵中の親鳥♀の頭部の羽毛が風になびいています。 
これは巣の写真をパパッと撮るだけだったら完全に見逃していたはずで、取り敢えずなんでも動画で記録する私の習慣が功を奏しました。 

送電塔に近づくほど仰角になり、巣内の様子が見えなくなってしまいます。 
一方、送電塔の中段に設置された巣箱は使われておらず、空っぽのままでした。 
巣材として巣箱に持ち込まれたのは1本の細い小枝だけで、網状の底から飛び出していました。 

撮影を終えて私が帰ろうとしたら、親鳥♂が追いかけて来ました。
私が本当に縄張りから立ち去ったことを確認すると、空中でUターンして引き返しました。 

カラスと人の巣づくり協定』などの研究成果によって、最近の電力会社は電柱や送電塔に作られたカラスの巣を問答無用に撤去するのではなく、ここなら巣を作っても大丈夫(漏電事故を起こさない)という安全な地点に巣箱を用意するようになりました。 
カラスとヒトの共生モデルとして注目した私は2019年、送電塔#KN7の定点観察に通い始めました。
私がしつこく鉄塔の巣にカメラを向けて撮影したせいで、どうやらハシブトガラスの♀♂ペアに強いストレスを与えてしまったようです。 
(私としては巣から充分に離れたところから撮影したつもりで、雛も無事に巣立ちました。)
ところが翌年(2020年)から親鳥♀♂は巣箱を放棄して、同じ送電塔の最高地点に造巣するようになりました。
より高所に巣を移動したのは、望遠レンズを使っても巣内を覗かれにくくするためでしょう。※ 
野生動物(野鳥)を観察する行為自体が対象の行動に悪影響を与えてしまうという典型的な観測問題に直面してしまい、反省です。 
カラスに見つからないように撮影中はブラインドを使用すべきなのは承知しているのですけど、街なかでブラインドを張ると周辺住民に怪しまれ通報されてしまうので、難しいところです。

※ あるいは別の可能性として、巣箱に残された古巣を電力会社が撤去したことを嫌って、ハシブトガラスは巣箱を使わなくなったのかもしれません。
この辺りを縄張りとする♀♂ペアが代替わりした結果、営巣地点が高所に変わったのかもしれません。



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