2018/08/25

ノリウツギの花蜜を吸うスジグロシロチョウの一種



2018年7月上旬

用水路沿いの林縁に咲いたノリウツギの群落でスジグロシロチョウPieris melete)またはヤマトスジグロシロチョウPieris nesis)が訪花していました。
一瞬モンシロチョウかと思いきや、違いました。
この組み合わせは初見になります。
花に飛来すると、翅をしっかり閉じたまま吸蜜します。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スジグロシロチョウsp@ノリウツギ訪花吸蜜

モズ♂の飛び立ちと急旋回【ハイスピード映像】(野鳥)



2018年7月上旬

電線に止まったモズ♀(Lanius bucephalus)が川を見下ろしながら尾羽根を上下に動かし、「キチキチキチ♪」と鋭く鳴いていました。

近くの川沿いの葦原でオオヨシキリAcrocephalus arundinaceus orientalis)が鳴いているので、それを聞いたモズ♂も得意の鳴き真似を披露するかと期待したのですが、やりませんでした。
モス♂は鳴く合間に足で顔を掻きました。

電線から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:08〜)
力強く羽ばたいて川の方へ飛び立った直後に左へ急旋回し、川とは反対側の民家の屋根を飛び越え姿が見えなくなりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



モズ♂(野鳥)@電線
モズ♂(野鳥)@電線+頭掻き

2018/08/24

ソヨゴの雄花に集まるミツバチ?を狩るキイロスズメバチ♀



2018年6月中旬

街路樹として植栽されたソヨゴの雄株でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
白くて小さな雄花の手前を素早く飛び回るばかりで、一向に落ち着いて吸蜜しようとしません。
(確実に吸蜜シーンだと言える映像は結局、撮れませんでした。)
おそらくミツバチなど他の訪花昆虫を狩ろうとして探餌飛行しているのでしょう。

▼関連記事
ソヨゴの雄花で吸蜜するニホンミツバチ♀
ソヨゴの雄花で吸蜜するコマルハナバチ雄蜂♂

2匹のキイロスズメバチ♀が出会い頭に軽い小競り合いになり、空中戦となることもありました。(@0:24)
その直後に、近くを飛来したニホンミツバチ♀?をキイロスズメバチ♀が空中で捕らえようとして失敗していました(@0:27)。
(狙われた獲物の方が空中で敏捷に回避。)

ようやく狩りに成功したらしく、獲物をその場で噛んで殺し、肉団子に加工しました。
残念ながらカメラのピントが合う前にキイロスズメバチ♀は巣へ飛び去ってしまいました。
なんとなく、獲物はニホンミツバチ♀のような気がしますが、ピンぼけなので定かではありません。
肉団子を巣に持ち帰る前後を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみます。

▼関連記事
ソヨゴの雄花で吸蜜するオオフタオビドロバチにキイロスズメバチ♀が奇襲
周囲のビル風が絶え間なく吹いて枝が揺れ続け、虫撮りには悪条件でした。

ソヨゴの語源は風にそよいで葉が特徴的な音を立てる様が由来らしいので、その様子もお楽しみ下さい。


ケヤキ樹上の巣で親鳥を待つハシボソガラスの雛(野鳥)

2018年3月中旬

街中の公園に植栽された落葉高木の樹冠に細い枯枝を組み合わせて作られた鳥の巣を見つけました。
おそらくカラスの巣だろうと予想がついたものの、親鳥の姿はありません。
繁殖期になって作られたばかりの新しい巣なのか、古い巣が残っているだけなのか、分かりませんでした。
この日はカメラを持っていなかったので、場所を記憶して帰りました。


2018年5月中旬

思い出して2ヶ月ぶりに現場を再訪し、巣の写真を撮りました。
この日も親鳥の姿はありませんでした。
木の下から見上げるアングルしか確保できないので、巣内の様子がほとんど見えず、定点観察する上では良い営巣地とは言えません。
枝に葉が茂り始め、樹種はケヤキと判明。


ハシボソガラス(野鳥)巣@ケヤキ樹上
ハシボソガラス(野鳥)巣@ケヤキ樹上
ハシボソガラス(野鳥)巣@ケヤキ樹上




2018年5月下旬

8日ぶりに街中の公園を再訪し、ケヤキの木の下から巣を見上げると、巣内でハシボソガラスCorvus corone)の雛が育っていました。
嘴の中が赤いのはカラスの雛鳥や幼鳥の特徴です。

少なくとも2羽の雛が巣で留守番していました。
巣材の小枝を嘴の先で軽く甘噛みして独り遊び(暇つぶし)しています。
巣の周囲の枝にはケヤキの葉が青々と茂っています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ケヤキ樹上の巣で雛に給餌するハシボソガラス(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)雛@巣:ケヤキ樹上
ハシボソガラス(野鳥)雛@巣:ケヤキ樹上
ハシボソガラス(野鳥)雛@巣:ケヤキ樹上

2018/08/23

ハコネウツギの花で盗蜜するクマバチ♀



2018年6月中旬

ハコネウツギ(別名ベニウツギ)の生垣でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
忙しない吸蜜シーンをよく見ると全く正当訪花せずに、毎回常に穿孔盗蜜しています。
漏斗状の花筒の根元を外側から噛んで小さな穴を開け、そこから舌を差し込んで蜜腺を舐めるのです。
クマバチはハナバチ類の中でも舌が短い上に体格が太いので、正当訪花しても花筒の奥まで潜り込めず、舌を伸ばしても蜜腺に届かないのでしょう。
数日前に同じハコネウツギの花で穿孔盗蜜と正当訪花を自在に切り替えていたクロマルハナバチ♀とは対照的です。

盗蜜を繰り返すクマバチ♀は花筒内の雄しべに体が触れませんから、花粉を集めず、後脚の花粉籠は空荷なのは当然です。
訪れた花に古い盗蜜跡がある場合もそれを利用(二次盗蜜)せずに、新たに穿孔盗蜜しました。(例えば@0:18)
未開花の白い蕾からも盗蜜していました。(@0:31)
ハコネウツギの赤い花が萎れかけで蜜も残っていないと判断すると、クマバチ♀はちょっと調べただけで次の花に移動することもありました。(@1:55)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
絶え間なく風が吹く午後で枝揺れが激しいので、あえて手ブレ補正処理しませんでした。


クマバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜

幼鳥にオオキンケイギクの実を巣外給餌するカワラヒワ親鳥♂(野鳥)



2018年7月上旬
▼前回の記事
カワラヒワの幼鳥を伴った親鳥♂がオオキンケイギクの実を採食し脱糞(野鳥)

私が横に少し動いただけで、カワラヒワCarduelis sinica)の親子は警戒し、少し飛んで逃げてしまいました。

幸い、家庭菜園に設置されたコンポスト容器の横に着地し、巣外給餌を始めてくれました。
これでようやくカワラヒワの親子と判明しました。
腹を空かせた地味な幼鳥(巣立ち雛)が鳴きながら羽ばたいて餌乞い♪すると、親鳥♂が食べたばかりのオオキンケイギクの種子を吐き戻し、口移しで与えています。
最後は2羽とも飛んで逃げました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

幼鳥が餌乞いする鳴き声を声紋解析してみたかったのですが、近くでスズメも鳴いていますし工事の騒音もうるさくて、使い物になりませんでした。




【追記】
日本野鳥の会『みる野鳥記3:カワラヒワのなかまたち』という本を紐解くと、詳しい解説が書いてありました。
巣から出たとはいえ、ヒナはまだ遠くまで飛んでいくことはありません。飛ぶ力も弱いのでしょう。それに、食物のとり方も知りません。ヒナはそろって、だいたい同じ場所にいて、親が食物を運んできてくれるのを待っています。 食物を運んできた親鳥の声を聞くと、ヒナは「チュンチュンチュン」と大きな声で鳴き、つばさをふるわせて、親から食物をもらいます。親はヒナに食物をあたえると、またすぐに飛んでいってしまいます。(中略)巣立ってまもなくのカワラヒワのヒナは、全体に褐色で、つばさはちゃんと黄色い帯が見えます。親とちがうのは、おなかの部分にたての黒いはん点があること。このはん点に気がつけば、ヒナが飛び回っているんだということがわかります。(中略)巣立ってから1週間から10日――。
 食物をもらっていたころの「チュンチュンチュン」というヒナ独特の声は、もうほとんど聞かれません。食物をねだるように、つばさをふるわせるすがたも見られなくなります。
(p46-47より引用)
これを読むと、確かに今回私が観察した幼鳥の腹には黒い縦の斑点がありました。
映像で聞こえていた「チュンチュンチュン♪」という鳴き声はてっきりスズメかと思ったのですが、カワラヒワの幼鳥が発していた餌乞いの鳴き声だったようです。
また、一緒に巣立った他の幼鳥も近くに居たはずなのに、私は気づきませんでした。


カワラヒワなど植物を食物にする鳥は、「そのう」(素嚢:しぐま註)という器官を持ち、ここにとった食物をたくわえる。(中略)だ液で食物をやわらかくする働きもあるようです。 ですから、カワラヒワのなかまたちは、そのうに食物をたくわえて、まとめて運んでくることができます。(中略) また、ヒナもそのうを持っていますので、親からもらった食物を、自分のそのうに一度たくわえて、少しずつ消化していきます。 ですから、カワラヒワやそのなかまたちは昆虫をヒナにあたえる鳥にくらべ、食物を運ぶ回数が少なくてすむのです。 (同書p43より引用)




【追記2】
佐藤信治『庭にきた鳥:いのちのドラマを家族でみる』によると、
(カワラヒワの)♀の求愛ポーズの際や幼鳥が餌をねだるときはチュンチュンと続けて鳴く。(中略)ほかの鳥と異なり、羽根の中ほどの黄色の形や濃淡と顔の造作に差異があるので、個体識別がしやすい。♀にくらべて♂は目と嘴の間が青黒い。 (p58-59より引用)


カワラヒワ(野鳥)親鳥+幼鳥@巣外給餌♪:オオキンケイギク実

2018/08/22

ラムズイヤーの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀



2018年6月下旬

民家の庭の花壇に咲いたラムズイヤー(別名ワタチョロギ)の群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。

複数個体を撮影。
どれを撮ろうか目移りしてしまいます。
どの個体も後脚の花粉籠は空荷なので、吸蜜に専念しているようです。

このエキゾチックな園芸植物は中東原産らしく、シソ科というのは驚き(意外)です。
次に見つけたら、茎の断面が四角形かどうか(シソ科の特徴)、茎を触って確かめてみましょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セイヨウミツバチ♀@ラムズイヤー訪花吸蜜

カワラヒワの幼鳥を伴った親鳥♂がオオキンケイギクの実を採食し脱糞(野鳥)



2018年7月上旬

家庭菜園の隅の花壇でオオキンケイギクの花が散った後で実をつけていました。
その群落で細い茎に器用に掴まりカワラヒワCarduelis sinica)の成鳥♂が実を喋んで採食していました。
羽の黄緑色が濃いので♂と判明。(『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』p132-133より)
太い嘴で実を毟り取るように食べています。


親鳥が食事の合間に白い固形糞をポトリと排泄しました。(@3:25)
種子食性の鳥に食べられると草の種子は消化されてしまい、種子散布にはならないのかな?
実際にカワラヒワの糞を採集して未消化の種子が含まれているかどうか、いつか調べてみたいものです。

親鳥の背後にもう一羽が飛来しました。(@1:30)
しかしとても臆病で、オオキンケイギクの茂みの陰に隠れたままです。
カワラヒワ成鳥に比べて地味な鳥なので、初めは一瞬スズメかと思ったくらいです。
頭部や背中が地味な茶褐色をした個体です。
謎の鳥が少し羽ばたいて移動した際に、黄色い羽が見えました。
採食している親鳥の傍らでカワラヒワの幼鳥(巣立ち雛)がずっと餌乞い♪していたと後に判明します。
ときどきヒヨヒヨ♪という鳴き声が聞こえますが、この幼鳥が発していたようです。
幼鳥が見様見真似で自力でも採食しているかどうか、結局、見えませんでした。
もしかすると幼鳥は未だオオキンケイギクの細い茎に飛びついて止まる芸当が出来ないのかもしれません。

私がそっと横にずれて、幼鳥も撮ろうとしたら、親子の2羽が飛んで逃げてしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→幼鳥に巣外給餌



▼関連記事(4年前の撮影)
オオキンケイギクの種子をついばむカワラヒワ(野鳥)の群れ
ヒマワリの種子を口移しで給餌♪するカワラヒワ(野鳥)の親子?


カワラヒワ(野鳥)親鳥@オオキンケイギク実採食
カワラヒワ(野鳥)親鳥@オオキンケイギク実採食
カワラヒワ(野鳥)親鳥@オオキンケイギク実採食
カワラヒワ(野鳥)親鳥@オオキンケイギク実採食
カワラヒワ(野鳥)親鳥@オオキンケイギク実採食
カワラヒワ(野鳥)親鳥+幼鳥@オオキンケイギク実採食

オオキンケイギク花+実・全景
オオキンケイギク花+実

2018/08/21

アメリカキササゲの花蜜を吸うクマバチ



2018年6月中旬

校庭の隅にアメリカキササゲの高木が2本並んで立派に育ち、白い花が満開に咲いていました。
そこへキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)が何匹も集まり忙しなく訪花していました。
複数個体を撮影。

下から仰ぎ見ると高所で採餌するクマバチの顔色や複眼が見えず、性別を見分けられません。
少なくとも、後脚の花粉籠は空荷でした。
花の盛りは過ぎていて、雄しべの花粉はほとんど残っていないようです。

クマバチと言えばハナバチ類の中でも舌が短く、穿孔盗蜜の常習犯として有名です。
しかし、このアメリカキササゲの花に対しては毎回常に正当訪花し、盗蜜しませんでした。
花筒が充分に太いおかげで、クマバチも入口から楽々と潜り込んで奥の蜜腺を舐めることができるようです。

アメリカキササゲの円錐花序で隣接する花へ飛ばずに歩いて移動することもありました。(省エネ採餌)
花蜜が豊富な花に当たると夢中になって吸蜜し、なかなか外に出て来ません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
風揺れが激しいので、あえて手ブレ補正処理はしませんでした。


クマバチ@アメリカキササゲ訪花吸蜜
クマバチ@アメリカキササゲ訪花吸蜜
クマバチ@アメリカキササゲ訪花吸蜜
クマバチ@アメリカキササゲ訪花吸蜜
クマバチ@アメリカキササゲ訪花

地面に落ちていたアメリカキササゲの花を拾い、中の構造を調べるために分解してみました(花弁を半分だけ割いた)。


アメリカキササゲ落花@採取
アメリカキササゲ落花@採取
アメリカキササゲ落花:入口@採取
アメリカキササゲ落花:下面@採取
アメリカキササゲ落花:内部構造@分解

アメリカキササゲ花
アメリカキササゲ花
アメリカキササゲ幹
アメリカキササゲ幹
アメリカキササゲ蒴果(前年の物が枝に残る)
アメリカキササゲ蒴果(前年の物が枝に残る)

夕暮れにニセアカシアの樹上を跳んで移動するハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)



2018年5月下旬・午後18:29(日の入り時刻は18:52)
▼前回の記事
ハシボソガラスの親鳥が路上で採食するも幼鳥に巣外給餌せず飛び去る(野鳥)

河畔林のニセアカシア(別名ハリエンジュ)の枝に相変わらずハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛が単独で隠れていました。
夕日を浴びた枝上で羽繕いしています。
暇そうにニセアカシアの白い花を嘴で軽くつまんだりしていますが、花を食べているのではなさそうです。
足元が覚束ない様子だったのに突然、大きくジャンプして羽ばたき、枝先に移動しました。
これも飛ぶ練習の一環なのかな?
多分、しつこく見ている私から身を隠そうとしているのでしょう。
近くに親鳥の姿は見当たりません。

夜になっても幼鳥はここをねぐらとしてこのまま独りで寝たのでしょうか?
親鳥や先に巣立った幼鳥(3羽居るはず)が近くに付き添って一緒に寝るのかな?
翌日の早朝(夜明け前)に現場を再訪して確かめたかったのですが、うっかり寝過ごしてしまった私は修行が足りません…。
この営巣地での観察記録は以上で終わります。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


昨年までは高圧線の鉄塔に営巣したハシボソガラスを定点観察しました。
今季は、より自然状態に近い樹上に作られたカラスの巣を観察しました。
樹上の巣は春になって花や葉が茂ると隠されてしまう、という難しさがあります。
また風が吹くと樹上の巣は揺れて、やや撮影しにくくなります。
という訳で、初心者には高圧線鉄塔などの人工物に作られたカラスの巣を観察することをお勧めします。


ハシボソガラス(野鳥)巣立ち雛@夕方:ニセアカシア枝

2018/08/20

ソヨゴの雄花で吸蜜するコマルハナバチ雄蜂♂



2018年6月中旬

街路樹として植栽されたソヨゴの雄株でコマルハナバチ♂(Bombus ardensが訪花していました。
本種の雄蜂は♀とは体色が異なり、きれいなレモン色をしているのが特徴です。(性的二型)
白い小さな花から花へと忙しなく吸蜜して回ります。
雄蜂は採餌しませんから、後脚には花粉籠の構造が発達していません。(花粉団子を運ばない)
マルハナバチ類の中でコマルハナバチは営巣開始が最も早く、雄蜂や新女王など次世代の生殖虫を最も早く産出します。
他の種類のマルハナバチではこの時期に雄蜂を見かけることはまずありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
絶え間なくビル風が吹いて枝が激しく揺れるので、動画編集時にあえて手ブレ補正処理をしませんでした。
(やると副作用でグニャグニャと歪み不自然で酔いそうな動画になるのです)




▼関連記事(同じ日に続けて撮影)
ソヨゴの雄花で採餌するコマルハナバチ♀

コマルハナバチ♂@ソヨゴ雄株+訪花吸蜜
コマルハナバチ♂@ソヨゴ雄株+訪花吸蜜

ノリウツギの花蜜を吸うルリシジミ



2018年7月上旬

農業用水路沿いの薄暗い林縁に咲いたノリウツギの群落でルリシジミCelastrina argiolus)が訪花していました。
翅をしっかり閉じたまま吸蜜しています。


一方、右の葉にはニホンアマガエルHyla japonica)が座り込んでいて、獲物を待ち伏せしていました。
カエルの喉がヒクヒクと動いています。
舌を高速で伸ばして訪花昆虫を捕食する瞬間を撮りたかったのですが、この日の私はそこまで粘る忍耐がありませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ルリシジミ@ノリウツギ訪花吸蜜
ルリシジミ@ノリウツギ訪花吸蜜+ニホンアマガエル@獲物待ち伏せ

2018/08/19

ハコネウツギの花で穿孔盗蜜と正当訪花を自在に切り替えるクロマルハナバチ♀



2018年6月中旬
▼前回の記事
ハコネウツギに正当訪花で採餌するクロマルハナバチ♀

ハコネウツギ(別名ベニウツギ)の生垣でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。

少なくとも2匹のワーカーが採餌していたのですが、動画に撮りながら同一個体を追いかけると、正当訪花と穿孔盗蜜を切り替えていました。
穿孔盗蜜とは、漏斗状の花筒の根元を外側から噛んで穴を開け、そこから舌を差し込んで蜜腺を舐める採餌行動のことです。
特にラストシーンを見てもらうと(@4:00〜)、穿孔盗蜜の手順がよく分かります。(これは会心の証拠映像!と自画自賛)
蜂は後ろ向きなので口元の動きは見えませんが、花筒の奥を正面から見ていると、蜂が花弁の根元に外側から小さな穴を開け、次に黒くて細長い舌をその穴に挿入して蜜腺を舐めています。
植物の側からすると送粉の報酬としてせっかく花蜜を用意したのに、盗蜜されると丸損になります。
クロマルハナバチはマルハナバチ類の中でも舌が短く、盗蜜の常習犯として知られています。
ハコネウツギの花筒に対してクロマルハナバチ♀は正当訪花でも吸蜜できるのに、なぜか盗蜜行動⇔正当訪花と自由自在に(気紛れに?)スイッチするのがとても面白く思いました。
ハコネウツギの咲いたばかりの白い花でも、咲いてから日にちの経ったピンクの花でも、クロマルハナバチ♀は穿孔盗蜜していました。

後脚の花粉籠に注目すると、白い大きな花粉団子を付けていました。
もし盗蜜に専念しているのであれば、花筒の中で待ち構えている雄しべに全く触れませんから体は花粉で汚れず、後脚の花粉籠は空荷のはずです。
こうした個体は花粉籠が満タンなのに胃は未だ満腹ではない、と仮定すれば説明できるでしょうか。
つまり、「もう花粉で体が汚れるのは煩わしいけれども帰巣する前に蜜だけ吸いたい」と判断した蜂が正当訪花から盗蜜に切り替えたのかもしれません。
しかし、逆に盗蜜から正当訪花に切り替える場合もあることをこの仮説は説明できません。
自分で穿孔するのは面倒でやらないけれど、もし先客が穿孔した盗蜜痕を見つけたら手っ取り早くそれを利用して盗蜜する、という二次盗蜜者の採餌戦略なのかもしれません。
あるいはもしかすると、ハコネウツギの花筒の長さには変異があるのでしょうか。
訪花するクロマルハナバチ♀はそれを瞬時に見分けて、正当訪花しても舌が蜜腺に届きそうにない長い花筒の場合は盗蜜するのかな?

興味深い問題ですが、素人にはこれ以上どうやって追求したらよいものやら、分かりません。
とりあえず、個体標識したワーカー♀をひたすら追跡して採餌法を記録する、ぐらいしか思いつきません。

その後で蜂の舌の長さや訪花した花筒の長さを丹念に採寸すれば何か分かるかもしれません。
そもそも盗蜜行動は各自が学習によって身につけるものなのか、それとも生得的な採餌法なのか、気になります。



【追記】
同じハコネウツギの花でひたすら穿孔盗蜜に専念するクマバチ♀とは対照的です。


クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜

ハシボソガラスの親鳥が路上で採食するも幼鳥に巣外給餌せず飛び去る(野鳥)



2018年5月下旬


▼前回の記事
ハシボソガラスの親鳥♀♂が協力してノスリ?を縄張りから追い払う(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛が単独で隠れているニセアカシア(別名ハリエンジュ)河畔林に向かって私が戻る途中に親鳥の1羽と遭遇しました。
堤内地の電線に止まって川の方を眺めていました。
近くから私に撮られていることを嫌ったのか、飛んで少し離れた電線に止まり直しました。
堤防を挟んでニセアカシアの河畔林が満開の花を咲かせていて、その枝に1羽の巣立ち雛が隠れているのです。

親鳥が電線でお辞儀をしながらガーガー♪と嗄れ声で鳴きました♪(@0:32〜)。
これはハシボソガラスの鳴き方の特徴です。
何事か?(どんな意図で鳴いたのだろう)と思い辺りの様子を伺うと、堤防上の歩道を2人連れのヒトが上流方向へ散歩していました。
近くに居る幼鳥に対して親鳥が警戒声♪を発したのだろうと分かりました。
これがもしハシブトガラスなら、幼鳥を守ろうとして親鳥が通行人に激しく襲いかかることがよくあるのだそうです。
それに比べるとハシボソガラスは気性が穏健で、特にこのつがいははある程度ヒトに馴れているようです。
(そうでなければ、歩道に程近い堤外地のニセアカシア樹上に営巣しないでしょう。)

いつの間にか親鳥は電線から路上に降り立ち、歩きながら道端(ハルジオンの花が咲き乱れる土手)の草むらで採食を始めました。
遠くて採食メニューはよく見えませんでしたが、細長いのでもしかするとミミズの死骸かな?(@0:47)
親鳥は舗装路をトコトコと歩き去ります。
対向車が来ると小走りで路肩にどいてから飛び立ち、堤防上の歩道のガードレールに着陸。
すぐに嘴を足元のガードレールで拭いました。
親鳥の喉袋が膨らんでいるので、先程採食した餌をこれから幼鳥に巣外給餌するのでしょう。
今にもガードレールから左に飛んで巣立ち雛が待つニセアカシアの木に飛び込むぞ…と予測しながら撮っていたのに、親鳥は逆に(右に)飛び去りました。
先に巣立った幼鳥が他にも3羽居るはずなので、木が茂った右手の公園内に潜んでいるのかもしれません。(未確認)
それとも親鳥は私の存在を警戒して、巣外給餌を絶対に見られたくなくて(幼鳥の隠れ場所を天敵に知られたくない)フェイントをかけたのかな?

あるいは、縄張り内でもう少し採食を続けて餌を喉袋に溜め込み、後にまとめて幼鳥へ巣外給餌するつもりなのでしょうか。
この様子を巣立ち雛も近くのニセアカシア樹上から見ていたはずですが、餌乞いの鳴き声を発して親鳥を呼び寄せることはありませんでした。(少なくとも私には聞こえませんでした)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→夕暮れにニセアカシアの樹上を跳んで移動するハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)親鳥@路上採食

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