2024/09/21

晩秋の枯野でアナグマの越冬用営巣地をホンドテンが横切り、木登り?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬・午後20:20頃・霧? 

休耕地でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬を始めた営巣地(セット)に、ある晩ホンドテンMartes melampus melampus)が単独で現れました。
夜霧が発生しているようで、レンズが曇って画面がぼやけています。
 
軽快な小走りで枯野を横切って手前に来ると、獣道の途中で立ち止まりました。 
後足で立ち上がり、左の遠方をちょっと警戒しました。 
テンが後足ですっくと立ち上がる警戒行動は、以前も別な地点で記録されています。 


手前の死角に消えた直後にゴソゴソ、ガリガリ♪という耳障りな物音が監視カメラの至近距離から聞こえました。 
おそらく、林縁のオニグルミ灌木の幹に固定していたトレイルカメラを目ざとく見つけたテンが、爪を立てて木登りした物音ではないかと予想しています。


つづく→

スジチャダイゴケ【キノコ】

2023年11月下旬・午後13:20頃・晴れ

里山の湧き水が溜まった泉(水場)で、岸辺に落ちていた朽木に見慣れないお椀状のキノコが4個並んでいるのを見つけました。 
撮れた写真を元にGoogleレンズで調べると、スジチャダイゴケと判明。 
キノコの仲間(腐生菌)なのに名前に〜苔と付いているのは、外側に剛毛が密生しているからでしょうか。
私が見つけたお椀の中は空っぽでしたが、元々は粒状の胞子嚢が入っていて、熟すとコップに溜まった雨水によって胞子が散布されるのだそうです。

朽ちた倒木の樹種は不明です。
池の周囲は雑木林で、ミズナラ、コナラ、イロハカエデなどの落ち葉が大量に散乱しています。

気になるキノコの名前を少しずつ覚えていきます。
 

ノボロギクの花を舐めるオオハナアブ♀

 

2023年11月下旬・午前10:40頃・晴れ 

稲刈りの終わった田んぼ(刈田)の農道に咲いていたノボロギクの群落でオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。 
口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めていました。 
脚や口吻、腹部下面に黄色い花粉が付着しているので、ノボロギクの送粉者としての役割もありそうです。 
顔の正面や背面を向いたときに複眼が離れていたので、オオハナアブの性別は♀と判明。 

オオハナアブ♀は、ノボロギクの隣接する花から花へ歩いて移動しました。 
最後は少し飛んで、ノボロギクの近くに咲いた別種の白い小さな花(種名不詳)に訪花吸蜜してから飛び去ったのですが、映像は割愛。 

ちなみに、ノボロギクの花が咲き終わると、白い綿毛になります。 
タンポポと同じく、風が吹くとパラシュートのような綿毛と一緒に種子が飛ばされて分布を広げます。(風散布の種子)

2024/09/20

晩秋の休耕地でニホンアナグマの越冬用巣穴の横に溜め糞場を見つけた!

 



2023年11月下旬・午後13:15頃・晴れ 

休耕地に掘られた巣穴を見張っているトレイルカメラの電池やSDカードの交換に来ました。 
撮れた動画を現場でチェックすると、ニホンアナグマMeles anakuma)が巣材(寝床の枯草)を搬入していたことから、この巣穴で越冬しそうだと分かりました。 
かつてここはホンドタヌキの繁殖用営巣地だったのに、いつしかアナグマが乗っ取ったようです。 

広角で動画を撮りながら枯野を歩いて、巣穴を調べに行ってみました。
クズなどの枯草に覆われた休耕地に獣道が形成されています。 
3つ並んでいる巣口を順に見て回ったのですが、巣穴の主は巣口に顔を出しませんでした。 
日中のアナグマは巣内で寝ているのでしょう。 
巣穴の奥から外に掻き出した土砂が斜面(アクセストレンチ)を形成しています。 

巣穴の近くに溜め糞場を発見したのが嬉しい収穫です。 
黒い泥状の糞が乾いていることから、おそらくアナグマの溜め糞場ではないかと思います。 
アナグマの溜め糞場を巣穴の近くで見つけたのは初めてで、アナグマ関連の本に書いてあった通りでした。 
これまで私は巣穴から離れた位置でしかアナグマ専用の溜め糞場を見つけられず、当地のアナグマは独特の排便習性をもっているのだろうか?と悩んでいました。

糞塊はひとつだけではなく、タヌキの溜め糞らしきものも見つかりました。 
糞に含まれている未消化の種子を観察すると、カキノキソバの実を食べていることが分かります。 
(真面目に糞分析をする余力がなくて、写真から判断しただけです。) 
実際、近くに柿の木が生えていますし、ソバ畑もあります。
アナグマとタヌキが溜め糞場を共有しているのでしょうか? 
あるいは(都合よく解釈すると)、アナグマが巣穴を乗っ取って以来、タヌキの溜め糞は使われなくなったのかもしれません。 
ソバの実などが含まれた溜め糞
カキノキの種子などが含まれた溜め糞
越冬用営巣地の全景

少し遠くから営巣地を監視していたトレイルカメラの設置場所を変更して、巣穴や溜め糞場に通ってくる動物を間近で見張ることにしました。 
三脚を立てて見下ろすように監視カメラを設置したいところですが(ハイアングル)、広い枯野で三脚が目立ってしまうと誰かに見つかりそうです。
撮影機材の盗難や野次馬による野生動物への悪影響など厄介なことになりそうなので、三脚の使用は却下。 
かと言って、枯野の地面に監視カメラをむき出しのまま設置すると(ローアングル)、野生動物が咥えてどこかに持ち去ってしまいそうです。 


そこで重りとして、600mLの水入りペットボトルとホームセンターで購入した園芸用コンクリートブロックを地面に置き、そこにトレイルカメラをワイヤーロックで固定しました。 
カメラが根雪に埋もれてしまう前の短期決戦で挑みます。 




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晩秋の原っぱをトットコトットコ走って逃げるキジ♂(野鳥)

 

2023年11月中旬・午前9:55頃・くもり 

郊外で私が砂利道を歩いて田んぼに向かうと、横の畑(家庭菜園)に居たキジ♂(Phasianus versicolor)が慌てて逃げ出しました。 
トットコ、トットコ走って逃げる後ろ姿がなんとも可笑しみを覚えました。 
キジは飛ぶのが苦手なので、滅多なことでは飛び立ちません。 
奥に見える草丈の高いセイタカアワダチソウの群落やヨシ原が、この辺りのキジが緊急時にいつも逃げ込む隠れ家になっていて、今回もそこを目指しています。 


しかし今回はセイタカアワダチソウの茂みには入りませんでした。
私から充分に離れると茂みの手前で立ち止まり、左折してブロック塀の陰に隠れました。 
キジ♂の逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

晩秋の雪国の冬支度として、民家の庭木には早くも雪囲いが取り付けられています。

2024/09/19

山中の泉で水を飲むツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン1:11/19・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山で湧き水が溜まった水場にやって来る野生動物を自動撮影カメラで監視しています。 
晩秋には周囲の雑木林から降り積もった落ち葉が池に溜まり、浅くなっています。 
画面の左下から湧き水が池に流入し、右上に向かって流れて、沢の源流となります。


シーン2:11/23・午後21:10頃(@0:03〜) 
真っ黒なツキノワグマUrsus thibetanus)が奥の岸辺で水面に口を付けて水を飲んでいました。 
前足を浅い池の中に入れています。 
カメラの起動が遅れたようで、すぐに水場を離れて獣道へ立ち去ってしまいました。 
熊は未だ冬眠していないことが分かります。 


関連記事(1、2年前の撮影)▶  


つづく→

ヤマハッカの花蜜を吸うメスグロヒョウモン♀

 

2023年9月下旬・午後12:00頃・晴れ 

里山の中腹斜面に咲いたヤマハッカの群落でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。 
大きく開いた翅を軽く動かしながら口吻を伸ばして吸蜜しています。

2024/09/18

休耕地で越冬用の巣穴に巣材の枯草を運び込むニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬・午後17:10頃・(日の入り時刻は午後16:27) 

日没後30分もすると、辺りはもう真っ暗です。 
休耕地(枯野)にある巣穴からニホンアナグマMeles anakuma)が外に出て来ました。 
巣口でキョロキョロしながら辺りを警戒しています。 

安全を確かめると、アナグマは巣穴の左側エリアで巣材を集め始めました。 
めっきり寒くなってきたので、越冬前にふかふかの寝床(断熱材)を追加するのでしょう。 
休耕地に蔓延っていたクズカナムグラなどの枯れた蔓植物を口で咥えて引っ張り、むしり取っています。 
集めた巣材を両腕に抱えながら後退して巣穴に運んで行きます。 
巣材を搬入してから再び出巣すると、今度は右へ歩き出しました。 

次は手前のエリアから巣材を集めます。 
地面の雑草や落ち葉、枯れ草などを前足で手当たりしだいに掻き集め、獣道を後退しながら巣穴に戻ります。 
営巣地の周辺は広い枯野なので、アナグマは巣材(寝床)となる枯草に困ることはありません。 

この個体は体型や顔つきから♀のようですが、顔馴染みの母親♀(右目<左目)ではありませんでした。 
最後に、越冬前の巣材集め行動を5倍速の早回しでリプレイ(@3:51〜)。 




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落葉したイロハモミジの枝で羽繕いするウソ♀(冬の野鳥)

 

2023年11月中旬・午後13:20頃・晴れ 

紅葉した里山で私が静かに下山していると、山道の横の急斜面に生えた灌木にウソPyrrhula pyrrhula)の群れを見つけました。 
冬鳥のウソが渡来したようです。
逃げずに留まってくれた一羽の個体にズームインすると、赤味のない地味な♀でした。 
嘴に何か餌をほおばって咀嚼しています。
(採食シーンを見逃したのが残念!) 
食後の嘴を足元の小枝に擦り付けてから、ふっくらとした羽毛を嘴で念入りに整えています。 
最後にようやく止まり木から左下に飛び降りました。 
実は少なくとももう1羽のウソが左下に居たのですが、撮り損ねました。 

枝に少しだけ残っていた枯れ葉と翼果から、止まり木の樹種はイロハモミジ(=イロハカエデ)と判明。 
隣にはきれいに黄葉した落葉前のイロハモミジもありました。


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2024/09/17

晩秋の水場で夜に半身浴するニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬 

山中の水場をトレイルカメラで監視するプロジェクトを再開しました。 
限られた台数のトレイルカメラで複数のプロジェクトをやり繰りしているので、通年ではなく断続的な監視になってしまいます。

シーン1:11/19・午後12:50(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
三方を崖に囲まれている細長い池で、里山の湧き水が貯まり、流れ出た水は沢の源流になっています。 
落ち葉が降り積もって浅くなった池の水は、画面の左下から右上に向かって流れています。 

今回はカメラの設置場所を変更しました。 
これまでは画面左下隅(画角の外)の崖の途中にトレイルカメラを設置していました。
そこは常に湿気が高い過酷な環境で、防水のトレイルカメラでも次々に壊れるので困っていました。 
水場に来る野生動物や野鳥の警戒心が強いと、ローアングルで設置した監視カメラの存在に気づいてしまう、という問題もありました。 
そこで、池を斜め上から見下ろすアングルに変更しました。 
池の周囲の斜面には雑木林の樹々が生えているため、池全体が写るような設置場所はどうしても確保できませんでした。 
これまでの撮影で野生動物がよく来ることが分かっている池の左岸を重点的に監視することにしました。 


シーン2:11/23・午後22:51(@0:03〜) 
夜遅くに、池の水が流出する水路からニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がジャブジャブと水場に入って来ました。 
牙が短いので、♀のようです。 
野生動物の中でもイノシシは特に警戒心が強いのですが、この水場で入水シーンが撮れたのは初めてです。 
これまで水浴シーンが撮れなかったのは、やはり監視カメラの存在に気づいて警戒していたからなのでしょう。 
今回も途中でイノシシ♀は監視カメラの方を見上げたものの、逃げませんでした。 

浅い池の水に腹面を浸しただけで(半身浴)、背中まで完全には浸かりませんでした。 
晩秋の深夜で水温が低いせいか、いわゆるヌタ打ち行動(泥浴び)はしませんでした。
旧機種のトレイルカメラで動画撮影すると、気温のデータが取得できないのが残念です。 

泉の中でイノシシが身動きすると、小さなカエル(種名不詳)が水面に浮いた落ち葉の上を慌てて跳んで逃げました。(@0:30〜) 
イノシシ♀は水中で方向転換してから池の左岸に上陸すると、毛皮の水気を切らずにそのまま獣道を歩き去りました。
雪国のイノシシは、冬になっても水浴するのでしょうか?




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キバナノアマナの花蜜を吸うキマダラハナバチの一種【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年3月下旬・午後14:40頃・晴れ 

河畔林の林床に咲いたキバナノアマナの群落でキマダラハナバチの1種(Nomada sp.)が訪花していました。 
小さくてもカラフルな蜂で、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
他のハナバチ類に労働寄生する仲間なので、たとえ♀でも集粉しませんし、後脚に花粉籠はありません。 
咲きかけの蕾にも訪花しています。 

キバナノアマナの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:42〜) 


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2024/09/16

晩秋のアナグマ営巣地に1〜2頭で通うホンドタヌキの諸活動:11月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月中旬〜下旬 

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)に出没するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。
特筆すべき行動は個別の記事にしたので、その残り物になります。

シーン1:11/15(@0:00〜) 
気温が0℃まで下がった晩遅くにタヌキがうろついています。 


シーン2:11/16・午後16:48・気温9℃(@0:22〜)日の入り時刻は午後16:30 
日没後の晩に、タヌキ♂が左から来て獣道を通り過ぎる際に、ミズキの立木に小便して行きました。 
排尿マーキングの際に右後脚を上げたので、♂のようです。 


シーン3:11/18・午前8:17・晴れ・気温5℃(@0:38〜) 
朝日が射す二次林内を右へ立ち去りました。 


シーン4:11/20・午前4:18・気温7℃(@0:51〜) 
小雨(みぞれ?)がぱらつく未明にタヌキが左から来て、アナグマの巣口Lや周囲の落ち葉の匂いを嗅ぎ回っていました。 


シーン5:11/21・午前4:08・気温2℃(@1:51〜) 
未明に右からやって来たタヌキが林縁を左へ。 


シーン6:11/21・午前4:08・気温2℃(@2:31〜) 
別アングルに設置した監視カメラでつづきが撮れていました。 
アナグマの巣口Lの横を通り過ぎると、立ち止まって毛繕いしました。 


シーン7:11/21・午前7:39・気温1℃(@2:47〜) 
明るくなっても気温が1℃しかない、寒い朝です。 
ペアのタヌキが左から続けて登場しました。 


シーン8:11/21・午前7:40(@3:13〜) 
右へ立ち去った個体がなぜか戻ってきたようです。 


シーン9:11/21・午前7:46・気温2℃(@3:20〜) 
しばらくして獣道を左から来たタヌキが身震いしてからアナグマの巣口Lの匂いを嗅いで点検しました。 
獣道の立木に小便する際に左後脚を上げたので、この個体は♂です。 
右へ立ち去りかけたのに、林床に座りこんで毛繕い。 


シーン10:11/21・午前7:47・気温1℃(@4:20〜) 
二次林内に入って奥に向かいました。 


シーン11:11/21・午前7:49・気温3℃(@4:53〜) 
右から来て手前へ。 


シーン12:11/21・午前7:50・気温3℃(@4:53〜) 
別アングルで続きが撮れていました。 
二次林内を右へ。 
どうやら先行個体と全く同じ獣道を辿っているようです。 


シーン13:11/22・午前1:10・気温-1℃(@5:25〜) 
気温が氷点下に下がった深夜にタヌキが二次林内をうろついています。 
トレイルカメラを固定してある朽木の根元の匂いを嗅いでいたタヌキが突然、何かに驚いて(警戒して?)右へ走り去りました。 
タヌキが一体何に驚いたのか不明です。 


シーン14:11/22・午前3:27・気温-2℃(@5:46〜) 
単独タヌキが右から来て手前へ。 


シーン15:11/22・午前3:40・気温-1℃(@5:57〜) 
セット内を右往左往して、アナグマの巣口Lの匂いを点検したりしています。 
足早に右へ立ち去りました。 


シーン15:11/22・午前5:19・気温-2℃(@6:36〜) 
獣道を左へ立ち去るタヌキの尻尾がちらっと写りまいた。 


シーン16:11/22・午後13:23・晴れ・気温20℃(@6:36〜) 
晴れて暖かな午後に、タヌキが単独で左からゆっくり歩いて登場。 
アナグマの巣口Lの匂いを嗅いでから獣道を右上奥へ。 
途中で立ち止まって林床の匂いを嗅いでいます。 
昼夜で気温の寒暖差が激しいです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


溜池の泥濘にはまって死んだアオサギ(野鳥)

 

2023年9月下旬・午前9:45頃・晴れ  

今季は酷暑で降水量が少なく、溜池の水が干上がりそうです。 
ヨシ原に近い岸辺の泥濘で1羽のアオサギArdea cinerea jouyi)が死んでいました。 
近づいて現場検証できないので死因は不明ですが、死骸の近くの泥濘に鳥の足跡は残っていません。 
ということは、溜池に飛来したアオサギがうっかり泥濘に着陸してしまい、脚が抜けずにそのまま飢えて衰弱死したのでしょう。 
水深が浅いので、溺死したとは思えません。 

関連記事(9年前の撮影)▶ アオサギ(野鳥)の衰弱個体#1 


翼を広げて死んでいるようですけど、頭部も脚も見えません。 
どんな姿勢なのか、よく分かりません。 
私が移動して撮影アングルを変えると、アオサギ死骸の尾羽と後頭部がかろうじて見えました。

死後間もないようで、未だハエも集っていません。 
死臭に惹かれてスカベンジャー(屍肉食性)の鳥獣が来ると、底なし沼でミイラ取りがミイラになる可能性がありそうです。 
これから連鎖反応のように死体が増えるでしょうか?
例えば活火山の火口付近で動物が有毒ガスをうっかり吸い込んでしまって死ぬと、その死骸を見つけたハゲタカなどのスカベンジャーが次々に誘引されて死屍累々となることがあるそうです。

私もウェーダー(胴付き長靴)を履いて命綱を付ければアオサギの死骸を回収に行けたかもしれませんが、底なし沼が怖くて諦めました。
ゴムボートに乗って溜池から岸に近づくのが一番安全かもしれません。 

アオサギの死骸が生物分解されて白骨化する様子を定点観察したら面白そうです。 
死骸が直ちに大量の泥に埋もれれば化石になるのかな? 



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蒼鷺 

2024/09/15

給餌場からトチノキの種子(栃の実)を運んで地中に貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬 

トチノキ種子(栃の実)の種子散布について、ちょっとした実験をしてみました。

wikipedia:トチノキより引用
ドングリと同じく重力散布と動物散布の併用型で特にネズミ類の貯食行動に依存する。地上に落下した種子は冬までにほとんど持ちされれるという[39] 。種子の毒性は強く、ハツカネズミにトチの実の粉末を与えると高確率で死亡するという[40]。ドングリの場合、森林性のネズミ類、イノシシやツキノワグマは馴化により対応することが知られており[41][42][43]、おそらくトチノキに対しても同じことが起きていると見られるが、よくわかっていない。
ヒトは栃の実を丹念に灰汁抜きする方法を編み出してサポニンを除き、食用利用できるようになりました。


シーン0:11/8・午後12:26(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元の窪みに給餌場を設けました。 
右の給餌場Rにはトチノキの種子を30個、左の給餌場Lにはオニグルミの堅果(果皮なし)を8個、並べて置きました。 





トチノキの種子にはサポニンという毒が含まれているらしいのですが、給餌場に通ってくる野ネズミ(ノネズミ) は栃の実を忌避するでしょうか? 

実はこの給餌実験のために、5月中旬に栃の実を拾い集めていました。
トチノキ落果(蒴果)を丸ごと採集しても、室内で保管している間に硬い果皮が自然に割れて種子(いわゆる栃の実)がこぼれてしまいました。








公園の街路樹として植栽されたトチノキ大木の下で秋に落ちた果実(蒴果)を春になっても大量に採取できたということは、定説に反して野ネズミは栃の実を忌避して持ち去らなかったのでしょうか?
しかし私は以前、山中の峠道でアカネズミの食痕が付いたトチノキの果実を見つけています。 
関連記事(7年前の撮影)▶ トチノキの種子に残るアカネズミ?の食痕 


ちなみに、この給餌場付近の山林にはトチノキもオニグルミも自生していません。 
給餌場Rから栃の実が斜面を転げ落ちて紛失しないように、ストッパーとして数本の落枝を餌場の直下に横向きで並べて置きました。 


シーン1:11/10・午後23:57(@0:03〜) 
雨上がりの深夜に、斜面を駆け上がる野ネズミの後ろ姿が写っていました。 
後ろ姿では、木の実を運んでいるかどうか不明です。 
監視カメラの起動が遅れるのは、気温が低くて電圧が低下した上に、雨に濡れた野ネズミの体温が冷えて、熱源センサーが検知しにくくなるのでしょうか? 

野ネズミはシシガシラという常緑シダ植物の茂みの下に隠れて貯食した?後に、さらに斜面を登っていきました。 


シーン2:11/11・午前1:58(@0:34〜) 
日付が変わった深夜、野ネズミが木の実を咥えて運びながら斜面を右にトラバースして行きます。 
今回もトレイルカメラ起動が遅れ、野ネズミが餌場に来たシーンが撮れておらず、運んでいる堅果の種類を映像から見分けられません。 

斜面の右上で立ちどまった野ネズミは、茂みの下に姿を消しました。 
再び現れると、近くに置いておいた木の実を拾い直して、隠し場所に埋めたようです。 
落ち葉を被せて貯食物を隠蔽しました。 
その後は斜面を降りて給餌場に戻って来るかと思いきや、右下へ走り去りました。 
カメラを固定したシナノキが木枯らしの強風で左右に激しく揺れています。 

貯食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:00〜) 


シーン3:11/11・午前1:58(@3:05〜) 
餌場での行動をまたもや撮り損ねてしまい、トレイルカメラが起動したときには野ネズミが斜面を駆け上がっていました。 
貯食を終えた野ネズミが斜面を駆け下りて来ると、餌場Rに到着しました。 
トチノキ種子を迷いなく選ぶと、口に咥えて搬出しました。 
そのままカラマツ根元を右に回り込むと、斜面を右にトラバースして行きます。 

これで、野ネズミが栃の実を拾い集めて貯食することが確かめられました。 


シーン4:11/14・午前1:08(@3:54〜) 
3日後の深夜、雨が降っています。 
レンズが濡れて、画面全体がうっすらと曇ってしまいました。 
野ネズミが左から餌場Lに来たのに、なぜかすぐに左へ逃げ帰ってしまいました。 


シーン5:11/14・午前3:30(@4:03〜) 
2.5時間後にも再び野ネズミが登場しました。 
画面の右下隅をちらっと横切り、斜面を駆け下りました。 
おそらく給餌場の栃の実はすべて運び終えて空っぽとなり、新たな餌を求めて林床をうろついているのでしょう(探餌徘徊)。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


シリーズ完。 
11/19に現場入りすると、給餌場のトチノキ種子およびオニグルミ堅果はすべて無くなっていました。
今季の給餌実験はこれで終わり、別テーマのためにトレイルカメラを撤去しました。
今季はオニグルミ堅果(果皮あり+なし)、クリ堅果、トチノキ種子を給餌してみました。 
栃の実の給餌を一番最後にしたのは、種子に含まれる有毒物質サポニンを摂取した野ネズミがもしかしたら死んでしまうかもしれないと心配したからです。 
野生動物を意図的に殺そうとして毒エサを撒いたのではなく、あくまでも天然のトチノキ種子を置いただけです。


【考察】 
野ネズミが給餌場から栃の実を1個ずつ運んで地中に埋める証拠映像がなんとか撮れました。
例数が少ないので、来年以降にまた追試するかもしれません。 
晩秋に実験をしたせいで、給餌場に置いた栃の実が落ち葉の下に隠れてしまい、野ネズミによる発見が遅れたようです。

野ネズミは浅く掘った地面の穴に栃の実を埋め、落ち葉を被せて隠しています。 
深い雪が積もった冬の間に食べる保存食なのでしょう。 
野ネズミが栃の実を食べるシーンは撮れなかったので、トチノキ種子の毒性については分かりません。 
普通に考えても、共生関係にある種子散布者をトチノキが毒殺するはずはなく、何らかのサポニン対策(解毒など)が進化してきたはずです。
春までに野ネズミが食べ忘れたトチノキ種子から無事に発芽できれば、種子散布に成功したことになります。(貯食型の動物散布) 


【参考文献】 
長らく積読状態だったのですが、ようやく読んでみたらとてもエキサイティングで非常に勉強になりました。 
研究の道筋があまりにも理路整然ときれい過ぎると、強引に辻褄を合わせたんじゃないの?と内心疑ってしまいます。
しかし、本書では実験に失敗したことや未解決課題も正直に書いてあって研究の臨場感が伝わりました。 
私が素人ながら実際に野ネズミを相手に給餌実験の真似事をあれこれ試してみた後に本書を読んだので、面白いほど内容を吸収できました。 
個人的な疑問もいくつか解消できました。 
後半を読み進めるのがしんどいと書評で文句を言ってる人は、山歩きやフィールドワークの実体験が全くない人かもしれません。
(前半は生物好きな高校生でも読めるはずです。) 
本書前半部のダイジェスト版のような総説のPDFが無料でダウンロードできます。
島田卓哉. 堅果とアカネズミとの関係―タンニンに富む堅果をアカネズミが利用できるわけ―. 哺乳類科学, 2008, 48.1: 155-158.
また、筆者は野ネズミの研究者が増えて欲しいと願いながらも、人獣共通感染症のリスクがあることを率直に書いてあって印象に残りました。
野ネズミのフィールドワークを始めた素人が野ネズミからウイルスなどの感染を防ぐためにどんな注意をすべきなのか(服装や装備など)、具体的に書いて欲しかったです。

「野ネズミと栃の実:サポニンという毒とうまくつきあう方法」については全く言及されておらず、今もどこかで誰かが研究中なのでしょう。 
面白いテーマだと思うのですが、二番煎じのような研究を誰もやりたがらないのかな?

伊佐治久道; 杉田久志. 小動物による重力落下後のトチノキ種子の運搬. 日本生態学会誌, 1997, 47.2: 121-129.


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ホトトギスの花蜜を吸うイラクサギンウワバ(蛾)

 

2023年11月上旬・午後15:55頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でイラクサギンウワバTrichoplusia ni)らしき蛾が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
伸ばした口吻をきょに挿し込んで吸蜜しながら小刻みに羽ばたいています。 
花に脚を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)とは違います。 
身の危険が迫ったらすぐに飛び立てるように準備運動をして体を温めているのでしょう。(アイドリング?) 
気温が低いときなら準備運動の必要性も分かるのですが、全く寒くはありませんでした。 (気温を測るのを忘れました…。)

後半は翅を半開きのまま羽ばたきを止めてしまいました。 
おかげで翅表の斑紋がしっかり見えるようになりました。 
実はオオタバコガを動画で撮り続けているつもりだったのですが、別種の蛾であるとようやく判明。 

途中でカメラの電池が切れてしまい、ホトトギスの花から飛び去るまで見届けられませんでした。

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