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2025/01/15

クロホウジャク2頭がホトトギスの花序で競い合うように停飛吸蜜【蛾:ハイスピード動画】

 




2023年11月上旬・午後15:35頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でクロホウジャクMacroglossum saga)の吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、2頭が同じ花序でニアミスしました。 
お互いの激しい羽ばたきによる乱気流に巻き込まれないかと心配しましたが、全く平気で、競い合うように別の花で吸蜜していました。 

この花壇では多数のホトトギスの花が咲き乱れているためか、蜜源植物を巡る縄張り争いや占有行動は見られませんでした。 
ニアミスしても求愛・交尾行動を始めなかったということは、この2頭は同性なのでしょうか。
(私は外見でクロホウジャクの性別を見分けられません)

一方が先に飛び去ると、残った個体もすかさず反転して離れて行きました。 
衝突回避行動が実に見事です。
同様のニアミス・シーンがもう一度撮れていました。 

ホトトギスの蜜腺は、花の根元に小さく膨らんだきょの内部にあるのですが、クロホウジャクは停飛して羽ばたきながら細長い口吻を花筒の奥にある距の中に上手く差し込めずに苦労するときがあります。
見ている方も感情移入して苛々してしまいます。 

1頭になってからも吸蜜ホバリング行動を撮り続けると、伸ばした口吻を引き抜く際に透明な蜜の滴が口吻の途中に付着していました。(@1:35〜) 
口吻の先端ではなく途中に滴が付いていた理由が説明できず、ちょっと不思議です。 
花蜜ではなく、水滴が付着しただけかもしれません。 
その滴はすぐに振り落としたようです。

ハイスピード動画で何でもとりあえず撮ってみると、予期せぬシーンがたまたま撮れていることがあり、それが楽しみになります。 


2025/01/11

ヒャクニチソウの花蜜を吸いながら排尿するオオタバコガ【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 



2023年10月中旬・午後15:30・晴れ 

ヒャクニチソウ(百日草)の色とりどりの品種が咲き乱れる花壇に私が戻ってくると、オオタバコガHelicoverpa armigera armigera)がまた訪花していました。 
本種は訪花中も翅を小刻みに震わせ続けて飛び立つための準備運動(アイドリング)をしています。 
その翅をよく見ると、この個体は右の翅頂が欠けていて、30分前に観察したオオタバコガ♀とは別個体であることが分かりました。 

吸蜜後にクルクルと丸めて縮めた口吻が、オレンジ色の花粉にまみれていました。 
次の花に移動する前に身繕いして、顔や触角に付いた花粉を落としています。 
舌状花の花弁が散った後の筒状花でもオオタバコガは貪欲に吸蜜していました。 

オオタバコガが訪花中に240-fpsのハイスピード動画に切り替えたら(@1:14〜)、面白いシーンがたまたま撮れていました。 
吸蜜しながら腹端から透明な液体を1滴排泄したのです。(@1:25〜) 
本種の排尿シーン(おしっこ)は初見です。 
花蜜を大量に吸い、余分な水分を排泄して飛ぶために体重を軽量化したのでしょう。

 

2025/01/10

根返りしたスギの根元で餌を探す雪国のミソサザイ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬 

シーン1:12/27・午後14:21・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
平地のスギ防風林で風倒木が何本も放置されています。 
画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れた(根返り)スギの根際に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで見張っています。 
今季は記録的な暖冬で、積雪量が少ないです。 
水平の倒木が朽ちて樹皮がどんどん剥がれ落ち、雪面に散乱しています。 


シーン2:12/29・午後16:29(@0:03〜)日の入り時刻は午後16:31。 
監視カメラが起動した理由が分からなかったのですが、しばらくすると1羽の小鳥が手前から奥に飛来して、巣口bの手前の雪面に落ちていた樹皮に着地しました。 
小鳥の正体はミソサザイTroglodytes troglodytes)のようです。 
ミソサザイといえば山地の渓流の近くで見かける小鳥という認識だったので、こんな平地の防風林で見れるとは意外でした。 
他の鳥と同じく、根返りした土の塊を調べて、餌となる虫を探しに来たのかな? 

千葉県立中央博物館のホームページに掲載された記事によると、
 根返りした木は、土ごと倒れて根元は大きな土の塊となっている。この土の塊の中が生きものの越冬場所として好まれるようだ。オサムシ、ゴミムシ類の他に、カメムシ、ムカデ、トカゲ、カエルなども越冬している。皆、わざわざこの土の固まりに登ってから潜っているわけだ。(「 根返りで越冬するオサムシ」より引用)
やがてミソサザイは、ピョンピョン飛んで奥に消えました。 
ちょうど日没の時刻だったことから、もしかするとねぐら入りの行動だったのかもしれません。(※ 追記参照)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
ミソサザイは小さな鳥なので、最終的に1.5倍に拡大するように素材の動画をゆっくりズームインする、という編集を試してみました。 
タイムスタンプ(撮影日時)を改めて画面内の元の位置に焼き込む工夫をしたのがポイントです。



※【追記】
ミソサザイの塒について調べてみました。
ハルシネーション(AIによる知ったかぶりの誤情報)が少ないとされるPerplexity AIに質問した回答を引用します。
このAIは、質問する言語によって回答が質的に変わってくるので注意が必要です。
今回の件では、日本語よりも英語の方が圧倒的にソース(情報源)の質量ともに充実しています。
ミソサザイは、ヒトが架けた巣箱に入って越冬することもあるそうです。
ただし、大陸のミソサザイと日本のミソサザイで習性が微妙に異なる可能性もあり得るので、AIの言うことを鵜呑みにはできません。

ミソサザイの冬季のねぐら入りについて、特に雪国での具体的な情報は提供された検索結果には含まれていません。しかし、ミソサザイの一般的な生息環境と冬の行動から、以下のことが推測できます:

ミソサザイは通常、山地の渓流沿いの藪や岩のある林に生息しています[3][4]。冬になると、より低い山地や山麓の沢や岩のある林に移動する傾向があります[4]。この習性から、冬のねぐらとして以下の場所を利用する可能性が高いと考えられます:

1. 岩の隙間や穴
2. 倒木の下や樹洞
3. 厚い藪の中
4. 渓流沿いの岸辺の植生の中

雪国では、これらの場所が雪から保護され、比較的暖かい環境を提供すると考えられます。ミソサザイは体が小さいため、寒さから身を守るためにこのような隠れ場所を利用すると推測されます。

ただし、ミソサザイの具体的な冬のねぐら入り行動については、さらなる研究や観察が必要です。

Citations:
[1] https://www.pref.niigata.lg.jp/site/aicho/20210401aicho.html
[2] https://www.pref.niigata.lg.jp/site/aicho/20200401aicho.html
[3] https://zukan.com/jbirds/internal14978
[4] https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1497.html
[5] http://www.omnh.jp/wada/birds-rep11.html
[6] https://www.omachi-sanpaku.com/common/file/sanpaku/backnumber/13-4_cmp.pdf
[7] http://sizenkansatu.jp/05daigaku/s_2.html

 

The **Eurasian wren** (Troglodytes troglodytes) typically roosts in **dark retreats, snug holes, and even old nests** during the winter months. These roosting sites provide essential shelter from cold weather and predators. In harsher conditions, they may gather in groups, often consisting of family members or multiple individuals, to conserve warmth[1][3][6]. 

They are known to utilize various habitats for roosting, including dense vegetation such as bushes, hedgerows, and brush piles. This adaptability allows them to find suitable roosting spots across a wide range of environments, from gardens and parks to more natural settings like forests and marshes[1][3].

Citations:
[1] https://www.allaboutbirds.org/guide/Eurasian_Wren/lifehistory
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Winter_wren
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Eurasian_wren
[4] https://www.audubon.org/field-guide/bird/pacific-wren
[5] https://animaldiversity.org/accounts/Troglodytes_troglodytes/
[6] https://animalia.bio/eurasian-wren?letter=w
[7] http://www.birdwatchingacademy.com/winter-wren/
[8] https://www.allaboutbirds.org/guide/Winter_Wren/overview
[9] https://www.discoverwildlife.com/animal-facts/birds/wren-facts


Eurasian wrens (Troglodytes troglodytes) do use man-made structures for roosting in winter, including nest boxes. While they typically prefer natural roosting sites, they have been observed using artificial structures when available:

1. Wrens have been recorded roosting in large numbers in nest boxes during winter. In one instance, as many as 60 wrens were found roosting together in a single nest box[4].

2. They are known to use various man-made structures for shelter, including stone walls and even old nests[3][5].

3. Wrens often seek out "dark retreats" and "snug holes" for roosting, especially during harsh winter weather[3]. Nest boxes can provide such protected environments.

It's important to note that wrens are adaptable and will use a variety of roosting sites. They may roost alone or in groups, with communal roosting being a common strategy to conserve heat during cold winter nights[4]. While nest boxes are not their primary choice, they can serve as valuable artificial roosting sites when natural options are limited or during particularly harsh weather conditions.

Citations:
[1] http://www.birdwatchingacademy.com/winter-wren/
[2] https://animaldiversity.org/accounts/Troglodytes_troglodytes/
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Eurasian_wren
[4] https://scotlandsnature.wordpress.com/2019/01/16/a-small-bird-with-a-big-impact/
[5] https://www.allaboutbirds.org/guide/Eurasian_Wren/lifehistory
[6] https://www.backyardecology.net/winter-wren-one-of-our-other-wrens/

2025/01/07

靴底の泥を舐めに来たウラギンシジミ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の雑木林を抜ける山道を私が下っていると、前方の地面(?)から飛び立った蝶が私の足元にまとわりつきました。 
履いていた長靴の底に横から止まったので、驚きました。 
窮屈な体勢で見下ろしながら、動画を撮り始めました。 

蝶の正体は翅裏が銀白色のウラギンシジミ♂(Curetis acuta paracuta)でした。 
靴底に付いていた泥を口吻の先で舐めてミネラル摂取しています。 
ウラギンシジミは人懐っこく(無防備に)近寄ってくる習性があります。
関連記事(3、4年前の撮影)▶  

私がバランスを崩して足を動かしてしまったので、ウラギンシジミ♂は飛んで逃げてしまいました。 
少し飛んだだけで、道端に自生するクリ幼木の葉に止まりました。 
もしかすると、この山道でウラギンシジミ♂は縄張りを張って♀を待ち構えていたのかもしれません。 

翅を広げて日光浴しています。 
翅表が鮮やかなオレンジ色なので、♂と分かりました。 
私はまだウラギンシジミの♀を見たことがありません。 

ウラギンシジミ♂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
下山を急いでいた私は、蝶が自発的に飛び立つまで待てず、今回は物を投げつけて飛び立たせました。 
ウラギンシジミ♂は、頭上に物体の影が近づいただけで敏感に素早く飛び去っていました。 


余談ですが、生物調査で野外を歩く際には、長靴が結局一番便利なことが分かってきます。 
特に、雨上がりで下草が濡れていたり、地面が泥濘になったり、薮漕ぎを迫られたりしたときに、その威力を発揮します。 
高価で高性能な登山靴(トレッキングシューズ)はもちろん素晴らしいのですが、1年間で靴底が磨り減って履きつぶすことを考えると、気楽に買い換えられる長靴のコストパフォーマンスが際立ってきます。 
どうせ山中で他のヒトと出会うことは滅多にありませんから、足元のお洒落を気にしても仕方がありません。
ゴム長靴は靴底が摩耗するよりも先に、どこかゴムが破けて水漏れし、駄目になることが多いです。

2025/01/03

ママコナの花で吸蜜中のミドリヒョウモン♀を追い払うアリ【ハイスピード動画】

 



2023年8月下旬・午前11:05頃・晴れ 

低山の尾根道に咲いたママコナの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)の吸蜜シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみたら、ちょっと面白い事件が起きていました。 
近づいてきたクロアリ(種名不詳)のワーカー♀がミドリヒョウモン♀の足(右中脚跗節)に噛み付いて、ママコナの花から追い払ったのです。
蜜源植物を防衛する占有行動でしょうか。
アリに足先を噛まれたミドリヒョウモン♀は、驚いて飛び去りました。

2025/01/02

警戒して動かないタシギと根比べ(冬の野鳥)

 

2024年1月上旬・午後12:00頃・晴れ 

里山の斜面にヤマアカガエルの繁殖池があります。 
久しぶりに様子を見に来たら、私が雪をザクザク踏みしめる音に驚いた1羽の鳥が池畔から飛んで逃げ出しました。 
少し飛んだだけで、奥の緩斜面に着陸して動きを止めました。 
今季は異常な暖冬で積雪が少なく、まるで早春のような景色です。 
池の水面は結氷しておらず、枯れ草に覆われた斜面のあちこちに残雪が見えます。 
謎の鳥にズームインしてみると、その正体は嘴の長いシギの仲間で、タシギGallinago gallinago gallinago)という種類でした。 
シギ類の中でも私が初めて見る鳥なので、とても興奮しました。 
最近本で読んだばかりのタマシギかと期待したのですが、別種でした。 

【アフィリエイト】


ちなみに以前私が観察したのは、ヤマシギでした。 


地味な模様のタシギが枯れ草の上にしゃがみ込んで静止すると、見事な保護色(カモフラージュ)になっています。 
雌雄同色らしいので、性別を見分けられません。 
撮り初めは長い嘴の全体がしっかり濡れていたので、どうやら私が来るまで近くの湿地帯で採食していたようです。 
鼻水も光って見えます。 
初めは完全にフリーズしている訳ではなく、身を屈めながら横目で私の様子を油断なく伺い、わずかに身動きしていました。 
飛んで逃げるべきか、じっと静止して私をやり過ごすべきか、タシギの葛藤が垣間見えます。 

一方私は、タシギが痺れを切らして飛び立つか、警戒を解いて再び採食してくれるかと期待して、我慢比べの長撮りになりました。 
しかしタシギは警戒心がとても強く、その後はひたすらフリーズしているだけでした。 
もし嘴を開いてくれたら、有名な騙し絵「ウサギとアヒル」にそっくりでした。 
フリーズ状態のタシギは瞬きするだけで退屈なので、10倍速の早回し映像でお届けします。 
三脚を使わずに撮影を始めてしまったので、早回しにすると手ブレがひどいのは仕方がありません。 
フリーズの途中でタシギはときどき首を少しかしげて、斜めを見上げました。 
上空に飛来したカラス?を警戒したのかもしれません。 

私もその場でほとんど動かずに20分以上も粘ったのですが、カメラを構える腕の筋肉が限界を迎えました。 
ついに根負けした私が撮影を止めて歩き始めた途端に、タシギは飛び去ってしまいました。 
上空を旋回してから山林の方へ飛び去りました。 
タシギの鳴き声は聞き取れませんでした。 
飛び立つ瞬間に鳴いた気がするのですが(警戒声?)、その瞬間を動画に撮り損ねたのが残念です。 
タシギの飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

静かな山中で長撮りしている間にカカポ♪という謎の鳴き声も聞こえたのですけど、別種の鳥の鳴き声なのか、それともタシギの番(つがい)のパートナーが近くで鳴いたのか、不明です。 
ネットで調べても、そんな鳴き声を発する鳥は日本に居ない、と言われてしまいました。 

凍結した雪面にかなり大きな鳥の足跡が残されていました。
ただし、タシギの足跡とは限りません。 

その後しばらく(数時間)雪山を散策してから同じ地点に戻ってきても、タシギとは再会できませんでした。 


『やまがた野鳥図鑑』でタシギについて調べると、
 長く真っすぐなくちばし、枯れ草色の複雑な模様。旅鳥、または冬鳥としてやってくる。  (中略)河川や水田など湿地に生息するが、警戒心が強く、すぐに草の根元などに隠れてしまう。枯れ草色の複雑な模様の体は、辺りに溶け込み、ちょっと目を離せば見失ってしまう。見事な保護色だ。  朝夕に活発に動き回り、長いくちばしを土中に差し込んで上下に動かし、ミミズや昆虫などを食べる。くちばしは感度抜群。何と土の中でも先端が開くようになっていて、うまく獲物を捕らえる。湿地から「ジェッ」としわがれ声の鳥が飛び立ったら、それは間違いなくタシギだ。 (p151より引用)

タシギは夜行性らしいので、トレイルカメラで採食行動を録画してみるのも面白そうです。 
しかし、ここはどうしても監視カメラを設置しにくい場所なので、諦めざるを得ませんでした。
 
実は2023年の夏から秋にかけて、雑草が生い茂るただの草地だった池畔の地形が一変しました。
おそらくニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の仕業だろうと睨んでいるのですが、広範囲に雑草が根こそぎ掘り返され、掘り跡に山の湧き水が流入して湿地帯(草地)になったのです。
ヒトは長靴を履かないと通れない泥濘の草地と化しました。
イノシシが採食行動によって環境を改変したことで、タシギにとって絶好の餌場となったようです。 
私の推理が正しければ、イノシシは里山の生態系エンジニアの役割を果たしていると言えそうです。
タシギなんて地味な鳥を見れたからと言って喜ぶ物好きは私ぐらいですから、歩きにくくて見苦しい地形になったという理由で、地元の人が(良かれと思って)ブルドーザーで整地し直すのではないかと心配です。 
地球温暖化や開発のせいで生物多様性が急激に減少している昨今、日本で特に保全しないといけないのは、草地と湿地の環境です。
最近の田んぼは収穫後に水を抜いてしまう乾田なので、田シギは住めなくなっているのでしょう。




2024/12/31

ホンドタヌキの営巣地で見つけたオオモンクロクモバチ

 

2023年7月中旬・午後14:45頃・晴れ 

雑草が繁茂する休耕地にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の営巣地を久しぶりに見に来たものの、巣口にタヌキ幼獣の姿はなく、タヌキの気配を感じられませんでした。 
子育て中はなるべく巣穴に近づかないようにしていたのですが、最後に見たのは6月上旬です。


巣口から伸びる溝(アクセストレンチ?)の土が白っぽく乾いています。 
その地面でオオモンクロクモバチAnoplius samariensis)が翅を小刻みに開閉しながら身繕い(化粧)していました。 
本種の性別の見分け方を私は知りません。 
もし♀ならば、草むらで獲物のクモを狩ったり、裸地に巣坑を掘るかと期待したのですが、すぐに飛び去ってしまいました。 
オオモンクロクモバチが飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、背後からクロアリ(種名不詳)に奇襲され、驚いて飛び立ったことが分かりました。 

近くの森からニイニイゼミ♂(Platypleura kaempferi)の斉唱♪がかすかに聞こえます。

2024/12/27

シロバナヤマフジの花蜜を吸い藤棚を飛び回るクマバチ♂【ハイスピード動画】

 


2023年5月上旬・午後15:20頃・晴れ


民家の藤棚に咲いたシロバナヤマフジ(シラフジ、白藤)の群落でキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の雄蜂♂が訪花していました。 
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。 
マメ科シロバナヤマフジの蝶形花で正当訪花を繰り返し、吸蜜しています。 
訪花の合間に飛んだ際に、顔の頭楯が白く、複眼が大きく発達していることから、雄蜂♂と分かりました。 

栄養補給を済ませた雄蜂♂は蜜源植物の近くでホバリング(停空飛翔)して空中に縄張りを構え、交尾相手の♀を待ち構えます。 
そこまでは本に書いてある通りで、理屈として分かるのですが、同じ藤棚でクマバチ♀も忙しなく訪花していたのに、なぜか求愛・交尾行動は一度も見られませんでした。 


空中で停飛(ホバリング)している雄蜂♂は、早い者勝ちで♀を獲得するために、周囲で動く物に対しては反射的に何でも飛びつく習性があるぐらいです。
したがって、藤棚で訪花を繰り返しているクマバチ♀の存在に気付いていないはずがありません。


クマバチは同種の仲間を個体識別したうえで「この♀は脈なしだ(以前に交尾拒否された?)」という判断を雄蜂♂が下しているとしか思えません。

 ※ 動画編集時に逆光補正処理を施してあります。 


関連記事(同所で7年前の撮影)▶ 白藤の花蜜を吸うクマバチ♂



【追記】
ときどき復習しないと私も忘れそうになるのですが、クマバチはミツバチ科に属しているものの、ミツバチのような真社会性ハチではなく亜社会性のハチです。
つまりクマバチの♀は女王蜂と働き蜂のようなカーストに分かれておらず、単独または少数の♀が共同で採餌と育児を行います。
したがって、交尾の様式も異なります。
ミツバチのように新女王蜂と雄蜂♂が結婚飛行で交尾するのではなく、ホバリングで縄張りを占有するクマバチ♂は同種の♀であれば誰でも交尾可能ということになります。
また、クマバチの雄蜂♂は♀と交尾してもミツバチ♂のように即死することはなく、何度でも交尾可能なのだそうです。
しかし、クマバチ♀の交尾拒否行動については、あまりよく分かっていないらしい。
キムネクマバチの♀が雄蜂♂を誘引する物質(性フェロモン)を分泌していることは、行動観察などから確認されています。
クマバチ属の一部の種では、♀が分泌する性フェロモンの成分が特定されていて、主に炭化水素やエステルといった化合物の混合物で構成されていたそうです。
しかし、日本産のキムネクマバチでは♀の性フェロモンの実態は化学的に同定されていないらしい。
そうと分かれば、訪花中のクマバチ♀に対して雄蜂♂が求愛しない理由も簡単に説明できそうです。
(交尾する気がない♀は、性フェロモンを分泌していない。交尾する♂を♀が選り好みしている?)


以上、この追記部分は、AIのGeminiに質問しまくった回答を自分なりにまとめました。
ダブルチェックしても情報の出所が不明な点(肝心の性フェロモンについて)もあり、AIに特有の知ったかぶり(ハルシネーション)なのかもしれませんが、一応ここにまとめておきます。

2024/12/25

水溜りの泥を舐めてミネラル摂取するツバメシジミ♂

 

2023年9月中旬・午後15:30頃・晴れ

田園地帯の農道に水溜まりができていました。 
その岸にツバメシジミ♂(Everes argiades hellotia)が止まって、乾きかけた泥を舐めていました。 
ツバメシジミの吸水行動は初見です。 
しかし近くにいたキタキチョウ♂の集団吸水の撮影に集中していた私はツバメシジミ♂に気付くのが遅れてしまい、ズームインしたときには口吻を伸ばしていませんでした。 
飛び去る直前に腹端を下げて接地させたのは、排尿行動ですかね? 
地上では翅をしっかり閉じているので、性別不明でした。 
飛び立つ羽ばたきを1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、翅表が紫青だったので♂と判明。

2024/12/24

モリアオガエルの死骸を持ち去るカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月下旬・午前9:00頃・晴れ 

平地のスギ防風林の林縁で、雪の消えた地面にカエルの死骸が転がっているのを見つけました。 
頭部を背側からつつかれていたので、鳥が食べ残したようです。 
今期は異常な暖冬ですから、冬眠から季節外れに目覚めてしまったカエルが天敵に捕食されたのでしょうか? 
それとも、冬眠中のカエルを野鳥が地中から掘り出して捕食したのかな? 

モズLanius bucephalus)のはやにえが地面に落ちた可能性も考えられます。 
ここは田畑や休耕地の近くなので、モズが生息していても不思議ではありません。 
関連記事:▶  


さて、犠牲となったカエルの種類は何でしょう? 
シュレーゲルアオガエルまたはモリアオガエルだと思うのですが、死体の頭部が損傷しているため、重要な識別ポイントである目の色が分かりません。 
腹面に斑紋があるので、モリアオガエルRhacophorus arboreus)と判明しました。 
こんな平地の小さな林にモリアオガエルが生息しているとは知らず、ちょっと意外でした。 
近くに水がたまった素掘りの水路や池?もあるので、水辺の樹上にモリアオガエルの泡巣が作られるかどうか、初夏の繁殖期に確かめないといけません。(忙しくて、すっかり忘れてしまいました。) 

野外で見つけた死骸を素手で触れてはいけません。 
ビニール袋を手袋代わりにしてモリアオガエルの死骸を掴むと、死後硬直はなく、凍死体でもなく、ぐったりしていました。 
腐敗臭はまったくしませんでした。
実はすぐ近く(約3m離れた地点)に、ニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴があります。 
根こそぎ倒れたスギの風倒木が何本も放置され、その根元に巣穴が2つ掘られているのです。 
せっかく新鮮な肉が手に入ったので、根曲がり巣穴aのすぐ手前の地面にカエルの死骸を放置して、巣穴の主に給餌してみましょう。 
監視カメラに何が写るか、楽しみです。 
すぐに雪が積もって埋もれてしまうことを心配しましたが、幸い雪が降る前に餌を見つけてくれました。 


翌日の朝に現れたのは、イタチではなく1羽のカケスGarrulus glandarius)でした。 
地面に仰向けで転がっているモリアオガエルの死骸を見つけると、周囲を警戒しています。 
まずは屍肉の本体ではなく小さな白っぽい肉片を咥え、左に飛び去りました。 
すぐにまたカケスが戻ってくると、モリアオガエルの死骸を丸ごと咥えて右へ飛び去りました。 
三回目に戻ってくると、最後の白い肉片を咥え上げ、左奥へピョンピョン跳んでカメラの死角に消えました。 
監視カメラの存在を警戒しているのか、カケスは死肉を食べるシーンを決して見せてくれませんでした。 
もしかすると、カケスは小さな肉片だけ食べて、メインのモリアオガエル死骸を再び貯食した(近くに隠し直した)のかもしれません。 
気温が低い厳冬期なので、日向を避ければ死骸は冷蔵/冷凍保存され、腐る心配はありません。 

カケスの死肉食を観察できたのは今回が初めてです。 
カケスはカラス科に属しますから、死肉を食べても不思議ではありません。 
近くの二次林で秋にドングリ(堅果)をせっせと貯食していましたが、餌の乏しい冬には、カエルの死骸でも嬉しいご馳走だったはずです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/12/23

イモカタバミの花で採餌し飛び回るハキリバチの一種♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:15頃・晴れ 

民家の軒下の花壇に咲いたイモカタバミの群落でが訪花していました。 
正当訪花を繰り返して吸蜜しています。 
腹面のスコパが橙色の花粉で汚れています。 
採餌の合間に身繕いして、体に付着した花粉をスコパに移しています。

イモカタバミの花から飛び立つ瞬間の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:56〜) 


関連記事(4か月前、4年前の撮影)▶  

2024/12/20

雪国の落葉樹林で採餌するエナガの群れ(冬の野鳥)

 



2023年12月下旬・午後13:15頃・晴れ 

平地の落葉した二次林でエナガAegithalos caudatus)の群れと遭遇しました。 
私がじっとしていると、ジュリリ、ジュリリ♪と鳴き交わしながら私の周囲に近寄ってきました。 
エナガはヒトをあまり恐れず好奇心旺盛な印象があります。
どの個体を撮るべきか目移りしてしまいました。 

落葉灌木に登って枝先や枯れ蔓をあちこちつついて虫を食べているようです。 
ついに地上に下りてきた個体は、枯れた藪を覗いて餌を探し、雪面の落枝をついばみました。 
実は、少数のシジュウカラと混群を(一時的に?)形成して一緒に採餌行動していました。 

2024/12/19

アジサイの花で採餌して飛び回るクロマルハナバチ♀の群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午前10:00頃・くもり 

道端の花壇に咲いたアジサイ(紫陽花)の群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは意外にも初見です。 

関連記事(7、11年前の撮影)▶  


アジサイの花序を歩き回るクロマルハナバチ♀の体表には白い花粉が付着しており、後脚の花粉籠に薄茶色の花粉団子を大量に付けて運んでいる個体もいます。 
振動集粉するかと期待したのですが、耳を澄ましてもその羽音は聞き取れませんでした。 
アジサイの花をよく見ると、雄しべの葯には花粉がほとんど枯渇していました。 
もう既にハナバチたちがほとんど集粉し尽くした後なのでしょう。 

紫陽花の花から蜂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜) 
集粉してから飛び立つと、腹面の体毛に付着した花粉を足で掻き落とし、空中で両脚を擦り合わせて花粉籠に移します。 

2匹のクロマルハナバチ♀がアジサイの花序でニアミスするシーンもたまたま撮れていました。
先客が飛んで逃げたものの、舞い戻ってきてライバルを追い払いました。 
同じコロニーから来た仲間ではないのかな?

複数個体を撮影。 
小さなミツバチ?も訪花していたようですが、撮り損ねました。

2024/12/17

ウラギンスジヒョウモン♂同士の誤認求愛?

 




2023年7月中旬・午前11:55頃・晴れ(強風) 

民家の裏庭に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)で花蜜を吸っているウラギンスジヒョウモン♂a(Argyronome laodice japonica)を動画に撮っていると、同種の別個体♂bが飛来し、訪花中の個体♂aも直ちに飛び去りました。 

何が起きたのか、1/10倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:07〜) 
酷い風揺れを我慢しながら撮影したのですが、スローモーションに加工すれば、それなりに見れる動画になります。 
まず、2頭とも翅表に黒い性斑(性標)がある♂でした。 
♂aは迎撃のために飛び立ったのでしょうか? 
 蜜源植物を巡る縄張り争いがあるのかな? 
しかし、手前で訪花していたキタテハ♀(Polygonia c-aureum)夏型に対してウラギンスジヒョウモン♂は全く興味を示しませんでした。 
したがって、同種の♂同士の誤認求愛だろうと思われます。 
ウラギンスジヒョウモン♀がオレガノの花に来たら求愛交尾しようと♂は待ち伏せしていたのでしょう。 

直後にオオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatum)もオレガノの花壇から飛び去りました。

2024/12/16

雪国の森で根回り穴を覗き込んで虫を探すシジュウカラ♀(冬の野鳥)探餌行動

 

2023年12月下旬・午後13:20頃・晴れ 

平地の落葉した二次林で小鳥の混群と遭遇しました。 
初めは樹上で採食していたのですが、私がじっとしていたら次第に警戒を解いてくれたのか、地上(雪面)でも採食するようになりました。 
1羽のシジュウカラ♀(Parus minor minor)に注目すると、灌木の根本の周りで雪が丸く溶けた穴(根回り穴)を次々と覗き込んでいました。 
根回り穴の内部は周囲よりも気温が少し高くて暖かく、寒風もあまり吹き込まないので、越冬する虫が集まっているのかもしれません。 
それを知っているシジュウカラが、獲物となる虫を探索しているのでしょう。 
短い登場シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
胸にある黒いネクタイのような斑紋が細いので、♀と判明。

実は、エナガの群れと少数のシジュウカラが混群を形成しているようでした。 
私はどうしても寄りの絵で各個体の行動を録画したくなるので、引きの絵(広角)で混群全体の動向を記録できないことが多いのです。


【追記】
「冬に雪が積もった森で木の根元の周りだけ雪が丸く溶けた穴」を指す用語として、これまで私は「ツリーホール」を使ってきました。
AIのGeminiに相談すると、ツリーホールは樹洞と誤解されやすいので、「根開き」や「根回り穴」と呼ぶのが一般的と教えてもらいました。

根回り穴の中に越冬昆虫やクモが多く潜んでいるのかどうか、実際に調べてみるのも面白そうです。


2024/12/14

スギ樹上に貯食していたドングリを厳冬期に回収するカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月中旬 

シーン1:1/9・午後13:12・気温13℃(@0:00〜) 
雪が積もった里山で、スギの木の下にあるニホンカモシカのねぐらを自動センサーカメラで見張っています。 
画面の右端から左に向かって、スギの幼木が斜めに倒れかけています。 
その状態でも枯死してはおらず、常緑の葉が茂ったままです。 
林業の観点からは間伐の対象とすべきなのですが、カモシカにとっては塒の目隠しになっています。 


シーン2:1/15・午後14:17・気温-4℃(@0:03〜) 
雪がしんしんと降る昼間に、スギ斜め倒木に1羽のカケスGarrulus glandarius)が止まっていました。 
冠雪した枝葉に頭を突っ込んで、何かを探しています。 
貯食していたドングリ(堅果)を咥えて上へ飛び去りました。 

最後にカケスはスギ樹上の死角から下の雪面に素早く飛び降りました。 
このときドングリを咥えているかどうか不明です。 
その場でドングリを食べて(飲み込んで)しまったのか、それとも別な場所に隠し直したのでしょうか? 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:37〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
フィールドにトレイルカメラを設置すると、偶然に面白い映像がたまに撮れるのが、トレイルカメラの醍醐味です。
カケスが貯食物を冬に回収するシーンを初めて観察することが出来ました。

現場は山の斜面に植林したスギ林の上端部で、その上はカラマツ林となっています。 
ドングリが実る樹種(ミズナラやコナラ)は隣接して生えていません。 
したがって、ドングリ堅果がスギ斜め倒木の枝葉の中に自然に落ちて引っかかっていたはずがありません。 
カケスが秋に近くの雑木林から拾ってきたドングリを、そこに隠しておいて、餌の乏しい厳冬期に記憶を頼りに取り出しに来たのでしょう。 
前回の登場シーン(10日前の撮影)を慌てて見返してみたのですが、カケスが斜め倒木の枝葉にドングリを持ち込んで隠した証拠映像は撮れていませんでした。
スギの立木ではなく斜め倒木を隠し場所に選んだのは、覚えやすいようにするためではないかと思います。

スギ斜め倒木の枝葉にカケスの貯食物が大量に隠されているのかと期待して、後日、現場入りしたときに探ってみたのですけど、何も見つかりませんでした。
あちこちにドングリを1個ずつ分散して隠してあるのでしょう。(リスクヘッジ)


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2024/12/13

ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るイチモンジセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月上旬・午後12:10頃・晴れ 

郊外で民家の裏庭の花壇に咲いた色とりどりのヒャクニチソウ(百日草)の群落でイチモンジセセリ♀♂(Parnara guttata)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
イチモンジセセリはいつものように翅をしっかり閉じたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 

ヒャクニチソウの花から次の花へ飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:09〜) 
この花壇には、ピンク系統だけでも様々な色の花弁のヒャクニチソウが咲いていました。

2024/12/12

落葉したウルシの樹上で熟した果実を食べるエナガ(冬の野鳥)

 

2023年12月下旬・午後13:20頃・晴れ 

雪が積もった平地の二次林でエナガAegithalos caudatus)の群れと遭遇しました。 
完全に落葉したウルシの樹上で熟した果実(核果)を次々に食べています。 

高木の下から見上げる撮影アングルなので、エナガのお尻しか見えませんが、逆にエナガは私に気づいておらず、無警戒で採食を続けています。 
ジュリリ、ジュリリ…♪というエナガの鳴き声が聞こえますが、食事しながら鳴いてるのか、群れの別個体が鳴いているのか不明です。 

ウルシの木に巻き付いて育ったツルウメモドキの赤い実も手前にあるのに、エナガは全く食べようとしません。 
ウルシの実の方が美味しい(好み)のでしょう。 
エナガを始めとする鳥がウルシの実を丸ごと食べて遠くに糞をすることで、ウルシの種子散布に貢献していることになります。 
鳥がウルシの実を食べてもかぶれないのは何故なのか、何か対策(適応進化)しているのか、不思議です。


さて、このウルシ属の樹種を正確に見分けられるでしょうか? 
山形県にハゼノキやヤマハゼは自生していないはずなので、除外します。 
夏に葉や花を見ればたちどころに判明するのですが、落葉した冬だと一気に難しくなります。 
樹高は目測で約10m近くありました。 
実の表面が無毛で白い粉を吹いていないことから、ヤマウルシ ではなくウルシだろうと暫定的に判断しました。 
ウルシだとすれば、昔に誰かが漆の樹液を採取するために植栽したのかもしれません。
次にヌルデの可能性を排除するのが、また難題です。 
果柄が比較的長いので、やはりウルシでしょうか?
冬芽や葉痕で樹種を見分ける方法は全くの勉強不足で、写真に撮っていません。
ウルシ候補の木に登って、樹上にわずかに残った枯れ葉を調べに行こうか迷ったのですが、落葉後の冬でも不用意に木登りしたらかぶれる可能性が高いらしく、諦めました。 
葉が出る季節まで待って定点観察し、もしヌルデだったら訂正することにします。 

参考:「葉と果実によるウルシの仲間の見分け方」@山渓ハンディ図鑑『樹に咲く花:離弁花2』P288




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2024/12/10

根曲がり巣穴の周囲で採食する雪国のシジュウカラとヤマガラの混群【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬〜中旬 

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴」をトレイルカメラで監視しています。 
この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。
年末に積もった雪はほとんど溶けてしまいました。 
巣口aの手前の地面にはツルウメモドキの赤い実が見えます。 
カラ混群が採食に来る様子を以下にまとめました。 


シーン1:1/10・午前11:14(@0:04〜) 
左の地上でシジュウカラParus minor minor)が採食しています。 
やがて右からヤマガラSittiparus varius)が飛来し、倒木の細根に止まって、あちこちつつき始めました。 


シーン2:1/10・午前11:21(@1:04〜) 
約6分後にも4羽のシジュウカラが飛来して、根曲がり巣穴の周囲で採食していました。 
巣口で採食する恐れ知らずの個体もいたのですが、イタチが巣内から跳び出してきて鳥を狩ることはありませんでした。 

最後に左から高速飛来して右へ横切った鳥が気になりました。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:58〜)、その正体はメジロZosterops japonicus)でした。 


シーン3:1/15・午後17:35(@2:37〜)日の入り時刻は午後16:46 
 5日後の晩には雪が降りました。 


シーン4:1/19・午前8:38(@2:40〜)
積もった雪がだいぶ溶けて、雪面は明らかに湿雪です。 
巣口の左手前の細い灌木の枝にシジュウカラが止まって奥を向いていました。 
雪面を徘徊したり灌木に登ったりして、あちこち啄んでいます。 
もう1羽が合流して、♀♂ペアなのかもしれません。  

スギ風倒木の土付きの根を啄んでいた個体が、何か餌を持って手前の細い灌木の横枝に止まりました。 
正面を向いてくれたので、胸の黒ネクタイが細いことから♀と判明。 
何か小さな実?を足で押さえながら、嘴でつついています。 
それとも、嘴を足元の横枝で拭っただけかな? 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ(@3:42〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


不思議なことに、巣口の手前にあるツルウメモドキの赤い実を野鳥は全く食べようとしません。 


つづく→

2024/12/09

ヤブツルアズキの花蜜を吸い飛び回るウラナミシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月中旬・午後16:00頃・晴れ 

郊外にある民家の裏庭で、草ぼうぼうの花壇(家庭菜園?)にマメ科植物が黄色い蝶形花(左右非対称)を咲かせていました。
その群落にウラナミシジミ♀♂(Lampides boeticus)が群がっていました。 
花から花へ忙しなく飛び回り、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
訪花中は翅を半開きにするか、閉じていました。 
横の車道を車が走ると、すぐに飛んで逃げてしまいます。 

このマメ科植物の名前を私は知りませんでした。 
まず、この群落が雑草なのか栽培品種なのか、分かりづらい状況なのです。 
インゲンのような細長い豆果が実っていますが、インゲンほど立派ではありません。 
茎が自立しておらず、蔓性であることに気づきました。 
蔓の若い先端付近は緑ではなく、赤みを帯びています。 
「9月に黄色い花を咲かせ、細長い実をつけ、蔓性であるマメ科植物」という条件でAIのGeminiに相談すると、ヤブツルアズキだろうと候補を教えてもらえました。 
ノアズキの可能性は、豆果の形状が違うので除外できます。 
アズキの原種であるヤブツルアズキの豆は食用できるらしいのですが、家庭菜園にわざわざ雑草のヤブツルアズキを植えて栽培しているのでしょうか? 
昔はアズキを栽培していた畑を放置していたら、先祖返り(野生化)して蔓性に戻ったのかな?
アズキとヤブツルアズキは同種の変種扱いなので、交雑できるらしい。
アズキはふつう蔓なしだが、半蔓性のものもあり、原種は蔓性だったと推測される。(中略)ヤブツルアズキは、アズキの原種とも、アズキの栽培種が逃げ出して野生化したともいわれる。 (POINT図鑑『フェンスの植物: はい回る蔓たち』p158より引用)

ヤブツルアズキ:3出複葉+蔓
ヤブツルアズキ:3出複葉+蔓
ちなみに、ウラナミシジミは隣に咲いていたキク科のガーベラ?には全く訪花しませんでした。 
ウラナミシジミ幼虫の食草はマメ科植物ですから、成虫はやはりマメ科のヤブツルアズキに好んで訪花するのでしょう。 
産卵に来る♀を♂が待ち伏せしているのかもしれません。(動画公開予定) 

ウラナミシジミがヤブツルアズキの蝶形花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:05〜1:30) 
翅の破損状態に注目すると、複数個体を撮影していたようです。 
例えばサムネイルの個体は♂ですが、性別を見分けられない個体も登場します。 
ウラナミシジミの性別を見分けるには、翅表の斑紋をじっくり検討する必要があります。 
晴れて気温が高いせいか、あるいは求愛行動に必死なせいか、ウラナミシジミの羽ばたくスピードが速すぎて、スーパースローでも翅表がしっかり見えないのです。 
日差しが強すぎると、翅の角度によっては翅裏の斑紋が翅表に透けてしまうこともあって混乱します。 


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