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2025/04/16

ヒメオドリコソウの花蜜を吸うミヤマセセリ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月下旬・午後13:55頃・薄曇り 

峠道の歩道に沿って咲いたヒメオドリコソ咲いたウの群落でミヤマセセリ♀(Erynnis montanus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

翅を広げたまま吸蜜しています。 
とても小さな唇形花の開口部に口吻の先端を差し込むのに苦労しています。 
少し飛んでは隣の株の花へ移動して、次々と吸蜜します。 

性別は♀でした。
(ミヤマセセリの♀は)前翅表の中央部に白帯が現れ、(中略)前翅裏にある翅頂部近くの黄橙部は♂よりも広く顕著(フィールドガイド『日本のチョウ』p284より引用)
ミヤマセセリは幼虫で越冬するらしく、この個体は春になって羽化したばかりの成虫♀ということになります。 

ミヤマセセリ♀がヒメオドリコソウの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:15〜) 
春風が吹いて風揺れに悩まされたのですが、スローモーションにすると気にならなくなります。

2025/04/15

春の田んぼの畦道でくつろいでいた2羽のカルガモが飛び去るまで(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後14:50頃・くもり 

耕耘する前の春の田んぼで私が農道を歩いていると、横の畦道で休んでいた2羽のカルガモAnas zonorhyncha)が慌てて立ち上がりました。 
私が立ち止まって動画を撮り始めると、カルガモは横目で油断なく私の方を見ています。 
カルガモと私の間には細い用水路が流れているので、結構近くてもカルガモはまだ安心なのでしょう。 

やがて警戒を解くと、右の個体はその場に座り込み、羽繕いをしました。 
左の個体も遅れて座り、眠そうに目をつぶるようになりました。 
しかしよく見ると、水平方向に目を閉じたことから、瞼ではなく瞬膜を閉じたと分かりました。 

急ぐ用事のあった私は、悠長に観察する時間がありませんでした。
動画を撮りながら、カルガモのペアの横を歩いて通り過ぎることにしました。 
予想通り、2羽のカルガモは警戒して飛び立ちました。 
羽ばたきながら左に旋回して見失いました。 
「鳴きながら(警戒声♪を発しながら)飛び去った」と野帳には書いてあるのですが、動画を見直しても鳴き声は風切り音で聞き取れません。 

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:23〜) 
左の個体が先に飛び立ち、右の個体もすぐに後を追います。

2025/04/14

ニワハンミョウの道教え:飛翔逃避行動【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月下旬・午後15:00頃・晴れ 

田園地帯の舗装された農道で多数のニワハンミョウ♀♂(Cicindela japana)が走り回っていたので、最後に路上から飛んで逃げる「道教え」行動を撮影してみました。 
引きの絵(広角)で動画を撮りながら農道を歩くと、路上に佇んでいたニワハンミョウが走って逃げ、次々に飛び立ちます。 
ハンミョウ類は低空で短距離を飛ぶだけなので、歩行者の前方で連続して飛ぶことになります。 
擬人化すると、まるで道案内をしてくれているように見えます。 
ハンミョウの仲間が俗名で「ミチオシエ(道教え)」と呼ばれる所以です。 

ニワハンミョウが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画(1/8倍速)でも撮ってみました。(@0:36〜) 
同行者や助手が居なければ、どうしても三脚が必要になります。 
本格的な三脚は重いのでこの日は持参しなかったのですが、ミニ三脚をカメラバッグの底に入れっぱなしだったことを思い出しました。 
少し離れた位置から路上に腹這いになってバックモニターを見ながら素早く画角を決め、録画開始してから被写体のニワハンミョウに歩み寄ると、すぐに飛び去ります。 
カメラのバックモニターがバリアングルでないのが、こういうときに不便でなりません。 
複数個体を次々に撮影。 
横長の画角で飛び去るニワハンミョウの後ろ姿を撮ると、画面の縦方向に逃げる動きを長く撮れません。 
縦向き動画で撮るべきだったかもしれません。 
それでも引きの絵で横から撮れば、対角線状に飛ぶシーンを長く撮れます。 

私が歩いて近づくと、警戒したニワハンミョウはくるっと素早く方向転換してから、遠ざかるように飛び立ちます。 
大回りしてからハンミョウに背後から近づけば、カメラに向かって飛んでくれたかもしれませんね。 
(今回の幅が狭い農道では無理でした。) 

ニワハンミョウが地味な色の鞘翅(前翅)を広げると、腹背の色は目の覚めるほど美しいメタリック・グリーンでした。 
これはナミハンミョウでも同じでした。
スーパースローでも羽ばたきがあまりにも早かったので、動画編集で更に遅くした1/40倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:21〜) 


2025/04/13

農道を走って逃げるウスイロアカフヤガの春型(蛾)

 

2024年4月下旬・午後13:05頃・晴れ 

山間部の田園地帯の農道で、翅が赤茶色の蛾を発見。 
舗装路をなぜか小走りで逃げています。 
走りながらときどき羽ばたいて前方に飛び立とうとするのですが、なぜか遠くまで飛べずに少しジャンプするだけです。 
右前翅表に白い線状の擦過傷がありますが、種としての特徴ではなく、後天的で偶発的な傷のようです。 
最後は路肩の草むらに逃げ込んで、姿を見失いました。 
短い出会いを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

てっきり、春に出るキリガの仲間かと初めは思いました。 
くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑をぱらぱらと眺めてみると、ヤガ科モンヤガ亜科に属するウスイロアカフヤガDiarsia ruficauda)の春型が素人目には一番似ています。(p129に掲載) 
生息域が北海道〜九州。 
成虫の出現時期が3〜5、8月。 
低地〜山地に分布し、幼虫の食餌植物としてオオバコ、セリ、ノダイオウ、イヌタデが挙げられていました。 
この中でノダイオウというタデ科の植物だけ知らなかったのですが、あとの条件だと当地でウスイロアカフヤガが生息していても不思議ではありません。

2025/04/12

砂防堰堤で羽毛を整え頭を掻いてから飛び去るキセキレイ♂(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後14:05頃・くもり 

里山の山麓で、沢の水をせきとめる砂防ダムが最近新たに建造されました。 
下山してきた私がその新しい砂防ダムに近づくと、水辺から岸に1羽のキセキレイ♂(Motacilla cinerea)が飛び上がりました。 
喉が黒いので、夏羽の♂と分かります。 
それまで飲水・水浴していたのか、ただ探餌を探していたのか、それとも砂防堰堤の穴で営巣しているのかな? 

砂利の上で尾羽を上下に動かしながら胸の羽毛を嘴で整え、痒い頭を左足で掻きました。 
チチン♪と鳴きながら飛び去りました。 
羽繕い後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2025/04/11

カルガモの♀♂つがい外強制交尾と配偶者ガード(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後16:20頃・くもり 

平地の溜池の方から、激しい水音が聞こえました。 
水鳥が夕方に水浴しているのかと思ってそっと近づいてみると、3羽のカルガモAnas zonorhyncha)が水面で激しい喧嘩を繰り広げていました。 
普段カルガモは警戒心が強いのですが、今回は痴話喧嘩に夢中で、池畔で観察する私のことなど眼中にありませんでした。 

外見によるカルガモの性別判定は難しくて、私はまだスローモーションにしないと自信がないのですが、どうやら1羽の♀を巡って2羽の♂が交尾しようと争っているようです。 
【参考サイト】

正確には、♀♂ペアの間にあぶれ♂が割り込んで、強引に♀と婚外強制交尾を試みているようです。 
つがい外交尾:extra-pair copulation
強制交尾:forced copulation
つまり、♀aと強引に交尾しようとする♂bと、それを阻止しようとする(配偶者ガード)♂aとが激しく争っているのです。 
♀♂異性間の交尾行動の後半部分と、♂♂同性間の闘争行動とが似ていて紛らわしいです。 
ただし、カルガモの♀♂ペアが両性同意のもとで交尾する前には、必ず儀式的な行動をします。 
今回のあぶれ♂は、そのような求愛ディスプレイをまったくしないで、いきなり♀に背後からマウントしていました。 
関連記事(5、6年前の撮影)▶  
八木力『冬鳥の行動記:Ethology of Wild Ducks』でカモ類の交尾行動を調べると、 交尾には♀との合意が必要なので、♂が♀に近づきながら頭部を上下させるヘッドトッシングを行なって交尾を促し、これに♀が同調して頭部を上下させれば同意の合図。  ♀は交尾受け入れの姿勢をとります。♂は♀の後頭部をくわえてマウンティング。  交尾終了後、♀は必ず(儀式的水浴びと)転移性羽ばたきを行ない、♂はまれに行なうことがあります。 (p58より引用)


カルガモ♂aは配偶者♀aを守りたくても、ライバルの独身♂bを撃退するのに苦労しています。 
カルガモの嘴の先端は丸く、敵をつついて攻撃することはありません。 
足にも鋭い爪が無くて水かきしかないので、有効な武器をもっていないのです。
羽ばたく翼で相手を打ち付けたり、(異性間交尾のように)背後からマウントして相手の後頭部を嘴で咥えて押さえつけて、強制交尾を妨害するぐらいしか対抗策がありません。 
そのため、ひたすら体力勝負の消耗戦が続きます。

♀aに♂bが背後からマウントし、その上から更に♂aがのしかかるので、一番下に押さえつけられた♀aは重みで水没しています。 
♀aが何度も溺れそうになっているので、擬人化するとどうしても可哀想に感じてしまいます。 
しかしカルガモには表情がありませんから、♀aが本当に嫌がっているかどうか、定かではありません。 
(♀は意外とケロッとしているように見えなくもありません。)
酷い目にあっているのなら、♂同士が喧嘩している間に♀は池からさっさと飛び去って遠くへ逃げればいいのに、池に留まっているのが不思議でなりません。 
交尾相手の♀を巡る争いなら♂同士でとことん喧嘩するはずだと思うのですが、あぶれ♂は執拗に♀だけを狙って挑みかかります。
我々ヒトの価値観・倫理観では卑怯な振る舞いですけど、進化的に遠く離れたカルガモに無理に適応して憤慨しても仕方がありません。 
もし♀が辟易して逃げ出せば、パートナー♂もついて行かざるを得なくなり、縄張りを失いかねません。
「カルガモ♀は♂同士を密かにけしかけて喧嘩で決着を付けてもらい、より強い♂と交尾したいのではないか?」と穿った見方をしたくなります。 
あるいは、♀はパートナー♂の近くに留まった方が、あぶれ♂の執拗なハラスメントから守ってもらえる確率が高いのでしょうか。

この池にはカルガモの群れがもっと居るのですが、この騒ぎに乱入する個体はおらず、関係のない個体は飛んで逃げ出しました。 
初めは2組の♀♂ペアが池で縄張り争いをしているのかと思い、ライバル♂bのパートナー♀bが途中で助太刀に来るかと期待したのですが、そのような展開(4羽での喧嘩)にはなりませんでした。
喧嘩に巻き込まれそうになった周囲のカルガモ個体が慌てて逃げていくだけです。 

ようやく、♀aに付きまとうあぶれ♂bをパートナー♂aが背後から完全に組み伏せて♀を離させ、追い払いました。 
♂同士の喧嘩に決着が付いたように見えました。
しかし、「あぶれ♂b」は隙を見て再び♀aに突進すると、しつこく強制交尾を試みようとします。 

ようやくあぶれ♂bを追い払って配偶者ガードに成功したパートナー♂aは、水面で小刻みに方向を変えながら♀aの周囲を警戒し、勝利の凱歌を上げています。
短く連続的な「ガッガッガッ♪」という鳴き声は、縄張り宣言の示威行動なのだそうです。 
このとき鳴くのはいつも♂aだけで、♀aは黙っています。 
難を逃れた♀aは、♂aの斜め後ろをぴったり寄り添うように追随し、嘴を水面につけながら遊泳しています(緊張緩和の転移行動)。 
やがて♀aは水浴してから水面で伸び上がって羽ばたき(水切り行動)、自分で羽繕いを始めました。 
それに釣られるように、♂aも隣で同じく水浴と羽繕いを始めました。(♀a♂aペアの絆強化) 

♀a♂aペアが仲良く横に並んで水面を泳ぎ去りました。 
これで一見落着かと思いきや、♀a♂aペアの背後からしつこい「あぶれ♂b」が急いで追いかけてきました。(@4:10〜) 
敵の接近に気づくと一触即発で、3羽がほぼ同時に水面から慌てて飛び上がりました。 (@26:20〜)
すぐに着水すると、三つ巴の大騒動が再び勃発します。 
襲われた♀aは、緊急避難のため自発的に潜水しました。 
しかし独身♂bがすぐに背後から追いかけ、2羽ともしばらく水中に潜っていました。 
再び水面に浮上したときには、あぶれ♂bが♀aを掴まえて背後からマウントしていました。 
♀aを見失っていたパートナー♂aがようやく気づいて慌てて駆けつけ、救出を試みます。 
喧嘩に決着がついて、あぶれ♂bが少し飛んで逃げました。

配偶者ガードに成功した♂が、興奮したように勝利の鳴き声♪を上げながら水面を忙しなく泳ぎ回ります。 
パートナーの♀がすぐに駆けつけ、パートナー♂の斜め背後に寄り添うように遊泳します。
♂に付き従う♀は、尾羽を左右にフリフリしながら、嘴を水面に付けて遊泳しました(緊張緩和の転移行動)。 
それが♀による求愛ポーズなのかと思ったのですが、♂aは♀aを見ていません。 
♀aは水面で伸び上がって羽ばたき(水浴行動の省略)、パートナーの♂aに見せつけるように自分で羽繕いを始めました。 
♂aはようやくパートナー♀aに向き合ったものの、まだ興奮が収まらず、小声で鳴き続けています。 



一連の騒動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@5:20〜)
後頭部から首の後ろを通る黒い縦筋模様が♀では薄れかけていて、それが目印になります。
繁殖期の♀は背後から♂に繰り返しマウントされて、その度に後頭部や首筋を嘴で噛まれますから、黒い羽毛がどんどん抜けてしまうのでしょうか?
あぶれ♂bの後頭部を嘴で咥えた♂aが羽根をむしり取ることもありました。
この「黒いたてがみ」に注目すると、3羽の個体識別ができそうです。

少し離れた相手に急いで襲いかかるときは、左右の翼を水面に同時に打ち付けながら両足で交互に水を蹴って進みます。 


※ 水飛沫の音や鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



【考察】
カルガモの繁殖期は通常4~7月です。 
今回観察した4月下旬は、ペア形成が完了して巣作りおよび産卵を開始する前の時期に相当します。 
カルガモの♂は育雛(子育て)には全く参加しませんが、造巣の段階では♀に協力し、抱卵中の♀を警護するらしい。 
婚外強制交尾は巣作り前の時期(4〜5月)に頻発し、産卵開始後は激減するらしい。 
カルガモ♀が巣作りを開始する直前になると、パートナーの♂は特に警戒行動を強め、配偶者ガードを強化するそうです。 

カルガモは社会的単婚(一夫一婦制)を形成しますが、DNA検査で調べると婚外交尾も一定の割合で行われているらしい。
今回の調べ物で初めて知ったのですが、鳥類にしては珍しくカモ類の♂は螺旋型の長い陰茎をもつそうです。(参考サイトにすばらしい図解が掲載されています。)
短時間の交尾の際に、♀と前に交尾したライバル♂の精子を物理的に掻き出した上で自分の精子で置換するらしい。
また、強制交尾した♂が必ずしも次世代を残せるとは限らないそうです。
♀が複雑な形状の生殖器内で♂の精子を選別しているらしく、強制交尾した♂の精子は使われないことが多いそうです。
つまり、あぶれ♂の強制交尾がたとえ成功しても、寝取られた元の♀♂ペアは別れずに済むらしい。
精子競争の観点でもカルガモの配偶行動は奥が深くて、とても面白いです。

水面で激しく動き回る3羽のカルガモをしっかり個体識別できていないので、本当に配偶者ガードに成功したのか、それとも「あぶれ♂」による婚外強制交尾が成功したり♀を強奪できたのか、判断できません。 
しかし、池に残った♀♂ペアの行動から、独身♂による強制交尾は失敗に終わったと思われます。 
交尾に成功したペアが必ずやる儀式的行動(♂が「首反らし→円形泳ぎ」をする間に、♀が羽ばたきで水をかける)が見られなかったからです。
参考サイト:カルガモ 交尾行動
また、あぶれ♂による強制交尾が成功していれば、パートナー♂がただちに対抗して♀と再交尾を行い、精子を置換するはずです。

カルガモは身近にいる普通種の水鳥ですが、造巣行動や抱卵などを私はまだ観察できていません。
今回の撮影で、繁殖期の重要なミッシング・リンクがようやく一つ埋まりました。

今回の記事をまとめるにあたり、Perplexity AIを使った調べ物やブレイン・ストーミング*1 、*2 、*3)がとても役立ちました。
おかげで、動画に撮ったカルガモ3羽の行動をすっきりと(正しく?)解釈することができそうです。
Perplexityの助けがなければ、3羽のカルガモによる激しい乱闘はただ混沌としていて、素人には何がなんだかさっぱり理解できませんでした。
新たに勉強したことが多くて、AIに要約してもらおうか迷ったのですが、脳が退化しないように、なるべく自力で記事をまとめるように心がけました。
この記事が分かりにくかったら、私の責任です。



【アフィリエイト】 

2025/04/09

トレイルカメラに興味津々のヤマガラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年4月下旬・午後17:44・くもり・気温22℃

平地の二次林に設置した自動センサーカメラで死んだニホンアナグマの巣穴Lを監視していると、夕方にヤマガラSittiparus varius)が写りました。 

初めは画面の左端で鳥の黒い尾羽の先だけが動いていました。 
全身が見えずカラスかと思ったのですが、後にヤマガラと分かりました。 (ヤマガラの尾羽も黒いらしい。) 
しばらくすると、至近距離でガリガリ♪と引っ掻くような物音が聞こえるようになりました。 
さっきの鳥がトレイルカメラに気づき、その上に乗ったり嘴でつついたりしているようです。 
最後にトレイルカメラの手前で短くホバリング(停空飛翔)してレンズを直接覗き込んでから、飛び去りました。 
ヤマガラの偵察停飛を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:39〜) 
トレイルカメラのレンズやセンサー、赤外線LEDなどの心臓部をヤマガラに壊されずに済んで助かりました。 

実は、このトレイルカメラを灌木の幹に固定したベルトにミノムシ(蓑虫)が付着していたり、長期間設置してあるカメラ裏面と幹が接した隙間にクモが住居網を張って中に潜んでいたりするので、ヤマガラはそのような虫を捕食していたのかもしれません。 


関連記事(半年前の撮影)▶  


つづく→

2025/04/08

花が咲いたボケの枝先で巣作りに適した場所を探すセグロアシナガバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後14:30頃・晴れ 

道端で赤い花が咲き始めたボケ(木瓜)の灌木にセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が訪花していました。 
この時期はワーカー♀ではなく、越冬から目覚めた創設女王ですね。 
吸蜜していたようですが、しっかり接写する前に化粧(身繕い)してから飛び立ってしまいました。 

女王蜂は少し飛んだだけで、その後は緑の若葉が芽吹いたボケの枝先を丹念に調べていました。 
ボケの枝葉にはまだイモムシ類が居ないので、獲物を探索する狩りモードではなさそうです。 
どうやら女王蜂が初期巣を作り始める場所を探しているのだと分かりました。 
クロアリ(種名不詳)が往来する枝先は嫌がってすぐに離れます。 
アシナガバチにとって最大の天敵はアリだからです。 

別の枝先では緑色のクモとニアミスしたのですが、クモの方がセグロアシナガバチ♀を怖がって葉裏に隠れてしまいました。 
クモの正体は初めハナグモかと思ったのですが、おそらくサツマノミダマシNeoscona scylloides)のようです。 
造網性のクモですから、徘徊性のクモのように獲物を待ち伏せしていた訳ではありません。 




電柱の天辺から飛び立つサシバ♂(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後14:40頃・くもり 

山間部の農村でコンクリート製電柱の天辺に見慣れない猛禽が止まって周囲をキョロキョロ見渡していました。 
カメラでズームインしてみると、その正体は夏鳥のサシバ♂(Butastur indicus)でした。 
そこには鳥がよく止まるらしく、電柱の天辺は鳥の糞で白く汚れています。 
強風で頭部の羽毛が逆立って、まるで冠羽のように見えます。
(サシバに冠羽はありません) 

カメラを構える私に気づいたのか、サシバ♂はその場で回れ左すると、飛び去りました。 
鳥は離陸直前に軽量化のために脱糞することが多いのですが、この個体はしませんでした。 
電柱からサシバ♂が飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:25〜)。 

そのまま左に旋回して見失ったものの、立ち去りかけた私が振り返って空を見上げると、上空をサシバが飛び回っていました。 
羽ばたきと短い滑翔を交互に繰り返して、高度を上げています。 
最後に別個体が一緒に写ったのに、撮影中の私は気づかずに録画を打ち切ってしまいました。 
♀♂つがいが一緒に飛び回っているのでしょう。 
営巣地がどこにあるのか、突き止めたいものです。 

「キンミー♪と甲高く鳴きながら飛び去った」と野帳には記してあるのですが、風切り音のせいか動画では聞き取れません。 


サシバの雌雄判別法を忘れていたので、Perplexity AIに相談してみました。

サシバの性別を見分けるには、以下の特徴に注目します:
外見的特徴
顔の特徴
オス:顔が灰色がかっている12

メス:顔の灰色が少なく、白い眉斑がより明瞭123


胸部の特徴
オス:胸の白色が少ない傾向1

メス:胸の白色が多く、淡い茶色の横じまがある12


全体的な色合い
オス:体全体が濃い色をしている1

メス:オスより茶色みが強い1


尾羽の特徴
オス:尾羽の黒い帯(横斑)が太く、淡色帯の数が少ない14

メス:尾羽の帯が細い傾向にある1


春(4月下旬)の個体の識別
春は繁殖期に当たるため、性別の特徴がより顕著になります。特に注目すべき点は:
顔の灰色み:オスの方が強い

眉斑の明瞭さ:メスの方がはっきりしている

胸の白色の量:メスの方が多い

ただし、個体差や光の当たり方によって判断が難しい場合もあります。複数の特徴を総合的に観察することが重要です13。


【アフィリエイト】 

2025/04/05

ボケの開花を待ち切れずに赤いつぼみで採餌を試みるセイヨウミツバチ♀【ハイスピード動画】

 



2024年4月中旬・午後14:25頃・晴れ 

赤い花を咲かせるボケ(木瓜)の品種に訪花するセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀を240-fpsのハイスピード動画で撮っていたら、興味深い行動が撮れました。 
花だけでなく、未開花のつぼみにも訪れて念入りに調べていたのです。 
後脚の花粉籠は空荷の個体でした。 
セイヨウミツバチ♀は前脚で顔や触角を拭って身繕いすると、ようやく諦めて蕾から飛び去りました。 

セイヨウミツバチ♀は、まだ固く閉じている花弁をこじ開けて侵入しようとしているのでしょうか。 
それとも蕾に穿孔して、蜜腺から直接盗蜜しようとしているのかもしれません。 
ボケの花がまったく咲いていない蕾だけの時期ならともかく、同じボケの木で花がすでに多数咲いているのに、どうして蕾に執着するのか、理解に苦しみます。 
開花直前の蕾は花蜜が最も豊富なのでしょうか。 
ボケは鳥媒花と言われていて、花にも蕾にも虫を誘引する芳香はありません。 (少なくとも私の嗅覚では無臭)
ミツバチを誘引するフェロモンに分子構造がたまたま似ている未知の化学物質をボケの蕾が密かに分泌しているとしたら、面白い話です。

ちなみに、ミツバチと入れ替わりで別種のハナバチが飛来しました。 
触角が長く、頭楯が白い蜂です。 
なんとなくツツハナバチですかね?(当てずっぽうのボケをかましてみました。)

晩秋の刈田で何度も虫を狩り捕食するチョウゲンボウ♀【野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月中旬・午後13:20頃・晴れのち曇り 

広い田んぼに隣接するグランド(球場)でネットの支柱の天辺にチョウゲンボウ♀(Falco tinnunculus)が止まっていました。 
ここはチョウゲンボウがお気に入りの止まり木で、毎年秋になるとよく見かけます。 
支柱の天辺は鳥の糞で白く汚れています。 
支柱の天辺で周囲を見渡して、稲刈りが終わった刈田に潜む獲物を眼光鋭く探しています。 
秋風でチョウゲンボウ♀の羽毛がなびいています。 

まるで頷くように、しきりに顔を上下に動かしている行動にも意味があります。 
眼球が固定されている猛禽類が広い視野を確保するためには、頭全体を動かす必要があります。 
このチョウゲンボウは、首をねじって背後も見張っています。 
また、猛禽は両眼視野が狭いので、頭を上下に動かすことで遠方の対象物への距離感や立体視を補完しているのだそうです。 

獲物を見つけたチョウゲンボウ♀は支柱から飛び立つと、刈田の上空で羽ばたきながら一点に留まり(ホバリング、停空飛翔)、狙いを定めてからスーッと急降下し、地上の獲物に襲いかかります。 
残念ながら、手前に生えたススキやアメリカセンダングサ、セイタカアワダチソウなどが邪魔で、チョウゲンボウ♀が獲物を狩る瞬間をどうしても撮れません。 

狩りの成否に関わらず、チョウゲンボウ♀は同じ止まり木(支柱天辺)に戻ってきます。 
舞い戻ってきて着陸するまで待ち構えて、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜2:04) 
チョウゲンボウの性別は頭部の色で見分けられます。 
この個体は頭が茶色いので♀です。
尾羽根の下面に黒い横縞が目立つ点も♀の特徴です。 
スローモーションでしっかり確認できました。 

片足の鉤爪で小さな獲物と一緒に細長い藁(枯草)を運んでいました。 
獲物を掴んだ足には体重をかけず、反対側の足でふわりと着地し、翼を畳みました。 

チョウゲンボウが狩ってくる獲物は小さくて軽いので、片足で掴んで運びます。 
利き足がありそうな気がしたのですけど、何度も観察すると、左右の足を(交互にランダムで?)使っていました。 

支柱の天辺に持ち帰った獲物をチョウゲンボウ♀は早速食べ始めました。 
カメラのデジタルズームを最大にしても、少し遠くて獲物の正体をしっかり同定できませんでした。 
獲物は小動物(脊椎動物)ではなく、バッタやコオロギなど昆虫のようです。 
トンボを狩るときもあるのですが、今回の獲物はトンボには見えませんでした。 
チョウゲンボウは嘴を使って虫の翅を器用にむしり取ってから、ちびちびと食べました。 
他の種類の鳥とは違って、食後に汚れた嘴を掃除しないのが不思議に思いました。 

小宮輝之(監修)『鳥の食べもの&とり方・食べ方図鑑 おもしろふしぎ鳥類学の世界』でチョウゲンボウの食性を調べると、
大きく羽を広げ、ホバリングから急降下して昆虫やネズミなどの小動物を捕らえます。カマキリを捕獲! (p123より引用)
虫を1匹完食しても、満腹になりません。 
見晴らしの良い支柱の天辺で、チョウゲンボウは再び刈田に潜む次の獲物を探し始めます。 

支柱の天辺から飛び立つ直前に、脱糞した瞬間(@5:20〜)も動画に撮れていました。 
液状の白っぽい糞尿を後方に勢い良く噴出しています。 
今思いついたのですが、チョウゲンボウがよく止まっていた支柱の真下まで行ってペリットを採集できれば、未消化物に含まれる残渣から捕食した虫の種類を同定できるかもしれません。 
ただし、チョウゲンボウがペリットを吐き出すシーンを私はまだ観察したことが一度もありません。 
ペリットが無くても、チョウゲンボウが食前に毟り取った虫の翅などが支柱の下に散乱しているはずなので、アリなどに持ち去られる前に調べに行けばよかったですね。

やがて1羽のハシボソガラスCorvus corone)が飛来して、支柱の天辺に止まりました。 
お気に入りの止まり木を横取りされたチョウゲンボウ♀は、仕方なく隣に立つ支柱の天辺に移動して、そこで獲物を捕食するようになりました。 
別個体のカラスも加勢しに来たようで、嗄れた鳴き声が近くから聞こえます。 
カラスはとにかく猛禽類が大嫌いなので、縄張りからチョウゲンボウ♀を追い払うために集まってきたようです。 
晩秋はカラスの繁殖期ではありませんから、本格的なモビング(擬攻撃)にまでエスカレートすることはありませんでした。 
それでも地味に嫌がらせしたり心理的な圧力をかけたりしています。 
隣の空いた止まり木(コンクリート支柱)に移動したチョウゲンボウは、田んぼから少し離れたせいで獲物を探しにくくなったようです。 

最後にチョウゲンボウ♀はこの狩場から飛び去ってしまい、戻ってきませんでした。 
飛び去るチョウゲンボウをカラスの群れがしつこく追尾することはありませんでしたが、ハシボソガラスの地味な嫌がらせが奏功し、天敵を追い払えたことになります。 



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2025/04/04

湿地に産卵するキリウジガガンボ♀

 

2024年4月中旬・午後14:00頃・晴れ 

山麓の林道で沢の水がわだちを流れ、溝状の浅い水溜りができていました。 
そこでキリウジガガンボ♀(Tipula aino)が産卵していました。 
産卵中は羽ばたいておらず、長い足をリズミカルに屈伸させて、腹端の産卵管を湿地のあちこちにチョンチョンと挿し込んでいます。 
このとき卵を1粒ずつ産み付けているのでしょう。 
少し飛んで移動すると、別の地点で産卵を再開します。 
複数個体を見かけましたが、動画は同一個体を撮り続けたつもりです。 

キリウジガガンボ♀の産卵行動を1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:35〜) 
腹端をよく見ると、産卵管は1対の細い針状で、左右に開閉していました。 
その短い産卵管を地面にグサグサと突き刺しています。 

水田に産卵された場合、キリウジガガンボの幼虫はイネの害虫とされているので、対策のため生活史について詳しく調べられています。 



てっきりキリウジガガンボは成虫で越冬するのかと思っていたのですが、越冬態は幼虫なのだそうです。
春に蛹化すると、わずか3日後に成虫が羽化するらしい。
つまり、今回の♀個体は第一化の成虫が早くも♂との交尾を済ませて産卵していることになります。

2025/04/03

根返りスギの根元で餌を探す雪国のミソサザイとヒガラ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月上旬〜中旬

シーン0:1/7・午後13:39(@0:00〜) 
明るい日中に撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、スギの倒木が散乱しています。 
画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れた(根返り)スギと一緒に巻き添えを食って倒れた落葉灌木が毎年冬の雪圧のせいでねじくれながらも逞しく育ちました。(根曲がり状態) 
その根元に掘られた根曲がり巣穴aを自動撮影カメラで見張っています。 
この巣穴に一時期はイタチが出入りしていたのですが、最近では現れなくなりました。 

今季は異常な暖冬で、積雪がほとんどありません。 
巣口の手前にツルウメモドキの赤く熟した果実が見えます。 


シーン1:1/10・午前7:09(@0:02〜) 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)と思しき小鳥が根曲がり巣穴aの入口に飛び降りて、土が付いたままの根返りスギで餌を探しています。 


シーン2:1/13・午前9:25(@0:27〜) 
うっすらと雪が積もっていました。 
ミソサザイらしき小鳥が根曲がり巣穴aの入口から外に出てきました。 
昼行性の鳥が真っ暗な巣穴の奥深くまで侵入するとは思えないのですが、餌を探しているようです。 
風雪を凌ぐ隠れ家や塒として使っているのかもしれません。 
巣内にイタチが潜んでいたら小鳥は狩られてしまうはずなので、安全に出入りできるということは不在なのでしょう。 


シーン3:1/14・午後14:53・晴れ(@0:48〜) 
翌日の昼間に珍しくフルカラーで録画されていました。 
(機材が古いと気まぐれな症状に悩まされます。) 
よく晴れているので、前日に積もった雪はほとんど溶けてしまいました。 

根曲がり巣穴aからミソサザイが飛び出してきました。 
根返りスギの土付き根っこを嘴でつついて餌を探しています。 
オサムシなどの昆虫が倒木の根返り部分に潜り込んで越冬しているらしいので、その獲物を探しているのでしょう。 

巣口の左手前にあるツルウメモドキの赤い実を野鳥がまったく採食しないのが不思議です。 


シーン4:1/15・午後17:35・吹雪(@1:16〜) 
珍しくまとまった雪が積もりました。 
巣口付近の新雪に野生動物の足跡はついていません。 


シーン5:1/18・午後13:26(@1:19〜) 
根返りスギを右へ移動するミソサザイらしき小鳥がちらっと写っていました。 
林床には雪が積もったままです。 


シーン6:1/10・午前11:16(@1:29〜) 
おまけの映像です。 
時期が少し遡るのですが、2羽のヒガラPeriparus ater)が来ていました。 
奥の落葉灌木の茂みに飛来して餌を探し回っています。 
これだけ個別の記事にするほどの動画ではないので、一緒にまとめました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/04/02

死んだアナグマの営巣地で巣材を選り好みする春のハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午前8:30頃・晴れ・気温15℃ 

死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がまた現れました。 
二次林の林床を歩き回り、巣材を集めているようです。 
細い落枝を拾い上げても気に入らずに、すぐ捨てています。 

以前タヌキが巣口Rに積み上げたバリケードからハシブトガラスが棒を引っこ抜いて物色していますが、やはり気に入った小枝が見つからないようです。 

拾った小枝や細い蔓を足で押さえつけて細かく千切り始めました。 
巣材の長さを調節しているのか、それとも強度を調べているのでしょうか? 
しかし結局、何も持たずに飛び去りました。 

ハシブトガラスがときどき2つの巣穴R、Lの奥をしげしげと覗き込んでいるのは、きっと死骸を探しているのでしょう。 
巣口の横に自生するマルバゴマギの細い灌木に若葉が芽吹き始めました。 
その止まり木にカラスが乗って、巣口を見下ろすこともありました。 
もしも死骸を見つけたら、腐肉を食べたり、毛を毟り取って産座用の巣材として有効活用するはずです。 

ハシブトガラスの巣材集めを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@4:30〜)。 


【考察】 
ハシブトガラスが持ち去る巣材をかなり吟味していたということは、巣作りも仕上げの段階だったようです。
これほど長居したのに、この日を最後にカラスがセット(営巣地)にまったく来なくなりました。
ハシブトガラスの巣が完成して、巣材を集める必要がなくなったのかもしれません。 
それとも、死骸の生物分解が進んで死臭がしなくなったのかな? 
(巣穴Lの奥に「いざりタヌキ」の死骸があるのではないかと私は疑っています。)



つづく→

2025/04/01

フッキソウの花蜜を吸うビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午前11:45頃・くもり 

里山の急峻な山道を登っていると、白い可憐な花が咲いている大群落がありました。 
ヒトリシズカの花も点在していたのですが、それとは別種です。 
写真に撮って画像検索(Googleレンズ)してみると、フッキソウと判明。 







これがヒトリシズカの花。



フッキソウの大群落でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が訪花していました。 
フッキソウ穂状花序の細長い花筒の入口に口吻の先端がなかなか差し込めずに、何度もやり直しています。 

ビロウドツリアブ♀は吸蜜中も高速で羽ばたき続けていますが、花に足を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)とは言えません。 
素人目にはエネルギー効率が悪過ぎる気がするのですけど、捕食者に襲われたときにいつでも飛び立てるように、常にアイドリングしているのでしょう。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:14〜) 




ところで、冒頭で鳴いてる(さえずり? )鳥の種類は何だろう?


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2025/03/29

オオヤマザクラの花で採餌するクマバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後15:30頃・晴れおよび午前10:35頃・くもり 

民家の裏庭に植栽された桜の老木で濃いピンクの花が満開に咲いていました。 
見慣れたソメイヨシノとは明らかに異なる品種で、花と同時に若葉も開いています。 
サクラハンドブック』で調べてみると、どうやらオオヤマザクラのようです。(p12-13) 

桜の木の下に立つと、蜂の羽音がブンブン♪聞こえます。 
羽音の主を探すと、キムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
吸蜜するクマバチ♀の後脚を見ると、花粉籠はまだ空荷でした。 

オオヤマザクラの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:49〜) 
クマバチの羽ばたきで桜の花弁があおられていますが、映像ではストロボ効果で羽ばたきが止まって見えます。 

花から飛び立ったクマバチ♀は、次の花を見定めるように手前でホバリング(停空飛翔)しながら、左右の脚を擦り合わせています。 
体に付着した花粉をまとめて、後脚の花粉籠に移しているのです。

ミツバチ♀の群れも一緒に採餌していたのですが、あまりにも動きが忙しなくて動画にうまく撮れませんでした。 

3日後にも定点観察すると、風が吹く度に花弁がどんどん散って葉桜になりました。 


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2025/03/27

吸水(ミネラル摂取)後にホバリングしながら空中で排泄するビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の麓でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が低く飛び回っていました。 
入山口付近で沢の水が流れ出るわだちの泥濘の上をホバリングしながら低く飛び、濡れた枯草や草の根などあちこちに着地しては口吻で味見しています。 
やがて気に入った場所が見つかると、1箇所に留まって吸水を始めました。 

地面に倒伏した枯草に止まり、濡れた表面を口吻の先で舐めています。 
口吻の先端が枯草から外れると、再び探り当てようとするので、ビロウドツリアブ♀が自発的に舐めている行動で間違いありません。
吸水およびミネラル摂取の行動と思われますが、水たまりの泥を直接舐めないのはなぜでしょうか? 
枯草の繊維が毛細管現象で泥水を吸い上げてくれ、濾過した水を飲めるのかもしれません。 
ビロウドツリアブ♀は大量の水を飲んでいるはずですが、吸水中に余分な水分を腹端から排泄(排尿)することは一度もありませんでした。 

ビロウドツリアブの口吻は黒くて細長い(真っ直ぐ)のですが、その先端部をよく観察すると、左右二股の先割れ状態になっていることに気づきました。
吸水しながら、この口吻先端部を頻りに開閉しています。 (I⇔Y⇔T) 
こんな口吻の動きを他の昆虫で見たことが一度もありません。

チョウ類の場合は、泥などを舐めている(mud-puddling)のは主に♂です。 
性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウム塩やアンモニア塩など)を摂取していると考えられてます。 
しかし、今回のビロウドツリアブは、左右の複眼が離れている♀でした。 

蛭川憲男『水場に集まる生きものたち: 里山から高原、山地の自然』という本には、吸水するビロードツリアブの写真は掲載されていませんでした。 
しかし、長野市松代町の水場で1994年〜2004年に観察された計72種類の虫をまとめた中に、ビロードツリアブが含まれていました。(p21「表2:水場へ集まったチョウ類以外の生きもの」) 

インターネットで検索すると、ビロウドツリアブの吸水行動を写真に撮ったブログがいくつかヒットしました。 
関連記事()▶  
ビロウドツリアブ♂吸水20200319 @KONASUKEの部屋 
ビロードツリアブの吸水行動 @居眠り蛸の自然観察 

しかし、ビロウドツリアブの性別を♀と見分けた上で記述している例や、口吻の先端部が開閉していることを記述したブログは見つかりませんでした。 

ビロウドツリアブ♀は吸水中も休むことなく高速で羽ばたき続けていますが、枯草に足を掛けているので、ホバリングではありません。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみても(@2:22〜)、ビロウドツリアブ♀の羽ばたきが高速過ぎて、ほとんど止まって見えます。 
これはストロボ効果と呼ばれる現象です。 
ビロウドツリアブは同じ枯草にしがみついたまま、ゆっくり向きを変えながら吸水しています。 
おかげで私が動かなくても、色んな角度から吸水シーンを撮影することが出来ました。 

ときどき別種のハナアブやハエ?など他の昆虫が飛来して、吸水するビロウドツリアブ♀に興味を示し、ニアミスすることがありました。(@17:26〜、@25:30〜) 
しかし、ビロウドツリアブ♀はほぼ無反応で、一心不乱に吸水を続けています。

長々と吸水してからようやく満足したのか、ビロウドツリアブが飛び立ちました。 
後脚だけ後ろ向きで、残りの4本脚は前方に揃えて飛んでいます。 
離陸直後に、ホバリング(停空飛翔)しながら空中で脱糞しました! 
黄色く濁った液体を1滴ポトリと排泄しました。 
ビロウドツリアブの体と比べると、結構大きな水滴でした。 
執念の長撮りが報われた瞬間です。 

その後は低空ホバリングで高度を保ちながら、段階的に方向転換して(ヨー回転)周囲を見回しています。 
ところが、ビロウドツリアブ♀は先ほどと全く同じ枯草に止まり直して、羽ばたきを止めずに吸水を再開しました。 
よっぽど、この枯草のミネラル含有量が多くて気に入ったのでしょう。 

素人目には羽ばたくカロリー消費がおそろしく無駄だと思うのですが、不安定な足場で体勢を保つには、羽ばたき続けないといけないのでしょう。 
天敵(捕食者)に襲撃されそうになったら直ちに飛んで逃げられるように、準備運動(アイドリングの羽ばたき)を怠らないようにしているのかもしれません。 
もうひとつ別の解釈を思いつきました。 
高速羽ばたきによる下向きの強風(ダウンウォッシュ、downwash)で濡れた枯草からの蒸発を促進し、毛細管現象による泥水の吸い上げを促進していたのかもしれません。 

ビロウドツリアブの吸水行動を初めて観察できて、感動しました。
ハイスピード動画のパートが第三者(視聴者)にはいくらなんでも長過ぎるかもしれません。
思い入れが強い私は、いくらでも見てられます。
編集でカットするのが忍びなくて、そのままお届けします。
愚直に長撮りしたおかげで、吸水後に排泄する決定的瞬間も記録することが出来ました。

つづく→

2025/03/26

鳥媒花のボケで採餌するセイヨウミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:20頃・晴れ 

山麓の農村部で道端に植栽されたボケ(木瓜)の赤い花にセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が何匹も集まって訪花していました。 
早春に咲くボケは典型的な鳥媒花のはずなのに、昆虫の送粉者が訪花していたことに驚愕し、とても興奮しました。 
関連記事(4、5年前の撮影)▶  

後脚の花粉籠が空荷の個体もいれば、黄色い花粉団子を付けて運んでいる個体もいます。 
のどかな農村部は静かなので、耳を澄ますと蜂が飛び回る羽音がかすかに聞こえます。 
キジ♂がケンケーン♪と母衣打ちする鳴き声もかすかに聞こえました。 

ときどき2匹のミツバチが同じボケの花でニアミスすることがありました。 
どうやら同じコロニーから来た仲間のようで、1/5倍速のスローモーションでリプレイしても小競り合いや占有行動は見られませんでした。 

ボケの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:22〜) 
訪花の合間に空中でホバリングしながら左右の脚を擦り合わせています。 
体毛に付着した花粉を身繕いでまとめて、後脚の花粉籠に移すのです。 


【考察】
この時期の虫撮り動画で一番興奮した大事件です。
図鑑や送粉生態学の教科書に書かれている「ボケは典型的な鳥媒花である」という定説に対する反例が撮れました。 
ミツバチの視覚に赤色はあまり見えていないはずなので、花弁が赤い品種のボケに訪花しているのは、とても意外です。 
撮影後にボケの花を直接嗅いでみて、芳香がないことを確認しました。 
セイヨウミツバチが新たな蜜源植物を学習によって開拓しつつあるのでしょうか? 
それともボケが鳥だけでなく昆虫も誘引するように進化しつつあるのでしょうか? 
急速に進行する温暖化の影響でフェノロジー(花暦・生物季節学)が撹乱され植物と送粉者の結びつきが失われると、両者にとって死活問題です。
何かしら進化・適応しない種は、滅亡するしかありません。 
特定の種類の送粉者に依存してしまっている植物は、リスクヘッジする(送粉者の多様性を高める)方向に進化しないと、絶滅のリスクが高いでしょう。
生物の進化スピードでは対応できないほど、人類によってもたらされた地球温暖化のスピードが急激過ぎる点が大問題なのです。

そもそも鳥媒花と虫媒花は排他的な関係ではないのかもしれません。
教科書では分かりやすく伝えるために「ボケは鳥媒花」と言い切っていただけで、実際は鳥が訪花することも虫が訪花することもあるのでしょう(確率が高いか低いかの問題)。




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2025/03/25

春の刈田で落穂拾いするドバト♀♂(野鳥)

 

2024年4月中旬・午後15:20頃・晴れ 

早春の田んぼで♀♂ペアと思われる2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が採食していました。 
田んぼに水を入れる前の刈田を歩き回りながら、あちこち啄んで落穂拾いをしているようです。 
ペアが互いに少し離れていたので、同じ画角で撮れませんでした。 
1羽に注目して動画を撮影していたらパートナーが先に飛び立ち、その羽音に反応してこちらの個体も飛び去りました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:21〜) 
飛び立つ直前にピョンと跳んで90°向きを変えてから、力強く羽ばたいて飛び去りました。 


関連記事(8、9年前の秋に撮影)▶  

2025/03/24

ハシブトガラスが何度も来て覗き込む巣穴の奥には死骸が埋まっている?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年4月上旬 

シーン1:4/3・午前9:10・くもり・気温10℃(@0:00〜) 
平地の二次林で死んだニホンアナグマの営巣地(セット)を監視し続けると、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が登場しました。 
アクセストレンチから巣口Rの奥を覗き込み、細根(落枝?)を嘴で咥えて巣口から引っ張り出そうとしています。 
咥えた小枝を持ち去らなかったので、これは巣材集めの行動ではなさそうです。 
以前、この巣穴を乗っ取って住み着こうとしたタヌキが戸締まりのためにバリケードとして置いた落枝をカラスが撤去しているようです。 

下半身の麻痺が進行した「いざりタヌキ」が巣穴の奥で餓死しているのではないかと私は疑っているのですが、カラスも死臭を嗅ぎ取って(※追記参照)侵入を試みようとしているのかもしれません。 
やがて別個体のハシブトガラスが飛来し、セットの広場に舞い降りると、巣口Rに近づきました。(@0:29〜) 
更に別個体がセットを見下ろすマルバゴマキの樹冠に飛来して止まったようです。 

※【追記】
カラスは嗅覚が鈍く、専ら視覚で餌を探すのだそうです。


シーン2:4/3・午前9:12・くもり・気温11℃(@1:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも撮れていました。 
左から歩いて来たハシブトガラスが巣口Lの奥を覗き込んでから、左上に飛び去りました。 
好奇心旺盛なカラスも、さすがに巣穴の中に潜り込む度胸はないようです。 


シーン3:4/3・午前9:12・くもり・気温12℃(@1:47〜) 
2羽のハシブトガラスが巣口Rから落葉灌木の樹上に飛び上がりました。 
止まり木で右を向いてカー♪と一声鳴きました。 
耳を澄ますと、少し離れた別個体と鳴き交わしているようです。 
樹上のカラスが、目の前にブラブラしていた細い枯れ枝を嘴でポキンと折って捨てました。 
巣材集めでも威嚇行動でもなさそうです。 
死骸があることは分かっているのにそれを食べることが出来ないフラストレーション(欲求不満)からきた転移行動なのかもしれません。
木から木へ次々と飛び移り、右へ飛び去りました。 


シーン4:4/3・午前10:25・くもり・気温12℃(@2:47〜) 
またもやハシブトガラスが巣口Rの奥をしつこく覗き込んでいます。 
カーカー♪と澄んだ声で繰り返し鳴き、左に少し歩いてから、今度は早いリズムでカーカー♪鳴きました。 


シーン5:4/7・午前7:14・晴れ・気温12℃(@3:47〜) 
3日後の朝にもハシブトガラスがセットに降り立ち、巣口Lの奥を覗き込んでいました。 
そのカラスが急に慌てて飛び去ったので、巣穴の主が飛び出してくるかと期待したのですが、その予想は外れました。
仲間の警戒声♪に反応したのかな? 
その後もカラス同士で鳴き交わす声だけ聞こえます。 


【考察】 
カラスは死骸(腐肉)を食べるスカベンジャーです。 
そのカラスが巣穴の奥を繰り返し覗き込んでいることから、中に死骸が埋まっていることが強く示唆されます。
 
死骸の素性について、2つの可能性が考えられます。 
(1)この営巣地で越冬中に死んだニホンアナグマ。 
巣外(営巣地の端)で見つかったアナグマの死骸は、カラスやタヌキによって食べられている最中に引きずって運ばれ、行方不明になりました。 
タヌキが食べ残しの死骸を巣穴の中に隠した可能性が考えられます。(貯食) 
しかし、死骸を巣内に搬入するシーンがトレイルカメラによって撮れていない点がネックです。
(2)下半身の麻痺が進行した「いざりタヌキ」が巣内で餓死した。 
巣口Lで長時間日光浴した後で行方不明になりました。

つまり、この巣穴はアナグマとタヌキが続けざまに死んだ、いわくつきの事故物件ということになります。
巣穴を発掘調査して死体の有無を確かめたいのですが、繁殖期が始まる春に巣穴を破壊したくありません。 
ちなみに、私の鼻では巣口で死臭を感じたことはありません。

穴居性の野生動物が巣穴の奥で死んだ場合、その死骸を誰が処理するのでしょう?
スカベンジャーのカラスが狭いトンネルの中に潜り込んでまで死骸を食べることはないようです。 
暗くて狭いトンネルの中でカラスは目が見えず、不安なのでしょう。 
普通ならハエ類が死臭をいち早く嗅ぎつけて集まり、産卵するはずですが、巣穴の奥には侵入できないようです。 
ハエは暗闇で飛べませんし、巣口から長い距離を歩いて巣穴の奥にある死骸へ向かう行動は知られていません。 
巣穴の奥に横たわる死骸は、おそらくアリなどの土壌生物によって少しずつ食べられて分解されると推測しています。 

複数個体の野生動物が同居している巣穴の場合はどうでしょうか?
誰か1匹が巣内で死んだら、仲間(家族)がその死骸を食べてしまうのでしょうか? 
それとも巣内の衛生環境を保つために、死骸はその場に埋葬されたり、巣外に運び出されて捨てられたりするのかもしれません。 
(社会性免疫行動として、アリなどで有名です。)
巣内の様子を隅々まで長期観察するのは困難なので、こうした問題はほとんど調べられていないようです。



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