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2025/03/20

下半身を麻痺したホンドタヌキが巣口で日光浴しながら死を待つ間、その様子をハシブトガラスが偵察【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月上旬 

死んだニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)をホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が乗っ取ったようなので、引き続きトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:4/1・午前11:27・晴れ・気温21℃(@0:00〜) 
(交通事故が原因で?)麻痺した下半身を引きずって歩く「いざりタヌキ」がいつの間にか現れました。 
どこから来たのか不明ですが、平地の二次林にある獣道から巣口Lに向かっているようです。 
動きが緩慢過ぎて、トレイルカメラのセンサーが検知しにくいのかもしれません。 


シーン2:4/1・午前11:54・晴れ・気温20℃(@1:00〜) 
約26分後、いざりタヌキは巣口Lの窪みにすっぽりと丸まるように収まっていました。 
動きが乏しいので、5倍速の早回し映像でお届けします。 
ときどき周囲をキョロキョロ見回しているので、昼寝している訳ではありません。 


シーン3:4/1・午後12:09・晴れ・気温19℃(@1:16〜) 
シーン4:4/1・午後12:16・晴れ・気温20℃(@1:28〜) 
強い春風が吹いているものの、よく晴れた昼下がりなので、日光浴しているようです。 


シーン5:4/1・午後12:24・晴れ・気温23℃(@1:40〜) 
もう一つの巣口Rの近くに1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が来ていました。 
何か細長いものを嘴で地面から摘み上げました。 
しかし、どうも真剣な採食行動や巣材集めをしているようには見えません。 
採食のふりをしているだけの偵察行動で、いざりタヌキが死ぬのを虎視眈々と待っているようです。 
「いざりタヌキ」が日光浴をしている巣口Lにハシブトガラスは近寄りませんでした。 


シーン6:4/1・午後12:26・晴れ・気温25℃(@2:40〜) 
約1分後、ハシブトガラスは居なくなっていました。 
林床に落ちた影を見ると(赤丸)、巣口Lを見下ろす樹上にカラスが止まって、「いざりタヌキ」の様子を見張ってました。 
カラスが飛び去ると、その飛影が林床を横切ります。

「いざりタヌキ」は飢えているはずですが、視力は正常なようで周囲を警戒しています。 


シーン6:4/1・午後12:26・晴れ・気温25℃(@3:07〜)
シーン7:4/1・午後12:35・晴れ・気温22℃(@3:24〜)
シーン8:4/1・午後12:52・晴れ・気温23℃(@3:36〜)
もはや出歩くことが出来ない「いざりタヌキ」は、巣口Lでひたすら日光浴しています。 


シーン9:4/1・午後13:03・晴れ・気温21℃(@3:47〜)
いつの間にか巣口Lから「いざりタヌキ」の姿が忽然と消えていました。 
麻痺した下半身を引きずりながら、最期の力を振り絞って手前に立ち去ったのか、それとも巣穴Lの中に入ったのか不明です。 
おそらく後者ではないかと予想していますが、この後いざりタヌキが巣穴Lから外に出るシーンは撮れていません。 
そして、これが「いざりタヌキ」の生きた姿が撮れた最後になりました。 
(その後はまったくトレイルカメラに登場しなくなり、行方不明のままです。) 

餌も水も取れなくなれば、死を待つ他ありません。 
仲間の健常タヌキが「いざりタヌキ」をいたわって甲斐甲斐しく給餌するような感動的な利他行動は記録されていませんでした。 
私も後日、この二次林でタヌキの死骸を探し歩いたのですが、見つかりませんでした。 
カラスや仲間のタヌキに死骸を食べられたり持ち去られたのではないかと推測しました。
ところが数カ月後に、「いざりタヌキ」かもしれない腐乱死骸が巣穴Lから運び出され、驚愕することになります。(映像公開予定) 

こういう「可哀想な野生動物の映像」を撮って公開すると、「傍観してないで、すぐに保護して動物病院に連れていけ!」と怒る人が必ず出てきます。 
ライブカメラではないので、私は現場に設置した監視カメラをリアルタイムで見ている訳ではありません。
数日後に現場入りして、トレイルカメラで録画した動画を確認して初めて、ここで何が起きたかを知るのです。
つまり、どうしてもタイムラグが生じます。 
現場周辺を探しても、死を待つ「いざりタヌキ」はどこに隠れているのか、その姿は見つかりませんでした。 
「いざりタヌキ」がよく現れた場所にドッグフードや飲み水などを給餌するべきでしょうか? 
一方で、野生動物の暮らし(生老病死)にヒトは一切介入するべきではない、というストイックな考え方もあります。 


つづく→

2025/03/19

早春の雑木林でウソ♂と遭遇(冬の野鳥)

 

2024年4月上旬・午後13:50頃・晴れ 

平地の二次林で、早春なのに冬鳥のウソPyrrhula pyrrhula)の群れと遭遇しました。 
動画に撮れたのは、1羽の♂だけです。 
落葉灌木(樹種不明)の止まり木から飛び去りました。 

ところで、最後にカッカッ♪と聞こえた鋭く短い鳴き声が気になります。
同じく冬鳥であるジョウビタキPhoenicurus auroreus)が私に対して発した警戒声かもしれませんが、その姿を見ていません。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


2025/03/16

交尾器を結合したまま飛んで逃げるミドリヒョウモン♀♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の林道沿いでヨモギの葉に乗って交尾中のミドリヒョウモン♀♂(Argynnis paphia)を見つけました。 
翅を閉じたまま互いに逆向きで交尾器を結合しています。(反向型交尾体位) 
よく見ると、連結した腹端だけヒクヒクと動いています。 
葉の上なので、当然ながら口吻は縮めたままでした。 

左の個体Lが♂で、右の個体Rが♀でした。 
♀の翅裏の地色は緑味が強く暗化しており、前翅の翅頂に三角形の白班が透けて見えます。 

私は交尾中の蝶の連結飛翔に興味があるので、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:29〜) 
物を投げつけて強制的に飛び立たせると、ミドリヒョウモン♀Rの方が先に反応して羽ばたきを開始しました。 
交尾器を連結したまま♀が主導権を握って♂を引っ張って飛び去りました。 
つまり、今回の連結飛翔は「←♀+♂」タイプでした。 
♂Lも少し遅れて反応したものの、すぐに翅を閉じて♀に身を任せます。 

緊急避難で♀♂ペアが同時に羽ばたくと逆方向に飛ぶことになり、上手く逃げられないどころか、交尾器が引きちぎられてしまいます。 
たとえ身の危険が迫っても、結合した交尾器は簡単には外れないようです。
したがって、蝶の連結飛翔では必ず♀♂どちらかが主導権を握らなければなりません。 
「チョウの種類によって、♀♂どちらが主導して連結飛翔するかタイプが違う」と本で読んだので、実例を少しずつ撮り貯めています。 

関連記事(9ヶ月前の撮影:←♂+♀タイプ)▶ ミドリヒョウモン♀♂の交尾と連結飛翔【FHD動画&ハイスピード動画】

しかし、その定説はどうも眉唾のような気がしてきました。 
交尾中の♀♂ペアはとても無防備なので、互いに逆を向いて見張りを分担し、360°油断なく見張っているはずです。 
物を投げつけたり敵が襲ってきたりした場合、それを先に見つけた個体が性別に関係なく逃避行動を開始するのが自然ではないでしょうか? 
主導権を握って羽ばたく個体が離陸直後に切り替わる♀♂ペアを私は今まで一度も見たことがありません。 
つまり、試行回数(観察サンプル数)を充分に増やせば、連結飛翔のタイプはチョウの種類に関係なく半々の確率に落ち着くのではないかと私は予想しています。
スローモーションで動画が手軽に撮れる時代が来る前に、いにしえの先人たちが少ないサンプル数の直接観察から早まった結論に達したのではないかと私は密かに疑っています。
物を投げつけて交尾ペアを飛び立たせた場合は、どちらの方向からどこを目がけて物を投げたのか(♀♂どちらが先に危険に気づくか)も、記録しておく必要がありそうです。 
交尾中の♀♂ペアが自発的に飛んだ場合でも、上空を別のお邪魔虫や鳥がどの方向から飛来したのか、などの条件によって連結飛翔の結果が影響されそうです。 





2025/03/15

カラスの群れにモビングされて逃げる昼間のフクロウ(野鳥)

 

2024年4月上旬・午後13:25頃・晴れ 

平地の二次林でカラスの群れが鳴き騒ぎ、猛禽を追い回していました。 
カラスの繁殖期が始まったので、営巣する縄張りから天敵を追い出すモビング行動(擬攻撃)が激しくなっているのです。 
落葉灌木に止まった猛禽の正体は、フクロウStrix uralensis)でした。 
昼間にフクロウの姿を初めて撮れて、感動しました! 
フクロウのすぐ左にはカラスが止まっていて、嫌がらせをしています。 
ようやく春になり、落葉していた二次林でもマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の若葉がいち早く開き始めています。 

樹上のフクロウが飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 
二次林から隣接するスギ防風林の方へとフクロウは逃げて行き、その後を複数のカラスがしつこく追いかけていきます。 




その後、カラスの群れに追いたてられて逃げていくフクロウをもう一度目撃したのですが、証拠動画を撮り損ねました。 
カラスにモビング(擬攻撃)されるフクロウという対決の構図を動画に撮るのなら、もっと引きの絵で両種を同時に撮るべきでした。 
しかし、夜行性のフクロウを生まれて初めて直に観察できた私は興奮してフクロウに思いっきりズームインしてしまい、カラスの姿が撮れていません。 
そのため、カラスの種類が分からないのですが、濁った嗄れ声で鳴いていたことから、ハシボソガラスではないかと思います。(※ 追記参照) 

実は35分前にも、現場近くでフクロウの鳴く声を聞いています。
「ゴッホウ ゴロッケ ゴゥホウ」という♂の囀りさえずりでしたが、残念ながら録音できず。
フクロウの営巣木が近くにあるとすれば嬉しいのですが、まだ樹洞を見つけられていません。 
二次林に侵入した私に対して、フクロウが警告声を発したのでしょうか? 
昼間にフクロウが鳴くとそれを聞きつけたカラスが周囲から集まり、血眼になって探し出してモビングが始まるのかもしれません。 
夜になると力関係は一転して、夜行性フクロウの天下です。 
塒入りしたカラスをフクロウが捕食するのかもしれません。 

この辺りの林床でたまに見つかる鳥の死骸は、フクロウのしわざだった可能性が出てきました。 
関連記事(半年、1年前の撮影)▶  


昼間にフクロウと出会えた状況は、神垣健司『森の賢者 フクロウ』に書いてある通りでした。
フクロウは極めて警戒心が強く臆病な野鳥である。そのため人が近づいたときには、人が気づく前に飛び去って姿を消してしまう。そのため人がフクロウを見ることは非常に難しいのだ。ただ、フクロウを目撃できるケースが2通りある。ひとつは昼間、カラスに追い出されて森から出てきたとき、もうひとつは夜に道路際などで獲物を探しているときである。ただ、こうした機会に出会うことは稀である。(第3章:森に生きる p32より引用)



※【追記】 
猛禽に対してモビングするカラスの鳴き声だけから、カラスの種類を区別できるでしょうか? 
Perplexity AIに質問すると、以下の回答を得ました。
結論から言うと、単純な聞き分けは難しいらしい。
 
モビング中は通常時と異なる緊迫した状況であり、以下の点が考えられます: ハシボソガラスは威嚇時に「グワララ」など濁った声で鳴くことが多い3。 ハシブトガラスも威嚇時には澄んだ声だけでなく濁った声を出すことがあるため、通常の鳴き声からの区別が難しくなる場合がある。

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2025/03/13

下半身が麻痺したまま巣口で座り込んで動けないホンドタヌキの横で巣材を集めるハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶  


2024年3月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)が死んだ後も、自動撮影カメラでその営巣地(セット)の監視を続けています。 
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が巣穴を乗っ取ったようです。 

シーン1:3/30・午後16:04・晴れ・気温14℃(@0:00〜) 下半身を麻痺した個体と思われるタヌキが、巣口Lから顔を出して外の様子を伺っています。 
心なしか、ブルブル震えているようです。 
足が不自由で食べ物を充分に摂れず、カロリー不足で低体温なのでしょう。
夕方の時間帯は巣口Lの窪地は日が当たらず、日光浴もできなくなりました。 

そこへハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がタヌキの目の前に舞い降りました。 
画角の左端でカラスの顔が見切れてしまい、何をしているのか分からなかったのですが、くるっと振り返って右を向いてくれたら、ハシブトガラスが嘴に獣の抜け毛の束を咥えていました。 
産座に敷き詰める巣材を集めているようです。 
アナグマの死骸を食べていたタヌキが死骸を巣口Rの近くまで引きずってきて、そこからカラスは毛を毟り取って来たのかな?


 ハシブトガラスは、巣口Lで身動きできない「いざりタヌキ」から体毛を直接毟りたそうにしていますが、実行しませんでした。 

しばらくすると、ハシブトガラスが2羽一緒に左から登場しました。 
まさか、スカベンジャー(死肉食)のカラスが衰弱したタヌキの死を待ちきれずに、襲って捕食するでしょうか? 
足腰の弱った「いざりタヌキ」は、カラスに襲われないように巣口Lに籠城しているのかもしれません。 
健常個体のタヌキなら、これほど至近距離にカラスが来て挑発したら、逆に襲いかかろうとしたりカラスを追い払ったりするはずです。 


シーン2:3/30・午後16:07・晴れ・気温20℃(@0:00〜) 
別アングルに設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
(こちらのカメラには西日が直接当たって、気温が高く表示されます。) 

巣口Lの窪みに座り込んだ「いざりタヌキ」が身震いし、毛繕いを始めました。 
その近くでハシブトガラスがタヌキの様子を見ています。 
死期が近いのを知っていて、あわよくば生きているうちから捕食したいのでしょうか?
産座用の巣材としてタヌキの毛を直接毟り取りたいのかもしれません。 
カラスはトコトコ歩いて営巣地を横切ると、もうひとつの巣口Rに行くと中の様子を覗き込みました。 
林床で巣材となる枯れた落ち葉(アナグマの死骸由来の抜け毛かも?)を拾い集めると、右に飛び去りました。 


ハシブトガラスの巣材集めを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:00〜) 


シーン3:3/30・午後16:07・晴れ・気温16℃(@2:18〜) 
その後も、巣口Lで呆然としている「いざりタヌキ」の様子を5倍速の早回しでご覧ください。 
もしかすると、巣口Lの窪みにはまってしまって、抜け出すことが出来ないのかもしれません。 
下半身が麻痺した状態で地中の巣穴に出入りするのは大変です。 
下手したら、二度と地上に出れなくなるかもしれません。 

この後どうなったのか、とても気になりますが、監視カメラに写っていませんでした。 


つづく→

2025/03/12

ムシトリナデシコの花壇で虫撮り:キタテハ♀夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:45頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落で夏型のキタテハ♀(Polygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
やがて半開きで翅を開閉するようになりました。 
翅表の地色が薄いので♀と判明。 
集散花序の上では、わざわざ飛ばずに歩いて次の花へ移動します。 (省エネ時短)

キタテハがムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:55〜) 
訪花中にキタテハが中脚で顔を拭い、付着した花粉を落としました。
(ちなみに、タテハチョウ科の前脚は退化しています。) 
私が痺れを切らして物を投げつけたら、ようやく飛んでくれました。 



2025/03/11

早春の林床で採食するアトリ?の群れ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年3月下旬

シーン0:3/27・午後15:14・晴れ(@0:00〜) 
早春の二次林林床にニホンアナグマMeles anakuma)の死骸が横たわっていたので、自動撮影カメラで監視することにしました。 


シーン1:3/30・午前10:00・くもり(@0:04〜) 
スカベンジャーのホンドタヌキによって死骸が持ち去られた2日後の朝に、見慣れない鳥の群れが写っていました。 
残雪が溶けて落ち葉に覆われた林床を歩きながら、あちこちで地面を啄んでいます。 
(冒頭で落ち葉めくりをしたかもしれません。) 

初めにアナグマが死んでいた地点に集まっている様子はなく、散開した群れがあちこちで採食していました。 
この時期にカラスは産座に敷く巣材(柔らかな獣毛や落ち葉)を林床で拾い集めていましたが、今回の鳥は巣材集めではなく、採食行動でしょう。 

モノクロの映像から鳥を同定するのは困難ですけど、冬鳥のアトリ♀♂(Fringilla montifringilla)ですかね? 
頭部が黒っぽいのがポイントかもしれません。 
もし間違っていたら、ご指摘いただけると助かります。 
もし冬鳥のアトリなら、もうじき北の繁殖地へ渡去するはずですから、当地で巣材を集めるはずがありません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
旧機種のトレイルカメラには明るい昼間に正常なフルカラーで撮れなくなるという変な癖があるのですが、新機種よりも頑丈で壊れにくいので、だましだまし使い続けています。

2025/03/09

早春の林床で落ち葉を拾い集めるハシボソガラスの謎(野鳥)産座の巣材集め?

 



2024年3月下旬・午前11:40・くもり後晴れ

林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸がホンドタヌキによって持ち去られた後も、トレイルカメラによる監視を続けています。

昼前にハシボソガラスCorvus corone) が地上に現れ、落葉樹の枯れた落ち葉を拾い集めていました。
一旦集めた落ち葉を足で押さえながら、嘴で細かくほぐす行動も見られました。
遠くにいる仲間(つがいのパートナー?)と1回だけカー♪と鳴き交わしました。
集めた落ち葉を咥えたまま飛び去りました。
特定の樹種の落ち葉だけをカラスが選んで拾い集めているとしたら面白いのですけど、私には見分けられませんでした。


※ 動画編集時にモノクロ加工を施しています。 
トレイルカメラ旧機種の癖で昼間に撮った映像の画面全体で赤色が点滅する症状が出て目障りだからです。


【考察】
これを見た私はてっきり、産座の巣材集めだろうと思いました。
カラスの巣材は主に小枝や木質の蔓などです。 
枯れた落ち葉をカラスが産座の巣材として集めるのは珍しいかもしれません。 
日本鳥の巣図鑑:小海途銀次郎コレクション』 (大阪市立自然史博物館叢書5)でハシボソガラスの巣材について調べると、
産座には多量のスギ皮、シュロの繊維、獣毛、ビニールなどを敷き詰め…(p311より引用)


今回の行動で他の解釈ができるかどうか、Perplexity AIを使ってブレインストーミングしてみました。 (出典リンクURLは割愛。)
早春の林床でカラスが落ち葉(枯葉)を拾い集めて持ち去る行動について、産座の巣材収集以外にも以下のような解釈が考えられます: 
## 巣の修繕 
カラスは通年で巣のメンテナンスを行うことがあります[6]。秋や冬の間に傷んだ巣を修復するために、落ち葉を集めている可能性があります。 
## 食料探し 
1. 落ち葉の下や周辺に潜む昆虫や小動物を探している可能性があります[4]。 
2. 落ち葉に付着した水分を飲料水源として利用している可能性もあります[4]。 
## 巣以外の用途 
1. 落ち葉を使って食べ物を覆い隠すなど、食料の保管や管理に利用している可能性があります[1]。 
2. 落ち葉を使って他の物体を覆うなど、道具として使用している可能性もあります[1]。 
## 行動学的解釈 
1. 置き換え行動(displacement behavior)の一種である可能性があります[2]。カラスが何らかのストレスや葛藤状態にあり、それを解消するために落ち葉を集めるという第三の行動を取っている可能性があります。 
2. 好奇心や遊びの一環として落ち葉を集めている可能性もあります。カラスは知能が高く、様々な物体に興味を示すことが知られています[5]。 
## 繁殖行動の一環 
落ち葉を集めて運ぶ行動が、求愛行動や番いの絆を強める行動の一部である可能性があります。 この行動自体が、繁殖の準備や相手へのシグナルとなっているかもしれません。 
これらの解釈は可能性の一部であり、実際の理由を特定するにはさらなる観察や研究が必要です。カラスの行動は複雑で文脈依存的であるため、個々の状況に応じて解釈が異なる可能性があります。

食料探しの可能性については、個人的に納得できません。 
普通の食料探しなら落ち葉をめくって探したはずなのに、私が観察したハシボソガラスは、拾い集めた落ち葉を何枚も咥えたまま持ち去ったからです。 

 「落ち葉を使って食べ物を覆い隠す」という解釈はあり得るかもしれません。 
しかし早春の時期には落ち葉が地面のそこらじゅうにありますから、わざわざ隠蔽偽装材を予め集めてから貯食場所に持っていく必要はないはずです。 
貯食場所の近くで落ち葉を調達できるはずですから、ちょっと不自然な解釈のような気がします。 

数日前にアナグマの死骸が横たわっていた地点で落ち葉拾いをしていた、という点が重要かもしれません。 
産座の巣材として獣毛は貴重ですが、前日にハシブトガラスが持ち去ってしまった後です。 
あてにしていた獣毛が見つからないフラストレーションから、ハシボソガラスは置き換え行動(=転移行動)として落ち葉を拾い集めたのかもしれない、と想像してみました。 



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2025/03/06

スギ林の幹で休むシロスジナガハナアブ♂

 

2023年9月上旬・午後12:45頃・くもり 

平地のスギ防風林で、アシナガバチの仲間にベーツ擬態したシロスジナガハナアブ♀(Milesia undulata)が根元付近の幹に止まっていました。 
身繕いをするでもなく、翅を開げたまま、ただ休んでいるだけでした。 
飛び立つシーンも一度見れただけです。 
急に慌てて右後脚を動かしたのは、スギの樹皮を徘徊する微小アリに足先を噛まれて振り落としたのかな?(@0:54〜) 

動画とは別にストロボを焚いて写真を撮ると、左右の複眼が頭頂で接していたので、♂と判明しました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
昼過ぎなのにスギ林床はかなり薄暗いのです。





2025/03/05

線路の砕石の下に餌を隠すハシボソガラス(野鳥)貯食行動

 

2024年3月上旬・午後14:35頃・晴れ 

ローカル線の鉄道(単線)が走るバラスト軌道で1羽のハシボソガラスCorvus corone)が何かしています。 
カラスが線路に置き石の悪戯をしているのかと初めは思ったのですが、今回は濡れ衣でした。(※追記参照) 
よく観察すると、ハシボソガラスがバラストの砂利の隙間に何か餌を詰め込んで隠したようです。 
その上に小石を載せて念入りに隠蔽工作しています。 
最後は線路に沿って右へ飛び去りました。 
動画を撮り始めるのが少し遅れてしまったのが残念です。 


※【追記】 
この問題について、Perplexity AIに解説してもらいました。(32件の引用リンクは割愛)
カラスによる線路への置き石は、列車の安全運行に重大な脅威をもたらす問題です。この行為は以下の点で危険性が高いと考えられます: 
1. 脱線事故のリスク: 
置き石は列車の脱線を引き起こす可能性があります[1][4]。2020年5月に千葉県鴨川市でJR外房線が脱線した事故では、線路に置かれた石を列車が踏んだ跡が複数見つかりました[2][3]。 
2. 重大な法的罰則: 
人間が行った場合、置き石は重罪とされ、2年以上13年以下の懲役刑が科される可能性があります[1]。 
3. 運行障害: 
脱線に至らなくても、列車の運行に支障をきたし、遅延や運休を引き起こす可能性があります。 
4. 安全性への不安: 
繰り返し発生することで、乗客や鉄道会社に不安を与え、鉄道の信頼性を損なう恐れがあります。 
カラスによる置き石の動機については、以下のような推測がされています: 
- 石が轢かれて砕ける音を楽しんでいる 
- 光沢のある石を運んでいる途中で置き忘れた 
- 遊びの一環として石を落としている 
- 餌を隠す際に石を動かしている[1][5] 
実際の脱線事故については、2020年の千葉県での事例が報告されていますが、カラスが直接の原因であると断定されてはいません[2][3]。しかし、置き石がその置かれ方と量によっては列車脱線事故につながる可能性があるため、鉄道事業者は警察や地域と協力して対策を講じる必要があります[4]。 対策として、カラスの動きを察知するセンサーの導入や、カラスの警戒音を利用した忌避システムやカラスが忌避する塗料(バードコレンジャー)などが試みられています[1]。また、カラスの行動の根本的な原因(例:エサやり)を取り除くことで問題が解決した事例もあります[5]。 カラスの置き石問題は、列車の安全運行を脅かす深刻な問題であり、継続的な監視と効果的な対策が求められています。

【アフィリエイト】 

2025/03/03

早春のハクモクレン樹上にメジロのペアとコガタスズメバチの古巣(野鳥)

 



2024年2月中旬・午後15:30頃・晴れ 

民家の庭木のハクモクレンの樹上で見つけた コガタスズメバチVespa analis insularis)の古巣を定点観察に来ました。 
見上げて撮影を始めたら、メジロZosterops japonicus)の♀♂ペアが近くの横枝に止まっていることに気づきました。 
小声で鳴き交わしながら♪枝から枝へピョンピョン飛び移り、最後は相次いで飛び去りました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


前回もここでメジロを見かけた(単独個体)ので、もしかすると、半壊した(くり抜かれた)コガタスズメバチの古巣をメジロ♀♂が樹洞のように夜のねぐらとして使っているのかもしれない、という仮説を思いつきました。 
スズメバチの古巣を再利用してスズメなどの鳥が営巣する事例があったそうです。 

関連ニュース記事(2013年・朝日新聞)▶ スズメバチの巣、スズメが再利用 宮城・南三陸 



その仮説を検証するために暗視カメラで夜に撮影したかったのですが、冬の寒い夜に出かける根性がなくてグズグズと先延ばしにしていたら、機会を逸してしまいました。 
その後も(昼間に)ときどき定点観察を続けていたら、3月下旬にはコガタスズメバチの古巣が撤去されてしまいました。 


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2025/02/28

ムシトリナデシコの花から花へ飛び回り吸蜜するウラギンヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後12:05頃・晴れ 

田畑の農道沿いに咲いたムシトリナデシコの群落でウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
基本的に翅をしっかり閉じて吸蜜します。 
翅表に♂の性標(性斑)を確認できました。 




ムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜) 
快晴で日差しが強く、ハイスピード動画撮影日和でした。 
隣で訪花していたモンシロチョウが背後から飛来すると、ウラギンヒョウモン♂は慌てて飛び立ったものの、少し飛んだだけで手前の花に停まり直しました。 
2種間で蜜源植物をめぐる占有行動や縄張り行動は見られませんでした。 



【アフィリエイト】 

2025/02/27

ニホンアナグマ死骸の抜け毛を拾い集め産座の巣材として持ち去るハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年3月下旬 

シーン1:3/29・午前11:49・みぞれ・気温11℃(@0:00〜) 
平地の二次林で死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、寒の戻りでみぞれが降る昼前に、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が写りました。 
しかしすぐに林床から右へ飛び去ってしまいました。 


シーン2:3/30・午前6:07(@0:07〜)日の出時刻は午前5:25。 
翌日の早朝、アナグマの死骸が3日前に横たわっていた地点でハシブトガラスが何かを啄んでいました。 
林床に散乱していた落ち葉と一緒にアナグマ死骸の抜け毛を拾い集めて巣に持ち帰り、産座の巣材とするのでしょう。 
集めた巣材を嘴に咥えると、ぴょんぴょん跳んで(ホッピング)左へ立ち去りました。 
カラスの巣の外側は小枝を大量に集めて作られ、その後に巣の中央に柔らかな保温性の高い巣材で産座が作られます。
フィールドに落ちている動物の抜け毛や鳥の羽毛は、産座に敷き詰める巣材として貴重な資源であり、営巣初期の鳥たちの間で争奪戦になります。
ハシブトガラスの営巣開始にはまだ早い気がするのですけど、貯食行動のように、近い将来に必要となる産座の保温材(巣材)をどこかに保管しておく可能性もありそうです。 

最後にカー♪と澄んだ鳴き声が聞こえたのですが、編集ミスでカットしてしまいました。 


シーン3:3/30・午前9:50・くもり・気温11℃(@0:33〜) 
右から林床をトコトコ歩いてきたハシブトガラスが、落葉したマルバゴマキ灌木に飛び乗って、アナグマの巣口Lを覗き込んでいます。 
アナグマの亡き後、下半身が麻痺した瀕死のホンドタヌキが巣穴Lに潜んでいるのではないか? 中で死んでいるのではないか?と私はあらぬ想像をしてしまうのですけど、タヌキが巣穴Lに入った決定的な証拠映像は撮れていません。 
カラスはそのまま左へ立ち去りました。 


シーン4:3/30・午前9:53・くもり・気温12℃(@1:33〜) 
2分後に同一個体と思われるハシブトガラスが左からセットに戻ってきました。 
ホッピングで遠ざかり、最後は右上奥へ飛び去りました。 

健常タヌキが引きずって持ち去ったアナグマの死骸の行方をスカベンジャーのカラスも探しているはずですが、どこに隠したのか分かりません。 
アナグマの死骸はもう全てタヌキに食べ尽くされてしまったのかな? 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。




2025/02/26

繁殖池でショウジョウトンボ♂による縄張り防衛飛翔

 

2023年7月中旬・午前10:55頃・くもり 

山麓で沢の水が溜まった池の上空で2匹の赤トンボが飛び回っていました。 
高速で往復すると、2匹とも山側の方へ飛び去り、見失ってしまいました。 
何が起きたのか分からなかったので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:16〜) 

新井裕『トンボ入門』によると、
真夏の池を飛び回っている真っ赤なトンボを見たらショウジョウトンボと思ってほぼ間違いない。(p143より引用)
どうやら、この池で縄張りを張って♀を待ち構えているショウジョウトンボ♂(Crocothemis servilia mariannae)が、侵入したライバル♂を追い払おうとしているようです。 
実は翌年の同時期に同じ池の岸辺で休んでいるショウジョウトンボ♂の写真が撮れました。(写真を公開予定) 


井上清、谷幸三『赤トンボのすべて』でショウジョウトンボについて調べると、まさに私が観察した通りの記載でした。
♂は成熟すると全身が真っ赤になり、夏中池の上を忙しく飛び回ったり草の上に止まったりして♀を待ち受けています。(中略)抽水植物と沈水植物が多く水面の開けた平地の池を好み、成熟♂は抽水植物の葉などに止まって♀を待ち受けていますが、他の♂が近づくと執拗に追い回します。(p132より引用)
wikipediaでショウジョウトンボの生態を調べると、なかなか充実した記述がありました。
オスは単独で池の縁に強い縄張りを持ち、縄張りの縁に沿って力強く哨戒飛行をする。他のオスが飛来すると斜め20cm弱の距離に位置関係を保ち、地形に合わせて低空編隊(にらみ合い)飛行を見せる。やや下側を飛ぶのが地主である。時に激しく羽音を立てて格闘するが、メスの飛来にはおおらかである。 雄の飛翔は速くてパワフルであり、風に乗ってゆっくり飛ぶことはなく、哨戒飛行の後はすぐに縄張り内のお気に入りの基点に止まり警戒を続ける。(中略)オスが定着すると一日に数度の格闘を目撃でき、負け去るオスは直線的に稲田上を高速で視界から消える

ショウジョウトンボ♀♂の交尾行動がまた独特で面白いらしいのですが、私はまだ観察できておらず、今後の課題です。
ショウジョウトンボは体色の性的二型が顕著ですから、野外で配偶行動を観察するのに適していそうです。
その前に私はまず、ショウジョウトンボの♀を見つけられるようにしないといけません。

ところで、周囲に聞こえる鳥の鳴き声はホトトギス♂(Cuculus poliocephalus)でしょうか。 
囀りさえずり)の節回しが独特の方言になっています。 


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2025/02/25

電線から飛び立つトビ(冬の野鳥)

 

2023年2月下旬・午後14:30・くもり 

郊外の住宅地で電柱間に張り巡らされた細い電線にトビMilvus migrans)が止まっていました。 
電線は細いので、トビの足場はグラグラと不安定です。 
トビは尾羽根を広げて上下に動かし、なんとかバランスを保とうとしています。 
大型のトビが安定した電柱ではなく、足場の悪い電線に止まっているのは珍しいと思って撮り始めました。

トビは後ろ姿だったのですが、振り返ってカメラを構えた私に気づくと、電線から飛び去りました。 
今回は離陸直前に軽量化の脱糞をしませんでした。 
 飛び立つ瞬間の羽ばたきを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
広げた翼の下面の斑紋から、猛禽の正体はトビと判明しました。 
羽ばたきと滑翔を交互に繰り返して飛び去ります。 
尾羽根を斜めに傾けて舵を切っていました(方向転換)。


2025/02/20

キタテハ秋型の道教え?:砂利道を舐めてミネラル摂取

 

2023年10月上旬・午前10:50頃・晴れ 

砂利が敷かれた農道で秋型のキタテハPolygonia c-aureum)2頭がミネラル摂取のために集まっていました。 
私はキタテハの性別を外見で見分けられませんが、性成熟に必要なナトリウムやアンモニア塩を摂取するのはおそらく♂と思われます。 

キタテハは翅を開閉しながら砂利道を歩き回り、口吻の先端であちこち舐めて味見しています。 
お気に入りの(塩分の濃い)地点を探り当てると、一箇所に落ち着いて一心不乱にミネラル摂取に励みます。 
農道の轍に水溜りができているのですが、そうした水たまりの岸の泥よりも、乾いた砂利の表面を好んでキタテハは舐めていました。 
おそらく、水分が蒸発して塩分が濃縮された場所が好みなのでしょう。 
少量の唾液を吐き戻して小石の表面の塩分を溶かしてから、それを吸い戻していると推測されます。 

最後に、路上からキタテハが飛び立つ瞬間もついでに記録しようと、私が動画を撮りながら歩いて近づいてみました。 
しかし飛び立ったキタテハは少し飛んで遠ざかっただけで、すぐに同じ農道に再着陸しました。 
また私が近寄ると、同様に少しだけ飛んで逃げただけでした。 
ハンミョウの「道教え」を連想しました。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ナミハンミョウの道教え【HD動画&ハイスピード動画】
人が近づくと飛んで逃げ、1 - 2 m程度飛んで着地し、度々後ろを振り返る。往々にしてこれが繰り返されるため、その様を道案内に例え「ミチシルベ」「ミチオシエ」という別名がある[4]。 (wikipedia:ハンミョウより引用)
もちろんキタテハにそんな意図は無く、ミネラル摂取を邪魔されてもお気に入りの塩場から離れたくないだけなのでしょう。 


※ 説明・演出のため、動画編集時に素材の順番を変えました。 
一番伝えたいポイントを出し惜しみしないで先に見せるようにしないと、ショート動画が全盛の昨今では視聴者が途中で離脱してしまうからです。 
実際には、望遠マクロで吸汁シーンを撮ってから、キタテハに近づいて離着陸を繰り返す様子を撮影しました。 

キタテハが地面を舐めてミネラル摂取する行動はこれまで何度も撮影してきたのですが、「道教え行動?」は初見で、ちょっと面白いと思いました。 



2025/02/19

ニホンアナグマの死骸を食べ漁り、肉片を繰り返し持ち去るハシブトガラス(野鳥)

 

前回の記事:▶ 越冬できずに死んだニホンアナグマの亡骸に群がるクロバエ 


2024年3月下旬・午後16:43〜17:16・晴れのち曇り 

早春に平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の死骸を食べに来るスカベンジャーを記録するために、急遽トレイルカメラを新たに設置することにしました。 
野生動物の死骸が様々な生きものに食べられ微生物に分解され、土に戻るまで見届けられるでしょうか? 
もしかすると、野鳥が巣材としてアナグマ死骸の体毛を集めに来るかもしれません。 
死骸を営巣地から遠ざけて置き直すべきか迷いましたが、そのまま放置することにしました。 
臨機応変にぶっつけ本番でやるしかありません。 

私が立ち去ると、アナグマの死骸の近くに真っ先に現れたのは、カラスでした。 
上から見下ろす撮影アングルではハシボソガラスとの区別が微妙なのですが、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のようです。 
しかし監視カメラの存在に目ざとく気づいたようで、警戒したカラスはホッピングで逃げていきました。 
その後はアナグマの営巣地(セット)をあちこち探索して安全を確かめています。 
死骸は、巣穴を見張る監視カメラの画角の外で、セットの端に横たわっています。 

ようやく警戒を解くと、ハシブトガラスは死骸の左腿の損傷部(傷口)から死肉を啄み始めました。 
死骸の同じ箇所から繰り返し食べています。 
太くて強力な嘴をもつハシブトガラスは、アナグマ死骸の下半身の毛皮を引きちぎるように剥ぎながら、死肉を食べています。
カラスはその場で屍肉を食べて飲み込むのではなく、喉袋いっぱいに肉片を詰め込んでいました。 
そのまま左に飛び去りました。 
しばらくするとまた戻ってきたので、喉袋に詰めた肉片をどこかに貯食してきたのでしょう。 

食事中に遠くの仲間に呼びかけられて、カーカー♪鳴いて応じました。 
つがいのパートナーや仲間を呼び寄せて死骸をシェアするのかと期待したのですが、カラスが集まってくることはありませんでした。 
ただの挨拶だったようで、この個体は死骸をこっそり独り占めしています。 
死んだアナグマの肉片を喉袋いっぱいに詰めて運び、どこかに隠してくる貯食行動を繰り返しています。 
後半になるとハシブトガラスは死骸の腹膜を破り、白い内臓(脂肪? 腸?)を食べ始めました。 

最後にカラスが飛び去ったのは午後17:16で、この日はもう戻ってきませんでした。 
おそらく日没前にねぐら入りしたのでしょう。 


【考察】 
代表的なスカベンジャーであるハシブトガラスが真っ先に通って来たのは予想通りですが、いつも単独で現れました。 
仲間を呼び寄せることもなく、大量の餌を独り占めしています。 
群れ(同種またはハシボソガラスとの混群)で一緒に死骸を食べ漁らないのは意外でした。 
ハシブトガラスの♀♂ペアがすでに自分たちの営巣地周辺に縄張りを確立していて、他のカラスが入ってこれないのかもしれません。 
北国でこの時期のカラスはまだ営巣・繁殖を始めていないと思うのですが、今季は暖冬の後で春の到来が早いです。 
もしもカラスの繁殖開始が早まっているとすると、巣内で抱卵するハシブトガラス♀に♂がアナグマの肉をせっせと給餌しているのかもしれません。 

日向に放置されて腐りかけたアナグマ死骸の肉は、凍っていませんでした。 
もしも厳冬期で死骸の肉がカチカチに凍っていると、カラスは死骸をいち早く見つけても食べることが出来ません。 
北米での観察記録によると、そのようなときワタリガラスはオオカミの群れを呼び寄せるのだそうです。 
鋭い強力な牙を持つオオカミに死骸を先に引き裂いたり食べたりしてもらい、ワタリガラスはその後で残り物を食べるらしい。 


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ワタリガラスの謎   すごい面白い本なのに、和訳した題名が地味すぎますね。原書は 
Bernd Heinrich - Mind of the Raven: Investigations and Adventures with Wolf-Birds  (その続編。和訳本『カラスの賢さ、カラスの知恵』は絶版) 


今回のハシブトガラスが死骸を食べる様子を観察しても、いったん死骸の皮膚にどこか穴が開いてしまえば、そこから穴を広げて毛皮を引きちぎったり内臓を引き出したりするのはお手の物でした。 
無傷の新鮮な状態の死骸から日本のカラスが最初にどのように穴を開けて引き裂くのか、機会があれば観察してみたいものです。 
目玉や肛門、鼠径部など、皮膚が薄い部分を狙うはずです。 




【アフィリエイト】 

2025/02/04

ウラナミシジミ♂の探雌飛翔とヤブツルアズキの花から飛んで逃げる♀【ハイスピード動画】

 

前回の記事:▶  


2023年9月中旬・午後16:00頃・晴れ 

民家の裏庭にはびこるヤブツルアズキの花で、翅をしっかり閉じて吸蜜しているウラナミシジミ♀(Lampides boeticus)を240-fpsのハイスピード動画で撮っていると、左上から別個体♂が飛来しました。 
すると、訪花中の個体はすかさず飛び立ちました。
2頭ともどこかに飛び去ってしまい、元の花には戻って来ませんでした。 

何が起きたのか、さらに1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう(最終的には1/40倍速になります)。 
訪花していた個体は、翅表の縁の暗色部が広いことから♀と分かりました。 
交尾する気がないのに♂から求愛されそうになったので、飛んで逃げたのでしょう。 
シジミチョウ科は、♂による儀式的な求愛飛翔や、止まったままの♀による交尾拒否行動をしないのかな?

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