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2025/08/24

山道から飛び立つミヤマセセリ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午前11:30頃・くもり 

里山を登る山道で、ミヤマセセリ♂(Erynnis montanus)が翅を全開にして地面に止まっていました。 
枯れ葉(落葉)の上で静止していると、広げた翅の斑紋が目立たない保護色になっています。 
そのため、ちょっと目を離しただけで、見失いそうになります。 

曇天なので、日光浴ではなさそうです。 
晴れていても曇っていても、いつも翅を広げて止まるミヤマセセリの場合、日光浴しているかどうか翅形では判断できません。 
近年の分子系統解析によると、セセリチョウ科はタテハチョウ科やアゲハチョウ科よりもやや早い段階で分岐したグループで、やや原始的な特徴を持つのだそうです。 
翅の開閉で体温を調節する行動がセセリチョウ科では発達しなかったのだろうか。 

関連記事(16年前の撮影)▶ ミヤマセセリの日光浴

口元に注目すると、ゼンマイ状の口吻を少しだけ伸縮させたものの、地面や落ち葉を舐めてミネラル摂取をしている訳ではありませんでした。 

飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:00〜) 
すばやく羽ばたいて飛び去りました。 
しかし少し飛んだだけで、同じ山道に着陸します。 
♂は山道に沿って縄張りを占有し、交尾相手の♀が来るのを待ち伏せしているのかもしれません。 


2025/08/23

深夜の水場に来たフクロウ:6月下旬【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)を設置しています。 

ある一晩に登場したフクロウStrix uralensis)の様子を以下にまとめました。 


シーン1:6/26・午前3:02(@0:04〜) 
画面左端の水溜まりに来たフクロウが水浴しているようです。
フクロウは監視カメラに撮られることを嫌って、死角に隠れているのでしょうか? 
他には、コウモリが繰り返し飛来しています。 


シーン2:6/26・午前3:23(@0:45〜) 
いつの間にか水溜りの対岸に上陸していたフクロウの後ろ姿が写っています。 
振り返って周囲を警戒してから、音もなく羽ばたいて右上奥へ飛び去りました。 


シーン3:6/26・午前3:32(@0:56〜) 
手前の浅い水溜まりにフクロウが足を浸していました。 
左此岸にピョンと上陸すると、左奥の水面をじっと見つめています。 
水場に来る小動物を待ち伏せして狩ろうとしているのかもしれません。 
諦めたのか、やがて方向転換すると、右上に飛び立ちました。 


つづく→

2025/08/18

セラスチウム(シロミミナグサ)の花蜜を吸うベニシジミ夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午前10:05頃・くもり 

民家の花壇に咲いた見慣れない園芸植物の群落で夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
私は園芸植物に疎いので、Googleレンズで画像検索したところ、白い花の名前がセラスチウム(別名シロミミナグサ、ナツユキソウ)と判明。 

曇天のため、少しでも日光を浴びようとベニシジミは翅を半開きのまま吸蜜しています。 
少し飛んで別の花に止まり直し、次々に吸蜜しています。 

ベニシジミが花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)

2025/08/16

他のアシナガバチが作った初期巣を襲って幼虫を捕食するフタモンアシナガバチ創設女王

 

2024年5月中旬・午後12:15頃・くもり 

堤防路の道端で、水平に倒伏したヨモギの枯れた茎から下向きにアシナガバチの初期巣が作られていました。 
フタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が巣盤の下側にぶら下がり、何か作業しています。 
この時期はまだワーカー♀が羽化しておらず、単独営巣期の創設女王と思われます。 

やがて女王が体を反らせてくれたので口元が見え、獲物を噛みほぐして肉団子を作っていたことが分かりました。 
帰巣直後の女王が、これから巣内の幼虫に給餌するのでしょうか。 
翅を半開きにしたのは私に対する警戒姿勢かと思いきや、肉団子を咥えたまま、意外にもフタモンアシナガバチの創設女王はどこかに飛び去りました。 
幼虫を育房から引き出して殺したり捕食しただけなら、死んだり病気になったり寄生された幼虫個体を自分の巣から取り除いたのだと説明できます。 (必要悪な子殺し
しかし、肉団子に加工して持ち去ったとなると、他のアシナガバチの巣を襲って、幼虫を捕食したことになります。 
肉団子を自分の巣に持ち帰って、幼虫に給餌するのでしょう。 

ヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)はアシナガバチ類の巣を襲って幼虫や蛹を捕食します。 
しかし、アシナガバチ同士で巣内の幼虫や蛹を捕食するシーンを見たのはこれが初めてです。 
もし同種間なら共食いしたことになりますが、巣の主が不在のときに襲撃したので獲物の種類が分からず、共食いとは言い切れません。 

フタモンアシナガバチ創設女王が襲った巣の種類を検討してみましょう。
巣が大きくなれば、アシナガバチの種類によって巣の形が違ってくるのですが、小さな初期巣の段階では見分けることが困難です。 
幼虫が紡いだ繭の色でアシナガバチの種類を絞り込めることがあるのですけど(黄色い繭ならヤマトアシナガバチまたはキボシアシナガバチ)、この巣では繭はまだ作られていませんでした。 
営巣地の環境から、フタモンアシナガバチの巣であってもおかしくないのですが、別種の可能性も残ります。

フタモンアシナガバチの創設女王が飛び去った直後に、巣盤の育房を苦労して接写してみました。 
動画を一時停止して育房を数えると26室で、5月中旬の女王単独営巣期にしてはかなり多い部類になります。 
育房内に卵や幼虫は全く残っていませんでした。 
繭もまだ作られていません。 
もしヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)に襲われた直後なら、巣の育房壁が汚らしく乱暴に食い千切られているはずです。 
しかし、今回の初期巣の構造は無傷でした。 

気になるのは、アシナガバチの巣盤の天井部や巣柄にアリ除けとしてタール状の物質が塗布されて黒光りしているはずなのに、この巣は白っぽいことです。
もしも今年に作られた初期巣ではなく、前の年に作られた古巣が冬を越して残っていただけとなると、解釈を大幅に検討し直す必要があります。 
例えば前年に羽化できなかった幼虫の死骸が干からびたまま育房内に残っていて、それを女王が捕食したのでしょうか。
そんな餌が残っていれば、堤防をくまなくパトロールしているアリが見過ごすはずがありません。
当地は雪国(多雪地帯)なので、冬を越した古巣だとしたら、深い雪の下に埋もれた圧力で変形しているはずです。
 (異常な暖冬だったから雪に埋もれて潰されなかった?) 
ちなみに、アシナガバチは前年の古巣を再利用することはありません。 

育房数が26室というのは5月中旬の初期巣にしてはかなり多いのですが、暖冬で春の訪れが早く、越冬明けの女王が巣を作り始めたのも早かったと考えれば、なんとか説明できそうです。 
巣の主である創設女王が不在(または死んだ)の間に、この巣を見つけたフタモンアシナガバチ創設女王が襲撃して巣内の幼虫を次々に捕食して全滅させたのでしょう。 
女王の単独営巣期は巣を防衛するワーカー♀が不在なので、女王の留守中に幼虫が捕食されるリスクがどうしても高くなります。 
なるべく目立たない場所に営巣した女王が、食うか食われるかの仁義なき生存競争に勝ち残るのでしょう。 
たとえ初期巣が襲われて幼虫が全滅しても、創設女王が存命なら別の場所で新たに初期巣を作り直し、遅れてまた産卵します。 


いつものように、動画の解釈についてPerplexity AIと相談しながら記事を書きました。

アシナガバチ同士であっても、自分たちの巣や生活圏を守るために他個体や他の女王が作った巣を襲撃し、幼虫を捕食することが報告されています。これは縄張り争いの一環として、相手の資源や将来の個体数を減らす競争戦略の一つと考えられます。

具体的には、餌資源が不足するときや巣の数が密集してしまう場合に、女王や働きバチが他のアシナガバチの巣を襲い、その中の幼虫を捕食する行動が観察されています。 (Perplexityの回答より一部引用)

2025/08/15

夜明け前に野鳥のコーラスを聞きながら水溜りの水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/28・午後13:15・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(新機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/29・午前4:00・気温17℃(@0:04〜)日の出時刻は午前4:16。 
夜明け前に水場に来たフクロウが周囲を警戒してから、歩いて入水しました。 
ときどき頭を下げて泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿なのでよく見えません。 

辺りはまだ真っ暗なのに、野鳥の早朝コーラスが始まっています。 
おそらくクロツグミ♂(Turdus cardis)などが、周囲の森で美声を競い合うようにさえずり、縄張り宣言しています。 


シーン2:6/29・午前4:03(@2:04〜) 
水溜まりに入ったまま右を向いていたフクロウが、右上へ飛び去りました。 


シーン3:6/30・午前4:04・気温17℃(@2:14〜)日の出時刻は午前4:17。 
翌日もほぼ同じ時刻(夜明け前)にフクロウが水場に来ていました。 
今回もフクロウは野鳥の早朝コーラスを聞きながら水を少し飲んだだけで、水浴びはしないで右に飛び去りました。 

周囲でヒヨドリHypsipetes amaurotis)がやかましく鳴いています。 


※ 鳥のコーラス♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
フクロウが水場で鳴くことは一度もなく、いつも静かに黙っています。 




【アフィリエイト】 

2025/08/13

山中の水溜りで水浴・採食に来たクロツグミ♀(幼鳥?)の群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/24・午後12:41・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用しに来るので、2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/27・午後18:30・くもり(@0:03〜)日の入り時刻は午後19:09。 
日没前の薄暗い夕方に、地味な鳥が3羽同時に水場や周辺の湿地に来ていました。 
おそらくクロツグミ♀(Turdus cardis)の群れではないかと思うのですが、動画の色調が狂っているために、いまいち自信がありません。 
薄明薄暮の時間帯に水場に来るのは、クロツグミの特徴です。

2羽がホッピングで次々と浅い水溜りに入ると、それぞれが別の地点で水浴を始めました。 
ときどき泥濘をつついて虫を取ったりもしています。 
その間、奥の湿地帯では別個体が採餌しています。 

やがて4羽目の個体が左から飛来し、泥水溜りの対岸に着陸しました。(@1:09〜) 
水溜りから先客が左に飛び去ると、入れ替わりで入水。 

 巣立ったばかりの幼鳥・若鳥なのかも? 水浴に来ない鳥は別種なのかも? 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 行水の水音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
クロツグミは羽の色が性的二型で、♂は真っ黒ですが♀は地味な茶色です。
ちょうど繁殖期が終わった頃に、地味な♀タイプが4羽群れになって一緒に水場に来たということは、今季巣立った幼鳥が行動を共にしているのではないかと推測しています。
クロツグミの一腹卵数は約4卵らしいので、ほぼ全ての雛が無事に巣立ったようです。

以前クロツグミの親鳥♀がこの水場で黒いオタマジャクシ(幼生)を次々に狩って巣に持ち帰っていたので、心配していました。
ヒキガエルの幼生にはブフォトキシンという猛毒が含まれているからです。
給餌した雛がブフォトキシン中毒で死んでしまったのではないかと案じていたのですが、4羽も無事に巣立ったのなら安心です。
クロツグミはヒキガエルの毒に対して耐性があるのかもしれません。
それとも、当地のヒキガエル幼生は毒性が弱いのでしょうか。



【参考文献】

カンムリワシはなぜ有毒外来種を捕⾷できるのか
―毒耐性遺伝⼦の進化的背景―(プレスリリースのPDF

TOBE, Alisa, et al. Evolutionary insights into Na+/K+-ATPase-mediated toxin resistance in the Crested Serpent-eagle preying on introduced cane toads in Okinawa, Japan. BMC Ecology and Evolutio, 2025, 25.1: 70. (全文のPDFが無料でダウンロード可能)

つづく→

2025/08/10

軒下の巣に飛んで帰るコガタスズメバチ♀:6月下旬

 


2024年6月下旬・午後13:40頃・くもり 

民家の軒下に作られたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣をこっそり定点観察しています。 

拡張工事を施された外皮にマーブル模様が現れました。 
これは、複数個体のワーカー♀が造巣作業に従事していることを意味します。 
各個体がそれぞれお気に入りの地点から巣材の樹皮を集めてくるため、外皮の色がまちまちになるのです。 

巣を見上げて動画で記録していると、1匹のワーカー♀が帰巣しました。 
スロー再生しても、巣材や肉団子を搬入したかどうか不明です。 


※ 動画編集時に色調補正を施しています。 
雨上がりで、昼間なのにかなり薄暗いです。 
いつもの自動色調補正では不自然な色合いになるので、手作業でlift, gamma, gainエフェクトの各パラメータを適当にいじりました。 


つづく→

2025/08/08

ノダイコンの花蜜を吸うナミアゲハ♂の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月中旬・午前11:05頃・晴れ 

小川の土手に咲いたノダイコン(大根の内陸性自生種)の群落でナミアゲハ♂(Papilio xuthus)が忙しなく訪花していました。 
吸蜜中もバランスを保つために、かなり忙しなく羽ばたき続けています。 
この組み合わせは初見です。 

腹端の形状から♂と判明。 
この♂個体は、左後翅の尾状突起が欠損しています。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:57〜) 
スローモーションでじっくり観察すると、ゼンマイ状の長い口吻の根元付近に薄い黄色の花粉が大量に付着していることに気づきました。 
つまり、ナミアゲハ♂はノダイコンの花に口吻を差し込む度に授粉を助けている送粉者ということになります。 
狙った訳ではないのですけど、背後を流れる小川の水面の煌めきが美しく撮れていました。 

実はキアゲハもノダイコンの同じ群落に飛来したのですが、撮り損ねました。 
2種のアゲハチョウは互いに無関心で、誤認求愛や蜜源の占有行動も起こりませんでした。

2025/08/03

山中の湿地で夕方にミミズを捕食するクロツグミ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が来て水場として利用しているので、2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

クロツグミ♂(Turdus cardis)の登場シーンを以下にまとめます。 
雛に給餌する育雛期は終わりつつあるのでしょうか。


シーン1:6/21・午後18:26・(@0:07〜)日の入り時刻は午後19:08。 

夕方の湿地で真っ黒なクロツグミ♂が水溜りSの中洲に来ていました。 
振り返ると白い腹面が見えます。 
岸辺の泥濘を嘴でつついて回り、細長いミミズ?を捕食しました。 
その場で食べたかどうか不明です。 
最後は右に飛び去りました。 


シーン2:6/22・午後19:00・(@1:02〜)日の入り時刻は午後19:08。 
翌日の夕方にもクロツグミ♂が登場しました。 
黒い鳥ですが、嘴は白っぽく見えます。 
水溜まりの泥濘をホッピングで徘徊し、餌を探しています。 

現場は山中にあるので、公式の日の入り時刻よりもだいぶ早く太陽が山の陰に沈み暗くなります。 

最近は雨がほとんど降らないので、水溜まりの水量が少なく、干上がりつつあります。 


シーン3:6/23・午後18:57・小雨(@1:13〜)日の入り時刻は午後19:08。 
翌日にも、ほぼ同じ時間帯にクロツグミ♂が採餌に来ました。 
このように薄暗い時間帯に活動する性質を、夜行性とか昼行性に対して薄明薄暮性と言います。

水溜りSの対岸から中洲にピョンと飛び移ると、泥濘を数回啄んでから、対岸に戻りました。 
ホッピングで右に移動し、泥濘をつついています。 
湿地の草むらを経由して、右奥の水溜まりへ移動したのに、なぜか別アングルの監視カメラが起動しなかったのが残念です。 
最後は左に飛び去りました。 

小雨がぱらついています。
待望の雨が降り、水溜りの水量がだいぶ回復しました。 


奥の草むらでの採餌行動は、5倍速の早回し映像で見る方が分かりやすいかもしれません。(@2:06〜) 




※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/08/02

白藤の花で休むクマバチ♂を手に乗せてみる

 

2024年5月上旬・午後16:45頃・晴れ 

某お屋敷のブロック塀からシロバナヤマフジ(シラフジ、白藤)の花穂が垂れ下がっていました。 
季節の風物詩として、キムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の訪花シーンを撮ろうとしたのですが、白い蝶形花にしがみついたまま動きません。 

関連記事(8年前の撮影)▶ 白藤の花蜜を吸うクマバチ♂ 


複眼が大きく発達し、頭楯が白いことから、クマバチの性別は雄蜂♂と分かります。 
ハチ(有剣類)の毒針は♀の産卵管が変形したものですから、毒針をもたない雄蜂♂を素手で触れても刺される心配がなく、全く安全です。 

もしや死んでいるのかと思って指先で軽く触れてみたら、ようやく緩慢に動き始めました。 
クマバチの雄蜂♂は日中はひたすら停空飛翔(ホバリング)で縄張りを張り、交尾相手の♀を待ち構えています。 
そのため、夕方にはもう疲れ切って寝ていた(休んでいた)のでしょう。 

 私が指を差し出すと、クマバチ♂は弱々しく羽ばたきながら、しがみついてきました。 
そのまま手乗りさせると、おとなしく静止してくれたので、じっくり観察できました。 
ハナバチ類の雄蜂♂は訪花しても採餌しません(花蜜や花粉を巣に持ち帰らない)から、後脚に花粉籠はありません。 
しかし、よく見ると、前脚に黄色っぽい毛が密生していますね。 
何か特別な役割があるのでしょうか? 
例えば、交尾の際に♀をしっかり抱きかかえるため? 

最後に、クマバチ♂は重低音の羽音を響かせて、私の手から飛び去りました。 
近くでは別個体のクマバチがブンブンと羽音♪を立てながら白藤に忙しなく訪花していました。 


関連記事(8年前の撮影)▶ クマバチ♂は手に乗せても刺さない

2025/07/31

水浴びの好きなフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼下がりにたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の水浴シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/18・午後22:12(@0:04〜) 
ある晩に、画面左端にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰で、水場に降り立ったフクロウが羽ばたきました。 
しばらくすると、中洲にピョンと飛び移り、監視カメラをにらみつけました。 
再び左(死角)の水溜まりにピョンと入水し、行水を始めたようです。 


シーン2:6/20・午後19:54(@0:37〜) 
2日後の晩にもフクロウが水溜りの対岸に来ていました。 
周囲を見回して警戒しています。 
ときどきコウモリが飛来します。 

奥の水溜まりにピョンと入水すると、足を浸しました。 
その場でグルグル回りながら足踏みしているのは、泥底を深く掘り返しているのではないかと私は想像しています。 
水浴前にそんなことをしたら、底の泥が巻き上がって水が濁ってしまうはずですが、フクロウは気にしないようです(仕方がない?)。 

やがてフクロウは泥水で洗顔を始めました。 
水溜りに身を沈めたフクロウが周囲を見回したところで、90秒間の録画が終わってしまいました。 


シーン3:6/20・午後19:59(@2:08〜) 
左(死角)の水溜まりでフクロウが水浴していました。 
足踏みしながら顔を水面につけて素早く左右に振り、洗っています。 
我々ヒトと違って両手を使えない鳥の洗顔は、汚れを落とすのが大変そうです。 


シーン4:6/20・午後20:04(@2:56〜) 
いつの間にか対岸に上陸していたフクロウが監視カメラに背を向けていました。 
その場で軽く身震いしてから、奥に飛び去りました。 
他の種類の鳥と違ってフクロウでは水浴後の羽繕いを撮れたことがないのですが、水場ではなく、どこか安全な止まり木に移動してからやるのでしょうか。 


シーン5:6/20・午後21:02(@3:06〜) 
水溜りの中洲にフクロウが着地していました。 
羽毛がボサボサなのが気になります。
一部の羽根が擦り切れているように見えます。 
換羽期なのか、それともまさか幼鳥ですかね? 
フクロウ観察歴の浅い私にはよく分かりません。 

左にピョンと跳んで死角の水溜まりに入りました。 
水浴を済ませたフクロウが右にピョンと跳んで中洲に戻ってきました。 
軽く身震いしてから、右上へ音もなく飛び去りました。 


シーン6:6/20・午後21:14(@3:59〜) 
奥に設置した別の監視カメラの赤外線LEDが眩しく点灯しています。 
中洲の左端に来ていたフクロウの後ろ姿が写っています。 

やがて警戒を解くと、左の水溜まりに入水し、死角に消えました。 
水浴後に中洲にピョンと戻ってきたフクロウは身震いして周囲を見回してから、右上へ飛び立ちました。 


シーン7:6/20・午後21:34(@4:46〜) 
左の画角外の水溜まりで、フクロウが水浴びをしていました。 
珍しく歩いて中洲に上陸すると、身震いしてから奥に飛び去りました。 


シーン8:6/20・午後21:54(@5:37〜) 
フクロウが、中洲の左に着陸していました。 
周囲を見回して警戒してから、左の死角の水溜まりにピョンと入水。 


シーン9:6/20・午後21:56(@5:57〜)
行水を終えてさっぱりしたフクロウが、左の死角からピョンと跳んで中洲に上陸。 
周囲を警戒してから、再び左の死角の水溜まりに入りました。 


シーン10:6/20・午後22:05(@6:53〜)
中洲に降り立っていたフクロウが、周囲を見回してから左へピョンと2回跳んで入水すると、死角で行水を始めました。 
中洲にピョンと上陸すると、身震いして飛び立つ寸前に録画が終わってしまいました。 

どこか遠くでヨタカ♂(Caprimulgus indicus jotaka)がずっと鳴いていた♪のですが、YouTubeにアップロードした動画では再エンコードのせいか聞き取れないかもしれません。 

関連記事(9年前の撮影)▶ ヨタカ♂(野鳥)の鳴き声♪と声紋解析 


シーン11:6/20・午後22:17(@7:50〜)
再び中洲の左端に来ていたフクロウが、左の水溜まりにピョンと跳んで入水すると、チャプン♪と水音が聞こえます。 
死角で水浴を終えたフクロウは、再び中洲にぴょんと跳んで上陸。 
顔を素早く振って水気を切ると、水溜りの対岸に飛んで移動しました。 
飛び去る瞬間まで見届けられずに、録画終了。


※ 水音や羽ばたきなどが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
フクロウの個体識別ができていないのですけど、同一個体が通っているとすると、一晩でかなり頻繁に水浴していることになります。
きれい好きのフクロウは、「風呂キャンセル界隈」とは無縁のようです。
狩りをする度に汚れを落としに来るのでしょうか?


2025/07/29

砂利道で休み、準備運動後に飛び立つクジャクチョウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月下旬・午後13:55頃・くもり 

里山の砂利が敷かれた林道で、美しいクジャクチョウInachis io geisha)と出会いました。 
翅を全開に広げて砂利道に静止していますが、曇天で日差しがないので、体温を上げるための日光浴ではなさそうです。 

翅に破損がない、きれいな個体でした。 
さすがに越冬明けの個体ではなく、羽化直後の個体と思われます。 
寒冷地では年一化なのだそうです。 

腹部をかすかに上下動させています。 
途中から翅をピクピクと動かし始めたのは、飛び立つ前の準備運動なのでしょうか? 
やがてクジャクチョウは翅を閉じて、小刻みに翅を震わせています。 
赤く美しい翅表が見えなくなり、黒い地味な翅裏を見せてくれました。 
タテハチョウ科なので、昆虫なのに脚は4本しか見えません。(前脚が退化している) 

準備運動で体温が十分に上がったのか、素早く飛び去りました。 
温度計を持ってこなかったので、このときの気温は不明です。 
私の体感では、別に肌寒い日ではありませんでした。 
大型の蛾ならともかく、気温の高い初夏に飛翔前の準備運動が必要とは知りませんでした。 
クジャクチョウは北方系の蝶なので、気温の低い山地でも活動できるように適応しているのでしょう。 

クジャクチョウは飛び立っても、砂利道の林道を少し往復しただけで、ほぼ同じ地点に着陸する印象でした。 
縄張りを張っているのでしょうか?(占有行動)
クジャクチョウの成虫は外見に性差が乏しく、フィールドで単独個体の性別を見分けるのは至難の技なのだそうです。

少し飛んだだけで、砂利道の少し離れた地点に留まり直しました。 
今度は斜め前方から撮れたのですが、クジャクチョウはゼンマイ状の口吻を縮めたままでした。 
小石を舐めてミネラル摂取している訳ではありません。 

クジャクチョウが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:02〜) 
閉じた翅を小刻みに震わせていたのですが(準備運動?)、警戒を解いたのか、翅を全開に戻しました。 
急に力強く羽ばたいて、飛び立ちました。 


※ 説明のために、撮れた映像素材の順番を入れ替えました。 
本来なら、冒頭のただ翅を広げて静止しているだけの退屈なシーンは編集でコンパクトにカットすべきなのは分かっています。 
久しぶりに出会えた憧れのクジャクチョウが息を呑むほど美しく、見とれてしまったので、あえてノーカットでお届けします。 

もう細かいことは覚えていないのですが、「林道を下山中に複数個体を撮影」と野帳には書き残してあります。



2025/07/28

山中の水溜りで水浴し、ホオノキの幹をつついて獲物を探すコゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月下旬 

シーン1:6/28・午後13:14・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
山林に湧き水が滲み出した湿地帯があり、野鳥や野生動物の水場となっている水溜りを自動センサーカメラで見張っています。 


シーン2:6/28・午後14:41・晴れ・気温29℃(@0:04〜) 
雨が降らないので、翌日には水が少し減っていました。
コゲラDendrocopos kizuki)が水溜りに来ていて、かなり浅いのに水浴を始めました。 
左側の深くて白く濁っている泥水には入らず、上澄みが透明な浅い水場を選んでいます。 
なかなか水浴しないので、警戒しているのかと思いましたが、ついでに岸の泥濘で虫を捕食しているようにも見えます。 
短い行水を済ませた後は、右下手前に飛び去りました。 

しばらくすると、キツツキが鋭い嘴で木をコツコツ♪叩く音が録音されていました。(@0:43〜) 
縄張り宣言する速いドラミング音♪とは違い、遠慮がちに叩いています。 
この監視カメラはホオノキ高木の幹に固定してあるのですが、おそらく水浴後のコゲラが木登りしながらあちこちつついて、打音検査のように材内の空洞を探しているのでしょう。 
木に穿孔している虫を捕食するのが目的です。 
トレイルカメラの本体を直接つつかれずに済んで良かったです。 
最後に樹上から飛び去る羽音が聞こえました。 

水浴シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:53〜)。 


※ 水浴時の水音や打音検査♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2025/07/26

山中の水場に通うフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/19・午後20:31(@0:04〜) 
晩に水溜りの対岸に来ていたフクロウが、キョロキョロと首を回して周囲を警戒しています。 
ようやく警戒を解くと、左にピョンと跳んでから入水しました。 


シーン2:6/19・午後20:33(@0:42〜) 
左手前にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰にフクロウは隠れてしまいました。 
水浴びするのではなく、どうやら嘴を何度も水面に付けて、泥水を飲んでいるようです。 

やがて、音もなく羽ばたくと、右上へ飛び立ちました。(@1:29〜) 


シーン3:6/20・午後19:57(@1:36〜) 
翌日の晩にもフクロウが水溜りで足浴したまま、周囲を油断なく警戒しています。 
少し歩いて水溜まりの中を移動しました。 


シーン4:6/20・午後20:45(@2:07〜) 
対岸に降り立ったフクロウがカメラ目線で写っていました。 
キョロキョロと辺りを見回しています。 
左手前に少し飛んで、中洲へ移動しました。 
眼光鋭く水溜まりを凝視しているのは、水中のオタマジャクシや水生昆虫を狙っているのでしょうか? 
水面に浮かぶ落ち葉が風に吹かれて動いています。 


シーン5:6/20・午後20:47(@2:31〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フクロウは左端の死角で水浴?していました。 
何をしているのか不明ですが、尾羽根が上下に動いていることから、洗顔や飲水かもしれません。 


シーン6:6/20・午後22:13(@2:49〜) 
いつの間にかフクロウは中洲に来ていました。 
もしかすると、左の死角で水浴した直後なのかもしれません。 
顔を左右に素早く振って水気を切ってから(身震い)、右上に飛び去りました。 


シーン7:6/21・午前3:52(@3:05〜) 
日付が変わった未明に、フクロウが左端の中洲に来ていたました。 
対岸へピョンと跳んで移動すると、軽く身震いしてから振り返ってカメラを凝視。 
やがて右奥へ飛び去りました。 


シーン8:6/21・午後22:37(@3:27〜) 
同じ日の晩に、フクロウが中洲の水際に来ていました。 
そのまま手前に歩いて水に脚を浸しました。 
周囲を警戒してから、左上へ飛び去りました。 


シーン9:6/22・午前4:09(@4:04〜)日の出時刻は午前4:14。 
日の出直前の薄明に大きな鳥?が左から右に素早く飛んで横切りました。 
右から飛来して中洲に着陸したのはフクロウでした。 
これまでフクロウが水場から飛び去るシーンばかりでしたが、水場に飛来した瞬間を撮れたのは珍しいです。 

薄明の時間帯に来たのも初めてです。 
日長が最も長いこの時期には、夜行性のフクロウにとっては活動可能な時間が最短になります。 (2024年の夏至は6/21。) 

周囲を見回し、足元の泥濘を嘴でつついています。 
手前に歩いて水溜まりに入水したところで、90秒間の録画が打ち切られてしまいました。 

常連のフクロウと比べると、今回の個体は体格が心なしか小さい気がします。 
性的二型による体格差なのか、それとも別種のフクロウなのかな? 
いつも見慣れた赤外線の暗視映像(モノクロ)とは、とにかく印象が違います。 


2025/07/24

飛びながら山中の水溜りに着水するコウモリの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 

夜な夜な飛来するコウモリの登場シーンを以下にまとめます。 
飛びながら夜蛾などの獲物を空中で捕食していると思うのですが、低く飛びながら、ときどき一瞬だけ着水するのが気になります。 


シーン1:6/19・午前0:46(@0:04〜) 
深夜に湿地帯の上空をグルグルと飛び回っています。 


シーン2:6/19・午後23:52(@0:14〜) 


シーン3:6/20・午前1:42(@0:31〜) 


シーン4:6/20・午後22:39(@1:07〜)


シーン5:6/22・午後21:27(@1:16〜) 


【考察】
トレイルカメラで撮れた暗視動画の25fpsのフレームレートでは、たとえスローモーションに加工しても、敏捷なコウモリが着水の瞬間に何をしているのか分かりません。
以下のような複数の可能性が考えられます。
  • 飛びながら水面に口を浸けて素早く水を飲んでいる飲水行動。
  • 飛びながら体を濡らす水浴行動。
  • 水面に浮かぶアメンボなどを飛びながら狩っている捕食行動。
フレームレートの高い上位機種のトレイルカメラは値段も張り、なかなか導入できません。


つづく→

2025/07/22

初夏の川で行水するセグロセキレイ(野鳥)

 

2024年6月中旬・午後14:40頃・晴れ 

郊外を流れる川で、セグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が下流から飛来すると、流れの早い階段式落差工(階段工)のすぐ下で水浴びを始めました。 
水浴シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:22〜) 

川の水で常に濡れているコンクリートの段差は、苔むしています。 


関連記事(5、16年前の撮影)▶  

2025/07/21

ノアザミの花から花へ飛び回り吸蜜するミヤマカラスアゲハ春型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月上旬・午前11:20頃・晴れ 

山麓を流れる用水路沿いに咲いたノアザミの群落で春型のミヤマカラスアゲハ♀(Papilio maackii)が訪花していました。 
広げた翅を小刻みに開閉しながら、口吻を伸ばして吸蜜しています。 

カラスアゲハと違って後翅の翅裏に明瞭な白帯があるのが、ミヤマカラスアゲハの特徴です。 
前翅表に黒いビロード状の性斑(性標)がないので♀と分かります。 
腹部が太く、腹端の形状(尖っていない)からも♀と確認できます。 

ノアザミの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜) 
訪花中はバランスを取るために軽く羽ばたいています。 
スーパースローで見ると、後翅を広げっぱなしで、前翅のみを羽ばたかせていることが分かりました。 
Perplexity AIとの問答で教えてもらったのですが、
アゲハチョウ科(Papilionidae)では、前翅と後翅は基本的に連結していません。 鱗翅目(チョウ目)の中でも、アゲハチョウ科を含む多くの「チョウ類」では、ガ類に見られる「フレネュラムとレティナクル(frenulum and retinaculum)」による前翅と後翅の連結機構が退化または消失しています。そのため、アゲハチョウ科の蝶は前翅と後翅が独立して動きます。
撮影後にノアザミの総苞片が粘ることを確認しました。 


関連記事(7、18年前の撮影)▶  

2025/07/19

軒下の巣に出入りし外皮を増築するコガタスズメバチ♀:6月中旬

 



2024年6月中旬・午後14:20頃 

民家の軒下に作られたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣を久しぶりに定点観察に来ると、本種の初期巣に特有の細長い巣口はすでに撤去済みでした。 
ワーカー♀が羽化したことがわかります。 
丸い巣の底(下面)に歪な形の巣口が開いていました。 

初ワーカー♀が外皮の造巣作業に従事していました。 
パルプの巣材を薄く引き伸ばしながら、外皮の縁に付け足しています。 
少なくとももう1匹(創設女王? 2匹目のワーカー♀?)が巣に出入りしていました。 

しばらくすると、別個体の♀が帰巣しました。 
外皮にいきなり着陸してから巣口に潜り込みました。 
このとき巣材や肉団子など何か口に咥えていたかどうか、真下から見上げるアングルでは不明です。 

巣内から出てきたコガタスズメバチ♀が巣口から外界を覗き、周囲を警戒しています。 
そのまま飛び立って外役に出かけたので、門衛ではありませんでした。 
それと入れ替わるように、外皮の造巣作業を終えた♀個体が入巣。 


2025/07/17

山中の水溜りに次々と飛来して泥濘から集団吸水する夜行性の蛾【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬 

シーン1:6/20・午後22:13(@0:00〜) 
水溜りからフクロウが飛び去った後で、山中の湿地帯では夜行性の蛾(種名不詳)が飛び回っています。 
やがて右から飛来した1頭の夜蛾が、水溜りの中洲に着陸しました。 
トレイルカメラが照射する赤外線を反射して、夜蛾の複眼が白く光って見えます。 
 1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:32〜) 


シーン2:6/20・午後22:39(@0:47〜) 
約25分後、コウモリの飛来で監視カメラが起動しました。(コウモリの映像は割愛。) 
中洲の泥濘に留まったまま休んでいる夜蛾が写っています。 
おそらく口吻を伸ばして泥を舐め、泥水に含まれるミネラル成分を摂取しているのでしょう。 

そこへ右から低空で飛来した別個体の夜蛾が、同じ中洲に着地しました。 
すると先客の個体が驚いて飛び立ち、後から来た個体も釣られて再び飛び立ちました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:28〜) 
同種らしき夜蛾が計3頭集まっていました。 


シーン2:6/22・午後21:27(@1:58〜) 
コウモリが飛び去った後で、1頭の夜蛾が右から低空で飛来し、水溜りの岸の泥濘に着陸しました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:13〜)


【考察】
昼行性なら、集団吸水行動をする鱗翅目(チョウ・ガの仲間)は珍しくありません。 
水場で吸水している仲間を飛びながら視覚的に見つけると、近くに舞い降りて飲み会に参加します。 
ミネラル成分が濃い地点を味見しながら自力で探す手間が省け、水場で捕食者に襲われるリスクも下がるのでしょう。 
同じ地点で吸水およびミネラル摂取する個体数が連鎖反応でどんどん増えて、集団吸水の群れが形成されます。 

その一方で、夜行性の蛾では水場で仲間を視覚的に見つけるのは難しいはずです。 
集団吸水の群れが夜も形成されるとしたら、個々で探索行動をした結果たまたま同じ地点に集まってしまう場合か、仲間を嗅覚で誘引する集合フェロモン(性フェロモン?)を放出しているのでしょう。 

謎解きする上で次の一手としては、この水溜りに集まって吸水・ミネラル摂取する夜蛾の種類を同定したいものです。
そのためにはどうしても現場で夜蛾を採集するか、ストロボを焚いて同定用の写真を高画質でしっかり撮る必要があります。
しかし現場入りして夜通し水場を見張るのは大変そうですし、プロジェクトの主要目的である野生動物や野鳥が私を怖がって水場に来なくなってしまうのでは本末転倒です。
無人カメラで闇雲にインターバル撮影するとしたら、フラッシュを光らせる電池の消耗が激しそうです。

2025/07/16

山中の水溜りで行水するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に囲まれた湿地帯に点在する水溜りが野生動物や野鳥の水場になっているので、2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/19・午前10:47・晴れ(@0:04〜) 
左の水溜まりの左岸に1羽のカケスGarrulus glandarius)aが来ていて、水溜まりを見つめています。 
この地点でカケスは初見です。 

すぐに別個体のカケスbが右から飛来して右の水溜りの岸に着地したものの、なぜかすぐに左上に飛び去ってしまいました。 
大型車両の騒音に驚いたのかもしれません。

カケスaが対岸の泥濘に飛び移ると、泥水に嘴を何度も突っ込みました。 
これは泥水を飲んでいるのでしょうか? 
(飲水行動なら、一口ごとに上を向いて水を喉に流し込むはずでは?) 
水中のオタマジャクシを捕食しているようには見えません。 

しばらくすると、浅い水溜りで水浴を始めました。 
水溜りに身を浸しながら翼を羽ばたいて、自分の体にパシャパシャと水をかけています。 
カケスの水浴行動を見るのは珍しいので、1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:06〜)。 

関連記事(2、3年前の撮影)▶  


普段は静かなのに、なぜか大型車両のエンジン音や振動がうるさく聞こえます。 
まさか、近くの林道や山頂で土木工事が始まったのでしょうか? 

カケスの濁った鳴き声がジェー♪と一声聞こえたものの、水浴中の個体が鳴いたかどうか不明です。 
カケスの行水を最後まで見届ける前に、1分間の録画が打ち切られました。


シーン2:6/19・午前11:00・晴れ(@2:00〜) 
12分後に、1羽のカケスが対岸の細い落枝に留まっていました。 
別個体が左から飛来して地上の湿地に降り立つと、入れ替わるように右へ飛び去りました。 
この2羽は♀♂つがいなのかな? 
縄張り争いで水場から追い払った、という解釈もできそうです。
このときカケスの鳴き声は聞き取れませんでした。 

ホッピングで右へピョンピョン移動し、死角に消えました。 
もう一つの水溜まりに向かったようですが、そっちの監視カメラにはなぜか写っていませんでした。 
しばらくすると画角内にカケスが戻ってきて、最後は手前に飛び去りました。 


シーン3:6/19・午前13:06・晴れ(@2:33〜) 
使っている旧機種のトレイルカメラは挙動が気まぐれ(不安定)で、急にフルカラーに戻りました。 
現場の状況をもう一度見せて終わりにします。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

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