ラベル 飛翔 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 飛翔 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024/03/15

ラティス外枠の角材をかじって巣材を集めるフタモンアシナガバチ♀

 

2023年6月下旬・午後12:00頃・くもり 

民家の軒下の外壁に木製のラティス(格子)が立てかけられたまま放置されています。 
雨ざらしで年季の入ったラティス外枠の角材にフタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が止まって巣材集めをしていました。 

後退しながら角材表面の靭皮じんぴ繊維を齧りとろうとしています。 
しかし材質が固くて歯が立たないのか、初めはパルプが全く採取できません。 
あちこち場所を変えながら齧ってみて、ようやく少しずつながらも角材の靭皮繊維を剥ぎ取り始めました。 
まるでカンナ掛けのように薄く靭皮繊維をかじり取っています。 
時間を掛けて苦労しても、巣材の玉がなかなか大きくなりません。 
もっと柔らかな材質の木材を探し直せばよいのに…と素人目には思うのですけど、なぜこの硬い角材に固執しているのでしょうか? 

最後は顔と触角を前脚で拭ってから、巣材の団子を抱えて飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:12〜) 

未だ時期的にワーカー♀ではなく創設女王だと思われますが、体長を採寸できませんでした。 
飛び去った蜂を見失ってしまい、営巣地がどこにあるのか突き止められませんでした。 
アシナガバチは靭皮繊維と唾液を混ぜ合わせた天然パルプだけを使って紙製の軽くて丈夫な巣を作り上げます。

フタモンアシナガバチ♀の巣材集めを観察できたのは、これが未だ2回目です。 


【アフィリエイト】 

2024/03/14

ムシトリナデシコの花蜜を吸い飛び回るキタテハ夏型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:30頃・曇のち晴れ 

山麓の家庭菜園の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
この組み合わせは初見です。 
夏型の場合、翅表の色彩が淡いのは♀の特徴なのだそうです。(参考:『フィールドガイド日本のチョウ』p223) 

ムシトリナデシコの花序を歩き回っていたキタテハ♀がバランスを崩しました。 
体勢を立て直そうと羽ばたいたついでに、少しだけ飛んで移動します。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:37〜) 
少し飛んで隣の花序に移動します。 

伸ばした口吻の先端で花筒の入口を探り当てると、深く差し込んで吸蜜していることがスローモーションでよく分かります。 
蜜標を目印にして訪花しているはずですが、花筒の開口部を探り当てるのに苦労しています。(視覚ではなく口吻の触覚に頼っているように見えます) 
園芸品種のムシトリナデシコでは品種改良の結果、花弁の根元にあるはずの蜜標が目立たなくなってしまったのでしょうか? 
紫外線写真を撮って確認してみたいものです。 

ムシトリナデシコ(虫取撫子)がムシトリと呼ばれる理由は、茎に強い粘着性を有する区間があり、地上から登ってくるアリなどを吸着(捕虫)するからです。 
関連記事(11年前の撮影)▶ ムシトリナデシコに来る虫の話 

捕らえた獲物を体外消化する食虫植物ではなく、送粉に寄与しないアリなどの盗蜜者が訪花するのを排除するための進化的適応と考えられています。 
今季は「虫撮り撫子」に訪花する様々な蝶を動画に撮ることが出来ました。

2024/03/13

ニホンアナグマの溜め糞場で獲物を待ち伏せするサビハネカクシがキンバエを狩り損なう

 

2023年6月下旬・午後12:45頃・くもり

スギ防風林で朽ちた切株の横に残されたニホンアナグマMeles anakuma)の溜め糞場を定点観察しています。 
鬱蒼としたスギ植林地の林床は、昼間でもかなり薄暗くなっています。 
黒い軟便が溜まった新鮮な糞塊にサビハネカクシOntholestes gracilis)が2匹乗っていて、獲物を待ち伏せしていました。 
尻尾を少し持ち上げてゆっくり回す行動が気になります。 
猫が獲物を狩ろうとする前の興奮した心理状態を表す仕草を連想しました。 
やがて、1匹のサビハネカクシが溜め糞から吸汁していたキンバエの仲間(種名不詳)に斜め後ろから忍び寄りました。 
しかし狩りは失敗に終わり、キンバエは素早く飛んで逃げ糞塊上の落枝に着陸し直しました。 
クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の幼虫エンマムシの仲間の成虫(種名不詳)も溜め糞上を徘徊したり潜り込んだりしているのですが、固い鎧で身を固めた甲虫類にサビハネカクシが襲いかかることはありません。 
溜め糞場で肉食性のハネカクシ類が狩りに成功する瞬間を動画に撮るのが今季の目標です。
失敗続きでもめげずに地道に動画を撮り続けるしかありません。

動画を撮影中に画面を黄色っぽい昆虫が低空かつ高速で飛び回っています。 
ようやく溜め糞の横の下草に止まったので接写してみると、キイロコウカアブPtecticus aurifer)でした。 
性別の見分け方を知らないのですけど、交尾相手のキイロコウカアブ♀が吸汁・産卵のため溜め糞場に飛来するのを待ち伏せしている♂なのでしょうか? 

アナグマの溜め糞に隣接するスギの落ち葉に微小なアリ(種名不詳)が群がっていました。 
アリは泥状の軟便の上を歩きたくないようです。
左の黒い糞塊には未消化の種子が含まれていた。

2024/03/12

キリンソウの花蜜を吸い飛び回るメスグロヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:15頃・晴れ 

山麓の神社の参道沿いに咲いていたキリンソウの群落でメスグロヒョウモン♂(Damora sagana)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
日向では暑いのか、閉じた翅をときどき半開きで開閉しながら吸蜜しています。 
日陰の花に来ると、翅をほぼ全開にして緩やかに開閉しながら吸蜜します。 
『フィールドガイド日本のチョウ』p196によると、 翅表・前翅中室内の斑紋が前縁に対して斜めとなるのでメスグロ♂と判明。 
私は今まで翅裏の斑紋でしか見分けられなかったのですが、この識別点を初めて知り、今後も役立ちそうです。 
前翅の翅表に性標(性斑)の黒条が3本あるので、♂と分かります。 

メスグロヒョウモン♂がキリンソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:49〜) 

撮れた映像素材の順番を入れ替えて編集しています。 
現場では翅裏をなかなか見せてくれなくて、同定できるまでしつこく同一個体を追い回して長撮りしました。 
翅を閉じた状態で翅裏を正対して見せてくれないと、晴れた日は翅表の斑紋が翅裏にまで透けて見えてしまい、同定に難儀することになります。 

他にシロチョウ類もキリンソウに訪花していたのに、カメラを向けたら逃げられてしまいました。

関連記事(7年前の撮影)▶ キリンソウの花蜜を吸うモンシロチョウ
 

2024/03/10

枯草に産卵するヒメウラナミジャノメ♀

 

2023年6月下旬・午後14:35頃・くもり 

農村部の畑の横でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)を見つけました。 
道端に咲いたドクダミの群落で訪花吸蜜しているかと初めは思ったのですが、よくよく観察すると、地表の枯草に潜り込んで腹端を擦りつけています。 
地面を歩き回りながら、あちこちの枯草に腹端をチョンチョンと付けています。 
産卵中の腹端の動きをようやく側面からしっかり撮れました! 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:17〜1:46) 
ヒメウラナミジャノメ♀の産卵行動は初見です。 

本種幼虫の食草はイネ科やカヤツリグサ科の生葉なのだそうです。 (『フィールドガイド日本のチョウ』p271より) 
それなのに、食草ではなくわざわざ枯葉や枯草に産卵する行動が進化してきたのは不思議です。 
寄生蜂への対策なのでしょうか? 
しかし、ヒメウラナミジャノメの卵は薄い緑色なので、本来は緑の生葉に産卵する方が目立ちません(保護色)。 
茶色の枯草に産み付けると逆に目立ってしまうはずです。 
卵から孵化した幼虫は、近くに生えた食草を自力で探し出す必要があります。 
鈴木知之『虫の卵ハンドブック』でヒメウラナミジャノメの産卵習性について調べると、
産卵場所は、枯葉・葉(イネ科のチヂミザサなど) 。♀は食草の葉裏や周辺の枯れ葉などに、1卵ずつ産卵する。(p109より引用)

産卵の合間に休息(日光浴)する際には、翅を開きました。 
この♀個体には、後翅の外縁に切れ込み状の損傷があります。 
左右対称の損傷なので、鳥に襲われかけたビークマークかもしれません。
(多数の眼状紋で威嚇していても、飛翔中は鳥に襲われることがあるのかもしれません。)
少し休むと、次の産卵を始めます。 


【アフィリエイト】 

2024/03/09

ニホンアナグマの溜め糞場に飛来した夜蛾を捕食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年6月下旬・午後22:00頃 

平地のスギ防風林に残されたニホンアナグマMeles anakuma)の溜め糞場stmpをカメラトラップで監視すると、野ネズミ(ノネズミ)がよく写ります。 
明るい昼間に撮った現場の様子はこちらです。 

一方、夜になると暗闇のスギ林の中を夜行性の蛾が複数飛び回っています。 
ある晩アナグマの溜め糞場stmpに来ていた野ネズミが、溜め糞から飛び立った(あるいはたまたま低空で飛来した?)夜蛾に襲いかかりました。 
蛾は素早く飛んで逃げ、狩りに失敗した野ネズミは手前の切株へ立ち去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

わずか1分半後、次にトレイルカメラが再び起動すると、溜め糞の横で野ネズミが夜蛾を捕食していました。 
狩りに成功した瞬間を撮り損ねたのが残念無念。 
獲物の翅はちぎってその場に捨て、胴体だけを食べています。 
野ネズミの肉食行動は初見で、感動しました。 
野生動物のトイレでは食物連鎖の様々なドラマが静かに繰り広げられているのです。

映像からは餌食となった蛾の種類を見分けられません。
この時期(昼間)はトンボエダシャクがよく飛び回っているのを見かけますが、なんとなくシャクガ科ではなくヤガ科のように見えます。 
夜行性の蛾の中に獣糞で吸汁する種類がいるらしいということは、過去にも観察しています。 
昼行性の蝶と同じく、性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウムイオンやアンモニウムイオンなど)を獣糞から摂取しているのでしょう。

2024/03/06

イトバハルシャギクの花蜜を吸い飛び回るモンキチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午前10:50頃・晴れ 

交差点の花壇に咲いたコスモスのような黄色い花にモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)が訪花していました。 
いつものように、翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
よほど蜜量が多いのか、何度飛び立っても同じ群落に舞い戻って来ます。 
隣に咲いたピンクのマツバギクの花には見向きもしません。 

関連記事(3年前の撮影)▶ マツバギクの花で吸蜜するモンシロチョウ♀


交通量の多い横の車道を車が往来しても、モンキチョウ♀はあまり気にしないで吸蜜を続けています。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:45〜) 
飛び立っても同じ花に舞い降りるときには、飛翔中も口吻を丸めずに伸ばしたままでした。 
なかなか見応えのある飛翔シーンが撮れました。 
よく晴れて太陽光が強く、ハイスピード動画撮影日和でした。 


【アフィリエイト】 

 
家に帰ってからこの園芸植物の名前を調べると、イトバハルシャギクと判明。 
葉の形状が確かに「糸葉」でした。

2024/03/05

丸太の表面から繊維をかじり取って巣材を集めるセグロアシナガバチ♀

 

2023年6月下旬・午後12:05頃・くもり 

雪国で冬に屋根から雪下ろしをすると、1階の窓が重い雪に埋もれて破損する恐れがあります。
それを防ぐため、冬になる前に窓を雪囲いする必要があります。 
この平屋建ての古い民家では、細い丸太を何本か軒下の外壁に立てかけ、その支柱に釘で板を横に打ち付けて窓を守る雪囲いとしています。 
春になって採光のため板を数枚撤去した後も、骨組みはそのまま残してありました。 

ある日私が通りかかると、1匹のセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が軒下の雪囲いから巣材集めをしていました。 
初めは横板の端をかじっていたのですが、材質が固くて表面の繊維がうまく採取できなかったようです。 
少し飛び回ってから、支柱の細い丸太に止まり直しました。 
今度は横を向いてくれたので、大顎で繊維を齧り取る様子がしっかり観察できました。 
毛羽立った繊維を上から下に向かって薄く剥ぎ取っていきます。 

同定の識別ポイントである前伸腹節が側面からは見えませんが、肩が茶色ですし、腹部に波打った褐色紋があることから、キアシナガバチではなくセグロアシナガバチだろうと判断しました。 
セグロアシナガバチ♀の巣材集めは初見です。 
時期的に創設女王とワーカー♀の可能性が両方ありますが、体長を測ってないので見分けられません。 

セグロアシナガバチ♀は、せっかく集めかけた巣材を惜しげもなく前足で払い落とすように捨ててしまいました。 
それまでも材木の表面の繊維をあちこちで試しにかじり取っていました。
巣材となるパルプの質に納得がいくまでこだわりを示すアシナガバチを見たのは初めてかもしれません。 
巣のどの部分を作るための巣材なのか、確かめられなかったのが残念です。
丸太の表面をタールで防腐処理してあるのが気に入らないのかな? 
しかしアシナガバチは天敵のアリが巣に来ないように、自ら分泌したタール状の物質を巣柄や巣盤の天井に塗りつけます。

セグロアシナガバチ♀は丸太で一度下向きになったものの、再び上向きに戻って場所を少し変え、巣材集めを再開しました。 
齧り取った繊維を噛みほぐして前足で丸く整形すると咥え直し、追加の巣材集めに戻ります。 

前脚で顔を拭ってから、巣材の団子を抱えて飛び立ちました。 
どこか近くに営巣地がありそうですけど、蜂を見失ってしまいました。 
丸太のあちこちに蜂が繰り返し齧った跡が残っているということは、お気に入りの場所なのでしょう。 
同一個体が巣材集めに戻って来るまで、ここでしばらく待てば良かったですね。 
用事があって先を急いでいた私は、1回で観察を打ち切りました。 


【追記】
この細長い真っ直ぐな丸太は、おそらく間伐された若いスギと思われます。
余計な横枝を切り落とし、ゴワゴワした樹皮をきれいに剥いでから丸太として利用されます。
したがって、今回セグロアシナガバチ♀が巣材としてかじり取った丸太表面の繊維を樹皮と呼ぶのは間違いですね。
樹皮直下の繊維状の組織を何と呼ぶのか、正式名称を知りません。(形成層?)
靭皮繊維と呼ぶらしい。


【アフィリエイト】 

2024/03/04

ムシトリナデシコの花蜜を吸いながら羽ばたき続けるキアゲハ春型♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:50頃・晴れ 

道端の花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落に春型のキアゲハ♂(Papilio machaon hippocrates)が飛来し、訪花を始めました。 
羽化したてなのか、翅が無傷の個体です。 
腹端部の形状が尖っていることから♂と判りました。 

ムシトリナデシコの集散花序の上を歩いて移動しながら細長い花筒に口吻を次から次へと差し込んで吸蜜するので、なかなか飛び立ちません。 
訪花中も半開きの翅を忙しなく羽ばたかせながら吸蜜しています。 
ムシトリナデシコの花が風で揺れるので、羽ばたくことでバランスを取っているのかな? 
蜜源植物上であえて羽ばたき続けることで、異性に対して存在をアピールしているのかもしれません。 
(ただし、捕食者に対しても目立ってしまうという諸刃の剣です。) 
常に飛翔筋をアイドリングしてないと、天敵に襲われたときや♀が飛来したときなどに素早く飛び立てないのかもしれません。 
大型の蛾では翅を実際に大きく羽ばたかせなくても、胸部の飛翔筋だけを高速で伸縮させてアイドリングすることが可能です。
(静止時にブルブル震えているように見えます。) 
アゲハチョウ科は解剖学的にその仕組みが備わって無いのでしょうか? 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
吸蜜しながら、大きな翅がしなやかにしなりながら優雅に羽ばたいています。 
いつもなら、長撮りしても蝶が花から花へ飛び立つ瞬間だけを編集で切り取ることにしています。 
キアゲハは大型の蝶で訪花中にただ羽ばたいているだけでもスーパースローで見ると絵になるので、ノーカットでお届けすることにしました。 
風の強い日で被写体が激しく揺れる悪条件でも、スーパースローで見ると、風揺れが気にならなくなります。 
日差しが強くて充分に明るかったので、この日はむしろハイスピード動画の撮影日和でした。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ムシトリナデシコの花蜜を吸うキアゲハ

2024/03/03

雨の日にオオキンケイギクの花蜜を吸いに飛び回るヒメウラナミジャノメ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後14:35頃および15:10頃・雨天 

民家の裏庭の花壇に咲いたオオキンケイギクの群落でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)が小雨が降る中を訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
花蜜の量が豊富なのか、なかなか次の花に飛んでくれません。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:06〜) 
帽子を投げつけて飛び立たせました。 
かなり薄暗かったので予めカメラの設定でゲインを上げたのですが、やり過ぎました。 

約35分後に現場を再訪すると、小雨が降り続いているのに、ヒメウラナミジャノメがまだオオキンケイギクの花の周囲を素早く飛び回っていました。

2024/02/23

モリアオガエルの泡巣で吸汁するホソヒラタアブ♀と食卵するアリ

 

2023年6月中旬・午後12:15頃・晴れ 

山中にあるモリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池に定点観察しにやって来ました。 
梅雨時で池の水位が上がり、満水状態です。 
例年なら池畔のマユミ灌木の枝先に卵塊が産み付けられているのですが、いつもの場所には泡巣がありませんでした。 
池畔の灌木を丹念に調べると、モリアオガエルの卵塊をいくつか発見しました。 
定量的な調査をしていませんが、今季は少ない印象です。 

ミヤマガマズミの枝葉にモリアオガエルが産み付けた一つの卵塊に1匹のホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)が止まっていました。
左右の複眼が離れているので♀と分かります。 
翅を広げたまま口吻を伸縮させて、乾いた粘液をしきりに舐めているようです。
タンパク質やミネラル成分が豊富なのでしょう。
吸汁しながらも、腹部を上下に軽く動かして腹式呼吸しています。 

一方、赤っぽい微小なアリ(種名不詳)も同じ泡巣の表面をうろついています。 
赤アリがかじっている黄色い粒々は、モリアオガエルの泡巣に含まれる卵です。
ホソヒラタアブは近づいてくるアリを嫌って飛び立ち、軽くホバリング(停空飛翔)してアリから少し離れた位置に止まり直しました。 
アリ自身にホソヒラタアブ♀を攻撃する意図(餌場の縄張り防衛)は別になさそうです。 
アリがモリアオガエルの卵を泡巣からほじくり出して自分の巣穴に運ぶかどうか、興味があったのですが、かなりの長時間観察しないと見届けられないでしょう。

ホバリング中のホソヒラタアブ♀がモリアオガエル泡巣の表面にチョンチョンと触れるような思わせぶりな動きを繰り返しているのが気になりました。 
産卵行動だとしたら、大発見です。 
それとも近くのアリを牽制しているのでしょうか? 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:10〜3:40)、どうやら産卵行動ではなさそうです。  
停飛しながら足の先で泡巣の表面に軽く触れているだけで、腹端は泡巣に触れていませんでした。 
泡巣表面の湿り気を足先の感覚器で調べているのかもしれません。 
ホバリングしながら泡巣の横のミヤマガマズミの葉にも足先で触れたので、どこに着陸しようか吟味しているだけなのでしょう。 
そもそもホソヒラタアブの幼虫はアブラムシを捕食するので、カエルの卵塊に産卵するはずがありません。 

関連記事(14年前の撮影)▶ ホソヒラタアブの幼虫と前蛹


周囲にモリアオガエルの卵塊はいくつもあるのに、特定の卵塊にしか昆虫が集まらないのは不思議です。 
アブ・ハエ類が吸汁目的だとしたら、産みたてで水気の多い白い泡巣を舐めれば良さそうなのに、少し乾いた卵塊が好みなのは何故でしょう?
わざわざ唾液を吐き戻しながら乾いた卵塊を舐め、吸汁しているのです。
出来たてフワフワの泡巣の上をアリが歩けないのはなんとなく予想できます。

関連記事(10年前の撮影)▶ モリアオガエルの泡巣に集まるハエ 
キンバエ類、ニクバエ類、ベッコウバエの仲間など大小様々のハエが来ていました。 



 
【アフィリエイト】 
・科学のアルバム『モリアオガエル 新装版
・動物の記録『モリアオガエルの谷
 
水際に自生するミヤマガマズミの枝葉に群がってまさに抱接・産卵中のモリアオガエル♀♂も見つけました。
新鮮な泡巣は真っ白です。
モリアオガエル♀♂が粘液や尿を後脚で泡立てている最中に虫は来ていませんでした。
日が経って乾いた泡巣は黄色っぽくなります。

2024/02/21

ムシトリナデシコの花蜜を吸いに飛び回るモンシロチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後12:05頃・晴れ 

平地の農道沿いに咲いたムシトリナデシコの群落でモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま、口吻を花筒の奥にぐっと差し込んで吸蜜しています。 
隣の花筒へ歩いて移動する際は羽ばたいてバランスを取ります。 
花から花へ忙しなく飛び回りますが、飛び立っても同じ花序に舞い戻ってくることもあります。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:39〜) 
最後の個体はもしかすると♂かもしれません。 
撮影アングルの加減で♂に見えるだけなのかな?
紫外線カメラで撮ればモンシロチョウの性別は一目瞭然のはずなので、カメラメーカーがお手頃な値段で発売して欲しいものです。


【アフィリエイト】

2024/02/19

捕らえた甲虫を吸汁するオオイシアブ♂

 

2023年6月上旬・午後14:00頃・晴れ 

里山の細い山道の横に立つコナラの幹にオオイシアブ♂(Laphria mitsukurii)が下向きに止まっていました。 
よく見ると何か小さな獲物を抱え、胸背に口吻を突き刺して吸汁しているようです。 
獲物は黒い小さな甲虫ですが、私には種名どころかおおまかな分類(科)も見分けられませんでした。 
餌食となった甲虫は、虫の息で脚を動かしています。 

私がちょっと動いたら、警戒したオオイシアブ♂は少し飛んで別の木に止まり直しました。 
今度は向きを変えて後ろ姿になりました。 
その場で腹端を持ち上げたので脱糞するかと思いきや、予想は外れました。 
腹端の交尾器の形状がよく見えるようになりました。 
腹端の形状が今後の参考資料になるかもしれないので、写真を最後に載せておきます。 

飛び立った瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイしてみると、クロアリ(種名不詳)のワーカー♀が近寄ってきたので、獲物を奪われないよう自発的に飛び去っていました。 
オオイシアブ♂が止まり木で腹部を持ち上げたのも、通りすがりのアリが体に登ってこないようにするためだったのかもしれません。

ムシヒキアブ科の仲間で♂が♀に共食いされないように求愛給餌する可能性がありそうとのことなので、気をつけて探すようにしています。

オオイシアブの性別の見分け方を今回の調べ物で初めて知りました。 
今回の個体は胸部に橙色の剛毛が密生していることから♂と分かります(♀では黒い)。 
過去の記事も遡って性別を追記しておきます。 

関連記事(1、2年前の撮影)▶ 

2024/02/18

トビ(野鳥):謎の背面飛行

 

2023年6月中旬・午前11:50頃・ くもり

里山で山腹の上空を低く飛び去るトビMilvus migrans)を何気なく動画に撮ったら、興味深い行動を披露してくれました。 
滑空と羽ばたきながらの巡行飛行を交互に繰り返してから、急に空中でクルッと裏返しの体勢になりました。 
背面飛行は長く続かず、すぐに正常飛行に戻りました。 
近くに営巣木がありそうだと予想しているのですけど、飛び去るトビをいつも見失ってしまい、突き止められません。 

トビは図体ばかり大きくて、帆翔など不器用な飛び方しかできないというイメージがあります。
こんな器用な飛び方をするトビを初めて見ました。 
山腹の上昇気流が急に乱れて失速したようには見えず、意図的に背面飛行になったようです。 
カラスの群れにモビング(擬攻撃)されて逃げている訳ではなく、単独で飛んでいました。 
求愛のためのディスプレイ飛翔だとしたら、もっと目立つ高度で披露するはずです。

背面飛行を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:29〜) 
同時に1.5倍に拡大しました。 
翼下面にあるトビ特有の斑紋が見えるように、逆光補正してあります。 
トビは裏返って急降下すると、ハリギリ(別名センノキ)高木の樹冠の枝葉に足が一瞬触れていました。 
通過後にハリギリの葉が大きく揺れています。
樹上に着地するなら、もっと減速するはずです。
どうやら、ハリギリの葉の上に止まっていた昆虫など何か小さな獲物を見つけて、通りすがりに素早く狩ったようです。 
直後のトビの足に注目しても、鉤爪で何か獲物を掴んでいるようには見えませんでした。 
獲物が小さ過ぎて見えないだけなのか、それとも狩りに失敗したのか、不明です。
謎の背面飛行は、獲物に狙いを定めて咄嗟に急降下するための旋回運動だったのでしょう。
この特殊な飛び方の正式名称をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。

トビと言えば死肉食性の掃除屋(スカベンジャー)というイメージがあります。


ハリギリ高木の葉の上に小動物の死骸があるとは考えにくいので、生きた虫を狩ろうとしたと思われます。
その点でも、珍しい事件簿でした。

2024/02/17

ムシトリナデシコの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:55頃・晴れ(梅雨の晴れ間) 

川沿いの花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落でウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 風で揺れるムシトリナデシコの花序で歩き回り、細長い花筒に口吻を深く差し込んで吸蜜しています。 
訪花中に初めは半開きの翅を開閉していたのに、途中から暑くなったのか、翅をしっかり閉じるようになりました。 
翅表に性標の黒条が見えたので、♂と判明。 

田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』によれば、
(ムシトリナデシコの)蜜は1.5cmもある細長い筒の中に隠されているので、口の長い昆虫にしか吸えない。(p42より引用)
この花壇で様々な虫が訪花していましたが、確かにいずれも口吻の長い種類でした。 (映像公開予定)

ウラギンヒョウモン♂がムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:27〜) 
風揺れの激しい虫撮りには悪条件の日でも、スーパースローで見ると気にならなくなります。


【アフィリエイト】

2024/02/12

ムラサキツメクサの花蜜を吸うベニシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前11:00頃・晴れ 

川沿いの堤防路に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
共にありふれた普通種ですけど、意外にもこの組合せは初見です。 
翅を立てたまま(ほとんど閉じて)吸蜜しているということは、気温が暑いのでしょう。 
よほど花蜜の量が豊富なのか、なかなか飛んでくれません。 
よく見ると、クモの遊糸が吹き流しのように風にたなびいているのがキラキラと光って見えます。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:14〜) 
すぐ横をヒゲナガハナバチ?が高速で飛来しても、ベニシジミは無反応でした。 
用事があって急いでいた私はベニシジミが自発的に飛び立つまで待ち切れず、帽子を投げつけたら前方に飛び去りました。 
緊急避難の羽ばたきが速過ぎて、翅表の斑紋をしっかり見極められず、春型か夏型か不明です。

2024/02/10

ブラックベリーの花で採餌するニホンミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前 10:50頃・晴れ および 午後15:40頃・ くもり

民家の裏庭の生垣で咲いたブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)ニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
後半に登場する個体は、後脚の花粉籠に少量の薄黄色の花粉団子を運んでいました。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:51〜) 
吸蜜後は花粉で汚れた顔と触角を前脚で拭ってから飛び立ちました。 
次の花に飛んで行く間にも口吻が伸びています。

ランダムに記事を読む