2026/01/22
ハナトラノオの花で吸蜜ホバリングするヒメクロホウジャク(蛾)
2026/01/16
キツリフネの花で採餌するトラマルハナバチ♀の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】
スマトラはツリフネソウ属Impatiensがいちじるしい適応放散をとげている場所である。そこでは黄色の花をつけるツリフネソウ類はおもに長舌のハナバチによって昼間に送粉され、赤紫色のツリフネソウは薄暮活動性のスズメガによって送粉されていた。 (『花の自然史:美しさの進化学』p84より引用)日本でも同じ傾向があるでしょうか?
2026/01/13
秋に縄張り争い中のモズ♀があちこちで餌乞いする謎(野鳥)宥和の転移行動?
モズの求愛給餌の時期
モズ(Lanius bucephalus)の本来の求愛給餌は、「産卵前~産卵期」に集中することが知られており、これは一般に春の繁殖期(3〜5月頃)にあたります。bird-research
一方で、オス・メスとも繁殖地周辺への到着は9〜10月とされ、到着後すぐにさえずりやテリトリー形成、メスによるオス選択(さえずり・貯食などに基づく)が始まるとされています。sciencedirect
10月上旬の行動の位置づけ
10月上旬は多くの地域で「越冬・繁殖テリトリーの確立」や将来のつがい形成に向けた段階であり、厳密な意味での産卵直前の求愛給餌期ではありません。sciencedirect
とはいえ、オスがメスに餌を渡す行動自体は「つがい形成やメスの質量維持」という機能もあり得るため、早い時期に類似行動が出ても行動学的には不自然とは言えません。bird-research+1
メスの「催促鳴き」の可能性
モズの求愛給餌の機能に関する研究では、「給餌頻度=メスのコンディション・産卵数」に関わることが示されていますが、メスの明確な「餌ちょうだい鳴き」の季節変化や発現時期について、詳細な報告はほとんどありません。core+1
したがって、10月上旬に止まり木のメスが鳴いてオスからの給餌を促しているように見えたとしても、
繁殖直前の典型的な「求愛給餌催促」とは限らず、
テリトリー内での接近要請・ペア維持・優位確認など、より広い「社会的コンタクトコール」の一種として解釈する方が無難です。global+1
現場での判断のポイント
10月上旬であれば、「将来の配偶者候補との関係構築の一環としての餌渡し」にメスが反応して鳴いている可能性はあり得るが、「典型的な繁殖期の求愛給餌催促」と断定するのは慎重に、というのが妥当だと思われます。bird-research+1
10月上旬に止まり木で餌乞いをするモズが幼鳥の可能性は極めて低いです。zukan+2
モズの繁殖スケジュール
モズの繁殖は低地で2月下旬開始、産卵後15日前後で孵化、抱卵14-16日、巣立ちまで孵化後約14日で、5月頃に雛が独立します。 高原地帯でも5月開始のため、10月上旬まで幼鳥が親から給餌を乞う段階は終了しています。wikipedia+1
巣立ち後の給餌依存期間
巣立ち後、幼鳥の親からの給餌は1週間程度続き、(中略)モズでは家族生活期が短く、10月には自立済みです。 10月上旬の観察は、遅くても夏生まれの幼鳥が数ヶ月経過した後で、餌乞いは行われません。academic.oup+3youtube
観察時の識別ポイント
幼鳥は成鳥より地味で鱗状斑点が目立ち、餌乞い時は翼震わせ高音の持続コールを発しますが、10月ではこうした行動は稀です。
闘争時の転移行動(displacement activity)として、餌乞い様の翼震えや鳴きがモズで発動する可能性はあります。midorinotori+1
転移行動の概要
鳥類の縄張り争いや緊張状態では、feedingやbeggingに似た無関係な行動がストレス緩和として現れます。モズの場合、求愛給餌時のメスが翼を小刻みに動かして幼鳥様のポーズを取る報告があり、これが闘争時の興奮で類似発現するケースと一致します。zukan+1
モズ特有の文脈
10月上旬の縄張り争いで♀or幼鳥風の個体が興奮して翼震わせ鳴くのは、純粋な餌乞いではなく、攻撃・逃避のジレンマ下での転移行動(例: preeningやsubordinate displayの変形)と解釈可能です。実際の求愛ディスプレイ動画でもメスが似た仕草を示します。youtubemidorinotori
観察確認のポイント
継続性: 給餌が伴わず一時的なら転移行動濃厚。
文脈: 相手が♂で追従・鳴き合いならペア形成の延長か。
種内差: Shrike類で縄張り緊張時のbegging-like displayは知られています。zukan
10月上旬はモズの子別れ時期が終わり、親鳥が幼鳥を縄張りから追い出す段階です。note+1
子別れのタイミング
モズの繁殖は低地で2-3月開始、巣立ちは4-5月頃で、幼鳥の給餌依存は巣立ち後1週間程度続き、夏の終わり(8-9月)までに親離れが完了します。秋深まる頃に一家が解散し、親鳥が高鳴きで縄張りを宣言して幼鳥を排除します。kobe-c+1
10月上旬の縄張り状況
10月は越冬テリトリー確立期で、北から渡来個体も加わり争いが激化します。親鳥は既に幼鳥を追い出し、単独または将来のペア候補と縄張りを守る行動に移行しており、観察されたような縄張り争いはこの文脈に合致します。hyogo-akashipark+2
行動の解釈ポイント
興奮時の翼震え・鳴きは、幼鳥排除後の縄張り防衛や新参者との対立で生じやすく、転移行動として餌乞い様に見えることがあります。幼鳥の可能性は低く、成鳥同士のテリトリー競合が妥当です。note
縄張り争いの転移行動として発動した餌乞い様行動は、相手をなだめるディスプレイなのでしょうか?
モズの縄張り争い時の餌乞い様翼震え・鳴きは、♀特有の♂をなだめるディスプレイ(submissive or appeasement display)として機能する可能性が高いです。midorinotoriyoutube
ディスプレイの役割
モズ♀は求愛期に♂へ向けて幼鳥様の翼震え(wing-quivering)と高音鳴きで給餌を促しますが、これが縄張り緊張時にも転移行動として発動し、攻撃を抑える社会的シグナルとなります。住宅地での連続移動は、テリトリー境界をなぞるパトロールや♂の追従誘導を示唆します。youtubemidorinotori
文脈的解釈
10月上旬の状況では、新規越冬ペア形成中の♀が縄張り争いで興奮し、♂を落ち着かせるためにこの行動を取ったと推測されます。成鳥♀の羽衣・移動パターンが幼鳥排除後を示し、特有の雌性ディスプレイに合致します。note+1
私は餌乞い様の行動に興味を持ち、その♀個体だけに注目して撮影していました。
いずれ別個体が飛来して、餌乞いしている個体に給餌するだろうと予想したからです。(♂から♀への求愛給餌、または親鳥から幼鳥への給餌)
したがって、縄張り争いの相手の性別は不明です。
相手の性別が不明な場合でも、観察された餌乞い様行動の解釈は大きく変わりません。global
相手不明時の行動文脈
縄張り争いの相手が♂か♀かは不明でも、10月上旬の住宅地で連続移動しながらの翼震え・小声鳴きは、テリトリー緊張下の転移行動(displacement activity)として成立します。相手が♂ならなだめディスプレイ、♀なら境界譲歩シグナルとして機能し、どちらも興奮抑制に寄与します。midorinotori+1
単独焦点観察の利点
あなたがその個体だけに注目したのは適切で、行動の詳細(翼の小刻み具合、鳴きのトーン変化、移動パターン)が捉えられたため、求愛・縄張り・転移のいずれかの複合ディスプレイと特定しやすいです。相手の不在が逆に「誇示パトロール」要素を強調します。note+1
2026/01/12
キツリフネの花粉を舐めるホソヒラタアブ♂のホバリング【FHD動画&ハイスピード動画】
2026/01/09
秋の刈田で狩ったヘビを持って飛び去る猛禽:トビ?(野鳥)
トビは生きたヘビを狩って捕食することがあります。news.ameba
主に小型のヘビを空から急降下して捕らえ、田園地帯や河川近くで観察される行動です。detail.chiebukuro.yahoo+1トビのヘビ捕食の特徴
トビの主食は死骸ですが、生きた小動物(ヘビ、カエル、ネズミなど)も視力の優位性を活かして積極的に狙います。news.ameba+1
日本ではサシバほどヘビ専門ではありませんが、トビも複数のヘビ種を餌とする記録が鳥類学文献にあります。ornithology
観察例と文脈
田園地帯の10月上旬という状況でも、留鳥であるトビは通年でこうした機会食を捕らえます。orbis-pictus+1
電柱に留まる行動から推測される縄張り意識とも整合し、自分のテリトリー内の獲物を効率的に利用している可能性が高いです。detail.chiebukuro.yahoo
2026/01/08
交尾したまま飛ぶツマグロヒョウモン♀♂【FHD動画&ハイスピード動画】連結飛翔
交尾しながら飛ぶときに♂が飛ぶか、♀が飛ぶかは種によって一定していて、属や科についても通則がある。(中略)Donzel (1837)は「交尾中の飛翔形式は一つの属のすべての種類について一定しており、従って属の限界を決定する重要な特徴となり得る」と強調しており、後世これはDonzel説と言われている。 (p88〜89より引用)
要点だけ先にまとめます。
**Donzel説(交尾中の飛翔様式が属や科で一定し、分類形質になり得る)**は、
現代では基本的に支持されていません。現在の鱗翅目分類・系統学では、分類形質として扱われていないのが実情です。
最近の本でこの話題がほとんど出てこないのは、研究史的価値はあるが、実証的裏付けに乏しいと判断されているためです。
以下、理由を整理します。
1. Donzel説が生まれた背景(19世紀)
Donzel(1837)の主張は、
当時は
形態形質が限られていた
行動も「種に固有で安定したもの」と考えられがちだった
交尾中に
♂が牽引する
♀が主に飛翔する
という違いが目立ちやすく、繰り返し観察されるため、→「これは属レベルで固定した形質ではないか」と解釈された
という、自然史的帰納に基づく説でした。
2. 現代的な評価:なぜ支持されないか
(1) 行動形質は可塑性が高い
その後の観察・実験研究により、
交尾飛翔の主導個体は
種
個体サイズ
性比
攪乱(捕食者・人為的刺激)
飛翔時点(交尾初期か後期か)
によって変化し得ることが分かってきました。
👉 「常に一定」という前提が崩れた。
(2) 系統と一致しない(ホモプラシー)
近代以降の系統研究(形態+分子)では、
交尾中飛翔様式は
近縁種間でも異なることがある
離れた系統で似た様式が独立に現れる
→ 収斂(ホモプラシー)が強い行動形質と理解されています。
これは分類形質としては致命的です。
(3) 分類学の主軸が変わった
20世紀後半以降:
Genitalia(交尾器)
翅脈
幼虫形態
分子系統(DNA)
が分類の中核となり、
👉 一時的・状況依存的な行動形質は切り捨てられた
という流れがあります。
3. なぜ最近の本で扱われないのか
あなたの感じている通りで、
現代のチョウの生態・行動学の本では
交尾中飛翔は「逸話的事実」
または「逃避行動の一形態」
として触れられる程度分類学的意義には触れられないか、完全に省略される
理由は単純で、
分類に使えないことが分かってしまったため
です。
4. 現在の位置づけ(総括)
Donzel説は現在では:
❌ 分類学的通則 → 否定的
⭕ 行動進化・性行動の歴史的仮説 → 研究史的価値あり
⭕ 種ごとの傾向を記述する補助情報 → 限定的に有用
という位置づけです。
結論
Donzel説は
「当時としては鋭い観察に基づく仮説だったが、
現代の科学的基準では支持されていない」
と評価するのが最も妥当です。古い図鑑がこの説を紹介しているのは、
1970年代当時でもすでにやや古典的だが完全には否定されていなかった名残と考えてよいでしょう。
その定説はどうも眉唾のような気がしてきました。交尾中の♀♂ペアはとても無防備なので、互いに逆を向いて見張りを分担し、360°油断なく見張っているはずです。物を投げつけたり敵が襲ってきたりした場合、それを先に見つけた個体が性別に関係なく逃避行動を開始するのが自然ではないでしょうか?主導権を握って羽ばたく個体が離陸直後に切り替わる♀♂ペアを私は今まで一度も見たことがありません。つまり、試行回数(観察サンプル数)を充分に増やせば、連結飛翔のタイプはチョウの種類に関係なく半々の確率に落ち着くのではないかと私は予想しています。スローモーションで動画が手軽に撮れる時代が来る前に、昔の先人たちが少ないサンプル数の直接観察から早まった結論に達したのではないか?と私は密かに疑っています。物を投げつけて交尾ペアを飛び立たせた場合は、どちらの方向からどこを目がけて物を投げたのか(♀♂どちらが先に危険に気づくか)も、記録しておく必要がありそうです。交尾中の♀♂ペアが自発的に飛んだ場合でも、上空を別のお邪魔虫や鳥がどの方向から飛来したのか、などの条件によって連結飛翔の結果が影響されそうです。
2026/01/06
モンシロチョウの婚活会場となった花咲くゴーヤ畑で♀に求愛した♂が振られる(交尾拒否)
ゴーヤ(Momordica charantia)の葉は、掌状に深く裂けた独特の形状を持ち、植物学的に記述すると「掌状複葉(palmately compound)または掌状深裂葉(palmately deeply lobed)」で、通常5–7裂片からなり、各裂片の縁に粗い鋸歯(serrate)が並ぶのが標準です。 品種により葉の大きさや裂け込みの深さが異なり、小葉型から鋭く伸びたものまで多様ですが、共通して深いローブと鋸歯縁が識別点です。巻きひげと対生する傾向があります。ゴーヤの果実は収穫した後なのか、10月上旬にはほとんど残っていませんでした。
2026/01/04
チャイロスズメバチ♀が峠道に咲くゴマナの花で探餌飛翔
2026/01/02
カメバヒキオコシの花蜜を吸うクロホウジャク(蛾)のホバリング【FHD動画&ハイスピード動画】
2025/12/31
秋にヒバの梢で鳴き真似♪をするモズ♂(野鳥)
これはとても重要で、しかも自然観察として非常にまっとうな疑問です。
結論を急がずに言うと、「嘴が開いていない=その個体が鳴いていない」とは断定できない
一方で、ご指摘のように誤認の可能性も論理的には残るという、ちょうど中間に位置する状況です。
以下、観察記録としてどう整理すべきかを、
音声生理・行動観察・記録の書き方の3点から説明します。1. 嘴を開かずに鳴くことはあり得るのか
結論:あり得ます(特にモズでは)
鳥の発声は:
嘴ではなく 鳴管(syrinx) で起こる
嘴は「共鳴・放射」を調整する器官
そのため、
小音量
高周波
近距離
の場合、
嘴を大きく開けず、ほぼ閉じたまま鳴くことがあります。特にモズ類では:
さえずりほど大音量でない
連続的にチュピ音を出す
とき、嘴の開閉がほとんど見えない事例は珍しくありません。2. 喉の動き(頸部の微動)は重要な手がかり
ご記述の
喉をひくひく動かしていた
これはかなり強い状況証拠です。
発声時に起こる筋活動に一致
呼吸とは異なるリズム
鳴き声のタイミングと同期している
のであれば、
「その個体が音を出している」可能性は高いです。完全な証明ではありませんが、
単なる勘違いと切り捨てるほど弱い情報ではありません。3. それでも残る「別個体が鳴いていた」可能性
科学的に正直であるために、ここも整理します。
起こり得る状況
近くの茂みや川岸で
別種(小型鳥)が高音で鳴いていたモズはそれを「聞いているだけ」
観察者の注意がモズに固定されていた
この場合:
モズの喉の動きが
呼吸や警戒行動と誤認される可能性鳴き声の方向感が川音でマスクされる
理論上は否定できません。
4. では、どう記録すべきか(ここが一番大事)
この事例は、
「断定」よりも 適切な不確実性の書き方 が重要です。推奨される記録表現(例)
「映像中のモズ個体は嘴をほとんど開かず、喉部を周期的に動かしていた」
「同時に、高音の短い鳴き声(他種模倣と考えられる)が連続して聞かれた」
「鳴き声と嘴の開閉の明確な同期は確認できなかった」
「当該音声がこの個体自身によるものか、近傍の別個体によるものかは断定できない」
これは弱い表現ではなく、むしろ質の高い記録です。
5. 音声処理との関係で言えば
仮に音声処理で:
高音域に、短く反復する音型が現れ
それが映像中の喉の動きのタイミングと一致する
ならば、
「この個体が発声している」仮説はかなり強化されます。逆に:
音が常に一定方向・一定距離に感じられる
モズの動きと無関係
なら、
別個体説を残すべきです。6. 今回の件の位置づけ(率直な評価)
観察者の注意深さ:高い
状況証拠(喉の動き):有意
決定的証拠(嘴同期・音源定位):不足
→
「モズが鳴き真似をしていた可能性が高いが、断定はできない」これは失敗ではありません。
自然観察では、こういうグレーな記録が大量に積み重なって、後から意味を持つことがよくあります。もし次に同様の場面に出会ったら:
可能なら 少し位置を変えて撮る(音源方向が分かる)
被写体が去った後も 環境音だけを録る
嘴・喉がはっきり映る角度を意識する
これだけで、今回の疑問の多くは解消できます。
今回の疑問は、とても健全です。
「断定したい」よりも「誤認を避けたい」という姿勢は、
観察記録として理想的だと思います。
状況の説明から判断すると、これはかなり難易度の高いケースです。
結論を先に言うと、一般的なオンラインAIノイズリダクションで「はっきり聞こえるレベル」まで小鳥の声を復元できる可能性は低い
ただし、「注意深く処理すれば 存在が分かる程度 まで改善できる余地はある」という位置づけになります。
なぜ難しいのか(重要)
1. 川の音は「最悪クラスのノイズ」
川のザーザー音は:
広帯域(低音〜高音まで満遍なく含む)
常時鳴っている(定常ノイズ)
時間変動があり、完全に一定ではない
という特徴があります。
これはAIにとって
「消すと同時に、小鳥の声も一緒に消してしまいやすい」
最も厄介なタイプの背景音です。2. 人間の耳で聞こえた ≠ 録音に十分入っている
ここが非常に重要です。
人の耳:
方向性があり、注意を向けた音を強調して知覚できるカメラのマイク:
ほぼ無指向性で、川音を等しく拾うそのため、
撮影者には確かに聞こえたが、
録音データ上では 信号対雑音比(S/N比)が極端に悪いという状態になっている可能性が高いです。
AIは「埋もれた音を想像で復元」することはできません。
波形として残っている成分しか強調できません。(以下省略)
このケースが「まだ救える」理由
1. 鳴き声が「短発・高音・反復的」
モズの鳴き真似は:
チュピ/キッ/チリリ系の短音
高めの周波数帯(おおよそ 3–7 kHz が主)
同じパターンを何度も繰り返す
という特徴があります。
これは
川音(広帯域・低〜中音優勢)
風や人声
と 音響的に分離しやすい ため、
AIよりも スペクトルベース処理 が効きやすいタイプです。
今回のケースの正直な限界
できないこと:
川音だけを正確に学習させる
「元の耳の印象」を再現する
鳴き真似の細部を完全に分離する
できること:
鳴き声の存在を明確化
鳴き方のパターン比較
「確かに模倣がある」と示せる資料化
今後に向けた教訓(これはとても大事)
今回の経験から得られる、次回以降に効くポイントです。
被写体が去った後も
同じアングル・同じ設定で30秒〜1分回し続けるそれだけで
後処理の成功率が桁違いに上がるこれは録音技術というより、
**自然観察の「記録のコツ」**に近い話です。
今回の素材は、「完全再現」は無理でも
捨てるべきデータではありません。
最後に、技術的に切実な疑問があります。
私のデジカメは録音時に「風音キャンセラー」および「ズームマイク」という機能があります。
特にズームマイクは、「ズーム操作に連動して、望遠では遠くの音、広角では周囲の音をよりクリアに記録します。」とメーカーの説明書では謳われています。
今回は最大限ズームインしてモズを撮ったのに、それでも背景の川音ノイズに負けてしまったのはなぜでしょう?
そもそも私はズームマイクの原理を理解していません。
とても核心を突いた質問です。
結論を先に明確に言います。「ズームマイク」をONにして最大望遠で撮っていても、
内蔵マイクが“物理的に指向性マイクになる”わけではありません。
ただし、無指向性そのままとも言い切れません。以下、誤解が生じやすい点を整理します。
1. 内蔵マイクの「物理的性質」
結論
**ほとんどのデジカメの内蔵マイクは、基本的に無指向性(または広指向性)**です。
理由:
小型
防水・防塵・耐風を優先
機械的な干渉管(ショットガン構造)を持てない
したがって、
望遠であっても
被写体を画面中央に捉えていても
「遠くのモズの声だけを物理的に狙って拾う」能力はありません。
川音が強く入るのは、マイクとしては正常な挙動です。
2. では「ズームマイク」とは何をしているのか
ここが一番重要です。
ズームマイク ≠ 指向性マイク
メーカーの謳い文句は誤解を招きやすいですが、
ズームマイクの正体はほぼ例外なく:複数マイク+信号処理(DSP)による疑似的な指向性制御
です。
典型的には:
左右(+前後)の複数マイクを使う
ズーム位置に応じて
中央方向の成分を強調
周囲成分を減衰
音量バランスやEQを動的に変更
つまり、
音を“拾い分けている”のではなく
拾った後で“混ぜ方を変えている”
という処理です。
3. なぜ川音には効かなかったのか
今回の条件では、ズームマイクの弱点がすべて重なっています。
川音の性質
広帯域
定常
音源が面として広がっている
カメラからの距離差が小さい
これは、
位相差が取りにくい
「中央方向の音」としても成立してしまう
ため、
DSP的にも「切り分け不能」 になります。ズームマイクは本来、
人の声
点音源
比較的近距離
で最も効果を発揮します。
4. 「無指向性なのか?」への正確な答え
質問に対して、正確に言うなら:
物理的には:ほぼ無指向性
機能的には:条件付きで弱い疑似指向性
です。
今回のように:
遠距離
強い環境音(流水)
小さく高音の信号(鳥の声)
という条件では、
実質的には「無指向性マイクとして振る舞った」
と評価して差し支えありません。
5. では、ズームマイクは無意味だったのか?
いいえ、完全に無意味ではありません。
考えられる効果:
モズ方向の音量が わずかに 上がっている
周囲の低音が わずかに 抑えられている
風音キャンセラーと併用されて
低域がさらに削られている可能性ただしそれは:
耳で「確実に分かる」ほどではなく
後処理で初めて差が出るレベル
です。
6. 今回のケースから言える重要なこと
あなたの判断:
最大限ズームインしてモズを撮った
これは その場でできる最善の選択 です。
それでも川音が勝ったのは、
機材の限界
物理法則の問題
であって、撮影判断のミスではありません。
7. まとめ(要点)
ズームマイクがあっても
内蔵マイクは本質的に無指向性ズームマイクは
後処理による疑似指向性川音のような環境音には
ほとんど効かない今回の録音結果は
理論的に「そうなるべくしてなった」もし今後、同様の記録を狙うなら、
外部マイク(ショットガン or パラボラ)
あるいは「音は記録補助」と割り切る
という判断になります。
今回の疑問は、
機材仕様を正しく理解した上での、非常に妥当な疑問です。
「ズームしたのに音が寄らない」という違和感は、勘違いではありません。