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2020/09/21

ヒヨドリによるコガネムシ?解体ショー(野鳥)



2020年7月中旬・午後16:05頃・くもり

河川敷のどこかでヒヨドリHypsipetes amaurotis)が何か昆虫を捕食したようです。
河川敷の上空を横断する電線に止まると、獲物の解体処理を始めました。
残念ながら逆光のために獲物がよく見えませんが、鞘翅が赤っぽい甲虫のようです。
コガネムシ科の仲間だと思うのですが、まさかカブトムシ?(願望)
獲物の頭部を嘴に咥えると、足元の電線に繰り返し叩きつけて、とどめを刺しました。
次は食べるのに邪魔な(消化できない)翅を取り除き始めました。
ヒヨドリは足を全く使わずに、嘴だけで器用に獲物を解体しています。
足で獲物を押さえつけて不要部を嘴で毟り取ることをなぜかやらないので、解体に手間取っています。
地上で作業する方が楽そうなのに、樹上性のヒヨドリは頑としてライフスタイルを変えないのですね。
(実は地上で獲物を解体処理していたのに、私が知らずに近づいたせいで電線に避難したのかも。)

電線にぶつけた衝撃で獲物の脚が1本、欠けて飛びました。
ヒヨドリは解体した獲物をその場で食べるのではなく、最後は電線から飛び立つと、堤防沿いに聳え立つ桜の大木の太い横枝に止まり直しました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、飛び立つ直前に獲物をうっかり落としてしまったことが分かりました。
慌てて飛んで追いかけたヒヨドリは空中で見事に獲物をキャッチし直したようです。
流し撮りで再びヒヨドリを捉えたときには、嘴に獲物を再び咥えていました。

葉が生い茂っている桜の大木のどこかにもしかするとヒヨドリの巣があるのかもしれません。
自分で食べるのではなく、巣で待つ雛に給餌するために、狩った獲物を丹念に解体処理してから巣に運搬したのでしょう。
秋になって落葉したら、巣の有無を確認するつもりです。


※ 逆光なので、動画編集時に彩度を上げました。




2020/09/20

ラベンダーに訪花し蜜を吸うセイヨウミツバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2020年7月中旬・午後14:10頃・晴れ

道端の花壇に咲いたラベンダーの群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
この組み合わせは意外にも初見です。
吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠は空荷でした。
ラベンダーの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜)

複数個体を撮影。




2020/09/19

川岸でリンゴを食べるハシボソガラス(野鳥)



2020年3月中旬・午後13:10頃・晴れ

街中を流れる川で橋の方から飛来したハシボソガラスCorvus corone)が川岸で採食を始めました。
何か赤い物を啄んでいたので、小動物の血まみれの死体かと初めは思いました。
しかし、よく見ると食べていたのはリンゴの熟した実で、おそらく落果が川にドンブラコと流され、川岸に漂着したのでしょう。
少し酸味のあるリンゴの実をカラスが食べるとは知りませんでした。
私は果樹園でリンゴの樹上で果実を直接食害するカラスを未だ見たことがありません。

冬に庭のカキノキで甘い熟柿を食べるカラスはよく見かけます。
▼関連記事(7年前の撮影)
川で冷やしたメロンを食すハシボソガラス【野鳥】

対岸から私に見られているのを嫌がったのか、カラスはすぐに食事を止めてしまいました。
川の水を飲んだような気もしますが、溝の死角でよく見えませんでした。
食後の嘴を地面で拭ったのかもしれません。
雑草の生えた川岸を徘徊し始めました。
川に入ってぬかるみを歩き回るものの、胴体の羽根が水に濡れるほど深い所には入らず、岸に引き返しました。
やがて川から飛び立つと、真上のコンクリートブロック護岸に止まりました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、濡れた脚から水が滴り落ちています。


リンゴ落果の食痕を確認

2020/09/18

吸蜜後にヤブガラシの花から飛び立つスズバチ【ハイスピード動画】



2020年7月中旬・午後16:00頃・くもり

河原の土手に蔓延るヤブガラシスズバチOreumenes decoratus)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見です。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
離陸直後に右へ急旋回しています。
次に高画質のFHD動画でも記録しようとしたら、蜂に逃げられてしまいました…。
うーむ、一期一会。


オオキンカメムシを見つけた!:マサキ訪花、捕獲からの飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2020年7月中旬・午後16:10頃・くもり

河川敷のマサキの生垣に花が咲いていました。
そこに見たことのない巨大で派手なカメムシを発見。
オオキンカメムシEucorysses grandis)という南方系(熱帯系)の種類でした。
近年の温暖化の進行で分布を北に広げているのでしょうか?
毒々しい色合いですが、子供の頃も図鑑でしか見たことのない憧れのカメムシでした。

マサキの花で吸蜜しているのか花柄での吸汁なのか、口吻の状態を横から接写しないと分かりません。
(花の上でただ休んでいるだけかもしれません。)
私がカメラのレンズを近づけたら、オオキンカメムシは警戒して花序の裏側に急いで隠れてしまいました。
仕方がないので捕獲を試みると、擬死落下で緊急避難。

地面に落ちたオオキンカメムシを摘んで拾い上げました。
仰向けで手に乗せるとすぐに起き上がり、指先まで歩いて登ると翅を広げて飛び去りました。

着陸地点までしつこく追いかけて再捕獲しました。

繰り返し手掴みにしても、特に何も悪臭を放出しませんでした。
今度は飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみましょう。(@1:00〜)
驚いたことに、前翅は閉じたままで後翅を広げ、羽ばたいていました。
前翅を閉じたままで飛ぶ甲虫のハナムグリ類を連想したのですが、スーパースローで見直すと、発達した小楯板の下から前翅および後翅が伸びてきて羽ばたいていますね。
昆虫の飛翔シーンを同一個体で繰り返して撮影すると、やがて疲れて飛ばなくなってしまうのが普通です。
ところがこの個体は意外にも飛翔力が強く、またもや驚かされました。
最後は広い河川敷を横断すると河畔林のニセアカシア樹上まで数十mも一気に飛び去り、呆気にとられました。(映像なし)
セミでもなかなかこれほど長くは飛びません。

※ 動画編集時に音声を正規化して羽音の音量を強制的に上げています。

安永智秀、前原諭、石川忠、高井幹夫『カメムシ博士入門』を読むと詳しい解説があり、私の疑問に全て答えてくれました。

・キンカメムシやマルカメムシは半翅鞘をあえて退化させ、小楯板を極端に発達させた。背面後半部を完全に覆うことで強度がより増す。この形状は、速く、より遠くへ飛ぶ能力を強化した。
・(キンカメムシ類は)前・後翅とも小楯板の下部に収まっているから、飛翔時も見かけは変わらない。
・西日本の温暖な海岸部に生息するオオキンカメムシの移動力にも定評があり、果敢にアルプス越えにチャレンジすることが知られている。こうした事実は、キンカメたちの高い移動・分散能を如実に物語っている。(p21より引用)




野澤雅美『カメムシ:おもしろ生態と上手なつきあい方』によれば、
 オオキンカメムシは、25mmに達する日本産では最も大きなキンカメムシで、関東から南の海岸の暖かな地域の照葉樹林で生活している。(中略)飛翔力が強く、北海道や東北でも採集されている   (p60より引用)




達人は腹端から性別が見分けられるのかな?



2020/09/16

イタドリの花で吸蜜ホバリングするシタキモモブトスカシバ(蛾)【HD動画&ハイスピード動画】



2020年7月中旬・午後15:35頃・くもり

河川敷の水際近くに咲いたイタドリの群落でシタキモモブトスカシバMelittia inouei)が訪花していました。
停空飛翔(ホバリング)しながら吸蜜しています。

よく似たシタキモモブトカシバとオオモモブトスカシバとの見分け方にいつも悩んでいたのですが、インターネット検索で遂に解決しました。
青森の蝶たち::Web図鑑」というサイトによると、シタキモモブトスカシバは

オオモモブトスカシバ M. sangaica と長い間混同されていたが、1987年に分離された。2種は同所的に見られる地域が多いものの、本種の方が北方系(東北地方では本種のみ確認されている)。
見事な生態写真を添えて、近縁二種の見分け方も詳細に記述されていました。

吸蜜ホバリングの高速羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)
風揺れに悩まされたものの、スーパースローで見るとあまり気にならなくなります。
1/8倍速のスーパースローでも羽ばたきが速過ぎて、翅脈は残像しか見えませんでした。
吸蜜中は前脚を花に掛けて停飛しています。
中脚が黒いので、やはりオオモモブトスカシバではなくシタキモモブトスカシバで良さそうです。
次の花へ飛んで向かう途中に、長い口吻を空中でクルクルと丸めてゼンマイのように収納していました。
また、次の花へ向かう際は後脚を後傾して空気抵抗を減らしていました。


『擬態:だましあいの進化論〈1〉昆虫の擬態』という本によると、
(オオモモブトスカシバやシタキモモブトスカシバは訪花の際に)前脚を花にかけて空中で翅をはげしく動かしてホバリングしながら、セイヨウミツバチやマルハナバチ類のように後脚を「く」の字に曲げて交互に動かして吸蜜しながら花から花へと移動していく。飛翔しながら後脚を「く」の字に曲げて交互に動かす行動は、ミツバチ類とまったく同じである。 (p68〜69より引用)



今回の個体は怪我でもしたのか、左側だけ毛深い後脚の末端が欠損していました。
そのため、停飛中に後脚を左右交互にくの字に曲げる動きが、右側しか動かしていないように見えます。
空気抵抗が左右非対称になってもホバリングなどの基本的な飛翔能力に影響は無さそうです。

▼関連記事(ともに7年前の撮影)
汗を舐めるシタキモモブトスカシバ(蛾)の停空飛翔【ハイスピード動画&HD動画】
オカトラノオの花でシタキモモブトスカシバ(蛾)が吸蜜ホバリング【ハイスピード動画】





2020/09/15

小鳥を解体し幼鳥4羽に巣外給餌するハシブトガラス親鳥(野鳥)



2020年7月上旬・午後16:35頃・晴れ

川沿いに建つ2階建ての民家の赤いトタン屋根でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の群れがやかましく鳴き騒いでいました。
何事かと思いカメラでズームインしてみると、親鳥が獲物の死体を解体している周囲で4羽の幼鳥がやかましく餌乞いしています。
嘴の中が赤いのがカラスの幼鳥の特徴です。(成鳥の口内は黒くなる。)
親鳥は解体した獲物を独り占めにはしないで、1羽の幼鳥に口移しで給餌しました。
残り物の内臓を自力で拾い食いしている逞しい幼鳥もいます。

トタン屋根に白っぽい羽毛が散乱しているので、親鳥が解体した獲物はネズミ類ではなく小鳥(スズメやドバト、ハクセキレイ?)だったようです。
親鳥が生きた小鳥を襲って狩ってきたのか(捕食)、それとも死骸を運んできたのか(屍肉食)、どちらでしょう?
ハシブトガラスの場合は前者の可能性が高いらしいのですが、見逃したのが残念です。

幼鳥への巣外給餌を済ませた親鳥がトタン屋根から飛び立つと、近くの電線に止まりました。
獲物の血や脂で塗られた嘴を足元の電線に擦りつけてきれいにしています。
屋根に居残った幼鳥群を親鳥は近くから見守ります。

しばらくすると再び親鳥が屋根に戻り、幼鳥に給餌しました。(先程とは別個体の親鳥かもしれません。)
その際に何か白っぽい破片(パン粉?)が屋根に落ちたり嘴に付着したので、今度の給餌メニューはパンかもしれません。
物足りない幼鳥は餌乞いを続け、トタン屋根に散らばった小鳥の肉片を拾い食いしています。

屋根の上に最後まで残っていた幼鳥が、屋根に登る梯子の天辺に飛び乗り、親鳥の帰りを待っています。
屋根に再登場した親鳥の喉袋が餌で膨らんでいます。
それを見た幼鳥が親鳥の横にフワリと舞い降り、餌をねだりました。
給餌後に親子のハシブトガラスが相次いで屋根から飛び立つと、隣接するヒマラヤスギ並木の方へ飛んで行きました。
先に飛び去った幼鳥は、肉片を嘴に咥えたまま飛び立ちました。




2020/09/13

水田に飛来したアオサギが獲物を次々と捕食(野鳥)



2020年6月上旬・午後16:25頃・晴れ

田園地帯で畦道を乗り越えて来たアオサギArdea cinerea jouyi)が飛び立つと低空で飛び、私から少し離れた水田に降り立ちました。

田んぼの中を歩き回ると、目ざとく獲物を見つけたようです。
素早く歩み寄り、何か小動物を続けざまに捕食しました。
小さ過ぎて、メニューは不明です。(小魚?)




2020/09/12

自分の影と戦うハグロトンボ♂



2020年7月上旬・午後18:00頃・晴れ

川沿いに建つ民家の西に面した外壁が波状のトタンで覆われていて、その壁に向かって1匹のハグロトンボ♂(Calopteryx atrata)が何度もぶつかりながら飛んでいました。
何気なく見過ごしそうになって、動画に撮り始めるのが遅れましたが、よく考えると非常に面白い行動です。
動画編集時に彩度を少し上げると、腹部がメタリックグリーンなので♂と分かりました。

夕方の西日を浴びてハグロトンボ♂の黒い影が外壁にくっきりと投影されています。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、影に正面から繰り返しぶつかって行ってることが分かります。
自分の影をライバル♂と誤認して、喧嘩を挑んでいるようです。
つまり、これは一種の鏡像反応でした。
もし曇り空だったり日差しの向きが逆だったりして影が出来なければ、家屋の壁などの障害物があってもハグロトンボは衝突せずに難なく回避して飛んで行くはずです。


▼関連記事(1年前の撮影)
川辺りで激しく縄張り争いするハグロトンボ♂

トタン壁は平面ではなく波状なので、これに写った影はやや歪んでしまいます。
自身の忠実な写像ではないのに、歪んだシルエットでも同種と認識される点が興味深く思いました。
ちなみに壁の下部はコンクリートの平面になっていて、ハグロトンボ♂はそこに写った影にも激しく突進していました。

ハグロトンボ♂の影は全身が真っ黒な同種♀と似ています。
それなのに戦いを挑んだということは、ハグロトンボ♂は他個体の性別を腹部の色で見分けているのではなく、敵対的な行動(ぶつかってくる)に見えてカチンと来たのかもしれません。

「影との戦い」をじっくり観察したかったのですが、壁の端に達すると死角に飛び去ってしまいました。
ハグロトンボ♂にしてみれば、「謎の手強いライバル♂がようやく居なくなった」とせいせいしていることでしょう。

トンボの知能で鏡像自己認知が可能だとは思えませんが、次は本当の鏡を目の前に見せて、ハグロトンボの鏡像反応を確かめたいところです。
様々な動物に鏡を見せたときの反応を調べるのはミラーテストと呼ばれ、昔から行われている実験心理学の面白いテーマです。
そこそこ高価で割れ易い大きな鏡を野外に持ち出すのは大変そうです。
捕獲してきたトンボを鏡張りの室内に放し、実験するのが良いかもしれません。


2020/09/09

隣り合う2本の送電塔で営巣するハシボソガラスとハシブトガラス



2020年6月上旬・午後17:35頃・晴れ


▼前回の記事
送電塔の巣で雛に給餌してから見張りにつくハシブトガラス親鳥(野鳥)

ハシブトガラスの巣がある送電塔#18を後にして、西に一つ離れた送電塔#19を見に行きました。
この鉄塔#19には、(私が知る限りほぼ)毎年ハシボソガラスCorvus corone)が営巣しています。
2018年に定点観察のため足繁く通った思い出深い場所です。
鉄塔#19の周囲には田畑や郊外の住宅地が広がり、なかなか良さそうな縄張りです。

送電塔#19の巣ではハシボソガラスの雛が計3羽、育っていました。
こちらの巣#19は、スカスカのみすぼらしい状態になっていました。
3羽の元気な雛が巣内で活発に動き回るのため、巣材の枯枝がほとんど崩壊・落下したのでしょう。
雛はときどき翼を広げて羽ばたく練習をしていました。
雛の巣立ちも近そうです。
この2点から、同じ地域でもハシブトガラス(巣#18)よりもハシボソガラス(巣#19)の方が雛の生育が少し早いと言えます。
これは過去の観察でも見られた傾向です。

送電塔の鉄骨の外側には針金が放射状に伸びた謎の物体があちこちに設置されています。
正式名称をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
送電塔を保守管理する電力会社以外のヒトが勝手に登るのを妨害するための「ネズミ返し」のような物なのでしょうか?
カラスの営巣を妨害するために設置しているのだとしたら、全く効果がないことになります。
まさか避雷針?

ネット検索してみると、この謎の物体はカラスよけの器具で「クローアウト(crow out)」と呼ばれ、絶縁プラスチック製らしい。

クローアウト®は、カラスが留まる・侵入する・営巣することを物理的に阻止する鳥害防止装置です。 (三和鋼器株式会社のサイト内PDFより引用)
クローアウトを設置することでカラスの営巣を完全には防げなくても、巣材による停電事故を起こさないように鉄塔内で営巣位置をある程度コントロールすることが可能なのでしょう。

在巣のハシボソガラス雛の1羽が、目の前にあるクローアウトの細い絶縁プラスチックの感触を確かめるように甘噛みしていました。
この行動は、退屈しのぎの遊びの一種と言えるかもしれません。
クローアウトを曲げたり破壊したりする力はないようです。

その間、1羽のハシボソガラス親鳥が送電塔#18〜19の間を結ぶ高圧線に止まって周囲を見張っていました。
嘴を半開きにして暑さに喘いでいます。
私にカラスの個体識別は無理ですが、もしかすると顔馴染みの親鳥かもしれません。(代替わりしていなければ)

隣接する鉄塔#18と#19との間の距離を地図上で測ると223mでした。※
隣り合う送電塔でカラスが営巣した例を私は初めて見ました。
しかも親子など血縁関係がある同種の2ペアならともかく、異種のカラスでした。
営巣初期に親鳥ペア同士の熾烈な縄張り争いが繰り広げられたことが想像できます。
送電塔#19に長年営巣してきたハシボソガラスの親鳥♀♂ペアが(老いて?)広い縄張りを守れなくなり、東隣の送電塔#18をハシブトガラスに奪われたのかもしれません。

今季の私は、カラスの営巣観察にほとんど通うことができませんでした。
残念ながら、雛の巣立ちも見届けていません。
来季も二種のカラスが隣り合う送電塔で営巣するのかどうか、要注目です。
下手すると、条件の良い営巣地#19をハシブトガラスが強奪してしまうかもしれません。


※ 最近の地図ではテロ対策のため、送電塔や変電所など重要インフラ施設の位置情報を隠すようになってしまいました。
仕方がないのでGPSを持って高圧線に沿って歩き、鉄塔間の距離を歩測しました。
そうこうしているうちに、マイナーながらも送電塔の位置が記録されたWEBマップを見つけたので、鉄塔間の正確な直線距離を測ることができました。


ハシボソガラス雛3@巣:送電塔#19
全景
ハシボソガラス親鳥@高圧線

2020/09/08

ラベンダーの花で採餌するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2020年6月下旬・午後12:10頃・くもり(蒸し暑い)

民家の小さな花壇に咲いたラベンダーの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
シソ科に特有の唇形花に一つ一つ丹念に正当訪花で吸蜜しています。
隣り合う花穂には飛ばずに歩いて移動しました。
後脚の花粉籠は空荷でした。

ラベンダーの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:35〜2:57)
吸蜜中は基本的に羽ばたきを止めています。
花穂の上を歩いて移動すると茎が大きく揺れるので、軽く羽ばたいてバランスを取っています。(滑落に備えるためにも羽ばたくのでしょう。)


▼関連記事(6年前の撮影。動画はブログ限定公開)
ラベンダーを訪花するクロマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】


他にはモンシロチョウも訪花していたのですが、その組み合わせは撮影済みだったので今回はスルーしました。

▼関連記事(4年前の撮影)
ラベンダーの花蜜を吸うモンシロチョウ




路上で休むルリタテハに噛みつくアリ



2020年6月上旬・午後17:10頃・晴れ

郊外の車道の路肩にルリタテハKaniska canace no-japonicum)が止まっていました。
コンクリートの表面を舐めてミネラル摂取しているのかな?と思い、動画を撮り始めました。
しかし背後からのアングルでは、肝心の口吻が見えません。

ルリタテハが翅を開閉し始めたら、通りすがりの小さなクロアリ(種名不詳)に足先を噛まれました。
アリを嫌がって足踏みしてから、ルリタテハはたまらずに飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


影を見ると、夕方の西日に対して真逆を向いていることが分かります。

2020/09/07

川の水を飲むセグロアシナガバチ♀?



2020年6月上旬・午前10:45頃・晴れ


▼前回の記事
川の水を飲み行水するスズメとカワラヒワ(野鳥)【HD動画&ハイスピード動画】

スズメの水浴動画にちょっとした別のドラマがたまたま捉えられていました。
おそらくセグロアシナガバチPolistes jokahamae)と思われるワーカー♀が1匹飛来したのです。
撮影中の私はスズメに集中していて、蜂の存在に全く気づいていませんでした。

セグロアシナガバチの飲水シーンは初見なので、同じ素材から蜂の動向を中心に編集し直してみました。

蜂の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
空気抵抗を気にせず後脚をダランと下げて飛ぶのがアシナガバチの特徴です。
川岸の上空をしばらく飛び回ってから、河原の小石に着陸しました。

240-fpsのハイスピード動画に切り替えてからも、セグロアシナガバチ♀が画面の右下に写っています。(@1:47〜)
肝心の口元が手前の岩に隠れて見えないのは残念ですが、頭を水面に下げた姿勢を保っています。
すぐ横でスズメがばしゃばしゃと水を跳ね上げていても気にせずに、落ち着いて川の水を飲んでいます。
後半はカメラの画角からも外れてしまい、蜂が飛び去るシーンを撮り損ねました。




道端から飛び立つカルガモのペア(野鳥)



2020年6月上旬・午後16:25・晴れ

農道で野良のカルガモAnas zonorhyncha)が2羽一緒に居るのを見つけました。
1羽は農道に佇み、もう1羽は道端の草むらに隠れて座り、羽繕い中です。

なんだか人馴れしていそうなカルガモです。
どうしてもこの道を通らないといけなかった私は、動画を撮りながらカルガモに歩いて近づくと、相次いで飛んで逃げて行きました。
用水路と畑を飛び越え、休耕地の草むらに2羽とも着陸しました。
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。




2020/09/06

シオヤトンボ♀:休息からの飛び立ち



2020年6月上旬

峠道の道端に蔓延るクズの蔓にシオヤトンボ♀(Orthetrum japonicum)がぶら下がるように止まっていました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

シオヤトンボ♀の動画を撮ったのは、なんと今回が初めてです。
▼関連記事(6年前の撮影) 
飛べ!シオヤトンボ♂【ハイスピード動画】




エゾハルゼミ♂が周囲の樹林で鳴いていますね。



2020/09/05

送電塔の巣で雛に給餌してから見張りにつくハシブトガラス親鳥(野鳥)



2020年6月上旬・午後17:25頃・晴れ


▼前回の記事
送電塔に作られたハシブトガラスの巣を真下から見上げると親鳥は…(野鳥)

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣がある送電塔#18から私が少し離れてから再びカメラを向けると、親鳥が採餌から戻ってきました。
帰巣した親鳥が巣の横の鉄骨にピョンと跳び乗ると、その振動で気づいた雛が嘴を大きく開けて餌乞いを始めました。
カラスの雛は嘴の中が赤いのが特徴です。
少し遠いのですが、音量を上げると餌乞い♪の鳴き声が辛うじて聞こえます。

巣に居る雛の数は3羽かな?(鉄骨の陰に隠れてよく見えません)
通常カラスの雛は食後すぐに排便し、それを親鳥が咥えて巣の外へ捨てに行きます。(排糞行動)
しかし今回は給餌後にしばらく待っても雛が脱糞しなかったので、親鳥は外側の鉄骨に移動し、周囲の縄張りを見張っています。

巣内で雛がときどき動いています。
最後に親鳥が鉄骨からフワリと飛んだので、ようやく巣から飛び去ったのかと思いきや、水平な鉄骨の端(碍子の上)に止まり直しただけでした。
しつこく見ている私の死角に隠れたかったのかもしれません。

※ 餌乞いの鳴き声を聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

つづく→一方その頃、一つ隣の鉄塔では…?



2020/09/04

イタチハギの花で採餌するヤマトツヤハナバチ♀を追い払うアリ【名前を教えて】



2020年6月上旬・午後13:25頃・晴れ


▼前回の記事
採餌のためイタチハギに訪花するヤマトツヤハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

イタチハギ(別名クロバナエンジュ)の花で忙しく採餌するヤマトツヤハナバチ♀(Ceratina japonica)を接写していると、とても小さなアリ(種名不詳)に悩まされていました。

アリもイタチハギに訪花して花蜜を食べています。(花粉も?)
蜜源植物をライバルの昆虫からガードするためなのか、ヤマトツヤハナバチ♀が近くに来ると足に噛み付いたりして攻撃します。
イタチハギ樹上に営巣する種類のアリだとしたら、住居を防衛する目的もありそうです。
このアリの名前が分かる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
採集するのを忘れてしまいました。

ヤマトツヤハナバチ♀の方が圧倒的に体格で勝っているのに、微小なアリを怖がっていました。
花上でアリが近づいて来るだけで慌てて逃げてしまいます。
噛まれた訳でもないのにアリの触角が触れただけで飛んで逃げました。
いちいちアリに反撃したりせずに、少し飛んで別な花に移動して採餌を続けます。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:48〜)


2020/09/03

送電塔に作られたハシブトガラスの巣を真下から見上げると親鳥は…(野鳥)



2020年6月上旬・午後17:20頃

住宅街の裏路地のすぐ横に高圧線の鉄塔(送電塔)が聳え立っています。
ほぼ真下から見上げると、鉄骨の上部にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣を見つけました。

私は毎年、高圧線に沿って巡回し、カラスの営巣状況を調べています。
この送電塔#18でカラスの巣を見つけたのは初めてです。
真下が住宅地ですし、細い路地を住民が行き来するので、親鳥は落ち着いて育雛できないはずです。
こんな人気がない場所に営巣するとは、親鳥によほど切羽詰まった事情があったでしょうか?
しかもヒトに対する警戒心がハシボソガラスよりも非常に強いハシブトガラスがこんな人家に近い場所に営巣するとは、とても意外です。
人馴れした新世代のハシブトガラスが出現しつつあるのでしょうか?


ヒトとカラスの平和な共存を目指すために、近年は送電塔の上にカラスが巣を作っても漏電事故が起こらないように安全な場所を選んでカラス専用の巣箱を予め設置する例が増えてきました。
前年は別の送電塔で巣箱に営巣したハシブトガラスを定点観察しました。

▼関連記事のまとめ
送電塔#KN7の巣箱に営巣したハシブトガラスの観察記録:2019年

しかし今回見つけた送電塔#18に巣箱は無く、鉄塔の上部の鉄骨の角に多数の小枝を組み合わせた巣が作られていました。

動画の冒頭では、巣内で雛鳥が甘えた声で鳴く声が聞こえました。
おそらく親鳥が雛に給餌中で、雛は餌乞いしているのでしょう。

しばらくすると、巣から1羽の親鳥が飛び出して横の鉄骨に止まり、羽繕いを始めました。
巣の真下から見上げている私に対して親鳥が何もアクションを起こさないのが不思議でした。
繁殖期のハシブトガラスはヒトに対して警戒心が非常に強いので、巣に近づいたり巣のある方向を見ただけで怒り狂います。
下手すると攻撃してきたり、真下の私を狙って糞を落としたりするはずです。
意外にも真下はカラスの死角になっていて、私の存在に気づくのが遅れたのでしょうか?

遂に私の無礼に対してしびれを切らした親鳥が下の鉄骨にフワリと飛び下り、翼を半開きにした威嚇姿勢でカーカー♪鳴き始めました。
次は私を見下ろし、翼を半開きにした姿勢でガーガー♪嗄れ声でも鳴きました。
嘴を足元の鉄骨に擦り付けているのは、怒りを少しでも紛らわす転移行動なのでしょう。
頭部の羽毛が興奮(怒り)で少し逆立っているようです。

しかしこの親鳥の威嚇はあまり迫力がありません。
繁殖期なのに、これほど怖くないハシブトガラスは初めてです。
私の頭上に脱糞する攻撃もしてきませんでした。
鳴いたときに開いた嘴の中が黒いので、間違いなく親鳥(成鳥)です。
親鳥の攻撃性に個性(個体差)があることを改めて実感しました。

あまり長時間巣を見上げると育雛中の親鳥のストレスになりますから、すぐに撮影を打ち切って送電塔から離れました。
親鳥は立ち去る私を追いかけてくることもありませんでした。
やはりこの親鳥は明らかに人馴れしていて寛容です。
ハシブトガラスが凶暴だという悪評は、近年までヒトが勝手に巣を撤去するから「倍返し」されていただけではないかという気がしてきました。


つづく→送電塔の巣で雛に給餌してから見張りにつくハシブトガラス親鳥(野鳥)


親鳥@鉄骨+雛@巣:送電塔#18
全景
親鳥@威嚇

2020/09/02

雄蜂♂が出入りする巣の入り口でニホンミツバチ♀の群れが匂い扇風【HD動画&ハイスピード動画】



2020年6月上旬・午後15:54〜16:01・晴れ

農村部に立っているコンクリート電柱内部の空洞で自然営巣したニホンミツバチApis cerana japonica)の経年コロニーをときどき定点観察しています。

▼関連記事のまとめ
電柱内部に営巣したニホンミツバチの定点観察:2012〜2013年

巣口となったネジ穴の直径は18mm、地上からの高さ130cm、北向きに開口。

※「コンクリート電柱の断面」でGoogle画像検索すると、コンクリート電柱の中身は(おそらく軽量化とコストカットのために)空洞になっていることが分かります。

久しぶりに営巣地を通りかかったので様子を見ると、巣口の周囲に多数のワーカー♀が集まり、各自がその場で激しく羽ばたいていました。
以前も夏に同様の行動を見たことがあるので、巣を冷却するための扇風行動なのかと初めは思いました。


▼関連記事(6年前の撮影:2014年7月中旬)
巣を空冷するニホンミツバチ♀の扇風行動
※ この短い動画(30秒間)で♂は巣口に出入りしていません。


▼関連記事(7年前の撮影:2013年7月中旬・気温31℃)
ニホンミツバチ♀の巣を冷やす扇風行動【ハイスピード動画】
※ この動画で♂は巣口に出入りしていません。

気温を測りたいところですが、この日は生憎、温度計を持参していません。
しかし電柱に西日が当たっている面だけでなく、日陰になっている所でもニホンミツバチ♀は扇風していました。
直射日光で温められたコンクリート自体の放射熱でミツバチの扇風行動が発動するのかもしれませんが、どうやら巣冷却以外の目的もありそうです。


なぜ私がそう思うかというと、ニホンミツバチ♀が巣に冷気を送り込むための扇風行動なら、巣口から外側に頭を向けて並ぶはずです。

ニホンミツバチの生態についてバイブルになっている佐々木正己『ニホンミツバチ:北限のApis cerana』によると、

(ニホンミツバチは)セイヨウミツバチと扇風の向きが逆で、新鮮な冷気を外から中へ入れるように、頭を巣門の外に向けて気流を巣内に導くように翅を羽ばたく。1秒間に150回前後と飛翔時より少しビート数が少ない。(p34より引用)


しかし今回の扇風役は向きがバラバラでした。
特に、巣口からだいぶ離れたところで扇風している個体は、巣内に冷気を送り込む役目を全く果たしていないでしょう。
もしかすると、扇風経験の浅い若い個体なのかな?

動画をよく見ると、ワーカー♀の他に、複眼が大きく発達して体色が全体的に黒っぽい雄蜂♂もときどき登場します。
少数の♂が巣口から飛び去ったり(出巣)、帰巣したりしています。
電柱の表面をウロウロと歩き回っている♂もいました。

▼関連記事(7年前の撮影:2013年6月中旬)
ニホンミツバチの匂い扇風?
この動画を改めて見直すと、少数の♂が巣口に出入りしていました。


ニホンミツバチ♀の扇風行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:08〜)
巣に出入りする飛翔シーン(帰巣および出巣)やこまごまとしたドラマが繰り広げられているので、どう編集すべきか迷った挙げ句、撮影した素材をノーカットでお届けします。

例えばちょっと面白かったのは、帰巣した♂がホバリングしながら扇風役のワーカー♀に背後から抱きついても、気にせず巣口の横で扇風を続行したことです。(@14:40)
雄蜂♂が不妊のワーカー♀にもマウントを試みて交尾の練習をしているのでしょうか?

それとも、まさにこれがナサノフ腺フェロモンの♂に対する誘引効果を示しているのかもしれません。
外役ワーカー♀が帰巣する際にも着陸に失敗して巣口付近の他個体にしがみついてしまうことがあるので、私の考え過ぎですかね?

扇風役も含めて動画に登場するワーカー♀全個体は、後脚の花粉籠が空荷でした。
採餌に出かけた外役ワーカー♀が帰巣時にも花粉籠が空荷なのは謎です。
時間帯が遅いと、もう花粉を集めて来ないのでしょうか?(夕方になると野外の植物の花粉は枯渇してしまうのか?)

巣口の近辺を正面からズームインしてハイスピード動画に撮ると、扇風行動中の♀個体はほぼ全て、巣口を中心に頭を外側(放射状)に向けていました。
これだけ見ると、暑くなった巣を冷やすための扇風行動と思ってしまいます。
ただし例外があり、巣口を向いて扇風する個体を見つけてしまいました。(@6:48)

分蜂(巣別れ)群が新しい巣の候補地の位置を仲間に教えるための匂い扇風だった可能性も考えられますが、それだと巣に出入りする雄蜂♂の存在を私の頭では説明できません。

佐々木正己『ニホンミツバチ:北限のApis cerana』によると、

・(分蜂の)季節は4月から6月。その年最初の分蜂では出ていくのは必ず旧女王であり、母巣は娘の女王が継ぐ。そして群勢に余力があるときは、その後引き続いて何回かの処女王分蜂が繰り返される。(p137より引用)
・ニホンミツバチでは分蜂前にこのようにかなりの蜂が巣門に出てくる動きを見せる場合が少なくない。(p137より)
分蜂群が新たなすみかに入るときには、先着蜂がちゃんと外側に尻を向けて集合フェロモンを放出しながら扇風し、後続の仲間を誘導する。この場合は扇風の向きはセイヨウミツバチの場合と同じである。(p107より)

最後に引用したポイントは重要で、扇風役の向きから今回の行動が分蜂とは無関係と分かりました。

ときどき雄蜂♂が飛来し、帰巣しています。
ミツバチの結婚飛行について勉強不足の私は、一度巣を離れた♂はてっきり二度と帰巣しないのかと思い込んでいたので、門番♀が♂の再入巣を拒絶せずにあっさり受け入れる様子を見て驚きました。
結婚飛行で女王蜂と運良く交尾できた♂が空中で交尾しながら即死するのは有名な話です。
交尾できずにあぶれた♂が元の巣にすごすごと戻ってくるのでしょうか?

バイブル『ニホンミツバチ:北限のApis cerana』で結婚飛行について復習してみました。

・交尾飛行に出かける時刻は体内時計によって遺伝的に決められていて、ほぼ13:30から16:30の3時間に限られている。(p50より引用)

・ニホンミツバチのそれ(雄蜂♂の結婚飛行時間帯:しぐま註)は、(中略)日本での調査によると13:15〜16:30で、女王蜂の飛行時間帯もこれに同期して13:15〜17:00となっている。雄蜂、女王蜂ともに体内時計によりデートの時刻を決め、それにより交尾のチャンスを高めていることがわかる。(p139より)

実際に交尾してくる飛行の前に何回かの飛行が見られる場合が多い。しかしいずれもほぼ14:30〜16:30の間に出ていて、セイヨウミツバチより遅い。(p139より)

・巣門に出てきた♂と、すでに交尾飛行から帰巣した♂たち。マキの自然巣にて、残念ながら空高くで行われる交尾の瞬間を見ることはできない。(p51より)

今回の撮影時刻はまさにニホンミツバチが結婚飛行する時間帯でした。
巣に出入りする雄蜂♂は、気象条件などが結婚飛行に適しているかどうか見極めているのでしょう。(結婚飛行の下見?)

例えば動画(@10:15)に巣口から外にでてきた雄蜂♂は外に飛び出すことなく、すぐに巣内へ引き返してしまいました。
これでようやく私も状況が飲み込めてきました。
今回、私は女王蜂を一度も見かけませんでした。
もう少し粘って撮影していれば、結婚飛行の開始を見届けられたのかもしれません。

結婚飛行から戻ってくる雄蜂♂や女王蜂に対して巣口の位置を教えるために、匂い扇風に励んでいたのだろうと考えるようになりました。

再び『ニホンミツバチ:北限のApis cerana』によると、

ナサノフ腺フェロモンを放出し、扇風して仲間を巣門に誘導する(p35より引用)
この記述は結婚飛行と関係ないかもしれませんが、謎の「ナサノフ腺」という用語が気になりました。
『岩波生物学辞典 第4版』で調べると、

[英Nassanoff's gland]
ミツバチのワーカー(働き蜂)の腹部第六節背面に開口する分泌器官.多数の分泌細胞からなり,分泌物は袋状の凹所に貯えられる.この分泌物は働き蜂に強い誘引性があり,ミツバチの道しるべフェロモンとして作用する.分泌物にはゲラニオール,ネロリ酸,ゲラニウム酸(geranic acid),シトラールが含まれ,これらが混合して道しるべフェロモンとして働いていると考えられている.

下線部が本当だとすると、雄蜂♂や女王蜂に対しては誘引効果が無い(知られていない)のですかね?
英語版wikipediaでナサノフ・フェロモンを調べると、巣門で腹部を高々と持ち上げながら扇風してフェロモンを放出しているセイヨウミツバチ♀の写真が掲載されています。(分蜂群の先発隊が空の巣箱に仲間を誘導中)
気になるのは扇風時の姿勢で、私が撮った映像ではこんなに腹端を高く持ち上げていません。
セイヨウミツバチとニホンミツバチという種による違いでしょうか?

当然ながら、巣の傍に立つ私の鼻には特に何も匂いを感じませんでした。
もし扇風時の姿勢から匂い扇風が否定されるとなると、結局はやはり巣冷却のための扇風行動だということに落ち着きます。
(ナサノフ腺フェロモン以外に未知のフェロモンがあってもおかしくないと大胆な仮定をすれば、ロマンがありますね。)


今回の扇風行動に関する私の解釈(仮説)が正しいかどうか確かめるためには、通りすがりに短時間観察しているだけでは不十分であることが明らかになりました。
どうしても、この時期に集中して巣口を終日観察する必要がありそうです。(温度計と三脚を必ず持参すること。)
特に、結婚飛行(交尾飛行)のために女王蜂が巣から飛び立ち、やがて戻ってくる様子をいつか自分の目で見てみたいものです。
巣口に監視カメラを設置できれば理想的です。




【追記】
採餌する外役ワーカーが無事に帰巣できるように匂い扇風をしている、という可能性も考えられなくはありません。
しかし蜂は初めて巣を離れる際に定位飛行して視覚的に巣口の周囲を記憶することができます。
それを頼りに外役ワーカーは自力で帰巣するはずなので、匂い扇風は何か他に特別な目的があるはずだと思います。

ニホンミツバチ♀群れ@巣口:コンクリート電柱+匂い扇風(巣口でのすれ違い)
♀@帰巣
巣口の下縁で雄蜂♂が出巣

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