2019/10/26

スイレンの花で採餌するニホンミツバチ♀



2019年7月中旬

睡蓮池でおそらくヒツジグサと思われる白い花から花へニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が飛び回り、訪花していました。
後脚の花粉籠に薄い橙色の花粉団子を付けています。

映像の最後はおまけで、池の中を錦鯉(白とオレンジ色)が泳いでいました。
スイレンの葉にはクロイトトンボ?が休んでいます。


『昆虫の集まる花ハンドブック』を紐解くと、スイレンの受粉の仕組みについて面白いことが書いてありました。

開花当日の花の中心には透明な液のプールがあり、その下に雌しべがある。昆虫がプールに落ちると、つけてきた花粉は液に拡散する。やがてその液は吸収され、花粉はプールの底にある雌しべにつく。開花2日目には雌しべが閉じ、雄しべが花粉を出す。(p78より引用)


ニホンミツバチ♀@スイレン訪花採餌
ニホンミツバチ♀@スイレン訪花採餌
スイレン花(白)
スイレン花(白)

ニセアカシア樹上の巣の横で警戒して鳴く♪ハシブトガラス♀♂(野鳥)



2019年5月下旬

川岸に目立つニセアカシア(別名ハリエンジュ)高木のてっぺんに、春から多数の枯れ枝を組み合わせた鳥の巣が作られていました。
なんとなくカワウの巣ではないかと勝手に期待していたのですが、私の予想(願望)は外れました。

ニセアカシアの白い花が満開に咲いたある日、ようやく巣の横の枝に親鳥♀♂が止まって居るのを見つけてハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣と判明。

対岸から私がカメラを向けた途端にカラスが警戒声を発し始めました。
澄んだ声と嗄れ声の両方が聞き取れます。
(威嚇の際の鳴き声は嗄れ声です。)
鳴く度に尾羽根が上下にピコピコ動きます。

右下の立ち枯れした木の枝に実はもう1羽が止まっていたのに、撮影中は気付きませんでした。
もしかするとこの巣から巣立った幼鳥かもしれません。

警戒心が強いハシブトガラスの♀♂つがいを私がしつこく撮り続けると、1羽が怒って鳴きながら私の頭上を飛び越えて行きました。
しかし私を直接的に攻撃してくることはありませんでした。
(私はカラスに蹴られたり突かれたりしたことは未だ一度もありませんが、糞を上から直接かけられたことが一度だけあります。)


ハシブトガラス♀♂(野鳥)@巣:ニセアカシア樹冠+警戒
ハシブトガラス♀♂(野鳥)@巣:ニセアカシア樹冠+警戒・全景

ノブドウを訪花するアカスジツチバチ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年7月中旬・午前7:35頃

川沿いのコンクリート護岸を覆うように蔓延るノブドウの群落で見慣れない黒い蜂が忙しなく訪花していました。

ツチバチ科だと思うのですが、第3腹節の背板の橙黄色斑が小さく、顔(額?)にも橙色斑があります。
触角が長いので雄蜂♂ですね。
調べてみると、アカスジツチバチ♂(Carinoscolia melanosoma fascinata)と知りました。

飛翔シーンをまずは1/5倍速のスローモーションに加工してみました。
次は吸蜜後にノブドウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:43〜)



2019/10/25

ミシシッピアカミミガメとクサガメの甲羅干しと入水



2019年7月中旬・晴れた午後

蓮池の岩場でミシシッピアカミミガメ♂(Trachemys scripta elegans)とクサガメ♂(Mauremys reevesii)が1匹ずつ並んで日光浴していました。
同じ方角(西)を向いている2匹の体格は、ミシシッピアカミミガメ>クサガメ。
アカミミガメ♂の脇腹が呼吸の度に伸縮しています。

クサガメは臆病なのか、急に慌てて向きを変え、水中に逃げ込みました。
大きなハスの葉の下に隠れてしまい、池を泳ぎ去る姿は撮れませんでした。
非常時にこんな素早い動きができるとは、亀を少し見直しました。
一方、大柄なアカミミガメはのんびり無反応でした。



つづく→池の岩場に集まるカルガモの親子と亀(野鳥)

ミシシッピアカミミガメ+クサガメ@池:岩場+甲羅干し
ミシシッピアカミミガメ+クサガメ@池:岩場+甲羅干し

庭で獲物を捕食するフタモンアシナガバチ♀



2019年7月上旬

砂利が敷き詰められた民家の裏庭でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀を見つけました。
砂利の上で何か小さな獲物を大顎に咥えています。
アオムシのようにも見えますが、定かではありません。
小石の上で獲物を引きずると、獲物から滲み出た体液で小石が濡れました。
獲物を噛みほぐして肉団子を作り始めたものの、蜂が背を向けてしまったために、肝心の口元が全く見えません。
やがてフタモンアシナガバチ♀は身繕いしてから飛び立ちました。
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションにしても、肉団子を抱えているようには見えません。
自分の栄養補給のためにその場で全て捕食したのでしょうか?
(ただしアシナガバチは固形物を飲み込むことはできず、獲物の体液を啜るだけです。)

狩りの後は肉団子を巣に持ち帰って幼虫に給餌するはずなのに、庭を低空で飛び回っています。
辺りに生えたスギナやハハコグサの群落を飛び回ったり、葉に一時着陸したりと、なぜか油を売っています。
スギナハバチの幼虫など次の獲物を探索しているのかな?(探餌飛翔)

この裏庭は砂利の隙間からスギナやハハコグサなどの雑草が疎らに生えているだけなので、ひどく貧弱な植生と思って私は見過ごしていました。
しかしアシナガバチ♀にとっては貴重な狩場になっているようです。


フタモンアシナガバチ♀@庭砂利+肉団子作り
フタモンアシナガバチ♀@スギナ葉+獲物探索

2019/10/24

道端でブタナの実を食すカワラヒワ♂(野鳥)



2019年7月中旬・午前6:00

街なかの道端で側溝の脇の隙間に生えたブタナの群落に黄色い花が咲いていました。
花はほぼ咲き終わり、種子を飛ばすための白い綿毛(冠毛)も作られています。



その群落に早朝からカワラヒワ♂(Carduelis sinica)がやって来ると、ブタナの細い茎に器用に飛び乗り、茎のてっぺんに付いた実をむしり取るように啄み始めました。
いつもはブタナの背の高い茎を蹴倒してから実を食べるのに、今回は体重の軽い個体だったのかな?


▼関連記事
河川敷でブタナの種子を食べるカワラヒワ♂(野鳥)

食後は茎から一旦、路肩に飛び降りてから飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。



【追記】
この花の名前を長らくオオジシバリだと思い込んでいたのですが、外来種(帰化植物)のブタナと分かったので訂正しておきます。


カワラヒワ♂(野鳥)@路肩+ブタナ実採食

ハハコグサの花蜜を吸うハバチの一種【名前を教えて】



2019年7月上旬

砂利を敷き詰めた民家の庭先でハハコグサの黄色い花が咲いていました。
その群落で、全身が真っ黒のハバチの一種が訪花していました。
翅を畳んで吸蜜しています。
花から花へ飛び回るだけでなく、隣の株が近ければ歩いて移動することもあります。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションで再生してみると、黒い翅を広げた際にハバチの特徴である太い腰を確認できました。。

蜂を同定するため、撮影後にありあわせのビニール袋を被せて採集を試みたのですが、逃げられてしまいました。
もし映像からハバチの種類や性別を見分けられる方がいらっしゃいましたら、是非ともご教示願います。


ハバチsp@ハハコグサ訪花吸蜜
ハバチsp@ハハコグサ訪花吸蜜

ハハコグサ花
ハハコグサ花・全景
ハハコグサ花・全景

2019/10/23

水田から飛び去るアオサギの羽ばたき【ハイスピード動画】(野鳥)



2019年6月中旬

青々とした田んぼに佇むアオサギArdea cinerea jouyi)にカメラを向けると、警戒してすぐに飛び去ってしまいます。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で流し撮りしてみました。
脚力も使って飛び立つと力強く羽ばたいて急上昇します。
右旋回で一旦引き返してから飛び去りました。
飛翔中の空気抵抗を減らすために、後脚は後ろに伸ばしたまま揃えています。


キボシカミキリ♀の擬死落下



2019年7月上旬

用水路沿いの小路でキボシカミキリ♀(Psacothea hilaris hilaris)がヤマグワの葉に乗って休んでいました。
触角の長さが体長の2倍強しかないので♀でした。(♂は3倍以上あるらしい)
桑は本種のホストです。
成虫が桑の葉を食べる後食シーンをいつか見てみたいものです。

動画に撮りながら右手を伸ばして捕獲しようとしたら見事に擬死落下し、地面で見失ってしまいました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、私が触れる前に気配を感じて「死んだふり」の逃避行動を起こしたことが分かります。


キボシカミキリ♀@クワ葉
キボシカミキリ♀@クワ葉

2019/10/22

探雌飛翔中のトンボエダシャク♂(蛾)がツルウメモドキ葉裏の蛹を調べる



2019年6月下旬

川沿いでオニグルミの木の周囲をトンボエダシャク♂(Cystidia stratonice stratonice)が探雌飛翔していました。

クルミの木に巻きついて育ったツルウメモドキという蔓植物の葉裏に目立つ黄色の蛹があり、それにトンボエダシャク成虫♂が興味を示しています。
腹部が細長く、腹端に黒い毛束(ヘアペンシル)を持つのが♂の特徴です。
そしてツルウメモドキはトンボエダシャク幼虫の食樹植物です。
♂は交尾相手の♀が羽化するのを待ちかねて、蛹を調べて回っているのでしょう。
この様子だと、おそらく羽化直後の処女♀と交尾すると思われます。
羽化の直前になると成虫の翅の色が透けて蛹が黒くなるらしいのですが、未だその前兆が無いので、♂はすぐに飛び去りました。
あるいは何らかの方法で(フェロモンや匂い?)♂の蛹だと知り、興味を失った可能性も考えられます。
この蛹に割れ目は見つからないので、羽化後の抜け殻(羽化殻)ではないと思います。
一連の探雌飛翔を1/5倍速のスローモーションでまずはご覧下さい。

トンボエダシャクの繭や蛹がどんな見た目なのか、飼育経験のない私は知らないので、インターネット検索で調べてみました。
しかしヒロオビトンボエダシャクCystidia truncangulata)の蛹の写真しかヒットしません。
トンボエダシャクと同じCystidia属の近縁種なので、おそらく蛹も似ているはずです。
目の粗い粗末な繭を紡いでその中で蛹化するそうです。


参考ブログ:
キレイな黄色~ヒロオビトンボエダシャク前蛹~蛹20190520~28 @KONASUKEの部屋
羽化したヒロオビトンボエダシャク・・・! @今日も、こっそり自然観察!

話の流れがなるべく分かりやすいように記事をすっきり書きましたが、実は蛹が付いていた蔓植物がツルウメモドキだと分かったのは後の話で、トンボエダシャクに教えてもらった次第です。


今回私が撮った写真をよく見ると、黄色い蛹の頭部は左を向いています。
白い絹糸で紡がれた粗い繭の中で蛹の頭部付近にある、しわくちゃのゴミのような白い物体は前蛹の脱皮殻でしょう。
普通なら腹端付近に残る気がするのですが、なぜ前後逆に残っているのでしょう?
蛹化した後にツルウメモドキが育って繭を固定した葉が傾き、脱皮殻が繭内で移動したのかな?
細かいことが気になってしまいました。
手の届かない高所にある繭なので、飼育したくても採集できませんでした。

梅雨時にトンボエダシャクやヒロオビトンボエダシャクが群飛する様子は季節の風物詩です。
今季はあちこちで群飛を見かける度に意識して撮影するようにした結果、少しずつ色々なことが分かって面白かったです。
次は交尾を観察したいのですが、幼虫や蛹から飼育しないといけないかもしれません。


トンボエダシャク?(蛾)蛹@ツルウメモドキ葉裏
トンボエダシャク?(蛾)蛹@ツルウメモドキ葉裏

ツルウメモドキ:赤い実@10月下旬に現場を再訪
ツルウメモドキ:赤い熟果@10月下旬に現場を再訪

池に張り出した枝先で魚を待ち伏せするササゴイ(野鳥)



2019年7月中旬・午前5:15頃(日の出時刻は午前4:29)

岸から池に張り出した桜(ソメイヨシノ)の枝先に早朝からササゴイButorides striatus amurensis)が止まっていました。
池の水面をじっと見つめています。

ササゴイと言えば、疑似餌などの道具を使って漁をすることで有名です。
国松俊英、坂梨輝男『わたしのノンフィクション:魚釣りの名人ササゴイ』という本によると、

 ササゴイは、池につきだした木の枝にとまり、下を見おろしています。水面から1.5メートルくらいの高さです。そこで、水中の魚のようすをうかがっていました。魚の群れが近づいてくると、ササゴイは木の葉を一枚くわえました。そしてねらいをつけると、木の葉を水面に落としたのです。その瞬間、ササゴイは木からジャンプし、みごとに魚をとらえました。(p42より引用)



(ササゴイによる)ルアーフィッシングの方法には、大きく分けて三つのやり方があることがわかりました。
(1)池の岩や、岸の岩から首をいっぱいにのばし、水面にそっと餌(疑似餌)をおく。ゆっくりと水の流れにのってただよう餌を見ながら待っている。魚が餌に近づくと、矢のようにくちばしをつきだすか、または水中にとびこみ、魚をつかまえる。
(2)おなじような岩から魚の動きをうかがって、餌を飛ばす。飛ばす距離は1メートルくらい。落ちた餌にあつまった魚を、すばやくとらえる。
(3)岸や小島から池にはりだした木の枝にとまり、水中の魚の動きを見る。魚が近づくと、餌を水面に落とし、とびついた魚をダイビングしてつかまえる。 (p43より引用)

本に書いてあったのとまさに同じ状況で水中の魚を真剣に狙っているので、対岸から長撮りしてみました。
しかし、飛び込み漁の瞬間は見れませんでした。
どうやら当地の個体群は残念ながら疑似餌漁を編み出していないようで、愚直に魚を狙っているだけです。
ササゴイが止まった桜の枝には葉が付いていないため、魚をおびき寄せる疑似餌の材料がササゴイの近くにありません。

ときどき小魚やコイ(鯉;Cyprinus carpio)が池の水面で跳ねています。
その水音に反応して、ササゴイが枝上で向きを変えました。

ササゴイは何度か水面に首を素早く伸ばしたものの、結局ためらって池に飛び込みませんでした。
もっと水面近くの枝先に移動した方が良さげですけど、おそらく細い枝先では体重を支え切れなくなるのでしょう。

ササゴイを嘲笑うかのように、嘴が届かない射程外の水面で小魚が何度も跳ねました。
2匹の鯉が池の中を悠然と泳ぎ、ササゴイの背後を通過しました。
ひょっとすると、水中の魚には天敵ササゴイの姿が見えていて、回避行動したのかな?


私は撮影を諦めてしまいましたが、忍耐強くササゴイにつきあったら漁の成功を見れたでしょうか?

もしかすると、この桜の木はササゴイのねぐらで、夜明けとともに下の枝に降りてきただけかもしれません。


ササゴイb(野鳥)@池畔:桜枝先+魚待ち伏せ
ササゴイb(野鳥)@池畔:桜枝先+魚待ち伏せ

トウネズミモチの花で採餌するオオハキリバチ♀



2019年7月上旬

トウネズミモチの生垣でオオハキリバチ♂(Megachile sculpturalis)が訪花していました。

腹面のスコパに黄色い花粉を付けています。
吸蜜しながら脚を擦り合わせて、体に付着した花粉をスコパに移していました。
顔色が見えませんが、尖っている腹端とスコパの存在が♀の特徴です。



▼関連記事(3年前の撮影では雄蜂♂しか撮れていませんでした。)
トウネズミモチの花蜜を吸うオオハキリバチ♂




オオハキリバチ♀@トウネズミモチ訪花採餌

2019/10/21

線路沿いの枯れた藪で採食する晩秋のハシボソガラス(野鳥)



2018年11月下旬

鉄道の線路(単線)のすぐ横に1羽のハシボソガラスCorvus corone)が居ました。
もしかすると砂利を拾って線路に置き石の悪戯をするんじゃないかと思い、証拠映像を記録するために撮り始めました。
過去にそういう事例が報告されているのです。
私がじっと見られているので気まずくなったのか、カラスは線路の盛り土から横に飛び降りました。
枯葉や枯草を嘴で掻き分けて餌を探しています。
夏の間は一面の藪(クズやカナムグラなど)に覆われてカラスも立ち入れなかったのに、晩秋には藪がすっかり枯れていて、多少はスッキリしています。

カラスよ、置き石の容疑者扱いしてすまんかったな。



フタモンアシナガバチの初期巣を襲うヒメスズメバチ♀



2019年7月上旬

民家の軒下で外壁の角にアシナガバチの初期巣が作られていました。
壁面に対して巣柄が横向き(水平)に取り付けられています。
巣盤が外に丸見えで、きわめて無防備な状態です。

その初期巣に、アシナガバチにとって最大の天敵であるヒメスズメバチVespa ducalis)のワーカー♀が取り付いていました。
その周囲をフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)創設女王が飛び回っていました。
反撃を試みるというよりも、狼狽しているだけのようです。
毒針を使った死闘にはならず、すぐに逃げてしまいました。
ヒメスズメバチ♀は大顎を開き前脚で軽く払い除けただけで巣の主を追い払いました。

ヒメスズメバチ♀はフタモンアシナガバチの巣盤を調べ、卵や幼虫が入っている育房を大顎でバリバリと齧り始めました。
次に獲物を噛みほぐして体液をすすっていますが、意外に手間取っています。
他のスズメバチ類とは異なり、ヒメスズメバチは獲物で肉団子を作らずその場で体液だけをすすって肉は捨ててしまいます。
捕食後は口元や触角を手足で拭って身繕い。
巣から飛び立った直後、空中で巣の方へ向き直り、場所を記憶するために定位飛行を行いました。

ヒメスズメバチが飛び去った後に壊された巣盤の写真を撮ると、下部の育房に白い卵がわずかに残されていました。

苦労してアシナガバチの初期巣を襲った割に満腹になったとは思えないのですが、どうしてでしょう?
全滅を免れたものの、ヒメスズメバチ♀が定位飛行したということは、じきにまた襲撃に戻ってくるはずです。
あるいはヒメスズメバチは持続可能な狩りを行うために、餌資源であるアシナガバチの巣が全滅しないようにあえて手加減しているのだとしたら、面白いですね。

そのシナリオが成り立つためには、逃げたアシナガバチの女王が戻って来て営巣を続けてくれることが必要です。(それはあり得ないだろうと私は思い込んでいました。)

ヒメスズメバチ♀@フタモンアシナガバチ初期巣襲撃+卵/幼虫捕食
フタモンアシナガバチ初期巣@ヒメスズメバチ♀襲撃直後
フタモンアシナガバチ初期巣@ヒメスズメバチ♀襲撃直後
フタモンアシナガバチ初期巣@ヒメスズメバチ♀襲撃直後
フタモンアシナガバチ初期巣@ヒメスズメバチ♀襲撃直後・全景

今回の観察で、長年の謎だったミッシング・リンクがようやく繋がりました。
10年前にコアシナガバチの初期巣を破壊した犯人は、やはりヒメスズメバチだったようです。

▼関連記事(いずれも10年前に撮影)
天敵に襲われたコアシナガバチの初期巣
ヒメスズメバチ vs キアシナガバチ

8日後に現場を通りかかった際に調べると、驚いたことにフタモンアシナガバチ創設女王が初期巣に戻って来ていました。
巣盤にしがみついて休んでいます。
逃げた女王蜂はてっきり新天地で巣を作り直すと思っていたので、とても意外でした。
襲撃直後の写真と見比べると、ヒメスズメバチ♀に壊された育房を健気にも再建したようです。
巣盤のサイズは変わっていません。(育房の増設はしてはいない)
娘蜂(ワーカー♀)が羽化して巣の防衛力が上がるまでは、女王蜂が単独で巣を作り守らなければならないのです。
ただし多数のワーカーが居てもヒメスズメバチに対しては全く無力で、巣を襲われれば為す術がありません。


関連記事(3年後に現場の近所で撮影)▶ フタモンアシナガバチの巣を襲い老熟幼虫を捕食するヒメスズメバチ♀


フタモンアシナガバチ創設女王@初期巣:ヒメスズメバチ♀襲撃後再建
フタモンアシナガバチ創設女王@初期巣:ヒメスズメバチ♀襲撃後再建・全景

2019/10/20

農道で離着陸するショウジョウトンボ成熟♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年7月上旬

水田の農道で今季初の赤トンボを見つけました。
顔も真っ赤で、胸部側面に斑紋がありません。
翅の根元も赤みを帯びています。
調べてみるとショウジョウトンボ♂(Crocothemis servilia mariannae)という私が初めて見る種類でした。

ショウジョウトンボ成熟♂は翅を深く下げて休んでいます。
ときどき頭部がグリグリ動き、上空を油断なく見張っています。
素早く飛び立つと、水田の上をパトロールのように少し飛んでから再び農道に着陸しました。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:21〜0:33、 0:46〜1:19)
離陸直前に上空をグッと見上げました。
おそらく獲物となりそうな昆虫が飛来したのでしょう。
離陸直後の急旋回も披露してくれました。
飛び立ってもすぐにほぼ同じ場所へ舞い戻って来ます。
しかし獲物は捕らえておらず、狩りには失敗したようです。

獲物を待ち伏せするのなら、なぜ他のトンボのように背の高い草の茎や棒の先に止まらずに開けた地面に止まって居るのか、不思議です。


ショウジョウトンボ♂:側面@農道+休息
ショウジョウトンボ♂:顔@農道+休息

早朝にイトスギで鳴くモズ♀(野鳥)



2019年7月上旬・午前5:19

川沿いの民家の庭木(生け垣?)として植栽されたイトスギのてっぺんにモズ♀(Lanius bucephalus)を早朝に発見。
細い枝に止まって尾羽根を上下しながらキチキチキチ…♪と警戒声を発していました。
腰の辺りの白い羽根が毛羽立っているのは、換羽中なのかな?
飛び立つ瞬間をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を上げています。


モズ♀(野鳥)@イトスギ樹冠



マメガキの葉柄に蓑を絹糸で固定するチャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫



2019年6月下旬

民家の庭に植栽されたマメガキの葉裏でチャミノガEumeta minuscula)の幼虫が何やら作業しています。
葉柄に吊り下げられた蓑を絹糸でしっかり固定しているようです。
体を伸縮させて頭部を上下に動かしながら口から絹糸を吐き、葉柄の接着点から伸ばした絹糸を蓑の入口の白い裏打ちに付着させる動きを繰り返しています。

時間に余裕があれば微速度撮影したいところですが、三脚を持参していませんでした。
次回は、飼育下でじっくり観察してみたいものです。


チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫@マメガキ葉柄+吐糸固定
チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫@マメガキ葉柄+吐糸固定
チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫@マメガキ葉柄・全景

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