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2025/02/25

下半身の麻痺が進むホンドタヌキがいざり歩き、死んだアナグマの骨をかじる【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

早春の林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸を自動撮影カメラで見張っていたのですが、夜の間にタヌキが死骸を持ち去ってしまいました。 


シーン1:3/28・午後18:59(@0:00〜)日の入り時刻は午後18:01 
翌日の晩にもホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で登場しました。 
食べ残しの細長い骨を齧っています。 
アナグマの骨にこびりついた肉片や骨髄をしがんでいるだけかと思いきや、骨を少しずつ噛み砕いて食べているようです。 

もしかすると画角の右外にアナグマ死骸の本体があって、それを解体しながら食べている可能性もありますが、私の想像(願望)でしかありません。 
昼間はカラスが来て死肉を食べているはずなので、アナグマの死骸がバラバラに散逸しつつあるのかもしれません。 


シーン2:3/28・午後19:01(@1:46〜) 
やがてタヌキは林床で立ち上がって左へ移動を始めたのですが、この個体は後脚の麻痺が進行していて、跛行というよりも「いざり歩き」していました。 
特に右後脚には力が入らないので、前脚2本の力で下半身を引きずって歩きます。 

初めにアナグマの死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅いでいます。 
連日の酷使により監視カメラの電池が消耗していて、短時間の暗視動画しか撮れなくなりました。 


シーン3:3/28・午後19:02・気温7℃(@2:00〜) 
アナグマの巣口Lを見張っていた監視カメラに続きが写っていました。 
死んだアナグマの営巣地(セット)を左から右へ、タヌキが下半身を引きずりながら痛々しく横切りました。 

健常個体が前夜に引きずって持ち去ったアナグマの死骸はこのカメラにも写っておらず、その行方は不明です。 
いざり歩きのタヌキがアナグマの死臭を辿っているとしたら、その先(休耕地にあるタヌキ営巣地方面?)に健常個体が持ち去ったのでしょうか。 

下半身に重傷を負っているのなら道中でアナグマの巣穴Lに入って安静にするかと思ったのですが、私の予想は外れ、夜の二次林で活発に活動しています。 
日々の餌を必死で探し歩かないと、餓死してしまうのでしょう。 


シーン4:3/29・午後18:27(@2:38〜)日の入り時刻は午後18:02。 
翌日も日没後に、下肢の麻痺が進行したタヌキがアナグマの死体があった現場に戻ってきました。 
左から来て、初めに死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅ぐと、よほど飢えているのか、林床の落ち葉を激しく首を振りながら食べています。 
早春にはまだ死肉食性の昆虫は来てないはずです。 


シーン5:3/29・午後18:28(@3:38〜) 
タヌキはいざりながら、立ち木の周囲をゆっくり回り込んで右下へ移動しました。 


シーン6:3/30・午前6:15(@4:38〜)日の出時刻は午前5:25。 
翌日の早朝にアナグマ死骸を監視するカメラが起動すると、 「いざりタヌキ」が左を向いて地面に座り込んでいました。 
麻痺した下肢を引きずって左へ移動。 

明るい昼間もここに来るようになりました。 
タヌキは本来は夜行性のはずですが、脚の悪いこの個体は終日餌を探し回らないといけないようです。 


シーン7:3/30・午後18:48(@5:00〜)日の入り時刻は午後18:03。 
日没後の晩に「いざりタヌキ」が左から来ていました。 
初めにアナグマの死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅ぐと、何かを拾い食いしたようです。 
虫かな? 

その後は木陰に座り込んだまま、ぎこちなく毛繕いをしているようですが、後ろ向きでよく見えません。 
また何かを咀嚼しました。

連続撮影するとまた監視カメラの電池が消耗して、短い暗視動画しか撮れなくなりました。 
やがて「いざりタヌキ」が右へ移動しようとしても、体が言うことを聞かないようです。 
諦めて、ブラブラと力の入らない右後脚(膝?)を舐めています。 


シーン8:3/31・午前8:08・晴れ・気温7℃(@7:53〜) 
翌朝、アナグマの旧営巣地に「いざりタヌキ」が来ていました。 
林縁を右から左へ横切ります。 後脚に力が入らず足腰が立たないので、ほとんど匍匐前進のように移動するしかありません。 


シーン9:3/31・午前10:19・晴れ・気温15℃(@8:36〜) 
「いざりタヌキ」は旧セットを通り抜ける獣道で横たわったまま、2時間以上もじっと動かなかったようです。 
動きがなければ、トレイルカメラの熱源動体検知センサーは反応しません。 
幸い晴れているので、寒くはなさそうです。 
横臥で日光浴しています。 
一瞬仰向けになると、麻痺した後足が見えました。
明るい昼間に見ると、毛並みが悪くなりボサボサです。 


シーン10:3/31・午前10:57・晴れ・気温18℃(@9:01〜) 
「いざりタヌキ」は力を振り絞って、左へ少しだけ移動していました。 
その後、安全な隠れ家として死んだアナグマの巣穴Lに入るかと予想したのですが、その様子は撮れていませんでした。 
下手に地中のトンネルに潜り込むと、二度と地上に戻れないぐらい足腰が弱っているのかもしれません。 


シーン11:3/31・午後19:08・(@9:19〜)日の入り時刻は午後18:04。 
日が暮れると、アナグマの死骸があった現場に「いざりタヌキ」がまた戻ってきました。 
足が悪くて、行動半径がとても狭いようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
一素人の診断ですが、このホンドタヌキ個体はおそらく夜道で車にはねられ、その怪我(脊髄損傷?)が元で下半身の麻痺が進行しているようです。 

あるいは、薬物による神経症状が疑われるでしょうか? 
アナグマがまず毒殺され、その死骸を食べたタヌキも残留毒物による急性中毒症状で下半身の麻痺が進行したのか?…などと根拠もないのに勝手に被害妄想を逞しくしてしまいます。 
冷静に考えれば、時間的な前後関係によりアナグマの死因とは関係なさそうです。
食べる物が乏しい早春にタヌキが例えば猛毒アルカロイドのコニインを含むドクニンジンの根を誤食してしまった場合、下肢から筋肉の麻痺が進行するかもしれません。(ミステリー小説で得た知識です。
帰化植物のドクニンジンが当地で自生しているかどうか、確認していません。
在来植物ではドクゼリやハシリドコロも根茎にコニインを含有しているそうです。(Gemini2.0による誤情報)

それとも、高齢化した飼い犬(老犬)のように、野生のタヌキも老化が進むと足腰が立たなくなるのでしょうか?
症状が回復する見込みはなさそうです。
近所に住むタヌキの健常個体が、この「いざりタヌキ」を労って給餌する行動は録画されていませんでした。

こういう「可哀想そうな野生動物の映像」を撮って公開すると、「傍観してないで一刻も早く保護して獣医に治療してもらうべきだ!」と怒る人が必ず出てきます。 
ライブカメラではないので、私は現場に設置した監視カメラをリアルタイムで見ている訳ではありません。
数日後に現場入りして、監視カメラで録画した動画を確認して初めて、ここで何が起きたかを知るのです。
つまり、どうしてもタイムラグが生じます。 
現場周辺を探しても、「いざりタヌキ」はどこに隠れているのか、その姿は見つかりませんでした。 
「いざりタヌキ」がよく現れる場所にドッグフードや飲み水などを給餌するべきでしょうか? 
一方で、野生動物の暮らし(生老病死)にヒトは一切介入するべきではない、というストイックな考え方もあります。 


つづく→

2025/02/23

ホンドタヌキ2頭がアナグマの死骸を一緒に食べ、1頭が引きずって持ち去る【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

シーン1:3/27・午後20:19(@0:00〜) 
右後脚の不自由な個体がニホンアナグマMeles anakuma)の死骸から立ち去ったと思いきや、その1分半後に別個体のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右からやって来ました。 
 右後脚を引きずって歩くタヌキ個体が画面の手前(立木の下)で居座って毛繕いしています。 
その奥には健常個体が来ています。 
獲物を先に見つけた跛行個体が獲物を横でガードしている(占有行動)ようで、健常個体はその周囲をうろついているだけです。 
この2頭がどういう関係なのか、個体識別ができていないので私には分かりません。 
顔見知りや♀♂つがいの関係かもしれません。 
跛行個体が獲物をシェアするためにパートナーを呼びに行ったのか?と思ったりもしたのですが、健常個体は初め遠慮しています。 


シーン2:3/27・午後20:20(@1:00〜)
右後脚を麻痺したタヌキ個体が、アナグマの死骸を再び食べ始めました。 
体の向きを変えてくれたおかげで、食事中の口元を正面から見れようになりました。 
死骸の尻や腰の辺りを重点的に食べ進めています。 

しばらくすると健常個体のタヌキが戻ってきて、未練がましく周囲をうろつき始めました。(@1:45〜) 
食事中の跛行個体は、健常個体をちらっと見ただけでした。 
左から回り込んできた健常個体がアナグマ死骸の頭部の匂いを嗅いでいます。 
相手の下半身が不自由なことを悟った健常個体が、獲物を巡る喧嘩になってもすぐに逃げられるように、獲物の反対側から回り込んできたのかもしれません。
食事中の跛行個体は意外に寛容で、自分の食事を続けています。 


シーン3:3/27・午後20:21(@2:00〜)
 同じアナグマ死骸の前後から2頭のタヌキが同時に食べ始めました。 
跛行個体は死骸の毛皮も引きちぎって食べています。 
ようやく健常個体も死骸の下半身に移動して、2頭のタヌキは仲良く並んで食べ始めました。 


シーン4:3/27・午後20:23(@3:00〜)
跛行個体は満腹になったようで、食事を止めて毛繕いを始めました。(@3:28〜) 
しかし、その動きもどこかぎこちなく、素人目には神経症状(麻痺?)が出ている気がしてなりません。 

その横で(画面上では下で)、健常個体が死骸を貪り食っています。 


シーン5:3/27・午後20:24(@4:00〜)
跛行個体は死骸の傍らに座ったまま、毛繕いしています。 

健常個体はいつの間にか死骸の右に移動していて、死骸をがっちり咥えたまま、ぐいぐいと力強く左へひきずり始めました。(@4:25〜) 
死骸の肉片を引きちぎるためというよりも、監視カメラを嫌がって死角(立ち木の陰)に隠れかったのかもしれません。 
獲物を相手に奪われまいと2頭のタヌキが綱引きのように引っ張り合うことはありませんでした。


シーン6:3/27・午後20:25(@5:00〜) 
食事をしながら健常個体がアナグマの死骸を更に右へ引っ張りました。(@5:14〜) 
少し引きずった後で、死骸が林床の落枝に引っかかって動かせなくなりました。 
立木に隠れていた健常個体の口元が横から見えるようになりました。 
タヌキは肉片を引きちぎる際に、前脚で押さえつけることをしないで、顎の力だけに頼るようです。 


シーン7:3/27・午後20:26(@6:00〜) 
健常個体はアナグマの死骸をさらに右へ引きずって行きます。(@6:03〜) 
跛行個体が毛繕いの合間に軽く欠伸をしました。(@6:44〜) 


シーン8:3/27・午後20:28(@7:00〜) 
食事を続ける健常個体がアナグマの死骸を強力な顎で咥えて少しずつ右へ右へと引きずって行きます。 
跛行個体から獲物をシェアさせてもらったのに、さり気なく奪い取ってしまおうという魂胆なのかもしれません。 


シーン9:3/27・午後20:29(@8:00〜) 
ようやく跛行個体が体の向きを変え、下半身を痛々しく引きずりながら、立ち木の陰に移動しました。(@8:04〜) 
やはり監視カメラの存在に気づいていて、その死角に隠れたかったようです。 
2頭間の鳴き交わしは一度も聞き取れませんでした。 


シーン10:3/27・午後20:35(@9:00〜) 
遂に、監視カメラの画角からニホンアナグマの死骸が無くなりました。 
健常個体のタヌキが、死骸を引きずって画角の右外に運び去ってしまったようです。 
獲物を独り占めにする魂胆なのでしょうか? 

立ち木の陰に取り残された跛行個体は、えづいているようです。 
食後に強力な胃酸がこみ上げているのかな? 
直前までアナグマの死骸があった位置の林床の匂いを頻りに嗅いでいます。 
死骸を追いかけたくても、悲しいかな足が悪いので追いつけません。 


シーン11:3/27・午後20:35(@10:00〜) 
跛行タヌキが立ち木の陰からようやく移動を始め、そして誰も居なくなりました。 


シーン12:3/27・午後20:35(@10:32〜) 
約15分後に健常個体のタヌキが戻ってきました。 
別個体(3頭目)の可能性もありえます。 
アナグマの死骸が初めに横たわっていた場所の匂いを嗅いでから、右上隅に座り込んで毛繕いを始めました。 


シーン13:3/27・午後21:46(@11:32〜) 
林床に座って休んでいた健常個体が立ち上がると、右へ立ち去りました。 
監視カメラの電池が連続録画で消耗してしまい、これ以降は短い暗視動画しか撮れなくなりました。 


シーン14:3/27・午後23:11(@11:40〜) 
約1時間半後に健常タヌキが左から現れ、林床に残るアナグマの死臭を嗅いでから画面の下へ向かいました。 


シーン15:3/27・午後23:21(@11:53〜) 
健常タヌキが上から来て、アナグマ死骸の残り香を嗅いでいます。 


シーン16:3/28・午前2:00(@12:06〜) 
日付が変わった深夜、健常タヌキが左から来て、立ち木の陰で食べ残しの肉片(骨)を見つけて拾い食いしました。 
尻尾の黒班が濃くて独特な個体です。 


【考察】 
おそらく♀♂ペアと思われるホンドタヌキがニホンアナグマの死骸をシェアして食べるシーンは見応えがありました。
可愛いタヌキのイメージしか無い人にとっては、刺激が強すぎるかもしれません。
しかし、後半になると、健常個体が死骸を独り占めして運び去ってしまいました。
アナグマが冬眠していた営巣地(セット)をタヌキが乗っ取ったようですが、異臭を放つ不潔な死骸を巣穴から遠ざける意図もあるのでしょうか? 
タヌキの健常個体が計何頭登場したのか、私には見分けられません。
特に後半は複数のタヌキ(健常個体)が入れ代わり立ち代わりやって来たような気がしています。

もしかすると、巣穴で同居していたアナグマが越冬中に死んだので、「同じ穴の狢」であるタヌキが巣外に引きずり出したのかもしれません。
その可能性を念頭に置いて、過去の監視映像を見直す必要がありそうです。(映像公開予定)

アナグマの死骸がスカベンジャーに食べ尽くされるまでの過程をトレイルカメラで見届けられず、残念でした。 
死骸が途中で持ち去られてしまうのは想定内でした。 
それを防ぐ(少しでも遅らせる)ために、次回は予め動物の死骸を立木に固定しておく必要がありそうです。 
予め死骸の周囲に大量の落枝を障害物として並べておけば、スカベンジャーが死骸をひきずって運べないようにできたかもしれません。 


今回は死んだアナグマの亡骸をタヌキが食べましたが、逆にアナグマがスカベンジャーとして死骸を食べる事例もあるそうです。 
たまたま『イギリス花粉学者の科学捜査ファイル:自然が明かす犯罪の真相』という本を読んでいて、初めて知りました。 
イギリスの墓地で遺体を食い荒らす犯人の正体がトレイルカメラによってヨーロッパアナグマと分かったことがあるそうです。 
日本では土葬の習慣が無くなって久しいですから、そのような事例を私は聞いたことがありませんでした。
そこでPerplexity AIに質問してみたら、以下の回答を得ました。(出典のリンクは割愛)
## 実在事件におけるアナグマの関与 
2024年8月に英国スコットランド・ボーダーズ地方のジェドバラ修道院墓地で発生した遺骨散乱事件では、アナグマの関与が強く疑われた[3]。地元自治体が設置した野生動物監視カメラの映像分析により、複数のアナグマが夜間に墓荒らしを行う様子が捉えられた[3]。法人類学者チームの鑑定では、19世紀に埋葬された遺体の脛骨に残る咬痕が、アナグマの歯列と一致することが判明している[3]。 この事件を受け、ヒストリック・エンバイロメント・スコットランド(HES)は文化財保護の観点から、野生動物対策ガイドラインの改訂を余儀なくされた[3]。具体的には、歴史的墓地の保全区域にステンレス製の地下バリアを設置する工法が開発され、アナグマの掘削行動を物理的に阻止する試みが進められている[3]。生態学者の介入により、アナグマの生息域拡大が加速した背景には、気候変動に伴う餌資源の変化が指摘されている[3]。

 

# 推理作品と実例におけるアナグマの死体食害に関する研究報告 
近年の推理小説や刑事ドラマでは、法医学的知見が物語の核心を成すケースが増加している。特に死後経過時間の推定に微生物学的分析や法医昆虫学を活用する描写が目立つ中、野生動物による死体損傷がプロットに組み込まれる事例も散見される。本報告では、アナグマ(Meles meles)を主要なスカベンジャーとして扱ったフィクション作品と実在事件を分析し、法科学と野生動物生態学の接点を探る。 
## 英国テレビドラマ『Badger』における野生動物犯罪の描写 
1999年から2000年にBBC Oneで放送された警察プロシージャルドラマ『Badger』は、野生生物犯罪捜査官トム・マッケイブを主人公とする異色のシリーズである[2]。ノーサンバーランド州を舞台に、密猟や動物虐待事件を扱う本作のエピソード「When Boyd, a local fisherman...」では、ファーン諸島で発見された漁師の変死体を巡り、アザラシの生態と人間の利害関係が交錯する[2]。劇中では海底地形が死体の損傷状態に与える影響が捜査の鍵となるが、野生動物保護官の立場からマッケイブが「動物の行動パターンが犯罪現場を改変するリスク」を指摘する場面が特徴的である[2]。 特に注目すべきは、第2シリーズのエピソードで描写されるアナグマをめぐる法廷闘争である。架空の事件ながら、アナグマの巣穴近くで発見された遺体の損傷部位から、死因の特定が困難になるプロセスが詳細に再現されている[2]。制作にあたっては実際の警察野生生物連絡官ポール・ヘンリーが監修を担当し、アナグマの摂食行動が残す咬痕の特徴について、法医学的観点から考証が行われたことが確認されている[2]。 
## ミッドサマー殺人事件シリーズの象徴的舞台 
キャロライン・グラハム原作『バッジャーズ・ドリフトの殺人』(1987年)は、ITVの人気ドラマ『Midsomer Murders』の原型となった作品である[5]。田園地帯の静かな村で起きた連続殺人事件を描く中で、現場近くの森に生息するアナグマの群れが重要な伏線として機能する。作中では、被害者の一人がアナグマの巣穴近くで発見されるシーンがあり、死体の損傷状態から自然死と他殺の鑑別が課題となる[5]。 特に注目すべきは、法医昆虫学者がアナグマの糞中から人間の組織片を検出する描写である。この科学的根拠に基づき、捜査官バーナビーが犯行時刻の特定に成功するプロセスは、当時の推理小説における先駆的な法科学描写として評価できる[5]。原作出版から30年を経て2022年に行われた特別復刻版の解説によれば、グラハムはオックスフォード大学の野生動物研究所と連携し、アナグマの摂食パターンに関する実証データを収集したことが明らかになっている[5]。 

つづく→下半身の麻痺が進むホンドタヌキがいざり歩き、死んだアナグマの骨をかじる【トレイルカメラ:暗視映像】


2025/02/21

右後脚を麻痺したホンドタヌキがニホンアナグマの死骸を貪り食う【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬・午後20:02〜20:17 

平地の二次林で雪解けした林床に横たわるニホンアナグマMeles anakuma)の死骸を自動撮影カメラで見張っています。 
日がとっぷり暮れた晩に、1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が現れました。 

初めは警戒しているのか、アナグマの死骸になかなか近寄ろうとしません。 
木陰からようやく姿を表すと、このタヌキ個体の歩行異常に気づきました。 
右後脚に全く力が入らない様子で、下半身を引きずるように痛々しく移動しています。 
実は、ここから数百m離れた休耕地でも同一個体と思われるタヌキが監視カメラに最近写っていました。 


5日前よりも下半身の麻痺症状が進行しています。 
夜道で車にはねられた(交通事故)のではないかと心配です。 
それとも、どこか高い所から落ちたのでしょうか?
後脚の骨折・脱臼系の怪我というよりも、脊髄損傷などによる運動神経の麻痺ではないか?と素人ながら勝手に想像してしまいます。 
まさかとは思いますが、この営巣地(セット)で冬眠していたアナグマと死闘を繰り広げて、アナグマを殺した代わりにタヌキも重症を負ったのでしょうか? 
それとも、巣穴やパートナー♀を巡るタヌキ♂同士の争いで大怪我したのかな? 
しかし、同種間の闘争で相手を半殺しにするでしょうか?
映像を見る限り、出血などの外傷はなさそうです。 
右足が罠にかかって壊死した可能性はどうでしょう? 
「下肢の麻痺 原因 獣医学」というキーワードを組み合わせてネット検索すると、老齢犬の症状などいろいろ情報がヒットしました。 

ようやく右から回り込んでアナグマの死骸に辿り着くと、ハシブトガラスに食われて傷口が大きく開いた下半身の匂いを嗅いでいます。 
死肉になかなか口をつけませんでした。
ようやく跛行タヌキは、アナグマ死骸の左前脚の根元に恐る恐る食いつきました。 
カラスが食べかけた部位を避けたのが興味深いです。(たまたまなのかな?) 
死骸の左耳も齧ったように見えました。 

タヌキの死肉食(腐肉食)を実際に観察するのは初めてです。 
テンポよくお見せするために、ところどころ5倍速の早回しに加工しました。 
タヌキは生きた獲物を狩るのはあまり得意ではなく、専らスカベンジャー(見つけた死骸を食べる)なのだそうです。 
少し移動すると、今度はアナグマ死骸の左尻の辺りを食べ始めました。 
下半身にハンディキャップがあると毎日餌を探し歩くのは大変でしょうから、これほど大量の肉を見つけて嬉しそうです。 
歯も丈夫そうで、毛並みも汚れていません。 
足に大怪我を負っても食欲旺盛なのはなによりです。 
食事の合間に樹上をキョロキョロ見回す余裕がでてきました。 

一度立ち上がって死骸から右に少し離れて、立木の匂いを嗅いでいます。 
再び戻ってきて食事を再開。 
次は死骸の左脇腹の肋骨?骨盤?を齧っているようです。 
アナグマの毛皮も死肉と一緒に飲み込みました。 
タヌキの溜め糞にときどき獣毛が含まれているのも納得です。 
死骸の周辺に生えている細い枯れ茎?(蔓?)が食事の邪魔になり、口で咥えて引っこ抜こうとしたものの、抜けずに諦めました。 (@x:xx〜)

ところで、タヌキは死肉を貪り食っている間に喉が渇かないのでしょうか? 
足が悪いと、水を飲みに行くのも大変そうです。 

どうやら満腹したようで、タヌキは向きを変えると痛々しく跛行しながら右上奥に立ち去りました。 
アナグマの死骸はまだ一部を食べられただけです。
タヌキは食べ残しを隠したり持ち去ったりすることはありませんでした。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




【アフィリエイト】 


 

↑【おまけの動画】 
早回し加工しないでオリジナルの素材動画をそのまま連結しただけの長編です。(12:04) 
需要があるか分かりませんが、ブログ限定で公開しておきます。


2025/02/19

ニホンアナグマの死骸を食べ漁り、肉片を繰り返し持ち去るハシブトガラス(野鳥)

 

前回の記事:▶ 越冬できずに死んだニホンアナグマの亡骸に群がるクロバエ 


2024年3月下旬・午後16:43〜17:16・晴れのち曇り 

早春に平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の死骸を食べに来るスカベンジャーを記録するために、急遽トレイルカメラを新たに設置することにしました。 
野生動物の死骸が様々な生きものに食べられ微生物に分解され、土に戻るまで見届けられるでしょうか? 
もしかすると、野鳥が巣材としてアナグマ死骸の体毛を集めに来るかもしれません。 
死骸を営巣地から遠ざけて置き直すべきか迷いましたが、そのまま放置することにしました。 
臨機応変にぶっつけ本番でやるしかありません。 

私が立ち去ると、アナグマの死骸の近くに真っ先に現れたのは、カラスでした。 
上から見下ろす撮影アングルではハシボソガラスとの区別が微妙なのですが、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のようです。 
しかし監視カメラの存在に目ざとく気づいたようで、警戒したカラスはホッピングで逃げていきました。 
その後はアナグマの営巣地(セット)をあちこち探索して安全を確かめています。 
死骸は、巣穴を見張る監視カメラの画角の外で、セットの端に横たわっています。 

ようやく警戒を解くと、ハシブトガラスは死骸の左腿の損傷部(傷口)から死肉を啄み始めました。 
死骸の同じ箇所から繰り返し食べています。 
太くて強力な嘴をもつハシブトガラスは、アナグマ死骸の下半身の毛皮を引きちぎるように剥ぎながら、死肉を食べています。
カラスはその場で屍肉を食べて飲み込むのではなく、喉袋いっぱいに肉片を詰め込んでいました。 
そのまま左に飛び去りました。 
しばらくするとまた戻ってきたので、喉袋に詰めた肉片をどこかに貯食してきたのでしょう。 

食事中に遠くの仲間に呼びかけられて、カーカー♪鳴いて応じました。 
つがいのパートナーや仲間を呼び寄せて死骸をシェアするのかと期待したのですが、カラスが集まってくることはありませんでした。 
ただの挨拶だったようで、この個体は死骸をこっそり独り占めしています。 
死んだアナグマの肉片を喉袋いっぱいに詰めて運び、どこかに隠してくる貯食行動を繰り返しています。 
後半になるとハシブトガラスは死骸の腹膜を破り、白い内臓(脂肪? 腸?)を食べ始めました。 

最後にカラスが飛び去ったのは午後17:16で、この日はもう戻ってきませんでした。 
おそらく日没前にねぐら入りしたのでしょう。 


【考察】 
代表的なスカベンジャーであるハシブトガラスが真っ先に通って来たのは予想通りですが、いつも単独で現れました。 
仲間を呼び寄せることもなく、大量の餌を独り占めしています。 
群れ(同種またはハシボソガラスとの混群)で一緒に死骸を食べ漁らないのは意外でした。 
ハシブトガラスの♀♂ペアがすでに自分たちの営巣地周辺に縄張りを確立していて、他のカラスが入ってこれないのかもしれません。 
北国でこの時期のカラスはまだ営巣・繁殖を始めていないと思うのですが、今季は暖冬の後で春の到来が早いです。 
もしもカラスの繁殖開始が早まっているとすると、巣内で抱卵するハシブトガラス♀に♂がアナグマの肉をせっせと給餌しているのかもしれません。 

日向に放置されて腐りかけたアナグマ死骸の肉は、凍っていませんでした。 
もしも厳冬期で死骸の肉がカチカチに凍っていると、カラスは死骸をいち早く見つけても食べることが出来ません。 
北米での観察記録によると、そのようなときワタリガラスはオオカミの群れを呼び寄せるのだそうです。 
鋭い強力な牙を持つオオカミに死骸を先に引き裂いたり食べたりしてもらい、ワタリガラスはその後で残り物を食べるらしい。 


【アフィリエイト】 
ワタリガラスの謎   すごい面白い本なのに、和訳した題名が地味すぎますね。原書は 
Bernd Heinrich - Mind of the Raven: Investigations and Adventures with Wolf-Birds  (その続編。和訳本『カラスの賢さ、カラスの知恵』は絶版) 


今回のハシブトガラスが死骸を食べる様子を観察しても、いったん死骸の皮膚にどこか穴が開いてしまえば、そこから穴を広げて毛皮を引きちぎったり内臓を引き出したりするのはお手の物でした。 
無傷の新鮮な状態の死骸から日本のカラスが最初にどのように穴を開けて引き裂くのか、機会があれば観察してみたいものです。 
目玉や肛門、鼠径部など、皮膚が薄い部分を狙うはずです。 




【アフィリエイト】 

2025/02/18

越冬できずに死んだニホンアナグマの亡骸に群がるクロバエ

 



2024年3月下旬・午後13:30頃・晴れ 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで長期間監視しています。 
カメラの電池とSDカードを交換するため久しぶりに現場入りすると、衝撃の展開が待ち構えていました。 
うららかな早春の日差しを浴びて雪解けが進む林床に、野生動物の死骸が横たわっていたのギョッとしました。 
場所はよりにもよって、巣口Rを北側から狙うトレイルカメラNを固定した灌木の真下でした。 

死骸は腐敗が進んでいて、辺りに死臭が漂っています。 
茶色の毛並みはボサボサでした。
一瞬タヌキかと思ったのですが、前足に鋭い爪があるのでアナグマと判明。 
なぜか左前脚の毛皮がずる剥けで、皮膚が露出しています。
後脚の太腿などに、スカベンジャー(カラス?)が死骸を損壊した形跡があります。 
むしり取られた茶色い毛玉が風で飛んだのか、少し離れた地面に落ちていました。 

自分では冷静を保っているつもりでも、やはり精神的なショックが大きかったようで、後で思うと現場での観察が色々と不充分でした。 
例えば横臥している死骸を裏返して反対側(右側面)も調べるべきなのに、やっていません。 
股間の外性器や乳首などを調べて性別を確認すべきだったのですが、とてもその気になれませんでした。 
ゴム手袋やビニール袋などを何も持ってこなかったので、死骸に触れることができない、という事情もありました。 
死んだのが若い個体(当歳仔)なのか成獣か、という点も気になるものの、分からずじまいです。 
成獣なら寿命かもしれません。 

解剖しない限り、アナグマの死因は不明のままです。 
今季は異常な暖冬で積雪量も例年より少なかったので、アナグマの冬眠と覚醒のリズムが狂って無駄に体力を消耗し、餓死したのではないか?と素人ながら疑ってしまいます。 
死骸は腐敗が進んでいるため、持ち帰って解剖する気になれませんでした。 
新鮮な死骸だったら、体重を計ったり、解剖して胃内容物や体脂肪の厚さを調べたりすれば、餓死かどうか分かったかもしれません。 
剖検して骨折などが見つかれば、車道に出た際に交通事故で負傷したまま、なんとか営巣地まで戻ってきて息絶えたというシナリオが考えられます。 
大型のスカベンジャー(鳥や哺乳類)が死骸を食べに来ているらしく、アナグマの死骸は毛皮の一部が剥ぎ取られ、露出した肉が食い荒らされていました。 

アナグマは餓死したのではなく、巣穴を乗っ取ろうとする他の野生動物に襲われて、殺されたのでしょうか? 
容疑者としては、ホンドギツネやホンドタヌキ、ホンドテン、ニホンイタチが考えられます。 
これらの動物はいずれも、ニホンアナグマの冬眠する巣穴に潜り込んで物色する姿がトレイルカメラに写っていました。 
「同じ穴のむじな」として平和に同居していると思っていたのに、まさか居候が家主を殺すでしょうか? 
タヌキは自分で巣穴を掘れないので、穴掘りの得意なアナグマに依存(片利共生)しないといけません。 

アナグマがいつ死んだのかも、私には分かりません。 
私が前回(16日前の3月中旬)現場に来たときはアナグマの死骸を見ていません。
そのときは雪の下に死骸が埋もれていた可能性もあり得ます。 
早春になって積雪が溶けた結果、アナグマの古い死骸が現れたのかもしれません。 
遺体の下は日陰となって、まだ残雪がありました。 
残雪と接地していることで死骸の右半分がずっと冷やされて続け(冷蔵保存)、腐敗の進行が辛うじて抑えられているようです。

次に、推理小説や刑事ドラマで最近よく活躍する法医昆虫学者の真似事をしてみました。 
素人が死亡時期を推定できるでしょうか? 
「寒の戻り」と言って寒波(雪)が断続的に戻って来る早春には昆虫がまだほとんど活動しておらず、腐肉食性昆虫相による死亡時期の推定は難しそうです。 

それでも、クロバエ科の仲間(種名不詳)が2匹、アナグマの死骸に来ていました。 
クロバエは成虫で越冬しますから、気温が高ければ死臭を嗅ぎ取っていち早く飛来します。 
この日はよく晴れて、日向の気温は高そうです。 
(午後14:21の気温は27℃でした。)
クロバエは口吻を伸縮して死骸の表面で吸汁していました。 
特にアナグマ死骸の耳の穴や、後脚太腿の食い荒らされた傷口を舐めています。 
歩いてアナグマの左目に移動したものの、アナグマは目をしっかり閉じていたので水分の多い眼球を舐めることは出来ず、離れていきました。
食事の合間に左右の前脚を擦り合わせて身繕いしています。 
クロバエの複眼を見る限り、この個体は♀のようです。(左右の複眼が頭頂で接していない。) 
もし♀なら死骸に産卵するはずですが、腹端を見ても、動画には撮れていませんでした。 
卵胎生で幼虫を産み付ける(産仔)ニクバエ科と違って、クロバエ科の♀は産卵するそうです。
このクロバエの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて頂けると助かります。 
クロバエ科は(死体の)膨隆期まで、ニクバエ科は腐朽期まで入植が見られる。ニクバエ科は温暖期にのみ活動するが、クロバエ科は(中略)気温が低い時期はクロバエ属をはじめとするクロバエ類が活動している。 (三枝聖『虫から死亡推定時刻はわかるのか?―法昆虫学の話 』p61より引用)

クロバエ科・ニクバエ科意外のハエは通常、新鮮期の死体には入植しない。(同書p63より引用) 

筆者はブタの死体を着衣状態で野外に放置して、経過を調べる研究実験も敢行しています。

雪国の岩手県で研究なさっているので、勝手に親近感を覚えます。

晩秋・早春など温暖期と寒冷期の移行期(寒暖境界期) は気温が低く、ブタ死体の腐敗分解はゆるやかに進行するため、顕著な膨隆期はみられず、乾燥が進行する。(p111より引用)

 

寒暖境界期に活動するクロバエのウジは、低温対策のためか死体内部に潜行する傾向があり観察が難しいこと、成長もゆっくりと遅いことから、死後経過時間推定の指標とするには体長の計測のみでは不充分である (p112より引用)


現場では気づかなかったのですけど、死んだアナグマの前足の肉球の隙間に、白いウジ虫(ハエの幼虫)が蠢いているようです。 
気温がまだ低い早春には、死骸に湧いたウジ虫を捕食するハネカクシ類などが活動していません。

動画を見直して初めて気づいたのですが、死骸の毛皮に付着している数個の小さな茶色い紡錘形の物体は、ハエの蛹(囲蛹)ですかね? 
死骸に産み付けられたハエの卵が孵化して低温下で蛆虫を経て蛹になったとすれば、アナグマが死んでからかなりの日数が経過していることになります。 
それとも、謎の異物はひっつき虫などの植物由来かな? 
クロバエの蛹が死骸の毛皮に付着した状態で見つかるのは不自然ではないでしょうか?
クロバエが動物の死骸に産卵した場合、老熟した幼虫は死骸を離れて地中などで蛹化するはずです。 
Perplexity AIの回答によれば、
死骸の毛皮にクロバエの蛹が付着していることは、稀ではありますが、以下の状況では可能性があります 
・死骸の状態: 腐敗が進んでいない比較的新鮮な死骸の場合
・環境条件:周囲に適切な蛹化場所がない場合 
・幼虫の数:大量の幼虫が存在し、競争が激しい場合
いずれにせよ、私のやった現場検証は中途半端すぎて、アナグマの死後経過時間を推定できそうにありません。 
遺体や虫のサンプルを全て持ち帰って丹念に調べないことには無理だと実感しました。
ハエの囲蛹らしき謎の物体だけでも採集して、飼育下で羽化するかどうか調べることも可能でした。 

アナグマがこの地点で死んだとは限りません。 
例えば巣穴の中で死んだアナグマを、タヌキが外に引きずり出した可能性も考えられます。 
監視映像にはそのようなシーンは写っていませんでしたが、トレイルカメラにはすべての動きが記録されている訳ではない(どうしても撮り漏らしがある)という点が、もどかしいところです。 
また、どこか遠くで見つけたアナグマの死骸を他の動物に横取りされないように、タヌキがここまで運んできたのかもしれません。
積雪期なら、雪面に足跡や死骸を引きずった跡が残ったはずですが、残雪がどんどん溶けていく早春にはそのような手掛かりを得られませんでした。

当時の私は、「定点観察していたセットの主が死んだとは限らない」と自分に言い聞かせていました。 
発情した♀を探し求めて求愛する夜這い♂など、余所者のアナグマ個体が遠征してきて偶然ここで死んだ(行き倒れた?)可能性もあるからです。 
しかし、その後も営巣地(セット)で定点観察を続けると、ここでアナグマの姿をまったく見かけなくなりました。
次にアナグマが現れたのは、何ヶ月も先のことです。(映像公開予定) 



つづく→ 


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