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2025/12/22

アリの好き嫌い:ヒミズの死骸を避けコオロギの死骸に群がるアリの謎

 

2024年9月上旬・午前10:50頃および午後15:20頃・晴れ 

平地の田んぼと線路に挟まれた農道(砂利道)でヒミズUrotrichus talpoides)の新鮮な死骸を発見。 
仰向けにひっくり返って死んでいました。 
アズマモグラなら、穴掘り用の前脚がもっと筋骨隆々としているはずです。 
口から白い歯が覗いて見えます。 
腹面を見ても、外性器がどこにあるのか分からず、性別不明です。 
素人目には目立った外傷はなく、死因は不明です。 
痩せているようには見えませんが、ミミズが取れずに餓死したのでしょうか? 
水田に散布した農薬が生物濃縮されて中毒死した可能性なども疑ってしまいます。 

死後間もないようで、腐臭などはしませんでした。 
まだハエも来ていません。 
裏表の写真だけ撮って通り過ぎました。

 

4時間半後に現場へ戻ってくると、ヒミズの死骸はそのまま放置されていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を持ち去らないのが不思議です。 

その代わり、微小なクロアリ(種名不詳)が集まっていました。 
砂利道を往来する自転車に踏まれたのか、それとも死骸の腐敗が進んだのか、死んだヒミズの肛門から体液が滲み出しています。 
それを目当てにアリが誘引されたのかと思いきや、よく見るとエンマコオロギ♀(Teleogryllus emma)の死骸に群がっていることが分かりました。 
コオロギの腹端に先割れした産卵管があるので、♀と分かります。 
ヒミズの死骸にアリは決して登ろうとしないのが、興味深く思いました。






【考察】 
午前中に見たときにはコオロギの死骸はありませんでした(気づかなかった)。 
ヒミズの死骸に誘引されたエンマコオロギ♀が、アリの群れに襲われたのでしょうか? 
いつものように、Perplexity AIに相談してみましょう。 

Q: コオロギが小動物(ネズミやモグラなど)の死骸を食べに来ることはあるか?

一般的な行動としては、コオロギがネズミやモグラなどの死骸を積極的に食べに来ることは稀と考えた方が妥当です。

コオロギの基本的な食性

多くのコオロギ類は雑食~腐食性ですが、主体は以下のような餌です。

  • 枯葉・朽木・落ちた草本などの植物質

  • 他の昆虫の死骸や、脱皮殻、糞など動物性だが「小片」の有機物

この「動物質」には、すでに砕けている虫の死骸などは含まれますが、ネズミやモグラのような「毛の生えた脊椎動物の死骸を積極的に齧る」行動は、少なくとも典型例ではありません。

小型脊椎動物の死骸とコオロギ

とはいえ、条件によっては次のようなことはあり得ます。

  • 死骸の表面にうっすら付いた体液・軟部組織を舐める・ついばむ程度の利用

  • すでにアリやハエが分解を進め、筋肉が露出し柔らかくなっている部分をつまむ

ただし、こうした行動は「死骸にコオロギが群がる」というレベルには通常ならず、アリ・ハエ・ダニなど専業スカベンジャーの周辺に便乗的に現れる程度と思っておくのが安全です。

ヒミズやモグラの場合に特に起こりにくい理由

質問の文脈に沿うと、ヒミズやモグラなど食虫性哺乳類の死骸は、

  • 強い体臭・分泌物のために、哺乳類・鳥類のスカベンジャーですら敬遠されやすい

  • 昆虫側にも嗜好性が低い可能性が高く、昆虫スカベンジャーの「人気死骸」ではない

そのため、「コオロギがわざわざ食べに来る」状況は、ネズミや鳥の死骸に比べてもさらに起こりにくいと考えられます。

実務的なまとめ

  • コオロギは雑食で、小さな動物片(昆虫の死骸など)は普通に食べる。

  • しかし、ネズミ・モグラのような小型哺乳類の死骸に群がるほど積極的なスカベンジャーではない。

  • 特にヒミズ・モグラの死骸については、嗅覚的な要因から「コオロギが好んで利用する餌」とは考えにくい。

したがって、「理論的にはごく一部を齧ることはあり得るが、現場で観察されるような行動としてはかなり例外的」というイメージが近いと思われます。


アリがヒミズの死骸を明らかに避けてコオロギの死骸に群がっていたことについて、Perplexity AIの見解は、

ヒミズ(ミズラモグラ)の死骸にスカベンジャーが付きにくいという印象は、必ずしも気のせいとは言い切れませんが、「忌避物質がある」とまでは現時点では証明されていません。hp-ez

ヒミズに既知の「毒」「忌避物質」はあるか

ヒミズ(Urotrichus talpoides)はモグラ科で、日本の土壌性小型哺乳類としてよく研究されていますが、生体・死体の皮膚分泌物に関して「捕食者やスカベンジャーを明確に忌避させる毒物質」を示した報告は見当たりません。wildlife+1
一方で、モグラ類は肉食性・高代謝で体臭が強く、体表や肛門周辺分泌物の匂いがきついことが指摘されており、これが少なくとも鳥類などの一部捕食者には不人気な餌になっている可能性があります(ただし定量的な哺乳類・鳥類の選好実験はほぼありません)。hp-ez

なぜスカベンジャーが付きにくく見えるか

ヒミズの死骸は多くが地表近くの土中トンネルや草かぶりの場所で見つかり、開けた場所の死骸に比べて「ハエなどが群がる典型的な死体」の見た目になりにくいと考えられます。hp-ez
また、細長く小型(体重十数グラム規模)の死骸は、アリ・ハエ幼虫・ダニなどの小型スカベンジャーが内部から分解してしまい、外見上「虫が群がっている」状態にならずに短時間で崩れていくこともあり得ます(小型脊椎動物の死骸分解では一般的なパターン)。vliz

カラスなど鳥が食べない理由の可能性

カラス類は雑食ですが、餌としての「経験と学習」による選び方が強く、普段ほとんど遭遇しないタイプの獣の死骸は匂いや質感で回避されやすいことが知られています。jstage.jst
モグラ類は主に地下で生活し、カラスが日常的に捕食・スカベンジング対象としている哺乳類(ネズミ類、ロードキルのタヌキ・キツネなど)と比べて遭遇頻度が低いため、「見慣れない臭くて細い獣」というカテゴリとして学習的に避けられていても不思議はありません。hp-ez

「化学防御動物」との比較から言えること

両生類や昆虫、ダンゴムシなどでは、皮膚・体表分泌物に明確な防御成分をもち、捕食者が実験的に強く忌避する例が多数知られています(カメムシ臭成分や有毒カエルの皮膚毒、ダンゴムシのキノリン誘導体など)。pmc.ncbi.nlm.nih+1
しかし、モグラ科やヒミズについてはそういった「化学防御物質」を同定した研究はほとんどなく、現時点では「明確な毒・忌避物質があるから誰も食べない」とまでは言えない段階です。wildlife+1

まとめとしての解釈

  • ヒミズに両生類や一部昆虫のような明確な毒分泌物が存在するという証拠はない。少なくとも日本語・英語の公開文献では報告されていない。wildlife+1

  • ただし、モグラ類特有の強い体臭や脂肪酸・分泌物が、鳥や哺乳類の一部には嗜好性の低い餌として働いている可能性はあり、ユーザーの「誰も食べない」という印象と矛盾はしない。これは、学習と嗜好の組み合わせで説明できる範囲にある。jstage.jst+1

  • 小型で地下性の哺乳類の死骸は、目立つ「ハエ塊」にはなりにくく、アリや微小スカベンジャーに内部から処理されることで、外見上「虫が集まっていない」ように見えるケースも多いと考えられる。vliz

したがって、「完全な気のせい」と切り捨てるよりは、「ヒミズ特有の匂い・生活場所・サイズの組み合わせが、スカベンジャーの見え方と選好を変えているが、毒・忌避物質として化学的に証明されたものはまだない」というのが現状の知見に近いと言えると思われます。wildlife+1


Q: ヒミズに特有の匂いとやらを私はまだ感じた記憶がありません。 


A: ヒミズやモグラの死骸が人間の嗅覚で無臭に感じられるのは一般的で、激しく腐乱する前の段階では強い腐敗臭が発生しにくい特性があります。omnh+1

モグラ類の体臭と人間の感覚差

モグラ科動物(ヒミズを含む)は皮膚腺や肛門腺から分泌される物質により独特の臭いを持ち、これが生体では捕食者(キツネなど)に敬遠される要因とされていますが、人間には微弱または無臭として検知されにくい場合が多いです。hiroshima-bot+1
この臭いは主に脂肪酸やタンパク質由来の揮発性化合物で、動物の嗅覚では強い忌避効果を発揮する一方、人間の鼻では土臭や無臭に近いニュアンスとして感じられることが観察されています。hp-ez+1

スカベンジャーへの影響

死骸段階でもこの分泌物が残存し、キツネやカラスなどのスカベンジャーが食べずに放置するパターンが報告されており、ネズミ類の死骸が速やかに消費されるのに対し、モグラ・ヒミズ死骸は残存しやすいです。naturelog.main+2
小型で地下由来の死骸は腐敗初期にハエなどが付きにくく、内部から微小分解が進むため、外見上無臭・無虫に見えやすい構造的要因も加わります。omnh

ユーザーの野外観察経験(山形近辺のトレイルカメラ使用)と一致する形で、モグラ類の死骸は人間目線で「無臭・スカベンジャー不人気」として残りやすいですが、これは化学防御的な分泌物の影響が主で、気のせいではありません。omnh


ヒミズが分泌する忌避物質の正体を化学的に同定できれば、アリ避けの忌避剤として応用できるかもしれません。 

(ヒミズは)体に独特のニオイがあるからか、捕食者にハンティングされても食べられないで放置されることが多いようだ。(p97より引用)
と書いてあります。

自分でも忘れかけていたのですが、当ブログを検索すると「ヒミズの死骸に集まるアリ」の事例を過去に何度も観察していました。

関連記事(4、6年前の撮影)▶ 

ヨツボシモンシデムシなど他の腐肉食性昆虫も、死んだヒミズに来ていました。

関連記事(6、16年前の撮影)▶ 

したがって、ヒミズの死骸はスカベンジャーに人気がないとは言い切れません。
ヒミズの体毛に虫除け物質が塗布してある(分泌している)のでは?という私の妄想も先走り過ぎということになります。

今回のアリがヒミズの死骸を避けてコオロギの死骸に群がっていたことが不思議でした。
2種類の死骸が並んでいるのを見つけたアリが選択を迫られたら、解体して巣に持ち帰りやすいコオロギの死骸を優先するのは当然かもしれません。
あるいは、もしかすると、アリの種類によって餌の嗜好性に違いがあるのかもしれません。
今回私は問題の微小アリをマクロレンズで接写し忘れたので、種類を同定できませんでした。
体色は黒というよりも、少し赤っぽいですね。
こんな映像でもアリの種類を見分けられる人がいらっしゃいましたら、教えて下さい。


今回はヒミズの死骸を拾って持ち帰り、解剖したり骨格標本を作ったりする余力はありませんでした。
タヌキなどが通る獣道にヒミズの死骸を置き直してトレイルカメラで見張り、タヌキが食べるかどうか給餌実験してみるのも面白そうです。 


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2025/11/24

ニホンアナグマの巣穴からホンドタヌキが持ち去った謎の死骸【トレイルカメラ】

 



2024年9月上旬 

シーン1:9/6・午前7:09・晴れ・気温20℃(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が朝から来ていました。 
2頭も若々しい(色が濃い)毛並みなので、当歳仔の幼獣ではないかと思います。 
1頭はアナグマの巣口Rを点検し、もう1頭は別の巣穴Lに侵入しました。 
どうやらアナグマの家族は留守のようです。 


シーン2:9/6・午前7:10・晴れ・気温20℃(@1:00〜) 
アナグマの巣穴Lから外に出てきたばかりのタヌキが口に何か獲物を咥えていました。 
ズタボロの毛皮で、どうやら動物の古い死骸のようです。 
仲間(幼獣の兄弟姉妹)に獲物を奪われないように、左へ走って持ち去りました。 
もう1頭のタヌキも走って追いかけ、獲物の争奪戦になりました。 

これは大事件なので、1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:07〜) 
出巣Lの瞬間を撮り損ねたのが残念無念…。 


シーン3:9/6・午前7:10・晴れ(@1:22〜) 
別アングルで設置した監視カメラにも写っていました。 
動物の死骸を口に咥えたタヌキが意気揚々と右へ走り去り、もう1頭も走って追いかけます。 

死骸を持ち去るシーンを、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:31〜) 
獲物の正体を見定めたくて、1.5倍に拡大した上で、もう一度スローモーションのりプレイ。(@1:49〜) 


シーン4:9/6・午前7:14・晴れ・気温20℃(@2:21〜) 
約4分後に、単独のタヌキが現れました。 
さっきのタヌキの片方が戻ってきたのか、それとも3頭目の幼獣が遅れてセットに来たのか、私には見分けがつきません。 

アナグマの巣口Lを恐る恐る覗き込んで匂いを嗅いだものの、中には侵入しないで左へ立ち去りました。 


【考察】
とても重大な衝撃映像が撮れました。

今回、巣穴Lに侵入したタヌキが、奥に籠城していたアナグマの幼獣を殺して捕食したのではありません。
獲物はもはや動物の原型を留めておらず、殺したばかりの新鮮な獲物には見えないからです。 
ぺしゃんこで、ただの汚らしい毛皮の塊のようです。 

この死骸の正体は、タヌキかアナグマだと思われます。
まずアナグマの可能性を考えます。
おそらく、どこかで死亡したと推測されます。
最近アナグマ家族がセット(営巣地)に近寄らなくなったのは、巣穴Lの奥で幼獣が死んで死骸の腐敗が進み、衛生環境が耐え難くなったからなのでしょうか? 
アナグマの家族が巣内で死骸を埋葬したのかもしれません。
だとすると、今回のタヌキは不届きな墓荒らしということになります。
昼間に巣口Lで飛び回っていたハエ類は、てっきりキイロコウカアブだと思っていたのに、不吉な意味合いを帯びてきます。 



次に、死骸がタヌキである可能性を考えます。
今季アナグマ♀がこの営巣地で出産しなかったのは、中で「いざりタヌキ」が死んだ事故物件だからだと思っていました。
しかし巣穴Lを発掘しない限り、死骸の有無を私には確かめようがありませんでした。
発掘調査で巣穴を壊されたアナグマは、もう二度と寄り付かなくなりそうだと判断した私は、手をこまねいて定点観察を愚直に続けるしかありませんでした。

雑食性のタヌキは、動物の死骸もよく食べるスカベンジャーです。
今回タヌキの幼獣が持ち去った死骸が同種のタヌキだとすると、共食いということになります。 
アナグマの巣穴Lにタヌキを初めとする様々な野生動物が入れ代わり立ち代わり侵入していたのは、中で死肉を少しずつ食べていたのかもしれません。
あるいは、巣内の死骸に群がる虫を捕食していた可能性もあります。

塚田英晴『野生動物学者が教えるキツネのせかい』によれば、
共食いを避ける傾向は、多くの動物で確認されており、この背景には、なかまの死体を通して寄生虫などの病気にかかることを防ぐためだと考えられています。(中略)キツネと同じイヌ科のタヌキは、雪の下のタヌキの死体をかなり頻繁に共食いすることが確認されています。野生の世界では、なかまの死体であっても貴重なエサとなるようです。 (Kindle版40%より引用)

大崎遥花『ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う』という本を読んでいたら、面白い記述がありました。
・シロアリ、アリをはじめとした社会性昆虫では「社会性免疫」と呼ばれる、コロニーの衛生管理に関わる行動がいくつか知られている 
・死体を巣の外に運び出したり、埋めたりする行動が報告されている。 
穴居性の哺乳類でも、同様の社会性免疫の行動があっても不思議ではありません。




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2025/10/29

シュレーゲルアオガエルの死骸に群がるオオヒラタシデムシとクロオオアリ

2024年7月上旬・午後・くもり 

山麓の農村部で道端にカエルの死骸を見つけました。 
舗装路を横断中に車に踏み潰されたロードキル(轢死体)のようで、無残な状態でした。 
よく見ると、シュレーゲルアオガエルRhacophorus schlegelii)のようです。 

死骸を食べる掃除屋(スカベンジャー)としては、オオヒラタシデムシNecrophila japonica)が1匹と、クロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀が2〜3匹集まっていました。

急ぐ用事があったので、動画を撮らずにスナップショット写真だけで済ませました。

2025/10/28

ニホンイタチの死骸:2024年

2024年8月上下旬 

溜池の横を通る農道脇の草むらにニホンイタチMustela itatsi)の死骸が転がっていました。 
夏の炎天下に放置されて強い腐臭がするものの、半ば干からびた状態です。 
ホンドテンに比べるとかなり小さいです。

尻尾の先にニクバエ
尻尾の先にニクバエ
15cm定規を並べて採寸

車にはねられたロードキルなのでしょうか?
素人目には目立った外傷や出血などは認められません。
死んだイタチの尻尾の先にニクバエの一種が1匹だけ留まっていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を食べたり持ち去ったりしなかったのが不思議です。

ニホンイタチの死骸をビニール袋に入れて、一度は持ち帰りました。
ところが忙しさにかまけて、死骸を解剖して性別や死因、胃内容物などを調べる余力がありませんでした。 
5日後に裏面の写真だけ撮って捨てました。
地面に横たわっていた右面は腐敗(生物分解)が早く進行し、肋骨や頭骨(頭蓋骨)が露出していました。
足の裏が黒くない点が、テンとの識別ポイントです。

15cm定規を並べて撮る






関連記事(2、7年前の撮影)▶  



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2025/09/26

アズマモグラの腐乱死骸を食べ尽くすウジ虫

 

2024年7月上旬・午前10:40頃・晴れ 

山麓の遊歩道で小動物の腐乱死体を見つけました。 
死骸の前足に鋭い爪が発達していることから、おそらくアズマモグラMogera imaizumii)だろうと推測しました。 
腐敗と生物分解が進み、毛皮はもはや残っていません。 
皮膚も溶けかけたような状態です。 
 
なぜか頭部が失われた死骸には夥しい数の白い蛆虫(ハエの老熟幼虫)が蠢いていて、腐肉や内臓をほぼ食べ尽くしたようです。 
モグラの背骨と肋骨が見えます。 
小さな骨片が散乱しているのは、虫が運び去ろうとしたのかな?

小さなハエ(種名不詳)の成虫や微小な赤アリ(種名不詳)も腐乱死体に群がっていました。 
 死臭に誘引されたエンマムシの仲間が画面の上部から歩いて来て、そのまま死骸の下に潜り込みました。 

現場は地面がアスファルトではなくコンクリートで舗装されていました。 
動物の死骸を食べてくれる掃除屋たち(シデムシなど)は普通、死骸を見つけたら迅速に地中に埋めるはずですが、ここでは固いコンクリートに阻まれたようです。 
夏の舗装路に放置された死骸はあっという間に干からびてしまう(乾燥ミイラ化)ことが多いのですけど、今回はなんとか生物分解されたようです。 
あと数日できれいに白骨化するはずです。


【追記】
このは No.1 食べるって楽しい!』というナチュラリスト向けのムック本(季刊?)を読んでいたら、今泉忠明『モグラたちの地中生活』と題した章があり、モグラの天敵について詳しく書いてありました。
彼らの天敵は、フクロウやオコジョ、イイズナ、キツネ、アナグマ、ノスリなどかなり多い。オコジョやイイズナは穴に侵入してモグラを襲う。アナグマやキツネはトンネルを掘り開き、ノスリはトンネル内で採食中のモグラを地表から攻撃する。フクロウのペリット()にモグラの毛や顎の骨などが含まれていることがあるのだが、どのように地中のモグラを捕らえるのか長く謎だった。モグラは夜間、地上でバッタやコオロギなどを食べており、このときに狙われる (p35より引用)
アナグマがモグラを捕食するとは初耳で、とても意外でした。
下線部についても知りませんでした。
休耕地などにトレイルカメラを設置したら、モグラが地表で採食するシーンをいつか撮れるかな?


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2025/02/25

下半身の麻痺が進むホンドタヌキがいざり歩き、死んだアナグマの骨をかじる【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

早春の林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸を自動撮影カメラで見張っていたのですが、夜の間にタヌキが死骸を持ち去ってしまいました。 


シーン1:3/28・午後18:59(@0:00〜)日の入り時刻は午後18:01 
翌日の晩にもホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で登場しました。 
食べ残しの細長い骨を齧っています。 
アナグマの骨にこびりついた肉片や骨髄をしがんでいるだけかと思いきや、骨を少しずつ噛み砕いて食べているようです。 

もしかすると画角の右外にアナグマ死骸の本体があって、それを解体しながら食べている可能性もありますが、私の想像(願望)でしかありません。 
昼間はカラスが来て死肉を食べているはずなので、アナグマの死骸がバラバラに散逸しつつあるのかもしれません。 


シーン2:3/28・午後19:01(@1:46〜) 
やがてタヌキは林床で立ち上がって左へ移動を始めたのですが、この個体は後脚の麻痺が進行していて、跛行というよりも「いざり歩き」していました。 
特に右後脚には力が入らないので、前脚2本の力で下半身を引きずって歩きます。 

初めにアナグマの死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅いでいます。 
連日の酷使により監視カメラの電池が消耗していて、短時間の暗視動画しか撮れなくなりました。 


シーン3:3/28・午後19:02・気温7℃(@2:00〜) 
アナグマの巣口Lを見張っていた監視カメラに続きが写っていました。 
死んだアナグマの営巣地(セット)を左から右へ、タヌキが下半身を引きずりながら痛々しく横切りました。 

健常個体が前夜に引きずって持ち去ったアナグマの死骸はこのカメラにも写っておらず、その行方は不明です。 
いざり歩きのタヌキがアナグマの死臭を辿っているとしたら、その先(休耕地にあるタヌキ営巣地方面?)に健常個体が持ち去ったのでしょうか。 

下半身に重傷を負っているのなら道中でアナグマの巣穴Lに入って安静にするかと思ったのですが、私の予想は外れ、夜の二次林で活発に活動しています。 
日々の餌を必死で探し歩かないと、餓死してしまうのでしょう。 


シーン4:3/29・午後18:27(@2:38〜)日の入り時刻は午後18:02。 
翌日も日没後に、下肢の麻痺が進行したタヌキがアナグマの死体があった現場に戻ってきました。 
左から来て、初めに死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅ぐと、よほど飢えているのか、林床の落ち葉を激しく首を振りながら食べています。 
早春にはまだ死肉食性の昆虫は来てないはずです。 


シーン5:3/29・午後18:28(@3:38〜) 
タヌキはいざりながら、立ち木の周囲をゆっくり回り込んで右下へ移動しました。 


シーン6:3/30・午前6:15(@4:38〜)日の出時刻は午前5:25。 
翌日の早朝にアナグマ死骸を監視するカメラが起動すると、 「いざりタヌキ」が左を向いて地面に座り込んでいました。 
麻痺した下肢を引きずって左へ移動。 

明るい昼間もここに来るようになりました。 
タヌキは本来は夜行性のはずですが、脚の悪いこの個体は終日餌を探し回らないといけないようです。 


シーン7:3/30・午後18:48(@5:00〜)日の入り時刻は午後18:03。 
日没後の晩に「いざりタヌキ」が左から来ていました。 
初めにアナグマの死骸が横たわっていた地点の匂いを嗅ぐと、何かを拾い食いしたようです。 
虫かな? 

その後は木陰に座り込んだまま、ぎこちなく毛繕いをしているようですが、後ろ向きでよく見えません。 
また何かを咀嚼しました。

連続撮影するとまた監視カメラの電池が消耗して、短い暗視動画しか撮れなくなりました。 
やがて「いざりタヌキ」が右へ移動しようとしても、体が言うことを聞かないようです。 
諦めて、ブラブラと力の入らない右後脚(膝?)を舐めています。 


シーン8:3/31・午前8:08・晴れ・気温7℃(@7:53〜) 
翌朝、アナグマの旧営巣地に「いざりタヌキ」が来ていました。 
林縁を右から左へ横切ります。 後脚に力が入らず足腰が立たないので、ほとんど匍匐前進のように移動するしかありません。 


シーン9:3/31・午前10:19・晴れ・気温15℃(@8:36〜) 
「いざりタヌキ」は旧セットを通り抜ける獣道で横たわったまま、2時間以上もじっと動かなかったようです。 
動きがなければ、トレイルカメラの熱源動体検知センサーは反応しません。 
幸い晴れているので、寒くはなさそうです。 
横臥で日光浴しています。 
一瞬仰向けになると、麻痺した後足が見えました。
明るい昼間に見ると、毛並みが悪くなりボサボサです。 


シーン10:3/31・午前10:57・晴れ・気温18℃(@9:01〜) 
「いざりタヌキ」は力を振り絞って、左へ少しだけ移動していました。 
その後、安全な隠れ家として死んだアナグマの巣穴Lに入るかと予想したのですが、その様子は撮れていませんでした。 
下手に地中のトンネルに潜り込むと、二度と地上に戻れないぐらい足腰が弱っているのかもしれません。 


シーン11:3/31・午後19:08・(@9:19〜)日の入り時刻は午後18:04。 
日が暮れると、アナグマの死骸があった現場に「いざりタヌキ」がまた戻ってきました。 
足が悪くて、行動半径がとても狭いようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
一素人の診断ですが、このホンドタヌキ個体はおそらく夜道で車にはねられ、その怪我(脊髄損傷?)が元で下半身の麻痺が進行しているようです。 

あるいは、薬物による神経症状が疑われるでしょうか? 
アナグマがまず毒殺され、その死骸を食べたタヌキも残留毒物による急性中毒症状で下半身の麻痺が進行したのか?…などと根拠もないのに勝手に被害妄想を逞しくしてしまいます。 
冷静に考えれば、時間的な前後関係によりアナグマの死因とは関係なさそうです。
食べる物が乏しい早春にタヌキが例えば猛毒アルカロイドのコニインを含むドクニンジンの根を誤食してしまった場合、下肢から筋肉の麻痺が進行するかもしれません。(ミステリー小説で得た知識です。
帰化植物のドクニンジンが当地で自生しているかどうか、確認していません。
在来植物ではドクゼリやハシリドコロも根茎にコニインを含有しているそうです。(Gemini2.0による誤情報)

それとも、高齢化した飼い犬(老犬)のように、野生のタヌキも老化が進むと足腰が立たなくなるのでしょうか?
症状が回復する見込みはなさそうです。
近所に住むタヌキの健常個体が、この「いざりタヌキ」を労って給餌する行動は録画されていませんでした。

こういう「可哀想そうな野生動物の映像」を撮って公開すると、「傍観してないで一刻も早く保護して獣医に治療してもらうべきだ!」と怒る人が必ず出てきます。 
ライブカメラではないので、私は現場に設置した監視カメラをリアルタイムで見ている訳ではありません。
数日後に現場入りして、監視カメラで録画した動画を確認して初めて、ここで何が起きたかを知るのです。
つまり、どうしてもタイムラグが生じます。 
現場周辺を探しても、「いざりタヌキ」はどこに隠れているのか、その姿は見つかりませんでした。 
「いざりタヌキ」がよく現れる場所にドッグフードや飲み水などを給餌するべきでしょうか? 
一方で、野生動物の暮らし(生老病死)にヒトは一切介入するべきではない、というストイックな考え方もあります。 


つづく→

2025/02/23

ホンドタヌキ2頭がアナグマの死骸を一緒に食べ、1頭が引きずって持ち去る【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

シーン1:3/27・午後20:19(@0:00〜) 
右後脚の不自由な個体がニホンアナグマMeles anakuma)の死骸から立ち去ったと思いきや、その1分半後に別個体のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右からやって来ました。 
 右後脚を引きずって歩くタヌキ個体が画面の手前(立木の下)で居座って毛繕いしています。 
その奥には健常個体が来ています。 
獲物を先に見つけた跛行個体が獲物を横でガードしている(占有行動)ようで、健常個体はその周囲をうろついているだけです。 
この2頭がどういう関係なのか、個体識別ができていないので私には分かりません。 
顔見知りや♀♂つがいの関係かもしれません。 
跛行個体が獲物をシェアするためにパートナーを呼びに行ったのか?と思ったりもしたのですが、健常個体は初め遠慮しています。 


シーン2:3/27・午後20:20(@1:00〜)
右後脚を麻痺したタヌキ個体が、アナグマの死骸を再び食べ始めました。 
体の向きを変えてくれたおかげで、食事中の口元を正面から見れようになりました。 
死骸の尻や腰の辺りを重点的に食べ進めています。 

しばらくすると健常個体のタヌキが戻ってきて、未練がましく周囲をうろつき始めました。(@1:45〜) 
食事中の跛行個体は、健常個体をちらっと見ただけでした。 
左から回り込んできた健常個体がアナグマ死骸の頭部の匂いを嗅いでいます。 
相手の下半身が不自由なことを悟った健常個体が、獲物を巡る喧嘩になってもすぐに逃げられるように、獲物の反対側から回り込んできたのかもしれません。
食事中の跛行個体は意外に寛容で、自分の食事を続けています。 


シーン3:3/27・午後20:21(@2:00〜)
 同じアナグマ死骸の前後から2頭のタヌキが同時に食べ始めました。 
跛行個体は死骸の毛皮も引きちぎって食べています。 
ようやく健常個体も死骸の下半身に移動して、2頭のタヌキは仲良く並んで食べ始めました。 


シーン4:3/27・午後20:23(@3:00〜)
跛行個体は満腹になったようで、食事を止めて毛繕いを始めました。(@3:28〜) 
しかし、その動きもどこかぎこちなく、素人目には神経症状(麻痺?)が出ている気がしてなりません。 

その横で(画面上では下で)、健常個体が死骸を貪り食っています。 


シーン5:3/27・午後20:24(@4:00〜)
跛行個体は死骸の傍らに座ったまま、毛繕いしています。 

健常個体はいつの間にか死骸の右に移動していて、死骸をがっちり咥えたまま、ぐいぐいと力強く左へひきずり始めました。(@4:25〜) 
死骸の肉片を引きちぎるためというよりも、監視カメラを嫌がって死角(立ち木の陰)に隠れかったのかもしれません。 
獲物を相手に奪われまいと2頭のタヌキが綱引きのように引っ張り合うことはありませんでした。


シーン6:3/27・午後20:25(@5:00〜) 
食事をしながら健常個体がアナグマの死骸を更に右へ引っ張りました。(@5:14〜) 
少し引きずった後で、死骸が林床の落枝に引っかかって動かせなくなりました。 
立木に隠れていた健常個体の口元が横から見えるようになりました。 
タヌキは肉片を引きちぎる際に、前脚で押さえつけることをしないで、顎の力だけに頼るようです。 


シーン7:3/27・午後20:26(@6:00〜) 
健常個体はアナグマの死骸をさらに右へ引きずって行きます。(@6:03〜) 
跛行個体が毛繕いの合間に軽く欠伸をしました。(@6:44〜) 


シーン8:3/27・午後20:28(@7:00〜) 
食事を続ける健常個体がアナグマの死骸を強力な顎で咥えて少しずつ右へ右へと引きずって行きます。 
跛行個体から獲物をシェアさせてもらったのに、さり気なく奪い取ってしまおうという魂胆なのかもしれません。 


シーン9:3/27・午後20:29(@8:00〜) 
ようやく跛行個体が体の向きを変え、下半身を痛々しく引きずりながら、立ち木の陰に移動しました。(@8:04〜) 
やはり監視カメラの存在に気づいていて、その死角に隠れたかったようです。 
2頭間の鳴き交わしは一度も聞き取れませんでした。 


シーン10:3/27・午後20:35(@9:00〜) 
遂に、監視カメラの画角からニホンアナグマの死骸が無くなりました。 
健常個体のタヌキが、死骸を引きずって画角の右外に運び去ってしまったようです。 
獲物を独り占めにする魂胆なのでしょうか? 

立ち木の陰に取り残された跛行個体は、えづいているようです。 
食後に強力な胃酸がこみ上げているのかな? 
直前までアナグマの死骸があった位置の林床の匂いを頻りに嗅いでいます。 
死骸を追いかけたくても、悲しいかな足が悪いので追いつけません。 


シーン11:3/27・午後20:35(@10:00〜) 
跛行タヌキが立ち木の陰からようやく移動を始め、そして誰も居なくなりました。 


シーン12:3/27・午後20:35(@10:32〜) 
約15分後に健常個体のタヌキが戻ってきました。 
別個体(3頭目)の可能性もありえます。 
アナグマの死骸が初めに横たわっていた場所の匂いを嗅いでから、右上隅に座り込んで毛繕いを始めました。 


シーン13:3/27・午後21:46(@11:32〜) 
林床に座って休んでいた健常個体が立ち上がると、右へ立ち去りました。 
監視カメラの電池が連続録画で消耗してしまい、これ以降は短い暗視動画しか撮れなくなりました。 


シーン14:3/27・午後23:11(@11:40〜) 
約1時間半後に健常タヌキが左から現れ、林床に残るアナグマの死臭を嗅いでから画面の下へ向かいました。 


シーン15:3/27・午後23:21(@11:53〜) 
健常タヌキが上から来て、アナグマ死骸の残り香を嗅いでいます。 


シーン16:3/28・午前2:00(@12:06〜) 
日付が変わった深夜、健常タヌキが左から来て、立ち木の陰で食べ残しの肉片(骨)を見つけて拾い食いしました。 
尻尾の黒班が濃くて独特な個体です。 


【考察】 
おそらく♀♂ペアと思われるホンドタヌキがニホンアナグマの死骸をシェアして食べるシーンは見応えがありました。
可愛いタヌキのイメージしか無い人にとっては、刺激が強すぎるかもしれません。
しかし、後半になると、健常個体が死骸を独り占めして運び去ってしまいました。
アナグマが冬眠していた営巣地(セット)をタヌキが乗っ取ったようですが、異臭を放つ不潔な死骸を巣穴から遠ざける意図もあるのでしょうか? 
タヌキの健常個体が計何頭登場したのか、私には見分けられません。
特に後半は複数のタヌキ(健常個体)が入れ代わり立ち代わりやって来たような気がしています。

もしかすると、巣穴で同居していたアナグマが越冬中に死んだので、「同じ穴の狢」であるタヌキが巣外に引きずり出したのかもしれません。
その可能性を念頭に置いて、過去の監視映像を見直す必要がありそうです。(映像公開予定)

アナグマの死骸がスカベンジャーに食べ尽くされるまでの過程をトレイルカメラで見届けられず、残念でした。 
死骸が途中で持ち去られてしまうのは想定内でした。 
それを防ぐ(少しでも遅らせる)ために、次回は予め動物の死骸を立木に固定しておく必要がありそうです。 
予め死骸の周囲に大量の落枝を障害物として並べておけば、スカベンジャーが死骸をひきずって運べないようにできたかもしれません。 


今回は死んだアナグマの亡骸をタヌキが食べましたが、逆にアナグマがスカベンジャーとして死骸を食べる事例もあるそうです。 
たまたま『イギリス花粉学者の科学捜査ファイル:自然が明かす犯罪の真相』という本を読んでいて、初めて知りました。 
イギリスの墓地で遺体を食い荒らす犯人の正体がトレイルカメラによってヨーロッパアナグマと分かったことがあるそうです。 
日本では土葬の習慣が無くなって久しいですから、そのような事例を私は聞いたことがありませんでした。
そこでPerplexity AIに質問してみたら、以下の回答を得ました。(出典のリンクは割愛)
## 実在事件におけるアナグマの関与 
2024年8月に英国スコットランド・ボーダーズ地方のジェドバラ修道院墓地で発生した遺骨散乱事件では、アナグマの関与が強く疑われた[3]。地元自治体が設置した野生動物監視カメラの映像分析により、複数のアナグマが夜間に墓荒らしを行う様子が捉えられた[3]。法人類学者チームの鑑定では、19世紀に埋葬された遺体の脛骨に残る咬痕が、アナグマの歯列と一致することが判明している[3]。 この事件を受け、ヒストリック・エンバイロメント・スコットランド(HES)は文化財保護の観点から、野生動物対策ガイドラインの改訂を余儀なくされた[3]。具体的には、歴史的墓地の保全区域にステンレス製の地下バリアを設置する工法が開発され、アナグマの掘削行動を物理的に阻止する試みが進められている[3]。生態学者の介入により、アナグマの生息域拡大が加速した背景には、気候変動に伴う餌資源の変化が指摘されている[3]。

 

# 推理作品と実例におけるアナグマの死体食害に関する研究報告 
近年の推理小説や刑事ドラマでは、法医学的知見が物語の核心を成すケースが増加している。特に死後経過時間の推定に微生物学的分析や法医昆虫学を活用する描写が目立つ中、野生動物による死体損傷がプロットに組み込まれる事例も散見される。本報告では、アナグマ(Meles meles)を主要なスカベンジャーとして扱ったフィクション作品と実在事件を分析し、法科学と野生動物生態学の接点を探る。 
## 英国テレビドラマ『Badger』における野生動物犯罪の描写 
1999年から2000年にBBC Oneで放送された警察プロシージャルドラマ『Badger』は、野生生物犯罪捜査官トム・マッケイブを主人公とする異色のシリーズである[2]。ノーサンバーランド州を舞台に、密猟や動物虐待事件を扱う本作のエピソード「When Boyd, a local fisherman...」では、ファーン諸島で発見された漁師の変死体を巡り、アザラシの生態と人間の利害関係が交錯する[2]。劇中では海底地形が死体の損傷状態に与える影響が捜査の鍵となるが、野生動物保護官の立場からマッケイブが「動物の行動パターンが犯罪現場を改変するリスク」を指摘する場面が特徴的である[2]。 特に注目すべきは、第2シリーズのエピソードで描写されるアナグマをめぐる法廷闘争である。架空の事件ながら、アナグマの巣穴近くで発見された遺体の損傷部位から、死因の特定が困難になるプロセスが詳細に再現されている[2]。制作にあたっては実際の警察野生生物連絡官ポール・ヘンリーが監修を担当し、アナグマの摂食行動が残す咬痕の特徴について、法医学的観点から考証が行われたことが確認されている[2]。 
## ミッドサマー殺人事件シリーズの象徴的舞台 
キャロライン・グラハム原作『バッジャーズ・ドリフトの殺人』(1987年)は、ITVの人気ドラマ『Midsomer Murders』の原型となった作品である[5]。田園地帯の静かな村で起きた連続殺人事件を描く中で、現場近くの森に生息するアナグマの群れが重要な伏線として機能する。作中では、被害者の一人がアナグマの巣穴近くで発見されるシーンがあり、死体の損傷状態から自然死と他殺の鑑別が課題となる[5]。 特に注目すべきは、法医昆虫学者がアナグマの糞中から人間の組織片を検出する描写である。この科学的根拠に基づき、捜査官バーナビーが犯行時刻の特定に成功するプロセスは、当時の推理小説における先駆的な法科学描写として評価できる[5]。原作出版から30年を経て2022年に行われた特別復刻版の解説によれば、グラハムはオックスフォード大学の野生動物研究所と連携し、アナグマの摂食パターンに関する実証データを収集したことが明らかになっている[5]。 

つづく→下半身の麻痺が進むホンドタヌキがいざり歩き、死んだアナグマの骨をかじる【トレイルカメラ:暗視映像】


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