ラベル 屍肉食 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 屍肉食 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026/06/12

早春の池で煮干しをかじるトビケラの幼虫を一時捕獲(エグリトビケラ科?)

 



2026年4月上旬・午後12:15頃・晴れ 

山麓にあるヤマアカガエルRana ornativentris)の繁殖池を毎年早春に定点観察しています。 
この日は卵塊から孵化した幼生(オタマジャクシ)の群れが岸辺付近の浅い水中に蠢いていました。 
その様子を動画に撮り始めたら、後に登場するトビケラ幼虫が一緒にちらっと写っていました。(冒頭の赤丸○) 
しかしカモフラージュの効果抜群の蓑を身にまとっているため、このときの私はまだ気づいていません。 
オタマジャクシが動き回るので、水底のゴミが揺れているだけのように見えます。 

試しに餌として、煮干し(無塩タイプ)をヤマアカガエル幼生の群れの近くに投入してみました。(@0:36〜) 
水中に煮干しの匂い物質(ダシ)が拡散するまで、しばらく時間がかかります。 
予め煮干しの頭部を取り除き、背骨に沿って半分に裂いておくと(2枚おろしの状態)、煮干しの匂いが早く水中に拡散することが後に分かりました。
やがて、オタマジャクシが煮干しに群がり、ちびちびと食べ始めました。 
このとき煮干しの端に1匹のトビケラ幼虫が食いついていることに、動画を見て初めて気づきました。(赤い矢印⇩@1:09〜) 





しばらく経つと、蓑をかぶった(筒巣を背負った)トビケラの幼虫が新たにもう1匹合流し、同じ煮干しの別の部位を食べています。(赤い矢印⇦@1:46〜) 

三脚を使って動画を長撮りしていると、煮干しがオタマジャクシの集団につつかれて水中で移動してしまったので、私が煮干しを鉛筆でつついて画角の中央に戻してやりました。 
煮干しを動かしても、謎の異物はしっかり付着して離れません。 
ただの水底のゴミではあり得ません。 
現場の私もこれでようやくトビケラの幼虫だと確信できました。 
筒巣に入って身を守りつつ、その端の開口部から顔だけ外に出して、煮干しを食べているようです。 

1匹の筒巣の腹端に白っぽい粘液のような物質が付着していたのは、トビケラ幼虫が排泄した糞なのでしょうか?(右の個体@2:02〜)
巣材を筒巣に固定するために分泌した接着剤なのかと初め勘違いしたのですが、そのための絹糸は腹端ではなく口から吐くとPerplexity AIに教えてもらいました。
周囲のオタマジャクシは煮干しに夢中で、トビケラ幼虫の糞?を食べることはありませんでした。
謎の白い水溶性分泌物をちゃんと分析した訳ではないので、ヤマアカガエル卵塊のゼラチン質が分解された断片がたまたまトビケラ幼虫の筒巣に付着していただけかもしれません。

謎のトビケラ幼虫2匹をじっくり観察するために、煮干しと一緒に手掴みで池の外へ取り出してみました。(@3:40〜) 
今回は餌を池に投入しただけですが(給餌実験)、釣り糸を付ければ、煮干しでトビケラ幼虫が釣れることになります。
巣筒は円筒状で、採寸してみると長さは約25mmでした。 
トビケラ幼虫が持ち運んでいる筒巣は、水中の落ち葉や枯れた茎など植物質の欠片を丹念に寄せ集めて作られていました。 
枯草の細長い茎や落枝を巣材として使う際には、長さを切り揃えた上で、幼虫の体軸に対して直角の向きに並べてあります。 








1匹のトビケラ幼虫は採集時に煮干しを放してしまいましたが、近くに置いてあります。 
すると筒巣の端から上半身を乗り出して、煮干しを目指して這い始めました。 
おかげで、水中では見えなかったトビケラ幼虫の頭部や胸部(地味な焦茶色)、脚(薄い茶色)などを観察することが出来ました。 
もう片方のトビケラ幼虫は、煮干しにしっかり食いついたままです。 

蓑の巣材が濡れている限り、陸上でもトビケラ幼虫はエラ呼吸が可能です。 
一方、変態前のヤマアカガエル幼生は陸上で肺呼吸できないので、ピチピチと暴れています。 

トビケラ幼虫が2匹とも煮干しに食いついたので、小魚(カタクチイワシ?)の死骸を口器で齧る様子をじっくり接写することができました。 
途中で左の個体が筒巣ごとゴロンと転がり、2匹のトビケラ幼虫が横に並んでくれました。 
おそらく同種のトビケラだと思いますが、巣筒の長さはほぼ同じでした。 
少し体格差があるのは、栄養状態(それまでの摂食量)の違いでしょう。 

持ち帰って家の水槽で飼育し成虫が羽化すれば、私にもトビケラの種類が同定できるかもしれません。 
しかし、持ち帰る容器を何も持ってきませんでしたし、水槽の水温を低く保ち流水にするなどの飼育ノウハウが難しそうなので、水生生物に疎い私は諦めてしまいました。 
元の池に戻してやり、微速度撮影を続けました。 




【考察】 
私が煮干しを給餌する前に、自然状態のトビケラ幼虫は池の底で何を食べていたのでしょうか?

筒巣に入ったままの状態のトビケラ幼虫を同定できるでしょうか?
筒巣の形や巣材、生息環境などで種類をある程度まで絞り込めるのだそうです。
幼虫を蓑から取り出して裸にした状態で実体顕微鏡で精査すれば、検索表も用意されていました。

【ネット検索で見つけた参考文献】
・河川生物の絵解き検索@環境省2017年(PDF資料)
・京都府の水生昆虫(トビケラ)PDF資料

環境省の検索表2017を参照すると、エグリトビケラ科(Limnephilidae)が素人目には似ています。
大顎には明瞭な歯がある。
筒巣の材料や形は様々、中〜大型種が多い。
後胸の中央前方のキチン板は常にある。
などと記載されていました。

30年前の古い資料ですが、谷幸三『水生昆虫の観察: 安全できれいな水をめざして 』(1995年)という本にはトビケラ目の科の幼虫の検索表が細密画と共に載っていました。
素人には使いこなせない検索表は飛ばして、代表種が作る筒巣の細密画だけを眺めると、確かにエグリトビケラ科エグリトビケラNemotaulius admorsus)幼虫の筒巣が一番似ているものの、微妙に違います。

一方、ChatGPTに写真鑑定してもらうと(途中経過は割愛)、おそらくエグリトビケラ科(Lepidostomatidae)であり、候補としてエグリトビケラ属(Lepidostoma)の一種ではないかとの見解でした。
改めてエグリトビケラ科をネット検索すると、「An Artless Riverside ​川虫館」というサイトに幼虫と筒巣の見事な標本写真が掲載されていました。
エグリトビケラ科 Limnephilidaeキリバネトビケラ属Limnephilusの一種(トウヨウウスバキトビケラまたはその近縁種)の筒巣や生息環境などがそっくりでした。

来季はぜひトビケラ幼虫を採集して、飼育に挑戦してみたいものです。
私は「延長された表現型」として、虫の巣が大好物です。

【アフィリエイト】

ピンセットで蓑を脱がして裸の幼虫をじっくり観察してから、筒巣を作り直す過程を飼育下で微速度撮影してみたら、面白そうです。

関連記事(20年前の撮影)▶ 色紙の上で動き回る蓑虫

2026/06/06

早春の池で煮干しに群がって食べるトビケラの幼虫とヤマアカガエルの幼生【10倍速映像】

 

2026年4月上旬・午前11:55頃 〜 午後12:50頃・晴れ・気温19℃、水温16℃

山麓にあるヤマアカガエルRana ornativentris)の繁殖池で定点観察しています。 
池の浅瀬(浅水部)に煮干しを投入してみました。 
食品スーパーのダシ(乾物)売り場で、無塩タイプの煮干しを買ってきて、給餌実験に使いました。
餌の匂いが水中に拡散しやすいように、煮干しの頭部は取り除いてあります。 
初めは水面に浮かんでいた煮干しが、やがて水中に沈みました。
池畔に三脚を立てて、10倍速で微速度撮影(タイムラプス)してみました。 
他の被写体(水生動物)の観察も色々とやりながら、断続的に微速度撮影しました。 

すると早速、ヤマアカガエルの幼生(オタマジャクシ)が煮干しに続々と群がり始めました。 
煮干し(小魚の死骸)に食いつくと、ちびちびと齧っているようです。 

保護色のため初めは全く気づかなかったのですが、蓑虫(ミノムシ)のような水生生物も煮干しの匂いに誘引されていました。 
蓑を引きずりながら池の底を這って煮干しに近づき、オタマジャクシと並んで煮干しを食べ始めました。 

微速度撮影の合間に一旦オタマジャクシの群れを追い払い、煮干しの位置がカメラの画角に収まるよう調節しました。 

このとき、何か異物が2つ煮干しに付着していることに気づきました。
鉛筆を使って煮干しを水中で動かしても、しっかり食いついていて離れません。
2匹の蓑をかぶったトビケラ類の幼虫(種名不詳)が、煮干しに食いついたのです。 
トビケラ幼虫の隠れ家を筒巣とうそうと呼ぶそうです。
ヤマアカガエルの幼生(オタマジャクシ)が乱暴にぶつかっても、トビケラ幼虫は餌の煮干しにしっかりしがみついています。 
死肉食性のトビケラ幼虫がいるなんて全く知らなかった私は、意外な発見にとても興奮しました。 
筒巣の上端部から外に乗り出した頭部や脚の動きがときどき見えます。

後半は、1匹のトビケラ幼虫を煮干しから少し引き離してみました。(@1:17〜) 
左のトビケラ幼虫Lは、近くの煮干しにすぐ食いつきました。 
一方、右の個体Rは餌に辿り着くまで苦労しています。 
池の底(岸辺の浅水部)で方向転換したくても、水底のちょっとした障害物に筒巣(蓑)が引っかかってしまい、自由に動けないのです。 
スイッチバックのように何度も方向転換して、ようやく(10分以上もかけて)煮干しに到達できました。 
トビケラ幼虫は池の底をランダムウォークしてたまたま煮干しという餌に辿り着いたのではなく、明らかに煮干しの匂いに誘引されて定位していることが、これで明らかになりました。 

トビケラの種類や生態について私は全く疎いのですが、AIの画像認識でカクツツトビケラ科(Lepidostomatidae)Limnephilus属(エグリトビケラ属)の一種だろうと教えてもらいました。 
その後の再検討で、エグリトビケラ科の一種としておきます。

煮干しを給餌実験した直後にその地点の温度を測ると、気温19℃、水温16℃でした。
沢から山の雪解け水が流れ込んでいるのに、意外と水温が高かったです。
岸辺の浅い水深だったので、日光で水温が上がりやすいようです。

余談ですが、煮干しの左のデトリタス(泥)の下からヤゴ(トンボの幼虫)が這い出て来ました。 (赤矢印@1:58〜)
白っぽい体色で、寸詰まりの体型です。 
不勉強な私にはヤゴの種類がさっぱり分かりません。 
もし映像から見分けられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。 
謎のヤゴは煮干しには興味がなく、少し右に移動してからデトリタスに再び潜り込んで隠れ、しばらくすると左に立ち去りました。 
煮干しに群がる生き物たちの喧騒を嫌ったのですかね? 
ヤゴは生き餌しか捕食しないので、煮干しという死肉に興味を示さないのも当然です。 

他には、アメンボがときどき水面を画面を滑るように横切りました。 
アメンボも水中の煮干しには興味がありません。 
そもそもアメンボは生きた餌物しか吸汁しませんし、水中に沈んだ餌を認識できないでしょう。 

実は、この池には越冬明けのクロゲンゴロウCybister brevis)成虫も生息しています。 
煮干しを給餌したらゲンゴロウ類が食べると本で読んだので今回試してみたら、なぜかクロゲンゴロウ成虫は全く餌に誘引されませんでした。 
越冬後しばらくは食欲が戻らないようです。 
本来の目的ではありませんでしたが、フィールドで給餌実験をやってみると何かしら予想外の面白い発見があるのが、自然観察の醍醐味です。 
池の水質を汚さないように、食べ残しが出ない程度の少しだけ給餌しましょう。
後日、クロゲンゴロウが煮干しを食べる様子を同じ池で観察できました。(映像公開予定) 




【考察】
トビケラ幼虫の生態について私は全く疎いので、ChatGPTを相手にブレインストーミングしてみました。

Q1: フィールド(池の底)で活動するトビケラ幼虫を微速度撮影できた。蓑の巣材が障害物に引っかかって、蓑を引きずりながら移動するのが大変そうでした。ちょっとした障害物のせいで、餌の煮干しに定位するのも苦労していました。

A1: 結論から言うと、見えている挙動は トビケラ幼虫にとって本質的なトレードオフそのものです。

■「動きにくさ」は異常ではなく仕様

トビケラ の幼虫にとって巣筒は

  • 防御装備(捕食回避)

  • 体の支持構造

  • 呼吸環境の維持

という利点がありますが、その代償として


機動力が著しく制限される


■引っかかる理由(力学的に)

観察された現象はかなり理にかなっています。

①表面の粗さ

  • 砂粒・小枝などの突起
    → 摩擦係数が高い

②形状の問題

  • 円筒でも完全な滑らかではない

  • 端部(前縁・後縁)が引っかかりやすい

③重さ

  • ケースが重いほど慣性が増す


■自然環境ではどうか

重要なのはここで、

あなたが見た「苦労している状態」は


自然でも普通に起きている可能性が高い

です。

ただしフィールドでは

  • 微妙な水流がある

  • 底質が均一でないが“流動性”がある

  • 有機物マットが柔らかい


わずかに動きやすくなる条件がある


■餌への定位が難しい理由

煮干しに向かうのに苦労していた点も重要です。

トビケラ幼虫は

  • 視覚よりも化学感覚(匂い)+接触
    で餌を探すため

起きていること:

  • 方向はなんとなく分かる

  • しかし直進できない(ケースが引っかかる)

  • 微調整が効かない


“分かっているのに行けない”状態


■行動戦略としての割り切り

トビケラはそもそも

  • 長距離を積極的に移動する動物ではない

  • 「その場で食べられるものを食べる」戦略

です。

つまり

  • 餌に向かって一直線に行く能力は低い

  • 環境のほうが流れてくる/接触する前提


■面白い観察ポイント(今後)

今回の映像からさらに読み取れる可能性があります:

・障害物に当たったときの挙動

  • 後退するか?

  • 回転するか?

  • こじ開けるか?

→ 種によって癖が出る


・ケースの向きと動き

  • 頭部だけ動かして方向探査

  • ケース全体を回転させる頻度


・「諦め」のタイミング

  • 一定時間で探索をやめるか

  • 同じ方向に固執するか


■あなたの観察の価値

この種の

  • 「不器用さ」

  • 「環境に対する制約」

は、実は野外では見えにくい重要な側面です。

特に

  • 微速度撮影での連続挙動

  • 障害物との相互作用


行動の“コスト”を可視化している

点でかなり貴重です。


■まとめ

  • ケースは防御と引き換えに機動力を犠牲にしている

  • 引っかかりは構造的に不可避

  • 餌定位の不器用さも本来の性質

  • 「分かっているのに行けない」は正常な挙動


もし映像をさらに解析するなら、
**「1cm進むのに何秒かかるか」「方向転換の頻度」**などを定量化すると、かなり面白いデータになります。


Q2: 水底で暮らすトビケラ幼虫は、水面や水中に餌があっても利用できませんよね? つまり、トビケラ幼虫は自由に泳ぎ回れませんよね? 初めは水面に浮いていた煮干しが水底に沈んだら、トビケラ幼虫が2匹、食べに来ました。

A2: 結論としては、

多くのトビケラ幼虫は「自由に泳ぎ回って餌を取りに行くタイプではない」が、完全に利用できないわけでもなく、条件次第で水中の餌にも到達できます。


■基本:移動様式の制約

トビケラ のうち、あなたが観察しているような

  • ケース(巣筒)を背負うタイプ

  • 基本は歩行(底面移動)

  • 体を伸縮させて這う


遊泳能力はほぼない(あっても非常に限定的)


■では水中の餌はどう利用するか

①「沈んできたもの」を利用する

今回の観察がまさにこれです。

  • 水面 → 沈降 → 水底に到達

  • そこで初めて接触可能になる


“待ち”の戦略


②接触ベースの採餌

  • 匂いで方向はある程度わかる

  • しかし最終的には接触が必要


水底にないものは基本的に利用できない


③短距離の位置調整は可能

完全に動けないわけではなく

  • 数cm〜数十cm程度は移動

  • 障害物がなければある程度は到達

ただし


「目標に向かって一直線に泳ぐ」ことはできない


■例外:泳げるタイプもいる

トビケラ全体で見ると

  • ケースを持たない種(自由生活型)

  • 軽いケースで浮きやすい種

では

  • 体をくねらせて遊泳する種もいる

ただし一般的には


主流ではない


■なぜこの戦略で成立するのか

水底環境では

  • 落ち葉・デトリタスが常に供給される

  • 有機物が沈降してくる

  • 微生物が付着して栄養価が上がる


「動かなくても餌が来る」環境


■あなたの観察の意味

煮干しが沈んだら2匹が食べに来た

これは

  • 匂いを感知して定位した

  • ただし水底に来るまで待つしかなかった

という典型例です。

しかも

  • 複数個体が集まる


化学シグナルへの反応がそれなりに強い


■重要なポイント

あなたの疑問を整理すると:

水面や水中の餌は利用できないのか?


水底に来ない限り、ほぼ利用できない(特にケース持ち種)


■まとめ

  • ケースを持つトビケラ幼虫は基本的に遊泳しない

  • 餌は「沈んでくるもの」を利用

  • 匂いで定位はできるが移動能力に制約あり

  • 水底に到達すれば複数個体が集まることもある


この観察をさらに発展させるなら、
餌の沈降速度や配置を変えて「到達率」や「到達時間」を比較すると、行動の制約がかなりはっきり見えてくると思います。


Q3: その池は、山麓を流れる沢が一時的に幅広くなって貯まっていました。沢の水が常にちょろちょろと流入し、反対側からちょろちょろと流れ出る構造でした。ワンドというか、流れが淀んだ浅い水底にトビケラ幼虫はいました。ガマなどの抽水植物が夏には繁茂しています。このようなトビケラ幼虫の生息環境は、池とは呼ばず、渓流と呼ぶべきか?

A3: 結論として、その環境は

**「渓流の一部に形成された止水的(緩流)マイクロハビタット」**と考えるのがいちばん実態に合っています。
したがって名称としては

  • 大枠:渓流(沢)

  • 局所:ワンド状の緩流域/淀み

という二層で捉えるのが適切です。


■なぜ「池」ではないのか

いわゆる池(静水域)は

  • 外部からの流入・流出が弱い/ない

  • 水の滞留時間が長い

  • 水塊として独立性が高い

一方、あなたの場所は

  • 上流から連続的に水が供給される

  • 下流へ抜けていく

  • 系としては流路に属している


独立した水域ではない


■なぜ「渓流」だけでは不十分か

ただし典型的な渓流(riffleなど)は

  • 流速が速い

  • 底質が粗い(礫・砂利)

しかし観察環境は

  • 流れが弱い

  • 落ち葉が堆積

  • 抽水植物が繁茂


明らかに「止水寄り」の条件


■適切な言い方(現場感のある表現)

実際の生態学的な言い方としては:

  • 渓流のワンド(側湾)

  • 流路内のバックウォーター

  • 緩流域(slow-flowing margin)

  • 淀み(pool margin / slack water)

あたりがしっくり来ます。


■トビケラ幼虫との対応

トビケラ の中でも

  • 強流を好む種

  • 緩流・止水寄りを好む種

が分かれます。

あなたの場所は

  • デトリタス(落ち葉)が豊富

  • 流れが弱い

  • 隠れ場所が多い


緩流・堆積物利用型のトビケラに適した環境


■むしろ重要なのは「連続性」

この環境の本質は

  • 完全な止水ではない

  • しかし流速が局所的に低下している


「流れの中の止まりどころ」

です。

このタイプの環境は

  • 有機物が集まりやすい

  • 小動物の密度が高くなる

ため、生態的にかなり重要です。


■まとめ

  • 全体としては「渓流系」に属する

  • 局所的には「ワンド状の緩流域」

  • 池ではなく「流れの一部」

  • トビケラ幼虫にとっては好適なデトリタス環境




Q4: トビケラ幼虫は巣筒の中でどのように呼吸しているのか? 完全に密閉した袋を作るのではなく、ある程度は隙間を作って水流がないと、鰓から(?)酸素を取り込めないはずです。

A4: 結論から言うと、

トビケラ幼虫の巣筒は「完全密閉」ではなく、意図的に水が通る構造になっており、幼虫自身が水流を作って呼吸しています。


基本:呼吸の仕組み

トビケラ の幼虫は

  • 体側や腹部にある鰓(気管鰓)

  • 体表からのガス交換

で酸素を取り込みます。

ただし重要なのは
水が流れていないと酸素供給が不足するという点です。


巣筒はなぜ密閉されないのか

巣筒は

  • 砂粒

  • 小石

  • 枯葉片

などを糸で固めて作られますが、

  • 材料同士の間に微細な隙間がある

  • 完全に水を遮断しない


常に水が出入りできる構造


水流の作り方(ここが核心)

多くの種では、幼虫は

■腹部の運動でポンプのように水を流す

  • 体を周期的に動かす

  • 巣の中に水を引き込み、後方へ押し出す


巣筒内部に一方向の流れを作る


巣の形にも意味がある

種類によっては

  • 前方が広く、後方がやや狭い

  • 円筒形で直線的

といった形をしていて、


水が通りやすい「パイプ構造」


隙間+ポンプの組み合わせ

呼吸は次の2つで成立します:

  1. 巣材の隙間 → 水が出入りできる

  2. 幼虫の運動 → 水を強制的に流す

この結果:

  • 新鮮な水が常に供給される

  • 鰓で効率よく酸素交換できる


流れが止まるとどうなるか

もし

  • 巣が泥で詰まる

  • 水流が極端に弱い


酸欠状態になりやすい

実際に

  • 流れのある環境を好む種が多い

  • 停滞水では活動が鈍ることがある


落ち葉下での生活との関係

あなたの想定しているように、

  • 落ち葉の下

  • 堆積物の中

にいる場合でも

  • 完全な無流ではなく「微弱な間隙流」がある

  • 自分で水を動かして補う


“止水に見えて実はわずかに流れている環境”+自力ポンプ

で成立しています。


まとめ

  • 巣筒は密閉ではなく「水を通す構造」

  • 幼虫は腹部運動で水流を作る

  • 鰓で酸素を取り込むには流れが必須

  • 巣の形自体も流れを助ける設計


この視点で微速度撮影を考えると、
「体の微妙な伸縮運動(ポンピング)」に注目すると、呼吸の痕跡が見える可能性があります。

外からは動いていないように見えても、
実際にはかなり規則的に水を動かしています。


【アフィリエイト】 

2025/12/22

アリの好き嫌い:ヒミズの死骸を避けコオロギの死骸に群がるアリの謎

 

2024年9月上旬・午前10:50頃および午後15:20頃・晴れ 

平地の田んぼと線路に挟まれた農道(砂利道)でヒミズUrotrichus talpoides)の新鮮な死骸を発見。 
仰向けにひっくり返って死んでいました。 
アズマモグラなら、穴掘り用の前脚がもっと筋骨隆々としているはずです。 
口から白い歯が覗いて見えます。 
腹面を見ても、外性器がどこにあるのか分からず、性別不明です。 
素人目には目立った外傷はなく、死因は不明です。 
痩せているようには見えませんが、ミミズが取れずに餓死したのでしょうか? 
水田に散布した農薬が生物濃縮されて中毒死した可能性なども疑ってしまいます。 

死後間もないようで、腐臭などはしませんでした。 
まだハエも来ていません。 
裏表の写真だけ撮って通り過ぎました。

 

4時間半後に現場へ戻ってくると、ヒミズの死骸はそのまま放置されていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を持ち去らないのが不思議です。 

その代わり、微小なクロアリ(種名不詳)が集まっていました。 
砂利道を往来する自転車に踏まれたのか、それとも死骸の腐敗が進んだのか、死んだヒミズの肛門から体液が滲み出しています。 
それを目当てにアリが誘引されたのかと思いきや、よく見るとエンマコオロギ♀(Teleogryllus emma)の死骸に群がっていることが分かりました。 
コオロギの腹端に先割れした産卵管があるので、♀と分かります。 
ヒミズの死骸にアリは決して登ろうとしないのが、興味深く思いました。






【考察】 
午前中に見たときにはコオロギの死骸はありませんでした(気づかなかった)。 
ヒミズの死骸に誘引されたエンマコオロギ♀が、アリの群れに襲われたのでしょうか? 
いつものように、Perplexity AIに相談してみましょう。 

Q: コオロギが小動物(ネズミやモグラなど)の死骸を食べに来ることはあるか?

一般的な行動としては、コオロギがネズミやモグラなどの死骸を積極的に食べに来ることは稀と考えた方が妥当です。

コオロギの基本的な食性

多くのコオロギ類は雑食~腐食性ですが、主体は以下のような餌です。

  • 枯葉・朽木・落ちた草本などの植物質

  • 他の昆虫の死骸や、脱皮殻、糞など動物性だが「小片」の有機物

この「動物質」には、すでに砕けている虫の死骸などは含まれますが、ネズミやモグラのような「毛の生えた脊椎動物の死骸を積極的に齧る」行動は、少なくとも典型例ではありません。

小型脊椎動物の死骸とコオロギ

とはいえ、条件によっては次のようなことはあり得ます。

  • 死骸の表面にうっすら付いた体液・軟部組織を舐める・ついばむ程度の利用

  • すでにアリやハエが分解を進め、筋肉が露出し柔らかくなっている部分をつまむ

ただし、こうした行動は「死骸にコオロギが群がる」というレベルには通常ならず、アリ・ハエ・ダニなど専業スカベンジャーの周辺に便乗的に現れる程度と思っておくのが安全です。

ヒミズやモグラの場合に特に起こりにくい理由

質問の文脈に沿うと、ヒミズやモグラなど食虫性哺乳類の死骸は、

  • 強い体臭・分泌物のために、哺乳類・鳥類のスカベンジャーですら敬遠されやすい

  • 昆虫側にも嗜好性が低い可能性が高く、昆虫スカベンジャーの「人気死骸」ではない

そのため、「コオロギがわざわざ食べに来る」状況は、ネズミや鳥の死骸に比べてもさらに起こりにくいと考えられます。

実務的なまとめ

  • コオロギは雑食で、小さな動物片(昆虫の死骸など)は普通に食べる。

  • しかし、ネズミ・モグラのような小型哺乳類の死骸に群がるほど積極的なスカベンジャーではない。

  • 特にヒミズ・モグラの死骸については、嗅覚的な要因から「コオロギが好んで利用する餌」とは考えにくい。

したがって、「理論的にはごく一部を齧ることはあり得るが、現場で観察されるような行動としてはかなり例外的」というイメージが近いと思われます。


アリがヒミズの死骸を明らかに避けてコオロギの死骸に群がっていたことについて、Perplexity AIの見解は、

ヒミズ(ミズラモグラ)の死骸にスカベンジャーが付きにくいという印象は、必ずしも気のせいとは言い切れませんが、「忌避物質がある」とまでは現時点では証明されていません。hp-ez

ヒミズに既知の「毒」「忌避物質」はあるか

ヒミズ(Urotrichus talpoides)はモグラ科で、日本の土壌性小型哺乳類としてよく研究されていますが、生体・死体の皮膚分泌物に関して「捕食者やスカベンジャーを明確に忌避させる毒物質」を示した報告は見当たりません。wildlife+1
一方で、モグラ類は肉食性・高代謝で体臭が強く、体表や肛門周辺分泌物の匂いがきついことが指摘されており、これが少なくとも鳥類などの一部捕食者には不人気な餌になっている可能性があります(ただし定量的な哺乳類・鳥類の選好実験はほぼありません)。hp-ez

なぜスカベンジャーが付きにくく見えるか

ヒミズの死骸は多くが地表近くの土中トンネルや草かぶりの場所で見つかり、開けた場所の死骸に比べて「ハエなどが群がる典型的な死体」の見た目になりにくいと考えられます。hp-ez
また、細長く小型(体重十数グラム規模)の死骸は、アリ・ハエ幼虫・ダニなどの小型スカベンジャーが内部から分解してしまい、外見上「虫が群がっている」状態にならずに短時間で崩れていくこともあり得ます(小型脊椎動物の死骸分解では一般的なパターン)。vliz

カラスなど鳥が食べない理由の可能性

カラス類は雑食ですが、餌としての「経験と学習」による選び方が強く、普段ほとんど遭遇しないタイプの獣の死骸は匂いや質感で回避されやすいことが知られています。jstage.jst
モグラ類は主に地下で生活し、カラスが日常的に捕食・スカベンジング対象としている哺乳類(ネズミ類、ロードキルのタヌキ・キツネなど)と比べて遭遇頻度が低いため、「見慣れない臭くて細い獣」というカテゴリとして学習的に避けられていても不思議はありません。hp-ez

「化学防御動物」との比較から言えること

両生類や昆虫、ダンゴムシなどでは、皮膚・体表分泌物に明確な防御成分をもち、捕食者が実験的に強く忌避する例が多数知られています(カメムシ臭成分や有毒カエルの皮膚毒、ダンゴムシのキノリン誘導体など)。pmc.ncbi.nlm.nih+1
しかし、モグラ科やヒミズについてはそういった「化学防御物質」を同定した研究はほとんどなく、現時点では「明確な毒・忌避物質があるから誰も食べない」とまでは言えない段階です。wildlife+1

まとめとしての解釈

  • ヒミズに両生類や一部昆虫のような明確な毒分泌物が存在するという証拠はない。少なくとも日本語・英語の公開文献では報告されていない。wildlife+1

  • ただし、モグラ類特有の強い体臭や脂肪酸・分泌物が、鳥や哺乳類の一部には嗜好性の低い餌として働いている可能性はあり、ユーザーの「誰も食べない」という印象と矛盾はしない。これは、学習と嗜好の組み合わせで説明できる範囲にある。jstage.jst+1

  • 小型で地下性の哺乳類の死骸は、目立つ「ハエ塊」にはなりにくく、アリや微小スカベンジャーに内部から処理されることで、外見上「虫が集まっていない」ように見えるケースも多いと考えられる。vliz

したがって、「完全な気のせい」と切り捨てるよりは、「ヒミズ特有の匂い・生活場所・サイズの組み合わせが、スカベンジャーの見え方と選好を変えているが、毒・忌避物質として化学的に証明されたものはまだない」というのが現状の知見に近いと言えると思われます。wildlife+1


Q: ヒミズに特有の匂いとやらを私はまだ感じた記憶がありません。 


A: ヒミズやモグラの死骸が人間の嗅覚で無臭に感じられるのは一般的で、激しく腐乱する前の段階では強い腐敗臭が発生しにくい特性があります。omnh+1

モグラ類の体臭と人間の感覚差

モグラ科動物(ヒミズを含む)は皮膚腺や肛門腺から分泌される物質により独特の臭いを持ち、これが生体では捕食者(キツネなど)に敬遠される要因とされていますが、人間には微弱または無臭として検知されにくい場合が多いです。hiroshima-bot+1
この臭いは主に脂肪酸やタンパク質由来の揮発性化合物で、動物の嗅覚では強い忌避効果を発揮する一方、人間の鼻では土臭や無臭に近いニュアンスとして感じられることが観察されています。hp-ez+1

スカベンジャーへの影響

死骸段階でもこの分泌物が残存し、キツネやカラスなどのスカベンジャーが食べずに放置するパターンが報告されており、ネズミ類の死骸が速やかに消費されるのに対し、モグラ・ヒミズ死骸は残存しやすいです。naturelog.main+2
小型で地下由来の死骸は腐敗初期にハエなどが付きにくく、内部から微小分解が進むため、外見上無臭・無虫に見えやすい構造的要因も加わります。omnh

ユーザーの野外観察経験(山形近辺のトレイルカメラ使用)と一致する形で、モグラ類の死骸は人間目線で「無臭・スカベンジャー不人気」として残りやすいですが、これは化学防御的な分泌物の影響が主で、気のせいではありません。omnh


ヒミズが分泌する忌避物質の正体を化学的に同定できれば、アリ避けの忌避剤として応用できるかもしれません。 

(ヒミズは)体に独特のニオイがあるからか、捕食者にハンティングされても食べられないで放置されることが多いようだ。(p97より引用)
と書いてあります。

自分でも忘れかけていたのですが、当ブログを検索すると「ヒミズの死骸に集まるアリ」の事例を過去に何度も観察していました。

関連記事(4、6年前の撮影)▶ 

ヨツボシモンシデムシなど他の腐肉食性昆虫も、死んだヒミズに来ていました。

関連記事(6、16年前の撮影)▶ 

したがって、ヒミズの死骸はスカベンジャーに人気がないとは言い切れません。
ヒミズの体毛に虫除け物質が塗布してある(分泌している)のでは?という私の妄想も先走り過ぎということになります。

今回のアリがヒミズの死骸を避けてコオロギの死骸に群がっていたことが不思議でした。
2種類の死骸が並んでいるのを見つけたアリが選択を迫られたら、解体して巣に持ち帰りやすいコオロギの死骸を優先するのは当然かもしれません。
あるいは、もしかすると、アリの種類によって餌の嗜好性に違いがあるのかもしれません。
今回私は問題の微小アリをマクロレンズで接写し忘れたので、種類を同定できませんでした。
体色は黒というよりも、少し赤っぽいですね。
こんな映像でもアリの種類を見分けられる人がいらっしゃいましたら、教えて下さい。


今回はヒミズの死骸を拾って持ち帰り、解剖したり骨格標本を作ったりする余力はありませんでした。
タヌキなどが通る獣道にヒミズの死骸を置き直してトレイルカメラで見張り、タヌキが食べるかどうか給餌実験してみるのも面白そうです。 


【アフィリエイト】 

2025/11/24

ニホンアナグマの巣穴からホンドタヌキが持ち去った謎の死骸【トレイルカメラ】

 



2024年9月上旬 

シーン1:9/6・午前7:09・晴れ・気温20℃(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が朝から来ていました。 
2頭も若々しい(色が濃い)毛並みなので、当歳仔の幼獣ではないかと思います。 
1頭はアナグマの巣口Rを点検し、もう1頭は別の巣穴Lに侵入しました。 
どうやらアナグマの家族は留守のようです。 


シーン2:9/6・午前7:10・晴れ・気温20℃(@1:00〜) 
アナグマの巣穴Lから外に出てきたばかりのタヌキが口に何か獲物を咥えていました。 
ズタボロの毛皮で、どうやら動物の古い死骸のようです。 
仲間(幼獣の兄弟姉妹)に獲物を奪われないように、左へ走って持ち去りました。 
もう1頭のタヌキも走って追いかけ、獲物の争奪戦になりました。 

これは大事件なので、1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:07〜) 
出巣Lの瞬間を撮り損ねたのが残念無念…。 


シーン3:9/6・午前7:10・晴れ(@1:22〜) 
別アングルで設置した監視カメラにも写っていました。 
動物の死骸を口に咥えたタヌキが意気揚々と右へ走り去り、もう1頭も走って追いかけます。 

死骸を持ち去るシーンを、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:31〜) 
獲物の正体を見定めたくて、1.5倍に拡大した上で、もう一度スローモーションのりプレイ。(@1:49〜) 


シーン4:9/6・午前7:14・晴れ・気温20℃(@2:21〜) 
約4分後に、単独のタヌキが現れました。 
さっきのタヌキの片方が戻ってきたのか、それとも3頭目の幼獣が遅れてセットに来たのか、私には見分けがつきません。 

アナグマの巣口Lを恐る恐る覗き込んで匂いを嗅いだものの、中には侵入しないで左へ立ち去りました。 


【考察】
とても重大な衝撃映像が撮れました。

今回、巣穴Lに侵入したタヌキが、奥に籠城していたアナグマの幼獣を殺して捕食したのではありません。
獲物はもはや動物の原型を留めておらず、殺したばかりの新鮮な獲物には見えないからです。 
ぺしゃんこで、ただの汚らしい毛皮の塊のようです。 

この死骸の正体は、タヌキかアナグマだと思われます。
まずアナグマの可能性を考えます。
おそらく、どこかで死亡したと推測されます。
最近アナグマ家族がセット(営巣地)に近寄らなくなったのは、巣穴Lの奥で幼獣が死んで死骸の腐敗が進み、衛生環境が耐え難くなったからなのでしょうか? 
アナグマの家族が巣内で死骸を埋葬したのかもしれません。
だとすると、今回のタヌキは不届きな墓荒らしということになります。
昼間に巣口Lで飛び回っていたハエ類は、てっきりキイロコウカアブだと思っていたのに、不吉な意味合いを帯びてきます。 



次に、死骸がタヌキである可能性を考えます。
今季アナグマ♀がこの営巣地で出産しなかったのは、中で「いざりタヌキ」が死んだ事故物件だからだと思っていました。
しかし巣穴Lを発掘しない限り、死骸の有無を私には確かめようがありませんでした。
発掘調査で巣穴を壊されたアナグマは、もう二度と寄り付かなくなりそうだと判断した私は、手をこまねいて定点観察を愚直に続けるしかありませんでした。

雑食性のタヌキは、動物の死骸もよく食べるスカベンジャーです。
今回タヌキの幼獣が持ち去った死骸が同種のタヌキだとすると、共食いということになります。 
アナグマの巣穴Lにタヌキを初めとする様々な野生動物が入れ代わり立ち代わり侵入していたのは、中で死肉を少しずつ食べていたのかもしれません。
あるいは、巣内の死骸に群がる虫を捕食していた可能性もあります。

塚田英晴『野生動物学者が教えるキツネのせかい』によれば、
共食いを避ける傾向は、多くの動物で確認されており、この背景には、なかまの死体を通して寄生虫などの病気にかかることを防ぐためだと考えられています。(中略)キツネと同じイヌ科のタヌキは、雪の下のタヌキの死体をかなり頻繁に共食いすることが確認されています。野生の世界では、なかまの死体であっても貴重なエサとなるようです。 (Kindle版40%より引用)

大崎遥花『ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う』という本を読んでいたら、面白い記述がありました。
・シロアリ、アリをはじめとした社会性昆虫では「社会性免疫」と呼ばれる、コロニーの衛生管理に関わる行動がいくつか知られている 
・死体を巣の外に運び出したり、埋めたりする行動が報告されている。 
穴居性の哺乳類でも、同様の社会性免疫の行動があっても不思議ではありません。




【アフィリエイト】 

2025/10/29

シュレーゲルアオガエルの死骸に群がるオオヒラタシデムシとクロオオアリ

2024年7月上旬・午後・くもり 

山麓の農村部で道端にカエルの死骸を見つけました。 
舗装路を横断中に車に踏み潰されたロードキル(轢死体)のようで、無残な状態でした。 
よく見ると、シュレーゲルアオガエルRhacophorus schlegelii)のようです。 

死骸を食べる掃除屋(スカベンジャー)としては、オオヒラタシデムシNecrophila japonica)が1匹と、クロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀が2〜3匹集まっていました。

急ぐ用事があったので、動画を撮らずにスナップショット写真だけで済ませました。

2025/10/28

ニホンイタチの死骸:2024年

2024年8月上下旬 

溜池の横を通る農道脇の草むらにニホンイタチMustela itatsi)の死骸が転がっていました。 
夏の炎天下に放置されて強い腐臭がするものの、半ば干からびた状態です。 
ホンドテンに比べるとかなり小さいです。

尻尾の先にニクバエ
尻尾の先にニクバエ
15cm定規を並べて採寸

車にはねられたロードキルなのでしょうか?
素人目には目立った外傷や出血などは認められません。
死んだイタチの尻尾の先にニクバエの一種が1匹だけ留まっていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を食べたり持ち去ったりしなかったのが不思議です。

ニホンイタチの死骸をビニール袋に入れて、一度は持ち帰りました。
ところが忙しさにかまけて、死骸を解剖して性別や死因、胃内容物などを調べる余力がありませんでした。 
5日後に裏面の写真だけ撮って捨てました。
地面に横たわっていた右面は腐敗(生物分解)が早く進行し、肋骨や頭骨(頭蓋骨)が露出していました。
足の裏が黒くない点が、テンとの識別ポイントです。

15cm定規を並べて撮る






関連記事(2、7年前の撮影)▶  



【アフィリエイト】

ランダムに記事を読む