2011/02/05

スッポンタケ@アカマツ倒木




2010年11月中旬

赤松の倒木から白いキノコが生えていました。
おそらくスッポンタケPhallus impudicusだと思います。
柄が横向きに生え、傘は下を向いています。
傘は元々は黒かったのだろうか。
現場では特に何も悪臭は感じませんでした。
気温が低いせいか、ハエも集まっていません。
根元に粘液が垂れています。
動画を撮りながら採寸代わりに右手をキノコの横に写し込もうとしたら目測を誤り、うっかり折ってしまいました。


いつか微速度撮影でキノコの成長過程を記録してみたいものです。
ハエとの共生関係にも興味があります。


【参考映像】
NHKクリエイティブ・ライブラリーより
「スッポンタケ においでハエを誘う



マダラスジハエトリ♀(蜘蛛)



2009年4月下旬

林道横の看板で見つけました。
体長10mm。
捕獲して腹面に外雌器を確認できたので、マダラスジハエトリPlexippoides annulipedis)の♀成体と判明。
本種はハエトリグモの仲間でよくあるように、成熟すると雌雄で斑紋が全く異なります(性的二型)。
前年は♂を見つけて、今年は♀と出会えました。

キアゲハ春型の休日






2009年4月下旬

田んぼの畦道で見つけた一頭のキアゲハPapilio machaon)を追いかけて撮りました。
茂みで休んだり移動して日光浴したり。
後半は太陽を背にして接近するはめになりました。
撮影後、蝶の顔に私の影が落ちると案の定、驚いて飛び去ってしまいました。

アリジゴクにワラジムシを与えてみる



2009年4月下旬

神社の床下に今年もアリジゴクの巣(ウスバカゲロウの仲間の幼虫)が出来ていました。
小さ目のワラジムシPorcellio scaber)を巣穴に投入し、観察してみます。

オカダンゴムシ♂♀の飼育



2009年4月下旬

今まで♀だけでしたが、最近ようやく♂を一匹見つけたので飼育容器に追加しました。
オカダンゴムシArmadillidium vulgare)は背側の模様の有無および腹側後部中央の突起の有無によって雌雄を見分けます。


餌は落ち葉と野菜屑がメイン。
共食いを避けるために煮干も入れてやりました。
霧吹きして水気を与えます。
ワラジムシも一緒に入れています。



コブハサミムシ♂ルイス型



2009年4月下旬

山で見つけたハサミムシを採集して持ち帰りました。
調べてみるとコブハサミムシAnechura harmandi)の♂で、多型を示す鋏の形状がルイス型と呼ばれる個体らしい。
本種♀は産卵後にとても興味深い育児行動を示すそうなので、いつか観察してみたいものです。
飼育の練習をしてみるつもりでしたが、結局は数日後に逃がしました。
動画に映っている乾燥小魚は餌です。
立ち止まって脱糞するシーンも、ピンぼけながら偶然撮れていました。(@1:55)

ネコハエトリ♂(蜘蛛)のうんち



2009年4月下旬

家で飼っている雄のチビ黒猫(ネコハエトリCarrhotus xanthogramma)がカメラの前で粗相をしました。(@1:10)

ミールワームを食すイオウイロハシリグモ(蜘蛛)



2009年4月下旬

イオウイロハシリグモDolomedes sulfueus)の幼体を育てています(後に♀と判明)。
生餌を毎日捕ってきてやるのは大変なので、ペットショップで買ってきたミールワームを食べてくれるのは助かります。
今回も獲物を咥えながらその場でグルグル回り、糸を周りに張り巡らせる謎の行動を示しました。
ほとんど食べ終わった状態で行ったので(@8:06)、果たしてラッピング行動なのか疑問です。
足元が滑り易い容器(イチゴのパック)で飼っているので不自然な行動を見ているのかもしれません。(@2:05 体の向きを変えただけ。)


ヒメギフチョウの日向ぼっこ



2009年4月下旬

この日は何頭もヒメギフチョウLuehdorfia puziloi)と会えました。
せっかく気持ち良さそうに日光浴しているのに、アリが体に這い登るのを嫌って飛び立つシーンがよく見られました。

クロマルハナバチ女王の日光浴



2009年4月下旬

林床の落ち葉の上をウロウロしていたので、越冬明けの女王蜂が営巣地を探しているのかと思って見守りました。
ところがそのまま蜂はうずくまってのんびり日向ぼっこを始めました。
たぶんクロマルハナバチBombus ignitus)だと思います。
充分に体が温まったのでしょう。
急に飛び立って活動開始しました。
マルハナバチのコロニーを未だ野外で見つけたことがないので気にして見るようにしているのですけど、この時期に飛び回っている女王蜂の後を追ってもすぐに見失ってしまいます。

片栗の花とヒメギフチョウ



2009年4月下旬

ヒメギフチョウLuehdorfia puziloi)が蜜を吸いにカタクリの花に来ていました。
いかにも春らしく、絵になりますね。

水を飲むイオウイロハシリグモ(蜘蛛)幼体



2009年4月下旬

イオウイロハシリグモDolomedes sulfueus)の飼育容器に霧吹きすると、身を屈めて水滴を舐めます。
なんか可愛い♪



イオウイロハシリグモ(蜘蛛)幼体の身繕い



2009年4月下旬

飼育中のイオウイロハシリグモDolomedes sulfueus)幼体。
触肢と歩脚を使って牙を掃除しているのでしょうか。

2011/02/04

キアシナガバチの脱糞




2010年8月上旬

キアシナガバチPolistes rothneyi)のワーカー(無印)が巣の近くにある草むらで休んでいました。
葉裏に止まって身繕いしています。
やがて尾端から白い滴を排泄しました(1:53)。
蜂は身繕いしながらこの排泄物をすぐに右後脚で払い落としました。
化粧が済むと、このワーカーは外役(狩りや巣材集め、甘露舐めなど)に従事することなくそのまま帰巣しました(映像なし)。

羽化直後の新ワーカーが初めて外出したのだろうか、と想像したものの定かではありません。


色々な虫の脱糞シーンを少しずつ撮り貯めているので、嬉しい収穫でした。
アシナガバチの脱糞は初見です。


『日本の昆虫3:フタモンアシナガバチ』文一総合出版 p57より
「普通は巣外で飛びながら脱糞するが、巣上から腹端を外に突き出すようにしてすることもある。回数は一日数回以内。排泄物は暗褐色の糞と尿がまじっている。」

ハエを食すイオウイロハシリグモ(蜘蛛)幼体



2009年4月下旬

雪解けしたばかりの休耕田で採集したクモ(体長14mm)をイチゴのパックに入れて飼い始めました。
いつもお世話になっている闇クモ画像掲示板にて、イオウイロハシリグモDolomedes sulfueus)幼体と教えて頂きました。
ハエを与えると素早く飛び掛かり噛み付いて仕留めました(映像なし)。
このクモの仲間は狩りに網や糸を使いません。
噛まれたハエは毒液が体に回ったのか急に大人しくなりました。
食餌の様子を迫力のクローズアップ映像でお届けします。
一対の鋭い牙で獲物の堅い外骨格(クチクラ)を切り裂く音が静かに響き渡ります。
クモは獲物に消化液を注入し、溶けた肉を吸汁します(体外消化)。
途中で獲物を咥えながらその場でぐるぐる回り、周囲に糸を張り巡らせる謎の行動が数回観察されました(@1:04, 6:14, 8:00 )。
いわゆるラッピング行動ではないように思うのですが不明です。
翌朝になってもボロボロになった獲物を咥えていました(最後の映像)。


オカダンゴムシの起き上がり運動




2009年4月下旬

石の下で見つけたオカダンゴムシArmadillidium vulgareを飼い始めました。
今のところ♀だけ。
性別判定は背中の斑紋と腹側中央の交尾器官?で行います。
腹側後部に目立つ2対の白い物は呼吸器官とのこと。
丸まって防御姿勢を取ってからの起き上がり運動を観察してみました。
専守防衛の完璧な機能美には惚れ惚れします。
机や紙、プラスチックなど滑らかな表面の物の上で仰向けに置かれると暴れても足先が引っかからず起き上がれません。
そのためプラスチック容器などで飼育する際は必ず土を入れてやらないと、ひっくり返って起き上がれないまま衰弱してしまうので要注意。
今回の撮影では机に滑り止めのガーゼを敷きました。
仰向けにされると横回りに寝返りを打って起き上がります。

トリバガ(蛾)を食すオオハエトリ成体♀(蜘蛛)



2009年4月中旬

飼育中のオオハエトリ♀(Marpissa milleri)。
本日のメニューはトリバガ科(蛾)の仲間です。
飼育していてもなかなか狩りの瞬間を目撃できません。
最後は食べ滓の死骸をポイッと投げ捨てます。


《追記》
このクモは長いこと亜成体だと思い込んでいたのですけど、既に成熟した成体♀であることが後に判明しましたので訂正します。

野生ホンドギツネとの出会い



2009年4月中旬

あちこちに雪の残る林道でホンドギツネVulpes vulpes japonica)とばったり遭遇しました。
しばらく睨み合った末に狐は身を翻して走り去りました。


知らぬ間にカメラの動画設定が画素数320*240の小サイズになっていました。
まるで狐につままれたような痛恨のミス。
それでも嬉しい出会いを記念して投稿します。

セスジアカムカデ



2010年 2009年4月中旬

地面に置いてある大き目の石を何気なくめくったら、大量のワラジムシと一緒に百足が現れました(体長約5cm)。
百足を撮るのは初めてかも。
全身像と歩行シーンを撮りたくて、何度か体を突付いてみました。
図鑑で調べるとどうやらセスジアカムカデScolopocryptops rubiginosusらしい。
頭隠して尻隠さず。
セスジアカムカデの眼は痕跡すらない。(『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p41より)

オツネントンボと春風



2009年4月中旬

冬越し明けのオツネントンボ(♀?;Sympecma paedisca)を見つけました。
保護色ですね。
風が吹いても必死に枯れ枝にしがみ付く様子が健気です。

ビロウドツリアブの日光浴



2009年4月中旬

休み無く飛びながら花の蜜を吸うことでお馴染みのビロードツリアブBombylius major)ですが、こうして地上に降りて休むこともあるんですね。

キブシの花蜜を飲むキタテハ



2009年4月中旬

キブシに訪花する早春の蝶。
越冬明けのキタテハだと思うのですけど、シータテハかもしれません。
翅の表が見れなくて区別できませんでした。
アングルを変えようとしたら逃げられてしまいました・・・。

ヤナギハムシの交尾



2009年4月中旬

林道で交尾中のヤナギハムシChrysomela vigintipunctata)を発見。
しがみ付いていた枝をそっと折り取り、地面に置いて接写しました(手ぶれ対策)。
異変に気づいた♀が♂を乗せたまま落ち着かなく歩き回ります。

フキノトウの花蜜を吸うニッポンクロハナアブ♀



2009年4月中旬

林道でフキの花(フキノトウ)を一心不乱に舐めているアブを見つけました(体長12mm)。
図鑑で調べると素人判断ではニッポンクロハナアブ♀(Cheilosia japonica)かなと思うのですがどうでしょう。
この舌技を見よ!

ヤガタハエトリ亜成体♂(蜘蛛)の住居網張り



2009年4月上旬

ヤガタハエトリ(またはイワテハエトリ)亜成体♂の飼育記録。
ユスリカを食べ終えてしばらくすると、容器の隅に住居網を張り始めました。
飼育容器の外を黒い背景にすると白い網が見え易くなりました。
腹端の糸疣がまるで開いたイソギンチャクのように細かく動きます。
後半は時々休みながら造網しました。
映像後半(@0:50~)は3倍速の早回し映像。

ユスリカを食すヤガタハエトリ亜成体♂(蜘蛛)



2009年4月上旬

屋内で見つけたハエトリグモを捕獲して飼育開始。
今日の餌は小さなユスリカです。
闇クモ画像掲示板にて「ヤガタハエトリもしくはイワテハエトリの亜成体♂だろう」と教えて頂きました。
成体の標本を専門家に詳しく調べてもらわないと写真鑑定は難しいのだそうです。
食後まもなく、容器内に住居網を作り始めました。
(つづく)




2011/02/03

ヒメウラナミジャノメ




2010年11月中旬

ヒメウラナミジャノメYpthima argus)だと思うのですがどうでしょう。
日光浴というほどの日差しは無いものの、枯れ草にしがみ付いて休んでいました。
翅があちこち破れていてボロボロになった個体です。
特に眼状紋の周りの損傷が激しいので、鳥に突つかれたのだとしたら狙い通りでしょう。
最後は飛び立ちました。

ガガンボを食すオオハエトリ♀(蜘蛛)成体



2009年4月上旬

オオハエトリMarpissa milleri)♀成体の飼育記録。
本日のメニューはマダラガガンボの仲間?


《追記》
このクモは長いこと亜成体だと思い込んでいたのですけど、既に成熟した成体♀であることが後に判明したので訂正します。

蝿を捕食するオオハエトリ(蜘蛛)成体♀



2009年4月上旬

飼育中のオオハエトリMarpissa milleri)♀成体の食事光景です。
食事中は容器の蓋を開けても逃げません。
蝿(クロバエ?)を狩る瞬間は見逃しましたけど、食べ終わるまで見届けました。
ときどき獲物を持ち替えて噛む位置を変えます。
顔を正面からマクロレンズで覗くと鋭い毒牙の動きが見えます。
実際はじっとして吸汁する時間が長いのですが、ただでさえ長尺の動画なので、動きの無い退屈なシーンは編集で大幅にカットしてあります。
食後は糸※に絡まった死骸を下に落とそうと数回試みるも失敗し、諦めたように見えます。
※ ハエトリグモは狩り用の網を作らないが、常に「しおり糸」を引き回して歩くので容器内は糸が張り巡らされる。 
捕獲当初はぺしゃんこだった腹部が食後は心なしか満腹になったようです。


《追記》
このクモは長いこと亜成体だと思い込んでいたのですけど、既に成熟した成体♀であることが後に判明したので訂正します。

ネコハエトリ亜成体(蜘蛛)



2009年3月下旬

室内に迷い込んで来たネコハエトリCarrhotus xanthogramma)の幼体(亜成体かも)です。
クモは苦手という人でもハエトリグモの仕草をじっくり眺めてみるとなぜか可愛いと思えるのではないでしょうか。

オオハエトリ♀成体(蜘蛛)



2009年4月上旬

室内に迷い込んだオオハエトリMarpissa milleri)。
透明のビニール袋に入れて軽く押さえ付けると、腹面の観察が容易になります。
外雌器が認められるので♀成体と判明※。
ぺしゃんこの腹部が冬越しの厳しさを物語っています。
右第一脚は再生肢のようです。
マクロレンズで観察すると正面から鋭い牙も見え、常に引いて歩く「しおり糸」は二本見えました。 


《追記》
このクモは長いこと飼育しながらも亜成体だと思い込んでいました。
ところが既に成熟した成体♀であることが後に判明したので訂正します。

樹上で鳴くカワラヒワ(野鳥)



2009年3月上旬~下旬

カワラヒワCarduelis sinica)の地鳴きはキリリコロロ♪と上品。
羽繕いも見られます。


スズメ(野鳥)の羽繕い



2009年3月上旬

スズメPasser montanus )の羽繕い。
仲間と一緒にチィチィパッパ♪と鳴いて喧しい。

オオクロバエ♀が手を擦る足を擦る



2009年3月下旬

室内に迷い込んだ蝿(体長12mm)が窓辺でお化粧中。
素人目にはオオクロバエ♀(Calliphora nigribarbis)かと思うのですけど、とにかくハエの同定は難しいらしいので余り自信ありません(間違っていたらご指摘下さい)。
左右の複眼が離れているので♀(♂は両複眼が頭頂で接するらしい)。
埃だらけの場所でいくら手足を擦り合わせても脚先は綺麗になりませんよね。
ラストシーンで飛び立つ寸前(4:57)に何か液状のお土産を残して行きました。
辺りに餌は無いので産卵ではなく排泄だと思います。
撮影中は気づきませんでした。
立つ蝿後を汚しまくり・・・

雲の動き(30倍速映像)



2009年3月下旬 午後

空もめっきり春らしくなりました。
固定カメラで1時間ひたすら空を撮り続けた動画を30倍速の早回しに変換したものです。
雲のダイナミックな動きがよく分かります。

ヒレンジャクの鳴き声♪(冬の野鳥)



2009年3月上旬

見慣れないきれいな野鳥が2羽木の枝に止まっていました。
図鑑で調べると尾羽の先が赤いのでキレンジャクではなくヒレンジャクBombycilla japonica)と判明。
時折「ヒーヒー」もしくは「チリチリチリ」と甲高く鳴いていました。

【追記】
『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p89によると、
次列風切の先端に赤いロウ状物質があるのがレンジャク科の鳥の特徴らしい。レンジャク類の英名waxwingはこのロウ状物質からきている。

ホソオビヒゲナガ♂(蛾)



2009年6月上旬

ホソオビヒゲナガ♂(Nemophora aurifera)だと思います。
♂の特徴である長い触角が風になびきます。



オジロアシナガゾウムシ



2009年6月上旬

オジロアシナガゾウムシMesalcidodes trifidus)がカラムシ?の葉の上でのそのそ歩き回っていました。

クサギカメムシ幼虫



2009年6月上旬

クサギカメムシの幼虫でしょうか。
なぜかアルミパイプ上をうろうろしています。
方向転換の前に少し後退したのが少し「おおっ!」と思いました。
撮影後、不用意に手で摘んだら悪臭を放ち、しばらく指に臭いが残りました。

2011/02/02

キアシナガバチ巣に寄生したマダラトガリホソガ(蛾)の仲間の羽化

今季(2010年)軒下に営巣していたキアシナガバチの巣S9は寄生蛾の攻撃を受けたらしく、育房にクモの巣のような不規則網が張り巡らされました。
寄生蛾に乗っ取られたキアシナガバチのコロニーはこの巣を捨てて隣に並行して作られたサテライト巣S10に引っ越しました。
9月下旬に軒下から採集した廃巣S9(育房数66室)を容器に密閉して室内飼育(放置)したところ、寄生蛾の幼虫の姿を2匹確認することができました。
(関連記事はこちら→「キアシナガバチの巣に寄生したマダラトガリホソガの仲間の幼虫が糸を張り巡らせる」




2ヶ月後の11月下旬にミクロ蛾の成虫が一頭だけ羽化しました。
暖房のない部屋とはいえ野外の寒さに比べると暖かいですし明暗条件もコントロールされていませんから、越冬することなく季節外れに羽化したのでしょう。
複眼が赤いのはカザリバガ科の特徴とのこと。
前翅長~4.5mm。
後翅は地味な焦げ茶色。
数日経つと容器内を元気に徘徊するようになりました。
ちなみに容器の底に散乱する黒い顆粒は寄生蛾の幼虫が食い荒らした巣の欠片や糞です。
虫我像掲示板にて「カザリバガ科マダラトガリホソガに近縁な未記載種(Anatrachyntis sp.)だろう」と教えて頂きました。
こんなちっぽけな蛾がアシナガバチの天敵になっている自然界の不思議。
幼虫図鑑サイトにてキアシナガバチの巣に寄生食害した事例が登録されています。
しかし掲載写真を見ると育房に黄色の繭キャップが残っていることから、掲載事例の寄主はキアシナガバチではなくキボシアシナガバチまたはヤマトアシナガバチであるように思います(私見)。


マダラトガリホソガsp(蛾)a@キアシナガバチ巣S9寄生
次の課題としては、寄生蛾の交尾や産卵行動を観察してみたいものです。
アシナガバチ側の防衛法にも興味が湧きます。


【追記】
約30cm離れた位置に作られたサテライト巣S10(育房数49室)からも後日(2011年1月)、同種と思われる寄生蛾が二頭(a, b)羽化してきました。


マダラトガリホソガsp(蛾)a@キアシナガバチ巣S10寄生
後翅は焦げ茶色

マダラトガリホソガsp(蛾)b@キアシナガバチ巣S10寄生
後脚を上げて静止するのが特徴?
【追記】 サテライト巣S10からその後も五月雨式にあと二頭(c, d)羽化しました。春になると最終的にサテライト巣S10から寄生蛾の成虫17頭および幼虫の死骸一匹が得られました。
こちらの巣は外見がきれいだった(不規則網なし)ので寄生を免れたのかと思っていたのですが、予想が外れました。
しかし次世代(新女王および雄蜂)を産出しコロニーの解散まで活動を全うできたのは事実です(逃げ切り成功)。
キアシナガバチ創設女王が二巣並行営巣するようになったのは、マダラトガリホソガを初めとする寄生虫への対抗措置ではないかと私は考えています1
二巣並行営巣は創設女王の投資コスト(労働量)が大きいと思われますが、私が毎年定点観察している軒下では2008年および2010年にキアシナガバチの二巣並行営巣が見られました(創設女王の個体標識にて確認)。
寄生蛾(Anatrachyntis sp.)の攻撃を確認した(廃巣から羽化)のは2009年および2010年と高い寄生率を誇ります。


雌雄の複数個体が同時に羽化してくれれば交尾行動や産卵行動を飼育下で観察したかったのですけど、一頭ずつ羽化しては死んでしまうので叶いませんでした。


参考
1. Strassmann JE. Parasitoids, Predators, and Group Size in the Paper Wasp, Polistes exclamans. Ecology. 1981;62(5):1225. [ PDF Available ]

ウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)の吸蜜と交尾未遂



2009年6月上旬



シロツメクサで吸蜜中にウスバアゲハ♂(Parnassius citrinarius)が♀に交尾を試みるも不首尾に終わったようです。
♂♀の区別が分かりませんが、交尾拒否されたのでしょうか。
残った個体(♀?)にも交尾栓は認められませんでした。
もしかしたら♀と誤認して♂に求愛したのかもしれません。
引き続き、すぐ近くのシロツメクサに訪花する翅の擦れた個体を撮りました。

ジョウカイボンの交尾



2009年6月上旬

ジョウカイボンLycocerus suturellusが葉の上で交尾していました。
撮影中に歩き始めた♀の右中脚の動きが変です。
どうやら怪我しているようです。
肉食なので♀も交尾中に葉を食べたりしません。
体表に赤いタカラダニが何匹か付いています。



キボシアシナガバチの探索飛翔



2009年6月上旬

キボシアシナガバチ♀(Polistes nipponensis)。
獲物を求めて草むらを探索飛行していました。
創設女王なのかそれともワーカーなのか不明です。


林道で見つけたコガタスズメバチの初期巣



2010年6月中旬
里山を歩いていたら一匹のスズメバチが目の前を飛来し、林道の横の茂みに消えました。
女王の探索飛行なのかと思って何気なく覗いてみると隠れるように巣が作られていました。
中の様子は見えませんけど、外被の特徴的な形状からコガタスズメバチの初期巣と分かります。
ここなら人間に駆除される心配も少ないので、なるべく通って観察を続けるつもりです。

リョウブの蕾に産卵するトラフシジミ春型♀



2009年6月上旬

トラフシジミRapala arata)春型の♀が幼木の蕾に産卵していました。
調べたところ樹種はリョウブだと思います。
トラフシジミの腹端に付着して見えるのは産みかけの卵でしょうか。
産卵が済むと飛び去りました。
トラフシジミ幼虫の食餌植物は多くの科に渡ることが知られています。

キイロスズメバチ♀の身繕い



2009年6月上旬

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)だと思います。
身繕いした後、飛び去りました。

オオルリコンボウハバチ♀の産卵



2009年6月上旬

里山の林道沿いでタニウツギの葉の表に止まったハバチ♀を発見。
どうやら産卵中のようです。
コンボウハバチの仲間でしょうか。
茂みに邪魔されて他の撮影アングルを確保できませんでした。
拡大して見ると、表面ではなくて葉の内部に産み付けているようです。
産卵を見届けたら♀を採集するつもりでしたが、産卵管を引き抜くと♀は休む間もなく飛び去りました。 


蜂類情報交換BBSにて写真判定をお願いしたところ、
「タニウツギが食草として記録されている3種(ルリコンボウハバチ、オオルリコンボウハバチ、フトオビコンボウハバチ)のうち、オオルリコンボウハバチAbia relativa)である可能性が高い」とのことでした。

モリアオガエルの卵塊(2009年)



2009年6月上旬



前年見つけたモリアオガエルRhacophorus arboreus)の棲息池に久しぶりに行ってみると、既に産卵は終わっていました。
雨量が少ないのか池が干上がりかけている点が気がかりです。
せっかく母親が池の岸辺から水面に張り出した枝に産卵したのに、下に水が無ければ孵化した幼体は死んでしまうかもしれません。
白い卵塊に初めて触れてみたら少しべたつくだけで乾いていました。
表面は肉まんのような触感。
枝葉が泥だらけなのは多数の蛙が歩き回ったせいだろう。
来季こそは抱接・産卵行動を観察してみたいものです。


 《追記》
 11日後に再訪してみたら幼体の孵化は既に終わり、卵塊は溶け落ちていました。
雨の日こそ頑張って見に行かないといけないようです。

アオハムシダマシの食事@ハルジオン訪花



2009年6月上旬

メタリック・グリーンの美しいナミアオハムシダマシArthromacra viridissima)がハルジオンの花で食事中でした。
筒状花の花粉を食べているようです。





アゲハモドキ♀(蛾)の産卵



2009年6月上旬

一瞬ジャコウアゲハかと思ったのですけど、それに擬態したアゲハモドキ本土亜種Epicopeia hainesii hainesii)だと思います。
映像では休んでいるだけのように見えますが、撮影開始前に腹部を曲げていたので♀がミズキの葉裏に産卵していたのだと思います。
ミズキ属はアゲハモドキ幼虫の食餌植物であることが知られています。
撮影に邪魔な枝を不用意にどけたら逃げられてしまいました。
1/10倍速のスローモーションでもう一度。

コガタスズメバチ初期巣と女王の帰巣



2009年6月上旬

コガタスズメバチVespa analis insuralis)の巣の定点観察。
前回の観察から5日後。
すっかり大きくなった外被が壺を逆さまにした独特の形をしています。
女王の単独営巣期に外敵の侵入を防ぐための優れた建築です。
本州産のスズメバチでこのような徳利型の初期巣を作るのはコガタスズメバチだけです。
最後は運良く女王の帰巣シーンが撮れました(0:50 頃)。
少し遠くて見え難いかも。
巣内の様子は外から見えなくなってしまいました。
ワーカーが羽化すると煙突状の長い入り口(徳利の首)は切り落とされるのだそうです。

つづく

ニホンカワトンボ♂の縄張り防衛



2009年6月上旬

渓流の止まり木で休むニホンカワトンボ♂(Mnais costalis)。
別のトンボが近付くとすぐに迎撃して追い払います。


カメラをズームする際に発する超音波に反応して飛び立っているように見えるのは気のせいだろうか(偶然?)。



2011/02/01

クロスジフユエダシャク♂(蛾)



2010年11月中旬

初冬に雑木林を歩くと目の前から次々と褐色の地味な蛾が飛び立つのですが、なかなか止まってくれません。
この個体だけが下草でじっとしていてくれました。
前翅長約15mmのクロスジフユエダシャク♂(Pachyerannis obliquaria)。
羽毛状の触角が実に美しい。
蛾眉というと美人の形容詞ですけど、実際の蛾では通常♀の性フェロモンを感知するために♂の方が発達した触角をもちます。
拝顔するとどうやら口吻は退化しているみたいです。
何故かすごく大人しいので、図々しく手乗りまでしてみました。



初期巣の外被を作るコガタスズメバチ女王#2:三倍速映像



コガタスズメバチ初期巣の定点観察
2009年6月上旬


パート1と同じ日に撮影。
外で巣材を集めて帰巣したコガタスズメバチVespa analis insuralis)女王は育房を点検(育房伸長かも)した後、外被作りの続きを開始。
作業風景を3倍速の早回し映像でお届けします。
メモリカード容量切れのため、やや尻切れトンボの動画になってしまいました(出巣まで撮れず)。


次の定点観察記録はこちら → 「コガタスズメバチ初期巣と女王の帰巣

初期巣の外被を作るコガタスズメバチ女王#1



2009年6月上旬

某神社の境内の軒下で営巣中のスズメバチ女王を発見。
真下から見上げると育房数12室、卵5個を確認。
梁に沿って作られたせいか外被はきれいな球状ではなく潰れた楕円体。
帰巣した女王が育房を点検した後、巣作り開始。
外被に巣材のパルプを少しずつ付け足していきます。
一仕事終えた女王は再び育房を点検します。
休む間もなくゴングに急き立てられるように外へ飛び立ちました。
コガタスズメバチかなと思うものの、この日は同定用の写真がうまく撮れず仕舞い。
後日、外被がコガタスズメバチVespa analis insuralis)の初期巣に特有の形状(逆さまの徳利/壺)に成長したので、同定の手間が省けました。


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