2015/10/17
ムクドリ(野鳥)大群の飛翔乱舞
2015年8月中旬・午後17:47
夕方にムクドリ(Sturnus cineraceus)の群れが空を飛んでいました。
遠くで飛びながら群れの賑やかな鳴き声も聞こえます。
生憎この日は望遠レンズも外付けマイクも忘れてきてしまったのが残念無念。
最後は吸い込まれるようにどこかへ着陸した模様。
残念ながら、手前にあるお寺の建物の死角になってしまい、塒の位置を突き止められませんでした。
ちなみに日の入り時刻18:27の40分前の出来事でした。
ムクドリの大群が飛ぶ様子は「murmuration」と呼ばれる有名な現象です。
正式な日本語訳を知らないので、ご存知の方は教えてください。
群れにリーダーが居なくても飛びながら群れ全体がまるで一つの生き物(超個体?)のように変幻自在に形を変え、神秘的というか芸術的ですらあります。
猛禽類などの天敵に対する一種の誇示行動だと考えられています。
小規模ながら初めてmurmurationを自分で撮れて、とても嬉しかったです。
『カラー版自然と科学50:ムクドリ』p28-29によると、
北国では冬のあいだムクドリの大群はみられません。北海道や東北地方でムクドリの大群がみられるのは、真夏から秋です。
2015/10/16
ヒメギス♂の死骸に群がるムネアカオオアリ♀
2015年8月中旬
山間部の峠道で車に轢かれた(ロードキル)ヒメギス♂(Eobiana engelhardti subtropica)の死骸にムネアカオオアリ(Camponotus obscuripes)のワーカー♀が計9匹群がっていました。
解体した左後脚を運んでいるところでした。
横で身繕いしている個体も居ます。
別種の微小アリ(種名不詳)も来ているのですが、ムネアカオオアリと体格差が歴然としており相手になりません。
それでもおこぼれの破片をこっそり盗んでいきました。
三脚を立てて解体ショーをじっくり微速度撮影しても面白そうですけど、時間がないので諦めて先を急ぎます。
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屍肉食
エノコログサの穂を採食するスズメの群れ(野鳥)
2015年8月上旬・早朝5:15
田園地帯の車道で早朝スズメ(Passer montanus)の群れが道端で賑やかにチュンチュン♪鳴きながら採食していました。
飛び跳ねながら啄んでいるのはエノコログサの落ち穂拾いでしょうか?
隣の田んぼで稲穂を採食しないのは未だ実が熟していないから?
ハンディカムではズーム性能が弱いので近づこうとしても、スズメはこちらを警戒してどんどん遠ざかってしまいます。
路上から飛び上がってエノコログサの穂を啄んでいるようです。
『スズメ百態面白帳』p159-160によると、
エノコログサのように止まると倒れるものでは飛び付いて穂をくわえて引き下げ、足で押さえてついばむといった感心するような賢い食べ方をする。
冒頭から横の水田でギャーギャー♪うるさく鳴き続けているアオサギ(Ardea cinerea)が鳴きながら頭上を飛んで行ったので、思わずカメラを向けました。
飛行中のアオサギの鳴き声を声紋解析してみる
オリジナルのMOV動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてからアオサギが一番近くで鳴いている部分を適当に切り出し、スペクトログラムを描いてみました。農機具や虫の音など周囲のノイズが多いのですけど、2秒付近の最も強いシグナルがアオサギの声紋です。
遠くに居る別個体のアオサギと鳴き交わしているようです。
縄張り宣言なのか、それとも集合の号令なのでしょうか?
2015/10/15
ヤブガラシの花蜜を舐めるヒメバチの一種Amblyjoppa sp.♀
2015年8月上旬
川沿いのヤブガラシ群落でヒメバチの一種と思われる蜂が訪花していました。
翅も含めて全身が黒色を基調とした蜂で、所々に白い斑紋があります。
性別によって、訪花前後に何を探索していたか解釈が変わってきます。
採集した標本で腹端に毒針が見えたので♀と判明。
産卵する寄主をヤブガラシで探索するついでに吸蜜していたのでしょう。
私のフィールドで結構よく見かけるタイプのヒメバチだと思うので、撮影後は同定のため採集しました。
例えば7年前の夏に撮ったヒメバチ(種名不詳)とかなり似ています。
▼関連記事
獲物を探し回るヒメバチの仲間
以下は標本写真。
触角の中央部は内側だけが白いことが分かりました。
腹端に毒針が見えたので♀と判明。
【追記】
いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSに投稿して問い合わせたところ、なみきく土也さんより以下のようなコメントを頂きました。
ヒメバチ亜科のAmblyjoppaです。問題のある属で、特にほぼ黒色の種は(今のところは )♀の形態では区別できない複数種を含んでいると考えています。
Amblyjoppa属@日本産ヒメバチ目録サイトによると、寄主はスズメガ科(蛾)のようです。
だとすると、例えばセスジスズメの幼虫がヤブガラシを食草としています。
やはりこのヒメバチ♀は寄主を探索していたのでしょう。
胸部側面 |
胸背 |
前伸腹節 |
腹背 |
腹部下面 |
腹端下面+毒針 |
触角 |
右前翅の翅脈 |
右後翅の翅脈 |
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ハチ・アリ(膜翅目),
訪花
鳴きながら飛ぶノスリ(野鳥)
2015年8月上旬
山麓を歩いていると近くの樹冠に止まっていたらしい猛禽類が警戒して飛び立ちました。
ピー、ピー♪と甲高い声で繰り返し鳴きながら羽ばたき、水平に飛び去りました。
流し撮りした映像で翼の下面を見ると、トビではなくノスリ(Buteo japonicus)と判明。
近くでカラスの群れも鳴いていたので、モビングされそうになって逃げたのでしょうか。
その後もここを通りかかる度に同じ木の辺りから飛び去るので、もしかしたら巣があるのかもしれません。
ブラインドに隠れないと本格的に観察するのは難しそうです。
2015/10/14
セグロアシナガバチ♀の排水行動と育房伸長
2015年7月下旬
セグロアシナガバチ巣の定点観察#5
※ このコロニーの蜂はセグロアシナガバチ(Polistes jokahamae)ではなくキアシナガバチ(Polistes rothneyi)の斑紋変異(前伸腹節の黄紋が無い)なのかもしれません。8日ぶりの定点観察です。
下から見える範囲で在巣の蜂は4匹でした。
巣盤の天井に居る個体は身繕い中。
他の2匹は下界を見下ろしています。
右上の育房内で老熟幼虫が動いているのは餌の催促でしょうか。
あるいは絹糸を吐いて繭キャップを紡いでいるのかもしれません。
それまで繭キャップまたは育房壁を齧っていたワーカー♀が下を向いて口から水滴を吐きました。(@2:20)
濡れた巣からの排水行動でしょうか?
しかしここは屋根にしっかり守られてる軒下で、雨水で巣が濡れるとは思えません。
もしかすると、天井が雨漏りしているのかな?
しばらくすると新たに1匹の蜂が帰巣したようで、繭の入った育房(画面上)の壁を伸ばしています。(@2:59〜)
セグロアシナガバチやキアシナガバチでは一つの育房を二段ベッドのように使い、繭の上に産卵して孵化した幼虫を上の育房で育てるのです。
育房を二段構造にすることで巣材を節約しています。
※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。
つづく→#6:巣上の偽交尾
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ハチ・アリ(膜翅目),
化粧,
造巣
ノシメマダラメイガ♀(蛾)の産卵
2015年8月上旬
ノシメマダラメイガの飼育記録#28
▼前回の記事
ニンニク上で繭を紡ぐノシメマダラメイガ(蛾)終齢幼虫
餌としてニンニク球根を与えた飼育容器底の隅でノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)終齢幼虫がいつの間にか繭を作り直し、その中で蛹化していました。
薄い繭の表面およびその周囲に多数の卵が産み付けられていることに気づきました。
営繭の際に周囲のゴミを集めたのかと一瞬思ったのですが、卵でした。
ノシメマダラメイガの卵を初めて見ました。
卵塊ではなく白い微小の卵がバラバラに産み付けられています。
容器の下に1mm方眼紙を敷いて採寸 |
そこで容器内に同居させていた成虫♀の行動に注目して、産卵シーンを撮影してみました。
まずはプラスチック容器越しに接写してから、蓋を外し上から見下ろしながら直接狙いました。
♀は腹端を壁面に擦り付けながら徘徊しています。
あちこちにバラバラに産み付けているようです。
腹端の触覚で繭のような手触りだと落ち着いて産卵する印象を受けました。
産卵基質としてガーゼ等を入れてみたら良いかもしれません。
ところで、幼虫の餌として与えたつもりのニンニク球根に産卵しないのは何故でしょう?
ニンニクの強い匂いで多少は忌避効果があるのでしょうか?
それともニンニクが白っぽいので卵が見えにくいだけかな?
※ 動画編集時に全編、自動色調補正を施してあります。
害虫駆除のサイトでノシメマダラメイガのことを調べると、
・成虫は、幼虫の餌やその周辺に、200個前後の卵を点々と産む。
・夏期においては、卵期は数日、幼虫期は22~45日、蛹期は約1週間で、気温が低下すると各期間が延長される。
また、食品害虫を研究している食総研のサイトによれば、
30℃でふ化幼虫から成虫まで平均で約34日でした(同じ条件で玄米なら約24日)。 この温度での卵の期間は4日ほどですので、卵から成虫までは平均38日になります。
前日に飼育容器に投入した成虫は交尾も確認しているので、受精卵のはずです。
その後は忙しくて、卵から幼虫が孵化する様子を観察できませんでした。
そのまま放置していたら幼虫は全く育たず死んでしまいました。
やはり生のニンニクだけを餌として与えても食べることはできないようです。
いくら栄養満点とは言え、ヒトが食べても強い辛味がありますしね。
孵化直後は無理でも幼虫が少し大きくなればニンニクを食べられるようになるのでしょうか?
別の可能性として、密閉容器ではニンニクの匂いがキツすぎて幼虫が死んだのかもしれません。
蓋の通気性を良くして開放環境で飼ったら育つでしょうか?
貯蔵ニンニクからノシメマダラメイガが発生したというメキシコからの報告(PDFファイル)が飼育下で再現できなかったのも不思議です。
国産ニンニクとメキシコ産では品種や成分が異なるのでしょうか?
Perez-Mendoza, J., and M. Aguilera-Peña. "Development, reproduction, and control of the Indian meal moth, Plodia interpunctella (Hübner)(Lepidoptera: Pyralidae), in stored seed garlic in Mexico." Journal of stored products research 40.4 (2004): 409-421.
ノシメマダラメイガとニンニクを巡る謎の解明は道半ばですけど、今のところ私はノシメマダラメイガ幼虫が生のニンニク球根を食害して育つとは考えていません。
それでもノシメマダラメイガ成虫がなぜニンニク球根に誘引されるのか、不思議で仕方がありません。
ニンニクの山で見つけたノシメマダラメイガ老熟幼虫は、そこで育ったのではなさそうです。
別の貯蔵食品を餌に終齢まで育った幼虫が繭を紡ぐ場所を探して厨房を盛んに徘徊した結果、ニンニクにたまたま辿り着いたのではないかと考えています。
米びつなどに虫除けとして唐辛子やニンニクを入れておく人がいるそうです。
本当にニンニクがノシメマダラメイガに対して忌避効果があるのかどうかもはっきりした結論は得られませんでした。(個人的には懐疑的です)
チョコレートや穀類を与えて大量飼育した容器内にニンニクを追加するとノシメマダラメイガの増殖や成長を抑制できるのか(なんらかの毒性を発揮するのか)、調べることが次の課題です。
今回の産卵シーンを撮影する際に容器内のニンニクの山を不注意でゴロゴロと動かしてしまいました。
そのとき薄い繭が剥がれてしまい、中の蛹も潰れてしまったようです。
やはり本種幼虫が周囲のゴミを集めて繭に織り込むのは、薄い繭を強化するためなのでしょう。(集めるゴミが周囲に無いと脆弱な繭しか作れない)
つづく→#29:羽化直後のノシメマダラメイガ(蛾)
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チョウ・ガ(鱗翅目),
産卵
2015/10/13
仰向けから起き上がるウスバカミキリ♀
2015年8月上旬
夜中に捕獲したウスバカミキリ♀(Aegosoma sinicum sinicum)を持ち帰りました。
▼関連記事
ウスバカミキリ♀の深夜徘徊【暗視映像】
板の間に落ちたりして仰向けになっても長い触角を使って横向きに寝返りを打ち、すぐ起き上がりました。
手乗りにすると腕をどんどん登って来ます。
棒に止まらせようとしても捕まる力が弱っているのか、すぐに落下してしまいました。
市販の昆虫ゼリーを与えてみても全く口を付けてくれず、飼育は上手く行きませんでした。
飛べ!ヤマキマダラヒカゲ【ハイスピード動画】
2015年7月下旬
山間部の道端の茂みでヤマキマダラヒカゲ(Neope niphonica)を発見。
翅を閉じたまま葉に静止しています。
物を投げつけて飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
スーパースローのおかげで本種の翅表を見たのは初めてかもしれません。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
翅は決して板のような剛体ではなく、力強く羽ばたく際に翅が波打つようにしなっていることがよく分かります。
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スローモーション,
チョウ・ガ(鱗翅目),
飛翔
2015/10/12
クロイトトンボ♀♂の交尾
2015年7月下旬
雨上がりの山道を尾繋がりで飛んで来た(やや低空飛行)クロイトトンボ(Paracercion calamorum calamorum)の♀♂ペアが道端の草むらに止まりました。
尾繋がり状態のまま、前にいる♂がまず副性器に移精しました。
つづいて後ろで首根っこを掴まれた♀が腹部を前に曲げ、♂の副性器と結合しました。
これでペアがハート型の交尾姿勢になりました。
胴体をくねらせています。
背面および側面から撮影。
先を急ぐ用事があった私は、連結解除まで見届けられませんでした。
(尾繋がりのままで産卵行動に移行するのかな?)
トンボ類を見分けるのは苦手なのでなんとか採集したかったのですが、茂みの奥に居るため踏み込んで近づいたら逃げられそうに思い断念しました。
どうにか写真鑑定でクロイトトンボだろうと同定できました。
その際に「神戸のトンボ」サイトに掲載されたクロイトトンボ属の検索表を参考にしました。
個人的にクロイトトンボは初見です。
東北地方では希な種類らしい。
近くにある溜池をいつか重点的に調べないといけません。
【追記】
上村佳孝『昆虫の交尾は、味わい深い…。 (岩波科学ライブラリー)』によれば、
・♂副性器を拡大すると、ライバル♂の精子を掻き出すためのするどいトゲが並ぶ。(精子競争に勝つための「攻め」の適応) (p20より引用)
・トンボの交尾後ガードは、精子競争に対する「守り」の進化だ。
・(ギフチョウやウスバシロチョウで見られるような)「貞操帯」はトンボでは進化し得ないだろう。トンボを含む多くの昆虫の♀では、精子が入ってくる「入り口」は受精した卵が体の外に出て行く「出口」を兼ねている。つまり、巨大な交尾栓をつけられた♀は、産卵できなくなる可能性が高いのだ。
ウスバカミキリ♀の深夜徘徊【暗視映像】
2015年8月上旬・午前00:25
山麓のキャンプ場で外灯の下のコンクリートをウスバカミキリ♀(Aegosoma sinicum sinicum)が徘徊していました。
初めは赤外線の暗視カメラで撮ってみました。
長大な産卵管が目を引きます。
途中から白色LEDを点灯しました。
歩き回るカミキリムシの横に定規を差し出して採寸したいのですが、眩しい光のせいか右往左往して落ち着いてくれません。
最後は手掴みで捕獲しました。
頑丈そうな大顎を開閉するものの、キーキー♪鳴いたりしませんでした。
(鳴かない種類なのかな?)
つづく→仰向け起き上がり
2015/10/11
アリジゴク営巣地で採土するミカドトックリバチ♀
2015年7月下旬
急斜面の杉林でスギの木の根元に数匹のアリジゴク(ウスバカゲロウの仲間の幼虫)が巣穴を構えていました。
▼関連記事その営巣地の横でミカドトックリバチ♀(Eumenes micado)が泥団子を作っていました。
・砂粒を跳ね上げ巣を作るアリジゴク【HD動画&ハイスピード動画】
・杉の根本でアリを捕食するアリジゴク
巣材集めにせっせと通って来ているのです。
トックリバチの採土行動そのものはこれまで何度も観察しているので、物珍しさはありません。
水を吐き戻して土を軟化しながら大顎で地面を掘り、小さな泥玉に丸めて巣に持ち帰ります。
辺りの林床はスギの落ち葉で覆われていて、木の根元以外で土が露出した地面はありません。
巣材集めの場所はこの狭い範囲の中でも毎回微妙に違うようでした。
採土を始めても土質が気に入らなければ何度も場所を変えます。
後半は急斜面に苦労して三脚を立て、初めての試みとしてビデオカメラの動体検知モードで監視してみました。
しかし残念ながら、被写体の蜂が小さ過ぎてセンサーが動体検知してくれませんでした。
仕方がないので、蜂が飛来する度に手動で録画を開始しました。
トックリバチの造巣行動(徳利作り)を私は未だ観察したことがありません。
このミカドトックリバチの営巣地をなんとか突き止めようと、しつこく頑張りました。
泥玉を抱え飛んで帰巣する蜂を毎回追いかけるも、急斜面を登り切った辺りでいつも見失ってしまいます。
撮影はカメラに任せながら蜂の帰路の途中で待ち構えていても、独りで蜂を追跡するのは無理でした。
今回も悲願を果たせず、小型発信機を蜂に装着できれば…といつも思います。
採土の前に蜂は水を飲んでくるはずですが、その水場がどこにあるのかも分かりませんでした。
この個体はかなり臆病というか神経質な印象を受けました。
そっと近づきマクロレンズで接写しようとすると、嫌がって(警戒して)逃げてしまいます。
(※ この接写パートだけ動画編集時に自動色調補正を施してあります。)
逃げた蜂が、横のスギの小枝の下面にしがみつきながら泥玉を丸めていました。
齧り取った樹皮を巣材に混ぜ込んでいるのか?と一瞬興奮しかけたのですが、このとき限りの行動だったので、おそらく一時避難しただけでしょう。
接写は諦めて少し離れた位置から望遠マクロで狙うことにしました。
通りすがりの小さなアリに作業を邪魔されたときも蜂は警戒して一旦採土場から離れ、ほとぼりが冷めてから戻って来ます。
さて、ミカドトックリバチがアリジゴクの巣穴の近くで採土するのを見たのはこれが二度目です。
▼関連記事果たしてこれは偶然でしょうか?
ミカドトックリバチ♀が蟻地獄の巣穴に…
アリジゴクとトックリバチは、今のところ互いに没交渉…に見えます。
もし好みの土質が同じなら、ドロバチもまずアリジゴクの巣を探すようになるかもしれません。
クレーター状の地形を目印に探しているかもしれません。
あるいはアリの死臭を頼りに探索する可能性も考えられます。
今回は蜂が足を踏み外してアリジゴクの落とし穴にうっかり嵌ることはありませんでした。
アリジゴクがもしミカドトックリバチの脚に噛み付き毒液を注入したらどうなるでしょう?
圧倒的な体格差があっても餌食になることがあるのかな?
それともミカドトックリバチ♀が毒針を使ってアリジゴクを返り討ちにするでしょうか?
そのうちに、獲物としてアリジゴクを狩る新種へと進化しないだろうか?(種分化)と…あらぬ空想に耽りながら眺めていました。(※※追記参照)
アリジゴクが丁寧に篩いにかけ耕したおかげで砂のようにサラサラになった土が豊富にありますから、そのクレーターからサラサラの土を失敬すれば楽に泥団子を作れそうです(一種の労働寄生?)。
しかしミカドトックリバチはそうしないで、小石の横などからわざわざ固い地面をかじり取るのを好むようです。
水分が飛んで乾燥すればカチカチに固まることが保証されている締まった土を選んで巣材としているのでしょうか。
むしろ固い地面をトックリバチがせっせと掘ってくれるおかげで蟻地獄の方が恩恵を受けているのかもしれません。
※ アリジゴクとは無関係の場所から採土するミカドトックリバチは何度も見かけています。
むしろこれまでアリジゴク営巣地での採土は2例しか見ていないので、仮説というには弱く、ただの妄想のようなこじつけかもしれません。
※※ 【追記】
小松貴『フィールドの生物学14:裏山の奇人―野にたゆたう博物学』p122-125によると、筆者はマレーシアの高床式住居の軒下で、ウスバカゲロウの幼虫に寄生するツリアブの一種や、蟻地獄の巣に自ら飛び込んで幼虫を狩るギングチバチの一種(おそらく新種)を目撃しています。
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クサカゲロウ・ウスバカゲロウ(脈翅目),
ハチ・アリ(膜翅目),
造巣
走り去るニホンカモシカ母子
2015年8月上旬・午後18:40
山麓の杉林でニホンカモシカ(Capricornis crispus)の母子とバッタリ遭遇しました。
白毛の幼獣を連れています。
慌てて望遠レンズを向けたら鼻息を鋭く吐いて威嚇しながら逃走しました。
夕方の薄暗い時間帯のため、動きの早い被写体にカメラのAFが追いつかずピンぼけになってしまいました。
望遠レンズを外せばましになった筈ですけど、とてもその余裕がありませんでした。
あまりにも一瞬の出来事だったので、1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
母親が先導して走り、幼獣も必死に付いて行きます。
実はこの場所で2年前の夕方にもカモシカと出会っています。
▼関連記事個体識別できていませんが、この辺りを縄張りとする同一個体なのかもしれません。
夕刻の雑木林で出会ったニホンカモシカ
※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。
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