2017/07/29

巣内の雛に給餌し辺りを見張るハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)



▼前回の記事
高圧線鉄塔の巣で雛に給餌するハシボソガラス♀♂(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#4


2017年5月上旬・午後17:52~18:13

撮影に最適なアングルを見出しました。
去年のように鉄塔に近づいて下から見上げても逆効果で、望遠レンズを付ければ鉄塔から離れた方が巣をよく見えるし親鳥への悪影響も少ないと分かりました。
時間帯に応じて太陽の逆光にならないように撮影ポイントを変えるべき、ということも分かりました。
(どのみちカラスは真っ黒なので、逆光のシルエットでも被写体が強調されて好都合、という考えもあります。)
私が太陽を背にして撮影すれば、巣の親鳥から見て私の方角が逆光になってバレにくいでしょう。

実はこの日の昼下がりにハシボソガラスCorvus corone)の巣をチェックした際は親鳥が不在でした。
雛は未だ小さいため、巣内の雛は餌乞いで背伸びをしないと外からは見えません。
なんとなく巣が前回より少し小さくなった気がしました。(巣材が少し減った?)
てっきり電力会社にまた巣が撤去され、親鳥が作り直しているのかと早合点。
念のため帰路でもう一度巣を見に行くと、雛鳥への給餌シーンを観察できて一安心。
親鳥♀♂、雛鳥ともに無事でした。
被害妄想はいけませんね。(トラウマになっているのです…)

帰巣した親鳥が毎回必ず雛に給餌するとは限りませんでした。
採餌場で食物を見つけてこれなかったのでしょう。
留守中に雛が心配になったのか、様子を見るためだけに帰巣することも結構あるようです。
手ぶらで(空荷で)帰巣した親鳥が巣にピョンと跳び乗ると、その振動で雛(3羽?)が一斉に首を伸ばして餌乞いします。
しばらくすると雛は諦めておとなしくなりました。
親鳥が巣から鉄骨に跳び移るときも振動に反応して雛は反射的に餌乞いしました。
その後も親鳥は巣の横の鉄骨に移動して辺りを監視したり雛鳥を見守ったりしています。(休息?)
カラスの本に書いてある通りに雛の赤い口を見ると給餌したくなる衝動に駆られるのなら、どうして親鳥はすぐに採餌に出かけないのか、不思議です。
鳴き声から雛の空腹状態がそれほどでもないと総合的に判断したのかな?

餌を取ってきた親鳥が帰巣する前に一旦高圧線に止まることがありました。
高圧線から飛び立ち、旋回すると鉄塔に着陸しました。
歩いて帰巣すると雛に給餌。
その後は巣の横の鉄骨にずれて場所を譲ったと思ったら、入れ替わるようにもう1羽の親鳥が帰巣し、雛に給餌。
初めの親鳥が巣を離れると、もう1羽の親鳥は一番上の高圧線に飛び上がって辺りを監視する役目に回ります。
どうやら、送電線のこの場所がお気に入りの止まり場所らしい。
親鳥の性別による役割分担があるのかどうか、個体標識して調べたいところです。

しばらくすると、別の親鳥が再び帰ってきて雛に餌を与えました。
出巣の直前に雛の排泄した糞を咥えたように見えました。(排糞行動?)
やや遠いので決定的な映像とは言えず、私の想像でしかありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#5:雨天時の抱雛


一脚を使ったので、恥ずかしながら水平が取れていませんね…。

白藤の花で採餌するクロマルハナバチ♀



2017年5月中旬

民家の藤棚で白藤の花が満開でした。
クロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が忙しなく訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷です。
すぐに藤棚の奥に飛んで行ってしまい、粘って待っても撮れたのはこの一度切りでした。
この時期は未だワーカーではなく、創設女王だと思います。

なぜかこの日は常連客クマバチの訪花活動も低調(少数)でした。

花が白い藤は、シロバナフジという藤の品種と、シラフジというヤマフジの一品種があるらしい。
見分けるには、蔓の巻きつく向きを調べる必要があります。
実際は同じ蔓をたどると右巻きだったり左巻きだったりとまちまちで、はっきりしませんでした。
どうも自然というものは、図鑑や教科書通りにはいきません。
植栽した初期に庭師が藤棚に固定・整形するために蔓を人為的に曲げたのでしょうか?
ここの丹精込めた藤棚は紫の花と白の花とが並んでいて見事でした。



2017/07/28

高圧線鉄塔の巣で雛に給餌するハシボソガラス♀♂(野鳥)



2017年5月上旬・午後14:44~14:57および17:20~17:26
▼前回の記事
高圧線鉄塔の巣に出入りするハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)

高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#3


抱卵期を終えハシボソガラスCorvus corone)の雛が孵化したのをようやく確認できました。
雛がある程度成長してお椀状の巣の深さよりも大きくならないと、外からは見えないのが悩みでした。
鉄塔の直下の小さな水田には、田植えに備えてもう水が張られていました。

親鳥が雛に甲斐甲斐しく給餌するシーンを何度か撮ることができました。

巣立ち後のスズメ幼鳥やカラス幼鳥への巣外給餌は何度か見たことがありますけど、野鳥の雛への(巣内)給餌を観察するのは初めてで、とても感動しました。
ハシボソガラスの巣は高所とは言え剥き出し(丸見え)状態なので、バードウォッチングの初心者向けですね。
♀♂番(つがい)が同時に巣に居て親子が全員集合するときもありました。

帰巣した親鳥が嘴に餌を咥えてきたようには見えません。
喉袋に詰めてきた餌を雛に吐き出して与えるのですかね?
親鳥は餌を少量ずつ複数の雛に口移しで分け与えています。

帰ってきた親鳥が巣に飛び乗ると、雛が振動に反応して一斉に背伸びをして餌乞いを始めます。
遠いので聞こえませんが、うるさく鳴いていることでしょう。
口の中が赤いのがカラスの雛や幼鳥に共通した特徴です。
この赤い色が親鳥に給餌行動を解発する刺激となっています。

ちなみにカラスの幼鳥が成鳥になると、口の中は黒色になります。

食後に雛が排泄した糞を捨てるはずですが、排糞行動は見れませんでした。
雛が幼い間は、親鳥が雛の糞を食べてしまうそうです。
雛に給餌した後に親鳥が何かを啄んで食べるのを見ました。
しかし雛の食べ残しなのか雛の排泄した糞なのか、不明です。

親鳥は外出する前に鉄骨に止まって辺りを監視したり羽繕いしたりすることがあります。
鉄骨から巣に乗る度にその振動で雛が反応し、餌乞いを一斉に始めます。(もちろん餌はもらえません)
反射行動なのでしょう。

親鳥2羽が共に巣を留守にすることも珍しくなく、夫婦共働きのようです。
晴れていれば充分に暖かいし、抱雛する必要が無いのでしょう。
親鳥♀♂が巣から出ていく方角はまちまちで、各自が採餌してくるようです。
撮影する私の頭上を通り過ぎたのは、警戒して偵察に来たのでしょう。


鉄塔の周りで色んな撮影アングルを探りながら観察しました。

午後17:45頃まで粘ったものの、親鳥は巣に戻って来ません。
夜は抱雛しないのかな?
近くの雑木林に親鳥や若鳥の集団塒がありそうです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#4:巣内の雛に給餌し辺りを見張るハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)



カタオカハエトリ♂の誇示行動(蜘蛛)



2017年5月中旬

水路に近い湿地帯の遊歩道で私が縁石に腰を下ろして食事をしていたら、足元の草に気になる虫を発見。
オレンジ色のタカラダニかと思ったら、とても小さな美しいハエトリグモでした。
カタオカハエトリ♂(Euophrys kataokai)は初見です。

頭胸部と腹部こそ地味な灰色ですけど、とにかく歩脚と触肢がド派手です。
枯れ草の間を徘徊しながら濃紺の第一脚を振り上げて誇示行動を披露してくれました。
他の歩脚および触肢は派手な朱色です。
歩きながら立ち止まると、目立つ第一脚を左右交互にあるいは左右同時に広げてみせます。
注意深く見ると、第一脚の先端だけが白いです。
細い枯れ草の茎を下向きに伝い歩くので、腹面しか見えず残念でした。
第一脚が視覚的に目立つ工夫を凝らしているのは、きっとこれを使って同種に対するコミュニケーションがあるのでしょう。
いつか求愛行動や♂同士の喧嘩を見てみたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

撮影後は枯れ草や草むらをかき分けて必死で探し、ありあわせのビニール袋に採集しました。
後で思い返すと、住居網に潜んでいたようにも思いました。
クモ生理生態事典 2016』でカタオカハエトリの項目を参照すると、

石の下のへこみに白色の小さな袋状住居を作り,その中に潜んでいることが多い


2017/07/27

電柱の角パイプ内に飛び込むスズメ(野鳥)



2017年5月中旬

郊外の交差点で信号待ちをしていると、電柱の最上部で謎の装置を固定するための水平の角パイプにスズメPasser montanus)が出入りしていることに気づきました。

角パイプにスズメが2羽止まり、交差点を見下ろしています。
しばらくすると、1羽がその開口端に飛び込みました。
どうやらこの角パイプ内に営巣しているようです。
逆光で少し見えにくいのですが、2本ある角パイプのうち左側は開放端ですが、右の物は開口部に蓋がされています。
おそらく蓋付きのパイプに少しずつ交換することで、野鳥の営巣を防止する対策が進んでいるのでしょう。

この日は先を急ぐ用事があったので、また改めて観察に来ることにしました。

電気に疎い私はこの装置の存在を知らなかったのですけど、柱上トランス(変圧器)ではなさそうです。
箱状の装置の側面にFTASという文字があるものの、ネット検索しても正体不明で困りました。
「入・切」という巨大なスイッチのような物も見えますし、家庭用ブレーカーの親玉みたいな装置でしょうか。
検索で代わりにPASがヒットして、名前が分かりました。
保安点検ドットコムの解説記事によると、

・PAS(気中負荷開閉器)とは、電力会社とお客さまの責任分界点に設置される保護装置のことをいいます。
・PAS(気中負荷開閉器)は、お客様側の設備における電気事故が発生した場合に、近隣への波及事故(近隣を巻き込んだ停電事故)を防ぐ役割をもっています。

名前を知ってから改めて街中の電柱を見て回ると、あちこちに設置されていることに気づきました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→電柱の角パイプ内の巣に出入りするスズメ♀♂【野鳥:ハイスピード動画】


▼関連記事(PASとは違う円筒内に営巣)電柱の丸パイプ内に巣材を搬入するスズメ(野鳥)


藤棚で花蜜を吸うヒゲナガハナバチの一種♂



2017年5月中旬

川沿いに作られた藤棚で紫色のフジの花が満開でした。
常連客のクマバチ♂はこれまでも散々撮っているので、今年は新顔のヒゲナガハナバチの一種の♂に注目しました。
長い触角を有するのは雄蜂の特徴です。
花から花へ忙しなく飛び回り、吸蜜しています。
飛翔中に口吻がとても長く伸びていました。
最後はキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)とニアミスしたシーンを1/8倍速のスローモーションで御覧ください(@0:40~)。

この仲間のハチの種類を同定するには、採集して翅脈を精査しないと無理みたいです。
藤丸篤夫『ハチハンドブック』p92-93によると、

ニッポンヒゲナガハナバチTetralonia nipponensisの)♂は♀より外見での識別が難しい。
♂は毛色がよく似ていて見分けにくい。厳密には前翅の肘室がシロスジヒゲナガハナバチEucera spurcatipesでは2個で本種は3個になることで識別する。
出現時期は4~5月。シロスジヒゲナガハナバチより出現時期が少し早く、レンゲやフジなどのマメ科の花を好むが、タンポポや菜の花などにも飛んでくる。



実は他に赤いカミキリムシも藤棚で訪花していたのですが、残念ながら撮り損ねてしまいました。



2017/07/26

高圧線鉄塔の巣に出入りするハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)



2017年4月下旬・午後17:36~17:39
▼前回の記事
高圧線の鉄塔に作られた巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#2

ハシボソガラスCorvus corone)の巣を狙って撮っていたら、鉄塔の左下から2羽の親鳥が相次いで帰巣しました。
性別は見分けられないのですが、これが♀♂の番(つがい)なのでしょう。
足環を付けて標識しない限り個体識別も無理なので、繁殖ペア以外のヘルパーの存在は当面考えないことにします。

ヘルパー (動物) - 動物行動学で、仔が成長後も親の元に残り、親の子育てを助けること、あるいはそれを行う仔のこと。(wikipediaより引用)

親鳥の直前の行動をしっかり見ていないのですが、2羽ともに巣を留守にしていたということは、縄張りへの侵入者を協力して追い払っていたのかもしれません。

小枝などの巣材を搬入しなかったので、造巣中でないことは確かです。

(産座のために柔らかい巣材を搬入したのを見落とした可能性は残ります。)
鉄骨に阻まれて、巣内の行動がよく見えないのがもどかしい…。
外巣の縁に止まった親鳥は巣の中をしきりに覗き込んでいます。
卵の様子を確認しただけかもしれませんが、もしかすると卵から孵化したばかりの小さな雛たちに給餌したのかもしれませんね(想像)。
雛がお椀状の巣の深さよりも成長すると遠くからでも雛の姿が見えるようになるのですけど、雛が若い(小さい)うちは鉄塔を登って巣の中を覗きに行かない限り様子が全く分かりません。

先に飛び立った親鳥の1羽(♂?)が左に滑空し、住宅地に姿を消しました。
もう1羽の親鳥(♀?)が巣に座り込むと、その尾羽根が巣から突き出て見えます。
抱卵・抱雛しているとすれば、♀なのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:高圧線鉄塔の巣で雛に給餌するハシボソガラス♀♂(野鳥)



けんもほろろなキジ♂(野鳥)



2017年5月中旬
▼前回の記事
春の枯れ葦原で採食するキジ♂(野鳥)

堤防の階段を降りて行ったキジ♂a(Phasianus versicolor)をそっと追いかけます。

キジ♂aは湿地帯の少しだけ盛り上がったマウンドに佇み、周囲を見回しています。
その場で羽繕いしました。
やがて姿勢を正すとケンケーン♪と大声で鋭く鳴き、直後に翼を激しく羽ばたかせました。(@1:55)
後半の行動(羽ばたき)は母衣(ほろ)打ちと呼ばれます。

最近テレビの動物番組を見て知ったのですが、「けんもほろろ」という慣用句の由来は、母衣打ちするキジ♂の鳴き声(ケン)と羽の音(ホロロ)から来ているのだそうです。
実際は縄張り宣言の行動(さえずり)なのに、昔の人は頼み事を断る様子に見立てたのは興味深いですね。

ちなみに、♂の求愛を断るときにキジ♀がこのような行動をすることはありません。
▼関連記事 
キジ♂(野鳥)の求愛行動【中編:求愛ディスプレイ】

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
退屈な冒頭の2分間をカットしました。「雉も鳴かずば撮られまい。」
更に粘って母衣打ちをハイスピード動画に撮りたかったのですが、夕刻は光量不足で断念。





2017/07/25

ウワミズザクラの花で採餌するオオマルハナバチ♀



2017年5月中旬

道端に生えたウワミズザクラ灌木の白いブラシ状の花が満開でした。
オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が忙しく訪花しています。
後脚の花粉籠は空荷のようでした。
時期的に未だワーカーではなく、創設女王だろうと思います。

複数個体を撮影。
標高で棲み分けているはずのクロマルハナバチと同所性に訪花していました。

▼関連記事
ウワミズザクラの花で採餌するクロマルハナバチ♀

※ 動画編集時に一部、自動色調補正を施しています。


線路脇に尿で縄張りをマーキングする長毛ネコ



2016年7月上旬・午後19:20(日の入り時刻は午後19:05)

日没後に、近所で飼われていると思われる長毛のネコFelis silvestris catus)が線路沿いを散歩していました。
あまりにも毛深くてボサボサなので、一瞬タヌキかと思いました。
こんなに長い毛皮を真夏にまとっていたのでは暑くて堪らないでしょう。

線路の砂利ではなく単線のレールの上を慣れた足取りで歩いています。
線路から少し横に外れると、生い茂ったススキ?の群落の匂いを嗅いで回ります。
やがて植物の茂みに対して後ろを向き、尾を高々と上げ細かく震わせました。(@1:22)
これはオシッコ(小便)によるマーキングですね。
暗過ぎてスプレーがよく見えなかったのは残念でした。
こうして毎晩縄張りをパトロールしているのでしょう。

田中豊美『みぢかなともだちネコ』p48によると、

ネコの社会行動(3)においづけ(マーキング)
ネコは、ふだん生活をしている場所の、木やへい、家のかべなどに、オシッコをふきつけたり、つめとぎをしたりして、「においづけ=マーキング」のためのパトロールをする。自分のナワバリでることを、ほかのネコにしらせるためだ。
オシッコのにおいづけは、♂ネコによく見られるが、♀ネコもたまにする。
シャッシャッとオシッコをふきつけるときに、ヒリヒリとしっぽをふるわせる。



▼関連記事
尿で縄張りをマーキングするネコ



↑【おまけの動画】
同じ素材で自動色調補正した動画をブログ限定で公開します。
日没後の雰囲気が失われるほど強制的に明るくしても、肝心の尿の噴射はよく見えませんね。

長毛ネコ@線路+散歩

2017/07/24

高圧線の鉄塔に作られた巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年4月下旬・午後17:26~17:28

高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#1


郊外の住宅地にそびえ立つ高圧線の鉄塔#19の最上部付近に新しくハシボソガラスCorvus corone)の巣を発見。
巣材はやはり多数の小枝をお椀状に組み合わせたものでした。
♀と思われる親鳥が巣に座って抱卵しているようです。
(造巣から見届けている訳でもありませんし、鉄塔に登って巣の中を確認した訳ではないので、抱雛の可能性を否定できません。)
油断なく辺りをキョロキョロ見回しています。
高所にある営巣地ですけどアングルを工夫すれば観察しやすそうなので、ここも定点観察に通うことに決めました。
前年は中途半端な観察しか出来なかったので、今年は繁殖の初期から気合を入れて通います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2


以下の写真はアングルが悪くて在巣の親鳥が写らず。

オクウスギタンポポの白い花とヤブキリ若齢幼虫



2017年5月中旬

郊外の道端に咲いた白いタンポポの花にヤブキリTettigonia orientalis)の幼虫を見つけました。
残念ながら食事中ではなく、花の上でただ休んでいるだけでした。
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』p90によると、春にヤブキリとキリギリスの幼虫の見分ける方法は簡単で、背に一本線がヤブキリで、2本線だとキリギリスの幼虫。



▼関連記事
セイヨウタンポポの花とヤブキリ若齢幼虫

日本中で在来種のタンポポが外来種のセイヨウタンポポにすっかり駆逐・蹂躙されてしまった昨今、白い花のタンポポは貴重です。
石垣の下に咲いたタンポポの群落の中で一つだけ唐突に白い頭花だったので突然変異個体なのかと疑ったのですが、調べ始めるとなかなか奥が深い世界でした。
シロバナタンポポでもなく、ようやくオクウスギタンポポTaraxacum denudatum)と判明。
日本のレッドデータによると、ここ山形県では絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されている珍しい種類のタンポポでした。

ちなみに、すぐ隣の群落は総苞の形状から在来種のエゾタンポポTaraxacum hondoense)でした。

オクウスギタンポポの花がしっかり開いてから改めて写真を撮ろうと数日後にいそいそと再訪してみたら、残念ながら他の雑草と一緒に綺麗さっぱり除草されていて落胆しました。
絶滅危惧種だというのに、タンポポを保護するという発想をこの近所の人々に伝えるのは難しそうです。


【追記】オクウスギタンポポを漢字で書くと奥薄黄蒲公英ですから、「白い花」ではなく淡黄色と呼ぶべきでしたね。


2017/07/23

アケボノスギ梢の巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年5月上旬
▼前回の記事
メタセコイア樹上の巣で抱卵・転卵するハシボソガラス♀(野鳥)

メタセコイア(=アケボノスギ)の梢に営巣したハシボソガラスCorvus corone)の定点観察記録。

見に行っても親鳥が不在のことが多く、久々に在巣の親鳥を撮ることが出来ました。
廃巣ではないと分かり一安心。
巣に座って抱卵中の親鳥(♀?)は警戒して辺りをキョロキョロ見回しています。
メタセコイアの葉が茂り始めました。
背後の里山からもようやく雪が溶けて消えました。

おそらく抱卵だろうと勝手に想像したものの、高木によじ登って巣の中を確認した訳ではないので、抱雛の可能性を否定できません。
(卵から雛が孵化しているかもしれない。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

その後も通りかかる度に定点観察を続けたのですが、メタセコイアの葉が生い茂ると巣がすっかり隠蔽されてしまいました。
親鳥はそれを見越してここに巣を作ったのかもしれません。
観察しやすい別の営巣地を見つけたこともあり、ここからは足が遠のきました。
悪いことは重なるもので、この営巣地の近くで大規模な土木工事が始まり騒々しい重機が何台も出入りするようになりました。
おそらく親鳥は環境悪化によりここでの繁殖を断念したのではないかと想像しています。
結局、ここでは親鳥が巣に出入りして雛に給餌するシーンも撮れずに終わり、残念でした。



尿で縄張りをマーキングするネコ



2017年5月中旬

堤防の階段で私が休んでいると、向こうから1頭のネコFelis silvestris catus)がノシノシと歩いて来るのに気づきました。
私の姿を認めたのに恐れずやって来て、近くの階段に腰を下ろして休みました。(映像はここから)
目つきが悪く肉付きの良い(太り気味)個体でした。
首輪は見えませんが、きっと飼い猫が夕方に縄張りを巡回(パトロール)しているのでしょう。
やがて立ち上がると、しなやかな身のこなしで階段をゆっくり引き返し始めました。
ときどきこちらを振り返りながら立ち去ります。

柳の灌木の陰に隠れてしまいましたが、猫は階段を登ると、枯れ草に覆われた土手で立ち止まりました。
尻尾をピンと持ち上げ震わせました。(@1:02~1:10)
これは尿スプレーのマーキングでしょう。
小便をかける何か立木など目印となる物があったのか、現場へ確認しに行けばよかったですね。
真相は藪の中。

田中豊美『みぢかなともだちネコ』p48によると、

ネコの社会行動(3)においづけ(マーキング)
ネコは、ふだん生活をしている場所の、木やへい、家のかべなどに、オシッコをふきつけたり、つめとぎをしたりして、「においづけ=マーキング」のためのパトロールをする。自分のナワバリでることを、ほかのネコにしらせるためだ。
オシッコのにおいづけは、♂ネコによく見られるが、♀ネコもたまにする。
シャッシャッとオシッコをふきつけるときに、ヒリヒリとしっぽをふるわせる。


その後も猫の動きを撮り続けると、遊歩道に下りてきました。
どうやら私が階段に居座って猫の散歩道を塞いでいたので、仕方なくぐるっと迂回したようです。
ネコも舗装された道の方が歩きやすそうです。

実は、最初にネコが座ったところは野生動物の溜め糞があった地点のすぐ近くなのです。
長年タヌキかアナグマが残した溜糞だと思って定点観察していたので、もしやネコの糞だったのか?!と意外に思いました。
しかし、撮影直後にネコが座っていた階段を調べてみると、新鮮な糞は残されていませんでした。
溜め糞を利用しているのなら、まず共同トイレの匂いを嗅ぐはずです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





↑【おまけの動画】
前後の状況も含めた完全版の動画をブログ限定で公開します。


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