2017年5月中旬
郊外の道端に咲いた白いタンポポの花にヤブキリ(Tettigonia orientalis)の幼虫を見つけました。
残念ながら食事中ではなく、花の上でただ休んでいるだけでした。
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』p90によると、春にヤブキリとキリギリスの幼虫の見分ける方法は簡単で、背に一本線がヤブキリで、2本線だとキリギリスの幼虫。
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セイヨウタンポポの花とヤブキリ若齢幼虫
日本中で在来種のタンポポが外来種のセイヨウタンポポにすっかり駆逐・蹂躙されてしまった昨今、白い花のタンポポは貴重です。
石垣の下に咲いたタンポポの群落の中で一つだけ唐突に白い頭花だったので突然変異個体なのかと疑ったのですが、調べ始めるとなかなか奥が深い世界でした。
シロバナタンポポでもなく、ようやくオクウスギタンポポ(Taraxacum denudatum)と判明。
日本のレッドデータによると、ここ山形県では絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されている珍しい種類のタンポポでした。
ちなみに、すぐ隣の群落は総苞の形状から在来種のエゾタンポポ(Taraxacum hondoense)でした。
オクウスギタンポポの花がしっかり開いてから改めて写真を撮ろうと数日後にいそいそと再訪してみたら、残念ながら他の雑草と一緒に綺麗さっぱり除草されていて落胆しました。
絶滅危惧種だというのに、タンポポを保護するという発想をこの近所の人々に伝えるのは難しそうです。
【追記】オクウスギタンポポを漢字で書くと奥薄黄蒲公英ですから、「白い花」ではなく淡黄色と呼ぶべきでしたね。
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