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2025/12/01

水溜りを泳ぎ回るヤマカガシはアメンボなど水生昆虫を捕食するか?

 

2024年9月上旬・午後12:28〜13:08・気温24.5℃ 

トレイルカメラの保守作業のために、里山に登って、湧き水や雨水の溜まった湿地帯に来ました。 
現場入りした私が静かに電池交換などの作業を始めると、干上がりかけた水溜まりSの方から水音が聞こえてきました。 
てっきりカエルやオタマジャクシが水溜りで跳びはねているのかと思いきや、ヘビが入水していました! 
ヤマカガシRhabdophis tigrinus)です。 
素人目にはなんとなく、まだ少し若い個体のような気がするのですけど、どうでしょうか? 

関連記事(8年前の撮影)▶ 水路を泳いで渡るヤマカガシ 


ヤマカガシは蛇行して水溜まりや岸辺の泥濘を右往左往しています。 
9月の水溜りには、ヘビの獲物となるオタマジャクシやカエルはもう1匹も居ません。 
どうやらアメンボなどの水生昆虫を狙って狩りをしているようです。 
ヤマカガシが目の前の獲物に襲いかかる瞬間を1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
射程距離に入ると突進して噛みつこうとしますが、何度やっても水面のアメンボはピョンピョン跳んで素早く逃げてしまいます。 
よく見ると、アメンボが逃げ出す動きに反応して襲っていることが分かりました。
表面張力を利用して水面に浮いているアメンボは、獲物を捕るために足先の感覚毛で波紋を敏感に感じています。
ヘビが水溜りで少しでも動くと波紋が立ちますから、どうしてもアメンボに気づかれて逃げられてしまうのです。
長い胴体を使ってヤマカガシがアメンボをゆっくりと囲い込み(アメンボの行く手を塞ぎ)、待ち伏せしている顔の方へ誘導する作戦を試みても、アメンボはヘビの胴体をピョンと跳び越えて脱出してしまいます。 
結局、狩りが成功して水生昆虫を捕食するシーンは一度も撮れませんでした。 

ヤマカガシがアメンボに襲いかかるかどうかは、とても気まぐれです。 
せっかく目の前にアメンボが近寄って来たり通り過ぎたりしても、ヤマカガシは知らん顔でやり過ごすことが多いです。 
襲ってもどうせ逃げられると分かり、諦めているのでしょうか。

浅い水溜りを蛇行するヤマカガシの右横で丸っこい小型の水生甲虫(ミズスマシ?)が慌てて潜水すると、水底のデトリタスに隠れました。(@10:40〜) 

活動中のヤマカガシが口を開閉したのは欠伸でしょうか? 
なんとも可愛らしい映像が撮れました。(@0:35、0:43〜) 
Perplexity AIに尋ねてみると、ヘビもアクビをするそうです。
ヤマカガシを含むヘビは欠伸をすることがあります。欠伸はヘビなど多くの脊椎動物に見られ、あくびとも呼ばれ、口を大きく開けて呼吸を整えたり、顎の筋肉をほぐしたりする行動です。特に捕食や休息の前後、または体温調整の一環として行われると考えられています。 ヤマカガシの求愛や警戒行動の中であくびが観察されることがあり、他のヘビと同様に生理的な意味を持っています。そのため、欠伸は単なる疲労サインだけでなく、体調維持や環境への適応行動の一部とみなせます。[2] 

撮影の合間に木陰で測った気温は24.5℃でした。 
ヘビが浸っている水溜りの水温を実際に測るべきだったのですが、この日に限って長靴を履いて来なかった私は、泥で靴が汚れるのが嫌で水溜りに近づけませんでした。 
こういうときこそ、離れた位置からも温度が測れるレーザー式のデジタル温度計が必要ですね。 
もし携行していれば、水温だけでなくヤマカガシの体温も測れたはずです。 
同じ水溜りでも日陰の部分と日向の部分では水温が微妙に違うのかもしれません。 
しかし映像を見る限り、ヤマカガシは水溜りの中で日向・日陰のいずれかを特に好んで留まる訳ではなさそうです。 
ヒトが暑いサウナと水風呂を交互に入るのと同じように、ヘビも日向と日陰に出入りして自分で体温調節しているのかもしれません。

泥濘を蛇行したり水溜りを泳いだりするヤマカガシがあまりにも美しく、夢中になって動画を撮りまくりました。 
これほど長時間ヘビを観察できたのは初めてかもしれません。 
さすがに飽きてきたので、水場を監視するトレイルカメラでも軽く撮影してみました。 
その映像が冒頭のシーンです。
(これだけ動画素材を撮影順から入れ替えました。) 
私が愛用しているデジカメは最近ズームの調子が悪くて現場の状況を引きの絵で撮れなかったので、代わりにトレイルカメラの映像を冒頭に差し込みました。
その後、トレイルカメラを監視モードに切り替えて私が現場を立ち去ると、水溜まりSの中に浸っているヤマカガシの活動はもう録画されていませんでした。 
爬虫類は変温動物ですから、いくら活発に蛇行してもトレイルカメラの熱源センサーが反応しないのです。 

せっかく三脚があるのですから、固定した定点カメラでヤマカガシが水溜りSの中を蛇行する様子をタイムラプス撮影(インターバル撮影)すれば面白かったかもしれません。 


【考察】
動画の他に写真でもヤマカガシを撮ったのですが、フラッシュを焚いたら目が光を強く反射していました。 
てっきりヤマカガシにもタペータムがあるのかと思いきや、Google AIによれば違うそうです。
フラッシュ撮影時にヤマカガシの目が光って見えたとのことですが、これはタペータム(輝板)によるものではなく、角膜の外側にある透明な膜(眼鏡板)への光の反射と考えられます。 ヤマカガシを含むヘビの仲間には、一般的にタペータムは存在しないと考えられています。 ヘビの目の特徴と目の反射 まぶたがない: ヘビにはまぶたがなく、常に目を開けた状態のように見えます。その代わりに、目全体が「眼鏡板(スペクタクル)」と呼ばれる透明なウロコで覆われています。 タペータムの有無: タペータムは、犬や猫などの多くの夜行性動物が持つ反射層で、わずかな光を効率よく利用するために光を反射させる役割があります。しかし、多くのヘビはタペータムを持っていません。 フラッシュ撮影時の反射: 昼夜を問わず、ヘビの目にフラッシュの光が当たった際に光って見えるのは、この目の表面を覆う眼鏡板が光を反射しているためです。 ヘビの目は独特な構造を持っており、視力はあまり良くないと言われていますが、その代わりにピット器官(赤外線感知器官)などで周囲の情報を補っています。

 

ヘビの角膜の外側にある透明な膜(眼鏡板)は、鳥の瞬膜と異なります。両者は機能は似ていますが、解剖学的・進化的な起源が異なる別の器官です。 眼鏡板と瞬膜の違い 特徴 ヘビの眼鏡板 (Brille, Spectacle) 鳥の瞬膜 (Nictitating membrane) 構造 動かない透明なウロコ状の皮膚。上下のまぶたが融合してできたものに由来する。 半透明の薄い膜状の「第三のまぶた」。 動き まったく動かない。脱皮時に一緒に剥がれ落ちる。 目頭から目尻へ水平方向に素早く動く。 役割 まぶたの代わりとして常に目を保護し、乾燥を防ぐ。 まばたきのように角膜表面を潤し、破片から目を守る「ワイパー」や「水中メガネ」のような役割。 起源 上下のまぶたの融合。 脊椎動物が持つ第三のまぶた。 まとめると、鳥の瞬膜は動くことによって目を保護・保湿する機能的な「まぶた」の一部であるのに対し、ヘビの眼鏡板は固定された透明な皮膚の層であり、根本的な構造と動作が異なります。



記事のタイトル「ヤマカガシはアメンボなど水生昆虫を捕食するか?」について、Perplexity AIを相手にブレインストーミングしました。

A1: ヤマカガシは主にカエルやオタマジャクシのような動く小動物を捕食し、動きのないものは獲物として認識しにくい可能性が高いです。


A2: ヤマカガシは獲物を探す際に視覚を部分的に利用しますが、主に嗅覚を使っていると考えられています。特にヤコブソン器官(舌を使った化学感覚)を使って餌を識別し、ヒキガエルなど特定の獲物を嗅覚的に認識するという研究報告があります。視覚においては動くものの認識や動きに敏感で、素早く動くものを感知して反応しますが、色覚や細かな視覚情報の利用は限られているともされます。oirase-fm+2

総じて、ヤマカガシは視覚より嗅覚に依存する捕食行動が強く、特に獲物の存在確認や識別には化学感覚が重要とされています。ただし、獲物の動きの検知などに視覚も役立っていると考えられるため、視覚を完全に使わないわけではありません。note+1

したがって、ヤマカガシは主に嗅覚で獲物を探しつつ、視覚で動きを検知するという補助的な役割で視覚を使っていると理解できます。


A3: ヤマカガシにはピット器官(熱を感知する赤外線受容器官)はありません。ピット器官はマムシ亜科やニシキヘビ科、ボア科の一部のヘビに見られる特徴で、目と鼻の間のくぼみに存在しますが、ヤマカガシはナミヘビ科に属し、この器官を持たないとされています。

A4: ヤマカガシは昆虫を捕食することはほとんどなく、その主な食性はカエルやオタマジャクシ、魚類、トカゲなどの小動物で構成されています。ヤマカガシは特に有毒なヒキガエルも捕食できることで知られており、昆虫は食餌の主要な対象には含まれていません。amaru+3

報告されている食物リストに昆虫は基本的に含まれていないため、昆虫を捕食する機会や頻度は非常に低いか、ほぼないと考えられます。

 

A5: ヤマカガシが浅い水溜りの中で舌を出し入れしながらゆっくりと蛇行し、目の前にいるアメンボに襲いかかる行動は、単なる反射的なものではなく、獲物の動きを認識して捕食を試みている可能性が高いです。ヤマカガシは化学感覚(ヤコブソン器官)で獲物の存在を探知しつつ、動きに反応して捕食行動を起こします。アメンボは素早く逃げる能力が高い水生昆虫であるため、捕食されにくいですが、ヤマカガシのこの行動は獲物として認識しての捕食努力と考えられます。bdcchiba+1

つまり、襲いかかるのは単なる偶発的な反射ではなく、獲物としての意識を持っての捕食行動の一部と見なせます。ただし、アメンボが逃げやすいため捕獲には成功しにくいということです。

 

A6: ヤマカガシが夏の山中の浅い水溜りに長く滞在していたのは、体温を下げるための水浴を兼ねていた可能性が高いです。ヤマカガシは特に夏季の高温期に水辺で行動することが知られており、捕食対象のカエルやオタマジャクシがいない場合でも、水中で体温を調節するために一定時間水に浸かることがあります。また、水辺環境は湿度を保ち、脱水を防ぐ役割も果たすため、暑さや乾燥対策として利用されていると考えられています。yahagigawa+1

つまり、ヤマカガシが浅い水溜りに長居したのは、単に餌のためだけでなく、夏の暑さ対策としての水浴の目的もあるためと理解できます。



つづく→

2025/11/19

シマヘビの幼蛇:休息からの蛇行逃走

 



2024年8月下旬・午前13:20頃・くもり 

郊外の住宅地でシマヘビElaphe quadrivirgata)の幼蛇が道端でじっとしていました。 
家屋の北側で、しかも木陰のため、日光浴ではないはずです。 
私を警戒しているのか、舌の出し入れはしていません。 

私が右足の爪先で蹴るそぶりをすると、左を向いていたシマヘビ幼蛇は、身を翻して右の草むらに素早く逃げ込みました。 
蛇行の逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:23〜)


2025/11/11

堤防の階段の手すりで脱皮したヘビの抜け殻

 

2024年7月下旬・午後12:10頃・晴れ 

クズの群落にすっかり覆われた堤防で階段の手すりにヘビの抜け殻(脱皮殻)を見つけました。 



ヘビは手すりの低い方に頭を向けて脱皮していました。 
頭部はヘクソカズラの蔓に付着していました。 
抜け殻をそっと取り外して巻き尺で採寸すると、長さは83cmでした。 

採集した抜け殻をじっくり調べれば、ヘビの種類が分かるかな? 


関連記事(2ヶ月前の撮影)▶ 田んぼの農道でシマヘビの抜け殻を見つけた! 


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2025/07/30

ジムグリが死んでいた!

 

2024年6月下旬・午後13:30頃・くもり 

私が里山の林道を登っていると、三叉路に近い地点のわだちジムグリ(Elaphe conspicillata)が横たわっていました。 
周囲はスギと雑木の混交林だったと記憶しています。
ジムグリの背面は地味な焦げ茶色で、スギなどの落葉落枝が散乱する地面に対して保護色になっています。 
体が波打ったり途中でぐるっと巻いていたりと、複雑な体勢のまま静止しています。 
私が恐る恐る小枝でつついても動かず、死んでいました。 
素人目には死骸に目立った外傷はなく、死因が不明です。 
死骸を好むハエやシデムシなどが未だほとんど集まって来ていないということは、新鮮な死骸のようです。 

15cm定規を死骸の横に並べて置いて採寸しました。 
横着せずに死骸をまっすぐ伸ばした状態で、巻き尺で体長を採寸すべきでしたね。 
その定規でヘビに触れても持ち上げても無反応でした。 
やはりジムグリは死んでいるようです。 
死後硬直はなく、持ち上げるとぐったりしていました。
(ジムグリは)危険を感じると総排出口から独特の青臭い臭いを出す[4]。(wikipediaより引用)
らしいのですが、私の鼻では無臭でした。 

苦労して死骸をひっくり返すと、腹面にも外傷は認められませんでした。 
腹面の鱗にはジムグリに特有の赤と黒の市松模様がありました。 
よく観察すると、市松模様があるのは腹板だけで、総排泄孔から下の尾下板にはありませんでした。 
派手な市松模様は捕食者に対する警告色として進化したのでしょうか? 
しかしジムグリは毒を持ちませんし、絶体絶命の際にわざわざ腹面を無防備に見せるのか疑問です。 
体軸に沿ってパンした接写映像から腹板を丹念に数えられそうだったのに、とぐろを巻いている部分の腹板が隠れているのが残念です。 
やはり真っ直ぐに伸ばした状態で撮影すべきでしたね。 
このとき私は手袋を持ってきておらず、素手で死骸に触れたくなかったのです。
(ジムグリの)腹板は雄が200-219枚、雌は206-227枚[6]。尾下板、雄に63-76枚、雌が59-72枚[6]。 (wikipediaより引用)

ヘビの中には、危険が迫ると擬死行動(死んだふり)をする種類がいます。 
ジムグリも擬死するかどうか気になり、Perplexity AIに問い合わせたのですが、擬死するという自信たっぷりの回答には裏付けがありませんでした。 
同じ質問を各社AI(gemini, perplexity, ChatGPT)に投げかけて回答を比較したところ、どれもなぜか頑固なハルシネーションを示しました。 


関連記事(8年前の撮影)▶ ジムグリの幼蛇を見つけた! 

私にとってジムグリは幻のヘビで、なかなか見つけられません。 
今回は珍しく新鮮な死骸だったので、解剖したり骨格標本を作ったりと有効活用できそうです。 
しかしこの時期私は他のプロジェクトが忙しすぎて余裕がなく、死骸を持ち帰りませんでした。 
(死骸専用の大型冷凍庫があれば、長期保存ができるのですけど…。)
後で思ったのですが、タヌキなどスカベンジャーが通る獣道にヘビの死骸を置き直して、屍肉を食べたり持ち去ったりするかどうかトレイルカメラで監視するのも面白そうです。 
それなら最初にセッティングだけすれば、後は無人カメラが自動で記録してくれるので、「果報は寝て待て」というお手軽な自由研究です。

2025/07/25

干からびたヘビの死骸(ロードキル)

2024年6月下旬・午後15:20頃・晴れ 

郊外の車道でヘビの死骸を見つけました。 
車に轢かれたようで(交通事故)、踏み潰され、ぺしゃんこです。 
そのまま色あせた干物になってしまい、私には種類も見分けられませんでした。 
こんな状態でもヘビの種類が見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。

新鮮な死骸なら解剖したり骨格標本を作ったりできるのですけど、ここまで状態が悪いと、写真を撮るしかできません。 (※ 追記参照)

ハエやシデムシなどのスカベンジャーも全く来ていませんでした。 
舗装路は晴れると高温になり、死骸の水分もすぐに失われるからでしょう。 
カラスやトビなど大型のスカベンジャーが蛇の死骸を持ち去って、屍肉を食べそうなのに、魅力がなくて(見つからなくて?)放置されたようです。 


※ 【追記】
次にこのようなロードキルや死骸を見つけたらタヌキに給餌してみよう(獣道に置いてみよう)、と翌年になって思いつきました。 


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2025/07/10

日光浴していた農道から蛇行して逃げるシマヘビの幼蛇

 

2024年6月中旬・午前9:50頃・晴れ 

郊外を流れる川の堤防路(農道)でシマヘビElaphe quadrivirgata)の幼蛇がウネウネと伸びた状態で農道に静止していました。 
しばらく待ってもシマヘビ幼蛇は動きません。
舌の出し入れもなく、まさか死んでいるのでしょうか?

動画を撮りながら私がゆっくり近づいたら、シマヘビ幼蛇は身を翻して道端の草むらに姿を消しました。 
細長い体のほとんどは日向に出ていたので、おそらく日光浴をしていたのでしょう。

逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
すばやく蛇行して草むらに隠れました。 
威嚇行動は見られず、舌の出し入れなども観察できませんでした。

関連記事(3、5年前の撮影)▶  


【考察】 
シマヘビは無毒ですが、幼体の時期だけ有毒のマムシにベーツ擬態していると考えられています。 
しかし、私の感覚ではフィールドでマムシに出会う頻度(≒生息数)は近年激減しています。 
その状況で無毒のヘビがモデルの有毒マムシにベーツ擬態しても効果ないはずです。 
捕食者が擬態のモデルとなったマムシを食べようとして毒で痛い目に遭い、その体色パターンを学習しなければ、シマヘビ幼蛇を忌避する行動も起こらないからです。
また、ベーツ擬態が成立するためには、「モデル(マムシ)」と「ミミック(シマヘビ幼蛇)」が同じ捕食者に遭遇しやすい環境で共存していることが重要です(同所性)。
マムシとシマヘビの生息環境は少し違うので、捕食者がマムシを学習する機会が少なくなり、擬態の効果が薄れる可能性が高いでしょう。

そもそも、シマヘビの幼蛇がマムシをモデルとしたベーツ擬態であることを、捕食者を使った実験で本当に証明した研究はないそうです。 
実は一部のヒトが「似てる」と主観的に思っているだけかもしれません。
擬態をテーマとした写真集は昔から人気があります。
ロマンがあって面白いのですが、捕食者への忌避効果があるか実証していないのに、動物写真家や自然愛好家が安易に「擬態だ!」と決めつけた例が実は多いのではないかと私は疑っています。 
実証が難しいのは百も承知です。
例えば捕食者が紫外線領域も見えるのであれば、その視覚特性を考慮した上でモデルとミミックの見た目が似ているかどうかをせめて検討すべきでしょう。
ヒトの見る可視光の世界だけで決めつけているのは問題です。

もし本当にマムシへの擬態が捕食者対策として有効なら、幼体の時期だけでなく成体になってもマムシに似せ続ければよいはずです。 
成体になってシマヘビ特有の体色パターンが現れるのは、マムシとの異種間誤認交尾を避けるため(生殖隔離)かと私は思ったのですが、それは違うらしい。 
以下はPerplexity AIの回答です。
成体でマムシに似せ続けない理由として有力なのは、捕食リスクや生態的背景の違いです。 幼蛇は体が小さく、捕食者(鳥や哺乳類など)に狙われやすいため、擬態による捕食回避効果が強く働くと考えられています。 成体になると体が大きくなり、捕食リスクが減少し、また行動範囲や生息環境も変化するため、幼体時に必要だった擬態的模様が不要になる可能性があります。 さらに、成体の体色や模様は「隠蔽(カモフラージュ)」や「環境への適応」といった別の選択圧が働いていると考えられています。 生殖隔離のために体色が変化するという説は、ヘビ類では一般的に支持されていません。 また、マムシとシマヘビは生殖行動や生息環境、繁殖時期が大きく異なるため、異種間交尾のリスク自体が極めて低いと考えられます。 まとめると、シマヘビ幼蛇が成体になるとマムシ的な外見を失うのは、捕食圧や生態的適応の変化によるものであり、「生殖隔離」のためではないと考えられています。

2025/07/02

田んぼの農道でシマヘビの抜け殻を見つけた!

 

2024年5月下旬・午後15:10頃・晴れ 

水田の間を通る農道の端にヘビの抜け殻を見つけました。 
右の水田は水入れしたばかりですが、左の水田は田植えが完了しています。 
田植え直前の農道に選択性除草剤を撒いたばかりらしく、イネ科の雑草だけ枯れています。 (シロツメクサの葉は青々としたままで枯れてない。) 

茶色に枯れた草に絡みつくように、長い新鮮な脱皮殻が残っています。 
抜け殻の頭部は、右の水田の方を向いていました。
まず巻き尺で抜け殻の全体を採寸すべきでしたね。 
脱皮殻は初めから上半身と下半身に千切れていました。 
動画に撮りながら、脱皮殻に絡みついた枯れ草を慎重に剥がして、ビニール袋に採集しました。 
抜け殻の下に隠れていた雑草も枯れていたことから、おそらくヘビの脱皮より前に除草剤が散布されたと考えられます。 

脱皮中のヘビは無防備です。
こんな農道で明るい昼間に脱皮したら猛禽やカラスなどの天敵に対して目立ってしまいますから、ヘビはおそらく夜に脱皮したのではないでしょうか。

さて、抜け殻からヘビの種類を同定できるでしょうか? 
この辺りでもっとも多い普通種である、アオダイショウElaphe climacophora)またはシマヘビElaphe quadrivirgata)のいずれかだと予想しています。 

参考サイト▶ 
[今日の観察]ヘビの完全な抜け殻 by いきもの通信 Vol. 186


採集した抜け殻の標本を調べてみると、伸ばした長さが約140cm(前+後=50+90=140)、体鱗列数が19、腹板数が196(88+108=196)だったのでシマヘビの成体だろうと判明しました。
数えているうちに分からなくなるので、油性マジックで鱗に印を付けながら、カウンターを使ってカチカチと数えました。
腹板は尻尾の先まで数えるのではなく、頭の下から総排泄孔までを数えるので要注意。
脱皮殻に縦縞模様などは残っていませんでした。

採集した立派な抜け殻をいずれラミネート加工などして、標本としてしっかり保存するつもりです。 
わざわざ額装までするのは大変そうです。

いつものように、Perplexity AIに相談して調べ物をしながら記事を書きました。


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採集前の脱皮殻
採集後の抜け殻

2025/06/06

蛇行して農道から稲刈り前の田んぼへ逃げるアオダイショウ

 

2024年5月中旬・午後15:35頃・晴れ 

私が田んぼの農道を歩いていたら、かなり大型のアオダイショウElaphe climacophora)が雑草の茂みに潜んでいました。 
胴体は農道を横断するように横たわり、頭部だけ草むらに入っていて、その状態で鎌首をもたげています。 
農道や畦道で野ネズミの巣穴に潜り込んでは捕食し、ここまで大きく育ったのでしょう。 

捕獲に挑むかどうか私が迷っていたら、殺気を感じたのか、アオダイショウはスルスルと蛇行して逃げ出しました。 
 逃げ込んだ先は水入れ前の田んぼだったので、泳ぐシーンが撮れずに残念でした。 

蛇行シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:15〜) 
赤い舌を素早く出し入れして周囲の匂いを嗅ぎながら前進しています。

2025/05/21

峠の廃道を蛇行して逃げるシマヘビ

 

2024年5月上旬・午後14:20頃・晴れ 

峠の廃道を登る途中で、シマヘビElaphe quadrivirgata)を見つけました。 
舗装路で細かく波打ちながらも真っ直ぐ伸びた状態で静止しています。 
晴れていても日向ではないので、日光浴ではなさそうです。 
蛇の頭部にズームインしても、舌を出し入れしていませんでした。 
私がゆっくり近づいても、シマヘビは逃げようとしません。 
もしかして、死んでいるのでしょうか? 

私がしゃがんで接写すると、シマヘビがようやく少しだけ後退しました。 
それまで寝ていたシマヘビが覚醒したのでしょうか?
私が拾った落枝の先でシマヘビの体に軽く触れると、向きを変え、蛇行しながら逃げ出しました。 
慌てて逃げるシマヘビを歩いて追いかけると、枯れた落ち葉が堆積した路肩を横切り、道端の干上がったコンクリート側溝を乗り越えて、最後は山側の笹薮に逃げ込んで身を隠しました。 

シマヘビの蛇行を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:55〜) 
蛇行しながら舌を出し入れして、周囲の匂いを鋤鼻器に送り込んで嗅いでいます。

2024/06/22

農道から慌てて蛇行して秋の水田に逃げ込むシマヘビ

 

2023年9月下旬・午前9:30頃・晴れ 

田園地帯の農道でシマヘビElaphe quadrivirgata)が潜んでいました。 
初めは死んでいるのかと思い、足で尻尾を軽く蹴って生死を確認しようか、それとも捕獲を試みようかと迷っていたら、身の危険を感じたシマヘビが慌てて逃げ始めました。 
動画を撮りながら追いかけると、シマヘビは草むらから出て農道を慌てて横切り、稲穂が実る田んぼの中へ逃げ込みました。 
稲刈り前の田んぼにはもう水がほとんど入っていません。 
素早い蛇行の逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:42〜) 

もしかして、これはシマヘビではなくアオダイショウですかね? 
草むらの陰で縞模様が全体的に黒っぽく見えたと記憶しているのですが、どうでしょうか?

2024/06/08

風倒木の根元にある謎の巣穴から出てきた幼蛇【トレイルカメラ】

 

2023年9月中旬・午前9:50頃 

シーン1:9/7・午後15:00(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで採れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で根こそぎ倒れたスギの根元に掘られた謎の巣穴をトレイルカメラで見下ろすように監視しています。 
巣口を縁取るように、灌木(樹種不明)の根元が強く湾曲しながら育っています。(冬の雪圧による変形) 


シーン2:9/20・午前9:49(@0:04〜) 
1匹のヘビ(種名不詳)が巣穴から右へスルスルと這い出てきました。 
かなり細いので、なんとなく幼蛇のような気がします。 
幼蛇の蛇行シーンを5倍速の早回し映像でリプレイ。(@0:35〜) 
残念ながらフルカラーで録画してくれなかったため、私にはヘビの種類を同定することができません。 

林床を蛇行するヘビにもしも鳥が気づいたら、寄って集って大騒ぎしたはずです(モビング行動)。 
あるいは相手が幼蛇なら、捕食してしまう鳥もいそうです。

おそらく謎の巣穴に出入りする野ネズミの匂いに誘われて、ヘビが巣穴に侵入したのでしょう。 
爬虫類のヘビは変温動物ですから、トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずです。 
したがって、幼蛇が巣穴に侵入したシーンは撮れていません。 
そもそも今回、トレイルカメラが何に反応して起動したのか不明です。
天敵の侵入に驚いた野ネズミ(恒温動物)が別の脱出口から慌てて逃げ出し、その動きに反応してトレイルカメラが起動したのではないかと想像しました。 
たまに予想外の生き物が撮れるのもトレイルカメラの楽しみです。



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


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2024/05/03

ヒバカリの死骸に群がるハエとアリ

 

2023年7月下旬・午前10:35頃・晴れ 

山麓の舗装された農道で蛇の死骸を見つけました。 
真っ白な腹面を上に向けて死んでいます。 
車に轢き殺されてしまったようです。

動物の遺体に真っ先に集まる常連として、キンバエの仲間(種名不詳)とニクバエの仲間(種名不詳)が飛び回っていました。 
死骸の表面を舐めて吸汁し、その合間に身繕いしています。 
他にはクロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀が来ていました。 
ヘビを採寸するために15cm定規を並べて置いたら、ハエ類は警戒して飛び去りました。 

腹面だけではヘビの種類が分からなかったので、死骸を裏返してみました。 
頭部と尾端の損傷が激しいです。 
おそらくジムグリ(Elaphe conspicillata)の幼蛇ではないかと思います。 
成長して白い腹面に黒い市松模様が現れる前に非業の死を遂げたようです。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ジムグリの幼蛇を見つけた!


死骸の下にシデムシ類などが潜んでいるかと期待したのですが、何も来てませんでした。 
土ではなく固い舗装路では埋葬虫の活動が阻害されてしまうのでしょう。 
夏の炎天下でアスファルトが熱せられ、ロードキル死骸は乾燥が進んでいます。

撮影後は小枝を使ってヘビの死骸を舗装路から拾い上げ、道端の草むらに投げ込んでおきました。 
衛生当局や清掃業者が回収して焼却処分するよりも、自然界のスカベンジャー(掃除屋)の活動に任せる方がはるかにエコです。 
生物分解されて土に還るまでの様子を微速度撮影してみたかったのですけど、手持ちのトレイルカメラは全て他のプロジェクトで稼働中のため、諦めました。 
あまり世間に知られていませんが、『ファーブル昆虫記』にはヘビの死骸を放置してその変化を克明に観察した章もあります。


【追記】
YouTubeのコメント欄にて、RIFLAさんよりご指摘いただきましたので、ジムグリ幼蛇ではなくヒバカリHebius vibakari)の死骸と訂正しておきます。
腹板に市松模様がなく、体色からもヒバカリかと思われます。 


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2024/04/15

林床のヘビに対してモビングするシジュウカラなど小鳥の群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、ある日に大事件が勃発しました。 

シーン0:7/22・午後14:10頃・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
古いトレイルカメラの変な癖で、これ以降はなぜかフルカラーで録画してくれなくなります。


シーン1:7/25・午前9:40頃・晴れ(@0:03〜) 
二次林に多くの小鳥が集まり、耳障りな警戒声を発しながら忙しなく飛び回っています。 
何事かと思って動画をよく見直すと、アナグマの巣穴Rから2匹のヘビ(種名不詳)がニョロニョロと外に這い出て来ました! 
林床の地面を手前に向かってゆっくり蛇行します。 
ヘビの動きが緩慢で分かりにくいので、5倍速の早回し映像でリプレイします。(@1:03〜1:15) 

そもそも林内で2匹のヘビが一緒にいること自体が珍しいです。
(私はこれまで単独行動のヘビしか見たことがありません。) 
アナグマ家族が転出した後の空き巣にヘビの群れが住みついたというよりも、よく出入りしている野ネズミ(ノネズミ)の匂いを嗅ぎ取って巣穴に潜り込んでいたのでしょう(探餌行動)。 

アオダイショウElaphe climacophora)など木登りが得意なヘビは鳥の巣を襲い、卵や雛鳥を捕食しますから、野鳥の天敵です。 
したがって、天敵のヘビを見つけると野鳥は特有の警戒声を発して仲間を呼び寄せ、騒ぎ立てます。 
これはモビング(擬攻撃)と呼ばれる行動です。 
鳥たちは警戒して集まるだけで、ヘビを嘴でつつくなど直接的な攻撃をすることは一度もありませんでした。 
安全な樹上から地面のヘビを見下ろして鳴き騒ぎ、止まり木から止まり木へ忙しなく飛び移っています。 
縄張りからヘビが居なくなるまで、森に住む鳥たちは協力して、その動向を見張るのです。 
野鳥にしてみれば、自分たちの巣やねぐらをヘビにこっそり奇襲されるのが一番困ります。
ヘビに対して直接攻撃しなくても、「そこに居るのは知ってるぞ!」としつこくアピールするだけで抑止効果があります。 

動画内でジャージャー♪と耳障りな声で何度も鳴いているのは、シジュウカラがヘビに対して発する典型的な警戒声です。 (※ おまけの動画を参照) 
ヘビに対するモビングに参加する鳥の群れは同種だけとは限らず、異種の鳥も集まってくるのが特徴です。 
つまり、各種の鳥が発する「ヘビがいるぞ! 集まれ! 気をつけろ!」という種固有の警戒声を他種の鳥も理解した上で適切に振る舞っていることになります。
今回集まってきた小鳥はシジュウカラParus minor minor)がメインのようですが、白黒映像では種類をしっかり見分けられません。 

関連記事(同所でほぼ同時期の撮影)▶ 


他にはヒヨドリHypsipetes amaurotis)やカラス類が鳴き騒ぐ声が聞こえるものの、姿は写っていません。 
ヘビに対する鳥の集団モビング行動を実際に観察したのはこれが初めてで、とても感動しました。
フルカラーで録画できなかったのが、つくづく残念です…。 


シーン2:7/25・午後12:40頃・晴れ・気温32℃(@1:17〜) 
約3時間後の暑い昼下がりにトレイルカメラが再び起動すると、森はすっかり静まり返っていました。 
ヘビに集団モビングしていた鳥たちは既に解散したようです。

1羽の猛禽(種名不詳)が飛来したようで、林縁の低い灌木に止まってキョロキョロと辺りを見回しています。(画面の赤丸) 
私にはモノクロ映像から猛禽の種類を見分けられなくて残念ですが、後日にもまた登場します。(映像公開予定) 

やがて、ヘビ(種名不詳)が1匹アナグマが掘った古い巣穴Rlから外に這い出てきたのでびっくりました。 
どうやら、さっき鳥たちに集団モビングされて逃げ出した蛇のうち1匹がいつの間にか戻ってきたようです。 
ヘビは変温動物の爬虫類ですから、ヘビが単独でいくら活発に動き回ってもトレイルカメラのセンサーは反応しません。
温血動物(恒温動物)の鳥や哺乳類と同時に現れたときにしかヘビの行動は記録されないことになります。 
(実際、このヘビが木から降りるシーンは撮れていませんでした。)

等倍速ではヘビの動きが緩慢で分かりにくいので、まずは5倍速の早回し映像でご覧ください。(@1:17〜1:30) 
セットの広場を蛇行して横切ると、林縁に生えた細い灌木(樹種不明)をスルスルとよじ登り始めました。 
樹上に鳥の巣を探して求めているのかな? 
木登りする蛇を見るのは、これが2回目です。 
関連記事(11年前の撮影)▶ アオダイショウの木登り 


こんなに低い止まり木にじっとして居る猛禽を見るのは、珍しい気がします。
この猛禽はおそらく、カラスの大群にモビング(擬攻撃)されて林内に逃げ込み、ほとぼりが冷めるまで身を潜めているのでしょう。 
枝葉が鬱蒼と生い茂った二次林の低層に隠れると、上空を飛ぶカラスの目からは見えなくなるようです。
この猛禽が近くで動き回るヘビに飛びかかって捕食しないのが不思議でした。 
おそらくヘビは猛禽の死角に入り、見えてないようです。
それともカラスに追われる身の猛禽にしてみれば、ヘビを狩るどころではないのかもしれません。 (下手に動くとカラスに居場所がばれてしまう。)
あるいは、ニホンマムシGloydius blomhoffii)など危険な毒蛇を忌避しているのかな? 
もし森の小鳥たちがこの猛禽を見つけたら、ヘビに対するのとは別の鳴き方で警戒声を発して猛禽への激しいモビングを始めるはずですが、まだ誰にも見つかっていません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳥の鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


 

↑【おまけの動画】
『【永久保存版】シジュウカラ語を一撃で理解できる最強の動画』by ゆる言語学ラジオ 

シジュウカラの言語研究で名を挙げた鈴木俊貴先生が一般人にも分かりやすく直々に解説してくれています。 
シジュウカラがジャージャー♪と鳴くのは、「天敵の蛇だ!」という意味です。 
これを聞くと仲間の鳥は(シジュウカラに限らず)一斉に集まって地上のヘビを探します。 
ちなみに、シジュウカラの雛は親鳥の警戒声「蛇だ!(ジャージャー♪)」を聞くと巣内から慌てて飛び出すらしい。 
これは学習によらない本能行動なのだそうです。 


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2024/04/13

蛇行して車道を渡り側溝に逃げ込むアオダイショウ

 

2023年7月中旬・午前10:40頃・晴れ 

山麓の果樹園の農道でアオダイショウElaphe climacophora)が体を伸ばして日光浴していました。 
私が歩いて近づくと、蛇が慌てて逃げ出しました。 
動画を撮りながら追いかけると、道端の浅い側溝に落ちました。 
側溝に水は流れておらず、枯れた落ち葉が溜まっているだけです。 
余裕があれば、ヘビはよじ登って乗り越えることもできたはずです。 
アオダイショウはそのまま側溝内をどんどん逃げて行き、暗渠に潜り込んで姿を消しました。 

蛇行して逃げるアオダイショウを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:17〜) 
側溝内ではコンクリートの側壁に触れながら移動していました。 


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2024/03/07

日光浴中のアオダイショウに集るムネアカオオアリ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午前11:50頃・晴れ 

砂利が敷かれた山道にアオダイショウElaphe climacophora)が長々と横たわっていました。 
私が近寄っても逃げないので、車に轢かれた死骸(ロードキル)なのか?と初めは思いました。 
ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が群がって体中を這い回っても、蛇は全く無反応です。 
アリが眼球に触れても瞬きしませんでしたが、そもそも蛇にはまぶたが無いので、生きた蛇も瞬きすることはありません。 

周囲の森から聞こえる澄んだ美声は、オオルリ♂(Cyanoptila cyanomelana)の囀りさえずり♪ですかね? 

私が広角で動画を撮りながら蛇にゆっくり近づき、背後から回り込んでも、逃げようとしません。 
アオダイショウは頭部だけ日向に居て、残りの体は日陰に居ることが分かりました。 
ヘビの生死を確かめるために動画を撮りながら足で軽く小突いてみようとしたら、遂にアオダイショウが舌を出し入れし始めました。 
風の匂いを舌で鋤鼻器じょびきに送り込んで嗅ぎ取る行動です。 
アオダイショウが先の割れた舌を高速で出し入れする様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:46〜2:34) 
頭部を左右に揺らしながら、かすかに前進していることが分かります。 

ピンクの舌を素早く出し入れしながら砂利道をスルスルと蛇行して横切り、道端の草むらに潜り込みました。 
林道の左右はスギ植林地でした。 


関連記事(2ヶ月前、1年前の撮影)▶  

2024/01/10

舗装路で日光浴していたアオダイショウの幼蛇が蛇行して逃げるまで

 

2023年5月下旬・午前11:45頃・晴れ 

郊外の住宅地で蛇が舗装路の日陰から日向に進出しようとしていました。 
日光浴していたようです。 
見慣れない横縞模様があり、調べてみるとアオダイショウElaphe climacophora)の幼蛇でした。 
(体長がそんなに小さい印象はなかったけどな〜。)

私が動画を撮りながら右足を1歩踏み出したら、蛇は慌てて身を翻し、側溝沿いの木の下に逃げ込みました。 
蛇行して素早く逃げる様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
舌をチロチロと出し入れしていますね。
このとき1.5倍に拡大しています。(デジタルズーム)

2023/11/11

河川敷を蛇行横断するアオダイショウが公衆トイレに侵入未遂するまで

 

2023年4月中旬・午後12:00頃・晴れ 

河川敷を横切る用水路のコンクリート護岸にてアオダイショウElaphe climacophora)が春の日差しを浴びていました。 
私が近づくと警戒し、ゆっくり蛇行して逃げ始めました。 

舌を素早く出し入れしながら蛇行で前進します。 
コンクリートの地面を離れ、隣の枯れた芝生エリアに移動しました。 
さらにシロツメクサで覆われた草地をひたすら進んで行きます。 
一体どこに行くのでしょうか? 
野ネズミやモグラの巣穴に侵入して獲物を狩るのではないかと期待して、アオダイショウを追跡することにしました。 
しかし、それらしき巣穴があってもヘビは素通りしました。 
しつこく付いて歩く私から逃げていただけかもしれません。
緑の草地に点在する白いものは、堤防路のサクラ並木から散ったソメイヨシノの花弁です。 

やがてアオダイショウは河川敷の公衆トイレに近づき、日陰に入りました。 
変温動物のアオダイショウにとって、どうやら日向は暑かったようで、体温調節のため日陰に避難したのでしょう。 
しばらくすると公衆便所のコンクリート土台に近づきました。 
幸いトイレを使っているヒトは誰もおらず、騒ぎにならずに済みました。
小便器のある男性トイレは扉が無い開放型ですから、ノックは不要です。 
その入口でアオダイショウは鎌首をもたげて、中の様子をうかがっています。 
舌を出し入れして、ヒト♂の小便臭を鋤鼻器で嗅ぎ取っています。 
男性トイレの中に蛇が侵入したら面白いスクープ映像になりそうです。
ところが、アオダイショウは入口から自発的に後退して、日陰の草むらに隠れました。 
トイレの床が熱伝導の良いアルミ製になっていて触れるとひんやりしますから、せっかく日光浴で暖まった体温が下がり過ぎるのを嫌ったのかもしれません。 

ヘビを捕獲したことが一度もない私は、絶好の機会に悩みました。 
しかし今回も怖気づいて生け捕りに挑戦できませんでした…。 
帰路に同じ公衆トイレを再訪したときには、アオダイショウは居なくなっていました。






2023/04/07

ヘビの死骸に群がるヨツボシモンシデムシとヤマトマルクビハネカクシ

 

2022年10月上旬・午後14:15頃・くもり 

蛇行しながら山を登る舗装路にヘビの死骸が転がっていました。 
横断中に走ってきた車に轢かれたようで、ペシャンコに潰されて干物のように乾いていました。 
周囲はスギの植林地です。 
頭部が食い千切られているのは猛禽の仕業でしょうか? 

1匹のヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)がヘビの死骸の傷口に頭を突っ込んで死肉を貪っていました。 
その体表を薄ピンク色の微小なダニが徘徊しています。 
他には微小なアカアリ(種名不詳)もヘビの死骸に来ています。 
私が死骸に近づいたら、集まっていたハエ類はほとんど飛んで逃げてしまったのですが、ニクバエとキンバエの仲間が1匹ずつ戻って来ました。 

死んだヘビの背面を見たかったので死骸を裏返してみると、ゴキブリのような艶のある茶色をした謎の虫が死骸の下から慌てて逃げ出しました。 
よく見るとゴキブリではなく甲虫で、翅の短いハネカクシの仲間でした。 
後で調べてみると、どうやらヤマトマルクビハネカクシTachinus japonicus)という種類のようです。 
飛んで逃げることはなく、路上をしばらく走り回ると、死臭を頼りにロードキルに再び戻って来ました。 
干物のように乾いたヘビの死骸を早速齧り始めました。 

白い腹面を向けて(仰向け)いた死骸を裏返して背面を見ても特徴に乏しく、何という種類のヘビか私には見分けられませんでした。 (どなたか教えてください。) 
鱗が白っぽい薄皮に覆われているのは、死後に路上で急速に乾燥したせいなのか、あるいは脱皮の直前に死んだのかな? 
そのため生前の模様が分かりません。 
薄っすらと縦縞が見えるので、シマヘビですかね?(自信なし) 
全体的に干からびていて、「鮭とば」を連想しました。 

撮影後にヨツボシモンシデムシとヤマトマルクビハネカクシを採集しました。 
以下に標本の写真を掲載する予定です。 
ヨツボシモンシデムシは普通種ですけど、鞘翅の裏面が何色なのかずっと気になっていたので調べてみるつもりです。
▼関連記事(4年前の撮影)  
ヒミズの腐乱死体に飛んで集まるヨツボシモンシデムシ
ヨツボシモンシデムシをヘビの死骸と一緒にお持ち帰りして飼育してみたいところですが、この日はタッパーウェアなどの密閉容器を持ってきてませんでした。

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