2023年7月中旬
シーン0:7/13・午前16:33・くもり(@0:00〜)
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。
若い二次林の林床にアナグマが掘った巣穴Rが開いています。
シーン1:7/17・午前9:47(@0:04〜)
モノクロ映像で被写体のシジュウカラが小さいので、1.5倍に拡大した上でまずはご覧ください。
後にオリジナルの映像でリプレイします。 (@2:06〜)
アナグマが巣穴を掘った土砂を外に捨てる際にできる特有の斜面や溝をアクセストレンチと呼びます。
巣口Rから右に伸びたアクセストレンチで、シジュウカラがピョンピョン跳んで移動(ホッピング)しながら地面をしきりに啄んでいます。
採食しながら巣口Rの縁ギリギリまで行くものの、巣内には決して侵入しませんでした。
シーン2:7/17・午後12:04(@1:04〜)
2時間15分後の正午頃に、右手前に生えた灌木の細い枝にシジュウカラが止まっていました。(赤丸に注目)
周囲の安全を確認すると、少し奥に生えた細い蔓に一旦飛び移ってから、地上に飛び降りました。
今度は左側の穴Rlに入り、その少し奥でも採食しました。
巣口Rの周囲に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木の根本で嘴を拭ったり、羽繕いしたり、落葉を嘴でめくって虫を探したりしています。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
アナグマの巣穴(現在はタヌキもときどき出入りしている)にシジュウカラが繰り返しやって来る理由は何でしょう?
監視映像を見ると、昼も夜もハエやアブが巣穴の回りを常にブンブン飛び回っています。
アナグマが掘った巣穴の中には枯れ草などの巣材が大量に溜め込まれていて、その寝床は幼獣の糞尿で汚れて堆肥状になっているはずです。(古巣内に残された巣材を実際に見たことはありませんが。)
私の嗅覚では巣口が特に臭いとは感じないのですが、それに誘引される食糞性昆虫や分解者がいるのでしょう。
実際に現場検証すると、キイロコウカアブ(Ptecticus aurifer)をよく見かけます。
アナグマの巣口付近に通うシジュウカラは、キイロコウカアブの老熟幼虫や囲蛹を捕食しているのかもしれません。
【参考文献】
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櫻庭知帆; 小林秀司; 髙﨑浩幸. キイロコウカアブはニホンアナグマを対象とした自動撮影カメラの設置適地を教えてくれる. Naturalistae, 2016, 20: 57-60.
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