2022/04/07

冬の河畔林でタヌキ溜め糞場の周囲を深夜徘徊する謎の昆虫【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 夜の河畔林で活動する謎の昆虫【暗視映像:トレイルカメラ】

2021年12月中旬・午後23:20頃 

平地の河畔林に残されたタヌキの溜め糞を長期監視しているトレイルカメラに謎の夜行性昆虫がまた写っていました。 
(トレイルカメラが起動したのは、野ネズミなど何か別な野生動物にセンサーが反応したのだと思います。)
溜め糞の周囲の林床を黒っぽい虫がゆっくりと歩き回っています。 
頭部が白く光ってるのは、複眼に赤外線が反射しているのでしょう。 
溜め糞から遠ざかり、落ち葉の下に潜り込んだり出たりしています。 
動画モードで記録したので、残念ながら気温データを取得できませんでした。 
この時季は昼間に現場を訪れても、溜め糞に集まるハエ類ですら見かけません。

映像を見直しても、この虫は小さ過ぎて、何の仲間かも分かりません。 
なんとなく甲虫類のような気がするのですけど、どうでしょうか? 
それとも翅が退化した冬尺蛾の♀が羽化して林床を徘徊しているのだとしたら、面白いですね。 


2022/04/06

根雪が積もる前後に杉林の溜め糞場をチェックするホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2021年12月中旬〜下旬
前回の記事:▶ 杉林の獣道を往来する野生動物たち【トレイルカメラ:スライドショー】

スギが植林された里山の林道上にタヌキが残した大規模な溜め糞をトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で長期監視しています。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)は冬眠しないので、積雪期の活動が垣間見れるかどうか、楽しみです。 
同時に並行して調べている河畔林でのタヌキの生態と何か違いがあるでしょうか?

シーン1:12/16 明るい昼間の様子です。 
根雪が降る前で、画面の下端に点々と溜め糞が並んでいます。 


シーン2:12/17・午前5:08 
スギ落ち葉の匂いを嗅ぎながら林道をゆっくり歩いて行くホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が写っていました。 
手前の溜め糞にはなぜか興味を示しませんでした。 


シーン3:12/18 
激しい雪が降り、林道はすっかり新雪に覆われました。 


シーン4:12/19 
翌日、雪が降り止みました。 
杉の枝葉に積もった雪がときどき林道にまとまって落ちてきます。 
杉は冬でも緑の葉が付いたままの常緑樹なので、空から降ってくる雪は枝葉でかなり遮られます。 
したがって、スギ林の林床の積雪量は他所よりも少ないのが普通です。 


シーン5:12/23・午前3:00 
久しぶりにタヌキが雪道を通りかかりました。 
今回も残念ながら登場シーンは撮れていませんが、画面奥の緩斜面を登って林道まで来たのかもしれません。 
雪で埋もれた溜め糞の匂いを頻りに嗅ぎ回っています。 
しかし排便することなく、立ち去りました。 
林道の雪面が凸凹しているのは、杉並木の枝からの落雪のせいです。 
開けた場所での新雪なら獣が通れば足跡がきれいに残るはずですけど、スギ林では足跡が見分けにくくなります。 


シーン6:12/24・午後23:23・気温2℃ 
今回は写真モードで撮れました。 
溜め糞に跨って排便中にカメラを見上げてるような気もしますが、ハレーションした1枚の静止画だけでは定かではありません。 
6秒間のタイムロスの後に、動画モードへと切り替わりました。 
時既に遅く、タヌキはトレイルカメラの画角を避けるように、右下へ消えました。 
結局、タヌキが雪道の溜め糞場で排便したかどうか不明です。 




2022/04/05

タヌキの溜め糞場にクルミの実を埋めて貯食する野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2021年12月中旬・午前1:45頃・霧 

深夜の河畔林にうっすらと霧が発生しています(トレイルカメラのレンズに結露?)。 
林床をチョロチョロと1匹の野ネズミ(ノネズミ)が何か丸くて大きな物を口に咥えて運んでいました。 
どうやらオニグルミの実(堅果)を運搬しているようです。 
これが山中ならトチノキの実という可能性も考えられますが、この河畔林でトチノキを見かけたことはありません。
関連記事(5年前の撮影)▶ トチノキの種子に残るアカネズミ?の食痕
タヌキの溜め糞場を横切ると、その端にクルミを置きました。 
画角の下端で分かりにくいのですが、溜め糞の横の地面を掘り始めたようです。 
やがてクルミを取りに戻り、掘った穴に埋めました。 
雪国の野ネズミが冬に備えて貯食する決定的瞬間が撮れて、感動しました。 

トレイルカメラが録画できる上限(1分30秒)まで撮っても、野ネズミが立ち去るところまでは記録できませんでした。 
おそらく巣穴が近くにあるのでしょう。 
同じ画角で長期間の監視を愚直に続ければ、同一個体の野ネズミが貯食したクルミを掘り起こして食べに来るシーンが撮れるかもしれません。 
しかし当地は豪雪地帯の雪国なので、野ネズミは雪の下にトンネル網を張り巡らせて安全に貯食物を取りに来ると予想されます。(トレイルカメラでの撮影は不可能) 

それにしても、野ネズミはどうして不潔な溜め糞場に貯食するのでしょうか? 
溜め糞場の上を平気で歩いて横切りましたし、穴掘りする間にクルミの実を一時的に溜め糞の上に置きました。 
どうも野ネズミには溜め糞場が不潔だという衛生観念が無いようです。 
真冬の深夜でも溜め糞場は凍らずに柔らかいまま(穴を掘りやすい)のかな? 
それとも貯食物を盗まれないための行動(労働寄生対策)なのかもしれません。
タヌキの糞便臭でクルミの匂いを掻き消そうとする作戦なら面白いですね。 
あるいは逆に、糞便臭で貯食した位置を記憶するのでしょうか?

冬が来る前に野ネズミはドングリやクルミの実をあちこちに大量に貯食します。
その一部は春までに食べられずに放置され、発芽します。 
その結果、植物が広範囲に分布を広げることになるのです。 
オニグルミの種子散布という観点から考えると、肥料の近くの地面に穴を掘って埋めてくれる野ネズミは非常にありがたい存在です。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



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