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2025/12/31

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その4)マダラカマドウマやツノアオカメムシなども捕捉


前回の記事:▶ トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その3)ザトウムシの歩脚を捕獲 


2024年10月上旬 

平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)を監視する2台のトレイルカメラに夜な夜な写り込んで撮影の邪魔をするザトウムシが近づけないように、自家製の粘着トラップを試しに設置しています。 

ミズキ灌木の幹で監視カメラWの上下に巻いた粘着テープ(ガムテープ)に、今回は過去最多の虫が付着していました。 
この期間は雨が少なくて、テープの粘着性が落ちなかったのかもしれません。


新顔の虫としてまず気になったのは、マダラカマドウマDiestrammena japanica)です。 
地面から登って来たカマドウマが、粘着テープに捕らえられて動けなくなった脚を自切して、なんとか逃げのびたようです。 
自切した脚だけでなく、長い触角も粘着テープにへばり付いていました。 
本種は樹液酒場でも見られるため、ミズキの樹液を吸汁しに木登りしていたのかもしれません。 

関連記事(10年前の撮影)▶ 夜にミズナラの樹液を吸うマダラカマドウマ♀ 

以前このミズキ灌木の幹に尖ったドライバーをうっかり刺してしまったとき、傷口から透明なサラサラした液体が溢れるように流れ落ち、さすが水木の名前通りだと感心しました。

アナグマが掘った2つの巣穴L、Rには穴居性のカマドウマが群れで居候していることが後に明らかになります。(映像公開予定)
もしかすると、そこで育ったカマドウマの一部が巣穴の横に生えているミズキの木に登って来たのかもしれません。


本命のザトウムシ(種名不詳)は、自切した歩脚を粘着トラップに残して逃げた個体もいれば、全身がへばりついて逃げられなかった個体もいました。
ザトウムシは上のテープにも下のテープにも付着しており、(常識的な予想に反して)樹冠から降りてきた個体も多いことを示唆しています。
あるいは別の解釈として、地面から幹を登ってきたザトウムシが下側の粘着トラップを歩脚の自切でなんとか突破できたものの、次に待ち構えていた上側の粘着トラップからは逃れられなかったのかもしれません。
どちらの解釈が正しいか確かめるには、ライブカメラで粘着トラップをひたすら監視するか、飼育下で実験するしかなさそうです。

そもそも、どうしてザトウムシがトレイルカメラに集まって居座るのか、謎のままです。
通常光の照明なら夜に虫が走光性で引き寄せられますから、その獲物を狙って肉食性のクモも集まって来るのは納得できます。
しかしトレイルカメラは夜に可視光ではなく赤外線を照射するだけです。
動画撮影の度に発熱するカメラの、ほのかな暖かさが好きなのかな?
 
前回(シリーズその1)と同じく、 ヒメマダラエダシャクAbraxas niphonibia)らしき蛾の幼虫も1匹だけ下側の粘着テープに捕らえられ死んでいました。
イラガMonema flavescens)の古い繭もミズキ灌木の幹に付着したまま残っていましたが、今回の本題とは関係ありません。 


別の監視カメラNを固定した落葉性灌木(樹種不明)の幹に巻いた粘着テープを調べてみると、少数の虫しか付着していませんでした。 
上側のテープにはオオナミザトウムシNelima genufusca)?が1匹だけ丸ごとへばり付いていました。
やはり樹冠から幹を伝って下に降りてきたのでしょうか。
この灌木には木質の蔓(種名不詳)が巻き付いていて、徘徊性の虫が粘着トラップを回避できる迂回ルートになっている可能性があります。
 
下側の粘着テープにはツノアオカメムシが1匹、付着していました。 
背中に寄生バエの白い卵が産み付けられています。
このツノアオカメムシについては、指で触れてみて死んでいることを確認しました。
下側の粘着テープの反対側に回り込むと、種名不詳のカメムシが1匹、付着したまま死んでいました。 
死骸の体は捕食者(おそらく鳥またはアリ?)に食べられていて損傷が激しく、私にはカメムシの種類を同定できませんでした。
こうして写真を並べて見ると、なかなか悪趣味な昆虫採集ですね。
それでも地道に記録を残すことで、少しでも罪滅ぼしになるかもしれません。 
トレイルカメラでは原理的に恒温動物(温血動物)の活動しか記録されません。
粘着トラップによって、トレイルカメラでは見落としてしまう、この森の昆虫相が少しだけ垣間見えてきます。

トレイルカメラの保守作業を終えると、粘着トラップを上下とも交換して(ガムテープを裏返し粘着面を上にして幹に巻き直し)帰りました。 


つづく→ 


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2025/12/26

タヌキの溜め糞場を横切るモエギザトウムシ

 

2024年9月下旬・午後12:25頃・晴れ 

スギ防風林にホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場wbcに定点観察に来ると、新鮮な糞塊が追加されていました。 

1匹のモエギザトウムシLeiobunum japonicum)が溜め糞場を横切りながら、長い歩脚の先で獣糞に触れて頻りに調べています。 
ただの通りすがりではなく、明らかに興味を持って獣糞を調べているようです。 
しかし、今回は獣糞に口を付けて食べることはありませんでした。 
この個体は歩脚が左右に3本ずつしかなく、左右の歩脚が1本ずつ根元から欠損しています。 

関連記事(1年前の撮影)▶ ホンドタヌキの糞を食べるモエギザトウムシ? 

他にはキンバエやセンチコガネなどがタヌキの溜め糞に集まっていますけど、互いに無関心でした。


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2025/12/13

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その3)ザトウムシの歩脚を捕獲


前回の記事:▶  


2024年9月下旬 

平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)を見張るために設置したトレイルカメラに夜な夜な歩脚の長いザトウムシが写り込んで撮影の邪魔をするので、困っています。
ザトウムシがカメラに近づけないように、粘着トラップを試しています。 
幅5cmのガムテープを裏返して(粘着面を上にして)トレイルカメラの近くに結界のように貼ったのです。
ゴキブリホイホイなど、害虫駆除でよく使われる手法を応用しました。 
おかげでトレイルカメラにお邪魔虫のザトウムシは、ほとんど写らなくなりました。 


9月下旬に定期点検のために現場入りすると、監視カメラwを固定した灌木の上側に巻いた粘着テープに、黒くて細長い糸くずのような物が大量に付着していました。 
粘着トラップの上にうっかり踏み込んでしまったザトウムシの一種が身動きできなくなり、脱出するために歩脚を自切したようです。 
自切した歩脚は、次に脱皮する際に再生するのだそうです。 
しかし、複数の歩脚を一度に失った個体はかなりダメージが大きいはずです。
ザトウムシが粘着トラップから脱出できたかどうか、本当のところは分かりません。
もしかすると、粘着トラップに足止めされたザトウムシを鳥が捕食した結果、歩脚だけが残されたのかもしれません。

ザトウムシの接近を粘着テープで阻止した、という物的証拠がようやく得られました。 
専門家に見せれば、残された歩脚だけからザトウムシの種類を同定できるのでしょうか? 
ザトウムシの形態分類学に疎い素人でも、試料からDNAを抽出して種類を突き止めることができるかもしれません。(DNAバーコーディング) 
トレイルカメラを挟んで幹の上と下に粘着テープを巻いておいたのですが、不思議なことに下側のテープにはほとんど何も付いていません。 
この事実を素直に解釈すれば、ザトウムシは地上から登って来るのではなくて、木の上から幹を伝って降りて来たという意外な解釈になります。 
ただし、下側に巻いたテープだけ粘着性が失われていてザトウムシが無事に通過できた、という可能性もあるので、結論を出すのは保留にしてあります。 

トレイルカメラの上下ともに、新しいガムテープに張り替えて帰りました。 




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2025/10/25

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その2)トホシカメムシの捕獲

前回の記事:▶ トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その1)イモムシの捕獲 


2024年8月上旬 

ニホンアナグマの営巣地(セット)がある平地の二次林に設置したトレイルカメラに夜な夜な歩脚の長いザトウムシが写り込んで邪魔をするので、ザトウムシがカメラに近づけないように粘着トラップを試しています。
おかげでお邪魔虫のザトウムシは、ほとんど写らなくなりました。

保守点検のために現場入りすると、カメラwを固定した灌木の上側に巻いた粘着テープ(ガムテープの裏面)にカメムシの一種がへばりついていました。
なぜか背面に粘着したまま死んでいたので、種類を見分けられませんでしたが、怒り肩で先端が尖っています。
今思うと、テープから剥がして背面の斑紋からカメムシの種類をちゃんと調べるべきでしたね…。
この時期は暑くて暑くて、面倒臭がってしまいました。
指にカメムシの異臭が付くのを嫌ったという理由もあります。




監視カメラの下側に巻いたテープの粘着性が失われていたので、下側だけ交換しました。
ところがガムテープにも色々な商品があるようで、今回使ったガムテープ(布タイプ)は裏側の粘着面が白くて、幹に巻くとやけに目立ってしまいます。 


【追記】
2024年8月中旬

次回に現場入りした際に、謎のカメムシの死骸を粘着テープからそっと剥がしてみました。
背面を見ると、その正体はカメムシ科のトホシカメムシLelia decempunctata)でした。
平地から山地の広葉樹林に生息するとのことで、ここで採れても不思議ではありません。

関連記事(1年前の撮影)▶ トホシカメムシ





つづく→

2025/09/25

里山で獣糞に群がるセンチコガネ、ムネアカオオアリ♀とハエ

2024年6月下旬 

里山にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2の定点観察をするために、ほぼ廃道の細い山道を登ってくると、獣道との交差点に新たな溜め糞場が作られていました。 
6月下旬に初めて見つけたときは、未消化の種子が含まれていました。 
小枝の先でつついて匂いを嗅ぐと、強い刺激臭がしました。 
初めて嗅ぐ匂いでしたが、これが本で読んだ「アナグマの糞に特有の黄土色の絵の具の匂い」なのかな? 
アナグマも木の実を食べて種子散布に寄与することがあるそうです。

現場では気づかなかったのですが、撮った写真にスジアカハシリグモDolomedes silvicola)が写っていました。
溜め糞に集まって来る虫を狩るために待ち伏せしていたのか、あるいはたまたま通りかかっただけかもしれません。


スジアカハシリグモが溜め糞に来ていました。




ホンドタヌキの溜め糞場にしては、残された糞が軟便(下痢便)でした。 
アナグマとタヌキの2種類が同じ溜め糞場を共有している可能性も充分あり得ます。
溜め糞場に通ってくるタヌキがたまたま腹を下していた可能性もあるので、トレイルカメラでしっかり突き止めたいところです。
しかし、周囲に太い立木が無くてトレイルカメラを設置しにくかったので諦めました。 
(本気で調べるなら三脚を立ててでも設置すべきなのですが、他のプロジェクトで使っているトレイルカメラをこっちに回す余裕がなくて後回し。)


 

2024年7月上旬・午前10:55頃・くもり 

約1週間後(7月上旬)に現場を再訪すると、今回も黒っぽい軟便が枯れたササの葉の上に残されていました。 
これだけ見るとアナグマの溜め糞かな?と思うのですが、カメラを右にパンすると固形の黒い糞塊(やや古い)も残されていて、タヌキの溜め糞っぽいです。 

うんちレストランの常連客である、センチコガネPhelotrupes laevistriatus)、ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀、キンバエ(種名不詳)が1匹ずつ来ていました。 
小型の地味なハエ類も数種類来ていましたが、真面目に検討していません。  

センチコガネが糞塊に潜り込もうとしたところで、カメラの電池が切れてしまいました。






後日に定点観察すると、この地点の溜め糞は消失しました。
ここで排便しなくなったようです。


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2025/08/04

トレイルカメラの近くでクモが網を張り撮影の邪魔をするトラブル【10倍速:暗視映像】

 

2024年6月中旬 

シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に湧き水が年中滲み出す湿地があり、浅い水溜りを水場として利用しに来る野生動物や野鳥を観察するために、旧機種の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/14・午後18:05〜(@0:06〜)日の入り時刻は午後19:06。 
夕方になって監視カメラが起動したのは、至近距離で小さなクモ(種名不詳)が垂直円網を張り始めたからでした。 
10倍速の早回し映像でお届けします。 
変温動物の動きには反応しないはずなのに、センサーの反応性を高感度に設定すると旧機種のトレイルカメラは誤作動してしまうようです。 

クモが巣を作ったのは湿地帯に隣接するスギ植林地の林縁で、スギの木の下に横枝や下生えなどを足場として利用しているようです。 
ピントが全然合っていませんが、クモは粘着性のある横糸を密に張りながら螺旋状に動き、次第に円網の中心に向かっています。 
円網の中心で放射状の縦糸が合流する中心部分をこしきと呼ぶのですが、風で揺れる甑が白くぼんやり見えています。 
横糸を張るクモの螺旋運動の半径がどんどん小さくなります。 

午後18:25には横糸を張り終えて円網が完成したようで、クモは甑に下向きで占座しました。 
垂直円網は風で絶え間なく揺れています。 
日没前の約20分間で横糸を張り終えたことになります。 

クモはなぜこの場所に造網したのでしょうか? 
現場は湿地帯に隣接するスギ植林地の林縁で、風通しは良さそうです。 
スギの木の下に横枝や下生えなどを足場として利用して網を張ったようです。 
夜に赤外線の暗視カメラが頻繁に起動しますが、可視光を発していませんから、走光性の虫は集まってこないはずです。 


シーン2:6/14・午後19:33(@1:24〜) 
辺りが完全に暗くなると、監視カメラが照射する赤外線を反射してクモの円網がとてもよく見えるようになりました。 
クモの巣がレースのように夜風に揺れて美しいのですが、奥の水場に来る被写体がほとんど見えなくなってしまいました。 


シーン3:6/15・午後19:19(@1:40〜)日の入り時刻は午後19:06。 
クモは基本的に毎晩、獲物捕獲装置としての円網を取り壊して張替えます。 
しかし翌日には、クモが網の横糸を張り直す行動がなぜか録画されていませんでした。 
夕方に無風だったのかな?
日没直後に監視カメラが起動したときには、新しく完成した円網が夜風に揺れていました。 
円網の位置が前日から少しだけずれています。 

水場に来たイノシシが立てる物音(泥浴び、ヌタ打ち?)がかすかに聞こえます。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの物音が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
昼間にトレイルカメラを設置したときにはクモの網が取り壊されていて無かったので、こんな撮影トラブルはまったく予想できませんでした。 
トレイルカメラのすぐ近くで網を張るクモは撮影の邪魔なので、次回からは造網の足場となりそうな、枯れた横枝や下生えをきれいに取り除きました。 
トレイルカメラの保守作業に通う間隔を開け過ぎてしまうと、こうした予想外のトラブルに対応できず、せっかく長期間設置しても狙った被写体がほとんど撮れていなくて悔しい思いをすることがあります。
夏は植物の成長が旺盛でレンズの手前に覆い被さってしまうことも多いので、特にローアングルでトレイルカメラを設置したときには下草を頻繁に刈る必要があります。

徘徊性のザトウムシ(クモの遠い親戚)にはまた別の問題があり、なぜかトレイルカメラのレンズの上に被さるように長時間居座って、撮影の邪魔をします。

2025/07/29

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その1)イモムシの捕獲

2024年6月中旬 

野生動物や野鳥を隠し撮りするために、フィールドにトレイルカメラを設置すると、夜行性のザトウムシに悩まされます。 
なぜかトレイルカメラのレンズの上に被さるように居座り、極細の歩脚が目的の被写体を遮ってしまうのです。(お邪魔虫) 
常夜灯なら走光性で誘引される昆虫を待ち伏せして捕食するクモを見かけるので理解できるのですが、トレイルカメラは赤外線LEDがときどき点灯するだけなので、何がザトウムシの目的なのかさっぱり分かりません。 
ほんのり発熱するトレイルカメラが心地よいのでしょうか。 

関連記事(代表的な事例)▶  


ザトウムシに恨みはありませんが(むしろ私は好きな虫です)、なんとかトレイルカメラに近寄らせない方法はないか、ずっと思案してきました。 
殺虫剤や防虫スプレー(虫除け、忌避剤)を噴霧する方法はやりたくありません。 
長期間効果が持続するほど毒性の強い薬剤をフィールドに大量散布したら生態系を破壊することになりますし、なにより嗅覚の鋭い哺乳類(野生動物)が異臭を嫌って寄り付かなくなってしまうことが予想されるからです。 

害虫(害獣)駆除でよく使われる粘着トラップを設置することをようやく思いつきました。 
ニホンアナグマの営巣地(セット)がある平地の二次林で試してみましょう。 
トレイルカメラを挟んで幹の上下にガムテープを巻くだけの簡単な対策です。 
ただし、ガムテープの粘着面を上にしておくのがポイントです。 
極細の足で幹を伝い歩いてザトウムシがトレイルカメラに近づこうとすると、ガムテープの粘着面に足がくっついて動けなくなる、という作戦です。 
ガムテープは紙製ではなく、少し値段が高くても布製のタイプを選びます。 
ガムテープは茶色系なので、木の幹に巻きつけても、林内ではあまり目立ちません。 
私はトレイルカメラを立木の幹にベルトで固定することが多いのですが、ザトウムシは幹を下から登ってくるのか、それとも樹上から降りてくるのか、予想がつきません。 
そこで、カメラの上と下の両方に粘着トラップを設置してみます。
ガムテープには特有の異臭が多少はあるのかもしれませんが、防虫スプレーよりは遥かにマシでしょう。 
何週間も野外に放置すれば、ガムテープの異臭も自然に抜けるはずです。

2024年6月下旬 

15日後に再び現場入りして、トレイルカメラを保守点検しました。
撮れた動画を確認すると、この虫よけが奏功したのか、ザトウムシの邪魔な映り込みが全くなくなりました。 

風雨に晒されてガムテープの粘着性が低下していましたが、張り替えずにこのまま続行します。 
微小なアリ(種名不詳)がガムテープの粘着面を歩いて横切り木に登るのを目撃したのですけど、証拠映像を撮るのが間に合いませんでした。 

2台設置したトレイルカメラのうち、1本の立木で粘着トラップに囚われていたのは、想定したザトウムシではなく、蛾の幼虫(イモムシ、芋虫)でした。 
トレイルカメラの下ではなく上に巻いた粘着テープに2匹のカラフルな尺取り虫が付着したまま死んでいました。 
つまり、幼虫は幹の上から降りてきたことになります。 
木の葉を食べて育った幼虫が、地中で蛹化する生活史なのでしょうか?(調べていません) 
1匹の幼虫は死ぬ前に、茶色くて濃い消化液を口から吐き戻していました(自衛のため?)。

撮れた写真からGoogleレンズで画像認識させると、ヒメマダラエダシャクAbraxas niphonibia)の幼虫らしい。 
幼虫の食餌植物はニシキギ科らしく、確かにツルウメモドキの蔓が林内の立木によく巻き付いています。 
この時期にAbraxas属の成虫(マダラエダシャクの仲間)を林内でたまに見かけます。 

巻き添えの被害にあって死んだ芋虫には申し訳ないのですが、生態系への悪影響は少なそうなので、この粘着トラップ作戦をしばらく続けてみます。 

粘着トラップに捉えられて動けなくなった虫を野鳥が次々に捕食しているかもしれない(証拠隠滅)ので、捕獲数をかなり過小評価しているかもしれません。



2025/05/10

晩春の林床を夜にうろつく野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月上旬・午後22:53・気温10℃ 

平地の二次林で、死んだアナグマの旧営巣地(セット)を自動センサーカメラで監視するカメラに、野ネズミ(ノネズミ)が写りました。 
深夜にセットを横切り、林床をうろついています。 

その後、造網性クモ(種名不詳)が糸を伝って上へ移動しました。 
監視カメラのレンズに近すぎて、クモにピントが合っていません。 
造網中だったようです。 
後日、水平円網が張られていました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/05/01

カモシカの溜め糞場を素通りするハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月上旬・午後21:45頃 

里山の雑木林でニホンカモシカの溜め糞場sr2を見張っている自動センサーカメラにある晩、ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が写りました。 
奥から来て手前へとノソノソ歩き去りました。 
両目のタペータムが爛々と光っています(赤外線の反射)。 
途中にあるカモシカの溜め糞には全く興味を示しませんでした。 

ハクビシンが立ち去ってしばらくすると、火の玉や人魂のような謎の物体が写っていました。 
小さな造網性クモがレンズの至近距離を下から上に動いているのです。 
クモの糸の粘球が赤外線を反射しているというよりも、クモの体そのものがピンぼけで写っているのかもしれません。 
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」 


2025/02/14

網にかかったトンボを捕食中のジョロウグモ♀と交接しようと何度も試みる臆病な♂(蜘蛛)

 

2023年9月下旬・午後12:10頃・晴れ 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道の曲がり角(ヘアピンカーブ)で、ジョロウグモ♀♂(Nephila clavata)が同居する馬蹄形円網を見つけました。 
小型の♂は2匹います。 
♀は網に掛かったトンボ(種名不詳)を捕食中でした(獲物を噛んで体外消化)。 

♀の食事中に1匹の♂が網の上から(逆さまにぶら下がった♀の下から)忍び寄って♀の体に触れるものの、交接できずに慌てて逃げてしまいます。 
特に1回目の求愛が最も惜しくて、♂αが膨らんだ触肢を♀の外雌器になかなか挿入できずにもたついている間に、もう1匹の♂βが接近しました。 
♂αはライバル♂βを追い払うのかと思いきや、なぜか諦めて♀の元から立ち去りました。 
♂βに交接権を譲った訳ではなく、♂βも元の位置に戻りました。 
「色気より食い気」の♀は網上でほとんど静止しており、素人目には♀が嫌がって交尾(交接)拒否したようには見えません。 

同一個体の♂αが何度も♀に挑みますが、非常に慎重というか臆病で、なかなか交接してくれません。 
♂は必ず、網で下向きに占座した♀の後方から近づき、♂が逃げるときも必ず上に退散します。 
♂αは♀に共食いされるのをひどく恐れているようです。 
関連記事(15年前の撮影)▶ ジョロウグモの交接と性的共食い 
にもかかわらず、♂が♀に近づく前に網の糸を弾くなど、♀の攻撃性を宥める儀式的な求愛行動は何も見られませんでした。 

クモの種類によっては、♀と交尾(交接)できた♂は自分の触肢を自切して外雌器に残し、♀が次のライバル♂と交接(浮気)できないように物理的にブロックしてしまう者がいます。 
しかし、私が慎重に回り込んでこのジョロウグモ♀の外雌器にズームインしてみても、そのような貞操帯を付けてはいませんでした。 

同じ円網で2匹の成体♂が同居しているのに、交接相手の♀を巡る闘争にならないのが不思議でした。 
この2匹の♂の間では既に順位付けができていて、劣位の♂はライバル♂αが♀に共食いされるまで交接の順番を待っているのでしょう。 
♂αが♀と交尾できそうになったら邪魔して♀を挑発して共食いするようにしむける作戦なのかな?
もしも♂同士が激しく争う動物種なら、♂の方が♀よりも体格が大きくなるという、ジョロウグモとは逆の性的二型になるはずです。
非力なジョロウグモ♂は直接戦わなくても、ライバル♂を♀に早く殺してもらうように交尾を邪魔したり♀を苛立たせたりする作戦を進化させても不思議ではありません。
劣位の♂をよく見ると、触肢が未だあまり発達していないので、少し若いのかもしれません。 
平凡社『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』によると、
ジョロウグモの♀の網には複数の♂がいることが多い。網をはさんで♀と向き合う位置にいる♂がふつういちばん大きく、交尾の優先権をもっている。網の周辺部にいる♂はまったく交尾できないわけではないが、確率は低い。(p18より引用)


関連記事(8年前の撮影)▶  


トンボの他には、1匹のオオハナアブPhytomia zonata)がジョロウグモ♀の円網に掛かって、弱々しく暴れていました(虫の息状態?)。 
多数の真っ黒い食べ滓が網上に残されたままになっています。 
ジョロウグモ♀の網にイソウロウグモの仲間を今回も見つけられませんでした。 

三脚を持参していれば、ジョロウグモ♀♂が交接に成功するまでじっくり長撮り・監視できたのですが、残念です。 
この日の山行でジョロウグモ♀の網を次々に見て回ると、♂が♀の網に同居している例はいくつも見つけたのですが、交接中の♀♂ペアは見つけられませんでした。 


小田英智、難波由城雄『網をはるクモ観察事典 (自然の観察事典 21)』によれば、
ジョロウグモの♂の80%近くが、♀の脱皮の時に、結婚のための交接を行います。のこりの20%は、♀がえさをたべて油断しているときをねらって交接します。こうしたときをえらぶのは、不用意に♀に近づくと、♂だって捕らえられ、たべられてしまうからです。そのために♂はしばらく巣にとどまり交接後ガードを行う。(p22より引用)
ジョロウグモの♂は一生に一回しか交接しません。でも♀は、ほかの♂と、2回目の交接を行うことがあります。(p23より引用)


ところで、この動画を撮影中に周囲の茂みでひっそり鳴いていた虫(直翅目)が気になります。 
コオロギの仲間だと思うのですが、名前が分かりません。 
どなたか教えてもらえると助かります。 


【アフィリエイト】 

2025/01/31

クモの網から救出したヒメクロホウジャク(蛾)が飛び去るまで【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後13:00頃・晴れ 

郊外で家庭菜園の花壇の手前に建てられた鉄パイプの柵(実際はアルミ管)にクモの円網が張り巡らされ、そこに1頭の蛾(スズメガ科)が捕らえられていました。 
花壇に訪花しようと飛来した蛾が道端の網にかかったようです。
ズグロオニグモYaginumia sia)などコガネグモ科が人工物の足場枠に張った垂直円網だろうと予想したのですが、なぜか網の主は見当たりませんでした。 
もしかすると夜行性のクモで、昼間は隠れているのかもしれません。
飛翔力の強いスズメガ類がクモの網に掛かって逃れられないでいるのは珍しいと思い、写真に撮りました。 
全く動かず粘着性の糸にぶら下がっているだけなので、てっきりこの蛾は死んでいるのかと思いました。 

蛾の腹面しか見えなかったので、同定用に背面の写真をしっかり撮るために、クモの網から手掴みで外してやりました。
途端に蛾は激しく羽ばたいて暴れ始めました。 
暴れ疲れて擬死(死んだふり)していただけと判明。 
そうと分かれば、クモの糸にぶら下がっていた状態も動画で記録すべきでしたね。 
すでに疲労困憊しているのか、すぐに私の掌の上で大人しく静止してくれました。 
翅の鱗粉はほとんど剥げ落ちてしまっていますが(まさか憧れのオオスカシバ?!)、胸背がウグイス色だったので、ヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)だろうと判明しました。 
図鑑で近縁種の前翅長を比べると、ヒメクロホウジャクが15〜18mm、クロスキバホウジャクが25mmなので、今回の小さな蛾はヒメクロホウジャクでしょう。 

救出した蛾は翅を小刻みに震わせて、飛び立つ前の準備運動をしています。 
手乗りヒメクロホウジャクが飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:31〜) 
しばらくすると、胸部飛翔筋による準備運動で体温が充分に上がったらしく、ようやく自発的に飛び去りました。 
私の体温で、手乗り蛾を少し温めてやれたかもしれません。
腹端付近に細い白帯が見えました。 


【アフィリエイト】 

2025/01/13

モエギザトウムシ?の群れがスギ林床で徘徊探索、身繕い、追跡逃走

 

前回の記事:▶  


2023年9月上旬・午後12:40頃・晴れ 

平地のスギ防風林で倒木の横に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを見に来たら、モエギザトウムシLeiobunum japonicum)の群れが集まっていました。
どうやら繁殖期のようです。 
どの個体に注目すべきか、あちこち目移りしてしまいます。 
複数個体を撮った寄せ集めの映像です。 

ヤブコウジ稚樹の葉の上に乗って、日光浴しながら身繕いしている個体がいました。 
歩脚に欠損はありません。 
特に長い第1歩脚(L1)の先端を口で舐めて掃除しています。 

タヌキの溜め糞場phで2匹のモエギザトウムシ?がニアミスしたのですが、1匹が薄暗いスギ林床を慌てて逃げ出しました。 

次はスギ風倒木の上を歩いてくる個体に注目しました。
歩脚が極細で異常に長いザトウムシが素早く静かに歩くと、まるでSF映画の惑星探査機ロボットのようだと、いつも見るたびに思います。 
この個体は、左足を1本欠損していました。 
スギ倒木の側面に沿って歩いていたら、倒木の表面に静止していたワラジムシPorcellio scaber)2匹と遭遇しました。 
モエギザトウムシが歩脚の先でワラジムシに触れたので、捕食シーン(狩り)が見れるかと期待しました。 
ところ次の瞬間、ワラジムシもザトウムシも慌てて逃げ出しました。 


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2025/01/09

狩ったコモリグモ♀(蜘蛛)を運搬中に身繕いするクロクモバチの一種♀

 

2023年10月上旬・午後12:35頃・くもり 

農村部の舗装された農道を私がてくてく歩いていると、牛舎の横の路上をうろつく真っ黒な蜂を見つけました。 
狩ったばかりのクモの横でうろついていたので、クモバチ科(旧称:ベッコウバチ科)の♀だろうとすぐに分かりました。 

蜂は路上で立ち止まると、触角を前脚で拭って化粧しました。 
閉じた翅を細かく震わせています。 
狩りに成功したクモバチ♀は 、獲物を運搬中に私が近づいたので、警戒して獲物を一時的に放棄してしまったようです。 

まず、路上で横倒しのまま放置された獲物を検討しましょう。
コモリグモ科の一種(種名不詳)でした。 
既にクモバチ♀の毒針によって麻痺していて、全く動きません。 
クモの写真を見直すと腹部下面に外雌器があり、♀成体と判明。
クモバチの種類によっては、獲物を狩った直後に運搬しやすいように歩脚を根元から切り落とす者がいるのですが、この獲物では歩脚の欠損はありません。 







蜂は全身真っ黒で、翅も腹背も黒色でした。
以上の情報からクロクモバチの仲間(Priocnemis属)ではないかと蜂の種類を絞り込めたのですが、それ以上は採集して標本を精査しないと分かりません。 





さてこの後、私はどうすべきかが問題です。 
その場にじっと動かずに獲物に注目して動画を撮り続ければ、いずれクロクモバチ♀が取り戻しに来て運搬を再開し、地中に巣穴を掘って貯食・産卵するまで観察できたはずです。 
クモバチの種類によって獲物の運搬法や造巣法も違うので、そこも観察ポイントです。 

クモバチ♀が毒針を刺して獲物を狩る行動を私はまだ実際に見たことがありません。 
『ファーブル昆虫記』にも詳しく書かれてあるように、運搬中の獲物をピンセットなどで摘んで動かなくすると、狩蜂♀は獲物が麻酔から覚めて抵抗したと勘違いして再び毒針を刺して麻酔し直すのだそうです。 
いつかその実演をしようとピンセットを常に持ち歩いていたのですが、ザックの奥深くにしまい込んでいました。 
カメラの電池も動画撮影中に切れてしまいました。
己の準備不足を呪いながらカメラの電池を交換したりピンセットを取り出すのにもたついている間に、クロクモバチ♀はどこかに行ってしまい、見失いました。 
巣穴をどこに掘るべきか、獲物を置いて偵察に出かけたのかもしれません。
経験豊富な蜂屋さんなら、ピンセットを使わなくても咄嗟に指で獲物のコモリグモを押さえつけたかもしれません。
しかし、素手でうっかりクモバチ♀に刺されるとひどく痛むらしいと聞いていた私は、そこまでの覚悟や根性がありませんでした。 

久しぶりにクモバチ(狩蜂)と出会えてとても嬉しかったのですが、あまりにも久々すぎて観察のコツを忘れてしまい、どっちつかずの撮影になってしまいました。 
先を急ぐ他の用事があった私は、逃げた蜂が戻ってくるまで待てませんでした。 

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