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2019/10/14

公衆トイレ内で卵嚢を守るイエユウレイグモ♀(蜘蛛)



2019年6月下旬

野外の公衆トイレに入ると壁際にイエユウレイグモ♀(Pholcus phalangioides)が居ました。
白い壁面で下向きに静止したイエユウレイグモ♀は、白い卵嚢(卵塊)を抱えて守っています。
卵嚢は頭胸部よりも大きく、一体どうやって産卵したのか不思議です。
私がハンディカムの白色LED照明を点灯してもあまり動じません。
近くには別種のクモも一緒にいます。(オオヒメグモともう一匹は何?)
背景が白い壁なので不規則網の糸が見えないのですが、その辺りを私が左手で触れて軽く揺すると、イエユウレイグモ♀は卵嚢を抱えたまま天井隅へ逃げ出しました。

卵嚢ガード中のイエユウレイグモ♀に生餌を与えると卵嚢を一時的に手放して捕食するらしいと聞いて、いつか確かめてみたいと以前から思っていました。
ここで試そうか迷ったのですが、公衆トイレではいつ利用者が入ってくるか分かりません。
私がトイレ内に三脚を立てて長時間立て籠もっていたら、あらぬ誤解で通報されかねません。※
今回は小型のハンディカムでさっと撮っただけで済ませました。
ここは丸っきりひと気のない場所の公衆トイレです。
利用者はほとんど居ないようで、クモの王国になっていました。
右側の入り口付近には綺麗なシロカネグモの一種が大きな水平円網を張って下面に占座していて、その網をくぐって中に入りました。(映像なし)


※ 今思えば、卵嚢ごとクモを採集して飼育下でじっくり観察すればよかったかもしれません。

▼関連記事(求愛、交接、卵嚢ガード、幼体の孵化など)
イエユウレイグモ(蜘蛛)の定点観察シリーズ:2014年


2019/09/20

不規則網にかかったオカダンゴムシ♀を捕食するオオヒメグモ♀(蜘蛛)



2019年6月中旬

道端に積み上げられた巨大な庭石の間に張られた不規則網でオオヒメグモ♀(Parasteatoda tepidariorum)がオカダンゴムシ♀(Armadillidium vulgare)を捕食していました。

獲物は糸でラッピングされ不規則網の中央に吊り下げられています。
黄色い斑点があるので、♀のオカダンゴムシと分かります。
ダンゴムシは体を固く丸めて防御姿勢になっていますが、隙間をクモに咬まれて毒液・消化液を注入されてしまうと万事休すです。
既にダンゴムシは全く動かなくなっていました。


庭石を歩いてきたダンゴムシがオオヒメグモの張った粘着糸に触れてから不規則網に吊るされるまでの一部始終を見てみたかったです。

オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食macro
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食macro
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食
オオヒメグモ♀(蜘蛛)@不規則網+オカダンゴムシ♀捕食
オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網@庭石・全景
オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網@庭石・全景

9日後に現場を再訪すると、オオヒメグモ♀の姿は見当たらなかったものの、不規則網に食べ残しのダンゴムシ死骸が残されていました。



オカダンゴムシ♀死骸@オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網:食べ残し
オカダンゴムシ♀死骸@オオヒメグモ♀(蜘蛛)不規則網:食べ残し・全景

2019/09/11

ケバエを捕食するアリグモ♀(蜘蛛)



2019年6月中旬

生ゴミを自然発酵させて堆肥にするコンポスト容器の蓋で捕食中のアリグモ♀(Myrmarachne japonica)を発見。
生ゴミに集まるハエ類を待ち伏せして狩る捕食戦略なのでしょう。

獲物は黒い微小な昆虫で触角が短く、おそらくケバエ科の一種だと思います。
アリグモ♀は獲物を噛み締めて吸汁しながら歩き回ります。

アリグモがアリにそっくりなのは、油断させておいてアリを狩るための攻撃的擬態ではないかと考えられていた時代もあったそうです。
しかし現在は否定されていて、むしろ捕食者対策のベーツ型擬態と考えられています。
実際に今回の観察でも、徘徊中のアリ(種名不詳)のワーカー♀が近寄ってくると、アリグモ♀は慌てて向きを変えて逃げ回っています。
第1歩脚を振り上げアリの触角のように動かしているのは、威嚇のつもりなのでしょうか。
しかし視力の弱いアリに対しては、ほとんど効果がありません。
アリグモ♀は右往左往して、終いにはコンポスト容器の蓋の取っ手の陰に逃げ込みました。
物陰に隠れたアリグモ♀が表に出て来るように指を使って追いやってから、撮影を続けます。
あちこち逃げ惑っても、アリグモ♀はしっかり噛み付いた獲物を手放しません。
肉団子のように丸めながら吸汁しています。(体外消化)

(映像に登場するアリの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、是非教えて下さい。)


アリグモ♀(蜘蛛)顔@コンポスト容器+ケバエsp捕食
アリグモ♀(蜘蛛)@コンポスト容器+ケバエsp捕食
アリグモ♀(蜘蛛)@コンポスト容器+ケバエsp捕食

2019/09/04

軒下のオニグモ(蜘蛛)を狩るヒヨドリ(野鳥)



2019年6月中旬・くもり

街なかを流れる川沿いに建つコーポ2階の外廊下で奇妙なホバリングを繰り返すヒヨドリHypsipetes amaurotis)が気になりました。
私が急いでカメラを向けると、ヒヨドリは外廊下の手摺に止まって周囲の様子を伺っています。
その場で黒い糞をドロリと排泄し、手摺に付着しました。(@0:04)
普段は白い鳥の糞が黒いのは珍しく思いました。

急に飛び上がったヒヨドリが外廊下の天井付近で偵察のためにホバリング(停空飛翔)しました。
再び手摺から飛び上がり、今度は廊下の天井から何か黒い獲物を嘴で器用に捕食しました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、獲物は天井板の目地に潜んでいた黒くて大きなクモでした。
おそらくオニグモAraneus ventricosus)でしょう。
手摺に舞い戻ったヒヨドリは、暴れるオニグモを手摺に軽く叩きつけて殺しました。
このときクモの歩脚が数本落ちました。
ヒヨドリは動かなくなったクモを咥え直し、鳴きながら意気揚々と飛び去りました。
丸々と太ったオニグモをその場で食べずに持ち去ったので、巣で腹を空かせて待っている雛に給餌するのでしょう。
近くの住宅地に巣があるようです。
私は未だヒヨドリの巣を見つけたことがありません。
ヒヨドリがオニグモの天敵になるとは予想外でした。
野鳥がクモを狩る決定的瞬間の証拠映像が撮れたのは、かなり嬉しかったです。

オニグモは夜行性で、昼間は網をたたんで物陰に隠れているのですが、隠れ方が甘かった個体は捕食者によって自然淘汰されてしまうのでしょう。

実は、ヒヨドリが採食時に停飛(ホバリング)するのはお手の物です。

▼関連記事(6年前の撮影)
干し柿を盗み食いするヒヨドリ【冬の野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

ヒヨドリ(野鳥)@コーポ2F外廊下+停飛
ヒヨドリ(野鳥)@オニグモ(蜘蛛)捕食
ヒヨドリ(野鳥)@オニグモ(蜘蛛)捕食



2019/08/27

ウスバキトンボ♂を捕食し円網を取り壊すアカオニグモ亜成体♀(蜘蛛)



2016年9月中旬・午後17:01〜17:22・曇りのち小雨

湿地帯の近くの道端にアカオニグモ♀b(Araneus pinguis)の垂直円網を見つけました。
セイタカアワダチソウの先端に近い葉を糸で綴った隠れ家に腹部の黄色い亜成体♀bが潜んでいます。
そのセイタカアワダチソウおよび隣に生えたアメリカセンダングサの茎を外枠の支柱として、直径約20cmの小ぶりな垂直円網がきれいに張られていました。
地上から網のこしきまでの高さは約120cm。
交接の機会を待つアカオニグモ♂の姿は近くに見当たりませんでした。
網の左下が一部破損しているので、この日は既に何か獲物がかかった後のようです。
別個体♀aが張った網のすぐ近くですが、2匹が張った円網の向きは異なっていました。

近くで捕獲したウスバキトンボ♂(Pantala flavescens)を円網の右下部分に給餌してやると、暴れるトンボの振動に反応して隠れ家からアカオニグモ♀がすぐに出て来ました。
駆け付けたクモは暴れるウスバキトンボの胸背に噛みついて毒液を注入します。
噛まれたトンボはすぐにおとなしくなった…と思いきや、再び激しく暴れました。
捕帯の糸を大量に使って強引にラッピングを始めました。
トンボの周囲の糸を切りながら、自分がトンボの周りを回って捕帯を掛けています。
(もっと成長したクモなら、歩脚で獲物をクルクルと回しながらその場で捕帯を掛けるはずです。)

獲物を網に残したまま、隠れ家に一旦戻りました。
このときラッピングした獲物から糸を引いて行き、引き糸の端を隠れ家の付近に固定したようです。
隠れ家でアカオニグモ♀は身繕いして、しばし休憩。
毒液がトンボの体内に回るのを待っているのでしょう。
再び隠れ家から出て、網に残したラッピング済の獲物を取りに戻りました。
この頃から小雨が降り始め、円網に水滴が付くようになりました。
私は小さなビニール袋をカメラの上に広げて、濡れないようにガードしました。

ようやく網からトンボの包みを切り外すと、吊り下げた状態で捕帯でしっかりラッピングします。
トンボの翅や長い腹部も丸め込まれて全体がコンパクトになり、小型のアカオニグモ♀は歩脚で獲物をくるくる回しながらその場でラッピングできるようになりました。
(風が吹いて回っただけ?)

ラッピングが完成すると、右の第4脚の先に獲物をぶら下げて、ようやく隠れ家に持ち帰りました。
このラッピング作業により、円網のこしきも含めてほぼ全体が壊れてしまいました。
隠れ家に落ち着いたアカオニグモ♀は身繕いしてから獲物を引き上げ、捕食開始。

撮影機材や荷物が雨に濡れないように私が慌てて撤収していたら、アカオニグモ亜成体♀bが食事を中断して隠れ家から出て来ました。
獲物は隠れ家に吊るしたまま、円網を自分で取り壊し始めました。
網が雨で濡れてしまうと横糸の粘着力も落ちるので、獲物を捕らえる罠として使い物にならなくなります。
もう十分な獲物が獲れたので、店仕舞いするのでしょう。
円網を張ったままにしておくと、夕立や嵐などの悪天候で枠糸なども破損してしまう恐れがあるのでしょう。
クモは賢いですね。
破網しながら白っぽい液状便を2滴、排泄したようですが、残念ながらピンぼけです。
しまいかけたカメラを慌てて取り出して動画で記録したものの、薄暗くなってきたのでカメラのAFが合焦しにくく、撮影に苦労しました。
破網後はセイタカアワダチソウとアメリカセンダングサの支柱を水平に結ぶ太い枠糸だけが残されていました。
アカオニグモ亜成体♀は隠れ家に戻って食事を再開しました。


アカオニグモ亜成体♀b(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ葉裏
アカオニグモ亜成体♀b(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ葉裏・全景
アカオニグモ亜成体♀b(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ葉裏+ウスバキトンボ♂捕食
アカオニグモ亜成体♀b(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ葉裏+ウスバキトンボ♂捕食・全景

ウスバキトンボ♂:胸部側面@捕獲
ウスバキトンボ♂:翅の縁紋@捕獲
ウスバキトンボ♂:顔@捕獲
ウスバキトンボ♂:腹端@捕獲

2019/07/12

モミの巨木に登りクモなどを捕食するコゲラ(野鳥)



2019年5月中旬

モミの巨木でコゲラDendrocopos kizuki)が木登りしていました。
幹をピョンピョンと上に登るだけでなく、下に降りたり横に移動したり、体の向きは一定のまま自由自在に動けます。
樹皮の割れ目に潜んでいたクモ?をほじくり出すと、その場で捕食しました。(@0:36)
獲物の正体が分かった貴重な例です。
コゲラはモミの幹をどんどん登り、あちこちで立ち止まると嘴で樹皮をほじくって隠れている虫を探しています。
虫を捕食後に足で顔を掻くことがありました。

初めは私の背丈ぐらいの高さから登り始めたコゲラを、モミ高木の真下から見上げて長撮りしていたら首が痛くなってしまいました。


コゲラ(野鳥)@モミ幹+木登り+クモ?捕食
コゲラ(野鳥)@モミ幹+木登り
コゲラ(野鳥)@モミ幹+木登り

モミ幹
モミ枝葉
モミ枝葉

2019/05/31

食べ残した獲物を住居網の入口で捕食するクサグモ(蜘蛛)



2018年7月上旬
▼前回の記事
棚網に給餌したセマダラコガネを襲うクサグモ(蜘蛛)

農道と用水路の間に生えたタケニグサの群落に棚網を張ったクサグモAgelena silvatica)が筒状住居網の入口でじっとしていました。
私のせいで初めは警戒(緊張)しているようでしたが、しばらくすると警戒を解いて食餌を再開してくれました。
黒い虫の死骸を拾い上げると、触肢で獲物をクルクルと回しながら噛んで体外消化しています。
獲物はアブの仲間ですかね?

非粘着性の糸で密に編まれた棚網には雨の水滴があちこちに残っています。
クモが水を飲むシーンを野外で観察してみたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口+食べ残し捕食

2019/05/09

コガネグモダマシ♂(蜘蛛)の造網中に列車が近くを通ると…



2018年10月中旬・午後16:09〜16:23(日の入り時刻は17:02)

農道沿いに生えたススキの群落でコガネグモダマシLarinia argiopiformis)が日課の垂直円網を張り始めました。

本種の造網過程の一部始終を動画に記録するのは長年の課題でした。
造網後半の動画は何度か撮っているのですけど、枠糸および縦糸を張る前半の過程は、いつも見逃したり撮り損ねたりしていました。
秋のフィールドで造網を始めたコガネグモダマシを見つけた私が慌てて三脚を準備している間に、あっという間に造網が進行してしまうのです。
過去の反省から三脚を使わず、手持ちカメラのまま動画を撮ることにしました。
この日は幸いよく晴れて無風で、絶好の撮影日和でした。

ところで馬場友希、谷川明男『クモ ハンドブック』を紐解いてコガネグモダマシを調べてみると、

夜、草の間に垂直円網を張る。(p61より引用)
と書いてあります。
しかし、少なくとも私のフィールドでは、夜ではなくまだ明るい夕刻になると一斉に造網しています。


枯れたススキの穂と茎を利用して、垂直円網の枠糸をまず張ります。
この個体は触肢がやや膨らんでいるので、おそらく♂でしょう。


次は、後に円網の中心となるこしきを経由して縦糸を放射状に張り始めました。
縦糸を引きながら懸垂下降すると、近くのクズの葉に糸の下端を固定しました。
すぐに縦糸を登り返します。
網全体の張力のバランスを取りながら縦糸を張るので、クモが放射状の縦糸を追加する順番は不規則(に見えます)。

円網の背後はクズやセイタカアワダチソウ、ヨモギなどが生い茂った道端の草むらです。
カメラをAFモードのままにすると、動画撮影中にピントが合わなくなりがちです。
そこで途中からMF固定焦点に切り替えてこしきにピントを合わせたままにしました。
クモの動きに合わせて私が前後に少し動けばピントを微調節できるはずなのですが、実際にはなかなか難しいです。

縦糸を張り終えたクモは、続いて足場糸を張り始めました。(@6:14〜)
中央のこしきから反時計回り(左回り)に螺旋状の足場糸を張り進めます。

外側の枠糸に達すると、今度は粘着性の横糸を張り始めます。(@x:xx〜)
時計回り(右回り)の螺旋状に横糸を密に張っていきます。
横糸を張りながら同時に、不要になった足場糸を切っているはずなのですが、この映像では糸がよく見えませんね。
最後の横糸張りに最も時間がかかります。

やがて私の背後の遠くから線路の踏切が鳴り始め、嫌な予感がします。
せっかくここまでは造網作業が順調だったのに、邪魔が入りました。
線路を列車がガタンゴトン♪と轟音を立てて通過すると、コガネグモダマシ♂は造網を中断し、網から自発的に転がり落ちてしてしまいました。
クモは振動に極めて敏感ですから、通過列車の騒音に驚いて咄嗟に緊急避難したのでしょう。
草むらに逃げたクモを見失ってしまいました。

しかし、この場所で毎日夕方の同じ時間帯に造網しているのであれば、列車が毎日定時に横を通ることを学習しても良さそうなものです。
列車は結局のところクモに対して脅威ではない(天敵ではない)のですから、騒音も無視すれば良いでしょう。
狼少年の人騒がせな偽警報のように、馴れは生じないのかな?
騒音や振動がどうしても耐え難いのであれば、造網開始時刻を前後にずらしたり造網場所を遠くに移動しても良いはずです。


※ 
太陽の順光を浴びたクモの糸と網を強調するために、動画編集時にコントラストをかなり上げています。
その副作用で、クモの体色が白飛びしてしまっています。


つづく→


2018/11/28

不規則網にかかったコガタスズメバチの創設女王を捕食するオオヒメグモ♀(蜘蛛)



コガタスズメバチ初期巣の定点観察2018年#3

▼前回の記事
コガタスズメバチの巣の下に不規則網を張るオオヒメグモ♂(蜘蛛)

2018年7月上旬

コガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣に特有の細長いトンネル状の巣口は、ワーカーが羽化するとすぐに取り壊されます。
この取り壊しの様子を見届けたくて、軒下の初期巣を毎日のようにチェックしていました。

前回の定点観察から6日後。
私の嫌な予感が的中しました。
恐れていた通り、初期巣の直下に張り巡らされたオオヒメグモParasteatoda tepidariorum)の不規則網に1匹のコガタスズメバチ♀が捕らえられていました。
既にスズメバチは毒液を注入されて死んでおり、オオヒメグモ♀が糸で軽くラッピングしていました。
オオヒメグモ♀は獲物に噛み付いて体外消化を始めます。

死んだコガタスズメバチ創設女王の腹端に水滴のような物が見えます。
これは毒針から放出した毒液かな?と想像したものの、毒針は伸びていませんでした。
(水滴ではなくて、半透明な翅の先端部かも?)

映像を見直すと、コガタスズメバチ初期巣の巣口の直下に実はもう一匹、別のクモが居ました。
ピントが合わず、よく分かりませんが、これはオオヒメグモ♂かな?

オオヒメグモの不規則網にはガガンボの死骸も食べ残されていました。

真下から見上げるアングルで撮ると遠近感が分かりにくいので、斜め横から写真を撮り直してみました。
するとコガタスズメバチ女王の死骸は巣口のかなり下に吊り下げられていることが分かります。

前日は異状なかったので、この1日の間に巣に出入りしようとした女王蜂が油断してクモの罠にかかったのでしょう。
オオヒメグモはさすが全世界で繁栄しているクモだけあって、その不規則網は地味ながら恐るべき捕獲性能を誇ります。
コガタスズメバチ♀が必死に羽ばたいても不規則網の糸の末端部にある強力な粘着球から逃れられなかったようです。
スズメバチは毒針で反撃しようとしたはずですが、糸で絡め取られて万事休すだったのでしょう。
私がもう少し早く気づいていれば、対決の様子を観察できたのに、残念です。
コガタスズメバチの巣を定点観察するためには軒下から天敵であるクモの網を払っておくべきでしたが、とても手が届かない高所だったのです。


▼関連記事(10年前の撮影)
キアシナガバチ創設女王がオオヒメグモ(蜘蛛)に捕まる

コガタスズメバチの初期巣に特有の徳利型の細長い入り口はそのままなので、ワーカー♀が羽化する前に女王蜂が非業の死を遂げたことになります。
もし巣内で既に幼虫の何匹かが蛹になっていれば、ワーカー♀が羽化してくるかもしれません。
しかし羽化する度に下で待ち構えているオオヒメグモの餌食になりそうです。
そんな期待をしながら定点観察をしばらく続けていたのですが、初期巣の形状は全く変化せず、コガタスズメバチ♀が新たにオオヒメグモの不規則網にかかることもありませんでした。

したがって、育房内に未だ蛹は育っておらず、卵や幼虫は女王蜂の死後、全て餓死したと考えられます。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2日後には、オオヒメグモの不規則網にカシノシマメイガPyralis farinalis)が捕らえられていました。


左上:カシノシマメイガ(蛾)@オオヒメグモ(蜘蛛)不規則網@軒下:コガタスズメバチ巣

9日後、オオヒメグモの不規則網に卵嚢が2個吊り下げられているのを見つけました。
まさに弱肉強食の世界で輪廻転生を目の当たりにしました。



シリーズ完。




【追記】その後の経過

2019年3月中旬

この古巣はその後、秋から冬になっても軒下に残っていました。
梯子も届かない高所なので古巣を採集して中の状態を調べることもできず、放置していたのです。
春になってから再訪すると、いつの間にか古巣の外皮の下半分が壊れていて、中の巣盤が露出していました。
下から見上げると巣盤は1層しか見えません。
大きく育ったコガタスズメバチの巣では中の巣盤は何層も積み重なった構造になっていますが、この事例では初期巣の段階で造巣が止まっているので巣盤も単層のままだと思われます。

古巣が壊れた正確な時期も理由も不明です。
冬の風雪に耐えられず自然に崩壊したのか、スズメやヒヨドリなどの野鳥が壊したのか、それとも寄生虫が巣の内部を食い荒らした結果なのか、可能性は色々と考えられます。
▼関連記事 
キイロスズメバチの古巣を壊して捕食するヒヨドリ(野鳥)
巣盤をよく見るとその中央部の3つの育房に白い膜のようなものが付着していて個々に穴が開いています。
これが羽化後の空繭だとすると、この初期巣は創設女王が死んだ時点で蛹になっていたワーカー♀が3匹だけ羽化できたことになります。
しかし私が観察していた限りではコロニーの活動が無かった(巣に出入りするワーカーの姿を見ていない)ので、女王不在の巣に生まれたワーカーはすぐに逃去してしまうのかもしれません。



左上にオオヒメグモの卵嚢が4つ吊り下げられています。

2018/11/24

コガタスズメバチの巣の下に不規則網を張るオオヒメグモ♂(蜘蛛)



コガタスズメバチ初期巣の定点観察2018年#2



▼前回の記事
コガタスズメバチ創設女王が軒下の初期巣に帰巣

2018年6月下旬

前回の動画から22日後。
外被の巣口に長い首が依然として残っているので、未だコガタスズメバチVespa analis insularis)ワーカー♀が羽化する前の初期巣の段階と分かります。
このところ創設女王の出入りを全く見かけなくなり、安否が心配です。

コガタスズメバチの巣の下にクモの巣(不規則網)が張り巡らされていて、オオヒメグモ♂(Parasteatoda tepidariorum)らしきクモが動き回っていました。
黒い触肢が目立つので、♂だと思います。
不規則網に糸を追加して造網中のようです。

スズメバチの巣の真下から見上げるアングルで撮影したので、遠近感が分かりにくくなっています。
つまり、コガタスズメバチの初期巣とオオヒメグモの不規則網がそれぞれ建物のどのぐらいの高さにあるのか、この映像ではよく分かりません。
高さの位置関係が分かるように横からも撮るべきでしたね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:不規則網にかかったコガタスズメバチの創設女王を捕食するオオヒメグモ♀(蜘蛛)


オオヒメグモ?(蜘蛛)@不規則網:軒下コガタスズメバチ初期巣下
コガタスズメバチ初期巣下@軒下角

2018/11/13

深夜のコナラ樹液酒場に来たザトウムシ【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:42頃

里山で定点観察しているコナラの樹液酒場を夜明け前に見に行くと、意外な生物と出会いました。
(ちなみに日の出時刻は、午前4:51。)

まず赤外線の暗視カメラで撮ると、ザトウムシの仲間が2匹、根元近くの苔むした幹で長い歩脚を屈伸させていました。
夜な夜な樹液を吸汁する習性があるのか、夜行性動物がたまたま通りかかっただけなのか、分かりません。
カメラを近づけると逃げ出してしまうのは、私の立てる物音や振動に対して非常に敏感なのか、それともまさか赤外線が見えるのでしょうか?

次に白色LEDを点灯したら、眩しい光を警戒して脚の屈伸運動を止めてしまいました。
可視光で見ると意外なことに、2匹の胴体(頭胸部+腹部)の色が違いました。(灰色の個体と、見慣れない褐色の個体)
私はザトウムシについて疎いので、2匹が別種なのか、それとも発育ステージや性別の違いによって色が変わるのか、まるで分かりません。

最後に私が息を吹きかけたら、ザトウムシは慌てて逃げ出し見失ってしまいました。
ストロボ写真を撮れなかったのは、残念でした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/01

棚網に給餌したセマダラコガネを襲うクサグモ(蜘蛛)



2018年7月上旬

▼前回の記事
クサグモ(蜘蛛)の棚網から脱出するセマダラコガネ黒色型

タケニグサの群落にクサグモAgelena silvatica)が作った棚網にしつこく給餌実験を繰り返します。
2匹目の生き餌として、通常型のセマダラコガネa(Anomala orientalis)を投入しました。


セマダラコガネa@イタドリ

すると今度はクサグモがすぐに反応して住居から駆け寄りました。
このとき獲物に噛み付いて毒液を注入したかどうか、よく見えませんでした。
襲われたセマダラコガネは後脚を高々と持ち上げた万歳姿勢で威嚇・防御します。
クサグモは糸で獲物をラッピングせずに、獲物を軽く咥え住居に持ち帰り始めました。
慌てているのか、途中で2回も獲物を棚網に落とし、拾い直しました。

やがてセマダラコガネは棚網で仰向けにひっくり返り、脚をピクピク動かしています。
断末魔の獲物をクサグモはじっと見ているだけで、毒が回るのを待っているようです。
ようやくセマダラコガネは動かなくなりました。

ところが、雨の水滴があちこちに付着した棚網に獲物を残したまま、なぜかクサグモは一旦住居に戻りました。
食べ残しの方が気になるのかな?
管状住居内で方向転換すると、再び棚網に出てきて、セマダラコガネを住居へ搬入します。
ようやく落ち着いて捕食が始まります。
獲物を噛んで時間をかけながら体外消化するのです。


つづく→食べ残した獲物を住居網の入口で捕食するクサグモ(蜘蛛)


クサグモ(蜘蛛)@棚網+セマダラコガネ給餌実験:bite
クサグモ(蜘蛛)@棚網+セマダラコガネ給餌実験:bite
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居網+セマダラコガネ捕食

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