2022/08/06

初夏の河畔林を夜な夜な駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 晩春の河畔林を夜な夜な駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

2022年5月下旬〜6月中旬 

河畔林でタヌキ溜め糞場rvを監視するトレイルカメラに写った野ネズミ(ノネズミ)の活動記録の続報です。 
餌を探して毎晩のように河畔林の林床をウロチョロしています。 
撮れた映像を見る限り、この時期の野ネズミはタヌキの溜め糞に全く興味を示さず、ほとんど近寄りませんでした。 
同一個体の野ネズミが繰り返しやって来ているのか、それとも複数個体が活動しているのか、私には未だ個体識別できません。

前半部はごく短い動画をつなげたものになっています。 
赤外線の暗視映像の撮影は電力の消費が激しいために、カメラの電池残量が減ってくると決められた時間(1分30秒間)だけ記録することができずに途中で録画が中断してしまうのです。 
それでも設定した通りに監視は続けられ、熱源を動体検知すれば次も起動し、短いながらも健気に記録してくれます。 
新しい電池に交換した後半(@0:14〜)からは、正常に記録されています。 


シーン1:5/26・午後23:53 
画面の左下隅に居ました。 
林床に転がっている落枝を伝い歩いて、画面下に姿を消しました。 

シーン2:5/29・午後22:39 
画面の右端に居て、右に移動。 

シーン3:5/30・午後19:40 
落枝を伝い歩いて画面上に移動。 

シーン4:5/30・午後20:39 
落枝の上に乗っていました。 

シーン5:5/31・午後21:12 
画面中央やや上の林床をチョロチョロと徘徊。 

シーン6:6/1・午後20:33 
画面左上に居ました。 

シーン7:6/5・午後23:57 
画面中央に立ち止まっていました。 

シーン8:6/6・午前1:16 
タヌキの溜め糞から右上に走り去る瞬間が撮れていました。 
これを最後に電池切れでトレイルカメラが全く起動しなくなりました。 

シーン9:6/12・午前0:29 
新しい電池に交換した後半(@0:14〜)からは、映像が正常に記録されています。 
昼間に撮った現場の様子をついでに挿入しておきました。 
林床に下草がどんどん伸びると、地面を駆け回る野ネズミを上からますます見つけにくくなります。 

シーン10:6/13・午前2:31 
画面左下の落枝の上に居ました。 
落枝を伝い歩いて画面上に移動したものの、なぜか再び落枝を引き返しました。 
画面左下隅に姿を消したと思いきや上に移動し、ニセアカシアの根際を乗り越え、落枝の上端に姿を消しました。 

シーン11:6/14・午前0:58 
画面左端のニセアカシアの根際に登場。 
林床に転がっている落枝を伝って下へ移動し、画面左下隅に姿を消しました。 

シーン12:6/14・午前3:08 
画面右を右上に移動。 
次に右上隅から左に向かって移動。 
最後は画面上端に姿を消しました。

シーン11:6/15 
東北地方南部が梅雨入り宣言。 
しかし映像で雨は降っていません。 

画面左上から下に向かって(落枝に沿って)チョロチョロと移動し、左端に消えました。 
すぐに左端から再登場し、右に移動。 
途中から画面中央部を上に移動し、姿を消しました。 
草むらの隙間から野ネズミの白く光る眼が点滅したように見えるだけです。 

シーン12:6/18・午後23:03 
画面左の草むらの下を左下へ移動。 
草むらが揺れるだけで、野ネズミの姿は直接見えません。 

シーン13:6/20・午後20:10 
画面左の落枝を渡って上に移動。

つづく→

2022/08/05

マルバハッカの葉を食害するハッカハムシの群れ

 

2022年6月中旬・午後17:50頃・くもり 

道端の花壇に植えられたマルバハッカ(別名アップルミント)の群落に謎のハムシが大量発生していました。 
調べてみると、ハッカハムシChrysolina exanthematica)というミント類を食害する有名な害虫がいるらしい。 
アップルミントの葉は激しい食害を受け、葉は食痕(虫食い跡)だらけです。 
無傷の葉を探すのが大変なぐらいでした。 

私がレンズを近づけて接写したので、警戒されてしまったようです。 
実際に葉を食害するシーンは残念ながら観察できませんでした。 
次に機会があればはマクロレンズで口元をじっくり接写したり、食害の様子を微速度撮影したりしてみたいものです。 

今回は成虫ばかりで、ハッカハムシの幼虫を見つけることが出来ませんでした。(幼虫もシソ科の葉を食べて育つそうです。)
ハッカハムシの越冬態は不明らしい。(『ハムシハンドブック』p42より
もし成虫越冬だとすれば、今回の大群は越冬明けの成虫が食草のミント臭に誘引されて集結したものであり、次世代の幼虫はこれから出てくるのかもしれません。

2022/08/04

タヌキの溜め糞を横切る夜行性のヤスデ?【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2022年5月下旬・午後22:55

河畔林のタヌキ溜め糞場rvを監視しているトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に珍客がたまたま写っていました。 
赤い矢印の先に注目してください。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がこの溜め糞場に来て排便してから2.5時間後に、ヤスデらしき多足類が林床を這い回り、新鮮な黒い糞塊の上を足早に横切りました。
ヤスデは糞食性ではないそうなので、今回タヌキの溜め糞場を横切ったのはたまたまでしょう。
タヌキの糞に誘引された訳ではなさそうです。
そもそも今回トレイルカメラが何に反応して起動したのか不明です。
(小さな変温動物のヤスデに反応するはずはありません。)
 
ヤスデの食性について調べてみると、植物分解者の一員のようです。 
wikipediaの解説によると、
多くのヤスデは森林で生活している。幼虫は主に森林の土中生活者で土壌耕転作用があるとされ、成虫も落葉分解に寄与しているとされる[3]。
小学館『日本大百科全書』でヤスデの生態について調べると、
おもな栄養源は腐植質で、植物遺体の分解者として土壌動物の重要な働きの一環を占めている。カビやキノコを食べるものもあり、ときには新芽を害することもある。山林の落葉層および土壌をおもな生息場所としているが、腐植のある所であれば都市の公園緑地、住宅街にもすむ。(中略)乾燥および光を嫌い、湿度の高い夜間におもに活動するが、湿った所では昼も活動している。

2022/08/03

田んぼでドジョウを捕食するアオサギの舌舐めずり(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後15:25頃・晴れ 

田植えが済んだばかりの水田にアオサギArdea cinerea jouyi)成鳥が単独で佇んでいます。 
春風で水面にさざ波が立ち、アオサギの蒼い冠羽が風でなびいています。 
やがて私に対する警戒を解くと、アオサギは泥田の中をゆっくりと歩き始めました。 
獲物に狙いを定めて嘴を素早く突き出すと、細長い魚を見事に捕らえました。 
おそらくドジョウの仲間でしょう。
嘴の先端で挟まれてピチピチと暴れる獲物を嘴の根元の方へ器用に移し、水に浸したりしながら丸呑みにしました。 
捕食後の嘴は泥で汚れているのに、それを拭う行動をなぜか一切しませんでした。 
すぐにまた次の獲物を探し歩きます。 
この水田にはドジョウが多いようで、次々に捕食しています。
 

食事の合間にアオサギの半開きにした嘴の横からピンクの細長い物体がときどきチロチロと突き出ていることに気づきました。 
これはアオサギが食後に嘴を舐める「舌舐めずり」の行動なのでしょうか? 
このとき喉が膨らんでいるので、完全に飲みこむ前のドジョウが未だ口内で暴れているのかな? 
しかし、謎のピンクの細長い物体はドジョウの尻尾の形状とは異なり先端が尖っているので、アオサギが舌を出し入れしている(舌舐めずり)だと思います。 
鳥には歯がありませんから、ドジョウの頭部や尻尾を噛み千切ることはできません。
アオサギは身近な普通種で散々観察してきたのに、舌舐めずり行動に今まで全く気づかなかったのは、我ながら不思議です。 
個体差がある癖なのでしょうか?
次に機会があれば、アオサギの舌舐めずりをスーパースローで撮影するのも面白そうです。
ドジョウ以外の獲物を捕食したときも同様のシーンが見られるのなら、舌舐めずりで間違いないでしょう。
他のサギ類も舌使いは同じなのかな? 
「アオサギの舌」で画像検索してみると、アオサギの舌は固くて(器用に曲げられず)真っ直ぐな印象を受けます。 
内部には硬い舌骨があるのだそうです。
参考サイト:アオサギの舌の秘密
一方、今回の動画で分かったように、アオサギの舌の先端部は柔軟性があってチロチロと器用に動かせるようです。

上空からグワァ♪という怪音が聞こえ、田んぼのアオサギaが急にその場で180°方向転換したので何事かと思いきや、別個体のアオサギb(若鳥)が左から飛来しました。 (@3:37)
2羽目のアオサギbは滑空すると、2つ離れた別の区画の水田に舞い降りました。 
餌場が離れているので、先客と縄張り争いにはなりませんでした。 
アオサギaは採餌活動を再開。 

アオサギaのドジョウ狩りは成功率100%とは限りません。 
映像の後半はドジョウに逃げられて捕食に失敗したシーンです。(@5:30〜) 
 

2022/08/02

川沿いの護岸を夜に駆ける夏毛のニホンノウサギ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 川沿いの獣道を夜中に通る夏毛のニホンノウサギ【暗視映像:トレイルカメラ】

2022年5月下旬・午後22:43

川沿いのコンクリート護岸が野生動物の行き交う獣道になっています。 
トレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置して監視してみると、夏毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が写っていました。 
雑草の生えたコンクリート護岸に立ち止まって地面の匂いを嗅いでいます。 
夜行性ノウサギの採食行動を撮り損ねてしまったのかもしれません。 
コンクリート護岸の緩やかな斜面をトラバースするように、ピョンピョン跳んで右へ(下流側へ)走り去りました。 

今まではニセアカシア河畔林の木立の隙間からノウサギが走り抜ける姿をちらっと見えただけだったのですが、カメラの設置場所を工夫したら、ばっちり記録できるようになりました。



2022/08/01

ブラックベリーの花で採餌するクロマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

 

2022年6月中旬・午前10:30頃・晴れ

民家の庭の生垣に咲いた木苺の白い花にクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
 吸蜜するクロマルハナバチ♀の後脚を見ると、花粉籠にくすんだ茶色の花粉団子を付けて運んでいます。 
なぜか左の花粉団子の方が右よりも大きかったです。 

木苺の花から羽ばたいて飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:55〜)
   
さて、撮影時の私はこの木苺の種類が分かりませんでした。 
その後も定点観察に通うと、7月中旬になって熟した果実が真っ黒だったので、ようやくブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)と判明しました。 
以下は7月下旬に撮影した熟果および未熟果の写真です。

2022/07/31

珍しく日の出直後に溜め糞場で排便する夜行性のホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 河畔林の溜め糞場で毎晩脱糞するホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】

2022年5月下旬・午前4:32・晴れ(日の出時刻は午前4:23) 

深夜にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がここで排便してから52分後。 
別個体と思われるタヌキが河畔林の溜め糞場rvに来て排便しました。 
日の出直後でもう明るいのですが、トレイルカメラが赤外線の暗視モードのまま撮影しました。 
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

夜行性のタヌキが明るい時間帯に溜め糞場に登場するのは異例です。(朝帰りのタヌキ) 
おそらく、この日の泊まり場(昼のねぐら)が近くにあるのでしょう。 


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