2011/01/08

コマユバチの一種(Cotesia sp.?)の一斉羽化

2010年10月下旬

里山の草叢でミゾソバ?の枯れた茎に付着した謎の白い塊を発見
アワフキムシ幼虫が作った泡の巣が固くなったような状態ですが、カマキリの卵鞘とは違います。
図鑑で見たムシヒキアブ科シオヤアブの卵嚢かなと思い、 採集して持ち帰りました。
さあ一体何が出てくるか楽しみです。



ミニタッパに密閉して室内に放置すると一週間後の11月上旬、 黒い小さな蜂が続々と羽化して来たのでビックリ!




意外な結果でしたが、このときは未だシオヤアブの卵嚢(図鑑でしか知らない)に寄生した蜂が羽化したのかと思い込んでいました。






羽化した寄生蜂が次々に繭塊から脱出する様子をマクロ動画に撮ってみました。
午後(室温20℃)。
観察し易いよう、容器の蓋代わりに透明なサランラップを張っています。
初めて目にする光景にわくわく興奮しました。 
カマキリの前幼虫が卵嚢から孵化する様子を連想しました。
白い繭塊の中から黒い胡麻粒のように透けて見えてくるのが脱出の前兆と分かりました。 
繭の繊維を大顎で少しずつ食い破りつつ、頭から脱出します。
このとき長い触角は背面に寝かせています。
脱出の最後の瞬間は素早くするりと抜け出します。
羽脱後はすぐに羽が広がります。
翅伸展は蛹や繭の中で済ませ、ある程度成熟してから(クチクラが固まってから)外に出てくるようです。
繭塊には表面のあちこちに脱出痕がはっきり残っています。

成虫の体は黒、脚は褐色、羽は透明、腹部腹面前半部が褐色。

YouTube仲間で寄生蜂に詳しい外人さん(ufensia氏)に動画を見てもらったところ、「この寄生蜂は鱗翅目の幼虫(シロチョウ科?)に寄生するコマユバチ科Cotesiaの一種だろう」とご教示頂きました。
また、「今回採集した謎の白い物体はシオヤアブの卵嚢ではない」と私の大きな勘違いを正して貰いました。
寄主の体内で育った多寄生蜂の終齢幼虫が寄主から一斉に脱出して、共同で大きな繭塊を紡いだものなのだそうです。
野外の自然環境下でも冬の到来前に羽化して成虫で冬越しするのだろうか?
それとも繭の中で越冬するのだろうか。


つづく


オオスズメバチ新女王の吸水




2009年11月下旬

林床をよろよろと彷徨っていたオオスズメバチVespa mandarinia japonica)が偶然行き着いた杉の幹を登り始めました。
巣穴からの距離は約5m。
巣材集めでも樹液目当てでもなく、ただの休憩みたいです。
疲れ切った蜂は幹を伝い落ちる水滴を飲み始めました。
ようやく落ち着いてくれたので♀の特徴を確認できました(触角が12節で腹部が7節、毒針を持つ)。
時期的に寿命間近のワーカーなのか離巣した新女王なのか判断に迷いますが、体長約40mmと大型であることから新女王でしょうか。
越冬地を探し求めている内に気温が下がり(6℃)動けなくなったのかもしれません。
至近距離からストロボを焚いても全く攻撃性を示しませんでした。
通常ワーカーに比べると女王蜂は穏やかな性格なのだそうです(争いを避ける)。


手元の本によると(『スズメバチはなぜ刺すか』 北海道大学図書刊行会 p279)、本種の体長は女王蜂40~45mm、働き蜂(ワーカー)27~38mm、雄蜂27~40mm。  

巣の発掘・前編へ続く)

寒さで弱ったオオスズメバチ♀新女王




2009年11月下旬

巣の近くの林床を彷徨っている一匹のオオスズメバチ♀(Vespa mandarinia japonica)が居ました。
低い気温(6℃)のせいか動きが鈍く、弱々しい。
ときどき羽ばたくものの飛び立つ力が無いようです。
迷子になったのか巣とは逆方向に歩いて行きます。
寿命間近のワーカーが迷子になったのだろうか。
それとも新女王が越冬地を探しているのだろうか。
普段は危険極まりないオオスズメバチを間近で撮れる機会は滅多に無いので、ここぞとばかりに追跡しました。
つづく

※ おそらく新女王だろうと思います。詳しくは続編で。
 


巣に出入りする晩秋のオオスズメバチ




2009年11月下旬

10月上旬に初めて見つけたオオスズメバチVespa mandarinia japonica)の巣がそろそろ解散した頃かな?と、巣を掘り出すためにいそいそと杉林に向かいました。
前回怒った蜂に刺されて以来というもの、君子危うきに近付かなかったのですけど、11月下旬だというのに未だ蜂が活動していて驚きました。
辺りに生い茂っていた雑草が枯れて坑道?入口の様子が見易くなっていました。
地中というか朽ちた倒木の下に営巣しているようです。
地面への開口部は一箇所だけではない様子。
末期のコロニーには活気が無く、出入りしている数匹の蜂も空荷のようです。
蜂の攻撃性もすっかり無くなっていました。
巣の発掘はもう少し寒くなるまでお預けです。
つづく
 

スジアカハシリグモ幼体が脱皮に失敗



2009年11月下旬

色彩変異型のスジアカハシリグモDolomedes saganus幼体を10月に採集して以来、一ヶ月ちょっと飼育してきました。
気づくとガラス瓶の中で脱皮していました。
室温21℃。
確かに最近は食欲が無かったのですが、まさかこの時期に脱皮するとは全く想定外でした。
蓋の裏側に足場糸を掛け、ぶら下がった状態で脱皮中でした。
生餌として投入していた虫が狭い容器内で暴れて脱皮の邪魔をしているようなので、慌てて蓋を開けてやりました。 
背甲が割れ、腹部も脱げたものの、歩脚がどうしても脱げないでいます。
容器内の湿度が低かったせいかもしれません。
そのうち抜け殻に引っかかった左の歩脚3本(L1, L3, L4)の根元から透明な液体が滲み出しました。
これは脱皮の際に分泌される潤滑液なのだろうか、それとも歩脚が傷ついて体液が漏れ出したのだろうか。
苦境に手を貸してやるべきかどうか悩みましたが、もしかしたら歩脚を自切して脱出するかと思って見守りました。
やがて洩れた体液も乾き、クモはぐったりと動かなくなり死亡。
飼育下で越冬できず残念無念。
またもやスジアカハシリグモの成体を得られませんでした。
幼体の飼育は難しいなー。

飼育イオウイロハシリグモ♀(蜘蛛)こっちの水は甘いぞ♪



2009年12月上旬
イオウイロハシリグモ♀の飼育記録


9月に食卵して以来、イオウイロハシリグモ♀(Dolomedes sulfueus)が絶食しているので心配です。
生餌を与えても迷惑そうに逃げ回るだけなのです。
ハンガーストライキなのでしょうか。
越冬に備えて凍結防止のため意図的にお腹を空っぽにしているのだろうか。
それとも繁殖期を終えた♀クモは自然に食欲が落ちてそのまま死ぬ運命なのでしょうか。
いずれにせよ驚くべき飢餓耐性です。
普段は容器の壁に下向きにへばり付きひたすらじっとしていますが、数日おきに水を飲みに降りてきます。
スタミナを付けてもらうため水に蜂蜜を加えてみたら、とても気に入ってくれたようです。
すっかり冬を迎えた自然界ではもう寿命のはずですが、このまま室温で冬を越してくれるでしょうか。


≪追記≫
残念ながら、冬越しできず死亡しました。


パンを食すツヅミミノムシ(蛾)



2009年12月中旬

12 月に神社の境内で何気なく石をめくったらマダラマルハヒロズコガGaphara conspersa)の幼虫(別名ツヅミミノムシ)を見つけました。
ワラジムシなどと一緒に越冬していたのでしょう。
前回は飼育に失敗してしまったのですが、パンを与えて育てられると聞いたので半信半疑で試してみました。
生の食パンをちぎって与えると、早速元気に食いついてくれました。
後で見ると食パンのあちこちにツヅミミノムシが潜り込んで齧った小さな穴が空いていました(食痕)。
日を改めて撮った後半の映像で、白いパンの上に黒く小さな粒々が見えます。
これは糞なのだろうか。
それとも蓑に付いていたゴミが落ちただけかな?
パン食う虫も好きずき。

【追記】
ツヅミミノムシの食性は謎に包まれています。
野外でツヅミミノムシは蟻の巣の近くでよく見つかり、アリを食べるのではないかと噂されています。
ありんこ日記 AntRoomさんのブログで素晴らしい報告を見つけました。


【追記2】
本種の食性について、小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』p29に詳しい解説が書いてありました。
(マダラマルハヒロズコガの幼虫は)他の昆虫の死骸など、動物質のものを中心とした、さまざまな有機物を餌にしているようです。このガの生育にとってアリの存在は必須ではありませんが、アリの巣の周辺にはアリの食べ残しやゴミなどが捨てられているため、必然的にこのガの幼虫が多く見られるのでしょう。過去には、このガの幼虫の体内からアリの残骸が見つかっていることから、アリを捕食しているのではとの見方もありました。どうやら彼らは、アリを含めアリの巣周辺で死んだり死にかけた虫を見つけ出して、それを食い漁っているようです。

【追記3】
鈴木知之『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』でマダラマルハヒロズコガを調べると、
朽ち木に営巣するアリの巣内や、アリの行列の近くにひそんでアリを捕食するものと思われる。飼育下ではアリのマユを好んで食べた。(p77より引用)
もう一度飼育して私も試してみたくなりました。

オオスズメバチ巣の発掘・後編




2009年12月上旬
(つづき)
オオスズメバチVespa mandarinia japonica)巣の発掘と並行して、計6匹の♀を採集しました。
巣盤に隠れている蜂も居ました。
どれも前回(11月下旬)ここで採集した一匹の新女王♀(体長40mm)よりやや小さいので(体長32〜36mm、平均33.7mm)、ワーカーの生き残りなのだろう。
映像には触角の長い♂も一匹登場しますが(4:01-5:15)、これはいつの間にか逃げてしまったようで採集出来ませんでした。 

巣は5層の巣盤が重ねられ数本の支柱で連結されたハニカム構造です。
手で持ち上げると、上三層と下二層に分離してしまいました。
育房は全て羽化済みで空。
育房の底には前蛹が排泄した糞が白く固まっていました。
この糞も紙製の巣を強化する助けになっているのだそうです。
6角形の育房は古い巣盤(上段)では一辺(=半径)が7mm、新しい巣盤(下段)では一辺が9mmでした。
生殖虫(雄蜂および新女王)の育房は大きく深いのだろう。
上から二段目の巣盤では大小の育房が別区画として並存していました。
育房数は上の段から順に(作られた順に)130, 255, 129, 149, 253室の計916室でした※。 
ただし上段および辺縁部が崩れているため、かなり誤差があります。
※ 北海道大学図書刊行会 『スズメバチはなぜ刺すか』 p279によると、本種の巣盤数は4~10、育房数は3000~6000とのこと。
今回の巣は小さい部類に入るようです。





オオスズメバチの巣の発掘は初めてなのでかなり緊張しましたが無事に終わり、とても良い経験になりました。
次回はもっと安全策を講じて手際よくやれると思います。

今回採集した♀6匹の標本はこちら。



オオスズメバチ巣の発掘・前編



2009年12月上旬

杉林で見つけたオオスズメバチVespa mandarinia japonica)の巣が今度こそもう解散した頃かと思い発掘を始めたら蜂が帰ってきて仰天。
慌てて巣の側から離れました。
雪国で12月上旬なのに未だ活動しているとは知りませんでした。
幸い寒さで(気温5~6℃)蜂の攻撃性はすっかり影を潜めていました。
巣の状況が激変しても何とか帰巣できるということは、視覚的な記憶に頼るだけでなく自分の巣の匂いなどで判るのだろうか。
掘り起こされた巣を離れる際は健気にも定位飛行をして位置を覚え直しているようです。
蜂は壊された巣を修復する気力も無いようで、近くの杉の木に飛んで行っても巣材を集めることはなく体を休めているだけでした。
一旦巣を掘り始めたらもう作業を止めるわけにはいきません。
危ないので仕方なく、蜂が帰巣する度に一匹ずつ捕獲することにしました。
警戒(攻撃)フェロモンを出されると困るので、生け捕りにした蜂は巣から離れた場所に隔離しました。
この巣は折れ重なった倒木の下に営巣していました。
地中に蔓延る根っこが邪魔で持参したスコップは役に立たず、寒いのに汗をかきつつ手で掘り進めました。
むしろノコギリが欲しかったです。
巣全体を覆っていたはずの外被は見当たらず、巣盤が剥き出しでした。
コロニー末期になると外被のメンテナンスも疎かになり雨水で崩れ落ちてしまうのだろうか。(※追記参照)
増築を重ねた巣全体の形状がかなり歪なのは、周囲にある倒木などの障害物に成長を阻まれたせいでしょう。
5層あった巣盤もきれいな円形ではありませんでした。
湿った巣には少しカビが生え、独特の臭気もありました。
よく見ると何か寄生虫(巣虫?)らしき幼虫の死骸が大量に付着していました。
後編に続く)


※【追記】
『都市のスズメバチ』p22によると、オオスズメバチの巣の外皮は薄く底が抜けているらしい。
 


イラガの繭を割って食べるアカゲラ【冬の野鳥】




2010年1月上旬

アカゲラ♀(Dendrocopos major)がケヤキの細い枝先にぶら下がり、嘴で頻りに何かを突付いていました。
よく見るとイラガMonema flavescensの繭でした。
不安定な足場に苦労した挙句ようやく繭を突き破ると、中で越冬していた蛹をペロッと食べました※。
イラガがいくら硬い繭で身を守っても、流石にキツツキの方が一枚上手なのですね。
イラガの生き残り戦略としては、もっと鳥が止まれないぐらい細い枝先に造繭してはどうだろう?

【追記】
後日、イラガ繭を割って中を見る機会がありましたが、ずんぐりした前蛹で越冬するようです。
映像で繭から引きずり出した時にビローンと伸びたように見えたのは虫体ではなくアカゲラの長い舌と思われます。



  (関連記事→「イラガの繭を突付くシジュウカラ」)


雪の日の雀【冬の野鳥】




2009年12月中旬

大雪が降った後、賑やかなスズメPasser montanusの群れが木に止まっていました。
鳴き声もかすかに録音されています。
雀が羽毛を逆立てて冬の寒さに耐える様を「ふくらすずめ」と呼ぶそうです。
同名の蛾もヤガ科に居ますね。
 


2011/01/07

雪の日のキジ♂2009【冬の野鳥】




2009年12月下旬

雪に覆われた農地で採餌中?のキジPhasianus versicolorの群れを発見。
なんとか動画を撮ろうと近づいたら、早足に近くの杉林(防風林)へ逃げ込んでしまいました。
♂ばかり4羽いました。
同じ巣から生まれた兄弟なのでしょうか。
この時期に♀を見かけたことがないのですけど、♀は♀同士で群れを作っているのかな?


関連記事(14年後の撮影)▶ 白銀の雪原を歩くキジ♀3羽の群れ(冬の野鳥)
 


残雪とクジャクチョウ




2009年4月中旬

雪の残る林道でクジャクチョウ(孔雀蝶;Inachis io geisha)が日光浴していました。
越冬明けで羽のあちこちに損傷がみられます。
体温が下がると羽を広げ、受光面積を大きくします。
暑くなると羽を立てて調節します。
雪の上に飛んで行くと羽を全開にしました。
このとき雪を舐めていたかどうか確認できませんでした。

イラガの繭を突付くシジュウカラ♂【冬の野鳥】




2010年1月下旬

ケヤキの枝先でシジュウカラ♂(Parus minor)がイラガMonema flavescens)の繭を嘴で突付いていました。
頑張っても硬い繭は割れなかったようで、諦めて飛び去りました。


(関連記事→「イラガの繭を割って食べるアカゲラ」) 


【追記】
『シジュウカラ (カラー版自然と科学)』p27にイラガの繭を食べるシジュウカラ♂の連続写真が掲載されていました。
(1)イラガのまゆをまず足でおさえ(2)つづいてくちばしでつついてからをわり(3)さいごになかの幼虫※をひきだす
ミノムシを蓑からから引き出して食べることもあるそうです。
※イラガの越冬態は、正しくは前蛹です。


モンシロチョウと水仙の花




2009年4月中旬

ラッパスイセンの群落でモンシロチョウPieris rapae)が舞っていました。
 


虫の死骸を食べるワラジムシ




2009年4月下旬

クモの飼育容器にワラジムシPorcellio scaber)を入れてみたら、底に敷いた枯葉や虫の死骸(クモの食べ滓)をせっせと食べて掃除してくれました。
今季飼ってみたクモの中では、エビチャコモリグモがワラジムシを襲ったのに対してイオウイロハシリグモは決して同居人のワラジムシを捕食しませんでした。 


オタマジャクシの集団




2009年4月中旬

春の林道で轍にできた水たまりに無数のオタマジャクシが泳いでいました。
私には未だ種類を見分けられないのが残念!



虫の死骸を食すミールワームの幼虫と成虫




2009年4月下旬および6月中旬

クモを飼っていると食べかすや虫の死骸で容器内が汚れてきます。
掃除屋としてワラジムシの他にミールワーム(チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫;Tenebrio molitor)も数匹入れてみました。
イオウイロハシリグモ♀の場合、ミールワームの味が気に入らなかったのか、たまにしか捕食しませんでした。
放っておくとミールワームは虫の死骸や枯葉をせっせと片付けて成長しました。
成虫になったチャイロコメノゴミムシダマシを捕食することは一度もありませんでした。
ミールワームはペットショップやホームセンターでも売っています。


日溜まりのニホンカナヘビ




2009年4月下旬

ニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)が二匹、眠そうに日向ぼっこしていました。 
アリが体を這い回っても捕らえて食べようとはしませんでした。
春眠暁を覚えず。
 


セイヨウタンポポの花とヤブキリ若齢幼虫




2009年4月下旬

セイヨウタンポポの花で見つけました。
ヤブキリTettigonia orientalis)の若齢幼虫かなと思うのですがどうでしょう。

【追記】
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』p90によると、春にヤブキリとキリギリスの幼虫の見分ける方法は簡単で、背に一本線がヤブキリで、2本線だとキリギリスの幼虫。
 

キタテハの日光浴




2009年4月中旬

越冬明けのキタテハPolygonia c-aureumが枯れ木の枝先に止まり、気持ちよさそうに日光浴していました。
 

オオゾウムシ逃走中!




2009年5月上旬

林道を足早に歩くオオゾウムシSipalinus gigas)を接写してみました。
なかなかの疾走感!
 


オツネントンボ



2009年4月下旬

越冬明けのオツネントンボSympecma paediscaかな。
 

2011/01/06

隠れ家に獲物を運ぶヤエンオニグモ♀?(蜘蛛)



2009年5月中旬

円網でオニグモの一種を見つけました。
網にかかった獲物(ニホンミツバチ?)をラッピングすると、お尻に付けたまま枠糸を伝って軒下まで運んで行きました。
昼間は天敵を警戒して隠れ家で落ち着いて食事するのでしょう。
映像からクモの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。 

【追記】
ヤエンオニグモ♀?

シュレーゲルアオガエルの香箱座り




2009年5月下旬

シュレーゲルアオガエルRhacophorus schlegelii)が青葉の上で休んでいました。
動きの無い映像では面白くないので、一時捕獲してみました。
 


シメ(冬の野鳥)




2010年2月下旬

見知らぬ鳥が木に止まっていたので、シメシメとばかりにカメラを取り出して撮ってみました。
図鑑で調べるとシメCoccothraustes coccothraustes)と判明。
 

ヒヨドリの吸蜜




2010年4月中旬

満開の白梅でヒヨドリHypsipetes amaurotis)が花の蜜を舐めに来ていました。

顔を花粉で黄色く染め、梅の木にとっては花粉を運ぶ送粉者として働いています。
 


冬のシジュウカラ【冬の野鳥】




2010年2月中旬

シジュウカラParus minor


キアシオナガトガリヒメバチ♀羽化直後の蛹便排泄




2010年4月下旬

スズバチ(Oreumenes decoratus)の作りかけの育房から採集した繭を室内飼育してきて半年後、ようやく成虫が羽化しました。

前蛹の状態で長い冬を過ごし(休眠越冬)、蛹の期間は一月ぐらいでした。
長く鋭い産卵管が目立ちます。
喉が渇いているかと思い取りあえず水を与えてみたら溺れそうになって焦りました。
羽が濡れてクシャクシャになってしまいました。
いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSにて写真鑑定してもらうと、キアシオナガトガリヒメバチ♀(Acroricnus ambulator ambulator)と教えて頂きました。
本種の寄主としてはキボシトックリバチ、オオフタオビドロバチ、スズバチ、エントツドロバチなどが報告されています。
自然環境では繭と寄主の泥巣を食い破って脱出します。



本個体は羽化直後も腹部の側面が縦に裂けたような状態のままで奇形なのかと心配でしたが、これで正常なようです。
数日後には裂け目は閉じました。
本種(旧名キアシオナガヒメバチ)に関するPDF文献を読むと、まさにこの観察通りの記述がありました。 
桝田長. "キボシトツクリバチとその寄生昆蟲の生態." 昆蟲 15.4 (1941): 153-170.
「羽化直後の成虫は腹部が著しく膨大して殆ど球状を呈している。殊に腹部基部の両側には黄白色の膨出部が付属している。蛹便は灰白色を呈するが、その排泄に伴って腹部は順次に縮小し、前記の膨出部も消失して、約2日の後に正常の成虫態となり初めて活動的となる。」

キアシオナガトガリヒメバチ越冬蛹が黒ずんできた



2010年4月下旬

飼育観察記録。
蛹の変態が進み、クチクラ全体が黒化してきました。
初めは赤かった複眼も真っ黒に。
足は褐色の部分があるようです。
腹部の側面が縦に裂けていて、黄色い顆粒状の内臓?が覗いて見える点が気にかかります。
泥巣の育房および繭から取り出して飼育しているせいで奇形になったのかと心配でした。
光刺激に対する蠕動は脚で蹴る動作が出来るようになりました。
撮影時には未だスズバチだと思っています。
実はスズバチの幼虫に寄生していたキアシオナガトガリヒメバチ♀と後に判明します。
つづく
 


キアシオナガトガリヒメバチ越冬蛹の蠕動




2010年4月上旬

スズバチOreumenes decoratus)の泥巣から秋に採集した繭を切り開いて取り出した前蛹を室内飼育していたら、いつのまにか蛹化していました。
冬の間はずっと前蛹のままで休眠し、変化が無かったので油断していました。
変態が進んですっかり蜂らしくなっています。
複眼だけ赤く色付いている他は全身が黄白色。
100円ショップで買ったプラスチック製ピルケースを飼育容器に用いています。
普段はこれを海苔の空き缶に入れて遮光しているのですが、ときどき観察のために取り出すと突然の眩しい光に驚いてピクピクと蠕動します。
今のところ動くのは腹部だけです。
スズバチ幼虫に寄生していたヒメバチの一種(キアシオナガトガリヒメバチ♀)と後に判明。
つづく

本種の生態に関する古い文献(PDFはこちら)を読むと
桝田長. "キボシトツクリバチとその寄生昆蟲の生態." 昆蟲 15.4 (1941): 153-170.
「幼虫及び蛹はその全期を通じて僅かの刺激に対しても腹部を自由に振り動かす」
との記述がありました。
確かに本当だ!と嬉しくなりました。 


キアシオナガトガリヒメバチ前蛹の蠕動


2009年10月上旬

石碑に彫られた文字の窪みに泥巣がありました。
徳利状の育房が3つ(a-c)固まっています(泥巣全体の横幅は約35mm)。
その場で泥巣を暴いてみると、貯食物は鱗翅目の幼虫でした。
育房aは蝿に寄生されており、育房cは発掘作業で蛹を傷つけてしまいました。
育房bから採集した繭を持ち帰り、切り開くと白い前蛹が入っていました。
このまま越冬するようです。


蜂屋のヒゲおやじさんに質問すると、スズバチOreumenes decoratus)が作った泥巣だろうと教えて頂きました。
この育房bは一番最後に作られたようですが、入り口が閉じられていません。
スズバチは複数の育房が完成すると全体を泥で厚塗りする習性があるそうです※。
※ 同じ石碑で下の文字の奥には全体が塗り潰されたトーチカ状の泥巣があり、脱出孔が2つ残されていました。
従って、この泥巣は何らかの理由で途中で営巣を中断したケースと考えられるそうです。
この繭bもセイボウなどに寄生されている可能性が高いとのことでした。
果たして来年、うまく成虫が羽化してくれるでしょうか。




冬場の乾燥とカビ感染に注意しつつ飼育してみます。
しばらく飼っていると蠕動で繭の外に出てしまいました。
つづく







≪追記≫
この前蛹bは室内で休眠越冬してやがて蛹となり、4月末に無事成虫を得ました。
やはりこの無防備な育房bは寄生されており、ヒメバチの一種(キアシオナガトガリヒメバチ Acroricnus ambulator ambulator)♀が羽化してきました。(続編をご覧ください。)




ヤニサシガメの幼虫




2010年5月上旬

ヤニサシガメVelinus nodipes)の幼虫がガードレールを徘徊していました。
レンズを近づけると警戒してガードレールの陰に隠れようとします。
その度に裏から手を回して虫の近くを指でトントン叩き、こちら側に戻らせてから撮りました。
最後は手に乗せてみました。
樹脂を体に塗りたくる様子を観察してみたいものです。


ヒメオドリコソウで吸蜜するツツハナバチ♂?



2010年5月上旬

ヒメオドリコソウの花で蜜を吸って回る蜂がいました。
近くの竹筒トラップに営巣したツツハナバチかと思うものの定かではありません。
触角が長いので♂なのかな?
それとも春先に出現するニッポンヒゲナガハナバチとかですかねぇ? 
全く自信が無いので、映像から見分けられるようでしたら、どなたか教えて下さい。


頭部に赤い粒々が付着している個体が目立ちました。
赤ダニに寄生されているのでしょうか。
それとも訪花の際にどこかで赤い花粉を貰ってきたのだろうか。

≪追記≫
後日ヒメオドリコソウの唇形花を分解して調べてみたら、葯は赤い花粉を有することが判明。
蜜を求めて蜂が花の奥に頭を突っ込むと、花の上側の花弁の裏にある雄しべの花粉が頭部に擦り付けられる仕組みです。
仕事熱心な蜂ほど頭が赤く染まり、受粉の手助けとなるのですね。
赤ダニに寄生されていたのではありませんでした。
蜂の頭部の鮮明な写真が撮れればすぐ分かったはずですけど、動画しか撮れなかったので謎解きに手間取りました。


 

2011/01/05

ザトウムシの食事および一時捕獲




2010年10月下旬

渓流沿いでシダの葉に乗ったザトウムシの仲間を発見。
オオナミザトウムシの仲間だろうか(自信なし)。­
歩脚が一本だけ根元から欠損しています(-L3)。
食事シーンを観察するのは初めてで­した。
獲物は腹部と長い脚を一本だけ残し殆ど食べられていて原型を止めていません。
黒いのでコオロギ­やヒメギスだろうか。
自分で狩りを行ったのか死骸を食しているのか不明です。
ザトウ­ムシは左右の触肢で獲物を把握し、長い大顎で噛んでいます。

ヌカカのような小さな虫が一匹、すぐ近くに止まっているのは果たして偶然だろうか。
獲物のおこぼれを吸汁しようと虎視眈々と狙っているのかも。

ザトウムシは素手で捕獲できると聞いていたのを思い出し、お食事中を失礼して初挑戦。

細長い歩脚を何本か­素早く指で摘んでまとめると動けなくなります。
噛まれる心配よりもむしろ長い脚が折れ­たり自切しそうで怖かったのですが、大丈夫でした。
その場で採寸すると体長9mm。
二個の単眼が頭頂­部に集まっています。
ザトウムシの胴体はクモと異なり、頭胸部と腹部が癒着しており、体節構造があります。
腹面を調べても、クモで言う外雌器らしき構造は認められませんでした­。
ザトウムシの性別はどう見分けるのだろう。
あれこれ接写して満足したので地面に解放­してやると、落ち葉の上をゆっくり歩き去りました。
少々手荒に掴んだ歩脚は折れたりし­てないようで一安心。 




どなたか種類を見分けられる人がいらっしゃいましたら教えて下さい。



ザトウムシを見る度にシュールレアリズムで有名なダリが好んで描いた、極端に長い脚の象の絵を連想します。

ヒメフンバエ♀♂の交尾




2010年5月上旬

お食事中の方は申し訳ありません。
野生ニホンザルの新鮮な糞に集っているハエが交尾を始めました。
求愛行動らしきものは見られず、♂がいきなり♀に飛び掛かってマウントしました。
撮影後に同一ペアを採集。



「一寸のハエにも五分の大和魂」BBSにて写真鑑定してもらったところ、フンバエ科ヒメフンバエ属の一種でヒメフンバエScathophaga stercoraria)の可能性が高いだろうと教えて頂きました。
本属の♂は交尾の際、♀の体内にある前に交尾した♂の精子を抜き出すのだそうです。


北国で活躍されておられるsnowmeltさんのブログにも、交尾するヒメフンバエの見事な写真が掲載されています。


【追記】
 宮竹貴久『恋するオスが進化する (メディアファクトリー新書)』p145によると、
フンバエはもともと性的対立が見られるハエだ。♂はなるべく多くの精子を送るために長い時間セックスしたがり、♀はできるだけ短い時間でセックスを終わらせようとマウントしている♂を後脚で蹴る。
 


ニホンカモシカの眼下腺マーキング




2010年5月上旬

私が山中で虫の撮影に熱中していたら、背後の斜面でガサガサポキポキ音がする。
山菜取りの人が登って来たのかなと思い、ひょいと振り返ると近くに野生ニホンカモシカCapricornis crispus)が立っていました。
カモシカは好奇心が強い動物らしいので、私の様子を観にきたのかもしれません。
慌ててカメラを向けると警戒しつつもしばらく横目でこちらを窺っていました。
身を翻して森へ戻る途中で、アカマツの幹に顔をスリスリ。
目の下にある匂い袋(眼下腺)を擦り付けて縄張りを宣言するマーキング行動です。
間近で実際に見れて感動しました。
カモシカが去った後、その立ち木に鼻を近付けて嗅いでみたものの、特に何も感じませんでした。
本によると甘酸っぱい匂いがするらしいのですけど。
カモシカは足の指の間に同様の蹄間腺というものもあるそうです。

警戒心の強い野生動物と視線を直接合わせずに撮影するのにバリアングルの液晶モニターはとても重宝します。
隠し撮りという程ではありませんが、そっぽを向いたまま素知らぬ顔でレンズだけを向けて撮影しました。
 

【追記】
『カモシカの森から』p124より
カモシカの眼の下には、泣きボクロのようなほんの小さな突起がある。これが、眼下腺と呼ばれるもので、ここからある種の分泌物を出す。その分泌物は、液体状であり、大気に触れると乳白色をしたゼリー状に固まる。

クロボシヒラタシデムシ♂は交尾中♀の触角を噛む性癖がある





2010年5月上旬


溜め糞で交尾するクロボシヒラタシデムシ

杉林の林床でタヌキの溜糞を発見。
特に臭くはなかったので近寄ってみるとクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫が何匹も集まっており、交尾中のカップルもいました。
♀の背後からマウントしている♂は動き回る♀の触角に噛みついて引っ張っているのが分かります。
これはヒラタシデムシの仲間に特有の交尾行動なのだそうです。

【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p103によると、
シデムシ亜科の多くは、交尾をするとき、♂が♀の背中に乗り、大顎で♀の触角の左右一方を掴む。そして♂は交尾がすんだ後も触角を捕らえたまま♀の背中に乗っていることがあり、時に産卵がすむまで放さず、ほかの♂を寄せつけないこともある。







溜め糞について 
当地で溜め糞を行う野生動物としてはニホンカモシカとタヌキが考えられるのですが、どちらか私には分かりません。
草食動物の糞っぽくないからタヌキかな? 
ウンコロジーに詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください。


【追記】
フィールド経験を積んでから見直すと、これはカモシカではなくタヌキの溜め糞ですね。
 


クロヤマアリ集団の巣作り





2010年5月上旬

働きアリがせっせと巣穴から土粒を運び出していました。
巣穴のすぐ近くに捨てています。
ヤスデの死骸も巣とは逆方向に運んでいるので、餌としてではなく邪魔物を捨てているのでしょう。
ワーカー(働きアリ)を採集してみました。
クロヤマアリFormica japonicaまたはその仲間)だと思うのですがどうでしょう。
クロヤマアリの関東型は一つの巣に一匹の女王が居るらしいです。


参考:『アリ・ハンドブック』(文一総合出版)
 


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