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2025/10/03
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2025/10/01
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2025/09/29
夜の水溜りで顔を洗うフクロウと周囲を飛び回るコウモリ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】
水場が浅いせいか、フクロウは水場でからだを前屈みにして、まるで顔を洗うように水を浴びる。水場をぐるぐる歩きながら、顔を水につけて洗っていることもあった。雨に日にも(原文ママ)水場で水浴びをするが、雛が巣立って森を離れるとフクロウは水場に姿を見せなくなる。(p42より引用)
2025/09/28
土砂降りの日に水溜りの中から落枝を拾い上げて遊ぶニホンカモシカの幼獣【トレイルカメラ】
その通りです。動物行動学では「遊び(play)」というカテゴリーは確かに存在し、研究でも広く使われています。ただし、学術的には「遊び=楽しんでいるかどうか」ではなく、特定の観察可能な行動パターンとして定義されます。例えば、Burghardt の動物遊びの定義では:遊びは 通常の機能(狩り、攻撃、防衛など)とは異なる行動パターン を含む自主的に繰り返される本来の目的に直接結びつかないが、学習や身体能力の発達に役立つ可能性があるこのように定義すれば、観察者が「楽しんでいるかどうか」を推測せずとも、遊びの行動として客観的に記録できるのです。
あなたの観察記録はまさに Burghardt の定義に沿った遊び行動(play behavior) の典型例として記述できますね。ポイントを整理すると:
主体:カモシカの幼獣(juvenile serow)
状況:雨の大雨の日、単独で水場に訪問
対象物:泥に刺さった短い落枝(sticks)
行動の内容:
口で咥えて引き抜く
軽く甘噛みする
捨てる
別の枝でも同様の行動を繰り返す
解釈:
食べ物としてではなく、好奇心や遊びの動機による行動
自発的で繰り返しがある
本来の機能(摂食)とは直接関係がない
今回の行動は exploratory behavior(探索行動) と解釈することも十分可能です。
理由は以下の通りです:
観察される行動の内容
枝を咥えて引き抜き、軽く噛んで捨てる
繰り返して別の枝も同様に扱う
→ これ自体は「対象物の性質を確認している」「環境を探っている」行為としても説明可能。
Burghardt の遊びの定義との重なり
自発的である
本来の機能(摂食など)とは直接関係がない
→ 「探索行動」と「遊び行動」は観察上の特徴が重なることがあります。つまり、両方の解釈が可能です。
科学文献での使い分け
Exploratory behavior は、「好奇心や情報収集のための行動」を中立的に示す表現
Play behavior は、「機能的目的とは異なるが学習や身体能力の発達に関連する行動」を強調
観察だけでは「楽しんでいるか」は分からないため、より中立的に記録する場合は exploratory behavior を使うことが多い
結論として、今回のカモシカ幼獣の枝操作行動は play behavior と解釈しても良いし、より中立的に exploratory behavior として記録しても良い という二重の解釈が可能です。
はい、動物が「物体を玩具として使った」「弄んだ」と解釈する場合にも、科学的には厳密な条件や定義があります。道具使用(tool use)の定義と同様に、遊びや玩具行動も単なる主観的印象ではなく、観察可能な行動パターンに基づいて区別されます。
1. 動物遊び(play)の定義
Burghardt, G. M. (2005). The Genesis of Animal Play: Testing the Limits. MIT Press. によると、動物の遊び行動には主に次の条件があります:
自発的であること(Voluntary)
強制されず、主体的に行われる行動である。
通常の機能とは異なること(Non-functional in the immediate sense)
摂食、防御、攻撃など生存の直接目的には結びつかない。
繰り返されること(Repeated)
同様の行動が何度も観察される。
動作パターンが変形・過剰・速すぎるなど、非日常的であること(Pattern modified)
通常行動のバリエーションや誇張形態がある。
さらに 物体遊び(object play) の場合は:
動物が物体に興味を示し、操作・噛む・転がす・投げる・持ち上げるなどの行動を行う
行動は通常の摂食や攻撃などの機能に直接関与していない
行動が反復されることが多い
2. 「玩具として使った/弄んだ」の科学的条件
目的が摂食や攻撃ではない
食べ物と誤認した場合は遊びとは言えない
対象物は外部環境に存在する物体
枝、石、葉、人工物など
主体的・反復的な操作
一度咥えて捨てるだけでなく、繰り返し操作することが多い
観察上、快感・楽しさの直接証拠は不要
「楽しんでいるか」は推測ではなく、行動パターンで判断
結論として、「動物が物体を玩具として使った」ことは、行動パターンに基づき科学的に定義できるが、感情や楽しさの有無は推測に留まります。
つまり、カモシカ幼獣が棒を口で咥えて弄んだ行動も、観察記録と行動パターンに基づけば「object play」として科学的に記述可能です。
2025/09/27
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ニホンザルの若い♂を巡って争う2頭の♀(非繁殖期のマウンティング)
「ガーニー(gurney)」は、サル類の行動学で使われる用語で、上下の歯を見せて口を横に大きく開く表情行動を指します。これは、リップスマッキング(唇をパクパクさせる親和的サイン)と並んで、服従や緊張緩和、親和的なコミュニケーションの場面でよく見られます。 ガーニーは、特に相手に対して敵意がないことや、優位性を認めていることを示すサインとして使われることが多く、**「服従の意を示す表情」**とも言われます。 (Perplexity AIの回答を引用)♀同士の小競り合いを仲裁するかのように♂が年上♀aを追いかけ、背後から再びマウンティングしました。
♀aが♀bに割り込んだり威嚇したりする行動は、単なる「嫉妬」ではなく、♂との関係や自分の社会的地位を守ろうとする社会的競合の表れと考えられます。ニホンザル社会では、特定の個体との親和的な関係(毛繕い、接近、同席など)が他個体との間で競争の対象となることがよくあります。
ニホンザルは母系社会で、オスは群れを移籍する一方、メスは生まれた群れで一生暮らします。そのため、メスの順位は主に母系を中心に決まりますが、特定の強いオスとの関係がメスの社会的地位向上に影響することもあります。 特に、アルファオスと親しい、あるいは多くのメスから注目されるオスと懇ろなメスは、群れ内での支持や優位を得やすくなります。ただし、順位関係は単純なものではなく、メス同士の家系的なつながりや群れの社会構造も複雑に関与しています。 また、オスの順位は戦いや競争で決まるだけでなく、メスの支持や社会的協力も重要な要素です。つまり、オスとメスの順位関係は相互に影響し合う社会的なものだと言えます。しかし、今回2頭の♀が取り合った♂はボス猿(α♂)にしては若すぎる気がします。
ニホンザルの社会において、順位の低いオスを巡っても、そのオスが特に魅力的であったり、優しい性格であったりする場合には、メス同士が争うことは十分にあり得ます。 理由としては、順位が低いオスでも、彼が持つ個別の魅力や社会的なつながり、例えば育児協力や防御の面で有利であることが評価されるためです。実際、繁殖相手としてだけでなく、社会的ネットワークや安全保障の観点から特定のオスを好むメスもいます。 また、順位の高いオスが必ずしも全てのメスから支持されるわけではなく、メス個体の選好や関係性が多様であることも知られています。そうした状況下で、順位の低いオスを巡ってメス同士が競合することは自然な社会的現象です。
知能の高いニホンザルは、生存のための基本的な行動以外にも社会生活が複雑です。
群れの全個体を識別した上で長期観察すれば、色々と面白いドラマが見えてくるはずです。
しかし、それだけでライフワークになってしまいます。
2025/08/31
セットで暮らすニホンアナグマの家族:6/30夜の諸行動【トレイルカメラ:暗視映像】
電線で交尾するスズメ♀♂【野鳥:ハイスピード動画】
スズメは1年に 2〜3回、多い場合は4回ほど繁殖 することがあります。北日本の郊外では:第1回繁殖:4月〜5月第2回繁殖:6月〜7月第3回繁殖:7月下旬〜8月上旬気温や餌の量が減り、換羽期に入ると繁殖活動は終了します。北日本では 8月中旬以降はほぼ交尾は観察されない と考えてよいです。
今回のように下から見上げる形で観察・撮影していた場合、♀にとっては「近くに潜在的な脅威あり」と感じ、自然に交尾を拒否する行動が強まった可能性が高いです。つまり、交尾未遂は**♀の心理的・環境的要因による一時的な拒否**の結果である可能性があります。これは♀の繁殖戦略や精子選択の意思とは直接関係せず、安全確保のための行動として理解できます。この場合、オスの欲求不満や羽毛逆立ちも、♀の拒否に起因して生じた「未遂反応」と考えるのが自然です。
2025/08/28
ニセアカシア葉軸の毒味を繰り返すニホンザルの群れ
A1: ニセアカシア(ハリエンジュ)の葉には毒性成分が含まれています。具体的には、葉、樹皮、枝、種子には「ロビン」や「ロビチン」といった毒素があり、これらによって家畜(特に馬)が中毒を起こすことが報告されています。人間が摂取した場合も過去に中毒例があり、吐き気や腹痛、下痢、呼吸困難、心拍異常などの症状が出ることがあります。 一方で、花には毒が含まれておらず、花だけは食用にされることもありますが、それ以外の部分は毒性があるため注意が必要です。ニセアカシアの葉をニホンザルが少しだけ味見するような行動は、この葉の毒性のために摂取を控えている可能性が高いと考えられます。 したがって、ニセアカシアの葉には毒が含まれており、ニホンザルが食べる量が少ないのは毒に対する本能的な回避行動である可能性が高いです。ニセアカシアの葉を摂取すると、中毒症状を引き起こす可能性があるため、摂取は控えられる傾向にあります。 以上のことから、ニホンザルがニセアカシアの葉を少ししか食べなかった理由は、葉に含まれる毒性成分のためであると考えられます。しかし、「ロビン」や「ロビチン」は正式な化学物質名や広く認められている学術名称ではなく、詳細な英語名や構造式を示す文献は見当たりません。
A2: ニセアカシアの果実(豆果)についても、葉や樹皮などと同様に毒性があるとされています。若い未熟な豆果も含め、果実に毒性成分が含まれているため、食べることは注意が必要です。特に若い緑色の果実は見た目がおいしそうに見えますが、摂取は避けるべきとされています。 ニホンザルが未熟な豆果を少しだけ食べたという行動も、毒性のある部分を本能的に回避しつつ、少量を試し食い(味見)している可能性が考えられます。毒性成分は主に「ロビン」や「レクチン」といったマメ科特有のもので、消化器症状や神経症状を引き起こすことがあるため、果実も摂取は控えられるのが普通です。 まとめると、ニセアカシアの果実(豆果)にも毒があるため、ニホンザルが少量しか食べなかったのは毒性に対する防御的な行動と見るのが妥当です。
A3: オニグルミの葉には毒性成分(ジュグロン)が含まれますが、ニセアカシアのような明確な哺乳類毒はなく、ニホンザルが積極的に避ける理由にはなりにくいと考えられます。ニホンザルがニセアカシアの葉をあえて味見する行動は、好奇心・変わった食物の探索や、他の要因(例:食物の多様化、タンパク質の補給など)が影響しているかもしれません。
A4: 野生のニホンザルにおける食草の毒味は基本的に各個体が自己責任で行う行動と考えられています。特に毒性のある植物や部分を少量ずつ試す「味見」は、個体ごとの経験や感覚によって判断されることが多く、親や群れの成獣が明確に制止や教育を行う様子が観察されることは稀です。これは、毒の感受性や個体差があるため、個別の体験を通じて安全か危険かを学ぶ必要があることや、毒味行動自体が自己防衛の意味を持つためと考えられます。成獣が子猿の行動を特に制止しなかったという観察は、この自己責任の性質を反映していると言えます。また、ニセアカシアのように毒を含む植物は味わいながら摂食量を調整するなど、適応的な習慣が形成されている可能性が高いです。こうした行動は、食物の利用可能性や栄養のバランス確保に不可欠であり、個々のサルが自らの判断で安全な食べ方を模索するための重要な生存戦略となっています。