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2018/04/02

モズ(野鳥)の早贄にされたコオロギ♂



2017年9月上旬

河原でニセアカシア(別名ハリエンジュ)の灌木の鋭い棘にコオロギ♂の死骸が突き刺してありました。
これは、モズLanius bucephalus)の早贄はやにえですね。
地上からの高さは148cm。
死骸はモズの食べ残しのようで破損が激しく、コオロギの種類は同定できませんでした。
翅がある成虫なのに産卵管が無いので♂ですね。
記念に小枝ごと採集して持ち帰りました。



実は私にとってモズの早贄の実物を見つけるのはこれが初めてで、ちょっと嬉しい発見でした。
モズ自体は身近に居る野鳥なのに速贄を一度も見たことがなかったので、ひょっとして当地のモズは早贄を立てる習性が無いのでは…?(獲物を食べ残さず完食するのかも…?)と少し疑っていたぐらいです。
探すときの目の付け所が分かったので、これからはもっとたくさん見えてくるかもしれません。

しかし、撮影後に周囲のニセアカシアの枝を見て回っても、モズの速贄はもう見つけられませんでした。
モズが獲物を狩る瞬間も未だ観察できていないのですが、早贄を立てる一連の行動をいつか動画撮影してみたいものです。



2015/10/24

麻酔したクサグモ(蜘蛛)を運ぶクモバチ♀【名前を教えて】



2015年8月中旬

山麓の道を登り始めたら、クモバチ科(旧名ベッコウバチ科)の一種♀が狩った獲物を運んでいるところに出くわしました。
獲物はクサグモ♀(Agelena silvatica)またはその仲間のようです。

麻酔されたクモの第1歩脚?(触肢?)の根本を咥えて後ろ向きに歩いて運搬しています。(後退地上運搬)
獲物の歩脚は切り落とされていません。
一度獲物を置いて、行く先を偵察に出かけました。
その間、アリに盗まれないよう獲物を草の上に引っ掛ける用心はしませんでした。

蜂は全身真っ黒で、腹部に黄紋などはありません。
翅も黒っぽいです。

路上に放置されたクモはクモバチ♀の毒針によって麻酔されており、歩脚をかすかに動かすだけでした。
すぐに蜂が歩いて戻って来ました。
クモを中心に扇状に動いて咥える場所を探してるように見えました。

獲物のクモを押さえつけたら蜂が再び刺して麻酔を施したはずですが、素手で万一刺されると相当痛いらしいので、怯んでしまいました。
ピンセットを持っていたっけな…?と迷っている間に、蜂はどんどん舗装路を横断しました。

時間に余裕があれば箸の代わりになる枝を探してきたのに…。
その後、草むらで蜂を見失ってしまいました。
貯食行動を見届けられずに残念無念…。
クモバチを相手にするのは久しぶりで、観察の勘所や咄嗟の判断が鈍っていたようです。


帰宅後に調べてもクサグモを狩る黒いクモバチの名前が分かりません。
「クモ生理生態事典 2011」サイトでクサグモの項目を読んでも、クモバチやベッコウバチに狩られる記録はありませんでした。
インターネット検索でヒットした一つは、「てんとう虫の歳時記 2」のブログ記事「クサグモを狩るクモバチの仲間??」。
もうひとつはフッカーSさんの「東京23区内の虫 2」ブログで「ベッコウバチの一種」。




2015/08/27

貯食を中止したハシブトガラス(野鳥)



2015年7月上旬

川沿いの堤防で2羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が何かしていました。
カメラを向けると警戒して飛び上がり、近くの電線へ逃げてしまいました。(映像はここから)
嘴に何か獲物を咥えていますが、正体不明です。
何かの死骸かもしれません。

更に飛んで近くの民家のトタン屋根に移動しました。
後ろ向きになり(背を向けて)足の爪で獲物を押さえつけながら啄んでいます。
やがて獲物を咥え、屋根の雪止めにひょいと飛び移りました。
そして雪止めを固定する金具の隙間に獲物を隠しました。
貯食行動ですかね?
一旦横に離れたものの、すぐにまた獲物を取りに戻りました。
最後は獲物と共に住宅地の方へ飛び去りました。

この間、近くの電柱の天辺に別個体bが止まって鳴いていました。
貯食する場所が他個体bにばれてると気づき、横取りされないよう貯食を中止したのかもしれません。
貯食を中断したのはただの気紛れかもしれませんが、私に撮られていることが影響した可能性もありますね。
カラスが「心の理論」を持つか?という点で興味深い出来事でした。

ところで、このハシブトガラスは嘴が太いものの、額が出っ張っていないという妙な(ハシボソガラスとの中間的な)個体でした。
よく見ると嘴の中が赤い幼鳥でした。



【追記】
『銀座のツバメ』p86によると、
(ハシブトガラスが)その場で食べきれない餌は、喉袋に貯めてビルの屋上や街路樹に運んで隠す。これを“貯食行動”という。


【追記2】
『カラスの教科書』p134?によると、餌の隠し方(貯食行動)について
 ハシブトガラスではもう少し雑で、落葉をばさばさと被せて終わりとか、物陰に押し込んで終わりとか、その程度の例も多かった。ビルの屋上に餌を隠す、というか単に置いておくこともある。屋上に妙なものがあった場合、カラスが持ってきた可能性は結構高い。ただ、ハシブトガラスは他人の視線に非常に敏感で、他個体や人間に貯食の現場を見られると、すぐに餌をくわえて飛び去り、場所を変えてしまう。どうやらカラス間で貯食の盗みあいがあるようだ。人間は別に盗まないと思うが、見られているのがとにかく嫌いらしい。(中略)ハシボソガラスはそこまで神経質ではなかった印象がある。





2015/03/26

コナラの幹に木の実を貯食するゴジュウカラ(野鳥)



2014年11月下旬

山間部の道端でゴジュウカラSitta europaea)が嘴で幹をコツコツ♪叩いています。
よく見ると、ドングリのような木の実を樹皮の割れ目に埋め込んでいる様子。
貯食が済むとゴジュウカラは幹を回り込んで死角に入ってしまいました。(手前の枯れススキが邪魔)
枝に残った枯れ葉の写真から樹種はコナラと判明しました。

『小学館スーパーニッポニカ日本大百科』によると、ゴジュウカラは

秋には針葉樹の種子などを盛んに枯れ枝に詰め込んで隠す。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。




2015/03/01

杉の木に貯食するヤマガラ(野鳥)



2014年11月中旬

平地の杉林でヤマガラParus varius)がスギの小枝に止まり、幹をつついています。
虫を捕食しているのかと思いきや、小枝の根本に嘴でコツコツと何か固い物を押し込んだ後に樹皮を嘴で毟って穴に詰めていることに気づきました。
厳しい冬に備えておそらく何か食料を貯食した後の隠蔽行動だと思われます。
噂通り、嘴の使い方がとても器用ですね。
ヤマガラが飛び去った後に貯食物を調べてみれば良かったですね。
残念ながら梯子がないと手が届かない高さでした。

インターネット検索してみると、霞ヶ浦流域ノ某住人さんが「ヤマガラの貯食行動」と題したブログ記事を書いておられました。
スギの木に貯食していたドングリをヤマガラが取り出す見事な生態写真が掲載されています。

ピッキオ編『鳥のおもしろ私生活』p175によると、ヤマガラは

シイやエゴノキなどの実を好んで食べ、地面の中にたくわえる習性がある。隠した位置は、場所をおぼえているというよりも、近くにある何らかの目印を記憶しているらしいことが、実験からわかってきている。



『ヤマガラの芸―文化史と行動学の視点から』p18-19によると、
くちばしの先が平たくなっているのは木の隙間に木の実などを押し込むのに便利だろう。(中略)貯食をする場所は、樹皮の下などの樹上や、草や木の根本や斜面、倒木のわきなどの地上で、比率としては四対六くらいで地上が多い。貯食をするときの行動としては、木の実をまずそこへ運び、木の実がはいるほどに穴を開けたり、隙間を大きくした後、木の実を置いてくちばしでコンコンとたたき込む。埋める深さは二センチ以内が多いらしい。そして、その上にふたとなるような物を置いて、やはりコンコンとくちばしでそれをたたき込むか、つつき入れるようにする。





【おまけの動画】
「ヤマガラの芸ーその4 おみくじ芸」by kakodayonさん

貯食習性などヤマガラが本来もっている行動レパートリーを利用して一連の高度な芸を調教することが可能です。(オペラント条件付け


2015/01/17

川底でクルミを拾うハシボソガラス(野鳥)



2014年9月下旬

街中を流れる川にかかる橋で欄干に止まっていたハシボソガラスCorvus corone)にカメラを向けたら飛んで下流へ逃げ、川の浅瀬に着陸しました。
(映像はここから)

カラスは浅瀬の泥からクルミの実らしき物体を拾い上げました。
望遠レンズでもやや遠く、手前に生えた雑草も邪魔でよく見えません。
ただの丸い小石なのかクルミの実なのか、定かではありません。
これまで何度か動画に撮って紹介したように、この辺りのハシボソガラスはクルミの実を食べるためによく舗装路に投げ落として硬い殻を割っています。

▼関連記事
ハシボソガラスのクルミ割り行動:Ⅳ投げ落としと貯蔵【野鳥】
なので、今回の丸い物体もクルミの実ではないかと推測しました。
カラスがどこからクルミの実を採ってくるのか、いつも不思議でした。
上流から漂着したクルミをたまたま見つけたのか、ひょっとすると予めここに隠していた(貯食)のかもしれません。
ところがなぜかクルミの実をその場に残して(埋め戻して)、水際へ歩み寄りました。
今度は川底から泥だらけのクルミ?をもう一つ拾い上げました。
水に漬けて泥を落とすと、岸辺の浅瀬に戻り泥の中に埋め戻しました。
なんとなく、貯食行動のようにも見えます。
こんな場所に食料を隠しても川が増水したら一巻の終わりです。
賢いカラスがそんな馬鹿なことするかな〜?と首をひねりつつ撮影していました。

私にずっと見られていることに気づいてバツが悪くなったのか、ハシボソガラスは貯食を中止してしまいました。
嘴にクルミを一つ咥えて飛び立つと、川岸の住宅地の方へ持ち去りました。
どこか安全な場所で投げ落とし行動に勤しみ、殻を割って仁を食すのでしょう。

私は未経験ですが、我々ヒトがオニグルミの実を食べようとすると、おそろしく手間暇がかかるらしいです。
先ず必要な工程として、クルミの落果を水に浸したり土に埋めたりして外果(果肉)を腐食させ、同時に灰汁(アク)を抜くそうです。
今回観察したカラスも同じことをしていたのかもしれませんね!
実は縄文時代の日本人はカラスにクルミの食べ方を教えてもらったのでは?などと想像を逞しくしてしまいます。
しかしカラスは頑強で器用な嘴を持っているので、わざわざそんな面倒臭いことしなくても果肉をつついて取り除くぐらい朝飯前のような気もします。(生の果肉に含まれる灰汁が嫌いなのかな?)

【参考動画】
野性を食べよう「オニグルミ」by ktbktshさん


さて、今回撮った映像にタイトルをどのように付けたら良いでしょう?
貯食未遂行動と呼ぶべきか、クルミを拾いに来たカラスの気まぐれな採食行動なのか、川底の泥にクルミの実を埋め果肉が腐食するのを待っていたのか、解釈に悩みます。

断片的で不完全な映像記録ながらも、もしかすると重要なミッシングリンクかもしれない!と密かに興奮しました。


【追記】
2015年5月中旬、ハシボソガラスがクルミの樹の下から実を咥えて飛び去る姿を目撃しました(映像なし)。


【追記2】
水辺に好んで生えるクルミは水流で種子を散布する植物なのだそうです。
てっきり私は動物散布の中でもリスによる貯食散布に頼る戦略なのかと思っていました。
水流散布も水を利用するのは同じだが、こちらは川の流れにのって散布される。クルミがその代表的なもので、こちらの種子の内部にもすき間がある。
(直江将司『わたしの森林研究―鳥のタネまき​に注目して』p28より)
どちらが正しいという訳ではなく、クルミは2つの戦略を併用しているのだと思います。



2014/04/08

獲物を巣穴に搬入するナミツチスガリ♀【ハイスピード動画】



2013年8月中旬

里山の砂利道にナミツチスガリCerceris hortivaga)が毎年営巣しています。
この歴史のある集団営巣地で、地面に開口している巣穴を少なくとも4つ見つけました。

狩った獲物を搬入する瞬間を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
目移りするので、浮気せずひとつの巣口に注目します。
巣穴の真上に三脚を立て、リモートレリーズを接続して巣口を狙います。
強烈な直射日光で黒いカメラが過熱するので、日傘が必要です。

狩りから帰巣したナミツチスガリ♀が巣口の上を素早く何度も通り過ぎました。
営巣地の景色が三脚などで微妙に変わっているため、迷子になったのでしょう。
あるいは、寄生バエが巣穴の近くに待ち伏せしていないか確かめるために、偵察飛行を行ったのかもしれません。
ようやく巣穴を見つけたようでゆっくり飛来すると(ほぼ停空飛翔)、最後は一気に巣穴に入りました。
麻酔された獲物を腹合わせに抱え、頭は前に向けています。
ツチスガリの獲物は黄色い花粉団子を付けていて、図鑑で見るように確かにコハナバチの仲間♀のようです。
背側からのアングルでは獲物を同定するのは無理ですね。
次回はカメラを巣口横の地面に置いて、側面からハイスピード動画撮影に挑戦してみようと思います。

獲物はどこで狩ってくるのでしょう?
近くの道端に咲いたヤマハギやヌルデで、獲物となるコハナバチ類が訪花していました。
いつか狩りの瞬間を観察してみたいものです。

午前中から正午にかけて観察しましたが、二度続けて貯食してから蜂は巣を閉ざしたまま外出しませんでした。
しかも、一度目の貯食シーンは撮り損ねました。
最も暑い時刻は休息するのでしょうか。


営巣地の全景(3つの巣穴と15cm定規)

2014/03/21

ドングリを採食するカケス(野鳥)



2013年11月下旬

里山の登り口でカケスGarrulus glandarius)が潅木の枝(樹種不明)に止まっていました。
手前の潅木が邪魔で、どうしても鳥にピントが合いません(前ピンになってしまう)。
樹上のカケスはやかましく警戒声を発し続けています。
途中で奇妙な鳴き声も発しました。
もう一羽いたかもしれませんが、姿を見つけられませんでした。

よく見るとこのカケスは嘴にドングリを咥えています。
枝になっている実を採食したところなのか、地面に落ちたドングリを直前に拾い食いしたのか不明です。
カケスは冬に備えてドングリの実を貯食することで有名ですが、いつか貯食シーンを観察してみたいものです。





2014/02/08

ハシボソガラスのクルミ割り行動:Ⅳ投げ落としと貯蔵【野鳥】



2013年10月下旬

農村部の車道でハシボソガラスCorvus corone)が硬いクルミの実を割っていました。
路上に転がったクルミを嘴に咥えて真上にフワリと飛び上がると、空中で(電線の高さから)クルミの実を落としました。
舗装路の真ん中でクルミの実を脚で押さえながらつついたり咥えたりしていると、坂の上から軽自動車が下りて来ました。
幸い車は徐行してくれましたが、カラスは慌てず騒がずクルミを持って歩道へ移動。
この辺りのカラスはクルミの実を車に轢かせて割るという文化は伝わっていないようで、私は一度も見たことがありません。
昼間も交通量の少ない過疎地域なので、カラスも車をあてにせずに根気強く自力で割るしかないのでしょう。

私が近づいて続きを撮ると、再びクルミを咥えて飛び上がり、電線に止まりました。
すぐに飛び上がると空中でクルミを落としました。
二度、三度と投げ落としを根気よく繰り返します。
最後は電線に止まったままクルミを少し放り投げて下に落としました。
ようやくクルミが割れたようです。
拾い上げると、横っ飛びに飛んで隣の田んぼに持って行きました。
(私に見られているのを嫌ったのかな?)

更に近づいてから続きを撮ります。
畦道の雑草に隠れてよく見えませんが、割れたクルミの穴をほじくって中の実を採食しているようです。
途中でなぜか目の前のイネ科の草(メヒシバ?)をちぎり取りました。
やがて食べかけのクルミを咥えたまま畦道から稲刈り後の田んぼに下りると、刈株の横の地面に埋め始めました。
次にその上から藁を被せて隠しました。
歩いてその場を離れると畦道に戻りました。

隣の田んぼには別個体のカラスが畦道を歩いて地上採食中。
仲間に盗まれないよう、隠し場所を欺く行動をとるのかどうか、見ている私は興味津々。
この田んぼは段々畑というか、左から右へ階段状に下がっています。
そのため、一段下にいるカラスからはおそらくクルミの隠し場所は見えていないと思います。
クルミを貯蔵したカラスも安全だと判断したようで
心の理論)、畦道でカーカー♪鳴いてから飛び立ち、離れた電柱に止まりました。(完)

カラスの貯食行動を見るのは初めてです。
今思うと、カラスが貯蔵したクルミを見に行けばよかったですね…。

何か他の宝物も一緒に埋まっていたかもしれません。
隠し場所に下手に近づくとカラスに攻撃されたかな?


一方クルミの側から考えると、カラスが地中に埋めたのは殻を割り実をほじくった後なので、種子散布には寄与していないと思われます。


2013/09/11

狩り直後のフタモンクモバチ♀@スギ倒木



2013年7月下旬

里山で細い山道を塞いでいるスギの倒木上にフタモンクモバチ♀(旧名フタモンベッコウ、Parabatozonus jankowskii)を見つけました。
蜂はすぐに飛んで逃げました。
ところが映像を見直すと、狩ったクモが近くに置かれています。
スギの枯葉に紛れたクモが保護色で撮影中は全く気づきませんでした。(痛恨のミス!)
狩りの直後か獲物の運搬中だったと思われます。
しばらく待てば逃げた蜂が獲物を取りに戻って来たはずです。

麻酔した獲物はコガネグモ科でしょう。
フタモンクモバチはオニグモ類を専門に狩る日本最大のクモバチらしい
クモの長い歩脚がスギの枯れ葉に引っかかり、運ぶのが大変そうです。
蜂も立ち往生していたのかもしれません。


2013/01/02

クルミの実を運ぶニホンリス【HD動画&ハイスピード動画&声紋解析】



2012年9月下旬

道端の胡桃の木からキキキッ♪と鳴き声がするので見上げるとニホンリスSciurus lis)がいました!
初めはカメラ操作を間違って、ハイスピード動画(220 fps)の設定で撮ってしまいました。
画質は落ちますが、リスが幹を登るスローモーションが撮れてなかなか良い感じ♪

慌てて高画質のHD動画モードに戻しました。
枝を素早く走り回るため、なかなかカメラでは追い切れません。
少なくとも2匹いるようです。
番(つがい)なのかな?
ときどき幹にしがみ付いて静止してくれます。
枝からクルミの果実を採取すると口に咥えてどこかへ持ち運んでいます。
一匹はクルミの木から右手のスギの木へ跳び移って姿を消しました。
巣にクルミを運んでいるのでしょうか。
巣の位置は見つけられませんでした。
それとも冬に備えてクルミの実を貯食するのかな?
時折クルミの実を採取し損うのか、実が落ちる音が森に響きます。
最後はキキキキッ♪と鋭い鳴き声を発しながらクルミの枝を走って左隣の杉の木に跳び移りました。





『日本動物大百科1:哺乳類I』p70によれば、ニホンリスは
樹上で危険を感じると、反対側の幹へまわり込、尾をたらして張り付く。


『リスのきた道―なぜ鎌倉にタイワンリスか? 』p163によると、
ニホンリスは、人に出会うと、クルリと木の幹のうら側へまわって、すがたを隠そうとする習性をもっています。



ニホンリスの鳴き声を声紋解析してみる

映像の最後で鳴いた1秒間の音声を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
辺りが静かなため、前回より明瞭な声紋が得られました。
15kHz以上の高周波数域が不自然にカットされているのはカメラの録音の仕様です。



【追記】
『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』p112によると、ニホンリスは
来るべき冬のために木の実などを地面に埋めるという貯食行動をとる。
貯食行動をするリスはクルミの木と種子散布の共生関係にあります。

『空中モグラあらわる:動物観察はおもしろい』p186によると
クルミにとって殻をじょうぶにするということは、「だれに食べられるか」を選べることになります。たくさんの動物の中から、相手としてリスを選べる。ほかにアカネズミもクルミの実に穴を開けて食べるのですが、今わかっているところは、日本の動物では、これらの二種しかクルミの硬い殻をやぶれないのです。



2012/12/23

カタグロチビドロバチ♀の営巣(その3:獲物の搬入ハイスピード動画&HD動画)



2012年9月中旬

丸太の既存孔(4×3mm)に営巣するカタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)の定点観察



午前中少し働いて(貯食活動)、暑い昼間は休憩し、涼しくなった夕方にまた働くという日周活動リズムは前回の定点観察と同じでした。
この資材置き場は軒下なので、もし雨が降っても小さな巣穴に浸水する心配は無さそうです。

この日は巣穴に出入りする蜂の様子を220fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
スローモーションにすれば空中搬入する獲物(蛾の幼虫)の正体を少しは見極められるかもしれません。
巣口のすぐ横に着陸すると、獲物を抱えたまま頭から巣に入ります。
獲物は黄緑色の青虫でした。
毒針による麻酔の効きが浅いのか、部分麻酔なのか、幼虫の後部が動いていました。
巣口から後ろ向きに出てくると、羽ばたいて次の狩りに出かけます。
次の空輸でも、大顎で咥えられている小さな芋虫が蜂の腹の下で動いています。
一つの育房に小さな獲物を何匹も貯食します。
次回は側面から接写してみるつもりです。

同じ日に撮ったHD動画も載せておきます。
画質が良くても一瞬の出来事なので、分かり難いかもしれませんね。

ハイスピード動画で撮るか、HD動画で撮るか、一長一短ですね。



つづく→その4

2012/12/17

ジョロウグモ♀を巣穴に運搬・貯食するオオシロフクモバチ♀



2012年8月下旬

尾根道横の広場(裸地)にオオシロフクモバチ♀(Episyron arrogans
)が林縁から獲物を曳いて来ました。
狩った獲物はジョロウグモ♀のようです。
麻酔したクモの歩脚の根元を咥え、後ろ向きに歩いて運ぶと、予め掘りかけた巣坑へ辿り着きました。
巣口はイネ科の草の横に開口していました。
蜂はこの草を目印として記憶しているような印象。

蜂は巣坑に前から入り、中から後方に土を掻き出します。
巣口の後ろに捨てた土砂がスロープをなしています。
ようやく独房が完成すると、クモを搬入します。
獲物は後部から巣内に引き込みました。
ジョロウグモの長い歩脚が完全に巣坑内に消えるまでしばらくかかりました。
つづく産卵シーンはカメラの操作ミスで撮り損ねてしまいました。
貯食および産卵を済ませると巣坑の閉鎖を始めます。
巣穴に後ろ向きで入った蜂が、巣口手前のスロープから土砂を中に脚で掻き入れます。
整地のため腹端を高速で激しく上下させて埋め固めます。
高速埋め固めをハイスピード動画に撮ろうとしたのですが、上手くいきませんでした。
スロープの土砂を使い切り、別の穴を掘り始めました。
その土砂を後方に掻き出し、巣坑の埋め戻しに使います。
徘徊しながら営巣地周辺を念入りに整地します。
ぱっと見ではどこに巣穴があったのか分からなくなりました。
偽装工作を終えた蜂は不意に飛び立つと、もう戻って来ませんでした。
営巣完了です。
この営巣地で特筆すべきは、蜂を悩ませるアリや寄生ハエなどの天敵・寄生者の姿を一切見なかったことです。
そのおかげで蜂も落ち着いてスムーズに貯食することができました。
営巣地の選定がいかに重要か分かります。



巣坑の発掘と貯食物の採集

今回は直ちに巣穴を発掘することにしました。
まず巣口の横に溝を掘ってから、巣坑に向かって少しずつ掘り進めます。
小石だらけの固い地質で苦労しました。
独房の深さは地下約2cmと意外に浅い所にありました。

地中の石に阻まれて、蜂もそれ以上深く掘れなかったのでしょうか。
冬季は大雪に埋もれるはずなのに、凍土になってもオオシロフクモバチの前蛹は凍死せずに越冬できるのか心配になりました。

(てっきり越冬世代のための巣かと思ったのですが、もしかすると今年中にぎりぎり羽化する世代の巣かもしれません。)
貯食物は先ほど独房に搬入したばかりのジョロウグモ♀一匹だけでした。

クモは完全に麻痺しており、腹部下面に白く細長い蜂の卵(長径2.5mm)が付着していました。
オオシロフクモバチ♀は造網性のクモであれば獲物を選り好みしないらしい。
前回の観察ではサツマノミダマシ♀を獲物としていました。

採集したジョロウグモ♀をミニタッパ容器に入れて持ち帰りました。
帰宅後、容器から取り出す際にうっかり蜂の卵がこぼれ落ちてしまいました。
卵に粘着性が無く、ころころと転がります。
水で湿らせた絵筆でなんとか卵を拾い上げたものの、今度はクモの体表にうまく付着してくれません。
初めての作業に手こずり、ようやくクモの腹部腹面に戻したときには大切な卵が潰れてしまいました…無念。

冷静に考えれば、卵から幼虫が孵化するのを待ってから獲物の体に移してあげればよかったですね。
蜂の子を飼育して発育過程を観察したかったのに残念でした。
今回の教訓としては、小さな飼育容器をフィールドに持ち歩くべきですね。
採集現場で貯食物を直接、飼育容器に入れれば無駄な手間が省けたはずです。
それでもオオシロフクモバチ♀の営巣行動は狩りを除いて全て見届けることができたのは2012年の大きな収穫です。


蜂が巣坑内に獲物を引き込む

営巣完了後に巣穴を発掘

獲物のクモは独房内で仰向けに置かれていた。


発掘・採集直後


2012/12/03

ジガバチの営巣:獲物を狙うアリとの死闘(その2)負け戦



2012年8月下旬

獲物のヨトウムシを抱えて逃げたジガバチ♀は意外なことに新たな場所で穴を掘り始めました。
砂を脚で掻いたり地面の小石を拾い上げては少し移動するランダムな動きで、腹立ち紛れの真空行動かもしれません。
蜂の苛立ちや焦燥感(ストレス)の表れのような気がしました。
しかしアリが多い裸地で巣坑を新たに掘り直すメリットはあるのでしょうか?
(アリの少い営巣地を探すべきでしょう。)
本格的な穴掘りには至らず、試掘に終わりました。

巣口がすぐ近くにあるのに、なかなか戻れないで探しています。
1円玉を置いたせいで迷子になったとは考えにくいですが、ほとぼりが覚めるまであえてしばらく巣に近寄らないようにしているのかな?
一難去ってまた一難。
道中、もう一匹のジガバチが飛来するや突然飛びかかりました。
1/5倍速のスロー再生↓で確認しても、同種のジガバチ♀が喧嘩をしかけてきたのか♂が交尾を試みたのか不明です。
攻撃?を加えた蜂はすぐに飛び去りました。





ジガバチ別個体と喧嘩した直後も真空行動が見られました。

ようやく探し当てた巣口に入ると、閉塞石の除去を再開。
今回は作業の合間に獲物を点検しに行きません。
獲物に集るアリはあえて無視して穴掘り作業に専念する作戦のようですが、アリには通用しないようです。

1円玉の横(巣口の真上)に置いた獲物に次々と蟻が襲いかかり、蜂の孤軍奮闘が続きます。
まさに無間地獄で、泣きっ面の蜂は興奮して飛び回ります。
またもや獲物を抱えて逃げ出しました。
その後を寄生ハエ♀(シロオビギンガクヤドリニクバエ?)が執拗に追いかけます。
映像には写っていませんが、個体識別のため隙を見て白色の油性ペンで蜂の腹背にマーキングを施しました。

先程のジガバチ別個体が獲物を盗む可能性があるからです(労働寄生、盗寄生)。
ジガバチ♀白は裸地をぐるぐる逃げ回った挙句、再び巣口の真上に獲物を置きました。
逃避行中のジガバチ♀白が休憩してアリを撃退している間に寄生ハエが大胆にも芋虫の上に乗りました。
獲物の腹端にはアリが一匹かじり付き、一緒に引きずられて行きます。
穴掘りを再開しても、獲物に続々とアリが群がって来ます。

四面楚歌で搬入作業が全く捗りません。
ジガバチとクロヤマアリでは体格差があり過ぎて格闘してもアリに勝てない(致命傷を与えられない)のが問題です。
アリは蜂の攻撃を素早くかわして逃げますし多勢に無勢です。
巣坑に侵入し物色する大胆なアリもいます。
見るからにジガバチの敗色濃厚です。
遂にジガバチ♀白は獲物を諦めて飛び去ってしまい、戻って来ませんでした。
獲物の搬入・貯食行動を観察できず残念でした。
同定のためジガバチ♀白を採集したかったのですけど、逃げられて残念。
胸部の接写もできませんでした。
(この近くで以前採集した♀♂個体はヤマジガバチと写真鑑定してもらいました。)
使われなかった巣穴に草を差し込んでみると斜坑で、深さはそれほどでもありませんでした。
理想を言えば営巣を最後まで見届けてから独房を発掘して貯食物と卵を採集し蜂の子を飼育する計画でした。

この個体は、獲物を持って逃げても草むらに暫く潜んで天敵をやり過ごす知恵がなかったようです。
前回観察したジガバチ♀水は寄生ハエから逃げながら巣坑を再度一時閉鎖しています。
明らかに営巣地の選定ミスと思われます。
アリの活動の少ない場所を選ぶべきでしょう。

つづく→その3

【参考】
キオビクモバチは狩猟後、寄生バエなどの天敵を避けるために日没を待ってから土中に単房巣を掘るらしい。(『狩蜂生態図鑑』p79より)




左下と上に2匹の寄生ハエ

寄生ハエ

2012/11/29

ミカドトックリバチ♀が尺取虫を運ぶ【前編】



2012年8月下旬

林道脇の草むらでトックリバチを発見。
前伸腹節に「にっこりマーク:)」の黄紋があるので、ムモントックリバチではなく、ミカドトックリバチ♀(Eumenes micado
)のようです。
仰向けにした獲物の喉元を大顎で咥えています。
獲物は細長い青虫で、尺取虫(シャクガ科幼虫)でした。
狩られた直後なのか麻酔が不十分なのか、青虫の腹端がピクピク動いています。
これから泥巣に持ち帰るはずです。
トックリバチの貯食行動を観察するのは初めてなので、わくわくしながら見守りました。

ようやく獲物を咥えたまま蜂は茎を登り始めました。
羽ばたく推進力も使って苦労して運び上げています。
体長は明らかに蜂よりも獲物の方が大きく、飛び立っても荷物が重すぎてすぐに落ちてしまいます。
少しでも高い所に獲物を運び上げてから滑空して飛距離を稼ぐ作戦なのでしょうか?
大して奏功してない印象です。

たとえば2mぐらいの長い棒を目の前に差し出して登らせたら、見事な滑空を披露してくれたでしょうか?
草葉の上に獲物を保管しようと繰り返しているようにも見えます。
クモバチのように、営巣地へ偵察に行く間に獲物をアリに盗まれないよう一時保管しておく隠し場所を探しているのでしょうか?
(未だ道中でアリと出会っていません。)
これまでオオモンクロクモバチやオオシロフクモバチでこのようなアリ対策を観察しました。
しかしトックリバチは泥巣を先に作り産卵も済ませてから狩りに出かけるので(クモバチとは順序が逆)、獲物の一時保管は不要のはずです。

蜂は草むらを抜け、遂に砂利道を横切り始めました。
腹合わせに抱えた青虫に跨り、歩いて前進します。
ときどき羽ばたきながら、ほぼ一直線に進みます。
ところが途中で貧弱な草葉に出会う度に、いちいち道草を食っています。
草から草へわざわざ登ってから飛び下りるのです。
休憩中もアリを警戒しているのでしょうか?
草葉にぶら下がった姿勢で獲物の噛みほぐしを行っている気もしますが、うまく撮れず定かではありません。
左中脚一本の爪先で草葉からぶら下がり、暴れる青虫を背側から抱え込み甘噛みしています。
腹端を獲物に向けて曲げたものの、毒針で刺したかどうか不明です。@x:xx
運ぶ際は必ず腹合わせになるよう持ち直します。

つづく




2012/11/24

イシサワオニグモ♀を曳くフタモンクモバチ♀




2012年8月中旬

下山中に、クモバチが狩った獲物を曳いて林道を横断するところに出くわしました。
鮮やかなオレンジ色のクモの歩脚の根元を咥え、後ろ向きに歩いて運んでいます。
獲物は少し持ち上げて運ぶため、歩脚の先以外は地面に引き摺ることはありません。
砂利道を横切った後で獲物を置いて休憩。
疲れたのか、身繕いしています。
獲物を残したまま飛び去りました。
営巣地の行き先を偵察に出かけたのかもしれません。
その隙に拉致被害者を調べてみると、イシサワオニグモ♀成体(コガネグモ科)と身元が判明。
毒針に刺され完全に全身麻痺状態です。
大きさの比較対象として一円玉を並べてみます。




その場でじっと待つと、蜂が戻って来ました。
私を警戒しているのか、獲物をなかなか見つけられないでいます。
獲物を取り戻すと、再麻酔することなく直ちに運搬再開。
七つ道具のピンセットを取り出す暇があれば、再麻酔手術を観察するために獲物を押さえて運搬を邪魔できたはずです。
クモバチの毒針に手を刺されると相当痛むらしいので、素手でやる勇気がありませんでした。
蜂は林道を横切り路肩のちょっとした崖を登り切ると潅木帯を越えました。
そこで小休止すると、獲物を地面に置いて再び偵察飛行へ出かけました。
留守中アリに獲物を盗まれないための対策として獲物を草葉に挟む行動は全く見られませんでした。

運搬再開した蜂がそのまま切り立った崖を下ろうとしていたので、私も決断を迫られました。
そのまま営巣地まで追跡するには危険で無理な状況です。
どうしてもクモバチを同定したい一心で、営巣行動の観察は諦めて泣く泣く採集しました。
かなり大型の黒いカリバチで一瞬オオモンクロクモバチ♀かと思ったのですが、眉紋というか複眼と触角の間にあるお洒落な橙色の部分が目立ちます。
腹部に黄色(橙色)の帯があり、翅も半透明の黒色です。


標本

第3腹節の2紋が黄褐色。

複眼内縁が黄褐色。

胸部側面

腹部側面

腹端の毒針側面。死後は毒針が伸びていた。

胸背

右翅

左翅

腹面

クモバチ科♀の触角は死後にゼンマイ状にカールする。


オオモンクロクモバチ♀の個体変異なのかな?と勝手に思いつつ、いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSに投稿して問い合わせたところ、青蜂@管理人さんより以下の回答を頂きました。

写真のクモバチは、フタモンクモバチ(フタモンベッコウ)(Parabatozonus jankowskii)ではないでしょうか。蜂類画像一覧の画像は顔面が写っていませんが、資料によると「複眼内縁、第3腹節の2紋は黄褐色」とあります。 オニグモを狩るというのも一致しますね。
日本最大のクモバチらしい。
自分でもすっかり忘れていましたけど、実は2009年に同種の♂を撮っていました。

関連記事はこちら→「ヤブガラシの蜜を吸うフタモンベッコウ♂

つづく→「フタモンクモバチ♀に狩られ麻痺状態のイシサワオニグモ♀を調べる


2012/11/23

オオシロフクモバチ♀に狩られ麻痺状態のサツマノミダマシ♀を調べる



2012年8月中旬

オオシロフクモバチ(旧名オオシロフベッコウ;Episyron arrogans
の巣坑を暴いて独房からサツマノミダマシ♀を採集してから7日後。
乾燥しないようプラスチック容器に密閉していたのですが、真夏に室温で保管しても腐ることはありません。
全身の麻痺に回復の兆しは見られません。
植物状態のまま依然として生きています。
その証に、ピンセットで触れると歩脚を弱々しく動かしました。
狩蜂は毒針で麻酔することで、獲物を新鮮な状態で子供(蜂の子)に与えることができるのです。
危険な獲物でも独房内で暴れるおそれはありません。

拉致被害者は腹面に長大な垂体があるサツマノミダマシ成体♀です。
植物状態のまま餓死を待つだけなので、エタノール液浸標本にしました。

シリーズ完。



2012/11/22

オオシロフクモバチの巣坑を発掘してみる(貯食物:サツマノミダマシ♀)

2012年8月中旬

営巣完了したオオシロフクモバチ♀(旧名オオシロフベッコウ;Episyron arrogans
が立ち去った後で、巣穴を発掘してみることにしました。

巣口の横に置いた一円玉を目印として、まず近くに溝を深く掘ります。
次に、巣坑へ向かって横に少しずつ土を削っていきました。
道具はコンビニ弁当に付いていたプラスチックのナイフを使いました。
刃先に付いているノコギリ状のギザギザが便利でした。
どうせ使い捨てですから、歯がこぼれても気にせずガリガリと掘り進めます。
斜坑の奥にある独房は意外に浅い位置にありました。
雨が降っても中まで浸水しないのでしょうか?

巣房の発掘1

巣房の発掘2

巣房の発掘3:蜂の卵@獲物

巣房の発掘4:崩した砂が卵に付着!

巣房の発掘5:貯食物の採集後


貯食物はさきほど搬入した緑色のクモ一匹のみでした。
これはクモバチ科に共通する特徴です(一括給餌)。
獲物のクモは完全に麻痺しており、触れてもピクリともしません。
現場で作業中には獲物の体表に蜂の卵は見つけられませんでした。
しかし写真を見直すと、独房が露出した当初はクモの腹背(右脇腹)に白く細長い卵が産み付けられていました。
それに気づかなかったため、クモを取り出そうと周囲の土を更に崩した際に、蜂の卵が剥がれ落ちてしまったようです。
痛恨のミス…。
もっと慎重に発掘作業を進めるべきでした。
貯食直後に産仔されたはずの寄生ハエ(シロオビギンガクヤドリニクバエ)の幼虫も未だ獲物に取り付いていませんでした。
生き埋めにされても自力で這って獲物に辿り着くのでしょうか?
(数日後に発掘していたらクモを食す寄生ハエの幼虫が見つかったかな?)
ピンセットでクモをそっと採集しました。
巣坑を埋め戻して帰ります。
蜂の子が育つ様子を飼育観察してみたかったのに、残念でした。
掘坑性カリバチの巣を発掘したのはこれが初めてだったので、仕方ありません。
まぁ、何事も経験ですね…。

オオシロフクモバチ♀に狩られ毒針で麻痺させられた獲物はコガネグモ科のサツマノミダマシ♀でした。
腹部腹面に外雌器を覆う?長大な垂体を有していることから、未交接の♀成体(処女)と判明。
完全に全身麻痺状態で、ピンセットで触れてもほとんど反応しません。
麻痺状態は改善することなく、植物状態のまま餓死を待つだけです。


つづく→「オオシロフクモバチ♀に狩られ麻痺状態のサツマノミダマシ♀を調べる」。


側面:全身像

腹部

頭胸部


腹面:外雌器および垂体

発達した垂体を側面から


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