前回の記事:▶ 晩春の林床を夜にうろつく野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】
2024年6月上旬・午前0:25頃
シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:00〜)
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。
死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)がある平地の二次林をトレイルカメラで見張っています。
シーン1:6/7・午前0:27・気温15℃(@0:04〜)
深夜に1匹の野ネズミ(ノネズミ)がアナグマの巣穴Rから外に出てきて、林床を右へ駆け出しました。
しばらくすると野ネズミが右から戻って来て、巣穴Rに駆け込みました。
なぜかその後も野ネズミは何度も往復しています。
その間、コウモリが飛来し、セットの上空を飛び回っていました。
コウモリが飛翔中に発するエコロケーションのための超音波は、種類にもよりますが20kHz~100kHz程度の周波数帯です。
一方、野ネズミの中でもアカネズミやヒメネズミは、コミュニケーションや警戒、求愛などの際に20kHz~50kHz程度の超音波を発することが知られています。
ネズミ類の可聴域は一般的に「200Hz~68kHz」とされていて、最も聴感度が高いのは「20kHz~50kHz」の範囲です。
したがって、野ネズミはコウモリの発する超音波を充分聞き取ることが可能だと考えられています。
さて、野ネズミは一体何のために往復していたのでしょう?
映像を1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:50〜)
巣穴Rから右に向かう際、野ネズミは空荷でした。
逆に右から巣穴Rに向かう際、野ネズミは口に何か咥えて運んでいるようです。
秋なら野ネズミは越冬に備えて餌を巣穴に貯食しますが、撮影時期が6月上旬なので、産まれた幼獣を咥えて新しい巣穴へ引っ越しているのではないかと推測してみました。
もしも引っ越しの場合、幼獣を咥えて運ぶのは母親♀の担当で、野ネズミの♂は子育てには一切関与しないそうです。
実は前年にも別な場所に設置したトレイルカメラで野ネズミの引越しらしき行動が撮れていました。
関連記事(1年前の4月上旬に撮影)▶ 小川の丸木橋を渡って深夜に何かをせっせと運ぶ野ネズミの謎【トレイルカメラ:暗視映像】
しかし、Perplexity AIに相談してみると、4月や6月でも野ネズミ(アカネズミやヒメネズミ)は餌を貯食する可能性があり、幼獣をつれた引越行動とは言い切れないのだそうです。
また、巣材の搬入など別な可能性もあります。
つまり、野ネズミが何を運んでいたのか映像で口元をしっかり確認しない限り、正しく解釈することはできません。
問題は、私が使っているトレイルカメラが撮る動画のフレームレートが25fpsと低いことです。
野生動物の動きが早いとぶれてしまい、スロー再生してもしっかり見えないのが不満です。
フレームレート60fpsの暗視動画が撮れる最高級の機種(2020 Browning パトリオットなど)もあるらしいのですが、値段が10倍もするのでは、手軽に導入することができません。
子連れで夜逃げをする野ネズミとコウモリが超音波で鳴き交わしていたら面白いのですが、バットディテクターを導入して調べてみたいものです。
つづく→
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