2015/03/21

刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【後編】



2014年11月中旬

▼前回の記事
刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【中編】

三部作の後編では再び、農道を挟んで左側の(遠い)田んぼで採食するニホンザルMacaca fuscata)の野生群をまとめてみました。
とにかく群れが広範囲に散開しているので、どの猿を撮るか目移りしてしまいます。

相変わらず採食の合間にときどき小競り合いが勃発します。
成獣に追い回されて悲鳴を上げつつ逃げる子猿がいました。
しかし騒ぎはすぐに収まり、その後も優位行動のマウンティングとか宥和行動の毛繕い(相互グルーミング)などは見られませんでした。
イネの落ち穂という餌資源は刈田に万遍なく分散しているため、食物を巡る激しい争奪戦は起こり得ないのでしょう。
仮に上位の個体に餌場を奪われたとしても、少し脇にどくだけで採食を続けられます。
にもかかわらず他人(他猿)の食物が次々に欲しくなる暴君気質(ジャイアニズム)の個体がいるのは、ヒト社会の縮図を見るようで微笑ましく思いました。
肩を並べて座り仲良く採食している2頭は親密な関係かもしれません。



食べながら頻繁に立ち上がって遠くの様子を警戒しています。

母親の腹にしがみつきぶら下がっている子猿がいます。
その母猿は四足移動および採食を続けています。

何かに警戒したのか、群れが一斉に畦道を山の方へ走り去ることがありました。
しかしすぐ平静を取り戻し、戻ってきて採食活動を再開。

農家のおばあさんが近くの畑に出てきたときには、ニホンザルの群れは既に距離を取っていて特に逃げ出しませんでした。(映像ではカット)
猿にとって老農婦はおそらく顔馴染みなのでしょう。(むしろ私のことをやや警戒していました。)

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく(ロケット花火で猿害対策)


ときどき後肢で立ち上がり遠くを警戒

トウモロコシ畑に群れるスズメ若鳥(野鳥)



2014年7月中旬

トウモロコシ畑でスズメPasser montanus)の群れがチュンチュン♪賑やかに鳴いていました。
トウモロコシの枯れた花に止まっているスズメをよく見ると、頬の黒斑や喉の薄墨色が薄いので若鳥のようです。
嘴が未だ黄色い…ですかね?
巣立ち雛が親鳥から給餌されるのを待っているのかもしれません。
背後の電柱に止まっているカラスもうるさく鳴いています。

参考図書:『カラー自然シリーズ26:スズメ』

▼関連記事
トウモロコシに発生した害虫アブラムシを捕食するスズメ(野鳥)



ノリウツギの花に群がるヒョウモンチョウ族



2014年7月中旬

平地の用水路沿いに咲いたノリウツギの花に様々な種類のヒョウモンチョウ族が多数集まって吸蜜していました。
ここまで集まると壮観ですね。

▼関連記事
ノリウツギの花蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♂
ノリウツギの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂



2015/03/20

アカマツの木をつついて虫を探すキクイタダキ(野鳥)



2014年11月下旬

見慣れない地味な小鳥が山間部でアカマツの枝葉をつつきながら忙しなく飛び回っていました。
アカマツの実(松ぼっくり)を啄んでいるのではなく、どうやら虫を探しているようです。
逆光で羽根の色が分かりにくいのですが、灰色っぽい鳥で顔は「目白」です。
ヤマガラと混群を作っていたかもしれません。

図鑑と見比べて少し似てると思ったコサメビタキは夏鳥ですから違いますね。
どうしても自分では名前が分からず、いつもお世話になっている「日本野鳥の会宮城・山形県支部画像掲示板」にて問い合わせたところ、まぐぴさんよりご教示頂きました。

平地で冬小鳥のキクイタダキに1票かな

国内では最小の鳥であるキクイタダキRegulus regulus)は個人的に初見です。
山形県では準絶滅危惧種に指定されている珍しい鳥でした。
今回は真下から松の木を見上げて撮ったので、残念ながら頭頂部が見えませんでした。
漢字で書くと「菊頂き」なのですね。
てっきり「木食叩き」が訛っているのかと思い込んでいました。




柳の葉を集団食害するヒオドシチョウ幼虫



2014年5月下旬

水辺に生えた(種名不詳)の枝葉にヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)の幼虫が群がっていました。
葉が食い荒らされて丸坊主の惨状を呈しています。

生息地が分かったので、来季の目標はヒオドシチョウの幼虫を飼育して成虫を羽化させることです。



2015/03/19

飛べ!ナミテントウ【ハイスピード動画】




2014年10月下旬

ナミテントウHarmonia axyridis)が集団越冬地を探すために飛び回り、山中の建物の外壁に集結しつつあります。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
紅色型19紋型、紅色型19紋消失型、黒色型2紋型など多数の個体を撮影。


建物の物陰に集団越冬:マダラカマドウマも同居
集団越冬の小集団

変電所から飛び立つノスリ(野鳥)



2014年11月下旬・午前11:00頃

変電所の電柱の天辺にノスリButeo japonicus)が止まって辺りの枯れススキ原を見回していました。
こちらが知らぬ顔で道を歩いて距離を詰めてから続きを撮影します。(@1:07)

それでも未だ遠いので、デジタルズーム最大にしてみる。
やがて高い止り木から飛び立ちました。(@1:47)
飛翔シーンの流し撮りに成功し、翼の下面の特徴からノスリと判明。
水平に飛ぶと、隣の電柱の天辺に止まり直しました。
最後は1/2倍速のスローモーションで力強い羽ばたきをリプレイ。(@2:12〜)

実はこの日の帰路にも同一個体と思われるノスリに別の場所で再会しました。(映像公開予定)






2015/03/18

刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【中編】



2014年11月中旬


▼前回の記事
刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【前編】

三部作の中編では、農道を挟んで右側の田んぼで採食する野生ニホンザルMacaca fuscata)の群れをまとめてみました。
私が望遠レンズで撮影している位置から最も近いため、しっかり観察できました。
右側の刈田は稲刈りの順序が先だったようで、既に刈株から緑の若葉が伸びています。
しかし猿の採食行動をよく見ると、やはり採食メニューはイネの若葉ではなく落ち穂の籾米でした。
摂取カロリーを考えれば当然ですね。
冬に備えて脂肪を蓄えなければいけない時期です。
落ち穂を摘み上げると穂先を口に咥えてしごき、籾米を採食しています。



冒頭で農道に出てきた個体に注目すると、 口をもぐもぐ動かし籾米を咀嚼しています。
頬袋に詰め込んでいるのかどうか、よく分かりませんでした。
再び農道に出てきた(@2:00)目つきの鋭い個体は、後ろ姿の股間に睾丸が見えるので♂でした。
頬袋が膨らみ、口をモグモグ動かして籾米を咀嚼しています。
農道から右の田んぼに下りて仲間♀に合流しました。
♀は少し距離を取り、背を向けました。
2頭がどのような関係にあるのか分かりませんが、♂は♀にさり気なく寄り添い、素人目にはなんとなく気がありそうです。(ただの仲良し?)
しばらくすると、奥から別個体♀が畦道を駆けて来ました。
嫉妬に駆られて来たのなら興味深いのですが、先客の♂♀ペアから少し離れた所に座り採食開始。
しかし私の予想に反して、集まった3頭で喧嘩や相互グルーミング、プレゼンティングは一切見られませんでした。
三者が各々移動して、付かず離れず採食を続けるだけです。

最後は右手の刈田から2頭が農道を渡り、隣の田んぼへ移動しました。
散開した群れのどの猿を撮ろうか目移りしていると、採食中の2頭が小競り合いを始めました。(♀vs♂?)
今回も怒った個体がダッシュする素振りの威嚇だけで、逃げた個体を深追いしませんでした。
猿山や餌付け群のぴりぴりしたニホンザル達とは全く違い、実に平和な(のどかな)光景でした。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→後編



ススキの葉を蚕食するマイマイガ(蛾)幼虫



2014年6月中旬

里山でマイマイガLymantria dispar japonica)の幼虫ススキの葉を食べていました。
葉裏にしがみついたまま縁から食しています。
この夏は山林だけでなく街中でもマイマイガが大発生して騒ぎになりました。



2015/03/17

刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【前編】



2014年11月中旬

野生ニホンザルMacaca fuscata)の群れが里山の斜面(雑木林、林縁に笹藪)を続々と駆け下りて来ました。
山に隣接する刈田(稲刈り後の田んぼ)や畦道を歩いて遊動します。
自力で走ってくる子猿もいれば、母親の腰に跳び乗って運ばれる子猿もいます。
地面に下ろしたことで啼き喚く子猿を母親がたしなめました。
刈田に散開した群れは、稲藁を両手で掻き分け落ち穂拾いを始めました。


実は2年前にも、同じ低山を越えた反対側の集落の田んぼで同様のシーンを観察しています。

▼関連記事
田んぼで落穂拾いするニホンザルの群れ
もしかすると同じ群れなのかもしれませんが、首輪や発信器を付けた猿とか隻腕の猿など容易に見分けられる個体は見当たりませんでした。
2年前の観察ではイネの刈株から芽生えた若葉も手で毟って採食していました。
今回の刈株は若葉が出ていないので、採食メニューは間違いなくイネの落ち穂です。

群れが広く散開して各々が採食しているので、どの個体の行動に注目して撮るべきか目移りしてしまいます。
地面に散乱した藁を器用に掻き分けて落ち穂拾い。
頬袋に一杯に頬張っている気がしましたが、遠過ぎてはっきり見えません。

カラスの鳴き声や猿のクーコール♪もかすかに録音されていますが、手前の貯水池や用水路の水音にかき消されているのが残念。
視界が開けているため、コンタクトコールによる鳴き交わしは不要なのかもしれません。
ときどき後足で直立して遠くの様子を見張っています。
採食行動ばかりで、群れのメンバー間で相互グルーミングやマウンティングなどは一切見られませんでした。
ときどき軽い小競り合いのような追いかけっこが勃発しても、深追いせずすぐに収束します。
(個体間の距離が近すぎると喧嘩になる?)

小競り合いのシーンだけまとめようかと思ったのですが、編集が面倒なので単に素材をつなげただけです。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→中編



ヤマガラ、エナガ、コゲラの混群(野鳥)



2014年7月下旬

里山の山頂広場で私が静かに虫を撮影していたら、好奇心旺盛な野鳥の群れが様子を見に来てくれました。
ヤマガラParus varius)、エナガAegithalos caudatus)、コゲラDendrocopos kizuki)の混群でした。(登場順)
このヤマガラの羽根の色が全体的に薄いのは、若鳥なのかな?

他にメジロやアカゲラも目撃。


エナガ

2015/03/16

メハジキを訪花するトラマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】




2014年10月上旬

山間部の道端に咲いたメハジキの群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。
気温の高い日向の群落では蜂の採餌活動が速過ぎて、通常のHD動画では目が回りそうになります。
そこで240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜)※

多数の個体を撮影しましたが、いずれも後脚の花粉籠は空荷なので花蜜が目的なのでしょう。
花穂を真上から見下ろすアングルで観察すると、蜂が採餌する回転の向きは一定ではなく右回り⇔左回りとスイッチしています。



※【追記】
『マルハナバチの謎〈下巻〉 (ハリフマンの昆虫ウオッチング・社会性昆虫記)』p54によると、
マルハナバチも1秒間に180回から240回、平均して220回はねを振動させます。
つまりマルハナバチの飛翔は、240-fps(1秒間に240枚のコマ撮り)のハイスピード動画に撮るには正にうってつけの素材ということになりますね。



アオゲラ♀(野鳥)の木登り


2014年11月中旬

低山でアオゲラ♀(Picus awokera)がスギの木をヒョコヒョコ登っていました。
すぐに幹の陰に隠れてしまったのですが、私が気づかないうちに隣の木に飛んで移動していたようです。

恥ずかしながら望遠レンズが曇っていて不鮮明な映像だったので、YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。




2015/03/15

ニホンカモシカ(耳巻毛)との再会



2014年11月中旬

里山の林道を下っていたら、前方の道端の草むらに野生ニホンカモシカCapricornis crispus)を発見。
私が落ち葉を踏む足音で向こうが先に気づいたようです。
手前に生えた枯れ草(ススキ?)が邪魔で、カモシカは「頭隠して尻隠さず」の状態です。
撮りながら私がゆっくり左に移動すると、少しずつカモシカの顔が見えてきました。
神経質そうに耳がピクピク動き、ときどき不安げにキョロキョロ見回しています。
口をモグモグしているので、それまで採食や反芻していたのかもしれません。

右半身をこちらに向けているカモシカの顔をよく観察すると、両耳の手前に白毛がカールしていることに気づきました。
額の毛は褐色。
耳介と角の形状に特徴はありません。
しかし同一個体と思われる耳巻毛のカモシカと1ヶ月(33日)前にこの近くで遭遇しています。
写真を見比べると、間違いないでしょう。
耳巻毛の特徴は夏毛と冬毛で変わらないのかな?
この辺りを縄張りにしているようです。

▼関連記事
杉林の下草を採食するニホンカモシカ(耳毛カール)
やがてカモシカは私と対峙しつつ、前回同様にフシュフシュ♪と鼻息を鋭く吐いて威嚇を始めました。(@2:05

ここでちょっとした実験をしてみます。
撮りながら私が跪いたら、警戒心を少しでも解いてくれるでしょうか?(@2:45

私が姿勢を低くし立ち膝の状態になると、カモシカは左回りに方向転換し、それまでとは逆の左半身をこちらに向けるようになりました。(@4:25
最後は駈け出して斜面を登り、雑木林に逃げ込みました。(@4:40
もし私が更に姿勢を低くして腹這いになっていたら、カモシカはどう反応したか興味があります。
カモシカは好奇心旺盛と言われていますから、不審に思って向こうから更に近づいて来てくれるかもしれません。
(角で突いて来る可能性もあり得ますから、真似する人は自己責任でお願いします。)

昔のマタギのアオジシ狩りの記録を読むと、カモシカの目の前でわざとおかしな踊りをしてみせ興味を持って近寄って来たところを別のマタギが銃で撃つ方法があったそうです。
これはまさに、コンビ芸人バンビーノがキングオブコント2014で披露した名作コント「ダンソン」を彷彿とさせます。
ダンソンのように色んなリズムの踊りをしてみせれば、野生カモシカの捕獲(ニーブラ!)は無理でも誘き寄せることは可能かもしれません。




映像はここまで。

逃げたカモシカを追って斜面の下まで駆けつけると、茂みの陰からこちらを伺っていました。
採食しているようにも見えたのですけど、私が更に雑木林の登って近づこうとすると逃げられました。



川から飛び立つアオサギ(野鳥)



2014年5月中旬

街中を飛んで来たアオサギArdea cinerea jouyi)が川に下りたのを見て、「どこだどこだ?」と橋から覗きこみました。
なかなか見つけられないうちに、川の堰から再び飛んで逃げられました…。

後半は1/8倍速のスローモーションで飛び立ちをリプレイ。
長い足を深く屈めてジャンプしてから羽ばたき、見事な垂直離陸を披露してくれました。




コンフリーの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀



2014年6月中旬

山裾にに咲いたヒレハリソウ(=コンフリー)の群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
花筒の根本を外から穿孔盗蜜していました。
雄しべに全く触れないため、後脚の花粉籠は空荷でした。

この日この群落で採餌活動を見たのはコマルハナバチ、トラマルハナバチ、オオマルハナバチがメインで、クロマルハナバチの個体数は少なかったです。



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