2016年5月上旬・午前6:09〜6:13
▼前回の記事
キジ♂(野鳥)の求愛行動【中編:求愛ディスプレイ】
3部作の後編としましたが、おまけのような動画です。
同一個体のキジ♂(Phasianus versicolor)が求愛の合間に単独で採食行動をしています。
♀を見失ったのか、それとも私を警戒しているのか、♂が柳の木の下でキョロキョロしています。
やがて警戒を解いて広場に出て来ました。
少しだけ土が盛り上がっているお立ち台に登ると、ケンケーン♪と絶叫し、続けてドラミング(母衣打ち)しました。
勇ましい縄張り宣言の囀りと母衣打ちを2セットも披露してくれました(@1:05、4:00)。
鳴いてスッキリした♂は地面を啄み始めました。
土を崩したり小枝をかき分けたりして虫を探しているようです。
採食しながら移動し、柳の木の方へ戻りました。
その後は、この♀♂ペアを見失ってしまいました。
♂は土手を越えて隣の田んぼの方へ行ったのかもしれません。
縄張りの広さはどれぐらいなのだろう?
シリーズ完。
2015年8月上旬・午後20:08
道端の原っぱ(駐車場かも?)で夜、ネコ(Felis silvestris catus)が地面に座って(伏せて)いました。
赤外線の暗視カメラで撮ると、警戒したネコの目が爛々と光っています。
バッテリーが切れかかっていて、赤外線が弱いのが残念です。
逆にネコから私はどのように見えているのでしょう?
横の車道を車が通ると、ネコは不安そうに目で追いました。
私が動かずに撮り続けると、ネコはやがて立ち上がって歩き去りました。
途中で一度だけ立ち止まって振り返りました。
近くの民家で飼われているのでしょう。
2016年5月上旬
民家の藤棚で満開に咲いた白藤にキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
顔が白く、複眼が大きく発達していることから、雄蜂と判明。
雄蜂は当然、採餌しませんから後脚の花粉籠は空荷です。
白藤の花に止まったクマバチが花をこじ開けると雄しべ、雌しべが飛び出てくる仕掛けになっています。
花が白い藤は、シロバナフジという藤の品種と、シラフジというヤマフジの一品種があるらしい。
園芸植物に疎い私は初めて知りました。
見分けるには、蔓の巻きつく向きを調べに行かないといけません。※
ここの丹精込めた藤棚は紫の花と白の花とが並んでいて見事でした。
※ 後日、現場の藤棚を再訪して調べてみると、蔓は右巻きだったり左巻きだったりとまちまちで、はっきりしませんでした。
どうも自然というものは、図鑑や教科書通りにはいきません。
2016年5月上旬・午前6:05〜6:17
▼前回の記事
キジ♂(野鳥)の求愛行動【前編:鳴き声で♀にアピール】
先ほどキジ♂(Phasianus versicolor)が入っていった枯れ葦原の茂みの奥で何か動きがあります。
どうやらもう一羽いるようです。
早朝から♂が囀りと母衣打ちを頑張って繰り返していた甲斐があって、♀が♂の縄張りにやって来たのです。
茂みに隠れてほとんど見えず、もどかしく思っていると、ようやく広場に姿を現してくれました。
手前の柳灌木が邪魔。
まさに本に書いてあった通りの求愛誇示を披露してくれました。
♂は♀の進路を塞ぐように前方に回り込むと体の側面を見せ、広げた尾羽根で扇ぎます。
求愛された♀は迷惑そうに逃げ回ります。
動物行動学の教科書に必ず載っている有名な話として、クジャク(キジ科)は求愛の際に扇状に広げた飾り羽根の目玉模様が多い♂ほど♀にもてることが実証されています。
孔雀の求愛のように、キジ♀も♂が見せる尾羽根の模様の美しさをしっかり品定めしているのかもしれません。
オオヨシキリの鳴き声がうるさくてかき消されそうなのですが、途中でキュー、キュー♪と小声で鳴いたのは求愛されているキジ♀の声でしょうか?(@1:18辺り)
♀は広場を離れ、柳の木の下へ逃げて行きます。
残念ながら交尾したかどうか見届けられませんでした。
地味な♀は完璧な保護色になっていて、茂みに隠れて動かなければ絶対に見つかりません。
しばらくすると、諦めた♂が単独で採食を始めました。
♂が広場の地面を啄んでいると、ヨシの茂みから♀が出てきてペアで頭を突き合わせて、仲良く採食しています。
親鳥が雛鳥によくやるように、♂が♀に餌の場所を教示したように見えました。
これは一種の求愛給餌なのでしょうか?
(キジの)♂は地面を頻繁につついて、食べ物のあるところを♀に教えたり、昆虫の幼虫などをくわえて頭を持ち上げ、じっとしていたりする。こうしたときに♀は一直線に走ってそれをすばやくとる。(『日本動物大百科4鳥類II』p16より)
念願の求愛シーンが撮れて、この日一番興奮しました。
まさに早起きは三文の得ですね♪
実は3年前にこんな記事を書いています。
▼関連記事
田んぼで♀の尻を追いかけるキジ♂(野鳥)
今回の観察でようやくミッシング・リンクがつながりました。
残る撮影テーマは交尾です。
帰宅してからすぐに本を紐解いて、キジの求愛行動について復習します。
『日本動物大百科4鳥類II』p16より
キジの求愛ディスプレイ
尾羽を広げて♀に向かってはすにかまえ、翼を半開きにして、♀に近寄る。
頭はかならず下を向き、くちばしを♀に向けることはない。ほとんどの場合、♀は♂を無視して少し逃げる。すると♂は再び♀の前方にまわりこんでディスプレイをくりかえす。このため、♂が♀のまわりを円を描いてまわっているように見える。
♂は、♀について歩くことで交尾のチャンスをねらう。♂は突然♀に突進して、♀の背にのって交尾行動をするのである。しかし、♂の突進に気がつけば♀はちょっとわきに跳んで避けることが多いので、交尾はめったに成功しない。♂はときどき♀に対して求愛行動と思われる行動もする。それは♂同士の闘いで見せる行動と似ていて、♀の直前で尾羽を半開きにしてはすにかまえ、自分の美しい羽を♀に魅せつけるのである。これに対して、♀はたいていちょっと跳び退くか、走って避ける。するとまた♂はその♀の前にいき、同じ行動をくりかえす。この行動は1羽の♀に対して1度に数十回もくりかえされることがある。筆者はこの行動を数百回も野外で観察したが、その直後に交尾を見たことはなく、その意味については今後の研究が待たれる。
『カラー自然シリーズ45:キジのくらし』によると、
メスキジがやってきました
♂の声にさそわれて、2羽の♀が、なわばり内にはいってきました。♂は、大喜びででむかえ、ディスプレイをはじめます。(P6より)
尾羽をひらいて♀にせまる♂。
♂キジは、自分のなわばりにはいってきた♀に、美しい羽を見せびらかすようにして近づきます。肩をいからせて、翼を半分開き、腰の毛をふくらませ、尾羽を扇のように開きます。顔もまっかになります。この行動をディスプレイ(求愛誇示)といいます。
♀は、2〜6羽のグループで、♂のまわりに群れていますが、なわばりの境をこえることもあります。すると、となりの♂がでむかえ、♀のグループは、そちらでくらします。こうして♀たちは、いったりきたりするのです。
「どうだ、かっこいいだろう。」
オスキジがかたをいからせ、尾羽をひらいてせまっていくと、メスキジはひょいとにげます。
♂はあわてておいかけ、おなじしぐさをくりかえします。
チィーュチィーュ。しきりに♀の声もします。
朝はやくや夕がた、キジは交尾をします。
オスキジのディスプレイ
♂がディスプレイすると、♀はうるさそうに、ひょういと身をかわします。♂はあわてて追いかけ、また、♀の前のほうからディスプレイします。ディスプレイは5〜10分つづき、♀はしつこい♂をさけて、木の上に逃げることもあります。
ディスプレイのときは、ほとんど交尾しません。なぜ、ディスプレイするのか、よくわかっていませんが、♀の発情をうながすためかもしれません。(p8より)
小林朋道『先生、キジがヤギに縄張り宣言しています! :鳥取環境大学の森の人間動物行動学』p178-179によれば、
キジ科のいろいろな鳥の求愛行動のなかで、祖先種の特徴を残しているのが、ニワトリの求愛行動、次にキジ、そしてそれらの行動型を基礎にして最も最近現れたのが、クジャクの求愛行動だと考えられているのである。(中略)地面の餌の場所を嘴でつついて求愛するニワトリに対し、キジの求愛になると、実際に地面をつつくことはなくなるが、それでも頭を低くして嘴を地面のところまで運ぶ動作は残っている。そして、キジでは、ニワトリにはなかったあるものが♀へのアピールに加えられる。それは尻のまわりの長くてめだつ羽である。この尾羽(正確には上尾筒)が、♂が頭を下げるという動作の必然的な結果として、上方へ上げられることになり、♀によく見えるようになるのである。
下線部に関しては私の観察結果と異なります。
一例だけの反例では偉そうなことは言えませんが。
つづく→後編:採食と囀り♪
2016年5月上旬
ガードレールに絡みついたまま枯れたクズの蔓にキアシナガバチ(Polistes rothneyi)の創設女王が止まっていました。
巣材集めで蔓を齧っているのではなく、日光浴しながら休んでいるようです。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
羽ばたく影がガードレールに映って美しいですね。
2016年5月上旬・午前5:55〜6:00
枯れたヨシが広がる湿地帯でキジ♂(Phasianus versicolor)が早朝から大声で鳴いていました。
縄張り宣言の鳴き声 囀りとドラミング(母衣打ち)で近所の♀にアピールしています。
手前に生えた柳の灌木が邪魔なのですが、私が下手に動いてキジに逃げられては困るので、このまま我慢して撮影を続けます。
私が気配を消して静かに撮影していると、警戒を解いたキジ♂が葦原から広場に少し出て来ました。
依然として柳の茂みが目障りですけど、キジ♂は羽繕いしています。
しばらくすると、後ろを向いたまま再びケンケーン♪と鳴き、翼をバサバサッと羽ばたいて母衣打ちしました。
キジが後ろを向いている隙に私は忍び足で少しだけ移動して、ようやく撮影アングルを確保しました。
後ろから見ると、ピンと立った耳羽がよく目立ちます。
豪華絢爛で美しい羽毛を鑑賞していると、キジ♂は向きを変えて右手に歩き出しました。
広場から枯れ葦原へ戻ってしまいました。
隠し撮りしている私の存在などキジ♂は先刻承知なのかもしれません。
カメラを嫌って茂みへ逃げ込んだのかと落胆しつつも粘って待つと、新たな展開がありました。
つづく→中編:求愛ディスプレイ
映像の最後で♂が移動したのは、勇ましい鳴き声に惹き寄せられた♀を出迎えに行ったのかもしれません。
2016年4月下旬
田園地帯の畦道に咲いたヒメオドリコソウの群落でモンシロチョウ(Pieris rapae)が訪花していました。
2016年5月上旬・早朝4:47
夜が明けたばかりの早朝に、おそらく塒となっていた高木(映像のアングルでは背後にある)から計4羽のカラス(種名不詳)が喧嘩しながら飛び出してきました。
激しく鳴き、追いかけっこしながら、もつれ合うように北へ飛び去りました。
本気の闘争なのか、朝から元気に遊んでいるだけのか、分かりません。
ちなみに、この日の日の出時刻は午前4:36。
2016年5月上旬
土手の草むらでクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカーが♀死んだ虫を運搬していました。
獲物はマミジロハエトリ♀(Evarcha albaria)のようです。
アリが戦ってハエトリグモを倒したとしたら凄いですけど、死因は不明です。
アリは大顎で獲物を持ち上げて後ろ向きに巣へ運んでいます。
枯れ草などの障害物に獲物が絶え間なく引っかかり、運搬にとても苦労しています。
道中でもう一匹の仲間と遭遇。
出会って触角で挨拶しても喧嘩にならないので、同じ巣のワーカーと思われます。
協同で獲物を運搬を始めたかと思いきや、あまり手助けになっていません。
奪い合いのようになったり文字通り足を引っ張ったりして、むしろ運搬作業の邪魔になっています。
撮影後に採集しました。
クモの腹面に外雌器が見当たらないので幼体/亜成体のようです。
2016年5月上旬・朝7:58
水辺に立つハンノキのてっぺんに止まったモズ♂(Lanius bucephalus)がキッキッキッ♪と元気に鳴いていました。
朝の縄張り宣言(高鳴き?)ですかね?
オオヨシキリなど様々な野鳥の鳴き声も聞こえます。
最後、百舌鳥♂は飛び去りました。
2016年5月上旬・早朝5:13〜5:16
枯れたヨシが一面に広がる湿地帯でキジ(Phasianus versicolor)が早朝から縄張り宣言と母衣打ちを盛んに繰り返していました。
定期的に鳴く大声を頼りに、居所を突き止めて忍び寄り、撮影開始。
キジも鳴かずば撮られまい。
私の存在に気づいたキジ♂は、頭を下げて枯れ葦原の中を早足で逃げて行きます。
ときどきヒョイと頭を上げたときは見つけられますが、遂に見失ってしまいました。
背の高い葦原に緑が戻れば、同じく緑を基調とするキジ♂にとって保護色となり、より絶好の隠れ家になるでしょう。
2016年5月上旬
道端に咲いたセイヨウタンポポの花にモンシロチョウ(Pieris rapae)が訪れ、一心不乱に吸蜜していました。
意外にもこの平凡な組み合わせは今まで撮っていませんでした。(こんちゅーぶ初登場!)
2015年8月中旬・深夜3:24
真夜中のキャンプ場を見回りしていると、ログハウス前のコンクリート床に何か枯れ枝が落ちていました。
なんだろうと思いつつ近づいたら、突然その枝が蛇行して逃げ始めました。
咄嗟に赤外線の暗視カメラで動画を撮ったのですが、モノクロの映像では蛇の種類を見分けられません。
暗視モードではなく補助照明(白色LED)を点灯して蛇の色や斑紋を記録すべきでしたね。
痛恨のミス…。
なんとなくニホンマムシの幼蛇か、夜行性のシロマダラかな?と思ったものの、定かではありません。
蛇はログハウス入り口の角を曲がってすぐの隙間に潜り込んでしまい、見失ってしまいました。
それまで常夜灯の下に集まる虫を捕食していたのでしょうか?