2012/07/07

プライアシリアゲ♂の身繕い



2012年5月下旬

水辺の草むらで葉裏に止まっていたシリアゲムシの仲間。
プライアシリアゲ♂(Panorpa pryeri)のようです。
足先を擦り合わせていました。
♀にプロポーズするため(婚姻贈呈)の獲物や唾液分泌物を持っているかと期待したものの、手ぶらの♂でした。



図鑑『札幌の昆虫』p179によると、
本種の♂は口から分泌した液で玉を作って♀に渡し、♀がこれを食べ始めると交尾する習性がある。

そんな奇妙奇天烈な配偶行動をいつか観察してみたいものです。



ヤミイロカニグモ♂の徘徊・懸垂下降@ウワミズザクラ花



2012年5月下旬

満開のウワミズザクラの枝で見つけたヤミイロカニグモ♂(Xysticus croceus)。
黒光りした頭胸部がいかつくて格好良い。
触肢が発達しており成体のようです。
♂は初見です。
関連記事→「ヤミイロカニグモ幼体:菜の花畑でつかまえて」、「幼虫を咥えつつ威嚇するヤミイロカニグモ♀


待ち伏せ型の狩りを行うはずですが、活発に徘徊していました。
蟹のような横歩きも披露。
移動の際に命綱(しおり糸)が見えます。
これを使った懸垂下降もお手のもの。
獲物となる訪花昆虫が多いので狩りの瞬間が見れるかと期待しましたが…。
食い気よりも色気で♀を探し歩いていたのかもしれません。

撮影後に一時捕獲すると体長約~7.5mm。



採集後、第一脚を振り上げた威嚇(万歳)姿勢


体長~7.5mm。どうしてもCO2麻酔下では歩脚が縮こまってしまう。


複雑な触肢の形状


2012/07/06

ウワミズザクラの花蜜を舐めるシモフリコメツキムシ



2012年5月下旬

満開に咲いたウワミズザクラにコメツキムシが訪花していました。
先日、跳ね起き運動をハイスピード動画に撮影したのと同じくシモフリコメツキの仲間のようです。(未採集、未採寸)

胸部と腹部の関節を曲げ、更に頭部を白い総状花序の小花に突っ込んでいます。
ときどき脚を擦り合わせて身繕い。

コメツキムシが花を食べるとは知りませんでした。
肝心の口元が花に隠れてよく見えませんが、どうやら花蜜を舐めているようです。
花弁や葯の先にある花粉は食べていない様子。
体に花粉を付着したまま隣の花へ移動することで、受粉の役には立っているようです。





2012/07/05

ヤマガラの警戒声♪を声紋解析してみる【野鳥】



2012年5月下旬

水路沿いの林縁を歩いていたら、ヤマガラがけたたましい声で鳴いていました。
立ち止まって見上げると2羽が樹上でしつこく鳴き騒いでいます。
私への警戒音なのだろうか?
枝から枝へ飛び回るものの、私の周りから全く逃げようとしません。
もしかすると、この2羽はつがいで近くに巣があるのかもしれません。
夕暮れで暗くなるまで撮影を続けました。


ヤマガラはどんな巣を作るのか、帰宅後に調べてみました。
『鳥の巣の本』p24によると、確かに樹上営巣性らしい。
シジュウカラと同じような場所に、同じような巣を作ります。コケの量がヤマガラの方が多いようです。産座の直径はシジュウカラもヤマガラも6cmぐらいです。巣箱をよく利用する。



しかし数日後に同じ場所を再訪してもヤマガラと出会えませんでした。
あるいは番の警戒音ではなく、私の存在とは無関係に2羽が縄張り争いしていたのだろうか?

ヤマガラの性別は見分けられない?

ヤマガラ警戒音♪の声紋解析

オリジナルの動画から音声をWAVファイルにデコードしてからスペクトログラムを描いてみました。
カメラの操作音が入ってしまった部分を編集でカットしただけで、横軸(時間・秒)の縮尺は揃えていません。
繰り返される警戒音の部分は、力強くいかにも耳障りな声紋が見て取れます。
個々の警戒音の長さはほぼ一定ですね。
合間に別の鳴き方をすることもあります。


















2012/07/04

アオジョウカイの飛び立ち【ハイスピード動画】



2012年6月上旬



ウワミズザクラの葉や花からアオジョウカイThemus cyanipennisが飛び立つ様子をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
複数個体を追いかけて撮影。

【追記】
昆虫写真家の海野和男氏の見事な作品です。
YouTubeを始められたとは知りませんでした。




2012/07/03

蛇行して逃げるヤマカガシ



2012年5月下旬

林道から外れて沼地へショートカットする途中の林床に蛇がいました。
毒蛇のヤマカガシRhabdophis tigrinusです。
やがて舌をチロチロ出し入れし始めました。
ゆっくりと蛇行してスギの落ち葉や倒木の奥に姿を消えました。
これから沼地のカエルを狩りに行くのでしょう。
沼地の方からカエルの合唱が聞こえます。







2012/07/02

オオヨシキリ♂の鳴き声♪を声紋解析してみる【野鳥】



2012年5月下旬

民家の庭木の天辺でオオヨシキリが「行々子、行々子、ギョギョシ、ギョギョシ、ゲシゲシゲシ♪」と元気に鳴いていました。
♂による縄張り宣言の囀りです。
横を流れる川には芦原があり、おそらくそこに巣があるのでしょう。



オオヨシキリ♂囀りの声紋解析

オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードし、適当に約30秒で区切ってからスペクトログラムを描いてみました。

川に背を向けて撮ったのですけど、それでも水音(せせらぎ)によるホワイトノイズが邪魔ですね。
『野鳥を録る』という本によると、音声編集ソフトウェアでノイズリダクション処理を施すと良いらしい。
しかし私のLinux環境では方法が分からないので、そのまま掲載します。





最後のパートだけ時間軸の縮尺が違います。

同属のコヨシキリとは囀り(さえずり)が違うらしいので、いつか声紋で比較してみたいものです。

2012/07/01

アズマヒキガエル幼生の群れ@沼



2012年5月下旬

18日前にアズマヒキガエルの抱接と蛙合戦を撮影した沼で定点観察してみました。
卵から孵化した黒いオタマジャクシの群れが浅い水中で蠢いていました。
前日の雨にも関わらず水量が減っていて、オタマジャクシが変態する前に干上がらないか心配です。


※ オタマジャクシの形態からアズマヒキガエルの幼生と同定した訳ではないので、他種のオタマジャクシも混じっているかもしれません。









ササゴイにモビングするハシボソガラス【野鳥:烏鷺の争い】



2012年5月下旬

川沿いの住宅地の電線に鳥が止まって騒いでいます。
2羽のハシボソガラスCorvus coroneが一羽の水鳥に嫌がらせのモビング(偽攻撃)を行っているようです。
川を挟んでかなり遠くから望遠で撮っているため、鳴き声は聞き取れません。
苛められている水鳥はササゴイButorides striatusですかね?(※)
2羽のハシボソガラスは代わる代わる電線から飛び立ち空からササゴイを威嚇するものの、接触を伴う直接的な攻撃は加えません。
ササゴイの隣の電線に止まった際も、カラスは足元の電線を嘴で突ついたりしています。
カラスが天敵の猛禽類に対してモビングを行うのは知っていましたが、一体なぜ無害でニッチの異なる水鳥に嫌がらせするのでしょうか?
営巣地の取り合い?ぐらいしか思いつきません。

それにしても、なんとも気の強いササゴイです。
カラスが繰り返し空襲・威嚇しても身をすくめて我慢するだけで踏みとどまり、電線から逃げようとしません。
長い冠羽が目立ちます。
さすがに鶏冠に来ている(怒っている)のかも。
ササゴイが首を伸ばして上を向いているのは少しでも体を大きく見せようと虚勢を張っているのかな?
それとも、いまさら擬態(カモフラージュ)のつもりなのだろうか?
たとえば同じサギ科のヨシゴイは
危険を感じると上を見上げて頸部を伸ばし、静止したり左右に揺れる。これにより下面の斑紋がヨシの草と見分けづらくなり、擬態すると考えられている。(wikipediaより)

ササゴイに反撃されて驚いた1羽のカラスが両足で電線を掴んだままひっくり返り、一瞬ぶら下がる体勢になってしまったのが可笑しいですね(@2:48)。
やがてカラスの方が根負けしたようで、1羽また1羽と電線から飛び去りました。
煩いカラスが居なくなると、電線に残ったササゴイは首をすくめた姿勢に戻りました。


ちなみに、記事のタイトルにある烏鷺の争い(うろのあらそい)とは囲碁の勝負のことです。
烏(カラス)は黒く、鷺(サギ)は白いところから、黒と白の碁石に例えたのだそうです。


※ この水鳥はササゴイ?
初めはアオサギの幼鳥、若鳥なのかな?と思いました。
この川でアオサギはよく目にします。
しかしアオサギにしては首が短いですし、アオサギなら黄色い嘴をもち、首の前面に青い筋の模様が入るはずです。
ゴイサギは冠羽が白いらしいので除外しました。
ササゴイは初見ですけど、消去法でササゴイ(Butorides striatus)なのかなと思いました。

【追記】
「日本野鳥の会 宮城県支部・やまがた画像掲示板」にて問い合わせたところ、まぐぴさんから以下の回答を頂きました。
ササゴイでいいと思います。
動画見せていただきました。
まず、ササゴイが電線に止まるのは滅多にないような気がします。
どっちも飛び去らないことから、もしかするとササゴイの巣が近くにあり、カラスの巣立ちヒナが近くにいる、それでどっちも引けないのかな?
以上、単なる推測でした。








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