2012/09/08

イタドリの葉を食すドロハマキチョッキリ♀




2012年7月上旬

道端に高々と生い茂ったイタドリの群落でドロハマキチョッキリが葉に止まっていました。
(オオイタドリかもしれません。)
♂なら前胸下部に鋭い刺状の突起があるはずですが、この個体には見当たらないので♀だと思います。

接写の大敵である風が吹いて、葉が揺れます。
左手で葉を押さえながら接写すべきか迷うところですが、下手に手を出すと怖がって逃げられそうなので我慢しました。

緑の金属光沢が美しい。
脚を擦り合わせて身繕いしています。
葉先をうろつき始めたので、こんな虫食いだらけの葉に揺籃(落とし文)を作るのかと疑問に思いつつ見守ります。
飛んで隣の葉に移動しました。
葉裏に回り込み、しばし休息。
やがて葉表に戻ると、脚を擦り合わせて身繕い。
向きを変えて葉を食べ始めました。 
主脈の横に食痕が見えます。
(食べ始める前はここに虫食い痕はありませんでした。)
揺籃作りの手順なのか、それともただの食餌か不明です。

関連記事→「カエデの葉を食すドロハマキチョッキリ♂?

動画とは別に写真で記録したらストロボの連発を嫌がったのか、飛び去ってしまいました。
次回は離れた位置から見守ることにします。








石燈篭を訪れるムツバセイボウ?



2012年7月上旬

神社境内にある石燈篭にとても小さな青蜂が何度も出入りしています。

小さくて動きがおそろしく速い蜂ですが、憧れの美麗種なので頑張って動画に撮ってみました。
映像の後半は1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
ハイスピード動画に撮ればよかったかもしれません。

撮れたのはほんの一瞬で腹端の形状は不明ですが、ムツバセイボウと似ている気がします。

寄主(ヤマトフタスジスズバチ)の巣を物色しているのではと思い、石灯籠の中を覗いてみると案の定、雨風を避けるようにドロバチの仲間が作った古い泥巣がありました。


2012/09/07

コムラサキ♂のミネラル摂取



2012年7月上旬

コムラサキ♂(Apatura metis substituta
)が道端でミネラルを摂取しているようです。
翅を半開きに開閉しつつ口吻を伸ばして地面を舐めています。
日差しが強くて暑いせいか、美しい翅を全開に披露してくれません。
最後は翅を立てた(閉じた)まま動かなくなりました。


口吻は白いようです。




美しい翅表をどうしても拝みたくて、路上から飛び立つ瞬間をハイスピード撮影(220 fps)してみました。
結果はチラリズムでした…。



2012/09/06

ホソアシナガバチの一種が肉団子作り



2012年7月上旬

道端に生い茂ったアカソの群落でホソアシナガバチの一種のワーカーが葉に止まっていました。
青虫(蛾の幼虫)を大顎で噛みほぐし、丸めて団子にしています。
同定するには顔正面を接写しないといけないので回り込もうとしたら、蜂は飛び去ってしまいました。




2012/09/05

ナキイナゴ♂の鳴き声♪ を声紋解析してみる




2012年7月上旬・(気温測定を忘れました)

ナキイナゴ♂の鳴く季節になりました。
映像前半は、田舎道の交差点にて単独でシャカシャカ鳴いていた個体です。
歩道に生えた貧弱な草の茎にしがみ付き、後脚の腿節を前翅の翅脈と擦り合わせることで鳴いています。

ナキイナゴは前翅R脈(径脈)と後腿節発音小歯のやすり器を擦る。(『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p106-107より)


茎を忙しなく登ったり下りたりするのは、パパラッチのレンズを警戒しているのかもしれません。
前進だけでなく後退(後ずさり)も出来るんだ!と少し興味深く思いました。
最後は跳んで移動。

映像後半は、同じ日に別の道端のススキ群落にてシャカリキに鳴き交わしていた2匹の♂。
互いに少しずつ接近しています。
鳴き声による縄張り争いのようなものがあるのかもしれません。
少し離れた位置から撮りました。




ナキイナゴ♂の鳴き声の声紋解析

ナキイナゴは特に美しい音色という訳ではありませんが、決して耳障りではなく私にとっては飽きることなく癒される鳴き声です。
単独で鳴いていた♂のオリジナルMTS動画ファイルから音声パートをWAVファイルにデコードしてから、スペクトログラムを描いてみました。

鳥の声などとは違って特に声紋のようなパターンは認められませんでした。
倍音の構造なども見当たりません。
発音器に共鳴させる仕組みが無いのだろうか。
唯一読み取れることとして、ナキイナゴが連続で何回擦り合わせて発音したか数えることは出来そうです。

例えば「虫の音WORLD」サイトでナキイナゴの項を参照すると、

シャカシャカシャカと尻上がりに10音ぐらい後脚を前翅に擦り付けて音を出す
との記述があります。
一方、下図に示した私のデータでは29音ずつ鳴いています。
「シャ・カ」1セットで1音と数えるにしても、15音ずつ鳴いています。
(こんなのは、気温・時間帯や近くにライバルの♂が居るかどうかなど、様々な要因や個体差がありそうですけど。)




【追記】
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』付属のCDにナキイナゴの鳴き声が収録されていました。
これを用いて同様にスペクトログラムを描いてみました。
非圧縮PCM録音のWAVファイルなので、私の素材(AC3圧縮)よりも遥かに高音質であることが歴然としています。
高音域も不自然にカットされていません。
マイクなど録音機材も本格的なものを使っているのでしょう。



真似事で色々な鳴き声を声紋解析してきたのですが、録音法の改善ポイントがはっきりしました。

2012/09/04

崖の上のニホンカモシカ




2012年7月上旬

険しい山道を歩いていると上の方から物音がするので見上げると、崖の上のポニョ…ではなく、ニホンカモシカCapricornis crispus)を発見!
崖崩れ防止のためコンクリートで被われた急斜面の更に上の林からじっと見下ろしていた。
やがてカモシカは鼻息で威嚇すると身を翻し、奥の林に姿を消しました。
それにしても、レンズが汚れていてお見苦しいですね…。
(映像はここまで)

その後も向こうからは見えているのか、鋭い鼻息が聞こえてきます。
試しにこちらも鼻息を真似てフシュフシュ♪と呼応してみたら、交互にラリーが結構続きました。
野生動物と交流できたようで、ちょっと嬉しいひとときでした。
カモシカ同士の縄張り争いでも似たようなことが行われるのかもしれません。
今思うと、その様子も動画に撮ってみればよかったですね。
(カメラ内蔵のマイクで遠くの鼻息を録音できたか分かりませんが…)
▼関連記事▼
野生ニホンカモシカと鼻息で鳴き交わしてみる


【追記】
一般にカモシカは、自分よりも下の位置を通る物体には警戒心がないと考えられる。逆に、人間が尾根などの高い位置から接近すると、とたんに「フシェー」と鼻息荒い声を発して威嚇し、沢の方へと一目散に逃走する。(『野生のカモシカ:その謎の生活を追う』p31より)

カモシカは、自分より高い位置にいる自分以外の異種の個体、つまりヒトには神経質だ。(『カモシカの森から:白神・津軽 北の自然誌』p144より)


2012/09/03

ヨモギの葉を舐めるムモンホソアシナガバチ創設女王



2012年5月下旬

ムモンホソアシナガバチ♀(Parapolybia indica
)がヨモギの葉に止まって何かやってます。
時期的にワーカーではなく、未だ単独営巣期の創設女王だと思われます。
実は、ヨモギの葉裏から産毛を集めるムモンホソアシナガバチの動画をハンマーさんのブログで拝見したばかりだったので、てっきりこれも巣材集めかと思って撮り始めました。
明らかに蜂は葉表に口を付けて何かを舐めています。
しかし、どうも巣材集めとは違うようです。
側面から見ても丸めた巣材(ペレット)を口元に抱えていません。
一頻り舐め終わった蜂は身繕い。
蜂が飛び去った後で確認すると、ヨモギの葉に肉眼レベルでは朝露(水滴)やアブラムシは付いていませんでした。

一体何をしていたのか、ちょっとしたミステリーでした。

『日本の真社会性ハチ:全種・全亜種生態図鑑』p74によると、

ムモンホソアシナガバチの)巣は樹木の葉に密生する毛を材料として造られるため、淡褐色もしくは淡い肌色を呈し、アシナガバチ属の灰色の巣と比べると対照的である。





2012/09/02

尾繋がり後に交尾拒否するミヤマカワトンボ♀




2012年6月下旬

山中の渓流を遡行していると、多数のミヤマカワトンボCalopteryx cornelia
が活動していました。
そのなかで偶然、♀の交尾拒否と思われる興味深い行動が撮れました。

尾繋がり状態のペアが川岸の茂みに止まっています。
前の個体が♂で、胴体がメタリックグリーン。
後ろの個体が♀で、胴体は褐色。
♀の翅だけに目立つ白い斑点は「擬縁紋」と呼ばれます。



♂が♀を前に引き寄せてハート型の交尾姿勢になろうとしても、♀は頑として応じようとしません。
♂は力を入れつつ葉上でバランスを保つため羽ばたいています。
♀は一応、腹部を曲げているものの、決して一線を越えません。
痺れを切らした♂が♀を連れたまま飛んで場所を変えます。
木の葉から近くの下草に移動。
何もアクションを起こさないまま、再び連結飛行で移動。
今度は潅木の枝に止まりました。

♀は腹部をだらんと垂らし、いつまで経っても♂の副交尾器と結合しようとしません。
♂は力を入れて腹部を曲げ、羽ばたきながら♀を引き寄せようと頑張ります。

交尾に先立って連結状態で行われる♂の移精行動をこの♀は妨げているのかもしれません。(参考図書:『ミヤマカワトンボのふしぎ』p22)

今度はまた下草に移動しました。
側面をしっかり見せてくれるアングルに戻ったため、「交尾の体位が分かり易くて助かるなー」と呑気に見ていると不意に♂が連結を解除し、飛び去りました。
遂に交尾を諦めたようです。
葉上には貞操を守った♀が残されました。

ミヤマカワトンボの交尾の成功例(典型例)を観察しないうちに非典型的な(相性の悪い不仲の)カップルに遭遇したので、解釈に苦しみました。

このペアのそれまでの過程を見ていないのですが、まず赤とんぼのように♀の産卵後に♂が尾繋がりの交尾後ガードを解消した可能性を考えました。

つまり、やるべき繁殖活動を完遂した後にペアが尾繋がりを円満解消したという可能性です。
ところが本種の産卵は♀が単独で潜水産卵を行うようで、交尾後に♂が連結状態で産卵する♀を警護することはありません。

自分の縄張り内で潜水産卵する♀を♂は近くで見守るそうです。

↓参考動画:by neakayoshiさん





調べて分かったこと(本の引用)。

  • ミヤマカワトンボの♂は、水面に浮かび、腹部を反らせ、上空を通過する♀に求愛する。(『トンボ入門』p71より)
  • ミヤマカワトンボの♀は腹部を反らせて♂を拒否する。(『トンボ入門』p63より)
  • おつながりになっても交尾をしなかったのは、トンボの場合、自分の尻尾を曲げて交尾に応ずるのは♀だからである。♀に交尾する気がなければ、おつながりになっても♂は諦めるしかない。(『トンボの不思議』p56より)
  • ミヤマカワトンボでは、縄張り内に♀がやって来ると、♀に近づき、「しっぽの先を反らせて水面に浮かぶ」という求愛の動作を示す。♂のしっぽの先端は白くなっており、その部分を誇示して、自分が魅力的な♂であることをアピールするかのようである。水面に浮かぶのは一瞬で、すぐに飛び上がって♀を追いかける。それに対して、求愛の受け入れを示す♀の合図は、羽を閉じて静止することである。すると、♂は♀の羽の先に着地し、ついでしっぽの先で♀の首根っこを掴んでおつながりとなる。♂が着地するあたりの羽には、「擬縁紋」と呼ばれる白く目立つ斑点がある。一方、♂の求愛が気に入らない♀は、縄張り外に飛び去るか、静止しても羽を広げ、♂が着地できないようにする。すると♂はすぐに諦め、それ以上♀につきまとうことはしない。(『トンボの不思議』p52より)

今回観察したような交尾拒否行動はトンボの本に記述されていませんでした。
おそらく通常の求愛拒否のシグナルを無視して強引に尾繋がりしたガサツな♂を♀が嫌がり、頑として交尾を拒んだと推測しました。
あるいは尾繋がりしてから♀の気が変わったのかもしれません。
世間のイメージとは異なり、トンボも交尾の最終決定権は♀にあるようです。(♀が♂を選ぶ)

後で思うと、この日はミヤマカワトンボ♂の求愛と思われる不思議な行動も渓流上で一度目撃しているのですが、そうとは知らず撮り損ねました。
トンボは種によって繁殖行動にバリエーションがあり、とても面白いですね。
動画ネタが幾らでもありそうです。





【追記】
私が観察した事例とは異なりますが、図鑑『日本のトンボ(ネイチャーガイド)』にミヤマカワトンボの興味深い生態写真が掲載されていました。
♂同士の連結(Male-male tandem):個体数が多いところでは、まれにこうしたハプニングが起こる。左の♂はまだ気付かずに交尾を促している。(p45より引用)


カエデの葉で休むウラクロシジミ




2012年6月下旬

渓流沿いのカエデの葉でシジミチョウが休んでいました。
翅を立てて静止していまるため、地味な翅裏しか見えません。
翅表を見るために飛び立つ瞬間をハイスピード動画に撮ろうと試みたものの、逃げられました…。
棲息環境からゼフィルス(ミドリシジミの仲間)だろうと予想しました。
いつもお世話になっている虫我像掲示板にて質問したところ、みゅさんよりウラクロシジミとご教示頂きました。
こんちゅーぶ!初登場のゼフィルスです。







ミズナラの葉で休むミズイロオナガシジミ



2012年6月下旬

ミズイロオナガシジミが翅を閉じて(立てて)ミズナラの葉表に止まっていました。
翅表を見るために、飛び立つ瞬間をハイスピード動画に撮ろうとしたら、不注意で葉を揺らしてしまい逃げられてしまいました…。





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