2025/04/02

死んだアナグマの営巣地で巣材を選り好みする春のハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午前8:30頃・晴れ・気温15℃ 

死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がまた現れました。 
二次林の林床を歩き回り、巣材を集めているようです。 
細い落枝を拾い上げても気に入らずに、すぐ捨てています。 

以前タヌキが巣口Rに積み上げたバリケードからハシブトガラスが棒を引っこ抜いて物色していますが、やはり気に入った小枝が見つからないようです。 

拾った小枝や細い蔓を足で押さえつけて細かく千切り始めました。 
巣材の長さを調節しているのか、それとも強度を調べているのでしょうか? 
しかし結局、何も持たずに飛び去りました。 

ハシブトガラスがときどき2つの巣穴R、Lの奥をしげしげと覗き込んでいるのは、きっと死骸を探しているのでしょう。 
巣口の横に自生するマルバゴマギの細い灌木に若葉が芽吹き始めました。 
その止まり木にカラスが乗って、巣口を見下ろすこともありました。 
もしも死骸を見つけたら、腐肉を食べたり、毛を毟り取って産座用の巣材として有効活用するはずです。 

ハシブトガラスの巣材集めを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@4:30〜)。 


【考察】 
ハシブトガラスが持ち去る巣材をかなり吟味していたということは、巣作りも仕上げの段階だったようです。
これほど長居したのに、この日を最後にカラスがセット(営巣地)にまったく来なくなりました。
ハシブトガラスの巣が完成して、巣材を集める必要がなくなったのかもしれません。 
それとも、死骸の生物分解が進んで死臭がしなくなったのかな? 
(巣穴Lの奥に「いざりタヌキ」の死骸があるのではないかと私は疑っています。)



つづく→

2025/04/01

溜め糞場でスギやエゾユズリハの枝葉に眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月中旬 

シーン1:4/14・午前10:21・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山の雑木林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を旧機種のトレイルカメラで見張っています。 


シーン2:4/16・午後20:54(@0:04〜) 
晩に手前から歩いて来たカモシカが、頭を下げて溜め糞の匂いを頻りに嗅いでいます。 
角が細いので、おそらく若い個体なのでしょう。 

そのまま溜め糞場sr2で脱糞するかと期待したものの、今回は便意を催さなかったようです。 

スギ落枝の青々とした葉や、奥に自生するエゾユズリハ灌木の枝葉に顔を擦り付けて眼下腺で縄張りをマーキングしました。 


つづく→

フッキソウの花蜜を吸うビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午前11:45頃・くもり 

里山の急峻な山道を登っていると、白い可憐な花が咲いている大群落がありました。 
ヒトリシズカの花も点在していたのですが、それとは別種です。 
写真に撮って画像検索(Googleレンズ)してみると、フッキソウと判明。 







これがヒトリシズカの花。



フッキソウの大群落でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が訪花していました。 
フッキソウ穂状花序の細長い花筒の入口に口吻の先端がなかなか差し込めずに、何度もやり直しています。 

ビロウドツリアブ♀は吸蜜中も高速で羽ばたき続けていますが、花に足を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)とは言えません。 
素人目にはエネルギー効率が悪過ぎる気がするのですけど、捕食者に襲われたときにいつでも飛び立てるように、常にアイドリングしているのでしょう。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:14〜) 




ところで、冒頭で鳴いてる(さえずり? )鳥の種類は何だろう?


【アフィリエイト】 

2025/03/31

春の刈田でキジ♂が勇壮な母衣打ち♪を披露するまで(野鳥)

 

2024年4月中旬・午後14:55頃・くもり 

田起こし前の刈田で、キジ♂(Phasianus versicolor)がケンケーン♪と鳴く声がしました。 
鳴き声の主を探すと、雑草が生えた原っぱ(刈田)で採食中のキジ♂を発見。 
次の母衣ほろ打ちを記録しようと、動画に撮り始めました。 

採食中にときどき頭を上げて首を伸ばし、周囲を警戒しています。
しばらくすると、胸の羽毛を嘴で整えて羽繕いを始めました。 
 最後にようやくケンケーン♪と大声で絶叫しながら、勇壮な母衣打ちを披露してくれました。
鳴き声が風切り音にかき消されそうなのが、残念です。 
その後は何事もなかったように、採食に戻りました。 
隣の縄張りから別個体のキジ♂が鳴き返す声は聞き取れませんでした。 

キジ♂の母衣打ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@3:12〜)、素早く羽ばたいた回数は2+10回でした。 
この回数には個体差があります。 
母衣打ちで羽ばたく回数の多い♂を♀が交尾相手として選んでいるとしたら、面白いですね。(ただの妄想です)

カメラのバッテリーを使い切る寸前で赤いマークがカラータイマーのように点滅していたので、キジ♂が鳴く前兆を示すまで(立ち止まって背伸びをするまで)撮影を中断して見守りました。 
なんとかギリギリ動画に撮れました。 

気迫の籠もった母衣打ちを見ると、いつも感動します。 
春はキジの繁殖期で、♂は縄張り宣言を頻繁に(定期的に)繰り返しています。 
長くても5〜6分間辛抱して長撮りすれば、誰でも母衣打ちシーンを撮れますので、機会があればトライしてみてください。

春の休耕地で巣穴を見回るニホンアナグマ♂が謎の土掻き行動【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年4月中旬 

シーン0:4/10・午後13:11・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
根雪が完全に溶けた休耕地を自動撮影カメラで見張っています。 
枯野の地面に巣穴が幾つも開いているのですが、タヌキ、アナグマ、キツネが三つ巴で営巣地を乗っ取ったり同居したりして、複雑な状況でした。 
ニホンアナグマ♂(Meles anakuma)の登場シーンをまとめます。 


シーン1:4/16・午後23:25・気温10℃(@0:03〜) 
深夜に、手前から真っ直ぐ奥に向かうアナグマの後ろ姿が写っていました。 
夜這いに来たニホンアナグマ♂と判明。 
巣口Mbに入りかけて匂いを嗅いでから、巣口Mbの地面に尻を何度も擦り付けて匂い付けのスクワットマーキングをしました。 
続けて、イヌのように後足で地面を掻きました。 

次は巣口Rに向かいました。 
匂いを嗅いでから後の行動が、残念ながらよく見えません。 
アナグマ♂は巣口Rでマーキングしているようにも見えますし、地面を掘って居るようにも見えます。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:03〜)。 

遠くて監視カメラの赤外線が届かず、暗いのです。 
画像処理で強引に明るく加工しても、ノイズが多いです。
冬は積雪がレフ板の役割を果たしたおかげで、赤外線が遠くまで届いたのですが、残雪が溶けると赤外線が光量不足です。 



シーン2:4/20・午後21:06・気温10℃(@2:03〜) 
4日後の晩にも、夜這いアナグマ♂が左からノソノソ歩いて登場しました。 
通りすがりに巣口Lの匂いを嗅ぎました。 
次に巣口Mf、Mbの匂いを嗅ぐと、スクワットマーキングしてから巣口Rへ向かいます。 
巣口Rの近くでもスクワットマーキングしたようですが、遠くてよく見えません。 
最後は手前の二次林へ走り去りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@2:55〜)。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】 
アナグマ♂がスクワットマーキングの後に土を掻く行動は12日後にも見られたので、同一個体♂の癖なのかもしれません。(映像公開予定) 
イヌの場合は足裏に汗腺があり、肉球から分泌される匂いを地面に擦り付けることで、自分の存在を他の犬にアピールしています。
この行動は縄張りを主張するためのマーキングの一種です。
地面を掻いた痕跡をわざと残して視覚的にアピールする意味もあります。
一方、アナグマの足裏に汗腺や臭腺があるという情報は検索しても見つかりませんでした。
繁殖期(交尾期)に特有の、アナグマ♀にアピールするマーキング行動なのかもしれません。
アナグマが穴を掘るときには前足を使うので、後足で地面を掻く行動は初めて見ました。

この時期、休耕地の巣穴に住んでいる動物が誰なのか、はっきりしません。 
一時期住み着いていた疥癬キツネは姿を消し(死亡?)、アナグマ♂も巣穴に出入りするシーンは撮れていません。 
残るタヌキが本命ではないかと思います。 

トレイルカメラの保守作業で現地入りした際に、巣穴にそっと近づいてみたことがありました。(現場検証)
枯草に覆われた休耕地を歩き回ると、巣口付近の地面がふかふか(脆弱)で、浅いトンネルをズボッと踏み抜いてしまったような感触がありました。
私のせいで巣穴の一部が壊れてしまい、警戒した家主が近寄らなくなってしまったとしたら、申し訳ないです。

つづく→

2025/03/30

春にセイヨウタンポポの花蜜を吸う越冬明けのクジャクチョウ

 

2024年4月中旬・午後15:20頃・くもり後晴れ 

刈田の農道に咲いたセイヨウタンポポの群落でクジャクチョウInachis io geisha)が訪花していました。 
翅を全開にして吸蜜しています。 
本種は成虫で越冬しますから、春まで無事に生き残った個体は翅がぼろぼろに破損しています。 

後半に日が射すと、暑くなったクジャクチョウはすぐに翅をしっかり閉じました。 
おかげで、地味な翅裏も見せてくれました。 
最後にようやく飛び去るまで見届けました。 
この農道にはなぜか在来種のエゾタンポポの花が多く咲いていたのですが、クジャクチョウが訪花していたのは外来種のセイヨウタンポポでした。 

北方系の蝶であるクジャクチョウとの再会はかなり久しぶりで、とても嬉しかったです。 
温暖化が進行した影響で、もう平地では見れないかと思っていたので、感激しました。 

関連記事(12年前の撮影)▶ クジャクチョウがセイヨウタンポポに訪花吸蜜
日本では滋賀県以北に分布し、北方系の種類として位置づけられる。本州中部では標高の高い山地でしか見られないが、東北地方や北海道では平地でも見られる。(中略) 幼虫はクワ科のホップ、カラハナソウ、イラクサ科のホソバイラクサ[1]、エゾイラクサ、ニレ科のハルニレなどを食草とする。 (wikipedia:クジャクチョウより引用)

イワナシの花

2024年4月中旬・正午頃・くもり 

里山で急峻な山道を登っていたら、ピンクの花が可憐に咲いていました。 
草本植物ではなく、低灌木のようです。
見慣れない花だったので、写真にとって画像検索してみると、ツツジ科イワナシの花と判明。 
植物に疎い私は、てっきりこれがコケモモの花かと思ったのですが、いくら多雪地帯でもこんな低山に生えているはずがありませんね。
残念ながら、訪花昆虫の姿は見当たりませんでした。

他にはショウジョウバカマ、ヤマザクラ、タムシバなど早春の花が咲いていました。

春の林床で落ち葉をめくって虫を探すカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午前9:06・晴れ・気温19℃ 

平地の二次林に設置した自動撮影カメラで昼間にカケスGarrulus glandarius)が写りました。 
細い灌木に止まっていたカケスが地面に飛び下りると、林床の落ち葉を嘴でめくって隠れている虫を探し始めました。 
最後はピョンピョン跳ねて(ホッピング)右へ立ち去りました。 

カケスの落ち葉めくりを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:32〜) 


つづく→

ランダムに記事を読む

  • クルマバナの花で採餌するトラマルハナバチ♀12/10/2022 - 0 Comments
  • 畦道を走りながら直立警戒するニホンザルの群れ05/11/2013 - 0 Comments
  • さえずりが下手くそな早春のウグイス♂(野鳥)ぐぜり鳴き♪21/02/2025 - 0 Comments
  • カメバヒキオコシを訪花するトラマルハナバチ♀21/04/2014 - 0 Comments
  • 越冬地を探索するオオスズメバチ新女王09/05/2020 - 0 Comments