2023/04/01

山間部の路上で仲睦まじく相互毛繕いするニホンザル♀♂

 

2022年10月上旬・午後13:50頃・くもり

過疎地の山間部を通る舗装された峠道は、昼間も車の交通量が全くありません。 
2頭のニホンザルMacaca fuscata fuscata)が路上に寝そべって、のんびりと相互毛繕いをしていました。 
不思議なことに、長時間撮影していても周囲にニホンザルの群れが活動している気配は全くありませんでした。

体格差があるペアで、初めは親子なのかと思いました。
大きい方の個体は♂で、小さい方は若い♀でした。 
寝そべっていた小が起き上がり、2頭が並ぶと体格差が明らかになりました。 
大の股間には発達した睾丸と陰茎が見えたので、成獣♂と判明。 
しかし、睾丸や顔が紅潮してませんから、未だ発情期に入ってないようです。 
小柄な♀の胸に乳首は見えないので、若い♀のようです。 (少なくとも経産♀ではない。) 
若い♀と仲良くなった♂が、群れから♀をこっそり連れ出して逢引しているのかな? 
この♂はいわゆる「離れザル」なのかもしれません。

2頭は交互に甲斐甲斐しく対他毛繕いをやり合っています。 
密生した体毛を丹念にかき分けて蚤を探し出すと、指で器用に摘みとり、次々に食べてしまいます。 
ニホンザルはヒトと同じく親指と他の指が対向しているので(母指対向性)、器用に物を掴んだりつまんだりすることができるのです。
(霊長類以外の哺乳類でこんな芸当は解剖学的に不可能です。)
毛繕いしてもらう方は、体勢を次々と変えながら体の各部位の蚤を取ってもらいます。 
頭部も毛繕いしてもらいます。
起き上がって互いに背中合わせになり、各自で毛繕いすることもありました。 

近くでカケスGarrulus glandarius)がジェー♪という警戒声を発した途端に、寝そべって毛繕いを受けていた♀がガバッと起き上がり、♂と一緒に不安そうに周囲を見回しました。(@0:40〜) 
(ヘッドホンを付けて音量を最大に上げると、カケスの鳴き声がかすかに聞こえます。) 
カケスとニホンザルという系統的に遠く離れた異種間で警戒声の意味を共有しているようです。 
それ以前にも周囲で様々な鳥の鳴き声は聞こえていたのに、それに対してニホンザルは無反応でした。 
結局何事もなかったようで、ニホンザル2頭はすぐに警戒を解くと、毛繕いを再開しました。
おそらく林縁まで来たカケスが私の姿を認めて警戒声を発したのでしょう。

黄色っぽい昆虫が2頭の猿の周囲を高速で飛び回っても、猿は全く気にせずに対他毛繕いを続けています。(@1:40〜1:50) 
キイロスズメバチまたはスズメバチにベーツ擬態した吸血性のアカウシアブのようですが、ニホンザルは虫を恐れて逃げたり追い払ったりしませんでした。 


帰巣直後のモンスズメバチ♀が巣口を守る門衛と栄養交換【ハイスピード動画】

 



2022年8月上旬・午後・晴れ 

芝生の縁石の横にあるモンスズメバチVespa crabro)の巣穴bを観察しています。 
帰巣するワーカー♀が持ち帰る物(巣材または獲物の肉団子)をしっかり記録するために、三脚を立てて240-fpsのハイスピード動画で繰り返し撮影しています。 
撮影目的とは違うのですが、副産物で面白い行動が記録されていました。 

シーン1:午後14:15頃 
巣穴の入口を狭くしているのは、侵入者に対する防衛力を高めるためでしょう。 
2匹の成虫が巣口ですれ違うのに手間取るほど狭いです。 
外役から帰巣した蜂が巣穴になかなか入れてもらえないことがあるのは、門衛を務めるワーカー♀が巣口を内側からしっかり守っているからです。 
同じコロニー出身の仲間かどうか、巣口で誰何しているのでしょう(触角で確認)。 
巣口を塞いでいた門衛が一旦外に這い出てから帰巣個体の入巣を許し、自分も巣穴に戻ります。 

帰巣直後の外役ワーカー♀と門衛が巣口で熱い口づけを交わすことがありました。 
「行ってらっしゃい」のキスではなく、「おかえりなさい」のキスです。
この行動は栄養交換と呼ばれ、外で採餌してきた花蜜や樹液を吐き戻して門衛に分け与えているのです。 
しかも、この場合は♀同士のキスなので、性的な意味は全くありません。
(ちなみに♀♂間でも栄養交換は行います。♀→♂への吐き戻し給餌)
門衛との栄養交換が済むと巣内には入らず、すぐにまた外役(採餌)に出かけました。


シーン2:午後14:30頃 (@4:06〜) 
今度は三脚を逆向きに設置して、採寸のため縁石に1円玉(直径20mm)を置いてみました。 
ハイスピード動画で撮ったものの、スーパースローの意味がないので、早回しで等倍速に加工しています。 

巣穴から出てきた門衛が巣口付近をウロウロと徘徊しただけで、再び巣穴に戻りました。 
見慣れない異物が突然出現したのに、白く光る硬貨を見ても無害と判断したようです。 




2023/03/31

秋の夜にスギ林道の溜め糞場に通うホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬〜10月上旬

里山のスギ林道にある溜め糞場sに通ってくるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。

シーン1:9/27・午前3:51・気温16℃ 
深夜に林道を右からゆっくり登場したのは「フサ尾」でした。 
自分たちの溜め糞場sの匂いを嗅ぐと、なぜか大きく迂回しながら左に立ち去りました。 

 2分50秒後に再び「フサ尾」が左から戻って来ました。 
同一個体と考えてよいのか、いまいち自信がありません。 
「フサ尾」というのは正常な尻尾というだけの意味で、複数個体いることが分かっています。
対面に見えるスギ大木の根本の匂いを嗅いだだけで素通りし、右へ立ち去りました。 
アナグマの溜め糞やマーキング跡に対して、特に何も反応を示しませんでした。 

1分10秒後に同一個体?の「フサ尾」が右から戻って来ました。 
溜め糞場sを素通りして左へ行きました。 

結局、この日現れたタヌキは、林道を右往左往したものの溜め糞場で排便しませんでした。 
自分たちの溜め糞場の位置を忘れて探してるのかな? 
記憶に頼らずとも、匂いで分かると思うのですが…。
何者か(ヒトに限らずアナグマとか)が忌避物質を撒いたのなら、監視カメラに記録されているはずです。
それとも、監視カメラが長期間設置された溜め糞場にタヌキはすっかり嫌気が差したのでしょうか? 


シーン2:9/29・午後17:50・気温18℃ (@0:52〜) 
2日後の日没直後に「フサ尾」が林道を右から登場。 
ちなみに、日の入り時刻は午後17:29です。 
自分たちの溜め糞場sの匂いを嗅いだだけで、迂回しながら左へ立ち去りました。 
今回も排便しませんでした。 


シーン3:10/3・午前4:06・気温15℃ (@1:11〜) 
4日後の未明に「フサ尾」のタヌキが右から歩いて登場。 
自分たちの溜め糞場sの匂いを嗅ぎ回り、腰を下ろすと左を向いたまま(北向き)排便しました。 
やや硬目の糞を排泄した後は、元気に左へ走り去りました。 
久しぶりにこの溜め糞場sで排便してくれたので、安心しました。

ところで、タヌキが用を足している間に、キョロロロ…♪というアカショウビン♂(Halcyon coromanda major)の鳴き声のような、尻下がりの音階の声が真夜中の森に何度も響くのが気になりました。(@1:21〜) 
動画の音量を最大に上げると、かすかに聞き取れます。 
アカショウビン♂の囀りさえずりのように澄んだ鳴き声ではなく、濁っていました。 
しかもアカショウビンは夏鳥なので、この時期はもうとっくに南国へ渡去してるはずです。 
この鳴き声の主は何者なのでしょう? 
ご存知の方は教えてください。 
まさかタヌキがこんな鳴き声を発しませんよね?
日の出まであと1時間半もあります。 
ちなみに日の出時刻は午前5:33。 


溜め糞上でキバネクロバエ?狩りに失敗し、互いに縄張り争いをするサビハネカクシ

 



2022年9月下旬・午後13:50頃・晴れ 

里山の急斜面を直登する細い山道が廃れて、藪に覆われた獣道になっています。 
その廃道に新旧の下痢便が点々と2箇所にまとめて残されていました。(溜め糞場w) 
今回はホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞と思われる、もう一つの糞塊に注目します。 
やや古い(乾いた)糞塊上で2匹のサビハネカクシOntholestes gracilis)が尻尾をくねらせながら、互いに追いかけあっていました。 
大小の体格差があるのは、幼虫期の栄養状態を反映した個体差なのか、それとも性差なのか、どちらでしょう? 
出会い頭につっかかるように突進(攻撃・牽制?)しています。 
最後は体格の大きな個体が小さな個体を追い払いました。 
同種ですら獲物と認識しているというよりも、どうやら狩場を巡る占有行動のようです。 
以前の観察では、小さい個体が大きい個体を追い払ったので、単純に体長で勝敗が決まるとは言えません。
関連記事(1年前の撮影)▶ タヌキの溜め糞上でハエを襲うサビハネカクシ同士が出会うと…?

その間、おそらくキバネクロバエMesembrina resplendens)と思われる1匹のハエが溜め糞で吸汁していました。 
サビハネカクシが襲いかかっても、敏捷性に優れるキバネクロバエ?は易々と攻撃を交わし、素早く飛んで逃げました。 
獣糞に来るハエをすべて追い払ってしまうと産卵してくれませんから、獲物として捕食しやすいウジ虫が増えるように、ある程度は見逃してやる必要がありそうです。
肉食性のサビハネカクシが狩りに成功するシーンを私は未だ観察できていません。

ところで、撮影中に周囲で聞き慣れないカエルの鳴き声♪がするのですが、何ガエルですかね?
虫が逃げてしまった後のタヌキ?溜め糞場w

2023/03/30

ニホンイノシシのヌタ場を探せ(3)林道の水溜りで泥浴びせずマーキングしたカラマツも素通り【トレイルカメラ×2:暗視映像】

 


2022年10月上旬・午後19:00頃

里山の林道で常に水溜りができている区間があり、イノシシが泥浴び(ヌタ打ち)するヌタ場ではないかと予想した私はトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:9/26 
明るい日中に撮れた現場の様子です。 
画面の右端に水溜りの泥濘が黒々と写っています。 
ミゾソバなど湿地帯を好む下草が林道全面を覆い尽くしています。 


シーン2:10/4 (@0:04〜)
待ちわびたニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)が遂に夜の林道を歩いて左から登場しました。 
水たまりの手前で立ち止まったのに、なぜか泥浴びをしてくれませんでした。 
ヌタ打ちするには水深が浅過ぎるのでしょうか? 
左に曲がると、林道横の法面を登って行きました。 

斜面の途中のシナノキに固定した別のトレイルカメラに同一個体の動向が引き続き記録されていました。 
獣道の途中でカラマツの幹でイノシシが体を擦り付けたり牙を研いだりするのではないかと予想して監視していたのです。 
(泥汚れの付いた樹種をアカマツと長らく思い込んでいたのですが、最近カラマツだと分かったので訂正します。) 
口元に牙が見えない(短い)ので、おそらく♀と思われます。 
斜め上から見下ろすアングルでは、乳首の有無が確認できませんでした。 
成獣♀なら、なぜ幼獣を連れていないのでしょうか?  
もう子別れした後なのかな? 

残念ながらカメラを設置した画角に失敗していて、立ち止まったイノシシ♀がカラマツの木の下で何をしたのかどうか写っていませんでした。(痛恨のミス…)
現場でカメラの液晶モニターを見ながら画角を決めても、最後にワイヤーロックで固定する際に向きがズレがちなのです。
音量を上げてもイノシシの鼻息♪が聞こえるだけで、カラマツに体をゴシゴシと擦り付けているような物音は録音されていませんでした。
おそらく素通りしたのではないか、と考えています。 


シーン3:9/26
明るい昼間に撮れた泥カラマツ下の現場の様子です。
画面の右上隅がカラマツの根元です。


当地では幸か不幸かイノシシの生息数がまだ少ないようで、トレイルカメラを設置してもなかなか写りません。 
撮影効率があまりにも悪くて、調査が遅々として捗りません。 
イノシシのヌタ場だと思った水溜りは、どうやら私の見当違いだったかもしれません。
(絶対にヌタ場だと思ったのはヌカ喜びで、本命のヌタ場は別にある?)
秋になって気温が下がると、泥浴びする頻度が下がるのかな?


豚熱というウイルス性疾患の全国的な流行で野生イノシシの生息数が激減しているらしい、と報じたニュースを最近知りました。 
ジビエとしてイノシシを狩る猟師は困っているのだそうです。 
山形県内の野生イノシシにも影響が出ているのかどうかは知りません。
隣の福島県までは豚熱で死んだイノシシが報告されていました。
私は山中でイノシシの病死体を見つけたこともありません。





ウツボグサの花蜜を吸うモンキチョウ♂

 

2022年6月下旬・午後16:35頃・晴れ 

某低山の山頂広場に咲いたウツボグサの小群落でモンキチョウ♂(Colias erate poliographus)が訪花していました。 
シソ科に特有の唇形花から翅を閉じたまま吸蜜しています。 この組み合わせは初見です。

2023/03/29

木の実を安全に隠す場所を決めかねて朝の杉林道を右往左往するニホンリス【トレイルカメラ】

 



2022年9月下旬・午前7:07・晴れ・気温16℃ 

朝のスギ林道にニホンリスSciurus lis)が登場しました。 
どうやらドングリなど小さな木の実(堅果)を口に咥えて運んでいるようです。 

冒頭から林道上に立ち止まり、スギの落ち葉を掘っていました。 
やや遠くてよく見えないのですが、木の実を地中に隠そうとしている(貯食)ようです。
スギ林の林床にリスが好む木の実は落ちていませんから、落ち葉を掘り返して採食するはずがありません。 
結局リスは地中に埋めるのを諦めたようで、木の実を咥えたまま対面のスギ大木を勢い良く走って登りました。 
ところが、すぐに杉の幹を駆け降りると、林道を手前に走って横断しました。 
林道脇の法面を駆け上がったのかと思いきや、画面の左下から再登場。 
対面のスギ大木に戻ると、幹を少し登っただけで、すぐに地面に降りました。 
やたらとスギの木に戻るのは、捕食者を警戒して必ず安全な大木を経由して移動するようにしているのかな? 
この森でリスを狩る捕食者を想像できないのですけど※、夜ならフクロウが野ネズミを狩っていました。 
※ 天敵の可能性としては、猛禽、キツネ、ホンドテン、ヘビなどがリスを捕食しそうです。


松原卓二『りすぼん』によると、
猛禽類(ワシ、タカ、フクロウなど)、テン、ネコなどが天敵です。(p111より引用)

あるいは、リスがスギの樹上に木の実を隠すことがあるのかもしれません。
最後はスギ大木の反対側に回り込み、藪の生い茂る奥の斜面を右に走り去りました。 

チョロチョロと落ち着き無く走り回るニホンリスの動向を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:47〜) 
スロー再生時にリスの口元をしっかり見たくて、画面に1.2倍のデジタルズーム(拡大)を施しました。 
ドングリなどの木の実(堅果)を拾ったリスが安全な貯食場所を探しあぐねて右往左往している、というのが私の解釈です。 
この林道では野ネズミが夜な夜な餌を探し歩いているので、リスが林道の地中にドングリを埋めただけでは野ネズミにすぐ嗅ぎつけられて横取りされてしまうでしょう。(労働寄生、盗み寄生) 
リスは冬眠しませんから、雪国の冬が来る前に大量の木の実を貯食する必要があります。
森の中で安全な隠し場所をひとつずつ探すのも、そして貯食した場所をすべて記憶するのも骨が折れそうです。
リスが遠くに運んで食べ忘れた少数の木の実だけが春になると芽を出して育ちますから、ドングリなど堅果の種子散布にリスは一役買っていることになります。


コスモスに訪花吸蜜するクロマルハナバチ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年9月下旬・午前10:10頃・晴れ および 10月下旬・午前10:15頃・晴れ 

山麓の農村部の道端に咲いたコスモス(秋桜)にクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。 
雄蜂♂との組み合わせは初見です。
関連記事(6年前の撮影)▶ コスモスに訪花するクロマルハナバチ♀
約3週間後にも全く同じ場所でクロマルハナバチ♂がコスモスの花蜜を吸いに来ていて、じっくり撮れたので(@0:27〜)、2回分の動画をまとめました。 
コスモスの花の色には選り好みせず、ピンクと赤紫の花から吸蜜していました。 
雄蜂♂は訪花しても集粉・採餌をしないで、自分の栄養源として吸蜜するだけです。 
ですから、雄蜂♂の後脚には花粉籠がありません。

カメラを近づけると、蜂の羽音♪が聞こえます。 
蜂の毒針は♀の産卵管が変形したものですから、雄蜂♂にはありません。 
したがって、雄蜂♂に刺される心配は全くありません。 
クロマルハナバチは体色が性的二型で、雄蜂♂は非常にカラフルですからすぐに分かります。

クロマルハナバチ♂がコスモスの花に忙しなく離着陸する様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:12〜)
秋風が吹いて花が絶え間なく揺れる悪条件でも、スーパースローで見れば気にならなくなり、むしろドラマチックに写ります。
蜂がコスモスの花に止まると、蜂の体重で頭花の茎が大きくしなります。
ちなみに、冒頭のシーンは慌てて撮ったので、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2023/03/28

林道でミゾソバを夜な夜な食べ歩くニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬 

沢の水が林道に流れ込んで年中水溜りができている区間で夜な夜な採食するニホンカモシカCapricornis crispus)の記録です。 

シーン0:9/19・午後14:40頃 
明るい昼間に撮れた現場の状況です。 
画面の右端に水溜りの黒い泥濘が少し写っています。


シーン1:9/21・午後23:25頃 (@0:06〜) 
深夜の林道を右から現れたカモシカが頭を下げて、林道上に繁茂するミゾソバなどの下草を食べています。 
角が太くて立派な成獣です。 
左半身しか見えないので、右肩に黒班があるかどうか不明です。 
食べ歩きしながら少しずつ左に移動して行きます。 


シーン2:9/25・午後22:37 (@1:18〜) 
4日後の夜にも、カモシカが林道の下草を採食しに来ていました。 
しっかりと個体識別ができていませんが、前回と同一個体なのでしょうか? 
体格は同じでした。
やはり林道を右から登場し、ゆっくりと左に移動しながら採食しています。 



草の根元に潜り込もうとするシロテンハナムグリの謎

 

2022年9月下旬・午後12:25頃・晴れ 

里山の尾根道を縦走していたら、何か大きな昆虫がブーン♪と重低音の羽音を立てながら低く飛んで来ました。 
着陸した虫の正体はシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)でした。 
(映像はここから) 

イネ科の草が疎らに生えた尾根道をウロウロと歩き回り、なぜか草の根際に頭をグイグイ突っ込んで潜り込もうとしています。 
自力で深い穴を掘る力は無いようで、結局は草の根元を反対側に通り抜けてしまいました。 
一体シロテンハナムグリは何がしたいのでしょうか? 
根掘り葉掘り聞いてみたいところです。 

草の根を食べるのかと一瞬思ったのですが、シロテンハナムグリ成虫の口器は樹液や花蜜、花粉などを舐め取るだけで、草の根を噛み切って食べることはできないでしょう。
幼虫ならあり得るかもしれません。
しかしネット検索しても、シロテンハナムグリ幼虫は芝生の害虫とはされていないようです。 
私にはシロテンハナムグリ成虫の性別を外見から見分けられない(見分け方を知らない)のですけど、産卵目的の♀なのでしょうか? 
それとも地中から羽化してくる♀を待ち伏せして交尾したい♂なのかな? 
単に穴を掘って隠れたいだけなのかもしれません。


関連記事(10年前の撮影)▶ マメコガネ:謎の穴掘り行動

2023/03/27

スギ林道で夜な夜な餌を探し回る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬 

里山のスギ林道に設置された自動撮影カメラに写った野ネズミ(ノネズミ)の記録です。 

シーン1:9/22・午後22:32・小雨・気温16℃ 
画面の右下隅の辺りをウロチョロしています。 
しばらくすると、戻ってきた同一個体?が林道を右へ走り去りました。 

実は画面の右下隅の辺りに野ネズミの巣穴があることが後に判明します。 


シーン2:9/23・午前00:28・小雨・気温16℃ (@0:23〜) 
2時間後も小雨が降り続いています。 
対面に見えるスギ大木の根元から左に少し移動してから林道を手前に横断しました。 
しばらくすると、画面下から林道に戻って来ました。 
タヌキとアナグマが共有している溜め糞場sをあちこち駆け回ります。 
しかし、溜め糞に含まれる未消化の種子とか食糞性昆虫を目当てに来たという訳でもなさそうです。 
林道上に転がっている落枝に乗ると、伝い歩きします。 
この地点で野ネズミがこれほど長時間写ったのは初めてかもしれません。 
スギ植林地の林床には野ネズミが好むドングリなどの堅果は落ちていないはずなのに、一体何を探し歩いているのか、不思議でなりません。 
「探しものは何ですか?」 


【追記】
以前、このスギ林道でリスがクルミを貯食していました。
想像を逞しくすると、野ネズミはリスが隠した(埋めた)貯食物をたまたま見つけて横取りした成功体験(労働寄生、盗み寄生)が忘れられずに、この林道に執着して熱心に探索しているのかもしれません。



シーン3:9/23・午前4:01・気温16℃ (@1:23〜) 
3.5時間後、野ネズミが林道を手前に横断しました。 
どうやら小雨は降り止んだようです。


シーン4:9/24・午後21:18・気温16℃ (@1:29〜)
画面中央から奥に向かって林道を横断すると、スギ大木の根元にぶつかりそうになってから右折し、下草の陰に姿を消しました。 
画面奥の斜面を谷側に下って行ったのかもしれません。 



カラムシの葉を綴った巣内に隠れて食事するアカタテハの幼虫

 

2022年9月下旬・午後15:30頃・晴れ 

川沿いの民家の庭で生け垣の隙間にカラムシの群落が生えていました。 
カラムシの花が咲き終わり、実が穂になっています。 
そのカラムシ群落にアカタテハVanessa indica)の幼虫が作った巣が多数見つかりました。 
カラムシの葉裏は白いので、葉裏を表側にして絹糸で綴り合わせた隠れ家は、緑のカラムシ群落では逆に目立っています。 

食草(食材)を巣材としているため、中に潜むアカタテハ幼虫が食べ進むと食事中の上半身が丸見えになります。 
巣材のカラムシ葉の縁からきれいに蚕食していました。 


食事シーンを記録した後で、アカタテハ幼虫の隠れ家を暴いてみることにしました。 
巣材のカラムシ葉同士を綴り合わせる絹糸をペリペリと剥がして巣を開いても、中のアカタテハ幼虫は丸まってじっとしているだけでした。 
暴れて威嚇したり、擬死落下したりすることはありませんでした。 
アカタテハ幼虫の体表に並ぶトゲトゲは見掛け倒しで、ヒトが触れても痛くないのですが、威嚇効果に自信があるのでしょうか? 
別の大きな巣をもう一つぐらい暴いてみるべきでしたね。

アカタテハ幼虫がカラムシの葉を綴り合わせて隠れ家を作る様子をタイムラプスで記録するのが来季以降の課題です。

2023/03/26

早朝のスギ林道を3本足で歩く負傷ニホンザル【トレイルカメラ】

 



2022年9月下旬・午前6:22・気温20℃ (日の出時刻は午前5:25) 

トレイルカメラで監視している里山のスギ林道を通過したニホンザルMacaca fuscata fuscata)の記録です。 
とっくに夜が明けたはずなのに、スギ山林の朝は未だかなり薄暗く、相当ざらついた画質です。 
これならむしろ暗視モードで記録して欲しかったところです。 
もしかすると、朝霧が少し立ち込めているのかもしれません。 

林道を1頭のニホンザルが右に歩き去りました。 
左から来たのならカメラの起動が遅れたのはなぜだろう?と不思議に思っていたら、2番目の個体が右下隅から林道に登場しました。 
林道脇の法面(斜面)の獣道を山側から下って来たようです。 
後続の個体は歩行が痛々しく、右後脚を地面に着かずに3本足でヒョコヒョコと跛行していました。 
棘を踏むなど怪我したのでしょうか? 
生まれつきの奇形かもしれませんし、あるいは「猿も木から落ちる」で骨折した個体なのかな?

関連記事(1年前の撮影)▶ 左後脚を負傷して跛行する野生ニホンザル

関連記事(同じ山系で10日後に撮影)▶ 不自由な右後足をかばって跛行するニホンザル♀


つづく→

ヌスビトハギの節果がマジックテープのように服に付着する様を実演してみる(ひっつき虫)【動物散布型の種子】

 

2022年9月下旬・午前11:30頃・晴れ 

山林の下草として咲いていたヌスビトハギの花が散り、節果が熟してきました。 
その表面はザラザラしており、鈎状の微細な突起に覆われているのだそうです。 
野山を歩く我々の衣服や靴にペタペタと付着して遠くに運ばれます。 
つまり、ヌスビトハギの実は俗に言う「ひっつき虫」の一種で、その種子散布の様式は動物散布型です。
マジックテープ(面ファスナー)のように衣服に付着する様子を実演してみました。 
採取した節果をバラバラに分離してからTシャツの腹に付けてみると、粘着して落ちません。
通りすがりの動物や鳥の体表に強固に付着するのではなく、ペリペリと簡単に剥がれる点もポイントです。 

※ 動画の冒頭に、ヌスビトハギの蝶形花を撮った写真(9月上旬)のスライドショーを追加しました。

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