前回の記事:▶ スギ林道でクルミの実を運ぶニホンリス【トレイルカメラ】
2022年9月下旬・午前7:07・晴れ・気温16℃
朝のスギ林道にニホンリス(Sciurus lis)が登場しました。
どうやらドングリなど小さな木の実(堅果)を口に咥えて運んでいるようです。
冒頭から林道上に立ち止まり、スギの落ち葉を掘っていました。
やや遠くてよく見えないのですが、木の実を地中に隠そうとしている(貯食)ようです。
スギ林の林床にリスが好む木の実は落ちていませんから、落ち葉を掘り返して採食するはずがありません。
結局リスは地中に埋めるのを諦めたようで、木の実を咥えたまま対面のスギ大木を勢い良く走って登りました。
ところが、すぐに杉の幹を駆け降りると、林道を手前に走って横断しました。
林道脇の法面を駆け上がったのかと思いきや、画面の左下から再登場。
対面のスギ大木に戻ると、幹を少し登っただけで、すぐに地面に降りました。
やたらとスギの木に戻るのは、捕食者を警戒して必ず安全な大木を経由して移動するようにしているのかな?
この森でリスを狩る捕食者を想像できないのですけど※、夜ならフクロウが野ネズミを狩っていました。
※ 天敵の可能性としては、猛禽、キツネ、ホンドテン、ヘビなどがリスを捕食しそうです。
松原卓二『りすぼん』によると、
猛禽類(ワシ、タカ、フクロウなど)、テン、ネコなどが天敵です。(p111より引用)
あるいは、リスがスギの樹上に木の実を隠すことがあるのかもしれません。
最後はスギ大木の反対側に回り込み、藪の生い茂る奥の斜面を右に走り去りました。
チョロチョロと落ち着き無く走り回るニホンリスの動向を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:47〜)
スロー再生時にリスの口元をしっかり見たくて、画面に1.2倍のデジタルズーム(拡大)を施しました。
ドングリなどの木の実(堅果)を拾ったリスが安全な貯食場所を探しあぐねて右往左往している、というのが私の解釈です。
この林道では野ネズミが夜な夜な餌を探し歩いているので、リスが林道の地中にドングリを埋めただけでは野ネズミにすぐ嗅ぎつけられて横取りされてしまうでしょう。(労働寄生、盗み寄生)
リスは冬眠しませんから、雪国の冬が来る前に大量の木の実を貯食する必要があります。
森の中で安全な隠し場所をひとつずつ探すのも、そして貯食した場所をすべて記憶するのも骨が折れそうです。
リスが遠くに運んで食べ忘れた少数の木の実だけが春になると芽を出して育ちますから、ドングリなど堅果の種子散布にリスは一役買っていることになります。
0 件のコメント:
コメントを投稿