2020/10/17

後食中に排便するゴマダラカミキリ

 

2020年7月上中下旬・午後15:00頃・晴れ
▼前回の記事 
オノエヤナギの樹皮を後食するゴマダラカミキリ

ゴマダラカミキリAnoplophora malasiaca)がオノエヤナギの小枝にしがみついて樹皮を後食するシーンを接写していたら、腹端から細長い糞が伸びてきて、ポロリと落ちました。
排便中も後食を続けています。 
しばらくすると、小枝で方向転換し上向きで静止したと思いきや、腹端を少し持ち上げて再び脱糞開始。 
2回目は短い糞でした。
カミキリムシ成虫の脱糞シーンを観察したのは、これが初めてでした。 
いかにも草食動物らしい、繊維質が多い糞ですね。  

※ 動画編集時のミスで無音になってしまいました。

暗渠に逃げ込んだヤマカガシとにらめっこ

 

2020年7月下旬・午後15:30頃・くもり 

里山の峠道を私が歩いていると、ヤマカガシRhabdophis tigrinus)が山林の獣道から蛇行しながら暗渠に慌てて逃げ込みました。 
山側から流れる沢の水を谷側の山林に流すための排水路ですが、この日は水路の底は乾いていました。 
よくあるコンクリート三面張りの狭い排水路(幅40cm、深さ20cm)で、底には大量の落ち葉が堆積しています。 
実は全く同じ排水路にアナグマが潜り込むのを数ヶ月前に撮影しました。 
野生動物にとって格好の緊急避難所なのでしょう。
▼関連記事(51日前の撮影) 
野生ニホンアナグマの探餌行動と本家「穴熊戦法」
舗装路を横断するように埋設された水路を金網状の蓋(アルミ・メッシュ)が塞いでいます。
上から見下ろすと、金網の隙間から蛇行するヤマカガシの姿が見えました。 
ときどき黒っぽい舌を高速で出し入れして、周囲の様子を窺っています。  

暗渠の入り口にそっと回り込んで奥を見てみましょう。 
ヤマカガシは毒蛇なので噛まれないよう注意が必要です。  
とぐろを巻いたヤマカガシの全身をしっかり拝むことが出来ました。 
トンネルの入口付近で上半身は方向転換し、顔は油断なく私の方を向いています。 
私を見つめる蛇は瞬きをしないので表情がなく、ちょっと不気味です。 
正面から対峙すると、高速ベロをあまりやらなくなってしまいました。 
ストロボを焚いて写真撮影してもヤマカガシは無反応でした。  

私が再び上から金網越しに蛇を見下ろし、目障りな落ち葉を取り除くと、ヤマカガシは警戒して頻繁に高速ベロを繰り返すようになりました。 
蛇行で暗渠の奥へ奥へと逃げ込むも、下半身は入口付近に残したままです。(頭隠して尻隠さず) 

もし私が暗渠の出入り口2箇所を塞いでしまえば、ヤマカガシは完全に檻に囚われた状態になります。 
こんな機会は滅多に無いので、ヤマカガシで撮れるテーマは他に無いか、頭を絞って考えてみました。 

2020/10/16

アキカラマツの花で食餌するコアオハナムグリ

 

2020年7月下旬・午後17:10頃・くもり 

 農村部の道端に咲いたアキカラマツ(別名タカトグサ)の群落で夕方にコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
やや逆光ですが、花粉を食べているようです。

ストロボを焚いたら見た目の印象が変わってしまいました。
右上の花穂にコアオハナムグリ

オオアワダチソウの花蜜を吸うハラアカヤドリハキリバチ

 

2020年7月下旬・午後13:25頃・くもり 

山麓の道端に咲いたオオアワダチソウの群落でハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ)Euaspis basalis)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
吸蜜シーンをいそいそと撮影しました。

2020/10/15

ソバ畑の芽生えを採食するキジバトの群れ(野鳥)

 

2020年7月下旬・午後16:40頃・くもり 

種を蒔いたばかりのソバ畑でキジバトStreptopelia orientalis)の群れが何やら採食していました。 
キジバトの羽の色は見事な保護色で全く目立ちません。 
畑や休耕地に上手く紛れています。  
観察しようと近づいた私を警戒して何羽か逃げてしまったものの、居残ってくれた3羽の群れを撮影できました。 

ソバ畑で3羽のキジバトはつかず離れず歩き回り、地面を啄んでいます。 
よく見ると、種子から白くて細長いひげ根が出た芽生えをキジバトはたまに食べていました。  (@2:30〜)

採食の合間に足で体を頻りに掻いています。 (@1:30)
虫を嫌がっているのかな?


関連記事(3年後の撮影)▶ ソバ畑に集まり芽生えを食べるキジバトの群れ(野鳥)
撮影時は何か作物を植えた畑なのか、それともただの休耕地なのか、分かりませんでした。 

9月上旬に現地を再訪すると、独特の芳香がする白い花が一面に咲いていたことから、ソバ畑と判明しました。

ベニバナインゲンの花で採餌するトラマルハナバチ♀

 

2020年7月下旬・午前11:00頃・晴れ 

民家の家庭菜園で育ったベニバナインゲン(別名:花豆、紫花豆)クロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
調べてみると、マルハナバチ類の中にはベニバナインゲンの花から盗蜜する種がいるそうです。
松村千鶴; 鷲谷いづみ. セイヨウオオマルハナバチによる盗蜜が作物ベニバナインゲン (ハナマメ) の結実に与える影響. In: 日本生態学会大会講演要旨集 第 52 回日本生態学会大会 大阪大会. 日本生態学会, 2005. p. 799-799.
しかしトラマルハナバチは長舌種なので盗蜜する必要がなく、正当訪花で吸蜜しています。 
集粉している証拠に、後脚の花粉籠に薄い橙色の花粉団子を満載していました。 
ベニバナインゲンの蝶形花の中央部にはひときわ赤い蜜標があるようで、ハナバチはそれを目印に吸蜜しているのでしょう。  

短い出会いを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
隣接する花には飛ばずに歩いて移動しました。

2020/10/14

リョウブの花蜜を吸うサカハチチョウ夏型

 

2020年7月下旬・午後14:00頃・くもり 

里山を抜ける峠道の横に自生するリョウブの灌木で夏型のサカハチチョウAraschnia burejana)が訪花していました。 
半開きの翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。 
この組み合わせも初見です。

山腹に座って反芻・雨宿りするニホンカモシカ

▼前回の記事 
雨の山腹でクズやオニグルミの蔓・葉を採食するニホンカモシカ

2020年7月下旬・午後13:40〜13:45・小雨 

食後のニホンカモシカCapricornis crispus)は山腹の藪の中に潜り込んで座りました。 
オニグルミ?灌木やヨシの茂みの下で雨宿りするのでしょう。 
下草に隠れて体勢がよく見えませんが、脚を斜め前に投げ出して山腹の斜面に横たわっているようです。   
座った姿勢のまま、口をモグモグさせて吐き戻した食べ物の反芻を始めました。 
▼関連記事(9年前の撮影) 
野生ニホンカモシカの反芻行動

ときどき首を曲げて、右の腹を口で甘噛みしたり掻いたりしています。 
右後脚の蹄で右耳や顔の頬をガリガリ掻くこともありました。 
虫に吸血されて痒いのでしょう。 
背中の皮をピクピクと震わせて蚊を追い払います。(@4:30) 
これはヒトには出来ない芸当です。  

カモシカの毛皮が地味で目立たない保護色のため、カメラをズームアウトすると、どこに隠れているのか全く分からなくなります。  
カモシカが反芻を終えて立ち上がるまで長時間の微速度撮影をするのも面白いかな?と悩んだのですけど、雨天で断念。 
この日はあいにく傘を持って来ていなかったので、カメラを濡らしたくありません。

2020/10/13

ヤブガラシの花で吸蜜ホバリングするシタキモモブトスカシバ(蛾)【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年7月下旬・午後12:15頃・晴れ 

郊外の民家の庭先に蔓延るヤブガラシのマント群落でシタキモモブトスカシバMelittia inouei)が訪花していました。 
猛烈な勢いで羽ばたいてホバリング(停空飛翔)しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。
吸蜜中は花に前脚を掛けていても、羽ばたきを止めません。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:40〜) 
いつものように、シタキモモブトスカシバは停飛中に毛深い後脚を交互にゆっくり動かして宙を掻いているのが不思議です。 
吸蜜が済むと長い口吻をゼンマイのようにくるくると丸め、次の花へ向かいます。



【追記】
有田豊、池田真澄『擬態する蛾スカシバガ』という素晴らしい本で「行動の擬態」を扱った章を読むと、
オオモモブトスカシバやシタキモモブトスカシバはヤブガラシの花に飛来し、前脚を花にかけて空中で翅をはげしく動かし、ホバリングしながらセイヨウミツバチやマルハナバチ類のように後脚を「く」の字に曲げて交互に動かして、吸蜜しながら花から花へと移動して行く。飛翔しながら後脚を「く」の字に曲げて交互に動かす行動は、ミツバチ類やマルハナバチ類とまったく同じである。 (p74より引用)

更に、欧州産のスカシバ大型種とモンスズメバチの羽音のオシログラフを調べるとよく似ていたそうです。

羽音が捕食者に対してどのように伝わっているかは分からないが、すくなくとも人の耳にはほとんど同じに聞こえる。(p74より)

オノエヤナギの樹皮を後食するゴマダラカミキリ

 

2020年7月下旬・午後14:50頃・晴れ 

今年の梅雨は降雨量が多く、湿地帯(ヨシ原)だった所が冠水して氾濫原になっていました。 
湿地帯の端に自生するオノエヤナギの幼木(樹高〜2m)でゴマダラカミキリAnoplophora malasiaca)を見つけました。
マクロレンズで接写してみましょう。 
小枝の樹皮の表面を口髭で探りながら徘徊(小枝を登り降り)しています。 
樹皮が剥がされた(既に食べられた?)部分に口を付けて味見しました。 
細い小枝にしがみついたまま器用に方向転換して下向きになりました。 
その体勢で小枝の樹皮を鋭い大顎で齧り始めました。 もし小枝を噛み切ってしまうと、自身も落下してしまいますが、黄緑色の樹皮だけを食べています。 
『新カミキリムシハンドブック』でゴマダラカミキリを調べると、
成虫は6〜8月に出現し、新梢の樹皮を食べる。(p84より引用)
とのことです。 
実はカミキリムシの成虫がフィールドで食樹を後食こうしょくするシーンを見たのは今回が初めてで、なかなか感動しました。
▼関連記事(7年前の撮影@柳の木) 
ゴマダラカミキリの木登りと身繕い

(カミキリムシの:しぐま註)後食とは、幼虫の摂食と区別して、成虫が摂食すること。(新開孝『虫のしわざ観察ガイド—野山で見つかる食痕・産卵痕・巣』p25より引用)

ところで、この個体の性別をどなたか教えて下さい。 
触角の長さが識別点と言われても、フィールドで単独個体の場合、恥ずかしながら私にはいつも見分けられないのです。 
例えば「触角の先が腹端を超える長さなら♂」とか具体的に記述して欲しいものです。 

 ※ 動画編集ミスで無音になってしまいました。 
修正するにはまた一から編集しないといけないので、そのままお届けします。 
風でザワザワ揺れる柳の葉の音がしないと味気ないですね(臨場感に欠ける)。 

2020/10/12

親鳥に給餌された甲虫をスズメの幼鳥が捕食(野鳥)

 

2020年7月下旬・午後15:15・くもり 

住宅地の路地裏でスズメPasser montanus)の幼鳥が親鳥から何か餌を受け取りました。(巣外給餌) 
幼鳥をその場に残して親鳥が飛び去った直後から映像が始まります。 

獲物は黒い昆虫の腹部です。
翅や頭部・胸部を親鳥に毟り取られた後なので特徴が無く、同定するのは無理そうです。 
素人目には甲虫でコガネムシの仲間のような気がするのですけど、どうでしょうか?  

獲物は既に死んでいるのに、スズメ幼鳥が咥えた獲物を振り回したり叩きつけたりするのは、解体処理の練習をしているのでしょう。 
舗装路で獲物が転がってしまっても、追いかけて捕食を続けます。 
堤防路から見下ろすアングルで撮影している私の死角にスズメ幼鳥は消えてしまいました。
無事に獲物を食べ終えたのか、スズメ幼鳥は道路の横のブロック塀に一旦飛び上がってから、どこかへ飛び去りました。

ヒメイワダレソウの花で採餌するセイヨウミツバチ♀

 

2020年7月下旬・午前11:55・くもり 

道端の花壇に見慣れない園芸植物の白い花が咲いていました。 
シロツメクサと少し似ていて、やや小さな花です。 
家に帰ってから調べてみると、ようやく南米原産のヒメイワダレソウ(リッピア)と判明。
そこに複数のセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀がブンブン♪羽音を立てて飛び回り、訪花していました。 
後脚の花粉籠に微量の黄色い花粉団子を付けています。 

実はニホンミツバチ♀も少数ながら来ていたのですが、撮り損ねました。

2020/10/11

オオアワダチソウの花を舐めるオオハナアブ♂

 

2020年7月下旬・午後13:30頃・小雨 

山村部の道端に咲いたオオアワダチソウの群落でオオハナアブ♂(Phytomia zonata)が訪花していました。 
口吻を伸縮させて花粉や花蜜を摂取しています。 
この組み合わせは初見です。

雨の山腹でクズやオニグルミの蔓・葉を採食するニホンカモシカ

 

2020年7月下旬・午後13:30頃・小雨 

里山の麓近くの急斜面でニホンカモシカCapricornis crispus)を発見。 
草刈後に再び下草が生えてきた山の斜面で草を喰んでいます。 
後ろ姿の股間を見てもカモシカは外性器が全く見えないので、性別が不明です。 
黒い角が未だ細いので若い個体なのでしょうか? 

 採食メニューは主にクズの蔓の先端部や若葉でした。 
育ち切ったクズがすぐそばに生えているのに食べないのは、固くて繊維質で不味いからと思われます。 
白い花(ヒメジョオン?)も食べませんでした。 

ふと麓を見下ろしたカモシカが私の姿を見つけたのか、急に動きを止めました。 
私も撮影中はじっとしているので、視力があまり良くないカモシカはすぐに採食を再開。  
途中からカメラを三脚に固定しました。 
雨がやや激しくなってきたので、帽子をカメラにかざして濡れないよう雨を凌ぎました。 

やがてカモシカは斜面を少し登り、右にトラバースし始めました。 
茂み(?灌木)の陰で雨宿りしながら、振り返ったカモシカが私の方を見下ろしています。 
じっと佇むカモシカの脇腹が呼吸で動いています。 
何か気になる物音を聞いたのか、左耳が横に大きく動きました。 
ペロペロと舌舐めずり。 

首を伸ばし頭を持ち上げて、頭上の茂みの匂いを嗅ぐと、オニグルミと思しき幼木の若葉を食べました。 (@5:10、6:55)
木の葉を噛みちぎる際に下顎の白い歯が見えました。 
横にはミズナラ幼木も見えますが、カモシカが口にしたのはオニグルミ?の葉です。 
つづいてクズの若葉も採食。 
最後は下生えを採食しながら木陰の死角に移動してしまいました。 



【追記】
伊東祐朔『カモシカ騒動記―天然記念物は害獣か』によると、
 ニホンカモシカは、ウシ科の動物の特徴として、上顎の門歯と犬歯が欠落しています。上の前歯がないのです。だからヒノキのやわらかい新芽、すなわち頂芽の部分しか食えないのです。(p36より引用)

ランダムに記事を読む

  • 飛べ!オイワケキエダシャク【蛾:ハイスピード動画】25/04/2015 - 0 Comments
  • メスグロヒョウモン♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】10/07/2015 - 0 Comments
  • 川の倒木で羽根を乾かしながら脱糞するカワウ(野鳥)29/12/2018 - 0 Comments
  • セアカヒメオトシブミの揺籃作り【中編】20/05/2015 - 0 Comments
  • 野生ニホンザルの花見26/03/2011 - 0 Comments