2024/12/07

真冬に根曲がり巣穴の入口でウロチョロする雪国の野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月上旬〜中旬 

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴」を自動撮影カメラで見張っています。 
この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かりました。 
野ネズミも同居している(少なくとも巣口aを共有している)可能性があります。 
実はすぐ近く(右斜め背後)にもう一つ同様の巣穴bがあり、そこにもイタチが出入りしていたのですが、撮影機材が足りないので2つの巣穴a,bを同時に見張ることができません。 
巣口aの手前の地面にはツルウメモドキの赤い実が見えます。 

野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:1/8・午後18:35(@0:04〜) 
晩に野ネズミが左から走って根曲がり巣穴aに入りみました。 
外には雪(湿雪)が一面に積もっています。 
 一瞬の入巣シーンを1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン2:1/8・午後18:37(@0:20〜) 
2分後に、野ネズミが再び巣口を右往左往していました。 
雪が深く積もった外には出て行こうとしません。 
野ネズミが根曲がり巣穴aにニホンイタチと同居しているとしたら驚きです。 
イタチに食い殺されないのが不思議でなりません。 
イタチは留守にしているのでしょうか? 


シーン3:1/11・午後18:34(@0:58〜) 
暖冬で3日後には雪がすっかり溶けていました。 
これ以降、トレイルカメラの電池がすっかり消耗してしまい、たった1秒間しか暗視動画が記録されなくなりました。 
野ネズミが巣口で立ち止まって何かしています。(毛繕い?) 


シーン4:1/11・午後18:35(@1:06〜) 
1分後にも野ネズミが左から巣穴に駆け込みました。 


シーン5:1/15・午後17:35(@1:14〜) 
また雪が降って少し積もりました。 



雪山で元日の夜にスギ樹上から懸垂下降するクモ(蜘蛛)の謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年1月上旬・午後17:30頃・日の入り時刻は午後16:33 

里山のスギ植林地上端部でニホンカモシカの溜め糞場sr1を見張っているトレイルカメラに、元日の日没後に奇妙な未確認物体が写っていました。 
画面の左上で空中に浮いたまま輝いている小さな白点に注目して下さい。 
スギ樹上からクモ(蜘蛛:種名不詳)が糸を引きながら懸垂下降しているようで、上下斜めに動いています。 
映像では遠近感が掴みにくいのですが、あまりにもスムーズで直線的な動きなので、フジ蔓やスギの幹の表面をクモが歩いて登り降りしているのではなく、糸に吊り下がった懸垂下降だと思います。 
変温動物のクモが厳冬期の雪山で活動しているとは、ちょっとした驚きです。 
このクモの動きはただの移動なのか、それともまさか造網行動なのでしょうか?
トレイルカメラの旧機種では、動画撮影時の気温データが取得できないのが残念です。 

そもそも今回トレイルカメラが起動した理由が不明です。
風も吹いていない静かな晴れた夜ですから、素直に考えれば、この小さなクモが変温動物のはずなのに厳冬期の雪山で発熱していることになってしまい、常識に反する大発見です。 
夜行性のクモをサーモグラフィカメラで撮影すれば、発熱の有無を確かめられるはずです。 
吸血性の蚊は鳥や哺乳類の呼気に含まれる二酸化炭素と体温に誘引されて飛来するそうです。
造網性のクモが冬に発熱して、獲物となる蚊を誘引しているという大胆な仮説を思いつきました。
発熱のコストに見合わないと、すぐに反論されそうですね。
越冬する虫は凍結による細胞や組織の破壊を防ぐために、予め絶食して体内の細胞内に水分の代わりに不凍液を満たすのだそうです。
その定説が正しければ、そもそも厳冬期の雪山でクモが獲物を狩って捕食するのは自殺行為になってしまいます。

直前に恒温動物(鳥類や哺乳類)が素早く横切るなど何か別の原因で起動したトレイルカメラに偶然クモが写っていただけというオチかもしれません。 
しかし、今回の小さなクモは赤外線の暗視動画で白く光って見えています。 
クモの体表は赤外線をよく反射する性質があるのかな? 



実は、この日の夕方(午後16:10)に能登半島地震が発生し、当地でも激しい揺れを感じました。 
地震の前兆として、もしも野生動物が異常なパニック行動を示していれば、興味深い発見になります。
しかし残念ながら、私が各地に設置したトレイルカメラには地震の前後に何も写っていませんでした。 
今回のクモも地震の影響で休眠越冬から目覚めてしまった…とするのは無理がありそうです。


【アフィリエイト】
この手の話を私は鵜呑みにしている訳ではありません。
動画のネタになったら面白そうだな、と思っているだけです。
否定的な証拠映像(動物が地震を予知できなかった実例)を撮りためていくのも価値があると思います。
地震と言えば未だにナマズの話が持ち出されますが、ナマズを飼育している日本中の愛好家たちが水槽をライブカメラで常時配信していれば、地震との関連性について何かしらの結論は出るはずです。


【追記】
雪国のニホンリスや鳥が冬のスギ林の樹上で何をしているのか不思議でした。
もしかすると、樹上で休眠越冬している昆虫やクモを捕食しているのではないかと、今回の動画で思いつきました。

2024/12/06

痛々しく3本足でヒョコヒョコ歩く雪国のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2024年1月上旬〜中旬 

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴」を自動センサーカメラで監視しています。 
この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かりました。 
実はすぐ近く(右背後)にもう一つ同様の巣穴bがあり、そこにもイタチが出入りしていたのですが、撮影機材が足りないので2つの巣穴a,bを同時に監視できません。 
巣口aの手前の地面にはツルウメモドキの赤い実が見えます。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。


シーン1:1/9・午後21:18(@0:04〜) 
2日後には、新雪がまた少し積もっていました。 
晩に監視カメラが起動したときには、巣口aにタヌキが来ていました。 
手前から来たと思うのですけど、まさか、この根曲がり巣穴aから外に出てきた直後なのでしょうか? 
この個体は歩行が異常で、右後足を雪面に着かないように上げたまま、痛々しく跛行していました。 
 交通事故や凍傷、霜焼けでないと良いのですが、おそらく獣道でノイバラの棘をうっかり踏んでしまったのではないかと予想しています。 
棘に刺されただけで化膿しなければ、いずれ自然治癒するはずです。 
ヒョコヒョコと跛行しながら、右上奥の獣道へと立ち去りました。 
痛々しい足取りを、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:19〜) 


シーン2:1/10・午前4:24(@0:54〜) 
日付が変わった未明にも、奥の獣道をタヌキが単独で右往左往していました。 
この個体の歩行は正常で、跛行していません。 
手前に来ようとしたところでトレイルカメラの存在に気づいたのか、立ち止まって警戒しています。 
結局は右へノソノソと立ち去りました。 


シーン3:1/11・午後22:54(@1:39〜) 
カメラの電池がすっかり消耗してしまい、これ以降はたった1秒間しか暗視動画が記録されなくなりました。 
2日後の晩に、巣口aから右へ立ち去るタヌキの側面と尻尾だけがちらっと写っていました。 


シーン4:1/15・午後17:35(@1:42〜)日の入り時刻は午後16:46。 
また少し新雪が降り積もりました。 


シーン5:1/17・午後21:38(@1:45〜) 
新雪が積もった獣道を左から右へ横切るタヌキの尻尾が側面からちらっと写っていました。 
ラッセルするほどの積雪量(深雪)ではありません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



ツルアリドオシの赤い実(液果)

2023年9月下旬・午後 

里山で急坂の細い山道を登っていたら、地表に赤い実が点々となっていました。 
赤く熟した果実を試しに味見してみたらうっすらと甘味を感じました。 
念のために、飲み込まず吐き出しました。 

名前を知らない植物で、コケモモの幼樹(超低木)なのかと初めは頓珍漢な予想をしていました。 
多雪地帯では丈高く生育できないのかな?
しかしコケモモは高山植物のはずで、標高の低い山には生えないはずです。 

通りかかるたびにずっと気になっていたので、撮れた写真からGoogleレンズで画像検索してみたら、ツルアリドオシとすぐに分かりました。 
まさか蔓植物だという認識はありませんでした。 
常緑の葉が対生につき、赤い実の表面には必ず2つの凹みがあります。
果実は合着した二つの子房がまとまった形で膨らんだもので、左右2個の花の萼の痕が表面に残る(wikipediaより引用)
ツルアリドオシの赤い実(液果)は、おそらく鳥に食べられて種子散布されると予想されます。 
鳥の採食シーンを動画に撮るのが次の目標です。 
また、初夏に咲くというツルアリドオシの白い花の写真も撮ってみたいものです。


【追記】
2023年10月下旬にも同じ山道で写真に撮っていました。
苔(種名不詳)の群落に生えていて、熟したツルアリドオシ果実の赤色がいっそう映えていました。



スギ風倒木を物色して餌を探すアカゲラ♂【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月上旬・午後12:00頃・くもり 

風倒木が何本も放置された平地のスギ防風林で、根こそぎ倒れたスギの根際に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを見張っています。 
年末にようやく根雪が積もったのに、記録的な暖冬でほとんど溶けてしまいました。 

年始の正午にアカゲラ♂(Dendrocopos major)が登場しました。 
太いスギ風倒木の上に乗ったアカゲラ♂が、ピョンピョン跳んで奥の死角へ移動しました。
最後は低空で左へ飛び去りました。


2024/12/05

スギが植林された雪山の斜面で年始に活動するニホンリス【トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬

シーン0:12/28・午前11:58・晴れ・気温16℃(@0:00〜) 
年末の日中に撮れた現場の様子です。 
雪の積もった里山で、スギの木の下にあるニホンカモシカのねぐらを自動撮影カメラで見張っています。 
画面の奥に向かって雪の斜面が下っていて、スギが植林されています。 

年始の昼間にニホンリスSciurus lis)が監視カメラに写るようになったので、以下にまとめました。 


シーン1:1/2・午前11:26・晴れ・気温1℃(@0:04〜) 
年末にようやく根雪が積もった思いきや、暖冬で里山でも林床の雪がかなり溶けています。 
年明けの昼前に、リスが斜めに倒れかけた若いスギの幹を伝って右へチョロチョロと向かいます。 

しばらくすると、画面の右から奥の雪面にリスが再登場しました。 
木の根元の雪が溶けた穴(ツリーホール)をリスは順に訪ねて回ります。 
秋に隠しておいた貯食物を探しているのか? と初めは思いました。
リスは基本的に樹上性なので、地上を移動するのは天敵(捕食者)に襲われるリスクがあります。 
危険が迫ったらすぐに木に登って避難できるように、とりあえず木の根元を目指して地上を素早く移動するのでしょう。 
遠くでリスがスギの木を登り下りしたり、雪面を走り回ったり、元気に活動しています。 


シーン2:1/2・午前11:33・晴れ・気温1℃(@1:21〜) 
5〜6分後にニホンリスが再び現れました。 
奥の雪斜面に突き刺さったスギ?の落枝に登り降りしてから、雪原を右へ走り去りました。 


シーン3:1/5・午前8:11・晴れ・気温-1℃(@1:40〜) 
3日後の朝に、カモシカのねぐらとなったスギの幹をリスが素早く登りました。 
尻尾しか見えなかったので、モモンガやムササビの可能性もありそうと思っていたら…。 
手前にある斜めのスギ倒木をリスが伝って下りて来ました。 
シーン1と同じ経路ですから、リスにとって通い慣れた獣道なのでしょう。 

最後にリスの姿が見えなくなってからも、樹上を素早く走るリスの足音だけが録音されていました。 
監視カメラを固定したスギの幹に飛び移って、木登りしたようです。 

雪山の、しかもスギ林にリスが何度も出没するとは意外でした。
スギ植林地にリスが食べる餌なんてあるのでしょうか? 
ニホンリスは完全な昼行性で、夜には全く活動が録画されていませんでした。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ リスの足音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るキタテハ秋型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかの花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落で秋型のキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
吸蜜中は翅をしっかり閉じていることが多いですけど、たまに開閉しています。 
秋晴れの陽射しが強くてキタテハも暑いのでしょう。 

ヒャクニチソウでも舌状花の花弁が色とりどりの品種が同じ花壇に咲き乱れていましたが、今回の撮影中にキタテハは黄色、緋色、白赤二色花を選んで訪花していました。 
真面目に調べたら、好みの花色がありそうです。 

たまに舌状花の花弁の表面を舐めているのは、こぼれ落ちた花粉を舐めているのでしょうか? 
口吻の先端で筒状花の蜜腺の在処を探っているだけのようには見えません。 




キタテハ秋型がヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:13〜) 

翅表の斑紋にある鱗粉の細かな擦過傷に注目すると、複数個体(少なくとも2頭以上)が登場していたことが分かりました。
翅裏には白いコンマ紋が目立ちます。 







2024/12/04

年始の朝に越冬用巣穴に戻る雪国のニホンアナグマ【トレイルカメラ】

 


2024年1月上旬・午前6:58・気温-1℃・日の出時刻は午前6:52 

平地の落葉した二次林で、早朝にニホンアナグマMeles anakuma)が単独でぶらぶら歩いて越冬用営巣地(セット)に戻ってきました。 
素人目には♀に見えます。 
雪面は凍結(クラスト)しているようで、アナグマは足が全く潜らずに歩けています。 
年末にようやく根雪が積もったと思いきや、暖冬で積雪がどんどん溶けていて、林床のあちこちで地面が露出し始めています。 

巣口Rで立ち止まって何度も身震いすると、ちらっとカメラ目線になりました。 
最後にようやく巣穴Rの奥にゆっくり潜り込みました。 

雪に覆われた冬の森で何か餌が取れるとは思えないのですが、朝帰りするまでニホンアナグマ♀は一体どこに行っていたのでしょう? 
近所のホンドタヌキと新年会でもしていたのか、それともトイレ(溜め糞場)に行っていたのかな? 
出巣の瞬間を監視カメラが撮り損ねたということは、巣口Rから手前に向かって外出していたと推測されます。 

冬眠の合間に外気を吸うためだけに、左の巣口Lから出て右の巣口Rに入り直しただけ、という可能性もあり得ます。
雪面に足跡が残らないので、どちらが正しいか分からないのです。



雪山で斜めに倒れかけたスギの枝葉を調べるカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬


シーン1:12/28・午前11:58・晴れ・気温16℃(@0:00〜) 
年末にたまたま撮れた現場の様子です。 
雪の積もった里山でスギの木の下にあるニホンカモシカCapricornis crispus)のねぐらを自動センサーカメラで見張っています。 



隣に生えていたスギの幼木が強風により根元から倒れ、斜めに寄りかかっています。 
(本来は間伐すべき株なのでしょう。)
この倒木はまだ生きて、横枝の葉が青々と茂ったままです。 
そのために、ねぐらで休むカモシカにとって周囲からの目隠し(隠れ家)になったり風を少しでも遮ってくれたりと、ねぐらの位置を選定する上で重要なポイントになったのかもしれません。 


シーン2:1/5・午前10:42・晴れ・気温1℃(@0:04〜) 
年末にようやく根雪が積もったと思いきや、暖冬のため年明けには雪山でも積雪がかなり溶けていました。 
地面が一旦露出すると、太陽光で温められるためにそこから雪解けが一気に進みます。

昼前にカケスGarrulus glandarius)が右からひょいと登場しました。 
斜めに倒れかけたスギ幼木の枝葉を伝って、ピョンピョン上へ移動していきます。 
このときはカケスが何をしに来たのか、分かりませんでした。
もしかすると、見慣れないトレイルカメラを目ざとく見つけたカケスがさり気なく偵察に来たのかもしれません。


※ 動画の後半は、1.5倍に拡大した上で逆光補正を施しています。(@0:39〜) 
奥に見える白い雪面が眩しい逆光になっているせいで、手前の暗い地点に居る鳥の羽の色がよく見えません。 
私の使っている動画編集ソフト(Kdenlive)には疑似HDR処理をしてくれるエフェクトがないので、逆光補正で代用しました。 
逆光補正してようやく、鳥の正体がカケスだと判明しました。 




2024/12/03

夜のスギ防風林で倒木に座る雪国のイエネコ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年1月上旬・午後17:05頃・日の入り時刻は午後16:35 

平地のスギ防風林でニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで見張っていると、新年の晩にイエネコFelis silvestris catus)が写っていました。 
この地点で猫が撮れたのは初めてです。 
水平倒木の上に乗って、辺りを油断なく見回しているようです。 
野ネズミを狩りに来たのかな? 



おそらく近所で飼われている猫が、寒い冬も夜の森を気ままに散歩しているのでしょう。 
年末に根雪が積もったと思っていたのに、異常な暖冬で雪がほとんど溶けてしまいました。

カメラのバッテリーが消耗していて、わずか1秒間しか撮れていませんでした。
この後、もしかしたらネコは丸木橋を渡ったかもしれないのに、記録できず残念でした。


ユキツバキの花が咲く春の山道(雪椿)

 

2023年4月下旬・午後12:15頃・晴れ 

里山の急斜面を息を切らせて登っていると、細い山道の両側に自生するユキツバキの群落が花を咲かせていました。 
ウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪と繰り返しさえずる鳴き声も聞こえて、まさに春山の光景です。 

雪国の早春に咲くユキツバキの赤い花は芳香がほとんどないので、鳥媒花と予想しています。
しかし、ヒヨドリやメジロなど吸蜜に来る鳥を私は未だ一度も見たことがありません。 
ヒトを警戒して逃げてしまうのだとしたら、ブラインドを張って待ち伏せて隠し撮りするか、無人カメラ(トレイルカメラ)でユキツバキの花を監視しないと撮影は無理かもしれません。 
この日は山中の別な場所でビロウドツリアブという早春に現れる昆虫がユキツバキに訪花する様子もちらっと見かけたのですが、撮り損ねて悔しい思いをしました。 
また来季の宿題です。 




【アフィリエイト】 


2024/12/02

雪が降る新年の晩にニホンアナグマ営巣地の横でホンドタヌキ♂が立木に排尿マーキング【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年1月上旬・午後18:25頃・気温-2℃ 

平地の落葉した二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用巣穴2つを1台のトレイルカメラで同時に見張っています。 

雪が降る晩に、単独で来たホンドタヌキ♂(Nyctereutes viverrinus)が奥の林縁をうろついていました。 
ミズキの落葉灌木の根元に通りすがりに排尿マーキングして行きました。 
排尿時に片方の後足を上げたので、♂と分かりました。 
最後は奥の二次林に立ち去りました。 

1.5倍に拡大した映像をまずご覧ください。 
つづけてオリジナル映像でリプレイ。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。



止まり木のシメ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬・午後12:50頃・くもり  

平地のスギ防風林でニホンイタチMustela itatsi)が越冬する巣穴bを見張っているトレイルカメラに、ちょっと珍しい冬鳥が写っていました。 
 丸木橋のような細い水平倒木にシメCoccothraustes coccothraustes)が後ろ向きで止まっていたのです。 
横を向いてから足元の止まり木に嘴を擦り付けてから、奥に飛び去りました。 
この地点でシメは初見です。
今回は珍しくフルカラーで撮れていました。
根雪だと思っていたのに、暖冬でほとんど溶けてしまいました。

2024/12/01

落葉後の木を激しく揺すって威嚇誇示♪するニホンザル♂(木揺すり行動)

 

2023年12月中旬・午後15:05頃・くもり 

山麓を流れる水路沿いに遊動してきた2頭のニホンザルMacaca fuscata fuscata)のうち、先頭個体(発情した♂成獣)に注目して下さい。 
2頭は谷を渡る水路橋のたもとまでやって来ました。 
後続個体については別の記事しました。

先行♂個体は橋の下の谷を覗き込んで、群れの仲間の動向を気にしています。 
特に、この時期はニホンザルの交尾期ですから、♀成獣を探しているのかもしれません。 

先行する♂が谷の対岸から水路橋の手摺を伝い歩きでこちらにどんどん渡って来ます。 
このとき私は谷の此岸で突っ立ったまま撮影に集中していました。 
遊動中のニホンザルにしてみれば、私はまるで「この橋渡るべからず」と意地悪に通せんぼしているように見えたはずです。 
さあ、近づいてくるニホンザル♂はどうするでしょうか? 
「猿に道を譲ってあげたら良いのに」と言われそうですが、遊動する野生ニホンザルの群れを見つけた途端に私はその場にフリーズ(静止)し、心を無にして(気配を消して)撮影観察を始めたのです。 
今までの経験上、私が少しでも動くとニホンザルはてきめんに警戒して逃げ出してしまうはずです。 

先行する個体は、橋の手摺から横の落葉高木(樹種不明)にひょいと跳び移りました。 
このとき股間に紅潮した立派な睾丸が見えたことから、発情♂と判明。 
樹上で落葉後の枝を激しく揺すりながら大声で吠えました。 
猿が乗って激しく揺すっている枝がボキッと折れたら谷底に落ちるのではないかと心配になります。 
明らかに私の方を向きながら木揺すりしたことから、進路をふさぐ私に退いて欲しくて、威嚇してきたようです。 
橋の下の谷に散開して採食遊動している群れの仲間(特に発情♀)に向けての存在アピールも兼ねているのかもしれません。(ヒトに立ち向かう俺って勇敢だろ? 見て見て!) 
しかし木揺すり行動は過去にも見ていて想定の範囲内だったので、私は何も反応しませんでした。 
私はニホンザルとは決して目線を直接合わせず、少し俯いてカメラのバックモニターをひたすら注視していました。
私を追い払うどころか無視されたので、発情♂の威嚇誇示はわずか7秒間で終わりました。 

その木揺すりを見ていた群れの他のニホンザルたちの反応が気になります。
しかし、私は発情♂にズームインしてその行動を撮影するのに集中していたので、遠くに居る他個体の反応を同時に知ることが出来ませんでした。
後続の若い♀(跛行個体)は、木揺すりに驚いたり怯えたり感心するなどの反応を特に何も示しませんでした。

発情♂は樹上から再び水路橋の手摺に戻ろうとジャンプしたものの、着地に失敗してあやうく落ちかけました。(猿も木から落ちる?) 
手摺に無事登り直すと、伝い歩きで更に近づいて来ます。 
水路橋を渡り終えそうになると、発情♂はまたもや手摺から横の落葉性高木へと身軽に飛び移りました。 
そのまま木を下って地上に戻り、邪魔な私を無事に迂回できました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:46〜) 
この♂個体は右耳の耳介が無いことに気づきました。 
過去の喧嘩で食いちぎられたのかな? 

木揺すり威嚇誇示するニホンザルはいつも♂なのか?(男性ホルモンが関わる攻撃性なのか?)という疑問がわきました。
文献検索すると岡山県の餌付け群で長期観察した研究成果の学会発表がヒットしたので、ありがたく抄録を読んでみました。
中道正之; 山田一憲. ニホンザルの木ゆすり行動. In: 霊長類研究 Supplement 第 39 回日本霊長類学会大会. 日本霊長類学会, 2023. p. 34-34. 
♂の方が頻度が高いものの、♀も木揺すり行動をすることはあるそうです。

中心部オスは、交尾期だけでなく、非交尾期も木ゆすりを行ったが、音声を伴う木ゆすりは交尾期に多く、非交尾期では少なかった。他方、周辺部オスや集団外オスの木ゆすりは交尾期に集中し、しかも、音声を伴った木ゆすりの割合が中心部オスよりも有意に高かった。(中略)尚、28歳の高齢αオスは木ゆすりを全く行わず、目立つ攻撃行動もわずかであった。メスの木ゆすりのほとんどは、αメスとその娘たちによって、非交尾期に行われ、音声を伴うことはほとんどなかった。以上の結果から、目立つ攻撃行動をメスに行うことが困難であった周辺部オス、集団外オスは、音声を伴う木ゆすりを行うことで、メスに自身の存在を知らせ、引き付ける木ゆすりの効果(広告効果)をより高めていたと思われる。他方、中心部オスはメスに対する目立つ攻撃行動が可能だったので、音声を伴う木ゆすりの割合が低くなったと思われる。

下線部を元に素人が勝手に解釈すると、今回、交尾期に鳴きながら木揺すりした発情♂は、群れ内の順位が高くない個体(周辺部♂)で♀にアピールしていた、という可能性もありそうです。
しかし今回は明らかに対ヒト(観察者)の木揺すり威嚇行動に見えたので、ニホンザル同士のディスプレイに注目した研究結果を当てはめるのは不適切かもしれません。
ポイントとなるのは、猿は近くで観察する私のことなど実は眼中になくて木揺すり行動したのか?、という点です。
当地のニホンザルは餌付けしなくても、ときどき遭遇する私に少しずつ慣れてくれたので、私を無視して自由に振る舞ってくれたのなら観察しやすくて助かります。

この後も同じ群れで遊動するニホンザルが次々に水路橋を渡ってきたのですが(動画公開予定)、木揺すり威嚇した個体は他にいませんでした。
だとすれば、唯一木揺すりした♂個体はいわゆる「ボス猿」的なα♂だったのかもしれない、と考えたくなります。

イタチの越冬用巣穴の周辺で年末に餌を探す雪国の小鳥たち【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬 

シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで監視しています。 
獣道となった雪面には、様々な野生動物の足跡が残されています。 
画面中央に見えているイタチの巣穴bの近くには手前から近寄らないよう(ヒトの足跡を付けないよう)注意しました。 
水平倒木に設置していたトレイルカメラを撤去したので、その部分だけ冠雪が取り除かれています。 
丸木橋のような細い水平倒木をくぐり抜けたすぐ左奥にもイタチの根曲がり巣穴aがあるのですが、隠れて見えません。

年末の昼間に様々な小鳥が採食に来る様子をまとめました。 
野鳥の種類によって別々の動画にしたかったのですが、カラ類は混群で来る場合があること、古いトレイルカメラの奇妙な癖で昼間に撮れた動画にピンク色のフィルターがかかって鳥の体色が正常に表示されないこと、奥の藪で小さく見える小鳥はしっかり見分けられないこと、素早く飛び交うことなどから、小鳥の同定を諦めた例が多くて、全部一緒にまとめることにしたのです。 


シーン1:12/24・午前9:41(@0:04〜) 
画面右端のスギ幼木の陰に小鳥が止まっていました。 
おそらく、土がついたまま風倒したスギの根の辺りを啄んだり餌を探しに来たようです。 
後半は数羽の小鳥の群れが飛び交いました。 


シーン2:12/25・午前10:10(@0:29〜) 
シジュウカラParus minor minor)がイタチの巣口bの手前で細い蔓(落葉樹の幼木?)に止まっていました。 
横に移動すると、土がついたまま風倒したスギの根の辺りを啄んだり餌を探しています。 
土そのものを食べに小鳥が通っているとしたら非常に面白いのですが、説得力のある映像は撮れていません。
後から群れの仲間も次々に飛来しました。 

耳を澄ますと、小鳥が鳴き交わす声がかすかに聞こえる他に、コツコツと鳥が何か硬い物をつつく音も断続的に録音されていました。 
おそらく、監視カメラを固定したスギの立木にも小鳥が止まって幹の樹皮を嘴でつついているのではないかと推測しています。 

最後は2羽のシジュウカラが相次いで同じ場所に飛び込んだことから、カラ類が風雪を凌ぐシェルター(隠れ家やねぐら?)としてスギ風倒木の抜根を利用しているのかもしれません。 


シーン3:12/26・午後15:00(@2:10〜) 
右から飛来したヤマガラSittiparus varius)が細い止まり木を経由してから、水平倒木の下(右端)の雪が積もらない場所に飛び込みました。(@2:42〜) 


シーン4:12/27・午前10:58・晴れ(@2:48〜) 
晴れて気温が上がったせいで、積雪がかなり溶けてしまいました。 
根雪だと思っていたのに、今季は暖冬で降雪量が少ないのです。 



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