2011/01/15

コバネイナゴの交尾




2010年11月上旬

草地でコバネイナゴOxya yezoensis)のカップルが交尾していました。
ススキの茎に掴まり上向きに止まっています。
無粋にレンズを近づけると♀が嫌がり、茎の反対側にくるりと回り込んで穂先へゆっくり歩き出しました。
風に揺れて撮り難いので茎を手元にそっと引き寄せ向きを変えると、腹端の絡み合いがよく分かります。
ここぞとばかりに交尾器の結合部を接写しました。
撮りながら手乗りに挑戦。
穂をゆっくり抜き取ると、大人しく親指から甲へと乗り移ってくれました。
背後からマウントした♂が♀の顔に前脚を当て「だ~れだ?」と言っているようで微笑ましい。
地面に移し激写を続けると最後は草叢に跳んで逃げました。
気温13℃


【追記】
上村佳孝『昆虫の交尾は、味わい深い…。 (岩波科学ライブラリー)』によれば、
バッタもコオロギと同じ直翅類の一員だ。ところがバッタの交尾は、一見♀の上に♂が乗っかった「カブトムシタイプ」に見える。でもよく見ると、♂の腹部はS字を描き、その先端は♀の下側からかみ合っているのだ。 
 4億年の進化の時間のなか、昆虫の交尾姿勢はグループごとに多様化したが、「♂の交尾器の腹側は、♀の交尾器の背側にかみ合う」という原則は、多くのグループで維持されているのが、おもしろい。 (p12より引用)





デーニッツハエトリ♀(蜘蛛)



2009年9月中旬

ススキの葉の上に居たデーニッツハエトリPlexippoides doenitzi)♀成体。
撮影後に採集して外雌器を確認。
体長9mm。




ノシメマダラメイガの交尾




2009年9月中旬

貯穀害虫として悪名高いノシメマダラメイガPlodia interpunctellaが台所で交尾していました。
飼育しているハエトリグモの手軽な生餌として重宝しています。



マダラカマドウマ♀



2009年9月中旬

庭に面したコンクリート土台に止まっていました。
マダラカマドウマDiestrammena japonica)でしょうか。産卵管があるので♀。
とても長い触角を持ちますが、右の触角が途中で切れてしまっています。
試しに採集して飼ってみます。
つづく
 


センチコガネの鳴き声♪



2009年9月中旬

路上で見つけたセンチコガネGeotrupes laevistriatus)。
起き上がり運動を観察するため仰向けにすると、腹面も意外なほど金属光沢が美しい。
喉元に赤いタカラダニ?が付着していました。
捕まえようとするとキューキュー鳴きます。
抗議の脱糞も見られました(1:40)。
 


キイロスズメバチ♀の斃死



2009年9月中旬

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が枯草の茎に掴まったまま死んでいました。
刺針があるので♀。
外役に出たまま寿命を迎えたワーカーなのだろうか。
それとも虫カビに感染したのだろうか。
冬虫夏草の一種にハチタケというのがあるそうですけど、未だ見たことがありません。
 


クルマバッタモドキの跳躍



2009年9月中旬

クルマバッタモドキOedaleus infernalis)だと思います。
油断させておいてピョーン!
映像から性別が分かる方は教えて下さい。
 


カレーを溺愛するシダクロスズメバチ♀




2010年11月上旬

山中で昼食として弁当の米飯にレトルトカレーをかけて食べていたら、食卓にクロスズメバチの仲間が何度も飛来しました。(同一個体?)
触角が長い気もしますが、腹部が6節なので♀と判明。
採寸できなかったため、ワーカーか新女王か不明です。
弁当箱の縁に止まり、中のルーまたは水滴を舐め始めました。
しかし壁面の水滴で脚を滑らせ、ルーの海に溺れてしまいました。
粘り気のあるルーに翅や脚が付着し身動きが取れないでいます。
頭楯の黒い斑紋は下端に達しないので、クロスズメバチのような気もします。
しかし複眼の上の黄色紋が狭いのでシダクロスズメバチVespula shidai)だと思います。
自力では脱出できないので、撮影を止めスプーンで救出してやりました。
するとまるで演出のようにレトルトパウチの上を歩いてくれ、ベトベトの体を身繕いし始めました。
羽ばたくも飛び立てないでいます。
その辺をウロウロ徘徊し、採集しようか迷っていたら何時の間にか居なくなりました。
カレーの香辛料に誘われたのか、水分補給したかったのか不明です。
ビーフカレーも甘口なら蜂が好むのも分かる気がしますが(林檎と蜂蜜とろーり溶けてる♫)、これは辛口でした。
チキンカツの肉には興味を示しませんでした。 

※ このカレーライスは撮影スタッフが残さず美味しく頂きました。

コカマキリ



2009年9月中旬

今季初見のコカマキリStatilia maculata)。
精悍な姿が絵になるので、路上に居たのを舞台に立たせてみました。
性別はどっちだろう?
 

ヒメベッコウ♀vsオオハエトリ(蜘蛛)



2009年9月中旬

 『ファーブル昆虫記』みたいに、ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ)がクモを仕留めて素早く麻酔手術をするシーンを動画に撮りたいと常々思っているのですが、野外では余程の幸運に恵まれないと無理なようです。
そこで新しい育房を作り終え狩りモードに入ったと思われるヒメベッコウ♀(種名不詳)を生け捕りにして、オオハエトリ♀(Marpissa milleri)と同じ容器に閉じ込めてみました。
しかし思惑通りにはいきません。
炭酸ガス麻酔から醒めた蜂はとにかく容器から逃げ出そうと必死で、クモなど眼中にないようです。


むしろ先住者のオオハエトリの方が攻撃的で、何度も蜂に突っかかって行きます。
蜂は機敏にクモの攻撃をかわしますが、やがて軽く噛まれたようで、足を少し引きずって歩きます(3:20。後に回復)。
うまくいかない原因を考えてみました。
  • 蜂を容器に慣らしてから獲物と対峙させるべきだったかも。 
  • もしかしたら蜂の卵巣の状態(産卵準備)が未だ整っておらず、本気で狩りをする気分ではなかったのかも。巣に戻ってからも結局この日はクモを搬入しませんでした。 
  • 野外での狩りはクモの死角から奇襲するのかもしれない。狭い容器内では目の良いハエトリグモが相手だとあからさまに警戒されてしまう。
  • ヒメベッコウは育房を作ってから狩りを行うので、育房に収まらないサイズのクモは狩りの対象にならないのかも。もっと小さなクモが相手ならどうだろう※。

しかし容器のクモをマミジロハエトリと入れ替えようとしたら、うっかり隙間から蜂に逃げられてしまいました。
脱走したヒメベッコウはさっさと自分の泥巣に戻りました。
条件を変えてしつこく実験を繰り返すべきでしたが、せっかく個体標識した蜂がクモに返り討ちに遭いそうなので諦めました。
また別の方法を考えます。 

※ 昨年同じ営巣地でヒメベッコウの泥巣から麻痺したマミジロハエトリを回収しています。
 


狩りの合間に巣を点検しに戻るヒメベッコウ♀



2009年9月中旬

ヒメベッコウ♀(種名不詳)の胸部背中に個体識別のマーキングを施してから2日後。
泥巣Saは順調に拡張を続け、小さな育房が新築されていました。
奥まった場所で暗いので、手鏡で照らして未だ中身が空であることを確認しました。
いよいよ次は獲物のクモを狩る番です。
蜂は手ぶらで帰巣する度に留守中の無事を点検し、身繕いするとまた狩りに出かけました。
つづく
 

ヒメベッコウ♀の捕獲と標識



2009年9月中旬

前年このヒメベッコウ(種名不詳)営巣地で定点観察したところ面白い行動を色々と見ることが出来ました。
その一方で、個体識別の必要性を痛感しました。
そこで今年は蜂を生け捕りにしてマーキングを施すことにしました。
泥巣Saから出掛けようとするヒメベッコウを麻酔管で捕獲。
そのまま炭酸ガスのスプレー缶にチューブで繋いで眠らせました。


体が小さくて苦労しましたが、なんとか油性ペンで背中の胸部に白点を打てました。


しかし麻酔事故を怖れて浅く掛けたので途中で蜂が暴れ出し、腹部にはマーキングできませんでした。
目覚めた蜂はすぐに飛んで逃げ、泥巣に戻っていることを確認できました。
背中の白点がよく目立ちます。
つづく

ヒメベッコウ♀の巣作り



2009年9月中旬

前年と同じ営巣地でヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ)の仲間(種名不詳)を発見。
コンクリート壁面は南向きで縦溝の幅は4cm。
古巣の左端に新しく泥巣を作っていました。
もしかしたら、ここで羽化したヒメベッコウなのかもしれない(帰郷性)。
今年はマクロレンズを導入したので、蜂にさほど警戒されない距離から行動の細部まで映像で記録できます。
湿った泥玉を咥えて帰巣すると、泥巣の中央上部に塗りつけました。
尾端の背側で叩き付けるように左官作業を行ないます。
水を吐き戻しながら泥巣の左下部分を齧り取り、巣材を再利用します(改築)。
左端のコンクリート壁に塗りつけて、新育房の基礎とします。
邪魔なクモの巣(不規則網)を取り払い、次の巣材集めに出発。
つづく

2011/01/14

セイタカアワダチソウの花蜜を吸うオオタバコガ(蛾)




2010年11月上旬

地味な蛾がセイタカアワダチソウで花の蜜を吸っていました。
いつもお世話になってる虫我像掲示板にて写真鑑定してもらうと、オオタバコガHelicoverpa armigera armigera)の擦れた個体であると教えて頂きました。
横風が吹いて自然状態では接写が困難なので、裏技を使いました。
ナイフでそっと茎を切り落とし、花を地面に置いてブレを止めてから撮りました。
一種のヤラセですけど、これなら被写体がブレる心配は全くありません。
口吻を延ばし夢中で吸蜜する様子をじっくり接写できました。
前翅長14mm。気温16℃ 。



セイボウを食すジョロウグモ♀(蜘蛛)



2009年9月中旬

庭先に造網したジョロウグモ♀(Nephila clavata)が食事中でした。
美しい獲物はセイボウ科の蜂(リンネセイボウ?)。
うーん、勿体無い…。
こんな小さな蜂でも捕らえてしまう高性能の(目の細かい)捕虫網です。
 


アキアカネ♀の食事



2009年9月中旬

食事中のアキアカネSympetrum frequens)を撮りました。
胸部側面の黒色条線の先端が尖っているので、ナツアカネではなくアキアカネと判明。
腹部腹面が白いので♀ですかね。
あっという間に平らげた獲物はガガンボなど双翅目の虫でしょうか。
翅だけ食べ残して飛び立ちました。
 


ホソヒラタアブの寄生蜂



2009年9月中旬

ホソヒラタアブEpisyrphus balteatus)の幼虫3匹が蛹化したうち、無事に成虫が羽化したのは一匹のみ。
もう一匹は羽化直後に容器内の結露に溺れてしまい、もう一匹は蜂に寄生されていました。
被寄生蛹は正常な蛹よりも小さかった。
可愛らしい寄生蜂です。
蜂類情報交換BBSにて問い合わせたところ、ヒメバチ科ヒラタアブヤドリヒメバチ亜科の仲間で Diplazon laetatorius (和名なし)だと教えて頂きました。
後でゆっくり同定用の写真を撮ろうと思っていたら、容器底の小さな空気穴(直径2mm)から知らぬ間に脱獄していました。



 

羽化したホソヒラタアブ♀



2009年9月中旬

容器内に蛹を放置していたら、5日後に成虫が羽化していました。
ホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)だと思います。
腹部腹面の一部が透明なのが面白い(スケルトン)※。
身繕いに飽きると狭い容器内でもホバリング飛行を披露してくれました。
どこかにぶつけたのか左翅の先端が損傷してしまいました。
蜂蜜を与えてみたら舐めてくれました。
満腹してもお腹はペッタンコのままです。
寄生編につづく


蛹の抜け殻(羽化殻)


※ 以下は私の想像(妄想)ですが、飛んでいる際に飛翔筋の激しい運動で過熱した胸部を効果的に冷却するために、腹部腹面は放熱しやすい作りになっているのかもしれません(ラジエター)。
参考:『熱血昆虫記:虫たちの生き残り戦略』
 


ホソヒラタアブの幼虫と前蛹



2009年9月上旬

クサカゲロウ幼虫を飼育するために餌となるアブラムシの一杯付いたヨモギの葉を摘んできたら、別の肉食昆虫が紛れ込んでいました。
ホソヒラタアブの仲間の幼虫です。
蠕動で素早く前進できます。
尺取虫とはまた違う動き方です。

『アブラムシと天敵たち:食べるものと食べられるもの』p7によると、
(アブの)幼虫にははっきりとした足らしいものがありません。そのため、移動するときはミミズのように、からだのうしろから前へ波が移動するようにして前へすすみます。つまり腹側全体が吸盤のようになっていて、くきや葉にぺったりくっついて、ゆっくり移動するのです。


残念ながらアブラムシを捕食するシーンは撮れませんでした。
静止していても心臓の拍動がよく分かります。
われわれ脊椎動物とは異なり、昆虫は背側に管状の心臓があるのです。
やがて蛹化しました。
成虫編につづく

※ 個別に飼育する余裕が無かったので、複数個体の映像をまとめてあります。
もしかしたら別種が混ざっているかもしれません。
一匹はホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)に羽化しました。


ホソヒラタアブの囲蛹

産卵管を舐めるマダラカマドウマ♀



2009年9月中旬

庭先で採集したマダラカマドウマの仲間の♀を試しに飼っています。
調べてみると餌は雑食性とのことで、有り合わせの煮干や焼き麩を与えてみたら食べてくれました。
ときどき産卵管を舐めます。
 


クロベッコウvsエビチャコモリグモ再戦



2009年9月下旬
(前編の記事はこちらをクリック→。)

採集してきたエビチャコモリグモ♀(Arctosa ebicha)を家に持ち帰ると、なんと麻痺状態から蘇りました! 
歩行能力は依然として不完全なものの、明らかに回復傾向にあります。
仰向けにしようとすると抵抗するし、身繕いも方向転換もします。
クロベッコウの仲間が獲物に施す麻酔の効果は一時的なのだそうです。
現場で生け捕りにしたクロベッコウ(種名不詳)♀を同じ容器に入れ、狩りのシーンが再現されるかと見守りました。
しかし数時間前には狩りモードにあったはずの蜂は、なぜかもはや戦意は無いようで積極的に攻撃することはありませんでした。
むしろクモの方が虎視眈々と狩りの機会を狙っている雰囲気で、近付く蜂に反撃します。
結局、何日も同居させても決着は付きませんでした。
 


クロベッコウの落とし物



2009年9月中旬

水辺のコンクリート護岸にて。
狩ったクモを咥え後ろ向きに引きずって歩く蜂を見つけ、追跡開始。
巣まで運び上げる途中で落としてしまったので、拾って調べてみることにしました。


クモ関係でいつもお世話になっている「闇クモ画像掲示板」にて問い合わせると、獲物はエビチャコモリグモArctosa ebicha)♀成体と教えて頂きました。
蜂はヒメベッコウ(ヒメクモバチ)の仲間かと思いましたが、これまで私が見てきたヒメベッコウの習性とは違っていました。
  • クモの歩脚を全く切り落としていない。 
  • クモの糸疣ではなく歩脚の根元を咥えて運んでいた。 
  • コモリグモ科を狩るのは初見。
  • 獲物の麻痺状態は後に完全回復。
以上の行動面から初めて会う種の予感がします。
蜂は落とした獲物を見失ったような素振りで徘徊するので、目の前にクモを置いてやりました。
ところがなぜかもう興味を示さず、運搬作業を再開することはありませんでした※。
巣の位置を突き止められなかったのも残念。
仕方無く蜂を生け捕りにして持ち帰りました。


外見からの同定は困難ですが、蜂屋の「ヒゲおやじの投稿掲示板」にて質問すると蜂はクロベッコウ(クロクモバチ)の一種かもしれないとご教示頂きました。
つづく

※ 現場ではてっきり見慣れたヒメベッコウの仲間かと思い込んでいたので、蜂の行動を全く誤解してしまいました。
クロベッコウの仲間は狩りの後で巣穴を掘るらしいので、この蜂も単に獲物を一時的に置いていただけなのかもしれません。
となると私は蜂の仕事の邪魔をしてしまったことになります。
 


ミカドアリバチ♀と寄生ダニ



2009年9月下旬

見慣れないアリを見つけたので一時捕獲してみました。
調べてみるとアリバチ科のミカドアリバチ♀(Mutilla mikado)でした。
♀は翅が退化しており、マルハナバチ類の巣に寄生する天敵らしい。
腹面を中心に多数の赤い寄生ダニが付着しています。
以前観察したクロマルハナバチの体表に感染していたダニと似ている気がします。
寄主の巣で接触感染したのだろうか。
せわしなく歩き回るのですが、動きを止めてじっくり撮影するために炭酸ガスで軽く麻酔してみました。
せっかくなので、蜂をピンセットで摘んで毒針も接写してみればよかったですね。


 


マミジロハエトリ♀(蜘蛛)



2009年10月上旬

庭で採集したマミジロハエトリ♀(Evarcha albaria)。
右の第4歩脚が欠損しています。
撮影中に逃亡してしまい、外雌器は未確認。


2011/01/13

フタモンアシナガバチ♂を手掴みで捕獲




2010年11月上旬

晩秋のセイタカアワダチソウで訪花しているフタモンアシナガバチ♂(Polistes chinensis antennalis)を発見。
花の上を歩き回っていたせいで顔が黄色の花粉で汚れています。
頭楯が白っぽく触角がカールしていることから♂であると確信できたので、安全性を実演するために素手で捕まえてみました。
指で翅を摘むと身を捩って威嚇の刺針行動を示しました。
しかしこれはブラフで、腹端を接写しても毒針は伸びていません。


(その代わりクチクラの刺のような構造が2本見える?)
身を守るための擬態的な行動なのでしょう。
毒針は♀の産卵管が変化した構造ですから、♂は人を刺せません。
従って、落ち着いて性別を判定できれば、無闇に恐れる必要はありません。撮影のため蜂を持ち変えるのが少し難儀でした。
死後の標本は複眼が変色してしまいました。


野生ニホンカモシカとの最接近遭遇



2009年10月上旬

林道の向こうからブラブラ歩いて来る獣の姿に珍しくこちらが先に気づき、立ち止まって撮影開始。
「森の賢者」とも呼ばれるニホンカモシカCapricornis crispus)ですが、視力が悪いのだろうか。
こちらは風上に立っているのに約10m手前まで近付いてくれました。
この個体はヒトを見たことが無いのかもしれない。
にらめっこの末、カモシカは身を翻すと蹄を蹴立てて走り去りました。
パカラッパカラッ・・・。
とても貴重な体験ができました♪

【追記】
この個体は右耳に切れ目が入っている点が特徴的です。
おかげで素人の私でも個体識別できそうです。
3年後に嬉しい再会を果たしました。→「耳欠けニホンカモシカと遭遇
目撃地点を思い出しても、「あの辺一帯を縄張りとしてるのねー」と辻­褄が合います。
 

野菊とイカリモンガ



2009年10月上旬

イカリモンガPterodecta felderiが花蜜を吸っていました。
野菊は見分けるのが苦手なので種名不詳。

シマヘビの日光浴



2009年10月上旬

農道でシマヘビElaphe quadrivirgata)が日光浴していました。
鎌首をもたげ、先の割れた舌をチロチロ出し入れしています。
やがて蛇行して草叢に消えました。

アカオニグモ♂(蜘蛛)



2009年10月上旬

里山で体長10mmのアカオニグモ♂(Araneus pinguis)がチカラシバの間に糸を張り渡していました。
左の歩脚第一脚が欠損しています。
図鑑によると本州では高地にしか生息しないとの記述があるのですが、豪雪地帯の当地では平地でも見かけるクモです。
 

カンタン♂の鳴き声♪



2009年10月上旬


クズの葉に開いた穴からカンタン♂(Oecanthus longicauda)が顔だけ出して鳴いていました。
葉裏から忍び寄って接写してみると、黒い腹面だけ撮れました。
こちらの気配を感じたのか、すぐに鳴き止んでしまいました。
他のアングルからも撮ろうとしたものの、警戒して逃げられてしまいました。



 【追記】

『なく虫ずかん』p29の解説によると、コオロギ科のカンタンは
葉の破れから頭を出して、鳴く癖があります。音の向きや大きさを調節しているのかもしれません。カンタンの声がどこから聞こえてくるのか、分かりにくいことも関係ありそうです。

『クワガタのいるところを教えましょう』という本p73に意外な記述を見つけて驚きました。
クズやヨモギなどの植物上にいて、アリマキ(アブラムシ)なんかを食べている。♀は草の茎の中に産卵する。


逃げるヤマカガシ



2009年10月上旬

ヤマカガシRhabdophis tigrinus)の生きている姿を撮れたのは久々です。
いつも気づくのが遅れてしまい、逃げられたり死骸だったりします。

オオアオイトトンボ♂もじもじクネクネ



2009年10月上旬

翅を半開きにしたまま休息中のオオアオイトトンボ♂(Lestes temporalis)が、腹部をくねらせながら奇妙な身繕い行動をしていました。


【追記】
トンボの専門書を読んでいたら、イトトンボ類の♀による連結拒否行動(♂が接近した際の成熟♀による腹部湾曲行動、および未成熟♀による腹部屈曲行動)と似ていることを知りました。
『トンボの繁殖システムと社会構造』第6章:雌の繁殖戦略と産卵様式の適応進化 p209より


映像の個体は♂だと思うので関係あるのかどうか分かりませんが、個人的に面白いと思ったので覚書として記しておきます。

鼻息の荒い野生ニホンカモシカ



2009年10月上旬

林道を歩いていると前方で獣がバサバサと慌てて逃げて行きました。
見ると野生のニホンカモシカCapricornis crispus)が斜面で立ち止まり振り返っています。
距離は約20m。
こちらの様子を窺いながら、威嚇するように荒い鼻息を吐きます。
やがて斜面を登り藪の中に消えました。
警戒心が強く常に逃げ腰の個体でした。


 


キイロスズメバチが水滴を飲み花蜜を吸う



2009年10月上旬

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が葉の上の水滴を飲み干してから、花蜜(種名不詳。シソ科?)を飲んで行きました。


♀だと思うのですけど、ワーカーなのか新女王なのか分かりません。雄蜂かも?
 


セスジスズメ(蛾)の幼虫



2009年10月上旬

路上で迷子になっていたセスジスズメTheretra oldenlandiae oldenlandiae)の幼虫
体長約6cm。
脱糞していたようです。
尾角の先端が白くなっています。
体側に派手な眼状紋が並んでいます。
威嚇するかのように胸部を持ち上げました。

赤トンボの連結打水産卵



2009年10月上旬

林縁の浅い用水路で赤とんぼのペアが連結打水産卵していました。
アキアカネかなと思うのですが、同定用の写真がうまく撮れなかったので定かではありません。
ナツアカネは連結「打空」産卵するはずなので、除外できます。



 

2011/01/12

繭塊bから羽化した寄生蜂(コマユバチとヒメバチの二重寄生)

2010年10月下旬@里山の草叢

(繭塊aに関する前の記事はこちらをクリック→。)

実は同じ日に少し離れた位置からもう一つ白い繭の塊を採集していました。 
当時はてっきりムシヒキアブの卵嚢だと思い込んでいました(図鑑でしか知らない)。
飼育に失敗する可能性に備え、保険として二個採集したのです。 
繭塊の大きさはa < b。
草叢には白い繭が幾らでも見つかりました。


密閉容器に入れ室内で放置していると、この繭塊bからも多寄生の蜂が続々と羽化して来ました。
動画は撮ってませんけれど、写真でレポートします。

数日かけて寄生蜂が出尽くした後で容器内から死骸を回収して調べて見ました(計95匹)。

どうやら今回も二種類の蜂が混じっているようです。





大多数の蜂は黒色です(91匹)。
代表して10匹(b-k)をランダムに選んで接写してみました。 
腹端が尖っています。
もう一つの繭塊aから羽化した蜂と同じくコマユバチ科Cotesia属の一種なのだろうか。




4匹だけ他とは違うタイプの蜂が混じっていました(a-d)。
体は褐色で、長い産卵管を持ち、翅の黒紋が二重に見えます。
こちらはヒメバチ科なのだろうか。

なんとなくdの個体だけ様子が少し違う気がしますけど、よく分からないので一応このグループにまとめておきました。
別の繭塊aから出たヒメバチとも違う種のようです(翅の黒紋が違う)。

 いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSに投稿してみると、ヒメバチの専門家の方から次のコメントを頂きました。
「このヒメバチは、トガリヒメバチ亜科Phygadeuontini族の一種です。おそらく、ハネナシヒメバチ属の有翅の種、Gelis areatorではないかと思いますが、これも標本を見なければはっきりとしたことは言えません。こちらは、コマユバチが繭を作った後に寄生したものです。」
二次寄生したヒメバチの方が寄主のコマユバチよりも体が若干大きく育つのは少し不思議な気がしました。
 
今回のケースも同一個体の寄主(鱗翅目の幼虫?)に二種類の蜂が共寄生していたのか、あるいは二重寄生だったようです。 

たまたま目についた一見似たような繭塊を二つ採集して調べただけで、複数種の寄生蜂を得られたことは全く驚きです。
しかし小さくて種類の膨大な寄生蜂は見分けるのが非常に困難で、専門家も写真鑑定では限界があるようです。


オオハナアブ♂の身繕いと吸蜜@セイタカアワダチソウ




2010年11月上旬

セイタカアワダチソウの花にオオハナアブPhytomia zonata)が止まっていました。
左右の複眼が頭頂部で接しているので♂だと思います。
頻りに手を擦り足を擦りしていました。
化粧が済むと口吻を伸ばし花の蜜を舐め始めました。


手ぶれ補正を駆使しても、風は虫撮り(接写)の大敵です。

揺れを少しでも軽減するため、茎を左手で抑えながら撮りました。

オオスズメバチの巣に御用心(刺傷例)



2009年10月上旬

林道横の茂みにオオスズメバチVespa mandarinia japonica)が出入りしているのを目撃。
近くに巣があるらしい。
背後からそっと回り込み、杉木立の陰から茂みの奥を望遠で撮ってみました。
口に何かを咥えたワーカーが地中から続々と出てきて飛んで行き、入れ替わりに空荷で帰って来ます。
別のスズメバチの巣を襲撃しているのかと初めは思ったのですが、咥えていたのは黒っぽい土粒のようです。
巣の拡張工事で生じた不要な土砂を外に捨てていたのだろう。
ストロボを焚くと蜂を刺激しそうで怖くて、同定用の高画質写真は撮れませんでした。
映像を見直すと頭楯下の突起が2つであること(オオスズメバチの特徴)を辛うじて確認。
コガタスズメバチは地中に営巣しないはずなので除外できそうです。
オオスズメバチの巣を実際に見つけたのはこれが初めてでした。
巣の入り口が見えそうなアングルにそっと移動し、視界を確保するために目の前の雑草の茎を注意深く折っていたら遂にオオスズメバチを怒らせてしまいました。
本で読んだカチカチカチという警告音は聞き取れず、いきなり攻撃されました。
一匹の蜂が突然バシーンと飛び掛って来ました。
ぶつかると同時に右手親指の付け根を刺されました。
蜂の一刺しで「火箸を押し付けられたような灼熱痛」というのは本当でした。
どうやら巣に近付き過ぎたようなので、すごすごと撤退。
血の滲む傷口を水で洗い、飲み薬(抗ヒスタミン剤)と塗り薬(副腎皮質ホルモン+抗生物質配合の軟膏)で応急処置。
幸いアナフィラキシー・ショックなど大事には至りませんでした。
その晩、右手の甲全体が熱を持ってグローブのように腫れ上がりました。
入浴したのが良くなかったのかも。
ズキズキした痛みは我慢できるレベルですが、腫れた指が曲がらなくなりました。
その後は強い痒みが数日間続きました。
もちろん丸腰で近付いた訳ではないのですが、私の装備では全く不充分だったと身を持って学習しました。
まさに生兵法は怪我の元。
観察するにもスズメバチ専用の防護服が必要なようです。


万一に備えてエピネフリン注射器(エピペン)を携行すると心強いかもしれません。
誠に無謀でお恥ずかしい失敗談ですが、皆様くれぐれもお気をつけ下さい。
正しい知識と準備で冷静に対処しませう。 
つづく

《参考》
・『スズメバチはなぜ刺すか』 北海道大学図書刊行会
・『ハチの博物誌』 青土社 p114


【追記】
山内博美 『都市のスズメバチ』p41によると、オオスズメバチは
巣穴を拡張するため、巣の入口付近に中から運び出した土の固まりが放射状に散乱していることがよくある。


ジョロウグモ♀(蜘蛛)の遠出



2009年10月中旬

ブロック塀の上を散歩するジョロウグモ♀(Nephila clavata)。
左の第一脚を欠損しているようです。
造網性であるジョロウグモが自らの意志で網の外をこれほど長い距離を歩いて移動する姿を初めて見ました。
獲物をより多く捕らえられる営巣地を求めて引っ越しの途中なのだろうか。
それともこの時期はジョロウグモの産卵期なので、産卵間近の♀が卵嚢を作る場所を探しているのだろうか。
塀の角まで辿り着くと懸垂下降しました。
 




ヒメアカタテハの日光浴



2009年10月中旬

夕方の堤防で少しずつ飛んでは移動するヒメアカタテハVanessa carduiの同一個体をしつこく追いかけて撮りました。
体温調節のためか、ときどき翅を広げて見せてくれました。

 


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