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2025/06/20

池畔のマユミ枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#2】

 



2024年6月上旬 

モリアオガエル♀♂(Rhacophorus arboreus)の繁殖池で岸辺に自生するマユミの枝葉に集まって白い泡巣を次々に作り、産卵する様子をタイムラプス動画で記録しています。 
インターバル撮影の設定は前回と同じで、明るい昼間だけ(午前6:00〜午後17:30)1分間隔、4日間の記録です(6/4〜6/7)。 

カメラ全体を透明プラスチックの防水ケースにすっぽり格納してあるのですけど、今回はその上に雨よけの庇を取り付けました。 
持参した薄いプラスチック板をハサミで適当な大きさの長方形に切り、カメラの上部を覆うように屋根のように固定しました。 
これだけでも効果は絶大で、雨の多い季節でもレンズに水滴が付くことが減りました。 
設置した雨よけの庇が画面の上に写り込まないように、注意が必要です。 

泡巣が溶けてモリアオガエル幼生(オタマジャクシ)が下の池に脱出するまでの経過も、できれば微速度撮影で記録したいのです。 


肝心の泡巣作り(配偶行動)は主に夜間行われているようですが、残念ながらこのカメラには暗視モードがありません。
夕方から翌朝へと時間が飛ぶと、急に新しく泡巣が増えています。

撮れたタイムラプス動画をよく見ると、表面がまだ乾いていない新しい泡巣にシリアゲムシの仲間♀♂が何匹も群がっていました。 
泡巣に口吻を突き刺して吸汁(食卵?)しながら、翅紋を誇示しているようです。 
現場入りした際にその様子を実際に撮影したので、映像公開予定。 


タイムラプス動画をスロー再生してじっくり見直すと、ちょっと面白い瞬間もいくつか撮れていたので、皆さんも探してみたください。 

ニホンカモシカCapricornis crispus)が池の岸辺(泥濘)を歩いて左から右へと横切る姿が写っていました。(@0:12〜) 
池の水を飲みに来たのかもしれません。 
カモシカも水浴するらしいのですが、私は観察したことがありません。 

・モリアオガエルがレンズに跳びついた瞬間も撮れていました。(@2:24〜) 

・池の水面ではカルガモAnas zonorhyncha)の群れが泳ぎ回っています。 


つづく→

2025/06/10

池畔のマユミ枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#1】

 

2024年5月下旬〜6月上旬

モリアオガエル♀♂(Rhacophorus arboreus)が繁殖期に樹上で次々と産卵する様子を長期間の微速度撮影してみました。 
里山にある繁殖池に行ってみると、前年と全く同じ場所に白い泡巣が早くも作られていました。 
池畔に自生するマユミ灌木の葉に白い泡状の塊が付着しています。 

BrinnoタイムラプスカメラTLC200を専用の防水ケースに格納し、水際のマユミを狙って設置しました。 
この機種TLC200の最短撮影距離は約75cmで、接写にはあまり向いていません。 
しかし、モリアオガエルがマユミの枝葉のどこに次の泡巣を作るか予想できませんから、広角で狙う方が好都合です。 
明るい昼間だけ(午前6:00〜午後17:30)1分間隔でインターバル撮影するように設定しました。 
モリアオガエルの繁殖行動は夜通し行われるのですが、残念ながらこのカメラ機種には暗視機能がないため、明るい日中のみの撮影になります。 
トレイルカメラを使えば昼も夜も連続してインターバル撮影が可能になるのですが、手持ちのトレイルカメラは全て他のプロジェクトで使っているので仕方がないのです。 
天気予報通り、夕方から雨が降り出しました。 

さて、6日間(5/30〜6/4)インターバル撮影してみたタイムラプス動画を見てみましょう。 
マユミの樹上でモリアオガエルが作る泡巣の数が増えていました。
マユミの左隣のハルニレ?灌木にも産卵していました。 
その重みで枝葉が垂れ下がり、撮影後半にはカメラの視界を遮ってしまいました。 
被写体(泡巣)までの距離が近過ぎてピンぼけになるかと心配でしたが、大丈夫でした。 
モリアオガエル♀♂がマユミの木に登って集まり、抱接しながら白い粘液を泡立てて泡巣を作り、その中に産卵・受精します。 
しばらくすると泡巣の表面は乾いて固くなり、内部の受精卵を乾燥や捕食者から守ります。 
やがて卵から幼生が孵化すると泡巣の耐水性は次第に失われ、雨で溶けた泡巣からオタマジャクシが脱出して下の池に落ちます。 
晴れたに日は、溶けかけた古い泡巣にハエなどの虫が集まっていました。 

昼間の池には、カルガモAnas zonorhyncha)の♀♂つがいが水面を泳ぎ回っていました。 

曇ったり雨が降ったり夕方になったりすると、マユミの横枝が垂れ下がることが分かりました。 
晴れると光合成が活発になり、横枝もピンと持ち上がります。 
生きた植物はゆっくりながらも活発に動いていることが、タイムラプス動画にすると一目瞭然です。 
池を取り囲むスギ林の影が日時計のように刻々と移動します。 

モリアオガエルの繁殖期は、梅雨の初め(雨季)と重なっています。 
カメラの設置場所が水際なので、湿度が高くて気温が下がる朝晩にはレンズに結露したり霧が発生するかと心配でしたが、それは大丈夫でした。 
激しい雨が降るとレンズの表面に水滴が付着します。 
しかし晴れると水滴が自然に蒸発して、きれいに乾きました。 
Brinno専用の防水ケースの撥水性はかなり優秀でした。 
防水ハウジングの内部に雨が浸水することもなく、結露もしていませんでした。 
それでもレンズの水滴対策が必要だと分かったので、次回からは雨よけの庇を取り付け、防水ケースのレンズの部分には曇り止めの撥水スプレーを噴霧した方が良さそうです。 


つづく→#2


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2025/06/04

山中の水溜りでヒキガエルの幼生を狩って雛に給餌するクロツグミ♀【野鳥:トレイルカメラ】



2024年5月下旬・午後18:35頃・日の入り時刻は午後18:55。

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
山林で湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っています。
浅い泥水の水溜りには、アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生と思われる黒いオタマジャクシの群れが泳いでいます。
1.5倍に拡大した上でリプレイ。
翌年の春には、同じ水溜りではありませんが、そこから連続した湿地帯を流れる雪解け水の沢でアズマヒキガエルの配偶行動を観察しています。(映像公開予定)


シーン1:5/25・午後18:33(@0:18〜)
日没前でまだなんとか明るい時間帯に、クロツグミTurdus cardis)の♀♂ペアが互いに離れて水溜りの水を飲んでいました。

手前の茶色い♀個体が何か黒っぽい獲物を捕らえました!
水溜りでオタマジャクシを狩ったのかな?
獲物をその場では食べず、嘴に咥えたまま次の獲物を探しています。
したがって、近くの巣で待つ雛鳥に給餌するのでしょう。
左へ飛び去りました。

一方、奥に居た黒い♂個体は、水を飲み終えると、更に奥の湿地に移動して餌を探し歩いています。


シーン2:5/25・午後18:36(@1:20〜)
2分後にクロツグミ♀が単独で水場に戻って来ていました。
水溜りの岸の泥濘を繰り返しつついているのですけど、手前に生えたシダの葉が邪魔でよく見えません。
やがて嘴に何か黒っぽい獲物を咥えていました。
オタマジャクシなのかミミズなのか、獲物の正体がよく分かりません。
クロツグミ♀は、その場で脱糞した直後に黒い獲物を咥えたまま左上へと飛び立ちました。

クロツグミ♀による狩りのシーンを1.5倍に拡大した上で自動色調補正を施してリプレイ。(@1:54〜)
画質が粗いのは薄暗いせいなので、仕方がありません。



【考察】
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』という図鑑を紐解いてクロツグミについて調べると、
つがいで縄張りを持ち、♂は木の梢で大きな声でさえずる。主に地上をはね歩きながら採餌する。数歩はねて立ちどまり、ゴミムシなどの昆虫やミミズを捕える。(p445より引用)
確かにクロツグミの♀♂つがいが見事に縄張りを防衛しているようで、昼間この水場には他種の鳥がやって来ません。
夜行性のフクロウとは同じ水場というニッチを時間的に分割・共有しています。


今回クロツグミ♀が山中の水溜りで狩った獲物がもしもミミズではなく、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)だとすると、重大な観察事例となります。
ヒキガエルのオタマジャクシには、ブフォトキシンという強力な心臓毒(強心配糖体)が含まれているからです。
親鳥が自分では食べずに雛鳥に給餌したので、雛は中毒死した可能性が高いです。
ヒキガエルの成体なら耳腺という特定の部位に毒腺が局在していますが、幼生の時期には皮膚全体に分布しているのだそうです。
親鳥がオタマジャクシのぬるぬるした皮膚をわざわざ全て剥いでから肉だけを雛に給餌したとは考えにくいです。
少量の餌なら致死量ではないかもしれませんが、体重の軽い雛鳥は毒への感受性が高いはずです。
クロツグミの雛鳥がヒキガエルのオタマジャクシを1匹摂取した場合、含有毒素量が致死量に達するかどうかは、雛の体重や種によって異なります。
致死に至らない場合でも、消化器症状(嘔吐、下痢)や神経症状(痙攣、運動失調)などが現れる可能性があります 。
ヒキガエルを獲物として常食している捕食者なら、ブフォトキシンへの耐性を獲得するように進化した可能性があります。

ヒキガエルの毒は苦味を伴うらしいのですが、そのような苦味による警告があるにも関わらず、オタマジャクシを捕食したということは、親鳥は過去にオタマジャクシの毒性を学習していない(ヒキガエルやオタマジャクシを味見した上で、その毒で痛い目に遭っていない)ことになります。


クロツグミの親鳥♀は数匹のオタマジャクシを水場で狩ってから、獲物をまとめて巣に持ち帰り、雛に給餌したようです。
このとき、最も激しく餌乞いした1匹の雛に全ての餌を与えるのか、それとも複数の雛に少しずつ餌を与えるのか、2つのシナリオが考えられます。 
後者なら、雛1羽当たりの毒の影響は少ないかもしれませんが、致死量を超えていれば巣内の雛が全滅した可能性もあります。

前回の記事で紹介したように、この時期(育雛期)クロツグミの親鳥は、水場付近でオタマジャクシの他にミミズも獲物として捕らえることがあり、巣に持ち帰っていました。
湿地帯の泥濘でミミズを探していた親鳥が、動きの似ている(身をくねらせて移動する)オタマジャクシを浅い水溜りで見つけて狩るようになったのでしょう。
ミミズには毒がないため、雛に対して毒性の希釈効果が期待できます。

もしも巣内の雛が死んだり体調を崩した場合、親鳥はオタマジャクシの毒のせいだと因果関係を正しく推論して、その後の給餌行動(獲物の選択)を変えることが果たしてできるでしょうか? 
自分で食べたのなら自身の体調の悪化と結びつけて学習することは容易ですけど、雛に給餌する場合は学習の成立は難しそうです。
ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、派手な警告色を持たないため、視覚的に毒性を予測しにくくなっています。
これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応なのでしょう。
親鳥はたとえ因果関係を頭脳で正しく推論・学習できなくても、ヒキガエルのオタマジャクシを忌避するような行動がたまたま進化するかもしれません。
つまり、ヒキガエルの有毒なオタマジャクシを雛に給餌するような愚かな親鳥は繁殖に失敗し、子孫を残せません。
雛が毒によって自然淘汰される結果として、クロツグミの多くはヒキガエルのオタマジャクシを何らかの理由で忌避するように進化するはずです。





ChatGPTとの問答から、以上の考察を分かりやすいレポートにまとめてもらいました。

クロツグミとヒキガエル幼生に関する観察記録と考察レポート

1. 観察の概要

2024年5月下旬〜6月上旬、山形県の里山における水場に設置したトレイルカメラにより、クロツグミ(Turdus cardis)の成鳥が水溜まりで採餌している様子が複数回記録された。観察映像から、以下の行動が確認された:

  • クロツグミの雌雄ペアが黒色のオタマジャクシを捕獲し、巣に持ち帰る様子

  • ミミズなど他の餌も同時に採餌し、巣に持ち帰っている

特に注目すべきは、捕獲されたオタマジャクシがヒキガエル(Bufo japonicus, アズマヒキガエル)と推定される種であったことである。

2. ヒキガエル幼生の毒性と鳥類による捕食

ヒキガエル類は成体だけでなく、幼生(オタマジャクシ)の段階から心臓毒であるブフォトキシン(bufotoxin)を含むことで知られている。一般にこの毒素は魚類や一部の昆虫捕食者に対する忌避効果を持つとされるが、鳥類による捕食例も報告されている。

ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、警告色(アポセマティズム)を持たないため、視覚的に毒を予測しにくい可能性がある。これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応と解釈できる。

3. クロツグミの給餌行動と雛への影響

今回の記録では、親鳥が複数のオタマジャクシを捕食・運搬しており、巣にいる雛に給餌したと考えられる。毒性のあるオタマジャクシを雛が摂取した場合、以下のような影響が懸念される:

  • ブフォトキシンは神経・心臓に作用する強い毒性を持ち、哺乳類や鳥類にも有害

  • 雛は成鳥に比べて体重が軽く、1匹でも中毒死するリスクがある

  • ただし、実際の給餌では、親鳥が複数の雛に分散して餌を与えることが多く、個体ごとの摂取量は限られる可能性がある

  • トレイルカメラの映像からは巣内の雛の生存状況や健康状態は不明

4. 因果関係の認知と学習可能性

親鳥が自らオタマジャクシを食べて中毒を経験すれば、忌避学習が成立する可能性は高い。しかし、給餌対象が雛であり、かつ雛が体調を崩したとしても、その原因を特定の餌と因果づけて推論することは難しい。これは多くの鳥類において制限されている認知能力の範囲と一致する。

とはいえ、種全体としては、毒を持つオタマジャクシの忌避行動が自然選択的に強化される可能性はある。すなわち、雛に毒を与えてしまう親鳥の子孫は減り、毒餌を避ける親の行動が有利に働く。

5. 警告色を持たない毒幼生の戦略的意味

アカハライモリのように腹部の赤色を見せる"unken reflex"を持つ両生類とは対照的に、ヒキガエル幼生は視覚的警告を欠く。これは、警告色の進化には色素細胞の前適応や環境要因が必要であること、また水中での視覚信号の有効性が限定的であることが理由と考えられる。

6. 結論と今後の展望

今回の事例は、毒性のあるヒキガエル幼生がクロツグミに捕食され、給餌対象として利用されるという興味深い生態的相互作用を示している。親鳥および雛への毒の影響は、摂取量や個体差によって異なると考えられるが、今後さらなる観察や給餌後の巣の状況(生存率など)を追跡することで、鳥類と毒動物の相互作用についてより深い理解が得られるだろう。


素人があれこれと妄想してきましたが、実はその後、クロツグミ♀♂つがいの雛は、幼鳥として無事に巣立ったようです。(映像公開予定)
つまり親から毒餌を与えられても、雛の巣立ち数に影響はありませんでした。
たまたま急性毒性が少ないオタマジャクシだったのか、あるいはクロツグミの雛にブフォトキシンへの耐性があったのかもしれません。



2025/04/18

山中の沢で春に鳴くタゴガエル♂♪

 

2024年4月下旬・午後12:15頃・晴れ 

里山の斜面をトラバースする林道を歩いていたら、沢の水が流れる「洗い越し」の地点で謎の鳴き声がかすかに聞こえました。 

洗い越し(あらいごし)とは、道の上を川が流れるようにしてあるものをいう。(中略)森からの沢水を山側から谷側に流すために道を横切るように作られた排水溝の機能を持たせた構造で、道の流水による侵食や崩壊を防ぐ目的がある。 (wikipediaより引用)

聞き耳を立てた私が鳴き声のする方向を探しながら歩き回ってガサガサと物音を立てたのに、カエルは鳴き止みませんでした。 
動画の音量を上げて耳を澄まさないと、かすかな鳴き声は聞き取れません。 
ときどき春風の風切り音が混ざりますし、ウグイス♂の囀りさえずりや谷渡りも聞こえます。 

カエルの姿が見えなかったのですけど、周囲の状況や鳴き方から判断して、タゴガエル♂(Rana tagoiが♀を呼ぶ求愛歌(縄張り宣言)ですかね? 

幻のカエル: がけに卵をうむタゴガエル』という本では、タゴガエルの鳴き声は「グォ!、グゥォ!、グゥ!、グォッ!、グッグォッ!、ググッ!」などのように書き表してありました。

私はカエルに疎いので、この機会にナガレタゴガエルの可能性についても検討してみました。 
山形県にナガレタゴガエルRana sakuraii)が生息しているかどうか微妙で、住んでいたとしても分布域の北限に近いらしい。 
また、ナガレタゴガエル♂の鳴く時期はもう少し早く、4月下旬には鳴き止んでいるはずとのこと。 
しかも2024年は異常な暖冬の後で、春の訪れが例年よりもかなり早かったです。

この地点は、山腹から沢の水がチョロチョロと年中流れています。 
沢の水は林道を横切って(洗い越し)から、灌木に覆われた急斜面(崖)を下って行きます。 
その崖を流れ下る沢のどこかにタゴガエル♂が潜んでいて、ひっそりと鳴いているようです。 
タゴガエルの生態にも興味があるのですが、本格的に探すとなると、沢登りの装備が必要かもしれません。 


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2025/03/10

早春にトウホクサンショウウオの繁殖池をタイムラプス動画で監視してみると…#2

 



2024年3月下旬 

里山の湧き水が溜まった小さな泉が毎年早春にはトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)やヤマアカガエルRana ornativentris)の繁殖池になっています。
両生類の産卵行動を観察するために、インターバル撮影専門のカメラで監視してみました。 
明るい昼間だけ1分間隔で撮影する設定にしました。

残念ながら、3/22〜27の6日間しか撮れていませんでした。 
その後は寒の戻りで大雪が降った日に、カメラの上に積もった雪の重みで固定したカメラの画角が下にずれてしまい、池を監視できなくなりました。 

スギの落枝(生葉および枯葉)を池の水中に沈めておいたのですが、後日に現場入りして調べても、トウホクサンショウウオの卵嚢は落枝に全く産み付けられていませんでした。 
対岸に少しだけトウホクサンショウウオの卵嚢が見つかりました。 
やはりスギの生葉から溶けだす未知の成分が両生類にとって忌避物質(弱毒)なのかもしれません。 

タイムラプス動画を見直すと、ときどき池の水中に両生類が出没していました。 
しかし、映像の早回しスピードが早すぎて、カエルかサンショウウオか、よく分かりません。 
落枝に産卵を始めればもっと長居するはずです。 

今季の作戦は失敗に終わりました。 
トウホクサンショウウオやヤマアカガエルはもしかすると夜の方が活発に産卵するかもしれないので、次回は赤外線で暗視できるトレイルカメラを使って終日のタイムラプス撮影をしてみるつもりです。



2025/02/24

山中の泉でスギの落ち葉に産み付けられたトウホクサンショウウオの卵嚢:2024年早春

 



2024年3月下旬・午後12:40頃・晴れ 

山中の湧き水が溜まった池で毎年早春にトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)が繁殖しています。 
2週間ぶりの定点観察で私が泉に近づいたら、1匹のヤマアカガエル?が岸辺から水中に跳び込んで逃げました。 
しかし、ヤマアカガエルの卵嚢を探しても未だ産み付けられていませんでした。 

さて、本命であるトウホクサンショウウオの卵嚢を探しましょう。
私が産卵基質として池に沈めておいたスギ落枝には、残念ながら卵嚢は一つもありませんでした。 
監視カメラによるタイムラプス映像にも産卵シーンは写っていませんでした。 
まだ時期が少し早いのでしょうか? 

日当たりの良い岸辺付近に沈んでいたスギの枯れた落葉にトウホクサンショウウオの卵嚢が少量だけ産み付けられていました。 
トウホクサンショウウオ成体の姿は見当たりません。 
産卵後はさっさと上陸してしまうのでしょうか? 
それとも、水中の落ち葉の下に潜り込んで隠れているのかな? 

水中からスギの落ち葉を一時的に持ち上げてみると、サンショウウオの卵嚢が8対?絡みついていました。 
卵鞘の表面に細かい皺があるのがトウホクサンショウウオの特徴なのだそうです。 
産卵から間もないようで、胚発生はまだほとんど進んでいません。 
産卵の最盛期はまだなのでしょうか。 




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2025/02/13

早春にトウホクサンショウウオの繁殖池をタイムラプス動画で監視してみると…#1:ニホンザルの登場

 

2024年3月上旬〜下旬

山中の湧き水が溜まる浅い池で毎年早春にトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)が繁殖していることが分かっています。

産卵行動を観察・撮影するのが今季の目標です。 
3月上旬に現場入りしてみると、暖冬のためか池は雪に埋もれていませんでした。 
この日は未だヤマアカガエルやトウホクサンショウウオの卵嚢は1つも見つかりませんでした。 
親の姿もまったく見当たりません。 
繁殖期はまだ始まっていないようです。 
(ちなみに、標高の低い山麓の池ではヤマアカガエルの産卵が始まっていました。) 
前年は水中に半分沈んだアカマツの落枝にトウホクサンショウウオの卵嚢が産み付けられていたので、今年は産卵基質として常緑の葉の付いたスギの落枝を池に投入してみました。 
(私のこの行為が、余計なお世話だったかもしれません。)

両生類は変温動物ですから、いくら活発に動き回っても通常のトレイルカメラでは検知できません。 
仕方がないので、次善の策としてタイムラプス専用カメラを設置して繁殖池を監視することにしました。 
明るい昼間のみ1分間隔でインターバル撮影した連続写真をタイムラプス動画に加工しました。 
(トウホクサンショウウオ♀は夜に産卵するのかもしれませんが、この機種では夜間の暗視撮影はできません。)
まる2週間のインターバル撮影で計4.7 GiBのAVIファイルが生成されました。
トレイルカメラの動画撮影と比べると、電池の消費は驚くほど少なくて済みました。

野生動物で唯一写っていたのは、 3/8の夕方(PM 17:10〜17:11)に登場した1頭のニホンザルMacaca fuscata fuscata)だけでした。 
他の季節にこの水場でニホンザルが飲水するシーンがときどきトレイルカメラで撮れていたので、今回も群れで遊動する途中に水を飲んだり水浴するために立ち寄ったのでしょうか? 
雪解け水の冷たい泉にわざわざ入ってジャブジャブ横断したということは、何か餌を探していたのかもしれません。 
早春は樹々が芽吹くまでニホンザルの餌がきわめて乏しい季節ですから、空腹の猿がカエルやサンショウウオの成体や卵嚢を探して捕食する可能性も十分あり得ます。 
しかし、ニホンザルが監視カメラに写ったのは、2週間でこの一度きりでした。 
もし捕食に成功していたら、味をしめて何度も同じ池に通っていたはずです。 
あるいは、カエルやサンショウウオの成体または卵嚢を味見したのに、ニホンザルの口に合わなかった(不味かった)のかもしれません。
ニホンザルの糞を分析して、両生類のDNAが検出できれば捕食した有力な証拠となるでしょう。 

タイムラプス動画を見ると、低山でもときどき寒の戻りで雪が降っていました。 
早春の積雪量は少なく、すぐに溶けてしまいます。 
カメラのレンズに雪が付着しても、晴れると溶け落ちてすぐに視界は良好に戻ります。 
晴れると池の周囲の雑木林の影がまるで日時計のように刻々と移動しています。 

画面の下端に写っている、池畔に自生するスギ幼木の枯れた横枝が邪魔なのですが、上下に日周運動していることが分かりました。 
昼間に晴れると枝が立ち上がり、曇りや雨雪など悪天候になると垂れ下がります。 
つまり死んだ枯れ枝ではなく、生きているようです。 

水中に浸ったスギの落枝はいつまで経っても葉が緑色のままで、茶色に枯れることはありませんでした。 
いくら目を凝らして動画を見直しても、水中のスギ落枝にサンショウウオやカエルが集まって産卵する様子は写っていませんでした。 
たまに岸辺近くの水中で両生類?がウロチョロしていたかもしれませんが、タイムラプスの早回し映像ではあまりにも早すぎてよく分かりません。 

後に現場入りすると、監視カメラの画角の外の、対岸の水面に浮いていたスギの落ち葉にトウホクサンショウウオの卵鞘が少しだけ産み付けられていました。
スギの生葉から水に溶け出したエキスをトウホクサンショウウオが嫌って寄り付かなくなってしまった可能性なども懸念してしまいます。
完全に枯れたスギ枝葉を池に投入すべきだったかもしれません。 

期待外れの結果で残念でしたが、もう少し続行します。




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2024/12/24

モリアオガエルの死骸を持ち去るカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月下旬・午前9:00頃・晴れ 

平地のスギ防風林の林縁で、雪の消えた地面にカエルの死骸が転がっているのを見つけました。 
頭部を背側からつつかれていたので、鳥が食べ残したようです。 
今期は異常な暖冬ですから、冬眠から季節外れに目覚めてしまったカエルが天敵に捕食されたのでしょうか? 
それとも、冬眠中のカエルを野鳥が地中から掘り出して捕食しかけたのかな? 

モズLanius bucephalus)のはやにえが地面に落ちた可能性も考えられます。 
ここは田畑や休耕地の近くなので、モズが生息していても不思議ではありません。 
一説に毎月40、1シーズンに120ほどのはやにえをつくるともいわれるモズ。このはやにえを他の鳥がちゃっかりいただくことも。 (小宮輝之ら『鳥の食べもの&とり方・食べ方図鑑』p107より引用)
関連記事:▶  


さて、犠牲となったカエルの種類は何でしょう? 
シュレーゲルアオガエルまたはモリアオガエルだと思うのですが、死体の頭部が損傷しているため、重要な識別ポイントである目の色が分かりません。 
腹面に斑紋があるので、モリアオガエルRhacophorus arboreus)と判明しました。 
こんな平地の小さな林にモリアオガエルが生息しているとは知らず、ちょっと意外でした。 
近くに水がたまった素掘りの水路や池?もあるので、水辺の樹上にモリアオガエルの泡巣が作られるかどうか、初夏の繁殖期に確かめないといけません。(忙しくて、すっかり忘れてしまいました。) 

野外で見つけた死骸を素手で触れてはいけません。 
ビニール袋を手袋代わりにしてモリアオガエルの死骸を掴むと、死後硬直はなく、凍死体でもなく、ぐったりしていました。 
腐敗臭はまったくしませんでした。
実はすぐ近く(約3m離れた地点)に、ニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴があります。 
根こそぎ倒れたスギの風倒木が何本も放置され、その根元に巣穴が2つ掘られているのです。 
せっかく新鮮な肉が手に入ったので、根曲がり巣穴aのすぐ手前の地面にカエルの死骸を放置して、巣穴の主に給餌してみましょう。 
監視カメラに何が写るか、楽しみです。 
すぐに雪が積もって埋もれてしまうことを心配しましたが、幸い雪が降る前に餌を見つけてくれました。 


翌日の朝に現れたのは、イタチではなく1羽のカケスGarrulus glandarius)でした。 
地面に仰向けで転がっているモリアオガエルの死骸を見つけると、周囲を警戒しています。 
まずは屍肉の本体ではなく小さな白っぽい肉片を咥え、左に飛び去りました。 
すぐにまたカケスが戻ってくると、モリアオガエルの死骸を丸ごと咥えて右へ飛び去りました。 
三回目に戻ってくると、最後の白い肉片を咥え上げ、左奥へピョンピョン跳んでカメラの死角に消えました。 
監視カメラの存在を警戒しているのか、カケスは死肉を食べるシーンを決して見せてくれませんでした。 
もしかすると、カケスは小さな肉片だけ食べて、メインのモリアオガエル死骸を再び貯食した(近くに隠し直した)のかもしれません。 
気温が低い厳冬期なので、日向を避ければ死骸は冷蔵/冷凍保存され、腐る心配はありません。 

カケスの死肉食を観察できたのは今回が初めてです。 
カケスはカラス科に属しますから、腐肉を食べても不思議ではありません。 
近くの二次林で秋にドングリ(堅果)をせっせと貯食していましたが、餌の乏しい冬には、カエルの死骸でも嬉しいご馳走だったはずです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/10/18

初冬の冷たい雨が降る夜に池畔の崖から力尽きて滑落した謎の生き物とは?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年12月上旬 

山中の湧き水が溜まった泉を自動撮影カメラで見張っていると、旧機種のために風揺れや落ち葉の動きに動体検知センサーが反応して頻繁に誤作動してしまいます。 
膨大な無駄撮り映像を丹念に確認すると、本来は写らないはずなのに変温動物(両生類など)の興味深い活動がたまたま録画されていることがあります。 
今回も意外な発見がありました。


シーン0:12/6・午後12:13・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
細長い池の左岸を狙って監視しています。 
画面の左から流入した湧き水が右に向かって流れ、斜面を下る沢の源流になっています。 
周囲の雑木林から散った大量の落ち葉が浅い池の中にも溜まってます。 
池の周囲は三方が崖のように取り囲まれています。 
池畔に育ったミズナラ大木の根元が画面の左上隅に写っています。 


シーン1:12/7・午後18:14(@0:03〜)日の入り時刻は午後16:23。 
冷たい雨が降りしきる晩にトレイルカメラがなぜか起動しました。 
水面に浮いているカエル(種名不詳)の目が赤外線を反射して白く光って見えます。(赤丸に注目) 
5倍速の早回し映像にすると、そのカエルがときどき瞬きしていることが分かります。 

さて、左岸の急斜面(崖)の途中に示した赤丸に注目して下さい。(@0:10〜) 
謎の黒い物体がズルズルと力なく崖をずり落ちました。 
私は初め、寒さで死にかけた野ネズミ(低体温で仮死状態?)が滑落したのかと思いました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイしてみると(@0:24〜)、黒っぽくて細長いのでサンショウウオの仲間かもしれないと思いつきました。 
この池にはトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)の幼生が生息していることを夏に観察しています。 
繁殖池から上陸して山林で育ったサンショウウオの成体が越冬のために水場へ戻ってきたという可能性はどうでしょうか? 
トウホクサンショウウオは冷涼な渓流や湖沼の水中で♀♂が冬眠し、早春に目覚めるとそのまま繁殖行動(産卵)をするらしいのですが、私はまだ実際に観察できていません。 
だとすると、初冬に池畔の崖をずり落ちたのは瀕死の滑落事故ではなく、積極的に池を目指して移動してきたことになります。 


シーン2:12/7・午後18:15(@0:37〜) 
続きの映像を5倍速で見ると、崖の途中で引っかかった謎の生物の白く光る目がときどき瞬きしていました。 
落ち葉やゴミなどの無生物が風雨に吹かれて崖を滑り落ちたのではなく、何か生物であることは間違いなさそうです。 


シーン3:12/7・午後18:18(@0:47〜)
しばらくすると、左岸で静止していたサンショウウオ?が再び崖をずり落ちて、水際に溜まった落ち葉の上に落ちました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:08〜)。 
重力を利用しつつも自力で這って池に到達したと思うのですが、小さいので手足の動きは見えませんでした。 
次に自力で這って入水したのかどうか、これ以降の記録はありません。 


シーン4:12/7・午後22:03(@1:16〜) 
画面の手前に示した赤丸に注目して下さい。 

 池の水面に浮いた大量の落ち葉をかき分けるように、何か細長い生き物が左に這って移動しています。 
1.5倍に拡大した上でリプレイしてみると(@1:21〜)、体表がテラテラした質感なので両生類でしょう。 
トウホクサンショウウオではないかと推測しています。 
アカハライモリの可能性も考えたのですが、一般的に地中や石の下などで冬眠するらしく、除外しました。 

このサンショウウオの行方が気になります。
残念ながらカメラの電池が切れそうで、わずか3秒間しか録画されていませんでした。 
赤外線LEDを照射する暗視動画は特に電力消費が激しいので、夜に誤作動を繰り返すとあっという間に電池が消耗してしまうのです。 
膨大な数の無駄撮り動画のチェックは苦行でしかありません。
途中で飽きた私はランダムに見直していたので、前後の映像をうっかり削除してしまったのが一生の不覚です。 


シーン5:12/8・午前1:29(@1:26〜) 
日付が変わった深夜に監視カメラが健気に2秒間だけ起動すると、依然として小雨がぱらついていました。 
野ネズミ(ノネズミ)が池の左岸を左に駆け抜け、ミズナラ根際の穴に潜り込んだようです。 
寒さで死にかけて池畔の崖を滑落した野ネズミが蘇生して巣穴に戻ったのかと初めは思ったのですが、体型や大きさ、色などを大画面で見比べると全く違います。 
つまり、崖を滑り落ちた謎の生物は野ネズミではありません。 


【考察】 
この時期、水場にイタチが繰り返し通って狩りをしていたので、獲物の正体が気になっていました。 
そのために、無駄撮り映像をじっくり見直してみたのです。 

関連記事(同所で同時期の撮影)▶  


やはり、巣穴に潜む野ネズミや、冬眠中(冬眠前)の両生類(カエルやサンショウウオ)を狙ってイタチは捕食していたようです。 

気温や水温が下がる初冬にも一部の両生類が水辺で元気に暮らしていたのは、ささやかながら私にとって意外な発見でした。 
変温動物の両生類はとっくに冬眠しているものだとばかり思い込んでいました。
(もしかすると暖冬の影響かもしれません。)
旧機種のトレイルカメラは、動画撮影時の気温データを取得できないのが残念です。 
新機種のトレイルカメラではセンサーの性能が向上して誤作動が減ったのは嬉しいのですけど、このような副産物の発見はあまりなくなりました。(一長一短) 
もしも初冬の池に集まってくるサンショウウオの行動観察を本格的にするのであれば、熱源動体検知で録画するトレイルカメラには頼らず、ライブカメラで池の様子を愚直にひたすら全録するしかなさそうです。
膨大な動画を目を凝らしてひたすら見る確認作業を想像するだけでも大変そうで、AIに任せられないかな?と夢想しています。
まずはタイムラプス撮影して傾向を掴むのが現実的かもしれません。


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フィールドワークに心血を注ぐとはどういうことか、教えてくれる素晴らしい名著です。
何も知らない素人だった筆者がサンショウウオに興味をもち、地道な野外観察や飼育を愚直に繰り返して、見事な業績を上げておられます。

2024/10/02

雪が降っても平気で池の水中に留まる晩秋のカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬〜12月上旬

シーン0:11/27・午後13:08(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の水場をトレイルカメラで見張っています。 
画面の左下から細長い池に流れ込んだ湧き水が右上に流出し、斜面を下って沢の源流となります。 
周囲の雑木林から大量に降り積もった落ち葉が水場に溜まっています。 

カエルは変温動物なので、本来はいくら動いてもトレイルカメラのセンサーは検知できないはずなのに、風や落ち葉が横切る動きで誤作動した映像の中に、たまたまカエルが写っていることがあります。 


シーン1:11/28・午後18:35・みぞれ(@0:04〜) 
冷たい雨(みぞれ?)が降る晩に、2匹のカエル(種名不詳)が水中に居ました。 
左の個体がたまに瞬きすることから、生きていることが分かります。 


シーン2:11/29・午前4:14・雪(@1:36〜) 
日付が変わった未明に雪が激しく降っています。 
依然として2匹のカエルが池に留まっていました。 
いつの間にか2匹の距離が縮まっています。 
池に堆積した落ち葉によって形成された岸辺でじっとしていました。 
ときどき瞬きしているので、生存確認できました。 

実はもっと激しく雪が降っている夜にも同様のシーンが撮れていたのですけど、動画をうっかり削除してしまいました。 

安全な越冬場所に移動する前に雪が降り始めてしまい、逃げそびれた個体なのでしょうか?
このまま凍死するのではないかと心配です。 
晩秋にまだ大丈夫だろうと油断していたら、急に気温が下がって身動きできなくなり、絶体絶命になったとしたら、まさに「茹で蛙(ゆでガエル)」の逆バージョンということになります。
茹でガエル(ゆでがえる、英語: Boiling frog)とは、緩やかな環境変化下においては、それに気づかず致命的な状況に陥りやすいという警句。生きたカエルを突然熱湯に入れれば飛び出して逃げるが、水に入れた状態で常温からゆっくり沸騰させると危険を察知できず、そのまま茹でられて死ぬという説話に基づく。


シーン3:12/4・午後12:27・晴れ(@3:08〜) 
5日後の昼下がりにカエルの無事な姿が撮れていました。 
水面に浮かんでいたカエルが急に右の日向へ向かって泳ぎました。 
(カエルの種類を見分けられないのが残念です。) 

今季は驚くほどの暖冬で、山中でもまだ根雪にならず全て溶けてしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
変温動物のカエルは、てっきり雪が降る前にどこか安全な場所に隠れて(地中に穴を掘って?)冬眠するのだと私は思っていました。 
雪が降る池に平気で留まっているのは、とても意外でした。 

この映像ではカエルの種類を見分けられないのが残念です。 
水底で冬眠する種類のカエルもいるらしいのですが、呼吸はどうしているのでしょう? 
ヤマアカガエルは、主に林床や泥の中、落葉の溜まった溝の底で冬眠します。また、他のカエルと同様に、土の中や水底で冬眠することもあります

厳冬期に「池の水をぜんぶ抜く」作戦を敢行し、浅い水底でカエルが本当に冬眠しているかどうか、確かめてみたいのですが、実際にやるとなると大変そうです。

旧機種のトレイルカメラでは撮影時の気温データが取得できないのも残念です。 
地下水の湧き水が貯まった池なので、冬は水温が気温よりも少し高い可能性があります。 
(この点を確かめる必要がありますね。)


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2024/09/24

山中の水場で泳ぐ晩秋のカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬・午前1:05頃 

里山の湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っていると、晩秋の木枯らしが吹く度に周囲の雑木林から落ち葉がどんどん降ってきます。 
旧機種のトレイルカメラは風揺れや落ち葉による誤作動が多くて困るのですが、撮れた映像を丹念に見直すと、たまに意外な副産物が写っていることがあります。 
変温動物の両生類がいくら活動してもトレイルカメラの熱源動体検知センサーは本来反応しないはずなのに、誤作動で撮れた映像に小さなカエル(種名不詳)が写っていました。 

大量の落ち葉が降り積もった晩秋の泉で、深夜にカエルが突然左にスーッと泳ぎました。
水面に浮上するとカエルの目が赤外線に反射して白く光ります。 
後半は5倍速に早回し加工すると、カエルが瞬きする様子がよく分かります。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

実は翌日の夜からみぞれが降り始め、吹雪となりました。 
山中のカエルが未だ冬眠しないということは、晩秋でも獲物となる虫がまだ捕れるのでしょうか? 
この時期に現場入りすると水場に生き物の気配を感じられないので、捕食シーンを実際に観察しないことには信じられません。 




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2024/09/17

晩秋の水場で夜に半身浴するニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬 

山中の水場をトレイルカメラで監視するプロジェクトを再開しました。 
限られた台数のトレイルカメラで複数のプロジェクトをやり繰りしているので、通年ではなく断続的な監視になってしまいます。

シーン1:11/19・午後12:50(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
三方を崖に囲まれている細長い池で、里山の湧き水が貯まり、流れ出た水は沢の源流になっています。 
落ち葉が降り積もって浅くなった池の水は、画面の左下から右上に向かって流れています。 

今回はカメラの設置場所を変更しました。 
これまでは画面左下隅(画角の外)の崖の途中にトレイルカメラを設置していました。
そこは常に湿気が高い過酷な環境で、防水のトレイルカメラでも次々に壊れるので困っていました。 
水場に来る野生動物や野鳥の警戒心が強いと、ローアングルで設置した監視カメラの存在に気づいてしまう、という問題もありました。 
そこで、池を斜め上から見下ろすアングルに変更しました。 
池の周囲の斜面には雑木林の樹々が生えているため、池全体が写るような設置場所はどうしても確保できませんでした。 
これまでの撮影で野生動物がよく来ることが分かっている池の左岸を重点的に監視することにしました。 


シーン2:11/23・午後22:51(@0:03〜) 
夜遅くに、池の水が流出する水路からニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がジャブジャブと水場に入って来ました。 
牙が短いので、♀のようです。 
野生動物の中でもイノシシは特に警戒心が強いのですが、この水場で入水シーンが撮れたのは初めてです。 
これまで水浴シーンが撮れなかったのは、やはり監視カメラの存在に気づいて警戒していたからなのでしょう。 
今回も途中でイノシシ♀は監視カメラの方を見上げたものの、逃げませんでした。 

浅い池の水に腹面を浸しただけで(半身浴)、背中まで完全には浸かりませんでした。 
晩秋の深夜で水温が低いせいか、いわゆるヌタ打ち行動(泥浴び)はしませんでした。
旧機種のトレイルカメラで動画撮影すると、気温のデータが取得できないのが残念です。 

泉の中でイノシシが身動きすると、小さなカエル(種名不詳)が水面に浮いた落ち葉の上を慌てて跳んで逃げました。(@0:30〜) 
イノシシ♀は水中で方向転換してから池の左岸に上陸すると、毛皮の水気を切らずにそのまま獣道を歩き去りました。
雪国のイノシシは、冬になっても水浴するのでしょうか?




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2024/06/05

古い巣穴に潜り込んで雨宿りするニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年9月上旬〜中旬

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで監視し続けています。
雨夜に戻ってきたアナグマが古い巣穴に出入りする様子をまとめました。


シーン0:9/7・午後14:18・気温33℃(@0:00〜) 
明るい時間帯にフルカラーで録画された現場の様子です。 


シーン1:9/9・午前4:41・気温21℃(@0:03〜) 
小雨が降る未明に、アナグマが左から登場しました。 
巣穴Lにゆっくり潜り込んだのは、雨宿りのためなのでしょうか? 
入巣する後ろ姿の股間に睾丸が見えたので、若い♂と判明しました。 
この営巣地で以前ヘルパー♂を務めた個体かもしれません。 
成獣♂は体格も顔つきも、もっと「ずんぐりむっくり」になります。 


シーン2:9/9・午前4:41(@0:28〜)
ところが、次にトレイルカメラが起動したときには、アナグマが左へ立ち去る尻尾だけが写っていました。 
どうやら巣穴Lの内見を済ませて外に出てきた瞬間を撮り損ねてしまったようです。 


シーン3:9/9・午前4:53(@0:33〜)
小雨が降り続く中、セットの奥の二次林内をうろついていたアナグマがなぜか立ち止まって動かなくなりました。 
5倍速の早回し映像にすると、ミズキの木の背後でアナグマの白く光る目だけが少し動いています。 
カメラの死角で林床を掘り返してミミズを捕食しているのかもしれません。 


シーン4:9/12・午後19:50(@0:54〜) 
3日後の晩は、土砂降りの豪雨でした。 
監視カメラは斜め下を向けて設置しているので、レンズが雨で直接濡れることはありません。  
右からやって来たアナグマが広場で身震いして毛皮の水気を切ってから、巣穴Rに入りました。 
今度こそ、巣内で雨宿りするのでしょう。 
その後、この個体が巣穴から外に出て行った瞬間はなぜか撮れていません。 

ところで、アナグマは巣穴を掘る際に雨水が中に流れ込まないような浸水対策を何か施しているのでしょうか?
子育てしていたアナグマ家族がこの営巣地から転出したのも梅雨の時期だったので、巣内が水浸しになったのではないか?と考えたこともありました。
ファイバースコープを導入して巣穴の奥を覗いてみたいのですが、今季はなるべく余計な手出しをしないように自重しています。


後半は余談になりますが、画面の赤丸に注目して下さい。(@1:09〜) 
1匹の小動物が激しい豪雨に打たれながらも広場を横切って右へ歩き、最後は林縁の灌木を登り始めました。 
アナグマが入巣Rした後の映像にたまたま写っていました。
5倍速の早回し映像にすると、謎の小動物の動きが分かりやすくなります。(@1:37〜) 
なんとなくニホンアマガエルHyla japonica)かな?と思ったのですけど、カエルならピョンピョン跳んで移動する気がします。 
野ネズミの中でも木登りが得意なヒメネズミApodemus argenteus)の可能性もありそうです。 
これまでも野ネズミが雨夜に登場したことが何度もありました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




2024/06/01

夜明け前の林床でホンドタヌキとニアミスした謎の発光生物? カエル?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年9月上旬・午前4:15頃・(日の出時刻は午前5:11) 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の♀♂ペアと思われる2頭が未明に、ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を迂回するように通り過ぎました。 
今回はアナグマの巣穴Rには全く興味を示さず、素通りしています。 

画面の左下に小動物2匹の目が白く光っているのが気になりました。(2個の赤丸に注目) 
タヌキのペアが居なくなったのを見計らってから、もぞもぞと地面を移動し始めました。 
動きが緩慢で分かりにくいので、まずは5倍速の早回し映像でご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。 
映像では小さくて正体不明ですが、なんとなくニホンアマガエルHyla japonica)などのカエルの目がトレイルカメラの赤外線を反射しているのではないかと思います。
白い点が点滅したのは、カエルが瞬きしたのでしょう。 
カエルの目だとすれば、身動きしない限りタヌキには見えず、気づかないでしょう。

対立仮説として「陸生ホタルの幼虫が発光して、タヌキは毒虫の警告色として忌避した」と考えると面白いのですが、まだ実際にこの二次林でホタルの幼虫を見つけたことはありません。 
飼育下でタヌキに陸生ホタルの幼虫を給餌してみて、捕食するかどうか実験で確かめてはどうでしょうか。





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2024/05/19

池で後脚が生えたトウホクサンショウウオの幼生

2023年8月下旬・午前11:25頃・晴れ 

定点観察している山中の水場に久しぶりにやって来ました。 
私が池に近づくと、岸から水中に数匹のカエルが飛び込んで逃げました。 
トノサマガエルとツチガエルがちらっと見えたような気がして水中を探すと、1匹のツチガエルGlandirana rugosa)だけ見つけることができました。 
ストロボを炊いて撮った写真を見直すと、トウホクサンショウウオHynobius lichenatus)の幼生も端っこに写っていたのに現場では全く気づきませんでした。(痛恨のミス!) 
後脚が左右にまっすぐ延びています。 

関連記事(同所で1年前および2ヶ月前に撮影)▶  


本当はもっと頻繁に通って定点観察すべきだったのですが、さぼってしまいました。 
2023年の夏は記録的な酷暑となり、現場入りするための登山をすると、熱射病で命の危険を感じるほど過酷でした。
2023年夏の昼間に撮った虫の動画が少ないのも、そのためです。 
その点、トレイルカメラに任せれば文句も言わずに無人で撮影してくれるので助かりました。(直射日光が当たる場所だと熱暴走するおそれがあります。) 


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北海道のサンショウウオたち
トリミングした写真。

2024/03/28

放尿しながら跳んで逃げるニホンアマガエル

 

2023年7月上旬・午後12:30頃・晴れ 

里山の林道でタニウツギの葉の上にニホンアマガエルHyla japonica)が座っていました。 
体色が青緑の個体です。 
保護色になっていないので、目立ってしまいます。 
しばらく時間が経てば緑に変色して周囲と馴染むのでしょうか? 三
脚を持参していれば、タイムラプス撮影で確かめたかったです。 
ちなみに、アマガエルがはっきりと変色するには30~40分かかるそうです。 (『ニホンアマガエルの体色変化』PDFより) 
あるいは、この個体は生まれつき黄色の色素が足りない変異個体なのかもしれません。 

【参考ニュース記事】


私が指先でアマガエルの体にそっと触れると、逆側へ横っ飛びで逃げました。 
(カメラのバックモニターを見ながら利き手ではない左手の指でぎこちなく触れたので、うっかりカエルの左眼球に触れてしまいました。) 
隣の葉に止まり直していたアマガエルの背中を再び指で触れると、今度は前に飛んで逃げました。 
最後は草むらに落ちて見失いました。 

緊急避難の跳躍行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:43〜) 
1回目は透明な液体を大量に放出しながらジャンプしていました。 
アマガエルが軽量化のために失禁(排尿)したのでしょう。 
鳥も飛び立つ前後にしばしば脱糞します。
動画を撮りながらタニウツギの葉を斜めに傾けていたので、水滴が初めから葉に付いていた訳ではありません。 
2回目はタニウツギの葉の窪みに初めから水滴が溜まって濡れていました。 
これが雨の滴なのかカエルの小便なのか、不明です。 
アマガエルのジャンプをハイスピード動画で撮ればよかったですね。 


【アフィリエイト】 
・Nature Discovery Books アマガエルのヒミツ

2024/03/02

モリアオガエルの泡巣で吸汁するニクバエ

 



2023年6月中旬・午後12:20頃・晴れ 

梅雨の時期になると、山中の池の岸辺でミヤマガマズミなどの枝先にモリアオガエルRhacophorus arboreus)の卵塊がいくつも産み付けられます。 
その一つにホソヒラタアブ♀だけでなくニクバエ科の一種(種名不詳)も飛来しました。 
口吻を伸縮させて、乾いた卵塊の表面を舐め回しています。 

後半は、体格差のあるニクバエ2匹が並んで吸汁していました。 
なんとなく同種の♀♂かと思ったのですが、求愛交尾行動には発展しませんでした。 

ホソヒラタアブよりもニクバエの方が図太く、赤アリ(種名不詳)が近寄ってもあまり気にしません。 


【アフィリエイト】 
・科学のアルバム『モリアオガエル 新装版』 
・動物の記録『モリアオガエルの谷

2024/02/25

水田で泳ぐオタマジャクシの混群(トノサマガエルとニホンアマガエルの幼生)

 

2023年6月中旬・午前9:30頃・晴れ 

平地に広がる水田の隅にオタマジャクシが群がっていました。 
水中で静止している個体と泳ぎ回っている個体がいます。 
何かに驚いて急に素早く泳ぎ去ると、水底の泥が舞い上がります。 
どのオタマジャクシにも未だ脚は生えかけていません。 (変態が始まっていない。)
水深が浅いので、水面に浮かんで呼吸する必要がなく、腹面を見せてくれません。 (渦巻状の腸管を確認できず。) 

田んぼの水中にところどころ緑の藻が繁茂しています。 
見下ろすアングルではオタマジャクシの口の動きが見えず、採食してるかどうか不明です。 

ヒキガエルの真っ黒な幼生とは明らかに異なります。 
トノサマガエルPelophylax nigromaculatus)の幼生ではないかと思います。 
よく見ると、個体によってサイズがまちまちです。 
成長段階の違いかと初めは思ったのですけど、よく見ると小さい個体は全体的に黒っぽくて両目が離れているので、ニホンアマガエルHyla japonica)の幼生が混じっているようです。 

【参考サイト】


オタマジャクシの飼育観察もいつかやってみたいと思いつつ、忙しくてなかなか手が回りません。 


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2024/02/23

モリアオガエルの泡巣で吸汁するホソヒラタアブ♀と食卵するアリ

 

2023年6月中旬・午後12:15頃・晴れ 

山中にあるモリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池に定点観察しにやって来ました。 
梅雨時で池の水位が上がり、満水状態です。 
例年なら池畔のマユミ灌木の枝先に卵塊が産み付けられているのですが、いつもの場所には泡巣がありませんでした。 
池畔の灌木を丹念に調べると、モリアオガエルの卵塊をいくつか発見しました。 
定量的な調査をしていませんが、今季は少ない印象です。 

ミヤマガマズミの枝葉にモリアオガエルが産み付けた一つの卵塊に1匹のホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)が止まっていました。
左右の複眼が離れているので♀と分かります。 
翅を広げたまま口吻を伸縮させて、乾いた粘液をしきりに舐めているようです。
タンパク質やミネラル成分が豊富なのでしょう。
吸汁しながらも、腹部を上下に軽く動かして腹式呼吸しています。 

一方、赤っぽい微小なアリ(種名不詳)も同じ泡巣の表面をうろついています。 
赤アリがかじっている黄色い粒々は、モリアオガエルの泡巣に含まれる卵です。
ホソヒラタアブは近づいてくるアリを嫌って飛び立ち、軽くホバリング(停空飛翔)してアリから少し離れた位置に止まり直しました。 
アリ自身にホソヒラタアブ♀を攻撃する意図(餌場の縄張り防衛)は別になさそうです。 
アリがモリアオガエルの卵を泡巣からほじくり出して自分の巣穴に運ぶかどうか、興味があったのですが、かなりの長時間観察しないと見届けられないでしょう。

ホバリング中のホソヒラタアブ♀がモリアオガエル泡巣の表面にチョンチョンと触れるような思わせぶりな動きを繰り返しているのが気になりました。 
産卵行動だとしたら、大発見です。 
それとも近くのアリを牽制しているのでしょうか? 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:10〜3:40)、どうやら産卵行動ではなさそうです。  
停飛しながら足の先で泡巣の表面に軽く触れているだけで、腹端は泡巣に触れていませんでした。 
泡巣表面の湿り気を足先の感覚器で調べているのかもしれません。 
ホバリングしながら泡巣の横のミヤマガマズミの葉にも足先で触れたので、どこに着陸しようか吟味しているだけなのでしょう。 
そもそもホソヒラタアブの幼虫はアブラムシを捕食するので、カエルの卵塊に産卵するはずがありません。 

関連記事(14年前の撮影)▶ ホソヒラタアブの幼虫と前蛹


周囲にモリアオガエルの卵塊はいくつもあるのに、特定の卵塊にしか昆虫が集まらないのは不思議です。 
アブ・ハエ類が吸汁目的だとしたら、産みたてで水気の多い白い泡巣を舐めれば良さそうなのに、少し乾いた卵塊が好みなのは何故でしょう?
わざわざ唾液を吐き戻しながら乾いた卵塊を舐め、吸汁しているのです。
出来たてフワフワの泡巣の上をアリが歩けないのはなんとなく予想できます。

関連記事(10年前の撮影)▶ モリアオガエルの泡巣に集まるハエ 
キンバエ類、ニクバエ類、ベッコウバエの仲間など大小様々のハエが来ていました。 



 
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・科学のアルバム『モリアオガエル 新装版
・動物の記録『モリアオガエルの谷
 
水際に自生するミヤマガマズミの枝葉に群がってまさに抱接・産卵中のモリアオガエル♀♂も見つけました。
新鮮な泡巣は真っ白です。
モリアオガエル♀♂が粘液や尿を後脚で泡立てている最中に虫は来ていませんでした。
日が経って乾いた泡巣は黄色っぽくなります。

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