2022/09/23

山中の池に飛び込んで獲物を捕食するアカショウビン【野鳥:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 水場の周囲の森に響くアカショウビン♂のさえずり(野鳥)

2022年7月上旬

山中の泉を監視している自動撮影カメラ(トレイルカメラ)に憧れのアカショウビンHalcyon coromanda major)が2日連続で写っていました。 
私の予想通り、池のオタマジャクシを捕食しに通っているようです。 

左岸から池の上に張り出しているイロハカエデの枝に赤い鳥が止まっています。 
ここがアカショウビンのお気に入りの止まり木になっていました。 
止まり木から狙いを付けると、高速で池に飛び込みました。 
アカショウビンが左岸の止まり木から斜め下の水面に飛び込む瞬間を1/3倍速のスローモーションでリプレイすると、流線型の姿勢で赤い弾丸のように突っ込んでいました。 
派手に水飛沫を上げると、すぐに元の止まり木に戻りました。 
アカショウビンが飛び込んだ後の水面には波紋が広がります。 
飛び込み後に止まり木に戻ったアカショウビンは、嘴に黒っぽい獲物を咥えていました。 
獲物はおそらくオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)のようです。
関連記事(同時期に撮影)▶ 山の泉で育つオタマジャクシの大群をすくって見る
獲物を枝に叩きつけずに、そのまま飲み込みました。 
魚と違ってオタマジャクシは暴れたり抵抗したりしないからでしょう。
巣で待つ雛に持ち帰って給餌しないで自分で食べたということは、既に繁殖期は終了したのでしょう。 
食後のアカショウビンは嘴を枝に擦り付けてきれいにしました。 
止まり木で尾羽を上下に動かしながら水面を見つめ、次の獲物を探しています。 
水深の浅い池で飛び込み漁をするのは結構な危険が伴うと思うのですが、アカショウビンは易々と繰り返しています。 
モミジの枝に止まったアカショウビンが画角の外で、全身像がしっかり見えないのが残念です。 
捕食行動の間、アカショウビンは鳴き声を発しませんでした。 

黒いオタマジャクシの大群は左岸の岸辺に集結しているので、アカショウビンは左岸の止まり木から真下に飛び込むか、あるいは右岸の止まり木から池に飛び込むべきだと私は思うのですが、素人考えの通りには行動しませんでした。 
アカショウビンにはアカショウビンの都合が何かあるようです。 
逆に、オタマジャクシの昼間の分布が池の中で左岸に著しく偏っているのは、捕食者のアカショウビンからできるだけ隠れようとしているのでしょう。 
捕食圧で自然淘汰された結果、分布が偏ってしまったのかもしれません。 

※ 池に飛び込む水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
一連の捕食行動が分かりやすいように、2日連続で撮れた映像素材の時系列を再構成しました。 

お気に入りの止まり木の真下を探せば、吐き捨てたペリットも落ちていそうです。 
アカショウビンがよく利用する止まり木を狙うなら、トレイルカメラをもう少しだけ左に向けるべきですし、録画時間を1分から2分間に延長すれば、ダイビングの瞬間を撮れる確率が上がりそうです。 
色々と試行錯誤してもっと良い動画を撮りたかったのに、この直後に新しいトレイルカメラの電源部が故障して使えなくなってしまいました。 
雨季で湿度の高い水場という過酷な撮影環境のために、カメラの内部に浸水してしまったようです。 
仕方なく旧機種のトレイルカメラに取り替えようとモタモタしている間に、夏鳥のアカショウビンはこの山林から渡去してしまいました。 
来年までお預けです。 
せっかく導入した新機種のトレイルカメラを短い期間しか使えませんでしたが、充分に元が取れたと大満足。
私は夏にアカショウビンの鳴き声をたまに聞くだけで、自分の目で観察したことが未だありません。
トレイルカメラという文明の利器を使うことで、この山林にアカショウビンが確かに暮らしているという証拠映像を撮ることが出来ました。

山形新聞社『やまがた野鳥図鑑』でアカショウビンについて調べると、
 森林内の小さな沢や池でカエルなどを捕る。捕った獲物は枝に何度かたたきつけてから食べる。 薄暗い森の湖沼で会える。 6月下旬〜7月中旬が特に狙い目。県内では一応、5月下旬〜9月上旬まで見れるらしい。(p87より引用)

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